JPH07295139A - 光熱写真用品用処理後安定剤 - Google Patents

光熱写真用品用処理後安定剤

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JPH07295139A
JPH07295139A JP22881293A JP22881293A JPH07295139A JP H07295139 A JPH07295139 A JP H07295139A JP 22881293 A JP22881293 A JP 22881293A JP 22881293 A JP22881293 A JP 22881293A JP H07295139 A JPH07295139 A JP H07295139A
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silver
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stabilizer
pat
photothermographic
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JP22881293A
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Teresa J Lepage
テレサ・ジーン・ルペイジ
Sharon M Simpson
シャロン・メアリー・シンプソン
James A Bonham
ジェイムズ・アラン・ボナム
Doreen C Lynch
ドリーン・キャサリン・リンチ
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3M Co
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Minnesota Mining and Manufacturing Co
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    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/494Silver salt compositions other than silver halide emulsions; Photothermographic systems ; Thermographic systems using noble metal compounds
    • G03C1/498Photothermographic systems, e.g. dry silver
    • G03C1/49836Additives
    • G03C1/49845Active additives, e.g. toners, stabilisers, sensitisers

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 写真ハロゲン化銀、有機銀塩、有機銀塩のた
めの還元剤、および、式 【化1】 [式中、Aは対応するAHの化合物が処理後安定剤として機
能するいずれかの一価の基であり、Lはこの基の炭素原
子に結合したAともに、脱ブロック工程中またはその後
に消失する-CO2-または-CH2O-基であり、そしてnは0ま
たは1である。]で示す核を有する安定剤を含有する光
熱写真組成物。 【効果】 処理工程中における安定性および不活性、お
よび保存期間中における熱放出に対する耐性に優れた光
熱写真用品用処理後安定剤が提供された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光熱写真材料に関し、特
に、光熱写真銀含有材料の処理後安定化(post-processi
ng stabilization)に関する。
【0002】
【従来の技術】熱で処理されて、液体現像剤を用いない
ハロゲン化銀含有光熱写真画像材料は長年にわたって当
業者に知られてきた。これらの材料は一般に、写真感光
性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩および有機銀塩のた
めの還元剤をその上に有する支持体を有する。
【0003】感光性ハロゲン化銀は非感光性有機銀塩に
触媒的に近接し、そのことにより、ハロゲン化銀の光照
射により形成される潜像は、エマルジョンが約80℃を越
えて加熱された場合に、還元剤による有機銀塩の酸化還
元反応のための触媒核として機能する。このような媒体
は、例えば、米国特許第3,457,075号、同第3,839,049号
および同第4,260,677号に記載されている。また、ハロ
ゲン化銀は、ハライドイオンが放出されてハロゲン化銀
を形成する予備加熱工程によりこの媒体中に生成され
る。
【0004】性能を増大させるために種々の成分がこの
ような基本的な成分に添加されうる。例えば、米国特許
第3,846,136号、同第3,994,732号および同第4,021,249
号に記載のように、写真エマルジョンの銀画像の色を改
良するためにトーニング剤(toning agents)を含有させ
うる。写真カラーカプラーおよびロイコ染料を用いて染
料画像および多色画像を提供するために種々の方法が知
られており、米国特許第4,022,617号、同第3,531,286
号、同第3,180,731号、同第3,761,270号、同第4,460,68
1号、同第4,883,747号およびリサーチ・ディスクロージ
ャー、3月、1989年、第29963項に記載されている。
【0005】写真系に存在する通常の問題は画像の処理
後の不安定性である。現像画像中に依然として存在する
写真ハロゲン化銀は室内光における取り扱い中において
も金属銀のプリントアウトを触媒し続けうる。したがっ
て、未反応のハロゲン化銀を安定化するための要求が存
在する。処理後安定性を付与するために別個に処理後画
像安定剤を添加することが用いられてきた。最も一般的
には、これらはメルカプタン、チオンおよびチオエーテ
ルのようなイオウ含有化合物であり、リサーチ・ディス
クロージャー、1978年6月、第17029項に記載されてい
る。米国特許第4,245,033号、同第4,837,141号および同
第4,451,561号には、光熱写真系のための現像抑制剤で
あるイオウ化合物が記載されている。固定剤としてのメ
ソイオン性1,2,4-トリアゾリウム-3-チオレートおよび
ハロゲン化銀安定剤が米国特許第4,378,424号に記載さ
れている。米国特許第4,128,557号、同第4,137,079号、
同第4,138,265号およびリサーチ・ディスクロージャ
ー、1978年5月、第16977および16979項には、処理後安
定剤として3-アミノ-5-ベンゾチオ-1,2,4-トリアゾール
のような置換5-メルカプト-1,2,4-トリアゾールが記載
されている。
【0006】安定剤の添加より生じる問題には、処理中
における熱かぶりおよび写真速度、最大密度またはコン
トラストが効果的な安定剤濃度において失われることが
含まれる。
【0007】通常、安定剤前駆体は熱および/またはア
ルカリでの処理中に開裂されるブロックまたは修飾基を
有する。これは、写真材料の非露出および非現像領域に
おいて光活性ハロゲン化銀と連結しうる主要な活性安定
剤を提供する。例えば、処理においてイオウ原子がブロ
ックされていない安定剤前駆体の存在において、得られ
る銀メルカプチドは光、大気および周囲条件に対してハ
ロゲン化銀よりも安定である。
【0008】安定剤前駆体の現像において種々のブロッ
ク技術が用いられてきた。米国特許第3,615,617号に
は、アシルブロックされた写真に有用な安定剤が記載さ
れている。米国特許第3,674,478号および同第3,993,661
号には、ヒドロキシアリールメチルブロック基が記載さ
れている。ベンジルチオ放出基は米国特許第3,698,898
号に記載されている。チオカーボネートブロック基は米
国特許第3,791,830号に記載されており、チオエーテル
ブロック基が米国特許第4,335,200号、同第4,416,977号
および同第4,420,554号に記載されている。尿素または
チオ尿素誘導体としてブロックされた写真に有用な安定
剤は米国特許第4,310,612号に記載されている。ブロッ
ク化イミドメチル誘導体は米国特許第4,350,752号に記
載されており、イミドまたはチオイミド誘導体は米国特
許第4,888,268号に記載されている。写真に有用な安定
剤からのこのような上述のブロック基のすべての除去
は、露出画像形成材料のアルカリ処理中条件におけるpH
の増大により達成される。
【0009】感熱性ブロック基も用いられてきた。この
ようなブロック基は、処理中に画像材料を加熱すること
により除去される。感熱カルバメート誘導体としてブロ
ックされた写真に有用な安定剤は米国特許第3,844,797
号および同第4,144,072号に記載されている。恐らく、
このようなカルバメート誘導体はイソシアネートの消失
において写真安定剤を再生すると考えられる。加熱中に
ホルムアルデヒドが消失することにより脱ブロックされ
るヒドロキシメチルブロック化写真試薬は米国特許第4,
510,236号に記載されている。テトラアゾリチオ部分を
放出する現像禁止剤放出カプラーが米国特許第3,700,45
7号に記載されている。置換ベンジルチオ放出基が米国
特許第4,678,735号に記載されている。米国特許第4,35
1,896号および同第4,404,390号では、メソイオン性1,2,
4-トリアゾリウム-3-チオレート安定剤のためのカルボ
キシベンジルチオブロック基が使用されている。アクリ
ロニトリルまたはアルキルアクリレートのいずれかの炭
素-炭素二重結合に対するマイケル型付加によりブロッ
クされた写真安定剤が米国特許第4,009,029号および同
第4,511,644号にそれぞれ記載されている。これらのブ
ロック化誘導体の加熱によりレトロ-マイケル反応によ
る非ブロックが生じる。
【0010】これらの異なるブロック技術は種々の欠点
を有する。アルカリ感受性ブロック化誘導体の脱ブロッ
クを引き起こすのに必要な高塩基性溶液は腐食性であ
り、皮膚を刺激する。熱で除去可能な基でブロックされ
た写真安定剤では、開放された試薬または副生成物が画
像形成構成の他の成分と反応し得、悪影響を生じさせる
ことがしばしば見い出されている。また、熱処理中にお
ける不適切もしくは尚早な安定化部分の放出が生じう
る。
【0011】かぶりを生じさせずまたは写真材料を減感
しない改良された処理後安定剤または安定剤前駆体、お
よび適切な時期において安定化部分を放出し、感光性材
料またはこの材料の取り扱い者に悪影響を何も与えない
安定剤前駆体に対する要求がこれまで存在していた。
【0012】化学線照射により除去されるブロック基
が、アミットら、イスラエル J.Chem.、1974年、12号、
第103頁; およびV.N.R.ピラリ、合成、1980年、第1〜2
6頁において有機合成の使用の文脈において議論されて
いる。時に、o-ニトロベンジル基は光開裂性ブロック基
として知られてきた(J.バールトロプら、J. Chem. Soc.
Chem. Comm. 1996年、822〜823頁)。光化学的な効率お
よび化学的な収率を最大限とし、そして光分解の着色生
成物を防止するために、種々の置換された類似体が調製
されてきた。カルボン酸、アミン、フェノール、ホスフ
ェートおよびチオールを含む多くの異なる官能基を保護
するためにo-ニトロベンジル基が用いられてきた。
【0013】o-ニトロベンジル部分は種々の画像形成お
よび光活性構成に用いられてきた。それは、米国特許第
4,478,967号、同第4,599,273号および同第4,740,600号
に記載のように、照射誘導テープ除去のためのブロック
界面活性剤に、および米国特許第4,554,238号に記載の
ようにピール分離画像形成に用いられてきた。ホトレジ
ストのための光生成酸の源としてのニトロベンジレート
化酸はかなり研究されており、例えば、F.M.ホウリハン
ら、Proc. SPIE-Int. Soc. Opt. Eng. 第920巻(レジス
ト技術および処理における進歩V)1988年、第67〜74頁が
あり、ここに参照として挙げる。他のホトレジストの出
願は以下の通りである。ポリマー構造中に組み込まれた
ニトロベンジル基は米国特許第4,108,839号、同第4,57
6,902号、同第4,465,760号および同第4,456,679号に記
載されている。ホトポリマーのための光禁止剤が英国特
許第1,547,548号、独国特許第2,710,417号および米国特
許第4,477,556号に記載されている。非銀ベースの光熱
写真系のための光還元体(phoporeductants)および光禁
止剤として用いられるニトロベンジル化合物は米国特許
第4,284,704号、同第4,273,860号および同第3,880,659
号に記載されている。
【0014】同時継続出願である米国特許出願第07/53
9,572および同第07/754,169号および米国特許第5,007,1
78号に記載のように、o-ニトロベンジリデン染料はニト
レートイオンベースの非銀光熱写真系のためのホトブリ
ーチ可能な増感剤として用いられてきた。
【0015】米国特許第4,343,893号および同第4,501,8
96号には、写真用途において、画像変性剤化合物の現像
をマスクするために、他の電子に乏しいベンジル保護基
とともにo-ニトロベンジル保護基が用いられてきた。
【0016】米国特許第4,416,981号には、写真かぶり
防止剤として置換ベンゾチアゾリンが記載されている
が、o-ニトロベンジル置換についての特別の利点は記載
されていない。
【0017】また、米国特許第4,187,110号には、o-ニ
トロベンジル官能性を有する従来のハロゲン化銀エマル
ジョンのための現像禁止剤放出性(DIR)カプラーが記載
されている。これらの出願においてもまた、写真に有用
な基は処理の操作、特に電子移動によりブロック基から
放出される。
【0018】光熱写真銀画像組成物のための光分解的に
活性な安定剤前駆体であって明らかに臭素原子を放出す
るものが、米国特許第4,459,350号およびこれらに引用
される文献に記載されている。
【0019】本発明の安定剤前駆体は化学線照射の作用
により脱ブロックして安定剤を放出する。さらに、この
型の安定剤前駆体は当業界の他の安定剤でしばしば必要
なように、センシトメトリーの結果を写真的に補償する
ために処方を再度バランスさせる必要なく、光熱写真処
方に添加しうる。
【0020】
【発明の要旨】本発明の一局面は基材上に被覆された光
熱写真組成物を有する光熱写真用品に関し、この光熱写
真組成物は写真銀塩、有機銀塩、有機銀塩のための還元
剤、および、式
【0021】
【化4】
【0022】[式中、架橋メチン基上の鎖線(−−−)
は、メチン基の炭素原子の価がこの炭素に共有結合して
いる適当に選択されるいずれかの化学基により占められ
ていることを示す。]、式
【0023】
【化5】
【0024】または、式
【0025】
【化6】
【0026】で示す中心核を有する安定剤を含有する。
【0027】式中、Aは、対応するAHの化合物が処理後
安定剤として機能する1〜50個の炭素原子を有するいず
れかの一価の基であり、Y、R1、R2、R3およびR4は独立
して、水素、アルキル、アルコキシカルボニル、アルケ
ニル、アリール、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、ア
ミド、チオアミド、カルバモイル、チオカルバモイル、
シアノ、ニトロ、スルホ、カルボキシル、フルオロ、ホ
ルミル、スルホキシ、スルホキシル、スルホニル、ヒド
ロジチオ、アンモニオ、ホスホリノ、シリルおよび18個
までの炭素原子を有するシリルオキシ基、そしてR1
R2、R3およびR4のいずれか2個はともに中心ベンゼン環
を有する縮合環構造を形成しうるものであり、そして、
Lは-CO2-または-CH2O-基であって、AがLの炭素原子に結
合しており、Lは脱ブロック工程中またはその後に消失
するものであり、そしてnは0または1である。
【0028】本発明の安定剤前駆体はまた、以下の式で
示す構造を有する。
【0029】A-T-M-Z 式中、Aは上記と同意義であり、そしてTは共有結合か、
または-CO2-または-CH2O-基(ここで、Aはこの基の炭素
原子に結合する)、およびMは少なくとも1個の水素原子
を有する炭素原子であって、それらに結合しており、Z
は置換基A-T-M-に対してオルト位において置換された少
なくとも1個のニトロ基を有する芳香族基である。
【0030】好ましい安定剤前駆体は銀画像を安定化す
る複素環化合物のo-ニトロベンジルブロック化誘導体で
ある。典型的には、これらは約0.01〜10重量%のドライ
光熱写真組成物を含有する。これらは直接銀含有層中に
配合されるか、隣接層中に配合される。本発明の安定剤
前駆体は写真カラーおよび白黒画像の調製のための用品
および組成物に特に有用である。
【0031】本発明の光熱写真用品はカラーおよび白黒
画像形成用途に有用である。
【0032】本発明のo-ニトロベンジルブロック化安定
剤はハロゲン化銀を安定化し、および/または不適切な
時期におけるロイコ酸化を最小限とし、そのことにより
熱処理中における減感またはかぶりを生じさせることな
く改良された処理後安定性を提供する。
【0033】ここで用いられるo-ニトロベンジルという
用語はベンジル炭素上に少なくとも1個の水素を有し、
水素でありうる他の置換基を有し、必要に応じて環縮合
を含む芳香環上に置換基を有し、または置換または無置
換多環芳香族部分で置換されたベンゼン環を有する。
【0034】ここで、基という用語は置換基を意味し、
置換は、例えば、エーテル基(例えば、CH3-CH2-CH2-O-C
H2-)、ハロアルキル、ニトロアルキル、カルボキシアル
キル、ヒドロキシアルキル、スルホアルキルなどを含む
アルキル基の置換基上において予想される。しかしなが
ら、アルキルという用語は炭化水素のみを含む。当然で
あるが、非常に強い親電子または酸化性置換基のような
活性成分と反応する置換基は不活性または無害ではない
として排除される。
【0035】ここで、「φ」はフェニルを意味する。
【0036】本発明の安定剤前駆体は化学線照射の作用
により脱ブロックされて親安定剤(parent stabilizer)
を放出し、そのことにより、保護されていない安定剤お
よび熱放出性安定剤よりも処理工程中における安定性お
よび不活性、および保存期間中における熱放出に対する
耐性に優れる。それらは必要な時期にのみ放出される。
これらは広範囲の写真媒体および処理条件に有用であ
る。というのも、これらは当業界のほとんどの他のマス
ク基を放出するために特別に要求される熱、酸または塩
基、または還元工程でのカップリングを要しないからで
ある。
【0037】
【発明の構成】本発明の光熱写真用品は支持体上に被覆
された光熱写真組成物を有する。この光熱写真構成は、
写真銀塩、有機銀塩、有機銀塩のための還元剤、およ
び、式
【0038】
【化7】
【0039】または、式
【0040】
【化8】
【0041】の式で示す安定剤を含有する。
【0042】式中、Aは対応するAHの化合物が1〜50個
の炭素原子を有する処理後安定剤として機能するいずれ
かの一価の基である。
【0043】Y、R1、R2、R3およびR4は独立して、水
素、アルキル、アルコキシカルボニル、アルケニル、ア
リール、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、アミド、チ
オアミド、カルバモイル、チオカルバモイル、シアノ、
ニトロ、スルホ、カルボキシル、フルオロ、クロロ、ブ
ロモ、ホルミル、スルホキシル、スルホニル、ヒドロジ
チオ、アンモニオ、ホスホニオ、シリル、および18個ま
での炭素原子を有するシリルオキシ基からなる群から選
択される基であって、そしてR1、R2、R3およびR4のいず
れか2個はともに中心ベンゼン環を有する縮合環構造を
形成しうる。好ましくは、R1、R2、R3およびR4は水素で
ある。好ましくは、Yは水素、アルキルおよびアルコキ
シカルボニルから選択され、より好ましくは、Yは水素
である。
【0044】Lは-CO2-または-CH2O-基であって、AがLの
炭素原子に結合しており、Lが脱ブロック工程中または
その後に消失するものである。
【0045】nは0または1、好ましくはnは0である。
【0046】本発明の安定剤前駆体は以下の式によって
表わすこともできる。
【0047】A-T-M-Z 式中、Aは上記と同意義であり、そして、Tは共有結合ま
たは-CO2-または-CH2O-基(この基の炭素原子に結合した
Aを有する。)およびMは少なくとも1個の水素原子を有
する炭素原子であって、それらに結合しており、Zは置
換基A-T-M-に対してオルト位において少なくともニトロ
置換基を有する芳香族基である。
【0048】本発明の光熱写真用品において、写真銀塩
を含有する層はエマルジョン層と称される。本発明によ
れば、o-ニトロベンジルブロック化安定剤は1層以上の
エマルジョン層に添加されるか、または1層以上のエマ
ルジョン層に隣接した1層以上の層に添加される。エマ
ルジョン層に隣接した層は、例えば、下塗り層、画像受
容層、中間層、不透明化層、ハレーション防止層、遮断
層、補助層などでありうる。
【0049】o-ニトロベンジル基は主要な安定剤AHの活
性をブロックするためのブロック基として機能する。AH
がブロックされずに残り、ブロック化化合物と同一モル
濃度において光熱写真エマルジョンに添加されると、AH
はこのエマルジョンを減感させるかまたはかぶらせる。
活性な安定剤を放出する脱ブロックは、露出および現像
の後に、通常光に対する露出または加速されたエージン
グ媒体中における光への露出中に生じる。したがって、
本発明のブロック化安定剤は安定剤が脱ブロックされた
形態で用いられた場合に生じる減感およびかぶりの問題
を克服する。
【0050】置換基Y、R1、R2、R3およびR4は、上記化
合物またはHで置換されたAにおけるモデル化合物が光反
応性のための以下の試験に合格し、背景ステインが低い
ように選択される。
【0051】ポリビニルブチラールのエタノール中7.5
重量%溶液3gをエタノールまたはテトラヒドロフラン
0.5ml中8.5ミリモルの問題の化合物の溶液に添加する。
得られる溶液を下塗りしていない不透明ポリエチレンテ
レフタレートフィルムに湿潤圧3ミルでナイフ被覆し、
70℃の排気オーブンで3分間乾燥させる。被覆フィルム
の試料を、26℃の定温および定湿(相対湿度65%)チャン
バー中で0、1および6時間1200フット-カンデラの強
度の蛍光に露出する。ポリビニルブチラールフィルムを
ポリエステルからピールする。1〜6時間の露光の後に
このフィルムの赤外線スペクトルが約1520〜1540cm-1
おけるニトロ帯の10%を上回る強度の低下を示す場合
は、本発明の使用に適する。
【0052】好ましくは、本発明で用いるo-ニトロベン
ジル部分は数時間の露光の後の上述のフィルムにおいて
発色しないかほとんど発色しない。
【0053】好ましくは、Aは窒素原子を通して結合さ
れる。通常、銀イオンを安定させるために、AHは銀イオ
ンを錯化するために有用な窒素のようなヘテロ原子を有
する。通常、この化合物は環の内部または環の外部にヘ
テロ原子を有する環構造である。このような化合物は通
常の写真分野の当業者に周知である。AHの例には、ベン
ズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、トリアゾール、
テトラゾール、フェニルメルカプトテトラゾール、イミ
ダゾール、ピラゾリジオンまたはエマルジョン層を安定
化するいずれかのこのような化合物を包含する置換また
は無置換窒素含有複素環、特に、ブロックしないで用い
ると初期のセンシトメトリーに悪影響を与えるか過度の
かぶりを生じさせるようなものが含まれるが、これらに
限定されない。AHの非限定的な例には、ベンズイミダゾ
ールおよびベンズイミダゾール誘導体のようなイミダゾ
ール; ベンゾトリアゾール、1,2,4-トリアゾール、3-ア
ミノ-1,2,4-トリアゾールおよび2-チオアルキル-5-フェ
ニル-1,2,4-トリアゾールのようなトリアゾール; 5-ア
ミノテトラゾールのようなテトラゾール; メルカプトテ
トラヒドロトリアジンのようなトリアジン; ピペリド
ン; テトラアザインダン; 8-アザグアニン; チミン; 2-
アミノ-2-チアゾリン、インダゾールのようなチアゾリ
ン; ハイポキサンチン; 2H-ピリドオキサジン-3(4H)-
オンおよび他の窒素含有複素環が含まれる。このような
化合物の多くはリサーチ・ディスクロージャー、1989年
3月、第29963項にまとめられている。また、AHはロイ
コ染料を安定化する化合物であり得、通常は、ニトロベ
ンジル基で置換されることによりマスクされうる活性水
素を有する還元剤である。有用な還元剤の例は1-フェニ
ル-3-ピラゾリジオンである(米国特許第4,423,139号に
ロイコ染料を安定化するために記載されている。)。処
理工程中におけるこのような還元剤のマスキングは、そ
れらが許容し得ないかぶりを生じさせる現像剤または現
像加速剤として機能しうるので、通常は必須である。
【0054】本発明の他の好ましい実施態様では、Yは
水素、アルキルまたはアルコキシカルボニル基であり;
R1〜R4は水素であり、nは0であり、そしてAHは、例え
ば、1-フェニル-3-ピラゾリジノン、ベンゾトリアゾー
ルまたは3-(n-ヘキシルチオ)-5-フェニル-1,2,4-トリア
ゾールのような、与えられる光熱写真構成で最も好まし
い処理後安定剤である。
【0055】本発明の光熱写真用品は、本発明の化合物
と組み合わせて他の処理後安定剤または安定剤前駆体を
含みうる。ならびに、保存安定剤、トナー、現像促進剤
および他の画像改質剤も本発明の化合物と組み合わせて
用いうる。
【0056】o-ニトロベンジル保護安定剤前駆体の非限
定的な例を以下に示す。
【0057】
【化9】
【0058】本発明のエマルジョン層に添加される上述
の成分の量は用いられる特定の化合物およびエマルジョ
ン層のタイプ(すなわち、白黒またはカラー)に依存して
変化しうる。しかしながら、好ましくは、上記成分はエ
マルジョン層中のハロゲン化銀1モルに対して0.01〜10
0モル、より好ましくは0.1〜50モルの量で添加される。
【0059】本発明の光熱写真ドライシルバーエマルジ
ョンは支持体上の1層以上として構成されうる。単一層
構成では、銀源材料、ハロゲン化銀、現像剤およびバイ
ンダー、ならびにトナー、被覆助剤、および他の補助剤
のような任意の追加の材料を含有する必要がある。2層
構成では、1エマルジョン層(通常は支持体に隣接した
層)中に銀源およびハロゲン化銀を含有し、第2層また
は両方の層中に他の成分のいくつかを含有する必要があ
る。ただし、2層構成には、全成分を含有する単一エマ
ルジョン層と保護トップコートも含まれる。多色光熱写
真ドライシルバー構成はそれぞれの色のためのこのよう
な2層の組を有しうる。または、米国特許第4,708,928
号に記載のように、これらは全成分を単一層に含みう
る。多層多色光熱写真用品の場合は、一般に、米国特許
第4,460,681号に記載のように、種々のエマルジョン層
はこの種々の感光性層の間の機能性または非機能性遮断
層を用いることにより相互に分離して保たれる。
【0060】本発明の実施に必須ではないけれども、か
ぶり防止剤としてエマルジョン層に水銀(II)塩を添加す
ることが好ましい。この目的のために好ましい水銀(II)
塩は水銀アセテートおよび水銀ブロミドである。
【0061】典型的には、本発明で用いる感光性ハロゲ
ン化銀は有機銀塩の0.75〜25モル%、好ましくは2〜20
モル%の範囲で用いられる。
【0062】ハロゲン化銀は臭化銀、ヨウ化銀、塩化
銀、臭化ヨウ化銀、塩化臭化ヨウ化銀、塩化臭化銀など
のようないずれかの感光性ハロゲン化銀でありうる。ハ
ロゲン化銀は感光性であるいずれの形態でもよく、特に
限定されないが、立方体状、斜方晶状、板状、四面体状
などが含まれ、これらはその上に結晶のエピタルキシャ
ル成長を有しうる。
【0063】本発明に用いるハロゲン化銀は変形しない
で用いうる。しかしながら、これはイオウ、セレニウム
またはテルリウムなどを含有する化合物、または金、白
金、パラジウム、ロジウムまたはイリジウムなどを含有
する化合物、ハロゲン化錫のような還元剤、またはこれ
らの組み合わせのような化学増感剤で化学的に増感され
うる。これらの操作の詳細はT.N.ジェームズの「写真法
の理論」、第4版、第5章、第149〜169頁に記載されて
いる。
【0064】ハロゲン化銀は銀源に触媒的に近接するよ
うないずれかの方法においてエマルジョン層中に添加さ
れうる。バインダー中に別々に形成されるかまたは「あ
らかじめ形成される」ハロゲン化銀と有機銀塩とは被覆
溶液を調製するために使用前に混合される。しかしなが
ら、これらの両方を長時間かけてボールミル中でブレン
ドするのも有効である。さらに、調製された有機銀塩中
にハロゲン含有化合物を添加する工程を包含する方法を
用いることにより有機銀塩の銀をハロゲン化銀に部分的
に転換することも有効である。
【0065】このようなハロゲン化銀および有機銀塩の
調製方法およびこれらをブレンドする方法は当業者に知
られており、リサーチ・ディスクロージャー、1978年6
月、第17029項、および米国特許第3,700,458号に記載さ
れている。
【0066】本発明の予め形成されたハロゲン化銀エマ
ルジョンの使用においては、可溶性塩を除去するために
不洗浄または洗浄でありうる。後者の場合には、可溶性
塩はチル-セッティング(chill-setting)およびリーチン
グ(leaching)により除去されるか、またはエマルジョン
は凝結洗浄されうる。この操作は、例えば、米国特許第
2,618,556号; 同第2,614,928号; 同第2,565,418号; 同
第3,241,969号; 同第2,489,341号に記載されてる。ハロ
ゲン化銀グレインは立方体状、四面体状、斜方晶状、板
状、層状、結晶板状を含むいずれかの結晶性状を有しう
る。
【0067】有機銀塩は銀イオンの還元性源を有するい
ずれかの有機材料でありうる。有機酸、特に長鎖(10〜3
0個、好ましくは15〜18個の炭素原子)の脂肪カルボン酸
の銀塩が好ましい。リガンドが4.0〜10.0の間のグロス
安定定数を有する有機または無機銀塩の錯体も望まし
い。銀源材料は画像形成層の約5〜30%を構成すること
が望ましい。
【0068】本発明において用いうる有機銀塩は光に対
して比較的安定であるが、露出した光触媒(例えば、写
真ハロゲン化銀)および還元剤の存在下で80℃以上に加
熱した場合に銀画像を形成する銀塩である。
【0069】好ましい有機銀塩には、カルボキシ基を有
する有機化合物の銀塩が含まれる。これらの非限定的な
例には、脂肪族カルボン酸の銀塩および芳香族カルボン
酸の銀塩が含まれる。脂肪族カルボン酸の銀塩の好まし
い例には、銀ベヘネート、銀ステアレート、銀オレー
ト、銀ラウレート、銀カプロエート、銀ミリステート、
銀パルミテート、銀マレート、銀フマレート、銀タータ
レート、銀リノレート、銀ブチレートおよび銀カンホレ
ート、これらの組み合わせなどが含まれる。脂肪族カル
ボン酸上にハロゲン原子またはヒドロキシルを有する銀
塩もまた効果的に用いうる。芳香族カルボン酸および他
のカルボキシル基含有化合物の銀塩の好ましい例には、
銀ベンゾエート、銀置換ベンゾエート、例えば、銀3,5-
ジヒドロキシベンゾエート、銀o-メチルベンゾエート、
銀m-メチルベンゾエート、銀p-メチルベンゾエート、銀
2,4-ジクロロベンゾエート、銀アセトアミドベンゾエー
ト、銀p-フェニルベンゾエートなど、銀ガレート、銀タ
ンネート、銀フタレート、銀テレフタレート、銀サリチ
レート、銀フェニルアセテート、銀ピロメリテート、米
国特許第3,785,830号に記載のような3-カルボキシメチ
ル-4-メチル-4-チアゾリン-2-チオンの銀塩など、およ
び米国特許第3,330,663号などに記載のようなチオエー
テル基を有する脂肪族カルボン酸の銀塩が含まれる。
【0070】メルカプトまたはチオン基を有する化合物
およびこれらの誘導体の銀塩も用いうる。これらの化合
物の好ましい例には、3-メルカプト-4-フェニル-1,2,4-
トリアゾール、2-メルカプトベンズイミダゾールの銀
塩、2-メルカプト-5-アミノチアジアゾールの銀塩、2-
(エチルグリコールアミノ)ベンゾチアゾールの銀塩、S-
アルキルチオグリコール酸(ここで、上記アルキル基は1
2〜22個の炭素原子を有する)の銀塩のようなチオグリコ
ール酸の銀塩、ジチオ酢酸の銀塩のようなジチオカルボ
ン酸の銀塩、チオアミドの銀塩、5-カルボキシリック-1
-メチル-2-フェニル-4-チオピリジンの銀塩、メルカプ
トトリアジンの銀塩、2-メルカプトベンズオキサゾール
の銀塩、米国特許第4,123,274号に記載のような、例え
ば、3-アミノ-5-ベンジルチオ-1,2,4-チアゾールの銀塩
のような1,2,4-メルカプトチアゾール誘導体の銀塩、米
国特許第3,301,678号に記載のような3-(2-カルボキシエ
チル)-4-メチル-4-チアゾリン-2-チオンの銀塩のような
チオン化合物の銀塩が含まれる。
【0071】さらに、イミノ基を含有する化合物の銀塩
を用いうる。これらの化合物の好ましい例には、ベンゾ
チアゾールの銀塩およびこれらの誘導体が含まれ、例え
ば、銀メチルベンゾトリアゾレートなどのようなベンゾ
チアゾールの銀塩、5-クロロベンゾトリアゾールなどの
ようなハロゲン置換ベンゾトリアゾールの銀塩、カルボ
イミドベンゾトリアゾールなどの銀塩、米国特許第4,22
0,709号に記載のような1,2,4-トリアゾールまたは1-H-
テトラゾールの銀塩、イミダゾールおよびイミダゾール
誘導体の銀塩などが含まれる。種々の銀アセチリド化合
物も用いうる。これらは、例えば、米国特許第4,761,36
1号および同第4,775,613号に記載されている。
【0072】市販のベヘン酸のナトリウム塩の水溶液か
ら沈澱させることにより調製され、約14.5%の銀と分析
される銀ベヘネートとベヘン酸との等モルブレンドの銀
半石鹸を用いることが好適であることも見い出されてお
り、好ましい実施例である。透明フィルム裏材料から作
製される透明シート材料は透明被覆を必要とし、この目
的のためには、約4または5%以下の遊離のベヘン酸を
含有し、約25.2%の銀と分析される銀ベヘネート全石鹸
を用いうる。
【0073】銀石鹸を作製するために用いる方法は当業
界で周知であり、リサーチ・ディスクロージャー、1983
年4月、第22812項、リサーチ・ディスクロージャー、1
983年10月、第23419項および米国特許第3,985,565号に
記載されている。
【0074】この感光性ハロゲン化銀は種々の公知の染
料でスペクトル的に増感されることが好ましい。このよ
うな染料には、シアニン、メロシアニン、スチリル、ヘ
ミシアニン、オキソノール、ヘミオキソノールおよびキ
サンテン染料が含まれる。有用なシアニン染料には、チ
アゾリン核、オキサゾリン核、ピロリン核、ピリジン
核、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール核お
よびイミダゾール核のような塩基性核を有するものが含
まれる。有用なメロシアニン染料には、上述の塩基性核
を有するものばかりでなく、チオヒダントイン核、ロー
ダニン核、オキサゾリジンジオン核、チアゾリジンジオ
ン核、バルビツル酸核、チアゾリノン核、マロノニトリ
ル核およびピラゾロン核のような酸性核を有するものも
含まれる。上述のシアニンおよびメロシアニン染料にお
いて、イミノ基またはカルボキシル基を有するものが特
に効果的である。実際には、本発明に用いるうる増感染
料は米国特許第3,761,279号、同第3,719,495号および同
第3,877,943号、英国特許第1,466,201号、同第1,469,11
7号および同第1,422,057号に記載のような公知の染料か
ら適当に選択され、これは公知の方法により光触媒の近
傍に位置させうる。典型的には、スペクトル増感染料は
ハロゲン化銀1モルに対して約10-4モル〜約1モルの量
で用いられる。
【0075】有機銀塩のための還元剤は銀イオンを金属
銀に還元しうるいずれかの材料、好ましくは有機材料で
ある。フェニドン、ヒドロキノンおよびカテコールのよ
うな従来の写真現像剤は有用であるけれども、ヒンダー
ドフェノール還元剤が好ましい。還元剤は画像形成層の
1〜10重量%として存在すべきである。多層構成におい
てエマルジョン層以外に還元剤が添加される場合は、約
2〜15%という少し高い割合とすることがより望まし
い。
【0076】広範囲の還元剤がドライシルバー系におい
て開示されており、これらには、フェニルアミドオキシ
ム、2-チエニルアミドオキシムおよびp-フェノキシフェ
ニルアミドオキシム、アジン(例えば、4-ヒドロキシ-3,
5-ジメトキシベンズアルデヒドアジン)のようなアミド
オキシム; 2,2'-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオニル-
β-フェニルヒドラジドとアスコルビン酸との組み合わ
せのような脂肪族カルボン酸アリールヒドラジドとアス
コルビン酸との組み合わせ、ポリヒドロキシベンゼンと
ヒドロキシルアミンとの組み合わせ、リダクトンおよび
/またはヒドラジン(例えば、ヒドロキノンとビス(エト
キシエチル)ヒドロキシルアミンとの組み合わせ、ピペ
リジノヘキソースリダクトンまたはホルミル-4-メチル
フェニルヒドラジン); フェニルヒドロキサム酸、p-ヒ
ドロキシフェニルヒドロキサム酸およびβ-アラニンヒ
ドロキサム酸のようなヒドロキサム酸; アジンとスルホ
ンアミドフェノールとの組み合わせ(例えば、フェノチ
アジンおよび2,6-ジクロロ-4-ベンゼンスルホンアミド
フェノール); エチル-α-シアノ-2-メチルフェニルアセ
テート、エチルα-シアノフェニルアセテートのような
α-シアノフェニル酢酸誘導体; 2,2'-ジヒドロキシル-1
-ビナフチル、6,6'-ジブロモ-2,2'-ジヒドロキシ-1,1'-
ビナフチル、およびビス(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)メ
タンのようなビス-β-ナフトール; ビス-β-ナフトール
と1,3-ジヒドロキシベンゼン誘導体との組み合わせ(例
えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノンまたは2,4-ジヒ
ドロキシアセトフェノン); 3-メチル-1-フェニル-5-ピ
ラゾロンのような5-ピラゾロン; ジメチルアミノヘキソ
ースリダクトン、アンヒドロジヒドロアミノヘキソース
リダクトンおよびアンヒドロジヒドロピペリドンヘキソ
ースリダクトンのようなリダクトン; 2,6-ジクロロ-4-
ベンゼンスルホンアミドフェノールおよびp-ベンゼンス
ルホンアミドフェノールのようなスルホンアミドフェノ
ール還元剤; 2-フェニルインダン-1,3-ジオンなど; 2,2
-ジメチル-7-t-ブチル-6-ヒドロキシクロマンのような
クロマン; 2,6-ジメトキシ-3,5-ジカルボエトキシ-1,4-
ジヒドロピリジン; ビスフェノール(例えば、ビス(2-ヒ
ドロキシ-3-t-ブチル-5-メチルフェニル)メタン、2,2-
ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、4,4-
エチリデン-ビス(2-t-ブチル-6-メチルフェノール)およ
び2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロ
パン); アスコルビン酸誘導体(例えば、1-アスコルビル
パルミテート、アスコルビルステアレート); およびベ
ンジルおよびビアセチルのような不飽和アルデヒドおよ
びケトン; 3-ピラゾリドンおよびある種のインダン-1,3
-ジオンが含まれる。
【0077】上述の成分の他に「トナー」として知られる
添加剤を含ませることにより好適に画像を改良できる。
例えば、トナー材料は全銀支持成分の0.1〜10重量%の
量で存在しうる。トナーは光熱写真業界で周知の材料で
あり、米国特許第3,080,254号; 同第3,847,612号および
同第4,123,282号に示されている。
【0078】トナーの例には、フタルアミドおよびN-ヒ
ドロキシフタルアミド; スクシンイミド、ピラゾリン-5
-オン、およびキナゾリノン、3-フェニル-2-ピラゾリン
-5-オン、1-フェニルウラゾール、キナゾリノンおよび
2,4-チアゾリジンジオンのような環状イミド; ナフタル
イミド(例えば、N-ヒドロキシ-1,8-ナフタルイミド);コ
バルト錯体(例えば、コバルトヘキサアミントリフルオ
ロアセテート); 3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、2,
4-ジメルカプトピリミジン、3-メルカプト-4,5-ジフェ
ニル-1,2,4-トリアゾールおよび2,5-ジメルカプト-1,3,
4-チアジアゾールのようなメルカプタン; N-(アミノメ
チル)アリールジカルボキシイミド(例えば、(N,N-ジメ
チルアミノメチル)フタルイミドおよびN,N-(ジメチルア
ミノメチル)ナフタレン-2,3-ジカルボキシイミド); お
よびブロック化ピラゾール、イソチウロニウム誘導体お
よびある種の光漂白剤(例えば、N,N'-ヘキサメチレンビ
ス(1-カルバモイル-3,5-ジメチルピラゾール)、1,8-(3,
6-ジアザオクタン)ビス(イソチウロニウムトリフルオロ
アセテート)および2-(トリブロモメチルスルホニル)ベ
ンゾチアゾール)の組み合わせ; およびメロシアニン染
料、例えば、3-エチル-5[(3-エチル-2-ベンゾチアゾリ
ニリデン)-1-メチルエチリデン]-2-チオ-2,4-オキサゾ
リジンジオン; フタラジノンおよびフタラジノン誘導体
または金属塩または4-(1-ナフチル)フタラジノン、6-ク
ロロフタラジノン、5,7-ジメトキシフタラジノンおよび
2,3-ジヒドロ-1,4-フタラジンジオンのようなこれらの
誘導体; フタラジノンとスルフィン酸誘導体(例えば、
フタル酸、4-メチルフタル酸、4-ニトロフタル酸、およ
び無水テトラクロロフタル酸)との組み合わせ; キナゾ
リンジオン、ベンズオキサジンまたはナフトオキサジン
誘導体; トーン改質剤としてのみでなく、イン・サイツ
でハロゲン化銀形成のためのハライドイオンの源として
も機能するロジウム錯体、例えば、アンモニウムヘキサ
クロロロデート(III)、ロジウムブロミド、ロジウムニ
トレートおよびカリウムヘキサクロロロデート(III);
無機パーオキシドおよびパースルフェート(例えば、ア
ンモニウムパーオキシジスルフェートおよび過酸化水
素); 1,3-ベンズオキサジン-2,4-ジオン、8-メチル-1,3
-ベンズオキサジン-2,4-ジオンおよび6-ニトロ-1,3-ベ
ンズオキサジン-2,4-ジオンのようなベンズオキサジン-
2,4-ジオン; ピリミジンおよび非対象トリアジン(例え
ば、2,4-ジヒドロキシピリミジン、2-ヒドロキシ-4-ア
ミノピリミジン)、アザウラシルおよびテトラアザペン
タレン誘導体(例えば、3,6-ジメルカプト-1,4-ジフェニ
ル-1H,4H-2,3a,5,6a-テトラアザペンタレン、および1,4
-ジ(o-クロロフェニル)-3,6-ジメルカプト-1H,4H-2,3a,
5,6a-テトラアザペンタレン)が含まれる。
【0079】ドライシルバー系においてカラー画像を得
るための多くの方法が当業界で知られている。これらに
は、米国特許第4,847,188号および同第5,064,742号に記
載のように、銀ベンゾトリアゾール、周知のマゼンタ、
イエローおよびシアン染料形成カプラー、アミノフェノ
ール現像剤、グアニジニウムトリクロロアセテートのよ
うな塩基放出剤、およびポリ(ビニルブチラール)中の臭
化銀の組み合わせ; 米国特許第4,678,739号に記載のよ
うな予め形成された染料放出系; 臭化ヨウ化銀、スルホ
アミドフェノール還元剤、銀ベヘネート、ポリ(ビニル
ブチラール)、n-オクタデシルアミンおよび2-当量また
は4-当量シアン、マゼンタまたはイエロー染料形成カプ
ラーの組み合わせ; 酸化することにより染料画像を形成
するロイコ染料ベース(例えば、マラカイトグリーン、
クリスタルバイオレットおよびパラロースアニリン);
イン・サイツのハロゲン化銀、銀ベヘネート、3-メチル
-1-フェニルピラゾロンおよびN,N'-ジメチル-p-フェニ
レンジアミンヒドロクロリドの組み合わせ; 2(3,5-ジ-
(t-ブチル)-4-ヒドロキシフェニル)-4,5-ジフェニルイ
ミダゾールおよびビス(3,5-ジ-(t-ブチル)-4-ヒドロキ
シフェニル)フェニルメタン、のようなフェノール性ロ
イコ染料を含有させること、アゾメチン染料またはアゾ
染料還元剤を含有させること; 銀染料ブリーチ法(例え
ば、銀ベヘネート、ベヘン酸、ポリ(ビニルブチラー
ル)、ポリ(ビニルブチラール)釈解臭化ヨウ化銀エマル
ジョン、2,6-ジクロロ-4-ベンゼンスルホンアミドフェ
ノール、1,8-(3,6-ジアザオクタン)ビス(イソチウロニ
ウム-p-トルエンスルホネート)およびアゾ染料が露出さ
れ、熱処理されることにより染料の均一の分散を有する
ネガティブな銀画像を得、次いで、ポリアクリル酸、チ
オ尿素およびp-トルエンスルホン酸を含有する酸活性化
シートにラミネートされ、次いで加熱されることにより
良好に明確化されたポジティブ染料画像が得られる。);
およびアミノアセトアミリド(イエロー染料形成)、3,
3'-ジメトキシベンジジン(ブルー染料形成)またはスル
ホアニリド(マゼンタ染料形成)のような、2,6-ジクロロ
-4-ベンゼンスルホンアミドフェノールのような含有さ
れた酸化形態の還元剤と反応することにより染料画像を
形成するアミン; が包含される。ベヘニルアミンおよび
p-アニシジンのようなアミンを添加することにより中間
染料画像が得られる。
【0080】色形成のためのこのようなハロゲン化銀に
おけるロイコ染料酸化は米国特許第4,021,240号、同第
4,374,821号、同第4,460,681号および同第4,883,747号
に開示されている。
【0081】本発明の安定剤を含有するハロゲン化銀エ
マルジョンは追加のかぶりの生成からさらに保護され、
保存中の感度低下に対して安定化されうる。単独または
組み合わせて用いうる好ましいかぶり防止剤、安定剤お
よび安定剤前駆体には、米国特許第2,131,038号および
同第2,694,716号に記載のようなチアゾリウム塩; 米国
特許第2,886,437号および同第2,444,605号に記載のよう
なアザインデン; 米国特許第2,728,663号に記載のよう
な水銀塩; 米国特許第3,287,135号に記載のようなウラ
ゾール; 米国特許第3,235,652号に記載のようなスルホ
カテコール; 英国特許第623,448号に記載のようなオキ
シム; ニトロン; ニトロインダゾール; 米国特許第2,83
9,405号に記載のような多価金属塩; 米国特許第3,220,8
39号に記載のようなチウロニウム塩; 米国特許第2,566,
263号および同第2,597,915号に記載のようなパラジウ
ム、白金および金塩; 米国特許第4,108,665号および同
第4,442,202号に記載のようなハロゲン置換有機化合物;
米国特許第4,128,557号、同第4,137,079号、同第4,13
8,265号および同第4,459,350号に記載のようなトリアジ
ン;および米国特許第4,441,985号に記載のよ
うなリン化合物が含まれる。
【0082】本発明の安定化されたエマルジョンはポリ
アルコール(例えば、米国特許第2,960,404号に記載のよ
うなタイプのグリセリンおよびジオール)のような可塑
剤および潤滑剤; 米国特許第2,588,765号および米国特
許第3,121,060号に記載のような脂肪酸またはエステル;
および英国特許第955,061号に記載のようなシリコーン
樹脂を含有しうる。
【0083】本発明の光熱写真エレメントは画像染料安
定剤を含有しうる。このような画像染料安定剤は英国特
許第1,326,889号; 米国特許第3,432,300号; 同第3,698,
909号; 同第3,574,627号; 同第3,573,050号; 同第3,76
4,337号および同第4,042,394号に記載されている。
【0084】本発明により安定化されたエマルジョン層
を有する光熱写真エレメントは米国特許第3,253,921号;
同第2,274,782号; 同第2,527,583号および同第2,956,8
79号に記載のような光吸収材料およびフィルター染料を
含有する写真エレメントに用いうる。所望の場合は、例
えば、米国特許第3,282,699号に記載のように染料は媒
染されうる。
【0085】ここに記載のように安定化されたエマルジ
ョン層を有する光熱写真エレメントは、スターチ、二酸
化チタン、酸化亜鉛、シリカ、米国特許第2,992,101号
および米国特許第2,701,245号に記載のようなタイプの
ビーズを含むポリマービーズのような艶消し剤を含みう
る。
【0086】本発明により安定化されたエマルジョンは
帯電防止または導電層を有する光熱写真エレメントに用
いうる。このような層は可溶性塩(例えば、クロリド、
ニトレートなど)を含むか、蒸着金属層であるか、米国
特許第2,861,056号および同第3,206,312号に記載のよう
なイオン性ポリマーであるか、または米国特許第3,428,
451号に記載のような不溶性無機塩である。
【0087】バインダーはゼラチン、ポリビニルアセタ
ール、ポリビニルクロリド、ポリビニルアセテート、セ
ルロースアセテート、ポリオレフィン、ポリエステル、
ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネー
トなどのような周知の天然または合成樹脂のいずれかか
ら選択されうる。コポリマーおよびターポリマーは当然
このような定義に含まれる。好ましい光熱写真銀含有ポ
リマーはポリビニルブチラール、ブチルエチルセルロー
ス、メタクリレートコポリマー、無水マレイン酸エステ
ルコポリマー、ポリスチレン、およびブタジエン-スチ
レンコポリマーである。
【0088】必要に応じて、このようなポリマーは2種
類以上組み合わせて用いうる。このようなポリマーはそ
の中に分散された成分を保持するのに十分な量、すなわ
ち、バインダーとして機能するのに効果的な範囲で用い
られる。この効果的な範囲は当業者により適当に決定さ
れうる。少なくとも有機銀塩を保持する場合の指標のた
めにバインダーと有機銀塩との好ましい割合は15:1〜
1:2、特に8:1〜1:1の範囲でありうる。
【0089】本発明による安定剤を含有する光熱写真エ
マルジョンは広範囲の支持体上に被覆されうる。典型的
な支持体は、ポリエステルフィルム、下塗りポリエステ
ルフィルム、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、
セルロースニトレートフィルム、セルロースエステルフ
ィルム、ポリ(ビニルアセタール)フィルム、ポリカーボ
ネートフィルムおよび関連または樹脂材料、ならびにガ
ラス、紙材料等が含まれる。典型的には、可撓性支持体
が用いられる。特に、紙は部分的にアセチレート化さ
れ、またはバライタ/またはα-オレフィンポリマー、特
に、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-ブテン
コポリマーなどのような2〜10個の炭素原子を有するα
-オレフィンのポリマーで被覆されうる。
【0090】裏側抵抗加熱層を有する基材もカラー光熱
写真画像形成系に用い得、これらは米国特許第4,406,68
1号および同第4,374,921号に記載されている。
【0091】本発明の光熱写真エマルジョンは種々の被
覆法により被覆可能であり、これらには、ディップ被
覆、エアナイフ被覆、カーテン被覆または米国特許第2,
681,294号に記載のタイプのホッパーを用いる押し出し
被覆が含まれる。所望の場合は、米国特許第2,761,791
号および英国特許第837,095号に記載の操作により2層
以上の層が同時に被覆されうる。
【0092】本発明の光熱写真用品には、その他の層も
含有されうる。例えば、流動性染料画像を受容するため
の染料受容層、反射プリントが望まれる場合の不透明化
層、保護トップコート層、下塗り層など光熱写真分野で
周知のものが挙げられる。さらに、特に異なるエマルジ
ョン層の画像形成ケミストリーを分離することが望まし
い場合に透明基材の両側に異なるエマルジョン層を被覆
することが望ましい場合もある。
【0093】
【実施例】本発明は以下の実施例によりさらに詳細に説
明されるが、本発明の実施態様はこれらに限定されな
い。
【0094】最初の三実施例は本発明の化合物の典型的
な合成操作である。実施例4〜8では、光熱写真画像構
成における本発明の使用を説明する。本発明の視野はこ
こに記載の実施例に限定されない。
【0095】TLCは「薄層クロマトグラフィー」を意味す
る。
【0096】以下の実施例で用いるすべての材料は、特
に断らない限り、アルドリッヒ化学社(ミルウォーキ
ー、WI)のような代表的な市販元から容易に入手でき
る。
【0097】デンシトメトリーの測定は改造して作った
コンピュータ操作デンシトメータで行ったが、市販され
ているデンシトメータから得られる測定と同様であると
考えられる。
【0098】化合物I-AおよびI-B; II、IIAおよびIIB;
IIIA、IIIBおよびIIICを以下に示す。
【0099】
【化10】
【0100】
【化11】
【0101】
【化12】
【0102】
【実施例1】本実施例では、この部類の化合物のために
一般に有用な調製を説明し、特に、それぞれ、1-および
2-(o-ニトロベンジル)ベンゾトリアゾール(I-AおよびI-
B)の調製として示す。
【0103】2-ニトロベンジルブロミド(9.1g)および5
gのベンゾトリアゾールをともに25mlのジクロロメタン
中の4.24gのトリエチルアミンとともに撹拌した。反応
混合物を5時間撹拌し、炭酸ナトリウム希薄溶液で抽出
し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾別し、そして濃縮し
た。粗製の生成物(8.1g)をメタノール/エチルアセテー
トより再結晶した。TLC(シリカ使用)によれば、2種類
の成分I-A(副生成物)およびI-B(主生成物)が示された。
粗製生成物を以下の実施例に用いた。
【0104】
【実施例2】本実施例では化合物II-AおよびII-Bの調製
を説明する。
【0105】200mlのジクロロメタン中5.00gの3-(n-ヘ
キシルチオ)-5-フェニル-1,2,4-トリアゾール(II)、4.1
3gのo-ニトロベンジルブロミドおよび0.310gのテトラ-n
-ブチルアンモニウムブロミドの撹拌溶液に水中4.57gの
炭酸カリウムの溶液を添加した。5日間激しく撹拌した
後に、層分離した。水層をジクロロメタンで洗浄し、収
集した有機層を食塩水で洗浄(3×100ml)し、硫酸ナト
リウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮することにより
7.4gの淡黄色油状物を得た。シリカゲルフラッシュカラ
ムを用いたクロマトグラフィー(4.6×15cmに乾燥パック
し、50:50ジクロロメタン-ヘキサンで溶出)により4.45g
のII-Aおよび1.22gの約18%のII-Aを含有するII-AとII-
Bとの混合物を得た。異性体II-AおよびII-Bは同様に効
果的であるので、分離は不要である。
【0106】
【実施例3】本実施例では、化合物III-Aの調製を説明
する。
【0107】30mlの無水エタノール中4.32gの1-フェニ
ル-3-ピラゾリジノンの懸濁体にエタノール中1.07Mのナ
トリウムエトキシド溶液19MLを窒素下で添加し、3.08g
の2-ニトロベンジルブロミドを添加した。約100分後
に、TLC(エーテル中)により反応の完結を確認した。一
晩かけて溶媒を真空下で除去した。残渣を酢酸エチルで
取り上げ、炭酸ナトリウム水溶液および水で洗浄し、つ
いで濃縮した。粘性油状物(5.74g)が得られた。粗製の
生成物をエーテル中シリカゲルでフラッシュクロマトグ
ラフした。溶媒を蒸発させた後に、3.75gのIII-Aが得ら
れた。放置すると結晶化した。
【0108】
【実施例4】以下のようにして銀プレミックスを調製し
た。銀ベヘネート半石鹸の分散体を均質化によりトルエ
ンおよびアセトン中で固形分10%において作製した。22
3.3gの銀半石鹸分散体に0.34gのポリビニルブチラール
を添加した。15分間の撹拌の後に、19.0gのメタノール
中0.63gの酢酸水銀の溶液7.6ml、および49.0gのエタノ
ール中1.0gの臭化カルシウムの溶液21.2mlを添加した。
60分後に、48.5gのメタノール中1.45gの臭化カルシウム
の溶液14.5mlを添加した。60分撹拌した後に、41.2gの
ポリビニルブチラールを添加した。
【0109】29.3gの上述の銀プレミックスに50mlのメ
タノール中0.021gの増感染料Aの溶液1.47mlを添加し
た。
【0110】30分後に、以下に示すようにマゼンタ発色
ロイコ染料B溶液を添加した。
【0111】成分 量(g) ロイコ染料B 0.61 フタラジノン 0.916 テトラヒドロフラン 22.4 メチルエチルケトン 33.6 VAGHTM(ユニオン・カーバイド社) 2.2 (酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー)ポリビニルブチラール 9.8
【0112】ロイコ染料Bは米国特許第4,795,697号に開
示されている。
【0113】トルエンおよびメチルエチルケトンの約5
0:50混合物中23重量%のポリスチレン樹脂、および3.1
重量%のアクリロイドB-66TM(モンサント社)からなるト
ップコート溶液を調製した。
【0114】10.0gのマゼンタ銀被覆溶液に、5.0mlのテ
トラヒドロフラン中0.25gの混合物の濃度において0.4ml
または0.9mlの実施例1由来のI-AとI-Bとの混合物を添
加した。または、5mlのエタノール中0.34gの濃度にお
いて0.3mlのベンゾトリアゾール(BZT)を添加するか、ま
たは5.0mlのエタノール中0.14gの濃度において0.4mlま
たは0.9mlのo-ニトロベンジルアルコール(BA)を添加し
た。
【0115】マゼンタ銀層およびトップコートはそれぞ
れ湿潤圧2ミルに被覆し、82℃において5分間乾燥させ
た。58ラッテンフィルターおよび0〜3連続ウェッジを
通してこの試料を10-3秒間露出し、約138℃で6秒間加
熱することにより現像した。
【0116】コンピュータデンシトメーターのグリーン
フィルターを用いてそれぞれの試料のマゼンタ色の密度
を測定した。
【0117】初期のセンシトメトリーデータを以下に示
す。
【0118】安定剤 Dmin Dmax 速度1 コントラスト2 対照(0.0ml) 0.10 1.68 2.19 1.25 0.3mlBZT 0.10 0.11 ** ** 0.4mlBA 0.10 1.72 2.20 1.24 0.9mlBA 0.10 1.78 2.22 1.31 0.4ml I-A+I-B3 0.10 1.77 2.16 1.260.9ml I-A+I-B 0.10 1.73 2.20 1.31 **これ以降の表において、値が得られなかった(すなわ
ち、画像なし)を示す1 Dmin上0.6の密度に対応するLog露出2 Dmin上0.3および0.9の密度点を結ぶ線の傾きにより測
定された平均コントラスト3 これはBZT親安定剤とほぼ等モルである
【0119】画像形成試料を相対湿度65%および26.7℃
において6および24時間1200ft-カンデラの発光に露出
することにより処理後安定性を測定した。
【0120】 6時間 24時間安定剤 ΔDmin 1 ΔDmax 1 ΔDmin 1 ΔDmax 1 対照(0.0ml) +0.17 -0.19 +0.24 -0.54 0.3mlBZT +0.11 ** +0.11 ** 0.4mlBA +0.13 -0.25 +0.22 -0.66 0.9mlBA +0.11 -0.23 +0.21 -0.78 0.4ml I-A+I-B +0.11 -0.23 +0.11 -0.660.9ml I-A+I-B +0.09 -0.21 +0.08 -0.77 1 ΔD=D(終期)-D(初期)、Dの値はグリーンフィルターを
通した反射光学密度を示す
【0121】この濃度の主要な安定剤ベンゾトリアゾー
ルにおいては、Dmin処理後の改良が得られた。しかしな
がら、ハロゲン化銀エマルジョンの著しい減感が生じ
た。マスクしたベンゾトリアゾールI-A+I-Bの使用にお
いては、ベンゾトリアゾール活性が適当にブロックされ
て初期の減感は最低限とされ、しかも、適当な時期にお
いてBZTの放出が生じ、非ブロックBZT安定剤と同様にD
min処理後の改良が生じた。2-ニトロベンジルアルコー
ル単独(BA)も6時間において同様の処理後安定化を示す
が、24時間の発光に対する長時間の露出後はこの効果は
最低限である。
【0122】
【実施例5】実施例4に記載のような成分組成物と同様
のマゼンタハロゲン化銀被覆溶液10.0gに、5.0mlのエタ
ノール中0.3gの濃度において化合物II-AおよびII-Bの異
性体混合物の溶液0.8mlを加えた。または、これに5.0ml
のエタノール中0.2gの濃度の主要安定剤3-(n-ヘキシル
チオ)-5-フェニル-1,2,4-トリアゾール(II)0.8mlを加え
た。実施例4と同様にして、この銀溶液およびトップコ
ートを被覆し、露出し、そして処理した。それぞれの試
料のマゼンタ色の密度をコンピュータデンシトメーター
のグリーンフィルターを用いて測定した。初期センシト
メトリーデータを以下に示す。
【0123】 安定剤 Dmin Dmax 速度1 コント コント ラスト2 ラスト3 対照(0.0ml) 0.08 1.73 1.85 1.60 1.80 0.8ml IIA+IIB 0.08 1.54 1.86 1.63 1.430.8ml II 0.08 1.09 2.72 1.11 *** 1 Dmin上0.6の密度に対応するLog露出2 Dmin上0.3および0.9の密度点を結ぶ線の傾きにより測
定した平均コントラスト3 Dmin上0.6および1.20の密度点を結ぶ線の傾きにより測
定した平均コントラスト
【0124】実施例4と同様にして処理後プリント安定
性を測定した。結果を以下の表に示す。
【0125】 6時間 24時間 ΔDmin ΔDmax ΔDmin ΔDmax 対照(0.0ml) +0.16 -0.14 +0.21 -0.50 0.8ml II-A+II-B +0.12 -0.11 +0.13 -0.480.8ml II +0.13 -0.19 +0.14 -0.48
【0126】主要な安定剤IIのこの濃度における使用で
は、Dmin処理後の改良はハロゲン化銀エマルジョンの著
しい減感を伴って観察された。等モル量のII-A+II-Bを
添加することにより、親化合物は適切にブロックされて
ほとんどの減感が最低限とされ、しかも、主要な安定剤
IIの放出が処理後の適当な時期に生じ、非ブロックII安
定剤と同様のDmin処理後安定性が得られた。
【0127】
【実施例6】以下のようにして銀プレミックスを調製し
た。均質化によりトルエンおよびエタノール中固形分10
%の銀ベヘネート半石鹸の分散体を作製し、1.5重量%
のポリビニルブチラールを含有させた。この銀半石鹸分
散体71gに200gのエタノールを添加した。15分間の撹拌
の後に、2.6mlの臭化水銀溶液(10mlのメタノール中0.19
g)を添加した。15分後に追加の2.6mlの臭化水銀溶液(10
mlのメタノール中0.19g)を添加した。60分の混合の後
に、25gのポリビニルブチラールを添加した。
【0128】調製した上述の銀プレミックス82.7gに、
以下に示すようにシアン発色ロイコ染料溶液を添加し
た。
【0129】 成分 量(g) ロイコ染料C 0.82 トルエン 11.7 エチルメタクリレートコポリマー 2.3 (アクリロイドTMB72、ローム・アンド・ハース社) FC-431TM(フルオロカーボン界面活性剤、3M社) 0.2エタノール 1.21
【0130】ロイコ染料Cの調製は米国特許第4,782,010
号に開示されている。
【0131】ロイコ染料プレミックス溶液を添加の後
に、上述の1.2mlの増感染料D(0.016g/13mlのメタノール
+37mlのトルエン)を加え、30分間増感した。約17%のス
クリプセット640TM(モンサント社、スチレン/無水マレ
イン酸コポリマー)、1.1%のサイロイド244TM(モンサン
ト社、コロイダルシリカ)、1.37%のフタル酸、0.14%
のベンゾトリアゾールおよび0.44%のフルオロカーボン
界面活性剤を約50:50のメタノールとエタノールとの混
合物中に含むトップコート溶液を調製した。
【0132】上述のトップコート溶液の15.0gのアリコ
ットに0.182%または0.455重量%の化合物III-A、また
は0.1重量%または0.25重量%の1-フェニル-3-ピラゾリ
ジノン(P)を添加した。
【0133】シアン銀層とトップコート層とをそれぞれ
湿潤圧2ミルおよび1.5ミルでそれぞれ被覆し、82℃で
3分間乾燥させた。この試料を25ラッテンフィルターお
よび0〜3連続ウェッジを通して10-3秒間露出し、約13
8℃で6秒間加熱することにより現像した。
【0134】それぞれの試料のシアン色の密度をコンピ
ュータデンシトメーターのレッドフィルターを用いて測
定した。画像形成試料を相対湿度65%および26.7℃にお
いて1200ftカンデラの発光に6および24時間露出するこ
とにより処理後安定性を測定した。初期のセンシトメト
リーデータを以下に示す。
【0135】 Dmin Dmax 速度1 コント コント ラスト2 ラスト3 対照(0.0) 0.17 2.08 1.57 1.44 1.37 0.1%P 0.77 ** ** ** ** 0.25%P 1.14 ** ** ** ** 0.182% III-A 0.18 1.93 1.58 1.43 1.420.455% III-A 0.19 2.10 1.47 1.62 1.69 1 Dmin上0.6の密度に対応するLog露出2 Dmin上0.3および0.9の密度点を結ぶ線の傾きにより測
定した平均コントラスト3 Dmin上0.6および1.20の密度点を結ぶ線の傾きにより測
定した平均コントラスト
【0136】処理後プリント安定性の結果を以下に示
す。
【0137】 6時間 24時間 ΔDmin ΔDmax ΔDmin ΔDmax 対照(0.0) +0.32 -0.05 +0.76 -0.02 0.182% III-A +0.30 +0.04 +0.69 +0.080.455% III-A +0.30 +0.04 +0.67 +0.03
【0138】1-フェニル-3-ピラゾリジノンの添加によ
り初期Dminが著しく増大された。しかしながらブロック
化1-フェニル-3-ピラゾリジノンIII-Aの親化合物と等モ
ル量における添加は初期センシトメトリーにおいて無視
できる結果を提供した。III-Aにより少しのDmin処理後
改良が得られた。しかしながら、1-フェニル-3-ピラゾ
リジノン単独では処理後画像を著しく安定化しなかっ
た。
【0139】
【実施例7】実施例6に記載のトップコート溶液の15.0
gのアリコットに構造を上述した化合物III-B0.192重量
%または0.067重量%を加えた。
【0140】実施例6に記載のように銀溶液およびトッ
プコートを被覆し、露出し、そして処理した。初期セン
シトメトリーデータを以下に示す。
【0141】安定剤 Dmin Dmax 速度1 コントラスト2 対照(0.0) 0.15 1.81 1.90 1.43 0.192% III-B 0.15 1.92 1.78 1.690.67% III-B 0.15 1.90 1.74 1.90 1 Dmin上0.6の密度に対応するLog露出2 Dmin上0.3および0.9の密度点を結ぶ線の傾きにより測
定した平均コントラスト
【0142】73%の相対湿度および70℃において100ft
カンデラの発光に7および14日間処理後プリント安定性
を測定した。これらの結果を以下に示す。
【0143】 7日 14日 ΔDmin ΔDmax ΔDmin ΔDmax 対照(0.0) +0.43 +0.12 +0.64 +0.16 0.192% III-B +0.36 +0.07 +0.50 +0.070.67% III-B +0.35 +0.09 +0.50 +0.06
【0144】実施例6に説明のように、親化合物1-フェ
ニル-3-ピラゾリジノンは初期Dminを著しく増大させ
る。しかしながら、等モル量のブロック化1-フェニル-3
-ピラゾリジノンIII-Bは1-フェニル-3-ピラゾリジノン
の活性を適切にブロックすることにより初期センシトメ
トリー効果を最低限とする。適度な処理後Dminの改良が
みられた。
【0145】
【実施例8】実施例6で説明したトップコート溶液の1
5.0gアリコットに0.77重量%の化合物III-Cを添加し
た。
【0146】実施例6と同様にして、銀溶液およびトッ
プコートを被覆し、露出し、そして処理した。初期セン
シトメトリーのデータを以下に示す。
【0147】安定剤 Dmin Dmax 速度1 コントラスト 対照(0.0) 0.16 2.33
1.91 3.230.77% III-C 0.17 2.21 1.84 3.25 1 Dmin上0.6の密度に対応するLog露出2 Dmin上0.3および0.9の密度点を結ぶ線の傾きにより測
定された平均コントラスト
【0148】実施例7と同様にして処理後安定性を測定
し、結果を以下に示す。
【0149】安定剤 ΔDmin ΔDmin 1200フット-カンデラ 6時間 24時間 対照(0.0) +0.29 +0.70 0.77% III-C +0.27 +0.67 100フット-カンデラ 7日 14日 対照(0.0) +0.45 +0.670.77% III-C +0.37 +0.51
【0150】実施例6に記載のように、親化合物1-フェ
ニル-3-ピラゾリジノンは初期Dminを著しく増大させ
る。しかしながら、等モル量のブロック化1-フェニル-3
-ピラゾリジノンIII-Cは親化合物の活性を適切にブロッ
クし、初期センシトメトリーに最低限の影響しか与えな
い。両方の発光強度において適度の処理後Dminの改良が
見られた。
【0151】
【実施例9】本実施例では水銀を含有しない処方におけ
るニトロベンジル保護安定剤の効果を説明する。
【0152】予め形成された臭化銀含有銀半石鹸分散体
200gに32gのポリビニルブチラールを添加した。30分間
撹拌した後に、2mlのエタノール中55mgのピリジニウム
ヒドロブロミドパーブロミドの3回分を60分の間隔で添
加した。最後に、30分後に、エタノール中10重量%の臭
化カルシウム1.3mlを加えた。この混合物を一晩インキ
ュベートし、100mlのメタノール中21mgの増感染料Aの溶
液17mlを添加し、30分間撹拌した。
【0153】上記銀分散体7.0gに、以下に示すマゼンタ
発色ロイコ染料B12.5gを加えた。
【0154】成分 量(g) ロイコ染料B 0.9 フタラジノン 1.8 テトラヒドロフラン 80.0 VAGH(ユニオン・カーバイド社) 2.7 (酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー)ポリビニルブチラール 7.6
【0155】メタノール、メチルエチルケトンおよびア
セトンのおよそ1/2/4混合物中4.6重量%のセルロースア
セテート樹脂15gと25mgの2,5-ビス(トリブロモメチル)-
1-チア-3,5-ジアゾールからなるトップコート溶液を調
製した。
【0156】マゼンタ銀被覆溶液19.5gに化合物I-Aおよ
びI-Bの混合物20〜50mgをメタノール溶液として添加し
た。
【0157】マゼンタ銀層およびトップコートをそれぞ
れ湿潤圧2ミルに被覆し、77℃において4分間乾燥させ
た。試料を、58ラッテンフィルターおよび0〜3連続ウ
ェッジを通して10-3秒間露出し、約136℃に14秒間加熱
することにより現像した。
【0158】それぞれの試料のマゼンタ色の密度をコン
ビュータデンシトメーターのグリーンフィルターを用い
て測定した。65%の相対湿度および26.7℃において12
00ft−カンデラの発光(日光蛍光バルブ)に6およ
び24時間露出することにより画像形成試料の処理後の安
定性を測定した。初期センシトメトリーデータを以下に
示す。
【0159】 Dmin Dmax 速度1 コントラスト2 対照(0.0ml) 0.11 2.19 1.23 3.90 20mg I-A+I-B 0.12 2.22 1.22 3.89 30mg I-A+I-B 0.11 2.20 1.20 3.76 40mg I-A+I-B 0.13 2.22 1.22 4.0150mg I-A+I-B 0.12 2.21 1.22 3.84 1 Dmin上0.6の密度に対応するLog露出2 Dmin上0.3および0.9の密度点を結ぶ線の傾きにより測
定した平均コントラスト3 これはBZT親安定剤とほぼ等モルである
【0160】これらの構成の処理後プリント安定性を12
00ftカンデラにおいて測定した。結果を以下に示す。
【0161】 安定剤 6時間 24時間 ΔDmin 1 %フェード ΔDmin 1 %フェード 対照(0.0ml) +0.16 11% +0.26 40% 20mg I-A+I-B +0.10 13% +0.14 44% 30mg I-A+I-B +0.09 14% +0.15 44% 40mg I-A+I-B +0.07 12% +0.11 46%50mg I-A+I-B +0.08 15% +0.11 46% 1 終期Dmin-初期Dmin、グリーンフィルターを通過した反
射光学密度を意味する
【0162】レッドおよびブルーフィルターのΔDmin
おける実質的な改良がI-A+I-Bにおいても見られた。こ
の安定剤の添加によりセンシトメトリーに悪影響がない
ことに注意する必要がある。
【0163】
【実施例10〜13】米国特許第3,839,049号に記載の
操作によりハロゲン化銀-ベヘン酸銀乾燥石鹸を調製し
た。ハロゲン化銀は合計銀の9%であり、ベヘン酸銀は
合計銀の9%を占めた。ハロゲン化銀は2%のイオダイ
ドを含有する0.055ミクロンの臭化ヨウ化銀エマルジョ
ンとした。
【0164】300gの上述のハロゲン化銀-ベヘン酸銀乾
燥石鹸と525gのトルエン、1675gの2-ブタノンおよび50g
のポリ(ビニルブチラール)(B-76、モンサント社)を均質
化することにより写真エマルジョンを調製した。
【0165】均質化された光熱写真エマルジョン(500g)
および100gの2-ブタノンを撹拌しながら55°Fに冷却し
た。追加のポリ(ビニルブチラール)(75.7gのB-76)を添
加し、20分間撹拌した。ピリジニウムヒドロブロミドパ
ーブロミド(PHP、0.45g)を添加し、2時間撹拌した。3.
25mlの臭化カルシウム溶液(1gのCaBr2および10mlのメ
タノール)を加え、30分間撹拌した。温度を70°Fに上
げ、以下の成分を撹拌しながら15分間隔で添加した。3.
0gの(2-(4-クロロベンゾイル)安息香酸、IR染料溶液(D-
1染料;6gのジメチルホルムアミド中10.5mg)、5gのメ
タノール中185mgの2-メルカプトベンズイミダゾール、1
6.4gの現像剤1,1-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェ
ニル)-3,5,5-トリメチルヘキサン、および1.7gの2-(ト
リブロモメチルスルホン)ベンゾチアゾール。
【0166】
【化13】
【0167】光熱写真エマルジョンを40g部分に分割し
た。この段階においては、実施例12および13で行なうよ
うな添加をしないで対照を被覆した。実施例10および12
は等モルレベルの親化合物(BZT)およびブロック化誘導
体(I-A+I-B)をそれぞれ含有していた。
【0168】光熱写真エマルジョンを3ミル(0.76×10
-4m)ポリエステルベース上にナイフコータを用いて被覆
し、175°Fにおいて4分間乾燥させた。乾燥被覆重量は
23g/m2とした。
【0169】活性保護トップコート溶液を以下の成分か
ら調製した。
【0170】 256.0g アセトン 123.0g 2-ブタノン 50.0g メタノール 20.2g セルロースアセテート 2.89g フタラジン 1.55g 4-メチルフタル酸 1.01g テトラクロロフタル酸 1.50g 無水テトラクロロフタル酸
【0171】トップコート溶液を20gの部分に分けた。
実施例12および13のために、このトップコート溶液に等
モルレベルのBZTおよびI-A+I-Bを加えた。このトップコ
ート溶液を銀層の上に3.0g/m2の乾燥重量において被覆
した。この層を175°Fで4分間乾燥させた。
【0172】ついで、780nmのダイオードを有するレー
ザーセンシトメーターを用いて被覆材料を露出した。露
出の後に、260°Fにおいて10秒間フィルムのストリップ
を処理した。得られた画像をデンシトメーターにより評
価した。センシトメトリーの結果には、Dmin、Dmax、速
度(100に設定された何も添加しない試験化合物の対照に
対するDmin上1.0の密度における相対速度)および平均コ
ントラスト(Dmin上0.25〜2.0の密度より測定したコント
ラスト)。処理したフィルムのストリップをプリント安
定性についてこのストリップをビューボックス(veiw bo
x)(放射線技師に用いられるタイプのもの)にテーピング
することにより試験した。このフィルムストリップを、
ポリエステルそのままの側がビューボックスに隣接し、
銀およびトップコートの側が外側を向くようにビューボ
ックス上に位置させた。ビューボックスは4日間の試験
期間中残した。4日間のプリント安定性試験の後にDmin
値を読んだ。結果を表1に示す。
【0173】表1にまとめた結果は、親化合物BZTおよ
びブロック化物I-A+I-Bは概してプリント安定性を改良
することを示す。ブロック化ベンゾトリアゾールI-A+I-
Bは初期感度におけるより小さい低減ゆえに好ましい。
【0174】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シャロン・メアリー・シンプソン アメリカ合衆国55144−1000ミネソタ州セ ント・ポール、スリーエム・センター(番 地の表示なし) (72)発明者 ジェイムズ・アラン・ボナム アメリカ合衆国55144−1000ミネソタ州セ ント・ポール、スリーエム・センター(番 地の表示なし) (72)発明者 ドリーン・キャサリン・リンチ アメリカ合衆国55144−1000ミネソタ州セ ント・ポール、スリーエム・センター(番 地の表示なし)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真ハロゲン化銀、有機銀塩、有機銀塩
    のための還元剤、および、式 【化1】 [式中、Aは対応するAHの化合物が処理後安定剤として機
    能するいずれかの一価の基であり、Lはこの基の炭素原
    子に結合したAともに、脱ブロック工程中またはその後
    に消失する-CO2-または-CH2O-基であり、そしてnは0ま
    たは1である。]で示す核を有する安定剤を含有する光
    熱写真組成物。
  2. 【請求項2】 前記安定剤が、式 【化2】 [式中、Yは水素、アルキル、アルコキシカルボニル、ア
    ルケニル、アリール、ヒドロキシ、メルカプト、アミ
    ノ、アミド、チオアミド、カルバモイル、チオカルバモ
    イル、シアノ、ニトロ、スルホ、カルボキシル、フルオ
    ロ、ホルミル、スルホキシル、スルホニル、ヒドロジチ
    オ、アンモニオ、ホスホニオ、シリルおよび18個までの
    炭素原子を有するシリルオキシ基である。]で示す中心
    核を有する請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 AHがベンズイミダゾール、トリアゾー
    ル、ベンゾトリアゾール、テトラゾール、トリアジン、
    チアゾリン、3-ピラゾリジノン、インダゾール、ハイポ
    キサンチンおよびイミダゾールからなる群から選択され
    る請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 AHがベンズイミダゾール、トリアゾー
    ル、ベンゾトリアゾール、テトラゾール、1-フェニル-3
    -ピラゾリジノンおよびイミダゾールからなる群から選
    択される請求項2記載の組成物。
  5. 【請求項5】 YがH、アルキルおよびアルコキシカルボ
    ニルからなる群から選択される請求項2記載の組成物。
  6. 【請求項6】 少なくとも一層である基材に接着された
    請求項1、2または3記載の組成物。
  7. 【請求項7】 基材上に被覆された1層または隣接した
    2層を有する光熱写真組成物であって、写真ハロゲン化
    銀、有機銀塩、有機銀塩のための還元剤、および、式 【化3】 [式中、Aは対応するAHの化合物が処理後安定剤であるい
    ずれかの一価の基であり、Y、R1、R2、R3およびR4は独
    立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヒド
    ロキシ、メルカプト、アミノ、アミド、チオアミド、カ
    ルバモイル、チオカルバモイル、シアノ、ニトロ、スル
    ホ、カルボキシル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ホルミ
    ル、スルホキシル、スルホニル、ヒドロジチオ、アンモ
    ニオ、ホスホニオ、シリル、および18個までの炭素原子
    を有するシリルオキシ基であって、ここで、R1、R2、R3
    およびR4のいずれかの2個はともに中心ベンゼン環を有
    する縮合環構造を形成し、そして、Lは-CO2-または-CH2
    O-基であってAはLの炭素原子に結合しており、そしてn
    は0または1である。]で示す化合物を含有する光熱写
    真組成物。
  8. 【請求項8】 AHがベンズイミダゾール、イミダゾー
    ル、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、ピペリドン、
    プリン、インダゾール、チアゾリン、3-ピラゾリジノ
    ン、トリアジン、テトラアザインデン、ハイポキサンチ
    ンおよびテトラゾールからなる群から選択される請求項
    7記載の組成物。
  9. 【請求項9】 Yが水素、アルキルおよびアルコキシカ
    ルボニルからなる群から選択される請求項7または8記
    載の組成物。
  10. 【請求項10】 nが0である請求項2、3または7記
    載の組成物。
JP22881293A 1992-09-16 1993-09-14 光熱写真用品用処理後安定剤 Pending JPH07295139A (ja)

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