JPH072986A - ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法 - Google Patents

ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法

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JPH072986A
JPH072986A JP14736193A JP14736193A JPH072986A JP H072986 A JPH072986 A JP H072986A JP 14736193 A JP14736193 A JP 14736193A JP 14736193 A JP14736193 A JP 14736193A JP H072986 A JPH072986 A JP H072986A
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acid
hydroxy
solvent
reaction
dehydration
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JP14736193A
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Masahiro Ota
正博 太田
Osamu Yasui
治 安井
Seiji Obuchi
省二 大淵
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒドロキシカルボン酸類、または、それらの
オリゴマーを触媒の存在下、あらかじめ有機溶媒中で加
熱還流し、水及び低沸点化合物を除去した後、溶媒の還
流と同時に反応系から水分を除去しながら脱水重縮合し
てポリヒドロキシカルボン酸を製造する方法において、
ビフェニル系有機溶媒を溶媒として用いるポリヒドロキ
シカルボン酸の製造方法。 【効果】 直接脱水重縮合により高分子量のポリヒドロ
キシカルボン酸を工業的に、短時間に、且つ安価に得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用材料や汎用樹脂
代替の生分解生ポリマーとして有用なポリヒドロキシカ
ルボン酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリヒドロキシカルボン酸は機械的性
質、物理的性質、化学的性質に優れている上に、他に害
を与える事なく自然環境下で分解され、最終的には微生
物によって水と炭酸ガスになるという生分解性の機能を
有しており、近年医療用材料や、環境保全の観点から汎
用樹脂代替等、様々な分野で注目されており、今後もそ
の需要が大きく伸びることが期待されている。通常、ポ
リヒドロキシカルボン酸の製造方法としては、ヒドロキ
シカルボン酸例えば、乳酸、グリコール酸の場合は、脱
水二量化し一旦環状二量体を得た後、各種触媒の存在
下、開環溶融重合する事で高分子量のポリマーが得られ
る事が知られている。この方法は、環状二量体であるラ
クチド、またはグリコリドの製造に際して多大の労力と
費用を必要とするため経済的でない。また、ヒドロキシ
カルボン酸の種類によっては、環状二量体を形成しない
ものもあり、その場合はこの方法は使用できない。
【0003】一方、ヒドロキシカルボン酸及びそのオリ
ゴマーから直接脱水法によって、ポリヒドロキシカルボ
ン酸を得る方法が幾つか開示されている(特開昭59−
096123号、特開昭61−028521号)。しか
しながら、これらの方法では得られる該ポリマーの固有
粘度は約0.3dl/g程度が限界で十分な機械物性を
有さず、その用途、目的によっては使用できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】乳酸やグリコール酸等
のヒドロキシカルボン酸の直接重縮合反応は、二塩基酸
と多価アルコールによるエステル化反応と同様に逐次反
応であり、反応時間と共に分子量は増大する。また、こ
の際生成する水分子は、加水分解作用による逆反応によ
り重縮合体の分子量を低下させる作用を有するので、生
成する水分を系外へ効率よく除去することが高分子量ポ
リ乳酸やポリグリコール酸等を得るために必要であっ
た。この方法として反応時に撹拌速度を高める方法、減
圧度を高める方法、不活性ガスを反応系に導入し水を揮
散させる方法等があるが、分子量の増大と共に反応系の
粘度が著しく上昇するため、これらの方法には限界があ
り、到達する分子量は触媒の有無にかかわらず通常2
0,000以下であった。従ってこれらの方法により生
成したポリマーから、充分な機械的特性を有する成形物
やフィルムを得ることは不可能であった。
【0005】本発明は、ヒドロキシカルボン酸の直接脱
水縮合反応により高分子量のポリヒドロキシカルボン酸
を製造する方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高分子量
のポリヒドロキシカルボン酸を得るべく鋭意検討した結
果、ヒドロキシカルボン酸類、またはそれらのオリゴマ
ーを有機溶媒中で加熱還流し、ヒドロキシカルボン酸中
に含まれている不純物を反応系外へ除去した後脱水重縮
合してポリヒドロキシカルボン酸を得る方法において、
特殊な溶媒を用いることにより、平均分子量の高いポリ
マーを比較的短時間で得ることが出来ることを見い出し
本発明を完成したものである。
【0007】すなわち本発明は、ヒドロキシカルボン酸
類、または、それらのオリゴマーを触媒の存在下、あら
かじめ有機溶媒中で加熱還流し、水及び低沸点化合物を
除去した後、溶媒の還流と同時に反応系から水分を除去
しながら脱水重縮合してポリヒドロキシカルボン酸を製
造する方法において、ビフェニル系有機溶媒を溶媒とし
て用いることを特徴とするポリヒドロキシカルボン酸の
製造方法である。
【0008】本発明で使用されるヒドロキシカルボン酸
の具体例としては、以下のものが挙げられる。グリコー
ル酸、乳酸、2−ヒドロキシブタノイックアシッド、2
−ヒドロキシペンタノイックアシッド、2−ヒドロキシ
ヘキサノイックアシッド、2−ヒドロキシヘプタノイッ
クアシッド、2−ヒドロキシオクタノイックアシッド、
2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイックアシッド、
2−ヒドロキシ−2−メチルブタノイックアシッド、2
−ヒドロキシ−2−エチルブタノイックアシッド、2−
ヒドロキシ−2−メチルペンタノイックアシッド、2−
ヒドロキシ−2−エチルペンタノイックアシッド、2−
ヒドロキシ−2−プロピルペンタノイックアシッド、2
−ヒドロキシ−2−ブチルペンタノイックアシッド、2
−ヒドロキシ−2−メチルヘキサノイックアシッド、2
−ヒドロキシ−2−エチルヘキサノイックアシッド、2
−ヒドロキシ−2−プロピルヘキサノイックアシッド、
2−ヒドロキシ−2−ブチルヘキサノイックアシッド、
2−ヒドロキシ−2−ペンチルヘキサノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−メチルヘプタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−メチルヘプタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−エチルヘプタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−プロピルヘプタニックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−ブチルヘプタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−ペンチルヘプタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルヘプタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−メチルオクタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−エチルオクタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−プロピルオクタノイック
アシッド、2−ヒドロキシ−2−ブチルオクタノイック
アシッド、2−ヒドロキシ−2−ペンチルオクタノイッ
クアシッド、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルオクタノイ
ックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ヘプチルオクタノ
イックアシッド、3−ヒドロキシプロパノイックアシッ
ド、3−ヒドロキシブタノイックアシッド、3−ヒドロ
キシペンタノイックアシッド、3−ヒドロキシヘキサノ
イックアシッド、3−ヒドロキシヘプタノイックアシッ
ド、3−ヒドロキシオクタノイックアシッド、3−ヒド
ロキシ−3−メチルブタノイックアシッド、3−ヒドロ
キシ−3−メチルペンタノイックアシッド、3−ヒドロ
キシ−3−エチルペンタノイックアシッド、3−ヒドロ
キシ−3−メチルヘキサノイックアシッド、3−ヒドロ
キシ−3−エチルヘキサノイックアシッド、3−ヒドロ
キシ−3−プロピルヘキサノイックアシッド、3−ヒド
ロキシ−3−メチルヘプタノイックアシッド、3−ヒド
ロキシ−3−エチルヘプタノイックアシッド、3−ヒド
ロキシ−3−プロピルヘプタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−ブチルヘプタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−メチルオクタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−エチルオクタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−プロピルオクタノイックアシッド、3−
ヒドロキシ−3−ブチルオクタノイックアシッド、3−
ヒドロキシ−3−ペンチルオクタノイックアシッド、4
−ヒドロキシブタノイックアシッド、4−ヒドロキシペ
ンタノイックアシッド、4−ヒドロキシヘキサノイック
アシッド、4−ヒドロキシヘプタノイックアシッド、4
−ヒドロキシオクタノイックアシッド、4−ヒドロキシ
−4−メチルペンタノイックアシッド、4−ヒドロキシ
−4−メチルヘキサノイックアシッド、4−ヒドロキシ
−4−エチルヘキサノイックアシッド、4−ヒドロキシ
−4−メチルヘプタノイックアシッド、4−ヒドロキシ
−4−エチルヘプタノイックアシッド、4−ヒドロキシ
−4−プロピルヘプタノイックアシッド、4−ヒドロキ
シ−4−メチルオクタノイックアシッド、4−ヒドロキ
シ−4−エチルオクタノイックアシッド、4−ヒドロキ
シ−4−プロピルオクタノイックアシッド、4−ヒドロ
キシ−4−ブチルオクタノイックアシッド、5−ヒドロ
キシペンタノイックアシッド、5−ヒドロキシヘキサノ
イックアシッド、5−ヒドロキシヘプタノイックアシッ
ド、5−ヒドロキシオクタノイックアシッド、5−ヒド
ロキシ−5−メチルヘキサノイックアシッド、5−ヒド
ロキシ−5−メチルヘプタノイックアシッド、5−ヒド
ロキシ−5−エチルヘプタノイックアシッド、5−ヒド
ロキシ−5−メチルオクタノイックアシッド、5−ヒド
ロキシ−5−エチルオクタノイックアシッド、5−ヒド
ロキシ−5−プロピルオクタノイックアシッド、6−ヒ
ドロキシヘキサノイックアシッド、6−ヒドロキシヘプ
タノイックアシッド、6−ヒドロキシオクタノイックア
シッド、6−ヒドロキシ−6−メチルヘプタノイックア
シッド、6−ヒドロキシ−6−メチルオクタノイックア
シッド、6−ヒドロキシ−6−エチルオクタノイックア
シッド、7−ヒドロキシヘプタノイックアシッド、7−
ヒドロキシオクタノイックアシッド、7−ヒドロキシ−
7−メチルオクタノイックアシッド、8−ヒドロキシオ
クタノイックアシッド等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸
が挙げられる。これらは単独でも或は二種以上混合して
用いてもよい。特に好ましく用いられるヒドロキシカル
ボン酸は、乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシブチリ
ックアシッド、4−ヒドロキシブチリックアシッド、3
−ヒドロキシバレリックアシッド、またはそれらの混合
物である。
【0009】本発明方法では前述のヒドロキシカルボン
酸から誘導されるオリゴマーを原料として用いることも
出来る。そしてそれらは一種または二種以上の混合物と
して用いてもよい。
【0010】これらヒドロキシカルボン酸及びそれらの
オリゴマーの中には光学活性炭素を有し各々D体、L
体、D/L体の形態をとる場合があるが、本発明に於い
ては、その形態に何等制限はない。
【0011】本発明の特徴である溶媒のビフェニル系有
機溶媒としては、ビフェニル、2−メチルビフェニル、
3−メチルビフェニル、4−メチルビフェニル、2−エ
チルビフェニル、3−エチルビフェニル、4−エチルビ
フェニル、2,2’−ジメチルビフェニル、3,3’−
ジメチルビフェニル、4,4−ジメチルビフェニル、
2,2’−ジエチルビフェニル、3,3’−ジエチルビ
フェニル、4,4’−ジエチルビフェニル、2−クロロ
ビフェニル、3−クロロビフェニル、4−クロロビフェ
ニル、、2−ブロモビフェニル、3−ブロモビフェニ
ル、4−ブロモビフェニル、2−フルオロビフェニル、
3−フルオロビフェニル、4−フルオロビフェニル、2
−ヨードビフェニル、3−ヨードビフェニル、4−ヨー
ドビフェニル、2−メトキシビフェニル、3−メトキシ
ビフェニル、4−メトキシビフェニル、2−エトキシビ
フェニル、3−エトキシビフェニル、4−エトキシビフ
ェニル、2,2’−ジメトキシビフェニル、3,3’−
ジメトキシビフェニル、4,4’−ジメトキシビフェニ
ル等が挙げられる。これらは一種または二種以上の混合
物で用いても良い。
【0012】本発明で用いる触媒としては、元素周期律
表I、II、III、IV、V族の金属、或はそれらの
塩または水酸化物、酸化物が挙げられる。例えば亜鉛、
錫、アルミニウム、マグネシウム、アンチモン、チタ
ン、ジルコニウム等の金属。酸化錫、酸化アンチモン、
酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チ
タン等の金属酸化物。塩化亜鉛、塩化第一錫、塩化第二
錫、臭化第一錫、臭化第二錫、フッ化アンチモン、塩化
亜鉛、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等の金属ハ
ロゲン化物。水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、水酸化亜鉛、水酸化鉄、水酸化コバルト、水酸化ニ
ッケル、水酸化銅、水酸化セシウム、水酸化ストロンチ
ウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム、水酸化ジルコ
ニウム等の金属水酸化物。硫酸錫、硫酸亜鉛、硫酸アル
ミニウム等の硫酸塩。炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭
酸カルシウム等の炭酸塩。酢酸錫、オクタン酸錫、乳酸
錫、酢酸亜鉛、酢酸アルミニウム、乳酸鉄等の有機カル
ボン酸塩。トリフルオロメタンスルホン酸錫、p−トル
エンスルホン酸錫等の有機スルホン酸塩等が挙げられ
る。
【0013】その他、ジブチルチンオキサイド等の上記
金属の有機金属酸化物またはチタニウムイソプロポキサ
イド等の上記金属の金属アルコキサイドまたはジエチル
亜鉛等の上記金属のアルキル金属。およびダウエック
ス、アンバーライト等のイオン交換樹脂等が挙げられ
る。その使用量は、上記ヒドロキシカルボン酸またはそ
れらのオリゴマーの0.0001〜10重量%が用いら
れる。
【0014】脱水重縮合に先だってあらかじめヒドロキ
シカルボン酸類を有機溶媒中で加熱還流する。この操作
により反応系内に存在する、原料由来の不純物が還流す
る溶媒と共に反応系外へ除去される。従って、還流する
不純物を含んだ有機溶媒は、一旦系外へ留去し不純物を
除去した後に再び反応系内へ戻す手法を選んでもよい
し、或は不純物を含む有機溶媒は反応系内へ戻さず、不
純物を含まない有機溶媒をあらたに装入し、反応系内の
有機溶媒を置換する手法を選んでもよい。有機溶媒中で
加熱還流させる際の条件としては、温度は80〜250
℃、好ましくは110〜170℃である。80℃より低
い場合は不純物の除去効果が少なくなるため好ましくな
い。逆に250℃を越える温度ではヒドロキシカルボン
酸の熱劣化が生ずるため好ましくない。圧力は常圧下、
減圧下の何れでもよく、使用する反応溶媒によって上記
温度範囲で還流する圧力が適宜選択される。加熱還流す
る時間は温度条件、反応スケール等によって異なるが、
0.5〜60時間、好ましくは2〜30時間が良い。
0.5時間より短い場合は、前述した不純物の除去効果
があまり無く、また60時間を越えても更なる不純物の
除去効果は期待出来ない。
【0015】脱水重縮合時の反応温度は常圧下、使用す
る溶媒の還流温度、または減圧により、還流温度を50
〜250℃に下げて行ってもよい。より好ましくは、1
00〜170℃がよい。50℃未満では、反応によって
生成する水を溶媒との共沸によって反応系外へ除去する
効率が悪くなるため反応速度が著しく低下する。また2
50℃を越える温度ではポリマーの劣化を生じたり、そ
のため反応液に着色を生じ、得られる製品の品質を悪化
させることがあるため好ましくない。
【0016】乾燥剤を使用する場合は、例えばモレキュ
ラーシーブ(3A,4A,5A等)、五酸化二リン、水
素化カルシウム、水素化ナトリウム、水素化リチウムア
ルミニウム等の金属水素化物、ナトリウム、リチウム等
のアルカリ金属等が挙げられる。
【0017】反応装置は、留出した溶媒が乾燥剤を充填
したカラムを通り、反応器に戻るようにすればよい。ま
たカラムに充填できないものは、留出した溶媒を別の反
応器で乾燥剤の存在下、還流脱水して一部留出させ、縮
合反応を行っている反応器に戻す等の方法で行うことが
できる。または蒸留分離能を有する装置を備えた反応機
で反応させ、還流する溶媒と水の混合物をそのまま蒸留
分離して水分を除去し、脱水された溶媒のみを系内へ戻
す方法をとってもよい。また、留出した水を含む溶媒は
そのまま除去し、あらたに溶媒を反応系に添加していっ
てもよい。
【0018】本発明方法では、重縮合中の熱劣化による
着色を抑えるために着色防止剤を添加して重縮合を行っ
ても良い。使用される着色防止剤としては、リン酸、リ
ン酸トリフェニル、ピロリン酸、亜リン酸、亜リン酸ト
リフェニル等のリン化合物が好ましい。その添加量は、
ポリマーに対して0.01〜5重量%、より好ましくは
0.5〜2重量%である。0.01重量%未満では着色
防止効果が小さくなり、5重量%以上では、さらなる着
色防止の効果は薄く、重合度が上がらないことがある。
【0019】
【実施例】以下に、本発明に於ける実施例を記載する
が、本発明は以下に記載する方法及び装置に限定される
ものではない。本明細書記載のポリマーの分子量は、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(カラム温度2
3℃)により、ポリスチレン標準サンプルとの比較で行
った。
【0020】実施例1 温度計、撹拌翼、留出管を備えた500mlの四つ口フ
ラスコに、90%L−乳酸75gを装入し、130℃/
50mmHgで3時間系外へ水を除去しながら加熱撹拌
した。次に留出管を取り外し、代わりにディーンシュタ
ックを取り付け、更にビフェニル325g、錫粉0.4
gを加え、140℃/25〜30mmHgで5時間加熱
還流させた。この時、還流するビフェニルと生成水との
混合物を、ディーンシュタック内で分離させ、水層を逐
次抜きだした。次にディーンシュタックを取り外し、代
わりにモレキュラーシーブス3A50gが充填された管
を取り付け、還流により留出する溶媒がモレキュラーシ
ーブスを通って系内へ戻るようにし、反応条件を130
℃/18〜20mmHgに設定し、20時間反応させ
た。反応終了後、反応マスにクロロホルム400mlを
加え、溶解した後吸引濾過し錫粉末を除去した。得られ
たクロロホルム溶液にメタノール1400mlを加え、
析出した白色固体のポリ乳酸を濾別し、乾燥した。収量
52.3g、収率は96.8%、重量平均分子量19
0,000(ポリスチレン換算。以下同じ。)であっ
た。
【0021】実施例2 重合溶媒としてビフェニルの替わりに、2−メチルビフ
ェニルを用いた他は、実施例1と同様の方法で行った結
果、白色固体のポリ乳酸を得た。収量51.9g,収率
は96.0%で重量平均分子量は200,000であっ
た。
【0022】実施例3 温度計、撹拌翼、留出管を備えた500mlの四つ口フ
ラスコに、90%L−乳酸75gを装入し、130℃/
50mmHgで3時間系外へ水を除去しながら加熱撹拌
した。次に留出管を取り外し、代わりにディーンシュタ
ックを取り付け、更に2−フルオロビフェニル325
g、錫粉0.4gを加え、140℃/28〜35mmH
gで5時間加熱還流させた。この時、還流する2−フル
オロビフェニルと生成水との混合物を、ディーンシュタ
ック内で分離させ水層を逐次抜きだした。次にディーン
シュタックを取り外し、代わりにモレキュラーシーブス
3A50gが充填された管を取り付け、還流により留出
する溶媒がモレキュラーシーブスを通って系内へ戻るよ
うにし、反応条件を130℃/23〜25mmHgに設
定し、20時間反応させた。反応終了後、反応マスにク
ロロホルム400mlを加え、溶解した後吸引濾過し錫
粉末を除去した。得られたクロロホルム溶液にメタノー
ル1400mlを加え、析出した白色固体のポリ乳酸を
濾別し、乾燥した。収量50.7g、収率は93.9
%、重量平均分子量170,000であった。
【0023】実施例4 温度計、撹拌翼、留出管を備えた500mlの四つ口フ
ラスコに、90%L−乳酸75gを装入し、130℃/
50mmHgで3時間系外へ水を除去しながら加熱撹拌
した。次に留出管を取り外し、代わりにディーンシュタ
ックを取り付け、更に2−メトキシビフェニル325
g、錫粉0.4gを加え、140℃/10〜20mmH
gで4時間加熱還流させた。この時、還流する2−メト
キシビフェニルと生成水との混合物を、ディーンシュタ
ック内で分離させ水層を逐次抜きだした。次にディーン
シュタックを取り外し、代わりにモレキュラーシーブス
3A50gが充填された管を取り付け、還流により留出
する溶媒がモレキュラーシーブスを通って系内へ戻るよ
うにし、反応条件を130℃/5〜10mmHgに設定
し、20時間反応させた。反応終了後、反応マスにクロ
ロホルム400mlを加え、溶解した後吸引濾過し錫粉
末を除去した。得られたクロロホルム溶液にメタノール
1400mlを加え、析出した白色固体のポリ乳酸を濾
別し、乾燥した。収量50.7g、収率は93.9%、
重量平均分子量210,000であった。
【0024】比較例1 重合溶媒として2−メトキシビフェニルの替わりに、ジ
ベンジルエーテルを用いた他は、実施例4と同様の方法
で行ったが、分子量はほとんど増大しなかった。
【0025】
【発明の効果】本発明方法は、ヒドロキシカルボン酸ま
たはそれらのオリゴマーから直接脱水重縮合により高分
子量の該ポリマーを工業的に、短時間に、且安価に得る
ことを可能とする方法である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシカルボン酸類、または、それ
    らのオリゴマーを触媒の存在下、あらかじめ有機溶媒中
    で加熱還流し、水及び低沸点化合物を除去した後、溶媒
    の還流と同時に反応系から水分を除去しながら脱水重縮
    合してポリヒドロキシカルボン酸を製造する方法におい
    て、ビフェニル系有機溶媒を溶媒として用いることを特
    徴とするポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 脱水重縮合時、溶媒の還流下に留出する
    溶媒を乾燥剤で処理したのち、或は蒸留分離することに
    より脱水した後に、再び反応系内に戻すことを特徴とす
    る請求項1記載のポリヒドロキシカルボン酸の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 使用する乾燥剤が、モレキュラーシー
    ブ、または五酸化二リン、または金属水素化合物、また
    はアルカリ金属であることを特徴とする請求項2記載の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 ヒドロキシカルボン酸が、乳酸、グリコ
    ール酸、3−ヒドロキシブチリックアシッド、4−ヒド
    ロキシブチリックアシッド、3−ヒドロキシバレリック
    アシッド、またはそれらの混合物であることを特徴とす
    る請求項1〜3記載のいずれかの製造方法。
JP14736193A 1993-06-18 1993-06-18 ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法 Pending JPH072986A (ja)

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JP14736193A Pending JPH072986A (ja) 1993-06-18 1993-06-18 ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法

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