JPH0730029B2 - 1−置換アザシクロヘプタン−2−オン及びこれを含有する経皮投与用薬剤 - Google Patents

1−置換アザシクロヘプタン−2−オン及びこれを含有する経皮投与用薬剤

Info

Publication number
JPH0730029B2
JPH0730029B2 JP21206586A JP21206586A JPH0730029B2 JP H0730029 B2 JPH0730029 B2 JP H0730029B2 JP 21206586 A JP21206586 A JP 21206586A JP 21206586 A JP21206586 A JP 21206586A JP H0730029 B2 JPH0730029 B2 JP H0730029B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drug
skin
azacycloheptan
solution
substituted azacycloheptan
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP21206586A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6366172A (ja
Inventor
充 橋田
仁 瀬崎
浩一 金平
文男 森
卓司 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP21206586A priority Critical patent/JPH0730029B2/ja
Publication of JPS6366172A publication Critical patent/JPS6366172A/ja
Publication of JPH0730029B2 publication Critical patent/JPH0730029B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Other In-Based Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は薬物の経皮吸収を促進する作用を有する新規な
化合物及びこれを含有する経皮投与用薬剤に関する。
従来の技術 従来、外皮またはその直下の皮下組織の殺菌、消毒、鎮
痛、鎮痒、消炎などを目的として薬物をその外皮に直接
投与して外皮のその部位に局所的に作用させてきた。ま
た、薬物の全身的作用を目的とする場合には経口投与ま
たは注射による投与が行われてきた。経口投与の場合に
は、薬物が体内に吸収されたのち肝一次代謝を受け易い
こと、薬物の効果を持続させるためには体内において薬
物を一次的に必要以上の高濃度にせざるを得ないことな
どの問題がある。また、薬物によつては経口投与により
胃腸障害を起こすこともある。一方、注射による投与で
は薬物が体内に速やかに吸収されるという利点がある
が、医師などの専門家によつて投与されることが必要と
なる。
近年、上記の経口投与または注射による投与の問題点を
改善するために、全身作用を有する薬物の経皮投与が提
案された。薬物を経皮投与した場合、薬物の効能を持続
させることが容易であり、薬物の体内濃度のコントロー
ルが可能になること、薬物が皮膚組織から直接血流に入
るため肝一次代謝を受けにくいことなどの利点が考えら
れる。
しかしながら、正常皮膚は本来、異物の体内への侵入を
防ぐバリアー機能を持つていることから薬物の経皮吸収
は困難であり、皮膚に投与される薬物は一般的に局所に
薬理作用を発現する薬物に限られていた。全身作用を目
的とする薬物を経皮吸収せしめるためには、一般に経皮
吸収促進助剤が必要となり、近年、各種助剤が提案され
ている。たとえば、経皮吸収促進助剤として、米国特許
第3,551,554号明細書にはジメチルスルホキシドをはじ
め、ジメチルアセタミド、ジメチルフオルムアミド、メ
チルデシルスルホキシドなどが開示されており、また米
国特許第4,017,641号明細書には2−ピロリドンと適当
なオイルとを組合せた例が開示されている。
発明が解決しようとする問題点 上記の従来提案されている経皮吸収促進助剤は吸収促進
効果、安全性、使用感などの点で充分満足できるもので
はない。
しかして、本発明の1つの目的は薬物の経皮吸収を促進
する作用を有し、かつ安全性の高い、しかも使用感の良
好な新規な化合物を提供することにある。本発明の他の
目的はその新規な化合物を吸収促進剤として含有する経
皮投与用薬剤を提供することにある。
問題点を解決するための手段 本発明によれば、上記の目的は、一般式 (式中mは1〜4の整数を表わす)で示される1−置換
アザシクロヘプタン−2−オンを提供することによつて
達成され、また該1−置換アザシクロヘプタン−2−オ
ンを吸収促進剤として含有する経皮投与用薬剤を提供す
ることによつて達成される。
一般式(I)で示される1−置換アザシクロヘプタン−
2−オンの具体例を次に示す。
(1) 1−(3−メチル−2−ブテニル)アザシクロ
ヘプタン−2−オン (2) 1−(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル)
アザシクロヘプタン−−オン (3) 1−(3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカト
リエニル)アザシクロヘプタン−2−オン (4) 1−(3,7,11,15−テトラメチル−2,6,10,14−
ヘキサデカテトラエニル)アザシクロヘプタン−2−オ
一般式(I)で示される1−置換アザシクロヘプタン−
2−オンは、アザシクロヘプタン−2−オンを一般式 (式中mは前記定義のとおりであり、Xはハロゲン原子
を表わす)で示されるハライドと塩基、たとえば水素化
ナトリウムの存在下に反応させることにより製造され
る。この反応は通常、不活性ガス雰囲気下において無水
条件下、炭化水素溶媒中たとえば乾燥トルエン中で室温
〜還流温度で実施される。反応終了後、反応混合物から
の一般式(I)で示される1−置換アザシクロヘプタン
−2−オンに分離、精製は一般有機合成反応により得ら
れる生成物の反応混合物からの分離、精製に用いられる
方法により同様に行われる。
以下に、本発明の1−置換アザシクロヘプタン−2−オ
ンの薬物の経皮吸収促進作用を明らかにするための該薬
物についての皮膚透過試験及びその結果を示す。なお、
1−置換アザシクロヘプタン−2−オンとして前記番号
を付した化合物を用いた。
試験例1 薬物の皮膚透過試験をラツトの皮膚を装着した滲透型拡
散セル装置を用いて行つた。滲透型拡散セル装置の断面
図を第1図に示す。1…皮膚、2…薬物溶液、3…レセ
プター溶液、4…回転子、5…サンプリング口。なお、
皮膚ラツトの背部から摘出した均一な厚さの剃毛皮膚で
あり、その角質層側を薬物溶液側に、真皮側をレセプタ
ー溶液側にして拡散セルに装着する。薬物溶液が接する
皮膚の投与面積は8.04cm2である。レセプター溶液とし
てpH7.4の等張リン酸緩衝液を用いる。皮膚を透過して
レセプター溶液に移行した薬物の量は、レセプター溶液
をサンプリング口から取出し、高速液体クロマトグラフ
イーにより定量する。
薬物としてマイトマイシンCをエタノールに10mMの濃度
になるように溶解し、この溶液に1−置換アザシクロヘ
プタン−2−オンを3.3v/v%となるように加え、得られ
た溶液1mlを試験に供した。試験は37℃でレセプター溶
液の撹拌下に行つた。
1−置換アザシクロヘプタン−2−オンとして化合物
(2)又は化合物(3)を用いて行つた際のマイトマイ
シンCの透過量を時間の経過とともに第2図に示す。マ
イトマイシンCの透過量は投与量に対する割合(%)で
表わす。第2図において、▽印及び△印はそれぞれ化合
物(2)及び化合物(3)を各々用いて行つた場合の試
験結果を表わし、○印は1−置換アザシクロヘプタン−
2−オンを加えていない場合の試験結果を表わす。
試験例2 試験例1におけると同様の装置を用いて薬物の皮膚透過
試験を行つた。まず、1−置換アザシクロヘプタン−2
−オンのエタノール溶液(濃度3.3v/v%)1mlを皮膚上
に投与し、その24時間後に皮膚上に残存する液をエタノ
ールで洗い取つた。その後、薬物としてマイトマイシン
Cのエタノール溶液(濃度2mM)2mlを皮膚上に投与し、
その透過量を試験例1におけると同様にして定量した。
1−置換アザシクロヘプタン−2−オンとして化合物
(2)又は化合物(3)を用いて行つた際のマイトマイ
シンCの透過量を時間の経過とともに第3図に示す。第
3図における▽印、△印及び○印は前記説明のとおりで
ある。
試験例3 試験例1におけると同様の装置をその拡散セルにラツト
の皮膚を装着する代りにヘヤレスマウスの背部から摘出
した皮膚を装着して用い、1−置換アザシクロヘプタン
−2−オンとして化合物(3)を用いて試験例1におけ
ると同様の方法により、マイトマイシンCの皮膚透過試
験を行つた。
マイトマイシンCの透過量を時間の経過とともに第4図
に示す。図中、△印及び○印は前記説明のとおりであ
る。
試験例4 薬物の皮膚透過試験をモルモツトの皮膚を装着した流動
型拡散セル装置を用いて行つた。流動型拡散セル装置の
断面図を第5図に示す。6…皮膚、7…網目状支持板、
8…薬物溶液、9…レセプター液、10…レセプター溶液
の流れ、11…回転子。なお、皮膚はモルモツトの背部か
ら摘出した均一な厚さの剃毛皮膚であり、その角質層側
を薬物溶液側に、真皮側をレセプター溶液側にして拡散
セルに装着する。薬物溶液が接する皮膚の投与面積は3.
14m2である。レセプター溶液としてpH7.4の等張リン酸
緩衝液を用い、これを一定速度で第5図において矢印で
示すように流通せしめる。薬物としては14Cで放射性標
識したスルフアニル酸、5−フルオロウラシル、6−メ
ルカプトプリン及びインドメタシンと3Hで放射性標識し
たアシクロヴイア及びトリアムシノロンアセトニドを用
い、皮膚を透過してレセプター溶液に移行した薬物の量
はこれら薬物の放射線量によつて定量する。
まず1−置換アザシクロヘプタン−2−オンのエタノー
ル溶液(濃度3.3v/v%)0.2mlを皮膚上に投与し、その2
4時間後に皮膚上に残存するエタノールをドライヤーで
蒸発させた。その後、薬物の水溶液又はエタノール溶液
(濃度はいずれも2mM)の1mlを皮膚上に投与した。1−
置換アザシクロヘプタン−2−オンとして化合物(2)
又は化合物(3)を用い、スルフアニル酸、アシクロヴ
イア及び5−フルオロウラシルは水溶液として、また6
−メルカプトプリン、インドメタシン及びトリアムシノ
ロンアセトニドはエタノール溶液として用いた。
薬物としてスルフアニル酸、アシクロヴイア、5−フル
オロウラシル、6−メルカプトプリン、インドメタシン
及びトリアムシノロンアセトニドを用いて行つた際のそ
れぞれの薬物の透過量を時間の経過とともに第6図、第
7図、第8図、第9図、第10図及び第11図に示す。各図
中、▽印、△印及び○印は前記説明のとおりである。
第2図及び第4図から明らかなように、マイトマイシン
Cを本発明の化合物(2)又は化合物(3)とともに皮
膚上に同時投与した場合は、本発明の化合物を投与しな
かつた場合に比べて、マイトマイシンCの皮膚透過は数
10倍上昇した。
また第3図、第6図、第7図、第8図、第9図、第10図
及び第11図から明らかなように、種々の薬物を皮膚上に
投与する前に該皮膚を本発明の化合物(2)又は化合物
(3)で処理した場合は、本発明の化合物で皮膚を処理
しなかつた場合に比べ、薬物の皮膚透過はいずれも数倍
〜数10倍上昇した。
このように一般式(I)で示される1−置換アザシクロ
ヘプタン−2−オンは薬物の経皮吸収を促進する作用を
有する。また1−置換アザシクロヘプタン−2−オンは
低毒性であり、皮膚刺激性がなく、皮膚を損傷すること
がないことも確認された。この1−置換アザシクロヘプ
タン−2−オンはその1位の炭素原子上の置換基が不飽
和テルペン鎖であるという構造上の特徴を有しており、
生体機能を害することなく薬物の経皮吸収促進作用を発
揮することができる。また1−置換アザシクロヘプタン
−2−オンを皮膚に塗布した場合、適度なぬめり感があ
り、皮膚に違和感がなく、その使用感は良好である。
以上、明らかにしたとおり、本発明の1−置換アザシク
ロヘプタン−2−オンは種々の経皮投与可能な薬物の経
皮吸収促進剤として有用である。
本発明の経皮投与用薬剤は一般式(I)で示される1−
置換アザシクロヘプタン−2−オンと薬物とを配合する
ことによつて調製される。配合される薬物は前記の試験
例に供した薬物以外の局所作用を目的とする薬物であつ
ても、全身作用を目的とする薬物であつてもよい。局所
用薬物としては、具体的には、局所麻酔剤(例、塩酸プ
ロカイン、塩酸テトラカイン、塩酸ジブカイン、リドカ
イン、塩酸リドカイン、酢酸ピペロカイン)、抗ヒスタ
ミン剤(例、塩酸ジフエンヒドラミン、マレイン酸クロ
ルフエニラミン、マレイン酸ブロムフエニラミン、ジフ
エニルイミダゾール、塩酸クレミゾール)、抗生物質
(例、リンコマイシン、ペニシリンC、エリスロマイシ
ン、塩酸テトラサイクリン、クリンダマイシン、カナマ
イシン、オキシテトラサイクリン、クロラムフエニコー
ル、フラジオマイシン、ナイスタチン、塩酸グラミシジ
ン、バシトラシン)、抗真菌剤〔例、グリセオフルビ
ン、N−メチル−N′−(3−トリル)チオカルバミン
酸−2−ナフチルエステル、塩酸ジアメタゾール、オレ
オスリシン、トリコマイシン、ピロールニトリン、5−
フルオロシトシン〕などが挙げられる。また全身用薬物
としては、具体的にはベンゾジアゼピン類(例、ジアゼ
パム、ニトラゼパム、フルニトラゼパム、ロラゼパム、
プラゼパム、フルジアゼパム、クロナゼパム)、利尿剤
〔例、サイアザイド類(例、ベンドロフルメチアジド、
ポリチアジド、メチクロチアジド、トリクロルメチアジ
ド、チクロペンチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジ
ド、ヒドロクロロチアジド、ブメタニド)〕、降圧剤
(例、クロニジン)、抗ヒスタミン類〔例、アミノエー
テル類(例、ジフエンヒドラミン、カルビノキサミン、
ジフエニルピラリン)、エチレンジアミン類(例、フエ
ンベンズアミン)、モノアミン類(例、クロロフエニラ
ミン)〕、非ステロイド系消炎剤(例、イブプロフエ
ン、イブフエナツク、アルクロフエナツク、ジクロフエ
ナツク、メフエナム酸、フルルビプロフエン、フルフエ
ナム酸、ケトプロフエン)、抗悪性腫瘍剤〔例、1−
(2−テトラヒドロフリル)−5−フルオロウラシル、
シタラビン、ブロクスウリジン〕、ステロイド系消炎剤
(例、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロ
ン、プレドニゾン、トリアムシノロン、デキサメサゾ
ン、ベタメサゾン)、抗てんかん剤(例、エトサクシミ
ド)、不整脈治療剤(例、アジマリン、プラジマリン、
ピンドロール、プロプラノロール、キニジン)、精神神
経用剤(例、クロフルペリロール、トリフルペリドー
ル、ハロペリドール、、モペロン)、スコポラミン類
(例、メチルスコポラミン、ブチルスコポラミン)、ク
ロルプロマジン、アトロピン類(例、臭化メチルアトロ
ピン、臭化メチルアニソトロピン)、血管拡張剤(例、
イソソルビドジナイトレート、ニトログリセリン、四硝
酸ペンタエリスリトール、プロパニルニトレート、ジピ
リダモール)、抗生物質〔例、テトラサイクリン類
(例、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、メ
タサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン)、
クロラムフエニコール類、エリスロマイシン類〕などが
挙げられる。一般式(I)で示される1−置換アザシク
ロヘプタン−2−オンが有する薬物の経皮吸収促進効果
は、上記薬物のうち、特に脂溶性と水溶性とを適度に兼
ね備えた薬物に対して顕著に発現される。
薬物の配合量は、所望の薬効を奏するに充分な量であれ
ばよく、それは薬物の種類、患者の体重、症状、薬物に
対する忍容性などにより異なり、これら条件に応じて適
宜選択すればよい。一般的にはその配合量は一般式
(I)で示される1−置換アザシクロヘプタン−2−オ
ンに対して約0.01〜20重量%、好ましくは約0.2〜10重
量%である。なお、本発明の経皮投与用薬剤の皮膚塗布
面積を増減することによつて、薬物の使用量を調整でき
るので、必ずしも上記の配合量に限定されるものではな
い。
本発明の経皮投与用薬剤は、そのまま又は製薬上許容さ
れる担体又は賦形剤などを加えて、軟膏、硬膏、ローシ
ヨン、粘着テープ剤、含浸剤、ゲル剤などの外用製剤と
して外皮に投与される。含浸剤としては、例えば本発明
の経皮投与用薬剤又はさらに担体若しくは賦形剤を配合
した組成物を適当な吸着体(ガーゼ、濾紙、多孔質膜な
ど)に吸着させたものが挙げられ、これは一般に粘着テ
ープで固定することによつて外皮に適用される。ゲル剤
としては、例えばジベンジリデンソルビトール〔例、ゲ
ルオールD (新日本理化株式会社製)〕を用いてゲル
状となし、支持体上に展着したものなどが挙げられる。
また粘着テープ剤の基剤としては、アクリル系共重合
物、ポリビニルエーテル化合物、ゴム系粘着性混合物な
ど自体公知のものが挙げられる。その他の外用製剤も自
体公知の手段によつて容易に調製することができる。
実施例 以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。な
お、本発明はこれらの実施例により限定されるものでは
ない。
実施例1 ゲラニオール154g(1.0モル)、ヘキサン200ml及びピリ
ジン20ml(0.25モル)の混合液中に、氷冷下に三臭化リ
ン35ml(0.37モル)をゆつくり滴下した。滴下後、室温
で1時間撹拌した。反応後、反応混合物を氷水中に注い
だ。有機層を1N−水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水
で順次洗滌し、次いで、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。この溶液を減圧下に濃縮することにより臭下ゲラニ
ル217g(1.0モル)を得た。
次に、窒素気流下、水素化ナトリウムの50%鉱油懸濁液
53g(1.1モル)及びベンゼン1の混合物に、ε−カプ
ロラクタム113g(1.0モル)とベンゼン300mlとの混合液
を氷冷下に滴下した。滴下後、80℃で1時間撹拌した。
得られた反応混合物に先に混合した臭化ゲラニル217g
(1.0モル)を室温で滴下し、滴下後、室温でさらに一
晩撹拌した。この反応混合物を氷水中に注いだ。有機層
を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液
を減圧下に濃縮し、得られた濃縮物をシリカゲルカラム
クロマトグラフイー(酢酸エチル−ヘキサン混合物で展
開)に付することにより、下記の物性を有する1−(3,
7−ジメチル−2,6−オクタジエニル)アザシクロヘプタ
ン−2−オン80g(0.30モル)を得た。収率32%。
Massスペクトル(m/z):249(M+),180,126 5.2〜4.9(m,2H),3.96(d,J=7.5Hz,2H), 3.4〜3.1(m,2H),2.6〜2.3(m,2H), 2.1〜1.9(m,4H),1.8〜1.3(m,6H), 1.63(s,6H),1.54(s,3H) 実施例2 実施例1においてゲラニオール154g(1.0モル)の代わ
りにフアルネソール222g(1.0モル)を用いる以外は同
様にして反応させ処理することにより、下記の物性を有
する1−(3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトリエ
ニル)アザシクロヘプタン−2−オン76g(0.24モル)
を得た。収率24%。
Massスペクトル(m/z):317(M+),248,180,126 5.3〜5.0(m,3H),4.00(d,J=7.5Hz,2H), 3.4〜3.2(m,2H),2.6〜2.4(m,2H), 2.2〜1.9(m,8H),1.8〜1.4(m,6H), 1.68(s,6H),1.59(s,6H) 実施例3 実施例1においてゲラニオールの代わりにプレノールを
用いる以外は同様にして反応させ処理することにより、
下記の物性を有する1−(3−メチル−2−ブテニル)
アザシクロヘプタン−2−オンを得た。収率28%。
Massスペクトル(m/z):181(M+),166,138,126 5.2〜4.9(m,1H),3.90(d,J=7.5Hz,2H), 3.9〜3.7(m,2H),2.6〜2.2(m,2H), 1.7〜1.4(m,12H) 実施例4 実施例1においてゲラニオールの代わりにゲラニルゲラ
ニオールを用いる以外は同様にして反応させ処理するこ
とにより、下記の物性を有する1−(3,7,11,15−テト
ラメチル−2,6,10,14−ヘキサデカテトラエニル)アザ
シクロヘプタン−2−オンを得た。収率20%。
Massスペクトル(m/z):385(M+),316,248,180,126 5.2〜4.9(m,4H),3.93(d,J=7.5Hz,2H), 3.3〜3.1(m,2H),2.5〜2.3(m,2H), 2.1〜1.9(m,12H),1.7〜1.5(m,21H) 次に、一般式(I)で示される1−置換アザシクロヘプ
タン−2−オンのうち化合物(2)を吸収促進剤とし、
薬剤として5−フルオロウラシルを用いた製剤例を示
す。
実施例5抗腫瘍性ローションの調製 重量% 5−フルオロウラシル 5 化合物(2) 0.1 ポリエチレングリコール 5 精製水 89.9 上記の各成分を精製水に溶解させ、5−フルオロウラシ
ルを5重量%含有する抗腫瘍性ローシヨンを調製した。
このローシヨンを皮膚に塗布した際の使用感は良好であ
つた。
発明の効果 本発明によれば、一般式(I)で示される1−置換アザ
シクロヘプタン−2−オン及びこれを吸収促進剤として
含有する経皮投与用薬剤が提供される。一般式(I)で
示される1−置換アザシクロヘプタン−2−オンは、前
記の試験の結果から明らかなとおり、種々の薬物の経皮
吸収を顕著に促進することができ、従つて該薬物は1−
置換アザシクロヘプタン−2−オンを作用により経皮投
与によつてその薬効を効果的に発現することができる。
また該1−置換アザシクロヘプタン−2−オンは安全性
が高く、皮膚に塗布した場合の使用感は良好である。
【図面の簡単な説明】
第1図は滲透型拡散セル装置の断面図を示す。1……皮
膚、2……薬物溶液、3……レセプター溶液、4……回
転子、5……サンプリング口。第2図、第3図及び第4
図はそれぞれ試験例1、試験例2及び試験例3で行つた
皮膚透過試験でのマイトマイシンCの透過量を時間の経
過とともに示したものである。第5図は流動型拡散セル
装置の断面図を示す。6……皮膚、7……網目状支持
板、8……薬物溶液、9……レセプター溶液、10……レ
セプター溶液の流れ、11……回転子。第6図、第7図、
第8図、第9図、第10図及び第11図は試験例4で行つた
皮膚透過試験でのスルフアニル酸、アシクロヴイア、5
−フルオロウラシル、6−メルカプトプリン、インドメ
タシン及びトリアムシノロンアセトニドのそれぞれの透
過量を時間の経過とともに示したものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中mは1〜4の整数を表わす) で示される1−置換アザシクロヘプタン−2−オン。
  2. 【請求項2】一般式 (式中mは1〜4の整数を表わす) で示される1−置換アザシクロヘプタン−2−オンを吸
    収促進剤として含有する経皮投与用薬剤。
JP21206586A 1986-09-08 1986-09-08 1−置換アザシクロヘプタン−2−オン及びこれを含有する経皮投与用薬剤 Expired - Lifetime JPH0730029B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21206586A JPH0730029B2 (ja) 1986-09-08 1986-09-08 1−置換アザシクロヘプタン−2−オン及びこれを含有する経皮投与用薬剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21206586A JPH0730029B2 (ja) 1986-09-08 1986-09-08 1−置換アザシクロヘプタン−2−オン及びこれを含有する経皮投与用薬剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6366172A JPS6366172A (ja) 1988-03-24
JPH0730029B2 true JPH0730029B2 (ja) 1995-04-05

Family

ID=16616285

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21206586A Expired - Lifetime JPH0730029B2 (ja) 1986-09-08 1986-09-08 1−置換アザシクロヘプタン−2−オン及びこれを含有する経皮投与用薬剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0730029B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6630168B1 (en) * 1997-02-20 2003-10-07 Biomedicines, Inc. Gel delivery vehicles for anticellular proliferative agents

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6366172A (ja) 1988-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4557934A (en) Penetrating topical pharmaceutical compositions containing 1-dodecyl-azacycloheptan-2-one
US4537776A (en) Penetrating topical pharmaceutical compositions containing N-(2-hydroxyethyl) pyrrolidone
US5079008A (en) Transdermal monolith systems
US4593048A (en) Base composition for external preparations, pharmaceutical composition for external use and method of promoting percutaneous drug absorption
EP0815871B1 (en) Tape plaster comprising anthranilic acid derivatives as percutaneous absorption promotors
EP0782861A1 (en) Drug compounding ingredients comprising n-substituted-o-toluidine derivative and percutaneously absorbable preparation
CA1238275A (en) Menthol enhancement of transdermal drug delivery
US4931283A (en) Menthol enhancement of transdermal drug delivery
JPH0643390B2 (ja) アザシクロアルカン誘導体
EP0182635A1 (en) Composition for percutaneous administration
RU2165265C2 (ru) Усилители абсорбции для фармацевтических композиций местного применения
JPH0730029B2 (ja) 1−置換アザシクロヘプタン−2−オン及びこれを含有する経皮投与用薬剤
JPS6133129A (ja) 基剤組成物および外用医薬組成物
JPH0788360B2 (ja) 1−置換アザシクロヘキサン−2−オン及びこれを含有する経皮投与用薬剤
JPH083069A (ja) 経皮吸収促進剤及び皮膚外用剤
JPH072717B2 (ja) 経皮投与用薬剤
US5183665A (en) Composition for percutaneous administration and method for enhancing percutaneous absorption of a physiologically active ingredient empolying the same
JPS63215665A (ja) 1−置換アザシクロペンタン−2−オン及びこれを含有する経皮投与用薬剤
EP0309624B1 (en) Composition for enhancing percutaneous administration of medicine
JP2906146B2 (ja) 経皮投与組成物
JP3313893B2 (ja) 経皮吸収促進剤及び皮膚外用剤
JPH10204000A (ja) 経皮吸収促進剤
JPS63203630A (ja) 経皮吸収促進剤
JPS61122225A (ja) 外皮投与用組成物
JPH083073A (ja) 経皮吸収促進剤及び皮膚外用剤