JPH0729668B2 - 検体容器閉栓装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、血液等の検体を入れた
試験管等の検体容器の開口部に栓をするための検体容器
閉栓装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の装置として、上記検体容
器の開口部周辺のサイズに合せて専用につくられた栓、
たとえば段差付き短円柱状をなすコルク栓等を、上記検
体容器の開口部に押込んだり引出したりする構造の装置
がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来の装置
は、検体容器の開口部周辺のサイズに合せて専用につく
られた栓を、上記検体容器の開口部に押込んだり引出し
たりする構造のものである為、機構的にかなり複雑なも
のである。この装置を完全自動化しようとすると、さら
に構造が複雑で大掛りなものとなる。

【０００４】ところで検査室等において血液などの検体
の検査をする場合には、予め開栓処理された状態の試験
管について検査する場合が多い。このため検査終了後に
おいて、検体の蒸発防止、ゴミの侵入防止、試験管の転
倒による検体の飛散防止等のために、各試験管に栓をし
ておく事だけが要請される。かくして検査室などで手軽
に使用できる小型で簡単な構造の閉栓装置の出現が望ま
れていた。本発明の目的は、検体容器の開口部に自動的
に閉栓処理を施すことができ、しかも小型で簡単な構造
を有する検体容器閉栓装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために本発明では次のような手段を講じた。す
なわち本発明の検体容器閉栓装置は、弾性部材からなる
球体を１個づつ供給する弾性球体供給手段と、この弾性
球体供給手段により供給される弾性球体を所定位置に支
持された検体容器の上端開口部へ案内導入する球体案内
手段と、この球体案内手段により上記開口部へ案内導入
された前記弾性球体を予め設定された圧力で所定深さ位
置まで前記開口部内方へ押込む押込み手段と、を備える
ようにした。

【０００６】

【作用】上記手段を講じた結果、次のような作用が生じ
る。 （１）自動的に閉栓処理が行なわれ、手を使用せずに済
むので、衛生的であり安全である。

【０００７】（２）栓が弾性部材からなる球体であるた
め、球体のサイズを試験管等の検体容器開口部のサイズ
に精度よく適合させる必要がなく、しかも閉栓のための
押込み機構も、高精度な位置決め手段を備えたものでな
くとも良く、装置全体の構成が簡単なものとなる。

【０００８】

【実施例】本実施例の検体容器閉栓装置は、コンピュー
タなどからなる制御装置（図示してない）によって、各
部の機構が自動制御されるものとなっている。図１およ
び図２に示すように、ホッパー１には例えばシリコンゴ
ム、一般ゴム、その他の弾性部材からなる弾性球体２が
入れてある。モータ３を回転させることにより、撹拌ア
ーム４を回すと、ホッパー１の底部出口１ａから弾性球
体２が自然に落下する。自然落下した弾性球体２は、傾
斜して設置されたレーン５で受け止められ、このレーン
５上をころがり下る。レーン５には、例えばエア・ピス
トン／シリンダ・デバイス等からなるストッパ６，７
と、例えば光学式のセンサー８，９とが取付けられてい
る。二つのストッパ６と７は、その間に弾性球体２が丁
度１個分入るだけの間隔をおいて設置されている。かく
して弾性球体２を１個づつ各試験管１０の開口部に送り
込めるようになっている。

【０００９】すなわち、ストッパ７を閉止状態にして当
該弾性球体２をストップさせ、センサー８で当該弾性球
体２の停止を確認する。確認できたらもう一つのストッ
パー６を閉止状態にして後続の弾性球体２をストップさ
せる。ストッパ６で後続の弾性球体２を停止させた後、
ストッパー７を開放動作させ、当該弾性球体２だけを下
方へころがす。そしてセンサー９で当該弾性球体２の下
降通過が確認された後、ストッパー７を再び閉止状態と
なす。

【００１０】１個目の当該弾性球体２が、所定位置に停
止している試験管１０の開口部上方位置まで転がってく
ると、この当該弾性球体２は上記試験管１０の開口部周
辺を囲むように設けてある案内部材１１に衝突して停止
し試験管開口部の上に載る。この状態がセンサー１２に
より確認されると、エア・ピストン／シリンダ・デバイ
ス等からなる押込み機構１３が働き、開口部上に載って
いる当該弾性球体２を、試験管１０の開口部内方へ押込
む。このとき押込み機構１３は、試験管１０の開口部の
口径と当該弾性球体２の軟度とに見合った所定圧力で働
くようになっている。このため当該弾性球体２は押込み
治具１３ａにより、開口部内方の所定深さ位置まで押込
まれる。かくして試験管１０の開口部は当該弾性球体２
によって閉栓される。

【００１１】なお、試験管１０は円筒状ホルダー１４に
て保持された状態で、ベルトコンベア１５とガイドレー
ル１６とからなる移送機構によって所定位置まで運ばれ
ていき、そこで図示していないストッパにより停止さ
れ、かつチャッキング機構１７Ａ，１７Ｂによって左右
から挾圧保持される。閉栓処理が終了すると、チャッキ
ング機構１７Ａ，１７Ｂが解除動作し、かつ試験管１０
は移送機構により所定位置まで移送される。上記動作が
繰り返し行なわれることにより、各試験管１０に対して
次々と自動的に閉栓処理が施されることになる。本実施
例においては、次のような作用が生じる。 （１）閉栓処理が自動的に行なわれ、全く手を使用せず
に済むので、衛生的であり安全である。

【００１２】（２）栓が弾性部材からなる弾性球体２で
あるため、弾性球体２のサイズを試験管１０の開口部の
口径等のサイズに精度よく適合させる必要がない。しか
も閉栓のための押込み機構１３も、高精度な位置決め手
段を備えたものでなくとも良い。したがって装置全体の
構成が極めて簡単なものとなる。 なお本発明は上記一実施例に限定されるものではなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であ
るのは勿論である。

【００１３】

【発明の効果】本発明においては、閉栓処理が自動的に
行なわれ手を使用せずに済むので、衛生的で安全であ
る。また栓が弾性部材からなる球体であるため、この球
体のサイズを検体容器の開口部のサイズに精度よく適合
させる必要がなく、さらに閉栓のための押込み機構も高
精度な位置決め手段を備えたものでなくとも良い。した
がって装置全体の構成が極めて簡単なものとなる。かく
して本発明によれば、検体容器の開口部に自動的に閉栓
処理を施すことができ、しかも小型で簡単な構造を有す
る検体容器閉栓装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る検体容器閉栓装置の全
体構成を示す斜視図。

【図２】本発明の一実施例に係る検体容器閉栓装置の要
部構成を示す斜視図。

【符号の説明】

１…ホッパー ２…弾性球体 ３…モータ ４…
撹拌アーム ５…レーン ６および７…ストッパ ８および９お
よび１２…センサー １０…試験管 １１…案内部材 １３…押込み機構 １４…円筒状ホルダー １５…ベルトコンベア １
６…ガイドレール １７Ａおよび１７Ｂ…チャッキング機構

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 弾性部材からなる球体を１個づつ供給す
   る弾性球体供給手段と、この弾性球体供給手段により供
   給される弾性球体を所定位置に支持された検体容器の上
   端開口部へ案内導入する球体案内手段と、この球体案内
   手段により上記開口部へ案内導入された前記弾性球体を
   予め設定された圧力で所定深さ位置まで前記開口部内方
   へ押込む押込み手段と、を具備したことを特徴とする検
   体容器閉栓装置。
2. 【請求項２】 シリコンゴム等のゴム球からなる球体
   を、開口部を上にした検体入り試験管の開口部上に載
   せ、エア・ピストン／シリンダ・デバイスからなる押込
   み機構により、上記球体を前記試験管の開口部内へ押込
   むようにしたことを特徴とする請求項１に記載の検体容
   器閉栓装置。