JPH07300630A - 銀の分離回収方法及び銀とパラジウムの分離回収方法 - Google Patents
銀の分離回収方法及び銀とパラジウムの分離回収方法Info
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- JPH07300630A JPH07300630A JP12475894A JP12475894A JPH07300630A JP H07300630 A JPH07300630 A JP H07300630A JP 12475894 A JP12475894 A JP 12475894A JP 12475894 A JP12475894 A JP 12475894A JP H07300630 A JPH07300630 A JP H07300630A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 塩化物を含む水溶液から銀を分離回収した
り、銀とパラジウムを分離回収し銀を分離する方法を提
供する。 【構成】 式1で示されるチオエーテルからなる抽出剤
を用いて、銀と塩化物イオンとを含有する水溶液から銀
を抽出分離する、銀の分離回収方法であり、パラジウム
も同時に回収して銀を分離する方法も包含する。 式1 R1−S−R2 (但しR1、R2はそれぞれ炭素数が4〜18の直鎖又
は側鎖を有するアルキル基、アルコキシ基、アリル基又
はアルカリル基である。)
り、銀とパラジウムを分離回収し銀を分離する方法を提
供する。 【構成】 式1で示されるチオエーテルからなる抽出剤
を用いて、銀と塩化物イオンとを含有する水溶液から銀
を抽出分離する、銀の分離回収方法であり、パラジウム
も同時に回収して銀を分離する方法も包含する。 式1 R1−S−R2 (但しR1、R2はそれぞれ炭素数が4〜18の直鎖又
は側鎖を有するアルキル基、アルコキシ基、アリル基又
はアルカリル基である。)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶媒抽出法による銀の
分離、回収法に関し、特に硫黄原子を含む特定の有機化
合物を抽出剤として用いることによって銀を塩化物水溶
液より分離、回収、除去する方法、更にこの抽出剤を用
いて銀とパラジウムとを効率的に分離する方法に関す
る。
分離、回収法に関し、特に硫黄原子を含む特定の有機化
合物を抽出剤として用いることによって銀を塩化物水溶
液より分離、回収、除去する方法、更にこの抽出剤を用
いて銀とパラジウムとを効率的に分離する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】水溶液からの銀の回収には工業的にいく
つかの方法が古くから確立されている。その一つは金属
のイオン化傾向の相違を利用したセメンテーション法
で、銀塩写真の定着廃液からの回収に用いられている。
又金や白金族金属が共存する系からの回収には、塩酸や
王水等の塩化物イオンを含む水溶液から塩化物の沈澱と
して分離する方法が用いられてきた。ところが、塩化銀
AgClの水への溶解度は極めて小さいが、塩化物イオ
ン濃度が大きくなると銀の二塩化物、三塩化物、及び四
塩化物錯体が生成し、溶解度が増加する。又鉄などの卑
金属が共存したり温度が上昇しても、溶解度が増大する
ことが報告されている。(O.Dinardo,J.
E.Dutrizac:Hydrometallurg
yu 13,345−363(1985))このように
沈澱法による回収はロスが多く、効果的ではない。又選
択性も低いため、得られた沈澱には不純物の卑金属や白
金族金属が多く含まれる欠点もある。 近年、パラジウ
ムや白金等の白金族金属は、電子・電気材料としての利
用が増大しており、これに伴って高純度化が要求されて
いるが、このためには市販のパラジウム中に含まれる不
純物の銀を効率良く除去する必要がある。銀を他の貴金
属や卑金属と効率的に分離するための比較的簡便な方法
として、試料を塩酸水溶液中に溶解させ、この中から銀
を選択的に溶媒抽出する方法が考えられる。しかしこれ
まで、塩酸を始めとする酸性の塩化物水溶液からの白金
族金属の溶媒抽出については膨大な研究が行われてきた
ものの、銀の抽出剤についてはあまり検討されておら
ず、その抽出挙動はよく解っていないため、このような
系への溶媒抽出技術の利用はほとんどなされていない。
Y.AbeとD.S.Flettは式2に示すトリイソ
ブチルホスフィンスルフィドが銀を効率的に抽出するこ
とを報告している。(Solvent Extract
ion 1990 pp.1127−1132 Els
evier,Amsterdam)しかしこのような構
造のトリアルキルホスフィンスルフィド類は酸化を受け
やすく、化学的に不安定なため工業的な利用には問題が
ある。 式2 (iso−C4H9)3−P=S
つかの方法が古くから確立されている。その一つは金属
のイオン化傾向の相違を利用したセメンテーション法
で、銀塩写真の定着廃液からの回収に用いられている。
又金や白金族金属が共存する系からの回収には、塩酸や
王水等の塩化物イオンを含む水溶液から塩化物の沈澱と
して分離する方法が用いられてきた。ところが、塩化銀
AgClの水への溶解度は極めて小さいが、塩化物イオ
ン濃度が大きくなると銀の二塩化物、三塩化物、及び四
塩化物錯体が生成し、溶解度が増加する。又鉄などの卑
金属が共存したり温度が上昇しても、溶解度が増大する
ことが報告されている。(O.Dinardo,J.
E.Dutrizac:Hydrometallurg
yu 13,345−363(1985))このように
沈澱法による回収はロスが多く、効果的ではない。又選
択性も低いため、得られた沈澱には不純物の卑金属や白
金族金属が多く含まれる欠点もある。 近年、パラジウ
ムや白金等の白金族金属は、電子・電気材料としての利
用が増大しており、これに伴って高純度化が要求されて
いるが、このためには市販のパラジウム中に含まれる不
純物の銀を効率良く除去する必要がある。銀を他の貴金
属や卑金属と効率的に分離するための比較的簡便な方法
として、試料を塩酸水溶液中に溶解させ、この中から銀
を選択的に溶媒抽出する方法が考えられる。しかしこれ
まで、塩酸を始めとする酸性の塩化物水溶液からの白金
族金属の溶媒抽出については膨大な研究が行われてきた
ものの、銀の抽出剤についてはあまり検討されておら
ず、その抽出挙動はよく解っていないため、このような
系への溶媒抽出技術の利用はほとんどなされていない。
Y.AbeとD.S.Flettは式2に示すトリイソ
ブチルホスフィンスルフィドが銀を効率的に抽出するこ
とを報告している。(Solvent Extract
ion 1990 pp.1127−1132 Els
evier,Amsterdam)しかしこのような構
造のトリアルキルホスフィンスルフィド類は酸化を受け
やすく、化学的に不安定なため工業的な利用には問題が
ある。 式2 (iso−C4H9)3−P=S
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塩化
物水溶液からの銀の分離、回収、及び銀とパラジウムの
分離、回収を従来より効率的に行うことを可能にする技
術を提供することにある。更に本発明は、パラジウム等
の白金族金属中に含まれる不純物としての銀を容易にか
つ効率的に分離、除去でき、工業的に利用できる方法を
提供することを目的とする。
物水溶液からの銀の分離、回収、及び銀とパラジウムの
分離、回収を従来より効率的に行うことを可能にする技
術を提供することにある。更に本発明は、パラジウム等
の白金族金属中に含まれる不純物としての銀を容易にか
つ効率的に分離、除去でき、工業的に利用できる方法を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、 「1. 式1で示されるチオエーテルからなる抽出剤を
用いて、銀と塩化物イオンとを含有する水溶液から銀を
抽出分離する、銀の分離回収方法。 式1 R1−S−R2 (但しR1、R2はそれぞれ炭素数が4〜18の直鎖又
は側鎖を有するアルキル基、アルコキシ基、アリル基又
はアルカリル基である。) 2. 抽出剤を含有する抽出溶媒と銀と、塩化物イオン
とを含有する水溶液を液−液接触させることにより銀を
抽出分離する、1項に記載された銀の分離回収方法。 3. 抽出剤を疎水性で多孔質の樹脂に含浸させて調製
した吸着材と、銀と塩化物イオンとを含有する水溶液を
固−液接触させることにより銀を抽出分離する、1項に
記載された銀の分離回収方法。 4. 式1で示されるチオエーテルからなる抽出剤を用
いて、塩化物イオン濃度を高濃度側に調節した銀とパラ
ジウムを含有する塩化物水溶液からパラジウムを選択的
に抽出し、銀を水溶液中に残すことによる銀とパラジウ
ムの分離回収方法。式1 R1−S−R2 (但しR1、R2はそれぞれ炭素数が4〜18の直鎖又
は側鎖を有するアルキル基、アルコキシ基、アリル基又
はアルカリル基である。) 5. 抽出剤を含有する抽出溶媒を、塩化物イオン濃度
を高濃度側に調節した銀とパラジウムを含有する塩化物
水溶液と液−液接触させることによりパラジウムを選択
的に抽出する、4項に記載された銀とパラジウムの分離
回収方法。 6. 抽出剤を疎水性で多孔質の樹脂に含浸させて調製
した吸着材を、塩化物イオン濃度を高濃度側に調節した
銀とパラジウムを含有する塩化物水溶液と固−液接触さ
せることによりパラジウムを吸着材に吸着して選択的に
抽出する、4項に記載された銀とパラジウムの分離回収
方法。」に関する。
用いて、銀と塩化物イオンとを含有する水溶液から銀を
抽出分離する、銀の分離回収方法。 式1 R1−S−R2 (但しR1、R2はそれぞれ炭素数が4〜18の直鎖又
は側鎖を有するアルキル基、アルコキシ基、アリル基又
はアルカリル基である。) 2. 抽出剤を含有する抽出溶媒と銀と、塩化物イオン
とを含有する水溶液を液−液接触させることにより銀を
抽出分離する、1項に記載された銀の分離回収方法。 3. 抽出剤を疎水性で多孔質の樹脂に含浸させて調製
した吸着材と、銀と塩化物イオンとを含有する水溶液を
固−液接触させることにより銀を抽出分離する、1項に
記載された銀の分離回収方法。 4. 式1で示されるチオエーテルからなる抽出剤を用
いて、塩化物イオン濃度を高濃度側に調節した銀とパラ
ジウムを含有する塩化物水溶液からパラジウムを選択的
に抽出し、銀を水溶液中に残すことによる銀とパラジウ
ムの分離回収方法。式1 R1−S−R2 (但しR1、R2はそれぞれ炭素数が4〜18の直鎖又
は側鎖を有するアルキル基、アルコキシ基、アリル基又
はアルカリル基である。) 5. 抽出剤を含有する抽出溶媒を、塩化物イオン濃度
を高濃度側に調節した銀とパラジウムを含有する塩化物
水溶液と液−液接触させることによりパラジウムを選択
的に抽出する、4項に記載された銀とパラジウムの分離
回収方法。 6. 抽出剤を疎水性で多孔質の樹脂に含浸させて調製
した吸着材を、塩化物イオン濃度を高濃度側に調節した
銀とパラジウムを含有する塩化物水溶液と固−液接触さ
せることによりパラジウムを吸着材に吸着して選択的に
抽出する、4項に記載された銀とパラジウムの分離回収
方法。」に関する。
【0005】
【作用】本発明で用いる抽出剤は、銀の抽出挙動が塩化
物水溶液中の塩化物イオンの濃度により異なり、低濃度
では銀は有機相に抽出されるので銀を抽出に利用するこ
とができる。又塩化物イオン濃度の増加とともに銀の抽
出率は低下し、ある濃度以上になると全く抽出されなく
なるので、これを利用して、塩化物イオン濃度によりパ
ラジウムからの銀の分離を効率的に行うことが出来る。
即ち塩化物水溶液中にパラジウムが同時に含有されてい
る場合には、この化合物は塩化物イオン濃度によらずパ
ラジウムを100%抽出するので、塩化物イオン濃度を
適切な範囲に調整することによりパラジウムのみを選択
的に抽出し、銀を水溶液中に残すことができる。ついで
塩化物イオン濃度を低濃度側に調節して抽出を行えば銀
を分離回収することが出来る。
物水溶液中の塩化物イオンの濃度により異なり、低濃度
では銀は有機相に抽出されるので銀を抽出に利用するこ
とができる。又塩化物イオン濃度の増加とともに銀の抽
出率は低下し、ある濃度以上になると全く抽出されなく
なるので、これを利用して、塩化物イオン濃度によりパ
ラジウムからの銀の分離を効率的に行うことが出来る。
即ち塩化物水溶液中にパラジウムが同時に含有されてい
る場合には、この化合物は塩化物イオン濃度によらずパ
ラジウムを100%抽出するので、塩化物イオン濃度を
適切な範囲に調整することによりパラジウムのみを選択
的に抽出し、銀を水溶液中に残すことができる。ついで
塩化物イオン濃度を低濃度側に調節して抽出を行えば銀
を分離回収することが出来る。
【0006】式1で表される抽出剤としては、たとえば
ジヘキシルスルフィド(市販品は大八化学(株)製商品
名SFI−6など)等がある。尚、式1においてR1、
R2の炭素数がそれぞれ3以下のものは、水溶液への溶
解性が大きく、抽出工程における抽出剤のロスが大き
い。又、R1、R2の炭素数が19以上の化合物は粘性
が大きくなり、ミキサーセトラー等による円滑な操業が
困難になるので望ましくない。銀又はパラジウムを本発
明の抽出剤を用いて抽出、分離するには、抽出剤を適当
な有機溶媒で0.5〜70容量%程度に希釈し、一般的
な液−液接触の溶媒抽出操作と同様に行う。処理量の多
いときはミキサーセトラーやパルスカラム、多孔板塔等
の流通式の接触装置を用いることもでき、処理量の少な
いときは回分操作も可能である。希釈剤としては高引火
点の脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素、ハロゲン化炭
化水素などが有効である。
ジヘキシルスルフィド(市販品は大八化学(株)製商品
名SFI−6など)等がある。尚、式1においてR1、
R2の炭素数がそれぞれ3以下のものは、水溶液への溶
解性が大きく、抽出工程における抽出剤のロスが大き
い。又、R1、R2の炭素数が19以上の化合物は粘性
が大きくなり、ミキサーセトラー等による円滑な操業が
困難になるので望ましくない。銀又はパラジウムを本発
明の抽出剤を用いて抽出、分離するには、抽出剤を適当
な有機溶媒で0.5〜70容量%程度に希釈し、一般的
な液−液接触の溶媒抽出操作と同様に行う。処理量の多
いときはミキサーセトラーやパルスカラム、多孔板塔等
の流通式の接触装置を用いることもでき、処理量の少な
いときは回分操作も可能である。希釈剤としては高引火
点の脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素、ハロゲン化炭
化水素などが有効である。
【0007】又、塩化物水溶液中の銀やパラジウムの濃
度が低い場合は、このような液−液接触の溶媒抽出操作
より、本抽出剤を微小な細孔を無数に有する疎水性の樹
脂に含浸させて調製した吸着材を用い、これを水溶液に
固−液接触させる方法(抽出クロマトグラフィ)のほう
が効率的である。該吸着材は、たとえばアセトンのよう
な揮発性の高い溶媒に抽出剤を溶かし、この中に樹脂を
浸漬した後取り出し、溶媒を除去することによって調製
される。この方法に用いられる樹脂としては特に制限は
ないが、たとえばロームアンドハース社製商品名Amb
erliteXAD−4やXAD−7として市販されて
いる多孔質のポリスチレン、ポリアクリル酸エステルな
どが挙げられる。
度が低い場合は、このような液−液接触の溶媒抽出操作
より、本抽出剤を微小な細孔を無数に有する疎水性の樹
脂に含浸させて調製した吸着材を用い、これを水溶液に
固−液接触させる方法(抽出クロマトグラフィ)のほう
が効率的である。該吸着材は、たとえばアセトンのよう
な揮発性の高い溶媒に抽出剤を溶かし、この中に樹脂を
浸漬した後取り出し、溶媒を除去することによって調製
される。この方法に用いられる樹脂としては特に制限は
ないが、たとえばロームアンドハース社製商品名Amb
erliteXAD−4やXAD−7として市販されて
いる多孔質のポリスチレン、ポリアクリル酸エステルな
どが挙げられる。
【0008】抽出溶媒や吸着材からの銀やパラジウムの
回収は通常の方法で行えばよく、たとえばアンモニア、
水酸化ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシア
ン酸アンモニウムなどの水溶液や、チオ尿素と塩酸の混
合溶液などを逆抽出液として用いて逆抽出することがで
きる。
回収は通常の方法で行えばよく、たとえばアンモニア、
水酸化ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシア
ン酸アンモニウムなどの水溶液や、チオ尿素と塩酸の混
合溶液などを逆抽出液として用いて逆抽出することがで
きる。
【0009】
【実施例】以下に本発明に係る実施例を挙げるが、該実
施例は本発明を限定するものではない。
施例は本発明を限定するものではない。
【0010】実施例1 ジヘキシルスルフィド(大八化学(株)製商品名SFI
−6)をケロシン(EXXON社製EXXASOL D
80)で希釈して40容量%溶液とした。この抽出溶媒
を用いて、約4ppmの銀を含む様々な濃度の塩酸水溶
液中より銀の抽出を行った。銀の抽出率を図1に示す。
抽出率は塩酸濃度の増加とともに減少し、塩酸濃度が約
4モル/dm3以上になると全く抽出されなくなる。従
ってこの化合物は、塩酸濃度の低い範囲では銀の抽出剤
として用いることができる。図中の□が各塩酸濃度にお
ける銀の抽出率を示している。
−6)をケロシン(EXXON社製EXXASOL D
80)で希釈して40容量%溶液とした。この抽出溶媒
を用いて、約4ppmの銀を含む様々な濃度の塩酸水溶
液中より銀の抽出を行った。銀の抽出率を図1に示す。
抽出率は塩酸濃度の増加とともに減少し、塩酸濃度が約
4モル/dm3以上になると全く抽出されなくなる。従
ってこの化合物は、塩酸濃度の低い範囲では銀の抽出剤
として用いることができる。図中の□が各塩酸濃度にお
ける銀の抽出率を示している。
【0011】実施例2 SFI−6をEXXASOL D80で希釈して10容
量%溶液を作製し、これを抽出溶媒として、約20pp
mの銀と約100ppmのパラジウムを含む含む様々な
濃度の塩酸水溶液中より銀とパラジウムの抽出を行っ
た。銀とパラジウムの抽出率を図2に示す。図2より、
銀の抽出率は塩酸濃度の増加とともに減少し、塩酸濃度
が約5モル/dm3以上になると全く抽出されなくな
る。これに対してパラジウムはすべての濃度の塩酸中か
ら100%抽出された。従って5モル/dm3以上の濃
度の塩酸水溶液中から抽出を行えばパラジウムを有機相
中へ移行させ、銀を水相に残すことにより両者を分離す
ることができる。図中二重丸は銀、黒丸はパラジウムの
各塩酸濃度における抽出率を示す。
量%溶液を作製し、これを抽出溶媒として、約20pp
mの銀と約100ppmのパラジウムを含む含む様々な
濃度の塩酸水溶液中より銀とパラジウムの抽出を行っ
た。銀とパラジウムの抽出率を図2に示す。図2より、
銀の抽出率は塩酸濃度の増加とともに減少し、塩酸濃度
が約5モル/dm3以上になると全く抽出されなくな
る。これに対してパラジウムはすべての濃度の塩酸中か
ら100%抽出された。従って5モル/dm3以上の濃
度の塩酸水溶液中から抽出を行えばパラジウムを有機相
中へ移行させ、銀を水相に残すことにより両者を分離す
ることができる。図中二重丸は銀、黒丸はパラジウムの
各塩酸濃度における抽出率を示す。
【0012】
【発明の効果】本発明の抽出剤は、従来銀の抽出剤とし
て知られているトリアルキルホスフィンスルフィド類等
と比較して化学的に安定であり、この抽出剤を用いた溶
媒抽出法によれば、塩化物を含む水溶液系からの銀の回
収やパラジウムとの分離を容易かつ効率的に行うことが
でき、特に白金族金属中に含まれる銀の分離、除去など
に有用である。又更に沈澱法による分離、回収法に比べ
てロスが少なく、卑金属等の混入も少ない利点がある。
て知られているトリアルキルホスフィンスルフィド類等
と比較して化学的に安定であり、この抽出剤を用いた溶
媒抽出法によれば、塩化物を含む水溶液系からの銀の回
収やパラジウムとの分離を容易かつ効率的に行うことが
でき、特に白金族金属中に含まれる銀の分離、除去など
に有用である。又更に沈澱法による分離、回収法に比べ
てロスが少なく、卑金属等の混入も少ない利点がある。
【図1】実施例1の抽出溶媒による銀の抽出率と塩酸濃
度との関係を示すグラフである。
度との関係を示すグラフである。
【図2】実施例2の抽出溶媒による銀とパラジウムの抽
出率と塩酸濃度との関係を示すグラフである。
出率と塩酸濃度との関係を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 式1で示されるチオエーテルからなる抽
出剤を用いて、銀と塩化物イオンとを含有する水溶液か
ら銀を抽出分離する、銀の分離回収方法。 式1 R1−S−R2 (但しR1、R2はそれぞれ炭素数が4〜18の直鎖又
は側鎖を有するアルキル基、アルコキシ基、アリル基又
はアルカリル基である。) - 【請求項2】 抽出剤を含有する抽出溶媒と銀と、塩化
物イオンとを含有する水溶液を液−液接触させることに
より銀を抽出分離する、請求項1に記載された銀の分離
回収方法。 - 【請求項3】 抽出剤を疎水性で多孔質の樹脂に含浸さ
せて調製した吸着材と、銀と塩化物イオンとを含有する
水溶液を固−液接触させることにより銀を抽出分離す
る、請求項1に記載された銀の分離回収方法。 - 【請求項4】 式1で示されるチオエーテルからなる抽
出剤を用いて、塩化物イオン濃度を高濃度側に調節した
銀とパラジウムを含有する塩化物水溶液からパラジウム
を選択的に抽出し、銀を水溶液中に残すことによる銀と
パラジウムの分離回収方法。 式1 R1−S−R2 (但しR1、R2はそれぞれ炭素数が4〜18の直鎖又
は側鎖を有するアルキル基、アルコキシ基、アリル基又
はアルカリル基である。) - 【請求項5】 抽出剤を含有する抽出溶媒を、塩化物イ
オン濃度を高濃度側に調節した銀とパラジウムを含有す
る塩化物水溶液と液−液接触させることによりパラジウ
ムを選択的に抽出する、請求項4に記載された銀とパラ
ジウムの分離回収方法。 - 【請求項6】 抽出剤を疎水性で多孔質の樹脂に含浸さ
せて調製した吸着材を、塩化物イオン濃度を高濃度側に
調節した銀とパラジウムを含有する塩化物水溶液と固−
液接触させることによりパラジウムを吸着材に吸着して
選択的に抽出する、請求項4に記載された銀とパラジウ
ムの分離回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12475894A JPH07300630A (ja) | 1994-04-27 | 1994-04-27 | 銀の分離回収方法及び銀とパラジウムの分離回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12475894A JPH07300630A (ja) | 1994-04-27 | 1994-04-27 | 銀の分離回収方法及び銀とパラジウムの分離回収方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07300630A true JPH07300630A (ja) | 1995-11-14 |
Family
ID=14893391
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12475894A Pending JPH07300630A (ja) | 1994-04-27 | 1994-04-27 | 銀の分離回収方法及び銀とパラジウムの分離回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07300630A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001516808A (ja) * | 1997-09-17 | 2001-10-02 | アングロ アメリカン プラティナム コーポレイション リミティド | 白金族金属の分離 |
JP2013253816A (ja) * | 2012-06-05 | 2013-12-19 | Chiyoda Technol Corp | 固体抽出剤及び白金族元素の抽出方法 |
JP2014055331A (ja) * | 2012-09-13 | 2014-03-27 | Sanyo Shoten:Kk | 白金族の分離回収法 |
JP2020084236A (ja) * | 2018-11-20 | 2020-06-04 | 国立大学法人東北大学 | 銅電解液中の銀の回収方法 |
-
1994
- 1994-04-27 JP JP12475894A patent/JPH07300630A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001516808A (ja) * | 1997-09-17 | 2001-10-02 | アングロ アメリカン プラティナム コーポレイション リミティド | 白金族金属の分離 |
JP2013253816A (ja) * | 2012-06-05 | 2013-12-19 | Chiyoda Technol Corp | 固体抽出剤及び白金族元素の抽出方法 |
JP2014055331A (ja) * | 2012-09-13 | 2014-03-27 | Sanyo Shoten:Kk | 白金族の分離回収法 |
JP2020084236A (ja) * | 2018-11-20 | 2020-06-04 | 国立大学法人東北大学 | 銅電解液中の銀の回収方法 |
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