JPH0729671A - シーズヒータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明はターミナルピンと電熱線との間の溶接
不良が発生しないシーズヒータを提供するものである。 【構成】本発明は、金属製パイプの内部にコイル状の電
熱線が挿入されており、該内部には絶縁粉末が充填され
ていて、該電熱線の端部にターミナルピンが溶接され、
該金属製パイプと該ターミナルピンとの間が栓材で密封
されたシーズヒータにおいて、ターミナルピンの電熱線
側に位置する端部が複数の頂点を有する断面非円形に成
形されており、該頂点のうちで２点以上と電熱線の端部
とがスポット溶接されて成ることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はシーズヒータに関する。
オーブントースタ、炊飯器、アイロン等の家庭用電気器
具、更には工業用電気炉等の加熱源としてシーズヒータ
が広く利用されている。本発明はかかるシーズヒータの
改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、シーズヒータとして、金属製パイ
プの内部にコイル状の電熱線が挿入されており、該内部
には絶縁粉末が充填されていて、該電熱線の端部にター
ミナルピンが溶接され、該金属製パイプと該ターミナル
ピンとの間が栓材で密封されて成るものが提案されてい
る（特開昭４９−３５９３０、特開昭６０−１１７５９
０、特公昭６０−２４５５２、特公昭６０−４６７８
８）。

【０００３】これらのシーズヒータはいずれも、ターミ
ナルピンの電熱線側に位置する端部が断面円形に、そし
て通常は先端に向かって順次狭幅に切削加工されてお
り、かかる端部をコイル状の電熱線の端部へ挿入して双
方の端部を接合させ、この状態で双方の端部を通常は両
側から溶接用電極を押し合てて２点でスポット溶接した
ものである。従来のシーズヒータでは、断面円形に切削
加工されたターミナルピンの端部とコイル状の電熱線の
端部とが面接合するので、その面接合部で双方の端部を
スポット溶接しているのである。

【０００４】ところが、上記のような従来のシーズヒー
タには、実際のところ、ターミナルピンの端部と電熱線
の端部とが面接合しているので、その面接合部に溶接用
電極を押し合てると、溶接用電極と電熱線の端部との間
の接触面積が相応に広くなり、それだけ溶接時の電流が
分散してしまう結果、ターミナルピンと電熱線との間が
溶接不良になることがしばしば発生するという欠点があ
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来のシーズヒータでは、ターミナルピン
と電熱線との間の溶接不良がしばしば発生するという点
である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】しかして本発明は、金属
製パイプの内部にコイル状の電熱線が挿入されており、
該内部には絶縁粉末が充填されていて、該電熱線の端部
にターミナルピンが溶接され、該金属製パイプと該ター
ミナルピンとの間が栓材で密封されたシーズヒータにお
いて、ターミナルピンの電熱線側に位置する端部が複数
の頂点を有する断面非円形に成形されており、該頂点の
うちで２点以上と電熱線の端部とがスポット溶接されて
成ることを特徴とするシーズヒータに係る。

【０００７】本発明においてシーズヒータは、金属製パ
イプと、該金属製パイプの内部に充填され、通常は後工
程の減径処理により圧密化された絶縁粉末、例えば酸化
マグネシウム粉末と、該電熱線の端部にスポット溶接さ
れたターミナルピンと、該金属製パイプと該ターミナル
ピンとの間を密封する栓材とを備えている。

【０００８】ターミナルピンは電熱線側に位置する端部
が複数の頂点を有する断面非円形、例えば菱形、６角
形、８角形等の多角形、更には星形、人手形等に成形さ
れている。かかる成形は、所定の丸棒をプレス加工する
ことにより達成できる。そしてターミナルピンの端部に
おける上記頂点のうちで２点以上と電熱線の端部とがス
ポット溶接されている。

【０００９】ターミナルピンは電熱線側に位置する端部
が先端に向かって順次狭幅に成形されたものが好まし
い。かかるターミナルピンはコイル状の電熱線の端部へ
挿入し易く、押圧挿入によりターミナルピンの端部の頂
点と電熱線の端部とをより確実に点接合できるからであ
る。

【００１０】

【作用】ターミナルピンの端部をコイル状の電熱線の端
部へ挿入すると、該ターミナルピンの非円形に成形され
た端部における頂点と該電熱線の端部とが点接合する。
かかる点接合部に溶接用電極を押し合てると、溶接用電
極と電熱線の端部との間の接触面積が相応に狭くなり、
それだけ溶接時の電流が集中する結果、ターミナルピン
と電熱線とは確実にスポット溶接される。

【００１１】

【実施例】図１は本発明の一実施例を示す一部省略の軸
方向縦断面図である。金属製パイプ１１の内部にコイル
状の電熱線２１が挿入されており、該内部には絶縁粉末
３１が充填されていて、電熱線２１の端部にターミナル
ピン４１，５１の端部が溶接され、金属製パイプ１１と
ターミナルピン４１，５１との間は栓材６１，７１で密
封されている。

【００１２】図２は図１と同じ一実施例を示す軸方向部
分拡大縦断面図、図３は図１と同じ一実施例を示す径方
向部分拡大縦断面図である。ターミナルピン４１の電熱
線２１の側に位置する端部４２は基部４３よりも狭幅に
成形されており、端部４２は合計４個の湾曲した頂点４
２ａ〜４２ｄを有する縦断面十字星形に成形されてい
て、基部４３は元の丸棒のままになっている。かかるタ
ーミナルピン４１は所定の、例えばＳＵＳ３０４製の丸
棒をプレス成形することにより得ることができる。

【００１３】ターミナルピン４１の端部４２はコイル状
の電熱線２１の端部２２に挿入されており、端部４２の
４個の頂点４２ａ〜４２ｄのうちで相対する２個の頂点
４２ａ，４２ｃと電熱線２１の端部２２とがスポット溶
接されている。かかるスポット溶接は、ターミナルピン
４１の端部４２をコイル状の電熱線２１の端部２２に挿
入した状態で、頂点４２ａ，４２ｃを臨み両側から溶接
用電極を押し合てて通電することにより達成できる。

【００１４】ターミナルピン４１の合計４個の頂点４２
ａ〜４２ｄを有する端部４２をコイル状の電熱線２１の
端部２２に挿入すると、頂点４２ａ〜４２ｄと端部２２
とは点接合し、かかる点接合部へ溶接用電極を押し合て
て電流を集中させつつスポット溶接するため、双方の端
部４２，２２の間の溶接不良は発生しない。

【００１５】説明を省略するが、ターミナルピン５１と
電熱線２１との関係も、以上説明したターミナルピン４
１と電熱線２１との関係と同様になっている。

【００１６】図４は本発明の他の一実施例を示す軸方向
部分拡大縦断面図、図５は図４と同じ一実施例を示す径
方向部分拡大縦断面図である。ターミナルピン４４の電
熱線２３の側に位置する端部４５は基部４６よりも先端
に向かって順次狭幅に成形されており、端部４５は合計
６個の屈曲した頂点４５ａ〜４５ｆを有する縦断面正６
角形に成形されていて、基部４６は元の丸棒のままにな
っている。

【００１７】ターミナルピン４４の端部４５はコイル状
の電熱線２３の端部２４に挿入されており、端部４５の
６個の頂点のうちで相対する２個の頂点４５ａ，４５ｄ
と電熱線２３の端部２４とがスポット溶接されている。

【００１８】

【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、ターミナルピンと電熱線との間の溶接不良が発
生しないという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す一部省略の軸方向縦断
面図。

【図２】図１と同じ一実施例を示す軸方向部分拡大縦断
面図。

【図３】図１と同じ一実施例を示す径方向部分拡大縦断
面図

【図４】本発明の他の一実施例を示す軸方向部分拡大縦
断面図。

【図５】図４と同じ一実施例を示す径方向部分拡大縦断
面図。

【符号の説明】

１１・・・金属製パイプ、２１，２３・・・電熱線、３
１・・・絶縁粉末、４１，４４，５１・・・ターミナル
ピン、４２，４５・・・ターミナルピンの端部、４２ａ
〜４２ｄ，４５ａ〜４５ｆ・・・頂点、６１，７１・・
・栓材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属製パイプの内部にコイル状の電熱線
   が挿入されており、該内部には絶縁粉末が充填されてい
   て、該電熱線の端部にターミナルピンが溶接され、該金
   属製パイプと該ターミナルピンとの間が栓材で密封され
   たシーズヒータにおいて、ターミナルピンの電熱線側に
   位置する端部が複数の頂点を有する断面非円形に成形さ
   れており、該頂点のうちで２点以上と電熱線の端部とが
   スポット溶接されて成ることを特徴とするシーズヒー
   タ。
2. 【請求項２】 ターミナルピンの電熱線側に位置する端
   部が先端に向かって順次狭幅に成形された請求項１記載
   のシーズヒータ。