JPH07295579A - 卓上水琴窟 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】庭園の土中に埋没していた大きな水琴窟を、小
さな卓上形の室内用にして天候場所を問わず随時移動を
可能にした、生け花用剣山で部屋を飾り、半永久的寿
命、侘寂禅を体験できて、ストレス解消、茶華歌教室、
会社旅館ホテル家庭の部屋廊下、玄関の飾りに最適であ
る。 【構成】水鉢、本体瓶、受皿、水。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】［産業上の利用分野］古来から庭園の地下
に埋没させていた、大仕掛けの水琴窟を、卓上型にし
た。

【０００２】［従来技術］水琴窟は、江戸中期に、江戸
の庭師が開発したもので、日本庭園造りの名人であった
小堀遠州等によって江戸前期に確立された茶道、華道、
歌道の宴席の人達に、囁くように聞こえる水滴の金属音
が、優雅で、爽快であり、聞く者の心が洗われる思いが
する程、可愛いくて、小さな澄み切った音で、各道流派
の修業の場に、まことに相応しく、古人が求めた侘、寂
の日本の音として珍重されてきた。そのためか、有名な
日本庭園の茶室の付近に設置されていることが多い。設
置は、庭園の土中に、大きな瓶を埋没しなければなら
ず、大仕事である。宴席より距離が遠くなれば、肝腎の
宴席の人達に聞こえず、風や雨の音や、雨量の多い日
や、部屋の障子を閉めても音が聞こえなくなる。今や、
道路を走る、自動車の騒音が、昔ながらの、侘とか、寂
の、禅の心境からは程遠く、古人が愛した、雅びな静寂
を、無残にも破る。近代文明がもたらした、ストレス解
消に、水琴窟は唯一無二の音と言える。この水琴窟を、
もっと設置が簡単で、もっと手近に、もっと小形で、も
っとローコストでと願う、愛好家達の要望に答える提供
は、今までは無かった。

【０００３】［発明が解決しようとする課題］ １、地中に埋没すること無く、もっと小形で、設置が簡
単にと言う課題。 ２、外の騒音に妨げられることの無い、もっと手近に置
くと言う課題。 ３、移動が容易で、もっとローコストにならないかと言
う課題。 ４、昔からの物は、一種類の単調な音だが、もっと変化
が欲しいと言う課題。 ５、晴雨に関係無く、何時でも水琴窟音が聞けるように
すると言う課題。

【０００４】［課願を解決するための手段］ １、洋間内、日本座敷内、玄関、廊下を問わず、簡単に
置ける卓上形にする。 ２、前記、茶道、華道、歌道、の修業の室内に直ちに移
動が可能である。 ３、地中埋め込み形に比較して、２０分の１以下程度の
ローコストにできる。 ４、水滴の落下点が色々と変わり音色と、音に高低をつ
けて、水琴窟音に変化を与えるようにした。 ５、室内の卓上式であるから、障子を閉めれば外部の音
が邪魔にならない。

【０００５】［作用］内部の空間を広くした瓶に、上部
から水滴を滴下させ、瓶の底部の水溜まりの水面に水滴
が滴下して衝突する時に、発する音が、瓶の内部の空間
に反響して、妙なる、水琴窟音を発する。

【０００６】［実施例］図面に従って詳細に説明する。 図１は、側面図 図２は、上面図 図３は、水滴散開溝の説明図 本発明は、水鉢１、２、３、３’、４の各部と、本体瓶
５、５’、６、７、７’の各部と、受け皿８、８’とで
形成されている。水鉢内面２に、体裁の良い玉砂利１１
を敷き、適当個所に、生け花用の剣山１２を置いても良
く、玉砂利１１と剣山１２は、勿論無くても良い。水鉢
中央穴３の部分に網、布切れを置き、水が勢い良く流れ
るのを防ぐ。水鉢中央穴３の下面に、水切り下面突起
３’を配して、水滴の水切りを良くする配慮が必要であ
る。水鉢１の下面に脚４を３個配し、脚の隙間から音が
出るようにして、本体瓶上部傾斜面５に乗せる、その場
合に接触部分を嵌込みができるようにして、僅かな地震
等の動揺で外れたり、本体７が倒れないようにする配慮
が必要である。水鉢１は、図１には円形の皿状にしてい
るが、六角形でも八角形でも、どのような形でも差し支
えは無い。該水鉢１を乗せた本体瓶７の、本体瓶上部斜
面５は、緩やかな斜面にして水滴の滞留が無いようにす
る。本体瓶上部斜面５の中央に本体上部水滴々下穴５’
を穿ち、その穴の下面の周囲の小円形に、図３の水滴散
開溝６を適当に配し、水滴散開溝６は、水滴が適当に四
散して落下するためのもので、水滴が瓶内部水面９に落
下衝突するときに発する、水琴窟音が微妙に変化して、
一定の音と違い、聞き飽きることがない、この点が本発
明の重要な要点であり、該溝６は網又はその他の凸凹状
でも良い。前記水鉢１の下面と、本体瓶上部斜面との間
に、布１３又は、金網１３、又はその他の物１３を配し
て水滴落下が円滑に行なわれるようにする。本体瓶７
は、図１に示す如く、裾をストレートに下げても良く、
若干裾を細くしても良いが、あくまでも全体が円筒状で
ないと、良い水琴窟音が発しないし、可能な限り本体瓶
７の空間を大きくする方が、水琴窟音の反響を高くす
る。本体瓶下部端末７’は開放されていて底無しで造
る。受皿底部８は、本体瓶７の直径より大きく造り、受
皿８の周囲には必要水量に適合した高さの受皿縁８’を
配し、受皿底部８より更に前記縁８’を下方に延ばし、
反響台１４にして水琴窟音を大きくする、ただし反響台
は無くても良い。本体瓶７の下胴と受皿縁８’の間に、
水の還元用の、古風な杓（図示せず）を置いたり、生け
花用の剣山１２を置き、受皿８の水を還元することで排
水装置がいらず、移動容易であり、水鉢１に、水を１度
満たせば約１時間程度の時間は音が出る、勿論、杓や剣
山を前記の場所に置かなくても良い。電子や、電気や、
機械等の装置から出る音に心酔する者はいないが、江戸
時代中期から、多くの文人墨客、愛好者に慕われてき
た、水滴が自然に発する、本当の水琴窟音の再現である
ところに、本発明の価値がある。本発明の、卓上水琴窟
こそ、古人、名将、高僧が愛した、侘、寂、禅の心境が
容易に体験できる、唯一無二の物であると言える。

【０００７】［発明の効果］ １、庭園に埋没して造った、大仕事の水琴窟を、簡単な
卓上形にした。 ２、日本座敷の床の間等、設置場所に拘わらず、随時移
動が可能である。 ３、従来の水琴窟に比較して約２０分の１程度の価格で
出来る。 ４、生け花用の剣山を、水鉢又は受皿に適当に置いて、
座敷や玄関を飾れる。 ５、電気、電子、機械を使用せず、半永久的な寿命で、
維持費がいらない。 ６、詫、寂、禅を体験できて、精神的なストレス解消に
最適な装置である。 ７、茶道、華道、歌道教室、会社、旅館、ホテル、一般
家庭の部屋、廊下、玄関の飾りに最適の物である。

【図面の簡単な説明】

【図１】側面図

【図２】上面図

【図３】水滴散開溝の説明図

【符号の説明】

１、水鉢 ２、水鉢内面 ３、水鉢中央穴 ３’、水切り下面突起 ４、水鉢脚 ５、本体瓶上部傾斜面 ５’、本体瓶上部水滴々下穴 ６、水滴散開溝 ７、本体瓶 ７’、本体瓶下部端末 ８、受皿 ８’、受皿縁 ９、瓶内部水面 １０、瓶外周水面 １１、玉砂利 １２、剣山 １３、布又は金網 １４、反響台 １５、音質調整体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水鉢１の中央に小さな水鉢中央穴３を穿
   ち、水が下方に滴下するようにし、該水鉢１の下に、前
   記水滴が本体瓶７内に滴下するように置く、水鉢中央穴
   ３または本体瓶上部水滴々下穴５’の上に音質調整体１
   ５を置く。前記本体瓶上部傾斜面５の下面中央に水滴散
   開溝６を適当円形状に配する。本体瓶７の裾を伸ばし、
   本体瓶下部端末７’は受皿８の上に置く。受皿８の周囲
   を受皿縁８’で囲い、適当な水量の高さまで上にあげて
   囲う。受皿縁８’を前記受皿８より更に下方に伸ばして
   反響台１４にしても良し、しなくても良い。本体瓶７の
   内部の水面９は、サイホンの原理で受皿８の水面１０と
   同じ高さになり、水量の加減を外部から調節容易にした
   ことを特徴とした、卓上水琴窟。