JPH0729847Y2 - 球果の装身具 - Google Patents

球果の装身具

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JPH0729847Y2
JPH0729847Y2 JP4974293U JP4974293U JPH0729847Y2 JP H0729847 Y2 JPH0729847 Y2 JP H0729847Y2 JP 4974293 U JP4974293 U JP 4974293U JP 4974293 U JP4974293 U JP 4974293U JP H0729847 Y2 JPH0729847 Y2 JP H0729847Y2
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JP
Japan
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resin
cones
pine
organic solvent
larch
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JP4974293U
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JPH0711913U (ja
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直人 斎藤
政和 青山
光秋 佐藤
伸哉 峯村
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Hokkaido Prefecture
Original Assignee
Hokkaido Prefecture
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は球果の装身具に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、球果は、リースや置物などの
装飾材料として使用されてきた。しかし、そのままの状
態で使用すると、乾くと鱗片が大きく開いて種子が飛散
したり、変色したり、破損したり、光沢が消失したりす
るという欠点があった。特に、マツ類やトウヒ類の球果
は、松脂を多く含むため衣服や顔、手が汚れる、独特の
臭みがある、大きくて嵩高であるなどの理由から、イヤ
リング、ブローチ、バレッタの材料には使用されなかっ
た。
【0003】このため、これまでは特開昭61−135
603号公報(松笠芯を使用した身飾品の製造法)、特
公平05−3997号公報(松笠を用いた装飾方法)、
実開昭57−204200号公報(松かさ装工品)、特
公昭39−19414号公報(室内装置品の工芸材料に
適するように松毬を処理する方法)にみるように、芯や
苞鱗など球果の一部のみが、装飾品材料として使用され
てきた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】本考案の目的は、上記
の問題にかんがみてなされたもので、カラマツやグイマ
ツの球果を原科として、簡易な処理で、松脂や臭みを除
去し、変色や変形を防止した装身具を開発しようとする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】カラマツまたはグイマツ
の球果を極性の高い有機溶剤に浸せきし撹拌して、水洗
だけでは落ちにくい松脂、臭み、泥などを除去する。使
用する有機溶剤としては、風乾後も溶媒臭が残存しない
点から、沸点が50〜80℃のものが好ましい。具体的
にはアセトン、酢酸エチル、エチルアルコール、メチル
アルコール、ヘキサンなどである。これらは、生の球果
によく浸透する。有機溶剤に浸せき後、球果を取り出し
て風乾する。得られた球果は、ポリウレタン樹脂、ポリ
エステル樹脂、アミノアルキド樹脂、ニトロセルロース
ラッカの含浸を容易にする。これらの樹脂は、変色や色
むらを球果に起こさないので好ましい。
【0006】有機溶剤に浸せきした後、樹脂を含浸させ
て硬化することで、割れや変形が起きにくくなり、光沢
も付与される。また、有機溶剤処理に先立ち、球果を凍
結乾燥すると、葉緑素の変質が抑えられて、風乾しても
天然色に近い緑色が保持される。得られた球果は、ピ
ン、鋲、糸、ワイヤーを通したり、金具や板などに直接
または接着剤で固定して装身具とする。
【0007】
【作用】極性の高い有機溶剤は、多量の水分を持つカラ
マツまたはグイマツの球果の内部によく浸透する。そし
て、水洗だけでは除去できない松脂や泥を容易に除去す
る。同時に、カラマツやグイマツ特有の生臭い芳香成分
も除去する。松脂や生臭い芳香成分はアセトン、酢酸エ
チル、エチルアルコール、メチルアルコール、ヘキサン
などの有機溶剤によく溶ける。また、球果の体積を収縮
することなく溶出するので、引続き行う樹脂の浸透度も
高く、均一な含浸を行うことができる。含浸された樹脂
は硬化して、光沢を有する保護膜を形成し、割れや剥
離、変色を防止する。
【0008】緑色を構成するクロロフィルは、紫外線、
酸素や水分子の解離に基づく作用などの付与により、容
易に酸化されて変色する。また、葉緑素分解酵素である
クロロフィラーゼによっても容易に分解し、黄色のフェ
オフィチンとなる。しかし、有機溶剤処理に先立ち、凍
結乾燥を行うと、化学成分や組織構造に変化を起こさず
に速やかに水分を除くことができ、酸化も抑制する。さ
らに、変色しやすい抽出物や分解酵素が引続く有機溶剤
処理で除去、あるいは失活するので、緑色が保存され
る。
【0009】このようにして割れや破損を防止した球果
は、ピン、鋲、糸やワイヤーなどが通しやすくなり、金
具や板などへの接着も容易になる。
【0010】
【実施例】以下、本考案の実施例を具体的に説明する。
なお、以下の実施例は本考案の範囲を限定するものでは
ない。
【0011】(実施例1) 採取した生のカラマツの球果を、アセトンに5分間浸せ
きした後、取り出して風乾した。次いで、ポリウレタン
樹脂(ウレタン樹脂:硬化剤=4:1v/v)に10秒
間浸せきした。余分な樹脂を除き、1時間放置した。得
られた球果は、処理前に比べてカラマツ特有の生臭さが
消え、樹脂の浸透性もよく、艶もあり、泥汚れもなかっ
た。樹脂を含浸硬化した球果を、シアノアクリレートで
金具に接着したが、脱離や折れも生じなかった。なお、
これを50℃で16時間乾燥したものは、褐変するもの
の、割れや剥離が見られなかった。
【0012】(実施例2) 凍結乾燥したカラマツ球果をアセトンに5分間浸せきし
た後、取り出して風乾した。次いで、ポリウレタン樹脂
(ウレタン樹脂:硬化剤=4:1v/v)に10秒間浸
せきした。余分な樹脂を除き、1時間放置した。得られ
た球果は、処理前に比べてカラマツ特有の生臭さが消
え、樹脂の浸透性もよく、表面は滑らかで、泥汚れもな
かった。これにピンを通したが、割れや折れも生じなか
った。なお、凍結乾燥の過程で花のように苞鱗が開いた
が、50℃で16時間乾燥した後も、球果は緑色で割れ
や剥離は見られなかった。
【0013】(比較例) 実施例1において、ポリウレタン樹脂の含浸処理を行わ
なかったもの(比較例1)、アセトンへの浸せき処理を
行わなかったもの(比較例2)、両方の処理を行わなか
ったもの(比較例3)を調製し、その効果を調べた。処
理効果を表1によって示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【数1】重量比(%)=(50℃乾燥後の重量)/(生
球果の重量)×100
【0016】
【数2】嵩直径比(%)=(50℃乾燥後の嵩直径)/
(生球果の嵩直径)×100
【0017】実施例2において、ポリウレタン樹脂の含
浸処理を行わなかったもの(比較例4)、アセトンへの
浸せき処理を行わなかったもの(比較例5)、両方の処
理を行わなかったもの(比較例6)を調製し、その効果
を調べた。処理効果を表2によって示す。
【0018】
【表2】
【0019】表1および表2からわかるように、アセト
ンへの浸せきまたはポリウレタン樹脂の含浸を行わない
で得られる球果は、割れや剥離が生じて変形するか、泥
土や異臭が付着し、装身具材料として適当でなかった。
しかも、後者を省略すると、金具や板などに固定する際
に、接着面から球果やその一部が剥離しやすかった。
【0020】
【考案の効果】本考案により、天然素材からブローチや
イヤリング、バレッタなどの装身具が作り出される。嗜
好性の良好な芳香剤や着色剤を、有機溶剤や樹脂に加え
ることで、さらに付加価値の高い製品に加工できる。
【0021】カラマツやグイマツの球果は、幹の低位に
下垂するので、倒木せずに球果を採取できる。また、間
伐や枝打ちにより不要となった枝条の球果を活用するこ
とで、収益の向上がはかられ、造林施業の活性化にもつ
ながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のカラマツ球果のブローチの正面図であ
る。
【図2】本考案のカラマツ球果のイヤリングの正面図で
ある。
【符号の説明】
1 球果 2 苞鱗 3 金具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭57−189416(JP,U)

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラマツまたはグイマツの球果を極性の
    高い有機溶剤に浸せきして抽出成分を溶出させた後、ポ
    リウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アミノアルキド樹
    脂、ニトロセルロースラッカのいずれかの樹脂を含浸硬
    化させて、割れおよび変形の防止と光沢の付与を行った
    ことを特徴とする装身具。
  2. 【請求項2】 請求項1において有機溶剤に浸せきする
    前に、前処理として凍結乾燥を行ったことを特徴とする
    装身具。
JP4974293U 1993-07-30 1993-07-30 球果の装身具 Expired - Lifetime JPH0729847Y2 (ja)

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JPH0711913U JPH0711913U (ja) 1995-02-28
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ID=12839646

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JP5327453B2 (ja) * 2009-03-19 2013-10-30 山梨県 着色装身具の製造方法

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JPH0711913U (ja) 1995-02-28

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