JPH0696456B2 - パラジウムおよび/または銀の回収法 - Google Patents

パラジウムおよび/または銀の回収法

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JPH0696456B2 JP9193686A JP9193686A JPH0696456B2 JP H0696456 B2 JPH0696456 B2 JP H0696456B2 JP 9193686 A JP9193686 A JP 9193686A JP 9193686 A JP9193686 A JP 9193686A JP H0696456 B2 JPH0696456 B2 JP H0696456B2
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由成 馬場
哲司 岡
誠 高木
明弘 藤本
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は溶媒抽出によるパラジウムおよび/または銀の
回収法,特に,廃触媒,メッキ廃液,各種スクラップや
アノード・スライムからパラジウムおよび/または銀を
選択的に高純度で効率よく回収する方法に関する。アノ
ード・スライムは銅,ニッケル,亜鉛などの鉱石の精錬
工程において生じ,金,銀,各種白金属元素(パラジウ
ムを含む),セレン,テルルなどを含有する。
(従来の技術) パラジウムや銀は触媒,電気,電子材料,歯科医療用材
料,写真感光材料などに広く使用されている産業上欠か
すことのできない金属である。わが国のこれら金属の需
要量は世界の一,二位である一方,原料となる鉱石のほ
とんどを外国からの輸入に頼っている。そのため,廃触
媒,各種スクラップなどのパラジウム含有物や銀含有物
からの効果的な回収が望まれている。
例えば,上記パラジウム含有物からのパラジウムの回収
は,通常,該パラジウム含有物を王水またはシアン化合
物溶液で溶解し,これを還元して沈澱を生じさせるとい
う方法を繰り返すことにより行われている。銀の回収も
同様の方法で行われる。しかし,このような方法では他
の金属,特にパラジウムや銀と性質の類似した元素,例
えばイリジウム,銅,白金,との分離が困難であり,純
度の高い金属が得られない。回収の工程も複雑であり,
かつ,王水を使用する場合には有害な窒素酸化物が発生
する欠点がある。
これに対し,溶媒抽出法やイオン交換法による回収法が
提案されている。このような方法では,水溶液中からパ
ラジウムをはじめとする微量金属イオンの分離が比較的
容易になされうる。低コストであるなどの理由から,特
に溶媒抽出法が好適に用いられる。溶媒抽出法によりパ
ラジウムや銀の抽出を行う場合には,抽出剤として硫黄
化合物が用いられる。これは,ピアソン氏の「硬い酸
(塩基),軟らかい酸(塩基)」という分類概念によれ
ば(ジャーナル オブ アメリカン ケミカルソサエテ
ィ;J.Amer.Chem.Soc.,3533(1963)),パラジウムや銀
が「軟らかい酸」に分類されるため,「軟らかい塩基」
として働く硫黄化合物を用いると,上記金属が選択的に
回収されうるとの考えにもとづくものである。硫黄化合
物としては例えば,ジアルキルスルフィド類,原油中に
含まれる石油スルフィド類,トリイソブチルホスフィン
スルフィドに分類されるCYANEX471(アメリカン・サイ
アミナッド社製;特開昭59−136435号公報)がある。
このような硫黄化合物抽出剤はパラジウムや銀に対して
高選択性を示す。しかし,抽出能力に劣るため,水溶液
中のパラジウムや銀を実質的に完全に回収するには数回
にわたる抽出操作が必要となる。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記従来の欠点を解決するものであり,その目
的とするところは、廃触媒,各種スクラップなどのパラ
ジウム含有物および/または銀含有物から高純度のパラ
ジウムおよび/または銀を効果的に回収する方法を提供
することにある。本発明の他の目的は,上記パラジウム
含有物からパラジウムおよび/または銀を選択的に,か
つ簡単な操作により高収率で抽出しうる抽出剤を用い
て,溶液抽出によりパラジウムおよび/または銀を回収
する方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明のパラジウムおよび/または銀の回収法は,パラ
ジウムおよび/または銀含有水溶液に下記一般式で示さ
れる2−アルキルチオピリジンを抽出剤として含有する
抽出溶媒を液−液接触させ,パラジウムおよび/または
銀を該溶媒中に抽出することを含有し,そのことにより
上記目的た達成される: (ここでRは炭素数が8〜12のアルキル基である)。
本発明のパラジウムおよび/または銀の回収法は,ま
た,上記回収法に加えて,さらに,該パラジウムおよび
/または銀を含有するを抽出溶媒をチオ化合物および/
または無機酸を逆抽出剤として含有する水溶液により逆
抽出し,パラジウムおよび/または銀の水溶液を得る工
程,を包含し,そのことにより上記目的が達成される。
本発明方法では水溶液中に塩化物などの塩の形態で存在
するパラジウムや銀が抽出・回収される。したがってこ
れら金属を廃触媒や各種スクラップから回収するときに
は,例えば,パラジウム含有物や銀含有物を塩酸,硝酸
などの適当な鉱酸に溶解し,パラジウム含有水溶液や銀
含有水溶液が調製される。水溶液中のパラジウムや銀
は,水溶液を調製する際に使用された鉱酸の種類および
抽出前の処理方法に依存して,塩化物,硝酸塩などの形
態で存在しうる。パラジウムについては,その溶解性お
よび鉱酸の価格などの面から,塩化物(塩酸)溶液が好
適に用いられる。
抽出剤としては,下記構造式を有する2−アルキルチオ
ピリジンが用いられる: (ここでRは炭素数が8〜12のアルキル基である)。
例えば,この抽出剤を適当な有機溶媒に溶解させた抽出
溶媒と上記パラジウム含有水溶液とを液−液接触させる
とパラジウムが有機層に抽出される。銀含有水溶液から
は銀が有機相に抽出される。パラジウムと銀とを含有す
る水溶液からはパラジウムおよび銀が同時に,また,適
当な条件を設定することにより別々に有機相に抽出され
る。パラジウムや銀のほか,同様の方法で水銀を水相か
ら抽出することも可能である。抽出剤のアルキル基の炭
素数が7以下であると抽出剤とパラジウム(または銀)
とが反応して形成される錯体により沈澱が生じる。さら
に,炭素数が7以下で水溶液中の酸濃度が高い場合に
は,抽出剤と酸とが反応して水相に溶解するため抽出剤
の損失を生じる。炭素数が13以上であると,該抽出剤を
含む有機溶媒の粘稠性が高くなり水相と有機相との相分
離が困難になる。上記2−アルキルチオピリジンのアル
キル基は直鎖アルキル基であっても分岐アルキル基であ
ってもよい。このような2−アルキルチオピリジンとし
ては,例えば,2−オクチルチオピリジン,2−n−デシル
チオピリジン,2−n−ドデシルチオピリジン,2−(2−
エチルヘキシル)チオピリジンがある。抽出剤は2種以
上混合されて用いられてもよい。このような2種以上の
混合物は比較的入手が容易であり,かつ安価である場合
も多い。これらの2−アルキルチオピリジンは例えば,
アルカンチオールと2−ハロゲン化ピリジンとナトリウ
ムアルコキシドとをN・N−ジメチルホルムアミド中で
反応させることにより,容易に生成する。2−ハロゲン
化ピリジンとしては2−クロルピリジンや2−ブロモピ
リジンがある。これら2−ハロゲン化ピリジンやアルカ
ンチオールは工業薬品として安価に得られるため,2−ア
ルキルチオピリジンが安価に提供されうる。2種以上の
2−アルキルチオピリジンの混合物を得る場合には,対
応するアルカンチオールの混合物を用いる。2−アルキ
ルチオピリジンの生成は次の式で示される: (RおよびR′はアルキル基,そしてXはC1またはBrで
ある。) 例えば,2−クロルピリジン,t−ドデカンチオールおよび
ナトリウムブトキシドを用いると,30〜40%の収率で2
−t−ドデシルチオピリジンが得られる。
抽出時の有機溶媒としては,上記抽出剤が溶解しうる通
常の有機溶媒が利用されうる。例えば,パラフィン系炭
化水素,ナフテン系炭化水素,芳香族炭化水素が好適に
用いられる。この有機溶媒に上記抽出剤か,通常,100〜
0.5重量%,好ましくは,50〜1重量%の割合で含有され
る。液−液抽出を行う際には,パラジウム塩や銀塩を含
有する水溶液に遊離の鉱酸が含まれていてもよい。しか
し,鉱酸濃度が高すぎると抽出剤の水相への溶解度が大
きくなったり,有機相が2相に分離したり,沈澱を生じ
たりする。このため比較的低濃度の鉱酸の使用が推奨さ
れる。例えば、抽出剤として2−オクチルチオピリジン
を使用する場合の鉱酸濃度は0.1N以下,t−ドデシルチオ
ピリジンを使用する場合の鉱酸濃度は3N以下とすること
が好ましい。
水相と有機相との接触方法は既知の方法が用いられう
る。一段バッチ式の液−液接触により,実施しうるが,
塔式あるいは槽式の多段液−液接触装置を用いても行わ
れうる。このようにして有機相に高収率で高純度のパラ
ジウムおよび/または銀を回収することができる。
このようにして得られたパラジウムおよび/または銀含
有有機相を,次いで,逆抽出剤を含有する水溶液に接触
させるとパラジウムおよび/または銀が水相に逆抽出さ
れる。逆抽出剤としては,チオ化合物および/または無
機酸が用いられる。パラジウムを逆抽出する場合には,
チオ化合物としてはチオ尿素が,無機酸としては塩酸お
よび/また硝酸が使用される。特に,チオ尿素と塩酸と
の混合物,またはチオ尿素と硝酸との混合物を含む逆抽
出剤とするのが好適である。銀を逆抽出する場合には,
チオ化合物としてはチオ尿素および/またはチオシアン
酸塩が,無機酸としては硫酸および/または硝酸が使用
される。特に,チオシアン酸塩,チオ尿素と硫酸との混
合物,またはチオ尿素と硝酸との混合物を逆抽出剤とす
るのが好適である。チオシアン酸塩としてはチオシアン
酸アンモニウム,チオシアン酸ソーダなどが用いられ
る。チオ化合物の濃度は5〜0.01mol/l,好ましくは1〜
0.1mol/l,そして無機酸の濃度は0.000〜5N,好ましくは
0.005〜3Nである。
パラジウムや銀の逆抽出液としては、通常、アンモニア
水溶液が利用されるが,本発明方法にこれを用いるとパ
ラジウムや銀はほとんど逆抽出されないうえ,乳化が起
こるため不適当である。逆抽出後の有機相は,抽出工程
にフィード・バックさせて用いられうる。このようにし
て高純度のパラジウムおよび/または銀を含有する水溶
液が得られる。
(作用) 本発明方法によれば,溶媒抽出法によりパラジウムおよ
び/または銀を含有する水溶液から高純度のパラジウム
および/または銀が簡単な操作で効果的に回収されう
る。使用される抽出剤はこれら金属を選択的に抽出する
ため,他の金属が混在する水溶液からもパラジウムや銀
を選択的に,かつ高収率で回収することが可能である。
パラジウムや銀のほか,水銀を選択的に回収することも
可能である。抽出剤である2−アルキルチオピリジンの
抽出能力は従来のジアルキルスルフィド類やトリアルキ
ルホスフィンスルフィド類に比べてはるかに優れる。通
常,抽出剤の抽出性能が優れている場合には逆抽出が困
難である場合が多い。しかし,本発明方法ではチオ化合
物や無機酸という特定の逆抽出剤を用いて効果的にパラ
ジウムや銀を逆抽出することができる。逆抽出された水
溶液中のパラジウムや銀は既知の方法により容易に金属
パラジウムあるいは金属銀とすることができる。
(実施例) 以下に本発明を実験例により説明する。
実施例1 〔2−オクチルチオピリジンによる各種金属の抽出試
験〕 (1)パラジウムを0.05mol/l(金属パラジウムとして
の濃度である;以下,各金属についても同様)の割合で
含有する1mol/l塩化アンモニウム水溶液(2×10-3mol/
lの塩酸を含む)0.03lと,0.05mol/lの2−オクチルチオ
ピリジンのトルエン溶液0.03lとをインキュベーターで2
0時間振盪した。水相に含有されていたパラジウムのう
ち93.5%が有機相へ抽出された。
(2)銀を5×10-3mol/lの割合で含有される1mol/l硝
酸アンモニウム水溶液(2×10-3mol/lの硝酸を含む)
0.03と,0.05mol/lの2−オクチルチオピリジンのトルエ
ン溶液0.03lとをインキュベーターで20時間振盪した。
水相に含有されていた銀のうち56.0%が有機相へ抽出さ
れた。
(3)銀の代わりにアルミニウム,カドミウム,コバル
ト(2価),銅(2価),鉄(3価),ニッケル,鉛,
亜鉛および水銀を同様の割合で含有する水溶液をそれぞ
れ調製し,同様の方法で2−オクチルチオピリジンによ
る抽出を行った。水銀については55.7%が有機相へ抽出
されたが,その他の金属については実質的に抽出されな
かった。
実施例2 〔2−t−ドデシルチオピリジンによるパラジウムの抽
出〕 (A)パラジウムの抽出:パラジウムを約100ppmの割合
で含有する9種類の塩酸水溶液0.03lと,0.05mol/lの濃
度の2−t−ドデシルチオピリジントルエン溶液0.03l
とをメカニカルシェーカーを用い約一昼夜振盪した。使
用したパラジウム含有水溶液の塩酸濃度はそれぞれ,0.0
1N,0.03N,0.1N,0.5N,1.0N,2.0N,3.0N,5.0Nおよび7.0Nで
ある。使用した各パラジウム含有水溶液中のパラジウム
の正確な初濃度,抽出後の有機相に含有されるパラジウ
ムの濃度および抽出率(%)をそれぞれ表1に示す。
5Nおよび7Nの塩酸水溶液を用いたときには,それぞれ有
機相が2相に分離した。
(B)パラジウムの逆抽出 (1)本実施例(A)項の方法で得られた約100pplmの
パラジウムを含有する2−t−ドデシルチオピリジンの
トルエン溶液(有機相)0.03lと,1.0mol/lのチオ尿素を
含有する各種濃度の塩酸水溶液(逆抽出溶媒)0.03lと
をインキュベーターで約24時間振盪し,パラジウムの逆
抽出を行った。パラジウムの正確な初濃度,用いた塩酸
の濃度,それぞれの水相に逆抽出されたパラジウムの濃
度および逆抽出率(%)を表2に示す。
次に,チオ尿素の濃度を0.1mol/lおよび0.01mol/lと
し,同様の方法でそれぞれ逆抽出を行った。その結果を
それぞれ表3および表4に示す。
(2)本実験例(A)項の方法で得られた115ppmのパラ
ジウムを含む0.05mol/lの2−t−ドデシルチオピリジ
ンのトルエン溶液(有機相)0.03lと,1.0mol/lのチオ尿
素を含有する各種濃度の硝酸水溶液0.03lとをインキュ
ベーターで24時間振盪し,パラジウムの逆抽出を行っ
た。用いた硝酸の濃度,それぞれの水相に逆抽出された
パラジウム濃度および逆抽出率(%)を表5に示す。
(3)本実施例(A)項の方法で得られた100ppmのパラ
ジウムを含有する2−t−ドデシルチオピリジンのトル
エン溶液(有機相)0.03lと8N塩酸0.03lとをメカニカル
シェーカーで約2昼夜振盪したところ,有機相のパラジ
ウムは85%の割合で水相に逆抽出された。抽出時に有相
層は2相に分離した。
(4)本実験例(A)項の方法で得られた100ppmのパラ
ジウムを含有する2−t−ドデシルチオピリジンのトル
エン溶液(有機相)0.03lと,1mol/lのチオシアン酸アン
モニウム水溶液0.03lとをメカニルシェーカーで約2昼
夜振盪したところ,有機相中のパラジウムは1.1%の割
合で水相に逆抽出された。チオシアン酸アンモニウム水
溶液の濃度を2.0mol/lとした場合には,パラジウムの逆
抽出率は5.4%であった。
(5)上記(3)項の8N塩酸の代わりに1mol/lのアンモ
ニア水溶液を用いたところ乳懸し2相に分離しなかっ
た。2mol/lのアンモニア水溶液を用いても同様の結果が
得られた。
(6)本実験例(A)項の方法で得られた100ppmのパラ
ジウムを含有する2−t−ドデシルチオピリジンのトル
エン溶液(有機相)0.03l,および1.0mol/lのチオ尿素と
各種濃度の硫酸とを含有する水溶液0.03lをあわせてイ
ンキュベーターで約24時間振盪した。用いた硫酸の濃度
はそれぞれ5.0mol/l,3.0mol/l,1.0mol/lおよび0.1mol/
である。いずれの場合も有機相と水相との界面や器壁に
沈澱物が生じ,パラジウムは水相へほとんど逆抽出され
かなった。
実施例3 〔2−t−ドデシルチオピリジンによる銀の抽出〕 (A)の銀の抽出:銀を約5×10-3mol/lの割合で含有
する9種類の濃度の硝酸水溶液0.03lと,0.05mol/lの濃
度の2−t−ドデシルチオピリジンのトルエン溶液0.03
lとをメカニカルシェーカーで約12時間振盪した。使用
した銀含有水溶液の硝酸濃度はそれぞれ0.01mol/l,0.05
mol/l,0.1mol/l,0.5mol/,1.0mol/l,2.0mol/lおよび5.0m
ol/lである。使用した各銀含有水溶液中の銀の正確な初
濃度,抽出後の有機相に含有される銀の濃度および抽出
率(%)をそれぞれ表6に示す。
(B)銀の逆抽出: (1)本実施例(A)項の方法で得られた約1×10-3mo
l/lの割合で銀を含有する2−t−ドデシルチオピリジ
ンのトルエン溶液(有機相)0.03lと,1mol/lのチオシア
ン酸アンモニウム水溶液(逆抽出溶媒)0.03lとをメカ
ニカルシェーカーで約12時間振盪した。その結果,有機
相に含有される銀は96.0%の割合で水相へ逆抽出され
た。チオシアン酸アンモニウムの濃度を2mol/lとしたと
ころ,銀の逆抽出率は96.7%であった。
(2)本実験例(A)項の方法で得られた1.08×10-3mo
l/lの割合で銀を含有する2−t−ドデシルチオピリジ
ンのトルエン溶液(有機相)0.03l,および1mol/lのチオ
尿素と各種濃度の硝酸とを含有する水溶液(逆抽出溶
媒)0.03lをあわせてメカニカルシェーカーで約12時間
振盪した。使用した硝酸の濃度はそれぞれ1mol/l,0.1mo
l/lおよび0.01mol/lである。逆抽出後の水相に含有され
る銀濃度および逆抽出率(%)を表7に示す。
次に,1.21×10-3mol/lの割合で銀を含有する有機相か
ら,硝酸の代わりに硫酸を用いて同様の方法で逆抽出を
行った。さらに硫酸,硝酸などの無機酸を全く使用しな
い実験を行った。それぞれの結果もあわせて表7に示
す。
(3)本実施例(A)項の方法で得られた約1×10-3mo
l/lの割合で銀を含有する2−t−ドデシルチオピリジ
ンのトルエン溶液(有機相)0.03lと,1mol/lのアンモニ
ア水0.03lとをメカニカルシェーカーで約12時間振盪し
たところ銀は実質的に逆抽出されなかった。2mol/lのア
ンモニア水を用いても同様の効果が得られた。
実験例4 〔2−t−ドデシルチオピリジンによる水銀の抽出〕 水銀を約5×10-3mol/lの割合で含有する7種類の濃度
の塩酸水溶液0.03lと,0.05mol/lの濃度の2−t−ドデ
シルチオピリジンのトルエン溶液0.03lとをメカニカル
シェーカーで約12時間振盪した。使用した水銀含有水溶
液の塩酸濃度はそれぞれ0.01mol/l,0.05mol/l,0.,1mol/
l,0.5mol/l,1.0mol/l,2.0mol/lおよび5.0mol/lである。
使用した各水銀含有水溶液中の水銀の正確な初濃度,抽
出後の有機相に含有される水銀の濃度および抽出率
(%)をそれぞれ表8に示す。
実験例5 〔2−t−ドデシルチオピリジンによる白金(2価)の
抽出〕 白金(2価)を約55ppmの割合で含有する5種類の濃度
の塩酸水溶液0.03lと,0.05mol/lの濃度の2−t−ドデ
シルチオピリジンのトルエン溶液0.03lとをメカニカル
シェーカーで約24時間振盪した。使用した白金含有水溶
液の塩酸濃度はそれぞれ0.01mol/l,0.1mol/l,1.0mol/l,
3.0mol/lおよび5.0mol/lである。使用した各白金含有水
溶液中の白金の正確な初濃度,抽出後の有機相に含有さ
れる白金の濃度および抽出率(%)をそれぞれ表9に示
す。
実験例6 〔2−t−ドデシルチオピリジンによる白金(4価)の
抽出〕 白金(4価)を約100ppmの割合で含有する3種類の濃度
の塩酸水溶液0.03lと,0.05mol/lの濃度の2−t−ドデ
シルチオピリジンのトルエン溶液0.03lとをメカニカル
シェーカーで約24時間振盪した。使用した白金含有水溶
液の塩酸濃度はそれぞれ0.01mol/l,1.0mol/lおよび5.0m
ol/lである。使用した各白金含有水溶液中の白金の正確
な初濃度,抽出後の有機相に含有される白金の濃度およ
び抽出率(%)をそれぞれ表10に示す。
実験例7 〔2−t−ドデシルチオピリジンによるカドミウムの抽
出〕 カドミウムを約6×10-3mol/lの割合で含有する3種類
の濃度の塩酸水溶液0.03lと,0.05mol/lの濃度の2−t
−ドデシルチオピリジンのトルエン溶液0.03lとをメカ
ニカルシェーカーで約24時間振盪した。使用したカドミ
ウム含有水溶液の塩酸濃度はそれぞれ0.01mol/l,0.1mol
/lおよび5.0mol/lである。使用した各カドミウム含有水
溶液中のカドミウムの正確な初濃度,抽出後の有機相に
含有されるカドミウムの濃度および抽出率(%)をそれ
ぞれ表11に示す。
実験例8 〔2−t−ドデシルチオピリジンによる各種金属の抽出
試験〕 (1)銅(2価)を約0.05mol/lの割合で含有する0.01m
ol/l塩酸水溶液と,0.05mol/lの2−t−ドデシルチオピ
リジンのトルエン溶液0.03lとをメカニカルシェーカー
で約24時間振盪したが,銅は有機相へは実質的に抽出さ
れなかった。塩酸水溶液の濃度を0.1mol/l,1.0mol/lお
よび5.0mol/lとしてそれぞれ同様の操作を行ったが,銅
は実質的に抽出されなかった。
次に,銅の代わりにニッケルおよびコバルト(2価)を
用いて,同様の実験をそれぞれ行った。これらの金属は
有機相へ実質的に抽出されなかった。
(2)銅の代わりに鉛(2価)および亜鉛を用いて上記
(1)項と同様の実験をそれぞれ行った。0.01mol/l,0.
1mol/lおよび1.0mol/lの塩酸水溶液からはこれら金属は
有機相へ実質的に抽出されなかった。5.0mol/lの塩酸水
溶液からは鉛が31%の割合で,そして亜鉛が10%の割合
でそれぞれ抽出された。
(発明の効果) 本発明方法によれば,このように,溶媒抽出法によりパ
ラジウムおよび/または銀を含有する水溶液から高純度
のパラジウムおよび/または銀が簡単な操作で効果的に
回収されうる。使用される抽出剤は例えば,所定の鉱酸
濃度領域においてこれら金属を選択的に抽出するため,
他の金属が混在する水溶液からもパラジウムや銀を高純
度で,かつ高収率で回収することが可能である。抽出さ
れたパラジウムや銀は特定の逆抽出剤を用いて効果的に
逆抽出されうる。このような方法により,廃触媒,メッ
キ廃液、各種スクラップなどから高純度のパラジウムや
銀が効果的に回収されうる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 誠 福岡県福岡市東区箱崎6丁目 九州大学工 学部内 (72)発明者 藤本 明弘 大阪府東大阪市長堂3丁目54番地 株式会 社大八化学工業所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パラジウムおよび/または銀を含有する水
    溶液に下記一般式で示される2−アルキルチオピリジン
    を抽出剤として含有する抽出溶媒を液−液接触させ,パ
    ラジウムおよび/または銀を該溶媒中に抽出することを
    包含するパラジウムの回収法: (ここでRは炭素数が8〜12のアルキル基である)。
  2. 【請求項2】パラジウムおよび/または銀を含有する水
    溶液に下記一般式で示される2−アルキルチオピリジン
    を抽出剤として含有する抽出溶媒を液−液接触させ,パ
    ラジウムおよび/または銀を該溶媒中に抽出する工程,
    および 該パラジウムおよび/または銀を含有する抽出溶媒をチ
    オ化合物および/または無機酸を逆抽出剤として含有す
    る水溶液により逆抽出し,パラジウムおよび/または銀
    の水溶液を得る工程, を包含するパラジウムおよび/または銀の回収法: (ここでRは炭素数が8〜12のアルキル基である)。
  3. 【請求項3】前記チオ化合物がチオ尿素であり,前記無
    機酸が塩酸および/または硝酸である特許請求の範囲第
    2項に記載のパラジウムの回収法。
  4. 【請求項4】前記逆抽出剤が,チオ尿素と塩酸との混合
    物,またはチオ尿素と硝酸との混合物である特許請求の
    範囲第2項に記載のパラジウムの回収法。
  5. 【請求項5】前記チオ化合物がチオシアン酸塩および/
    またはチオ尿素であり,前記無機酸が硫酸および/また
    は硝酸である特許請求の範囲第2項記載に記載の銀の回
    収法。
  6. 【請求項6】前記逆抽出剤がチオシアン酸塩である特許
    請求の範囲第2項に記載の銀の回収法。
  7. 【請求項7】前記逆抽出剤が,チオ尿素と硫酸との混合
    物,またはチオ尿素と硝酸との混合物である特許請求の
    範囲第2項に記載の銀の回収法。
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