JPH07299829A - 繊維補強熱可塑性樹脂中空体の成形方法及び成形型 - Google Patents

繊維補強熱可塑性樹脂中空体の成形方法及び成形型

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JPH07299829A
JPH07299829A JP6114003A JP11400394A JPH07299829A JP H07299829 A JPH07299829 A JP H07299829A JP 6114003 A JP6114003 A JP 6114003A JP 11400394 A JP11400394 A JP 11400394A JP H07299829 A JPH07299829 A JP H07299829A
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JP
Japan
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die
mold
molding
press
molding material
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Application number
JP6114003A
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English (en)
Inventor
Yutaka Kawaguchi
裕 川口
Arata Kasai
新 河西
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Nitto Boseki Co Ltd
Original Assignee
Nitto Boseki Co Ltd
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Publication date
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 含浸不良やボイドの少ない繊維補強熱可塑性
樹脂中空体を成形可能な方法及びそれに使用する成形型
を提供する。 【構成】 内型2と、周方向に3個以上に分割され、内
型2を取り囲んで配置される外型5と、その外型5の両
端に軸線方向に移動可能に配置され、外型5に向かう方
向の押圧力を外型5の内方への押圧力に変換するガイド
手段を有する2個のプレス型6とを備えた成形型1、及
び、この成形型の内型2の外周に成形材料8を取り付
け、その外周に外型5を取り付け、その両端に2個のプ
レス型6を取り付け、全体の外周面をバギングフィルム
15で包み、内部を減圧した状態で全体をオートクレー
ブ内に入れて高温、高圧を作用させる成形方法。この方
法により、成形材料8に外型5による大きい押圧力を作
用させると共に加熱することができ、含浸不良やボイド
の発生が少ない繊維補強熱可塑性樹脂中空体を成形でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維補強熱可塑性樹脂
中空体の成形方法及びそれに用いる成形型に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、耐熱性、強度、靱性等の物性に優
れた熱可塑性樹脂を補強繊維で補強した構成の複合材
が、温度変化の激しい環境下での使用、或いは高強度、
軽量化等を目的として、種々な部品に使用されてきてお
り、また、その構造として中空構造のものも知られてい
る。
【0003】従来、このような繊維補強熱可塑性樹脂の
中空体を成形する方法としては、内型(芯型)の外周に
可塑性樹脂と補強繊維とを有する成形材料を巻き付け、
その外周に二つ割りの外型を押し当て、該外型で成形材
料を加圧しながら加熱して熱可塑性樹脂を溶融し、補強
繊維と一体化する外圧法、及び、膨張可能な中子(内
型)の外周に成形材料を巻き付け、それを外型内に入
れ、加熱した状態で中子を膨張させて内圧を作用させる
内圧法が主である。しかしながら、二つ割りの外型を使
用した外圧法では、外型を構成する二つの外型部分の各
々が、筒状にセットしている成形材料の、中心角180
°という広い領域を押圧しなければならないため、成形
材料に対して周方向に均一な押圧力を与えることができ
ず、しかも、内型の周囲に取り付けられた成形材料の外
周に二つの外型部分を押し当てた際に、その外型部分の
両端の接合部に大きい隙間が生じ、成形時に樹脂漏れが
多いという問題があった。一方、内圧法は、これらの問
題を解消しうるが、成形材料に加える押圧力をあまり大
きくできないという問題があった。更に、外圧法、内圧
法共に成形温度に制限があり、PEEK等の高い成形温
度が要求される樹脂に対しては実施が困難であるという
問題もあった。
【0004】そこで、成形材料に対して高温、高圧を作
用させることの可能な成形方法として、オートクレーブ
を使用した成形法が特開平4−75673号公報に提案
されている。この公報に提案されている方法は、筒状に
予備成形した成形材料を外型内にセットし、その内面に
カバーチューブを配し、全体をオートクレーブ内に入れ
て加熱すると共に、カバーチューブ内面に高圧を作用さ
せ、成形材料を内面から加圧する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した公報
に提案された方法はオートクレーブを使用したことによ
り、従来の外圧法、内圧法に比べて、成形材料に高温、
高圧を作用させることは可能であるが、成形材料に作用
する圧力はオートクレーブ内の気体圧力に等しく、従っ
てそれ以上の高圧を作用させることができず、やはり成
形材料に加える圧力に制限があるという問題があった。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、オートクレーブ等によって作り出す高温、高圧雰
囲気を用いた成形において、気体圧力よりも更に大きい
押圧力を成形材料に作用させることができ、物性の良い
繊維補強熱可塑性樹脂中空体を成形することの可能な成
形方法及びそれに用いるのに好適な成形型を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願第一の発明は、内型
と、周方向に3個以上に分割された外型部分からなり、
前記内型を取り囲んで配置される外型と、該外型の両端
に、該外型に対して軸線方向に移動可能に配置され、該
外型に向かう方向の押圧力を前記外型の内方への押圧力
に変換するガイド手段を有する2個のプレス型とを備え
た成形型を用意し、前記内型の外周に熱可塑性樹脂と補
強繊維とを有する成形材料を取り付け、その外周に、前
記外型を取り付け、該外型の両端に2個のプレス型を取
り付け、前記外型及びプレス型をバギングフィルムで包
み、前記プレス型及びバギングフィルムで囲まれた部分
を減圧し且つ全体を高温、高圧雰囲気内に入れ、前記成
形材料を加圧、加熱することを特徴とする繊維補強熱可
塑性樹脂中空体の成形方法を要旨とする。
【0008】また、本願第二の発明は、上記成形方法の
実施に用いる成形型に関するもので、内型と、周方向に
3個以上に分割された外型部分からなり、前記内型を取
り囲んで配置される外型と、該外型の両端に、該外型に
対して軸線方向に移動可能に配置され、該外型に向かう
方向の押圧力を前記外型の内方への押圧力に変換するガ
イド手段を有する2個のプレス型とを備えた成形型を要
旨とする。
【0009】
【作用】上記したように、内型の外周に成形材料を取り
付け、その外周に外型を取り付け、該外型の両端に2個
のプレス型を取り付け、前記外型及びプレス型をバギン
グフィルムで包み、プレス型及びバギングフィルムの内
部を減圧した状態で、全体をオートクレーブ内のような
高温、高圧雰囲気内に入れると、気体圧力が外型外面及
びプレス型外面に作用する。外型外面に作用する気体圧
力は、外型の各外型部分を内型の中心に向けて押す。一
方、プレス型外面に作用する気体圧力は該プレス型を外
型に対して軸線方向に押し付けるが、その押圧力はガイ
ド手段によって外型の各外型部分を内方に押す押圧力に
変換される。かくして、各外型部分には、その外面に直
接作用する気体圧力による押圧力と、プレス型によって
付与される押圧力とが加わり、きわめて大きい押圧力で
内方に押され、その内側にある成形材料を押圧する。こ
こで、気体圧力が作用する外型部分の外面の面積は、成
形材料に接している内面よりも大きいため、外型部分に
作用する気体圧力が拡大されて成形材料に作用すること
となり、プレス型によって与えられる押圧力も加わるた
め、成形材料には気体圧力を直接作用させる場合に比べ
てはるかに大きい押圧力が作用することとなる。更に、
外型を周方向に3個以上に分割した外型部分で構成して
いるので、各外型部分が押圧する成形材料の領域は、中
心角が120°程度以下であり、二つ割りの外型で押圧
する場合に比べてはるかに均等な押圧が可能である。従
って、成形材料は3個以上の外型部分によって厚み方向
に大きい圧力で、比較的均等に押圧され、その状態で熱
可塑性樹脂が加熱、溶融されて補強繊維と一体化する。
また、この時、成形型内が減圧されていることにより、
ボイドが効率良く除去される。更に、内型の外周に取り
付けた成形材料の外周に配置する外型を3個以上に分割
した外型部分としたことにより、その成形材料の外径が
成形後の成形品外径よりかなり大きくても、外型部分の
各端部間の接合部に生じる隙間はあまり大きくなく、成
形時にこの部分からの樹脂漏れもさほど生じない。かく
して、ボイドの無い、高品質の複合材料の中空体を成形
することができる。
【0010】上記した成形に使用する成形型において、
前記外型には、その両端外周に傾斜したガイド面を形成
し、前記2個のプレス型の各々には、先端内面に、前記
外型のガイド面に嵌合する傾斜したガイド面を有する筒
状壁と、該筒状壁の後端を閉じる端壁とを設けておき、
前記外型の両端に前記2個のプレス型を取り付けた状態
で、前記2個のプレス型の筒状壁及びその間の外型の外
周面を覆うようにバギングフィルムを巻き付け、その両
端を前記プレス型の筒状壁の外周面に固定することによ
り、バギング可能な構成としておくと、バギング時に
は、筒状に組み立てた成形型の外周面に単にバギングフ
ィルムを巻き付けて固定するという簡単な操作を行うの
みで良く、バギング作業が容易となると共に、成形中の
真空もれが生じにくく、真空もれによるトラブルを減少
させることができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例を参照して
更に詳細に説明する。図1は本発明の一実施例による成
形型を組み立てた状態で示す概略垂直断面図、図2はそ
の成形型の概略水平断面図である。全体を参照符号1で
示す成形型は、内型2と、その両端にそれぞれねじ3に
よって固定された固定板4と、その固定板4に挟まれた
領域で内型2を取り囲むように配置された外型5と、そ
の外型5の両端にそれぞれ配置された2個のプレス型6
等を備えている。内型2は、その外周面2aが成形され
る中空体の内面形状を定める成形面となり、外型5は、
その内周面5aが中空体の外面形状を定める成形面とな
るものであり、両成形面2a、5aで挟まれたキャビテ
ィ内に成形材料8がチャージされるようになっている。
本実施例では内型2及び外型5の成形面2a、5aを共
に円筒面としており、直管状の中空体を成形するための
ものであるが、これらの成形面2a、5aは、成形すべ
き中空体の形状に応じて種々変形可能である。本発明に
よって成形する中空体としては、図示した直管状のもの
に限らず、テーパ状、角筒状、太鼓状、鼓状のもの等と
してもよく、また、中空体の肉厚も一定のものに限ら
ず、変化したものであってもよい。なお、成形する中空
体の形状によっては、成形品の型抜きを容易とするた
め、内型2を複数のブロックに分解可能な構成としても
よい。
【0012】外型5は、図2から良く分かるように、周
方向に3個に分割された構成となっており、3個の外型
部分5A、5B、5Cから成っている。このため、各外
型部分5A、5B、5Cは、それぞれの端部の間に間隙
9が生じている限り、内型2の中心に向かって移動可能
であり、成形部材8を押圧できる。ここで、各外型部分
5A、5B、5Cの円周方向の寸法は、各外型部分5
A、5B、5Cを、その成形面5aが製品となる中空体
の理論的な外面位置と一致する位置まで押し込んだ時
に、隙間9の寸法が0となるか或いは0.5mm程度以
下となるように定められている。このような寸法を採用
すると、成形時における隙間9からの樹脂漏れを少なく
できる。なお、外型5を分割する個数は、3個に限ら
ず、4個以上としてもよい。
【0013】図1において、外型5は全体の外形が円筒
状をなしており、その両端外周に、先端側が小径となる
ように傾斜したガイド面5bを備えている。一方、この
外型5の両端に配置されるプレス型6は、先端内面に、
外型5のガイド面5bに嵌合するガイド面6aを有する
筒状壁6bと、その筒状壁6bの後端を閉じる端壁6c
とを有している。互いに嵌合するガイド面5b、6aの
傾斜方向は、プレス型6を外型5に対して軸線方向に押
し付けた時に、そのプレス型6が外型5を半径方向の内
方に押すように定められており、従って、これらのガイ
ド面は、プレス型の外型に向かう方向の押圧力を前記外
型の内方への押圧力に変換するガイド手段を構成してい
る。なお、外型5とプレス型6とに、互いに嵌合するよ
うに形成されるガイド面5b、6aは、必ずしも両者が
傾斜している必要はなく、一方が傾斜しておればよい。
プレス型6の筒状壁6bの外径は、外型5の外径にほぼ
等しく定められており、図示したように、外型5の両端
にプレス型6を取り付けた時、成形型1の全体がほぼ円
筒状となるように構成されている。この構成は、後述す
るように、組み立てた成形型1の外周にブリーダークロ
ス14を巻き付け、更にその外周にバギングフィルム1
5を巻き付けて包み、その両端をガムシーラント16に
よってプレス型6の筒状壁6bの外周に固定する作業を
容易とすると共に、そのバギングフィルム15に大きい
屈曲部が生じることを無くすので好ましい。プレス型6
の筒状壁6bの内径は、固定板4の外周にゆるく嵌合し
て移動しうるように定められている。
【0014】プレス型6の筒状壁6b及び端壁6cに
は、それぞれ脱気孔10、11が形成され、プレス型6
の内外を連通させている。また、固定板4と外型5の接
触面の少なくとも一方には、内型2と外型5ではさまれ
たキャビティを外型5の外部に連通させるよう、キャビ
ティ内の成形品に影響を与えない程度の小さな脱気用の
溝12が形成されている。
【0015】次に、上記構成の成形型1を用いた繊維補
強熱可塑性樹脂中空体の成形方法を説明する。まず、内
型2の両端に固定板4を取り付けた状態で、内型2の外
周に成形材料8を取り付ける。ここで使用される成形材
料は、内型2の外周に取り付けた状態で熱可塑性樹脂と
補強繊維とを含む構成となればよく、その形態は任意で
ある。例えば、内型2に取り付ける前の成形材料として
は、補強繊維のみからなる材料(補強繊維の織物、組物
等)、熱可塑性樹脂のみからなる材料(熱可塑性樹脂シ
ート、フイルム等)、補強繊維に熱可塑性樹脂を含浸さ
せてシート状とした含浸シート、熱可塑性樹脂繊維と補
強繊維とを含む織物(交織布、混織布等)又は組物等を
挙げることができ、これらを単体で或いは適宜組み合わ
せて内型2の外周に積層し、成形材料8とすることがで
きる。ここで、熱可塑性樹脂繊維と補強繊維とを含む織
物(交織布、混織布等)又は組物を用いる際には、その
織物又は組物をそのままの状態で内型2の外周に巻き付
けて成形材料8としてもよいが、その前にその織物又は
組物を加圧、加熱して、交点部が接着状態となる程度に
熱セットし、その後内型2に取り付けることが好まし
い。このように熱セットしておくと、成形時の含浸性が
良くなるという利点が得られる。内型2の外周への成形
材料8を取り付けは、通常、それを構成する材料である
シートや織物を多層に巻き付けることによって行う。な
お、肉厚の異なる中空体を成形する場合には、成形材料
である含浸シートや交織布、混織布等を適当な大きさに
切って、重ね合わせてゆくパッチ式を採用すればよい。
その際にも予め熱セットした交織布或いは混織布を用い
ると、その熱セットしたものを所望の場所に積み重ね、
超音波溶着機で仮止めして賦形させることができ、作業
が容易となり、好ましい。
【0016】内型2の外周に取り付ける成形材料8の量
は、最終製品である中空体に必要な理論量と等しくして
もよいが、成形時に樹脂漏れが生じることがあるため、
理論料よりも若干多く、例えば2〜5%程度多くするこ
とが好ましく、更に好ましくは3〜4%程度多くする。
内型2の外周に成形材料8を取り付けた後、その外周
に、外型5を取り付け、その外型5の両端に、2個のプ
レス型6をガイド面5b、6aを互いに嵌合させて取り
付ける。これにより、外型5を構成する3個の外型部分
5A、5B、5Cが成形材料8の外周に保持され、外側
に脱落しなくなる。この時、成形材料8の厚みが最終製
品である中空体の厚みよりも大きく、従って、成形材料
8の外径が中空体外径よりも大きいくなっているため、
その外側に取り付けた3個の外型部分5A、5B、5C
の間にはそれぞれ隙間9が生じるが、外型5を3分割し
た構造としたため、従来使用されているような二つ割り
構造の場合に比べて、その隙間9は極めて小さくなって
いる。
【0017】次に、外型5及びプレス型6の筒状壁6b
の外周に、ブリーダークロス14を巻き付け、更にその
外周にバギングフィルム15を巻き付けて包み、その両
端をガムシーラント16によってプレス型6の筒状壁6
bの外周に固定する。ここで、このバギングフィルム1
5は、成形型1の全体を包む必要はなく、図示したよう
に、単に両端の2個のプレス型6の筒状壁6bとその間
の外型5の外周面のみを覆う構成であればよい。オート
クレーブを用いる通常の成形では、成形型全体をバギン
グフィルムで包み込む方法が一般的であるが、本実施例
の成形型1を用いた場合には、バギングフィルム15を
成形型1のほぼ円筒状の外周面に巻き付けるだけで良い
ため、バギングフィルムの使用量を減らすことができる
と共にバギングフィルムを取り付ける作業が極めて容易
となり、また、屈曲箇所がほとんどないため、成形時の
バギングフィルム破壊によるトラブルの防止にも効果が
ある。
【0018】バギング終了後、プレス型6の端壁6cに
形成している脱気孔11を真空ポンプに接続し、真空ポ
ンプにより減圧を行う。この減圧工程により、一対のプ
レス型6とバギングフィルム15とで囲まれた空間内が
減圧され、成形型1内に充填されている成形材料8内の
ボイド抜きがなされることにより、外型5及びプレス型
6が内方に移動し、成形材料8及び成形型1は最小体積
となる様全体が収縮されていく。
【0019】この状態で、成形型1をオートクレーブ
(図示せず)内に入れ、成形型1内を真空ポンプで減圧
した状態で、オートクレーブによる加圧、加熱を開始
し、その成形型1に高温、高圧を作用させる。オートク
レーブ内の気体圧力は外型5の外面に作用し、各外型部
分5A、5B、5Cを、図2に矢印F1 、F2 、F3
示すように3方向から内型2に向けて押し、成形材料8
を加圧する。この際、気体圧力が作用する外型部分5
A、5B、5Cの外面の面積は、成形材料8に接してい
る内面よりも大きいため、外型部分5A、5B、5Cの
外面に作用する気体圧力が拡大されて成形材料8に作用
することとなり、成形材料8には気体圧力よりも大きい
圧力が作用する。更に、オートクレーブ内の圧力は、同
時にプレス型6の外面にも作用しており、そのプレス型
6を中心軸線方向に押して外型5に押し付け、その押圧
力は、ガイド面5b、6aの嵌合によって各外型部分5
A、5B、5Cを内方に押す力に変換される。かくし
て、外型を構成する3個の外型部分5A、5B、5Cに
は、きわめて大きい押圧力が作用し、成形材料8に極め
て大きい押圧力を作用させる。また、この時、外型部分
5A、5B、5Cは、成形材料8を周方向に3分割して
押圧しているので、二つ割りの外型で押圧する場合に比
べて、一つの外型部分で押圧する範囲が小さく、このた
め比較的均一な圧力で成形材料8を加圧する。
【0020】成形型1をオートクレーブ内で加圧、加熱
することにより、成形材料8は外型部分5A、5B、5
Cによるきわめて大きい押圧力を受けた状態で加熱さ
れ、熱可塑性樹脂が溶融して補強繊維に含浸し、成形が
進む。その後、成形型1を冷却し、内部の成形物を取り
出す。以上により、繊維補強熱可塑性樹脂中空体が成形
される。得られた中空体は、きわめて高い押圧力で圧縮
され且つ減圧された状態で成形されるため、ボイドのな
い、均等な肉厚の、優れた機械的特性を備えたものとな
る。
【0021】なお、上記実施例では、外型5を3分割し
た構造としたが、4分割以上とすることも可能である。
4分割以上とすると、部品点数が増す欠点は生じるが、
成形材料に付与する押圧力を一層均一とすることがで
き、且つ外型部分間の隙間を一層小さくできる利点が得
られる。従って、外型5を分割する個数は、部品点数の
増加によるコストアップや取り扱い性の低下と、製品品
質の向上を考慮して、定めればよい。
【0022】次に、図1、図2に示す成形型1を用いて
実際に成形した実施例を示す。 〔実施例〕 (1)使用成形型 内型2の外径:150mm 外型5の内径:160mm 内型2、外型5の長さ:200mm
【0023】(2)成形材料 補強繊維と熱可塑性樹脂繊維の交織布を熱セットして使
用 交織布の仕様及び熱セット条件は次の通り 使用糸 カーボンファイバー3K 198Tex(198g/
1000m) PEEK繊維 124Tex(124g/
1000m) 製織条件 CF(カーボンファイバー)、PEEK繊維をそれぞ
れ、 経糸 10本/25mm 緯糸 10本/25mm となるように製織。経、緯両方に、CF、PEEKが織
り込まれる。得られた交織布の単位面積当たりの重量
は、260g/m2 。 熱セット 温度300°C、圧力6kg/cm2 、保持時間60分
で熱セット。
【0024】(3)成形操作 熱セットした交織布を内型2の外周に、31層重ねて
巻き付け、成形型1を図1に示す状態に組み立てる(こ
の交織布の成形時の厚みは0.1675mmであるの
で、厚み5mmの中空体を形成するには、理論的には3
0層巻けば良いが、成形時に十分加圧されるよう、少し
多めに巻き付けた)。 これをオートクレーブに入れ、温度395°C、圧力
17kg/cm2 で保持時間90分後、冷却し、中空成
形品を得た。
【0025】(4)得られた成形品の品質 外観 オートクレーブから成形型を取り出して外観を観察した
ところ、外型5の各外型部分5A、5B、5Cの接合部
には、それぞれ0.5mmの隙間が生じ、結果的に樹脂
漏れ(バリ)が生じていた。その他は良好。成形品を取
り出した後、後加工によりバリを除去した。 得られた中空成形品の寸法を、円周方向の3ヶ所で測
定したところ、 内径 150±0.5mm 外径 160±0.5mm 高さ 200±0.5mm の範囲内であり、均等な肉厚の成形品であった。また、
ボイドは見られなかった。 重量は次の通りであった。 設計値 786g 実測値 810g(バリ付) 792g(バリ除去後)
【0026】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の成形型を用いた成形方法では、内型と外型との間にセ
ットした成形材料に対して、3個以上に分割された外型
部分が極めて大きい押圧力を比較的均一に作用させるこ
とができ、このため、成形材料の熱可塑性樹脂を高圧下
で加熱、溶融させて補強繊維と一体化することができ、
ボイドの無い、高品質の複合材料の中空体を成形できる
という効果を有している。
【0027】ここで、前記成形型の前記外型には、その
両端外周に傾斜したガイド面を形成し、前記2個のプレ
ス型の各々には、先端内面に、前記外型のガイド面に嵌
合する傾斜したガイド面を有する筒状壁と、該筒状壁の
後端を閉じる端壁とを設けておき、前記外型の両端に前
記2個のプレス型を取り付けた状態で、前記2個のプレ
ス型の筒状壁及びその間の外型の外周面を覆うようにバ
ギングフィルムを巻き付け、その両端を前記プレス型の
筒状壁の外周面に固定することにより、バギング可能な
構成としておくと、バギング時には、筒状に組み立てた
成形型の外周面に単にバギングフィルムを巻き付けて固
定するという簡単な操作を行うのみで良く、バギング作
業が容易となると共に、成形中の真空漏れが生じにく
く、真空漏れによるトラブルを減少させることができる
等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による成形型を組み立てた状
態で示す概略垂直断面図
【図2】その成形型の概略水平断面図
【符号の説明】
1 成形型 2 内型 2a 成形面 4 固定板 5 外型 5A、5B、5C 外型部分 5a 成形面 5b ガイド面 6 プレス型 6a ガイド面 6b 筒状壁 6c 端壁 8 成形材料 10、11 脱気孔 12 溝 14 ブリーダークロス 15 バギングフィルム 16 ガムシーラント
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 22:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内型と、周方向に3個以上に分割された
    外型部分からなり、前記内型を取り囲んで配置される外
    型と、該外型の両端に、該外型に対して軸線方向に移動
    可能に配置され、該外型に向かう方向の押圧力を前記外
    型の内方への押圧力に変換するガイド手段を有する2個
    のプレス型とを備えた成形型を用意し、前記内型の外周
    に熱可塑性樹脂と補強繊維とを有する成形材料を取り付
    け、その外周に、前記外型を取り付け、該外型の両端に
    2個のプレス型を取り付け、前記外型及びプレス型をバ
    ギングフィルムで包み、前記プレス型及びバギングフィ
    ルムで囲まれた部分を減圧し且つ全体を高温、高圧雰囲
    気内に入れ、前記成形材料を加圧、加熱することを特徴
    とする繊維補強熱可塑性樹脂中空体の成形方法。
  2. 【請求項2】 内型と、周方向に3個以上に分割された
    外型部分からなり、前記内型を取り囲んで配置される外
    型と、該外型の両端に、該外型に対して軸線方向に移動
    可能に配置され、該外型に向かう方向の押圧力を前記外
    型の内方への押圧力に変換するガイド手段を有する2個
    のプレス型とを備えた成形型。
  3. 【請求項3】 前記外型が、両端外周に傾斜したガイド
    面を有しており、前記2個のプレス型の各々が、先端内
    面に、前記外型のガイド面に嵌合する傾斜したガイド面
    を有する筒状壁と、該筒状壁の後端を閉じる端壁とを有
    しており、前記外型の両端に前記2個のプレス型を取り
    付けた状態で、前記2個のプレス型の筒状壁及びその間
    の外型の外周面を覆うようにバギングフィルムを巻き付
    け、その両端を前記プレス型の筒状壁の外周面に固定す
    ることにより、バギング可能な構成としていることを特
    徴とする請求項2記載の成形型。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100401301B1 (ko) * 2001-03-29 2003-10-10 주식회사 태양테크 화학용액조 제조방법
JP2012517368A (ja) * 2009-02-12 2012-08-02 クリンクラン・コンポジッツ・アーゲー 繊維強化プラスチックの部品を製造するための方法および装置
US20130344315A1 (en) * 2010-12-27 2013-12-26 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Mold

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