JPH07294795A - ズーム装置 - Google Patents

ズーム装置

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Publication number
JPH07294795A
JPH07294795A JP6112162A JP11216294A JPH07294795A JP H07294795 A JPH07294795 A JP H07294795A JP 6112162 A JP6112162 A JP 6112162A JP 11216294 A JP11216294 A JP 11216294A JP H07294795 A JPH07294795 A JP H07294795A
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JP
Japan
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focus
zoom
lens
subject
zoom lens
Prior art date
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Application number
JP6112162A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunio Otsuka
邦雄 大塚
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07294795A publication Critical patent/JPH07294795A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マニュアルフォーカス時又はオートフォーカ
ス時に、画面内における被写体の大きさを略一定に保つ
ようズームレンズを自動的に制御する。 【構成】 ズーム装置1Aは、フォーカス機構2A,ズ
ーム機構3,オートサイズ機構4Aを備えており、この
うちオートサイズ機構4Aは、マニュアルフォーカス時
又はオートフォーカス時に、フォーカスレンズ2aの位
置情報及びズームレンズ3aの位置情報に対応して、被
写体Hの大きさをプリセットした時の基準被写体距離L
及び光学倍率Mと、プリセット後の現在の被写体距
離Lとを求めて、プリセットした被写体Hの大きさを
略一定に保つようズームレンズ3aの制御量(移動量)
及び制御方向を算出している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオカメラなどに用
いて、マニュアルフォーカス時又はオートフォーカス時
に、画面内における被写体の大きさを略一定に保つよう
ズームレンズを自動的に制御するズーム装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】最近のビデオカメラなどの光学系は、よ
く知られたフォーカス機構及びズーム機構と組み合わせ
て構成されており、この種のビデオカメラのうち、移動
する被写体を自動追尾する機構を搭載したものがある。
この自動追尾機構を備えたビデオカメラでは、いつもビ
ューファインダの画面に被写体を入れることができるも
のの、被写体の移動に伴って画面内における被写体の大
きさが変化する。
【0003】そこで、最近、被写体が移動しても画面内
での被写体の大きさを略一定に自動的に保つ機能を備え
たビデオカメラが知られている。このようなビデオカメ
ラでは、例えば、被写体となる子供が徒競走を行うシー
ンを撮影したいが、スタート位置からゴール位置まで撮
影場所から距離がだんだん離れてしまうため、なかなか
子供の表情を連続的にとらえにくいという状況で使うと
便利である。
【0004】図7は従来のズーム装置を示したブロック
図、図8は従来のズーム装置を採用したビデオカメラの
画面内に被写体を写した状態を示した図、図9は図7に
示したフォーカス機構において、山登り方式のオートフ
ォーカス動作を説明するための図、図10は図7に示し
たオートサイズ機構の被写体距離メモリを説明するため
の図である。
【0005】図7に示した従来のズーム装置1は、ビデ
オカメラなどに適用されており、フォーカス機構2とズ
ーム機構3とを備え、且つ、画面内での被写体Hの大き
さを略一定に自動的に保つためにオートサイズ機構4を
備えている。また、この例では説明の都合上、被写体H
を自動追尾する自動追尾機構を省略してあるが、図示し
ない自動追尾機構により被写体Hはいつも画面内に入る
ものと想定しておく。勿論、自動追尾機構がなく手動に
より被写体Hを追尾する場合でも本技術は使える。
【0006】前記フォーカス機構2は、フォーカスレン
ズ2a,撮像素子2b,ビデオプロセス回路2c,焦点
電圧抽出部2d,フォーカス制御部2e,フォーカスレ
ンズ駆動モータ2fから構成されており、被写体Hを撮
影した画面の映像信号から焦点電圧を抽出し、この焦点
電圧に基づいてフォーカスレンズ2aをピント位置まで
自動的に調節するものである。
【0007】即ち、フォーカス機構2において、フォー
カスレンズ2aを通って入来した被写体Hの光学像は撮
像素子2bにより電気信号に変換され、ビデオプロセス
回路2cを通って映像信号となる。この映像信号は、焦
点電圧抽出部2dを通って所定の高域成分が抽出された
焦点電圧となる。この際、焦点電圧は、例えば図8に示
す画面G内にフォーカスエリアFを設定し、このなかの
映像信号から抽出した高域成分を使うことが多い。ま
た、フォーカス制御部2eは焦点電圧抽出部2dからの
焦点電圧を時々刻々と入力し、この値の変化に基づいて
フォーカスレンズ駆動モータ2fを介してフォーカスレ
ンズ2aを駆動する。更に、フォーカス制御部2eは、
焦点電圧の最高点をフォーカスレンズ2aのピント位置
とみなす制御を行い、例えば、図9に示すように、初期
位置(点P)からピント位置(点Q)まで山登り方式で
ピント合わせを行う場合、ピント位置(点Q)近傍にて
ハンチング(山の上り降り)を何度か繰り返した後、最
終的なピント位置(点Q)に収束する。
【0008】前記ズーム機構3は、ズームボタンZB,
ズームレンズ3a,ズーム制御部3b,ズームレンズ駆
動モータ3cから構成されており、ズームレンズ3aの
移動により図8に示した画面G内における被写体Hの大
きさ調整を行うためのものである。
【0009】即ち、ズーム機構3において、ズームボタ
ンZBの押圧操作によるズーム情報に基づき、ズーム制
御部3bがズームレンズ駆動モータ3cに制御信号を与
えてズームレンズ3aを光軸方向に沿って移動できるよ
う構成されている。この際、ズームボタンZBと連動す
るロックタイプのスイッチSWは、ズームボタンZB
とズーム制御部3bとの間に設けられており、スイッチ
SWが二点鎖線位置のマニュアル(手動)側にある時
には、ズームボタンZBからのズーム情報がズーム制御
部3bに入力されず、マニュアルズーム操作が可能な
“オートフォーカス・マニュアルズームモード”に設定
され、一方、スイッチSWが実線位置のオート(自
動)側にある時には、ズームボタンZBからのズーム情
報はズーム制御部3bに入力されて“オートフォーカス
・オートズームモード”に設定される。尚、ここで呼称
した“オートフォーカス・マニュアルズームモード”と
は、フォーカス機構2により自動的に合焦点させた状態
で手動によるズーム操作が可能となり、被写体Hの大き
さを適宜な大きさに可変できる操作モードである。一
方、“オートフォーカス・オートズームモード”とは、
使用者が被写体Hの大きさを予め設定(プリセット)し
た後、フォーカス機構2及びズーム機構3並びに下記す
るオートサイズ機構4とでプリセットした被写体Hの大
きさを略一定に自動的に保つ操作モードである。
【0010】前記オートサイズ機構4は、フォーカスレ
ンズ位置検出部4a,ズームレンズ位置検出部4b,被
写体距離メモリ4c,プリセット部4d,オートサイズ
制御部4eから構成され、且つ、被写体距離メモリ4c
とプリセット部4dとの間には、ズームボタンZBと互
いに連動するノンロックタイプのスイッチSWが接続
されている。このオートサイズ機構4は、“オートフォ
ーカス・オートズームモード”時にフォーカス機構2に
よりフォーカスレンズ2aの被写体Hへのピント合わせ
がいつも合焦点状態であることを前提して行うもので
り、概略、プリセットした被写体Hの大きさの時に示さ
れた基準被写体距離L(最初の被写体距離を表したも
の)に対して現在の被写体距離Lがどれくらいの比率
で変化したかを計算で求め、この計算結果に対応してプ
リセットした被写体Hの大きさを略一定に保つようズー
ムレンズ3bを自動的に制御してズーム操作を行う。
【0011】即ち、オートサイズ機構4において、フォ
ーカスレンズ位置検出部4aはフォーカスレンズ2aの
位置を検出するものであり、一方、ズームレンズ位置検
出部4bはズームレンズ3aの位置を検出するものであ
る。尚、これらはよく知られた位置検出技術を使うこと
で比較的簡単に構成できる。
【0012】また、被写体距離メモリ4cは、フォーカ
スレンズ位置検出部4aから出力されたフォーカスレン
ズ2aの位置情報fと、ズームレンズ位置検出部4bか
ら出力されたズームレンズ3aの位置情報zとによって
予め定められた被写体距離Lを記憶している。ここで図
10に示したように、フォーカスレンズ2aの位置情報
fをX軸に設定し、且つ、ズームレンズ3aの位置情報
zをX軸と直交したY軸に設定すると、一般的に被写体
距離Lは、フォーカスレンズ2aの位置情報fと、ズー
ムレンズ3aの位置情報zとの合焦点軌跡が各被写体距
離ごとに図示のようなカーブ特性をもって示されてお
り、言い換える、各被写体距離Lは、無限遠被写体距離
特性Tと至近1m被写体距離特性Nとの間に囲まれ範囲
内に例えば被写体距離2m,5m,10mなどの合焦点
軌跡特性が複数存在することから、これらの複数の軌跡
上をプロットした各点の値と、複数の軌跡上の各点の値
に対応するX軸の値及びY軸の値とを被写体距離メモリ
4cに記憶させている。
【0013】この際、フォーカス制御部2eとズーム制
御部3bとが連携してフォーカスレンズ2aの合焦点動
作と連動してズームレンズ3aを所定の方向に移動する
ように予め設定されており、即ち、フォーカスレンズ2
aの合焦点動作が無限遠被写体距離特性T側から至近1
m被写体距離特性N側(矢印X方向)に向かう場合に
は、ズームレンズ3aがズームテレ側からズームワイド
側(矢印Y方向)に向かう一方、フォーカスレンズ2
aが至近1m被写体距離特性N側から無限遠被写体距離
特性T側(矢印X方向)に向かう場合には、ズームレ
ンズ3aがズームワイド側からズームテレ側(矢印Y
方向)に向かうよう設定されている。尚、一般的にズー
ムレンズ3aをズームテレ側(矢印Y方向)に移動す
ると、画面G(図8)内の画角が狭まり、一方、ズーム
レンズ3aをズームワイド側(矢印Y方向)に移動す
ると、画面G内の画角が拡がるものである。
【0014】従って、被写体距離メモリ4cにX軸上の
フォーカスレンズ2aの位置情報fと、Y軸上のズーム
レンズ3aの位置情報zとが入力されると、被写体距離
メモリ4cは各位置情報が時々刻々と入力されるのに伴
い、対応する被写体距離Lを素早く出力する。
【0015】ここで、被写体Hの大きさを略一定に自動
的に制御する前に、使用者は被写体Hの大きさを予め設
定(プリセット)しておき、ズームボタンZBを介して
スイッチSWを自動に切り換えて“オートフォーカス
・オートズームモード”に設定すると、ズームボタンZ
Bと連動するノンロックタイプのスイッチSWが一瞬
閉じて、被写体距離メモリ4cとプリセット部4dとの
間が一瞬接続され、プリセットした時のフォーカスレン
ズ2aの位置情報f及びズームレンズ3aの位置情報
に応じた基準被写体距離L(最初の被写体距離を
表したもの)が被写体距離メモリ4cからプリセット部
4dに入力され、更に、プリセット部4dに入力された
基準被写体距離Lがオートサイズ制御部4eにも入力
される。
【0016】一方、被写体距離メモリ4cからの被写体
距離Lは、常にオートサイズ制御部4eに入力されてお
り、即ち、被写体距離メモリ4cからオートサイズ制御
部4eに直接入力される被写体距離Lは、刻々と変化す
る現在のフォーカスレンズ2aの位置情報f及びズー
ムレンズ3aの位置情報zに応じた現在の被写体距離
が入力される。
【0017】従って、オートサイズ制御部4eには、プ
リセット部4dからの基準被写体距離Lと、被写体距
離メモリ4cからの現在の被写体距離Lとが入力され
るので、これら2つのデータからプリセットした被写体
Hの大きさを略一定に自動的に制御を行うための制御信
号が前述したズーム機構3のズーム制御部3bに出力さ
れる。ここで、オートサイズ制御部4eの制御は、被写
体Hの大きさをプリセットした後、被写体Hが移動する
と、フォーカス機構2によってフォーカスレンズ2aの
ピント合わせが行われ、これにつれてズーム機構3のズ
ームレンズ3aが移動し始めるので、オートサイズ制御
部4e内に現在の被写体距離Lが入力される。そし
て、オートサイズ制御部4e内では、例えば、プリセッ
ト部4dに格納した基準被写体距離Lに対し、現在の
被写体距離Lが2倍に変化したならズーム倍率も2倍
にするという具合である。同様に、プリセット部4dに
より設定した基準被写体距離Lに対し、現在の被写体
距離Lが1/2倍に変化したならズーム倍率も1/2
倍にする。
【0018】このように従来のズーム装置1は、フォー
カス機構2によるピント調節が完全に行われてから、ズ
ーム機構3によってプリセットした被写体Hの大きさを
略一定に自動的に制御するものであった。このため、フ
ォーカス機構2のフォーカス制御部2eはフォーカスレ
ンズ2aのピント調節ができた時、このことを表す制御
信号を出力するよう設定され、こうした制御信号を受け
てからオートサイズ制御部4eはズーム機構3のズーム
制御部3bに被写体Hの大きさ制御のため制御信号を送
っていた。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のズー
ム装置1のように、フォーカス機構2によってフォーカ
スレンズ2aのピント調節が完全に行われてから、ズー
ム機構3によってプリセットした被写体Hの大きさを略
一定に自動的に制御しているものの、フォーカスレンズ
2aがピント位置近傍でハンチングするような場合に
は、ピント調節に誤動作が起き易く、これに伴って被写
体Hの大きさの制御も当然不安定となるなどの問題があ
り、更に、フォーカスレンズ2aがピント位置に到達す
るまでに時間がかかるような場合とかには、ズーム機構
3の立ち上がりがどうしても遅くなり、不自然な画面と
なり易い。そこで、使用者によっては、プリセットした
被写体Hの大きさを略一定に自動的に制御する際に、フ
ォーカス機構2,ズーム機構3,オートサイズ機構4に
より全て自動的に制御することを嫌う人もおり、このよ
うな人は、とくに、フォーカスレンズ2aのピント調節
をマニュアル(手動)で行い、ズームレンズ3aのズー
ミングを自動的に行うことのできるズーム装置を望んで
おり、上記のことを考慮してマニュアルフォーカス時又
はオートフォーカス時にプリセットした被写体Hの大き
さを略一定に保つようズームレンズを自動的に制御する
ズーム装置を提供する。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、第1の発明は、被写体撮影時に
手動によりピントリングを回転してフォーカスレンズを
ピント位置まで移動させるマニュアルフォーカスモード
と、被写体撮影時に被写体を撮影した画面から焦点電圧
を抽出し、この焦点電圧に基づいて前記フォーカスレン
ズをピント位置まで山登り方式で移動させるオートフォ
ーカスモードとを選択的に切り換え可能に設けたフォー
カス機構と、前記フォーカスレンズの合焦点動作と連動
して所定の方向に移動すると共に、マニュアルフォーカ
スモード時又はオートフォーカスモード時に前記画面内
における前記被写体の大きさをズームレンズの移動によ
り自動的に調整するズーム機構と、前記フォーカスレン
ズの位置情報を検出するフォーカスレンズ位置検出部
と、前記ズームレンズの位置情報を検出するズームレン
ズ位置検出部と、前記被写体の大きさをプリセットした
時における両レンズの位置情報と対応した基準被写体距
離と、プリセット後における両レンズの位置情報と対応
した現在の被写体距離とを前記フォーカスレンズ位置検
出部及び前記ズームレンズ位置検出部の検出結果に基づ
いて出力する被写体距離出力部と、前記ズームレンズの
光学倍率を前記ズームレンズ位置検出部の検出結果に基
づいて出力する光学倍率出力部と、マニュアルフォーカ
ス・オートズームモード時又はオートフォーカス・オー
トズームモード時に、前記基準被写体距離と、前記現在
の被写体距離と、前記光学倍率とからプリセットした前
記被写体の大きさを略一定に保つよう前記ズームレンズ
の制御量及び制御方向を算出して該ズームレンズを制御
するオートサイズ制御部とを具備したことを特徴とする
ズーム装置である。
【0021】また、第2の発明は、第1の発明のズーム
装置において、マニュアルフォーカス・オートズームモ
ード時に、前記オートサイズ制御部によって算出された
前記ズームレンズの制御方向が、前記フォーカスレンズ
の合焦点動作による前記ズームレンズの移動方向と逆方
向に向かった時、これを補正する誤動作防止手段を備え
たことを特徴とするズーム装置である。
【0022】
【実施例】以下に本発明に係わるズーム装置の一実施例
を図1乃至図6を参照して詳細に説明する。
【0023】図1は本発明に係わるズーム装置の一実施
例を示すブロック図、図2は図1に示したオートサイズ
機構を構成する被写体距離出力部内の第1メモリを説明
するための図、図3は図1に示したオートサイズ機構を
構成する被写体距離出力部内の第2メモリを説明するた
めの図、図4は図1に示したオートサイズ機構を構成す
る光学倍率出力部内のメモリを説明するための図、図5
は本発明に係わるズーム装置の動作を説明するためのフ
ローチャート図、図6はマニュアルフォーカス・オート
ズームモード時におけるズームレンズの誤動作防止手段
を説明するための図である。
【0024】図1に示した本発明に係わるズーム装置1
Aは、先に説明した従来例のズーム装置1における構成
と一部を除いて同様の構成であり、ここでは説明の便宜
上、先に示した構成部材に対しては同一の符号を付し、
且つ、先に示した構成部材は必要に応じて適宜説明し、
従来例と異なる構成部材に新たな符号を付して説明す
る。
【0025】図1に示した本発明に係わるズーム装置1
Aは、従来例で説明したフォーカス機構2を一部改良し
てマニュアルフォーカス時又はオートフォーカス時にフ
ォーカスレンズ2aのピント調節が可能なフォーカス機
構2Aを備え、これに伴って、従来例で説明したオート
サイズ機構4を一部改良してマニュアルフォーカ時又は
オートフォーカス時にプリセットした被写体Hの大きさ
を略一定に保つようズーム機構3のズームレンズ3aを
自動的に制御するオートサイズ機構4Aを備えている。
【0026】上記フォーカス機構2Aは、従来と同様に
フォーカスレンズ2a,撮像素子2b,ビデオプロセス
回路2c,焦点電圧抽出部2d,フォーカス制御部2
e,フォーカスレンズ駆動モータ2fから構成されてい
る。このフォーカス機構2Aには、従来と異なってマニ
ュアル操作で回転するピントリングPRが接続されてお
り、ピントリングPRによってフォーカスレンズ2aの
ピント調節をマニュアルでも操作できるよう追加されて
いる。
【0027】即ち、ピントリングPRの図示しない回転
出力パルスが、ロックタイプのスイッチSWを介して
フォーカス制御部2eに入力されるようになっている。
この際、スイッチSWは、マニュアルフォーカスとオ
ートフォーカスとを選択的に切り換えるために設けられ
ている。また、スイッチSWと連動するロックタイプ
のスイッチSWが焦点電圧抽出部2dとフォーカス制
御部2eとの間でマニュアルフォーカスとオートフォー
カスとを切り換えるように接続されている。そして、ロ
ックタイプのスイッチSWが二点鎖線位置のマニュア
ル(手動)側にある時には、焦点電圧抽出部2dとフォ
ーカス制御部2eと間のスイッチSWが切り離され、
且つ、ピントリングPRの図示しない回転出力パルスが
フォーカス制御部2eを介してフォーカスレンズ駆動モ
ータ2fに入力されてフォーカスレンズ2aのピント合
わせをマニュアルで行う一方、スイッチSWが実線位
置のオート(自動)側にある時には、従来と同様に被写
体Hを撮影した画面G(図8)から焦点電圧抽出部2d
により抽出した焦点電圧がスイッチSWを介してフォ
ーカス制御部2eに入力されるため、フォーカスレンズ
駆動モータ2fにより山登り方式でフォーカスレンズ2
aのピント合わせを自動的に行っている。
【0028】また、ズーム機構3は、従来と同様にズー
ムボタンZB,ズームレンズ3a,ズーム制御部3b,
ズームレンズ駆動モータ3cから構成されており、且
つ、ズームボタンZBと連動するロックタイプのスイッ
チSWは、二点鎖線位置のマニュアル(手動)側と、
実線位置のオート(自動)側とに選択的に切り換えでき
るようになっている。
【0029】従って、フォーカス機構2Aとズーム機構
3の操作モードの組み合わせは、従来例で説明した“オ
ートフォーカス・マニュアルズームモード”,“オート
フォーカス・オートズームモード”の他に、新たに“マ
ニュアルフォーカス・マニュアルズームモード”,“マ
ニュアルフォーカス・オートズームモード”が設定され
ている。尚、ここで呼称した“オートフォーカス・マニ
ュアルズームモード”とは、フォーカス機構2Aにより
自動的に合焦点させた状態でマニュアルによるズーム操
作が可能となり、被写体Hの大きさを適宜な大きさに可
変できる操作モードである。一方、“オートフォーカス
・オートズームモード”とは、使用者が被写体Hの大き
さを予め設定(プリセット)した後、フォーカス機構2
A及びズーム機構3並びに下記するオートサイズ機構4
Aとでプリセットした被写体Hの大きさを略一定に自動
的に保つ操作モードである。
【0030】更に、新たに呼称した“マニュアルフォー
カス・マニュアルズームモード”とは、ピントリングP
Rを回しながらフォーカスレンズ2aのピント合わせを
マニュアルで合焦点させた状態で、マニュアルによるズ
ーム操作が可能となり、被写体Hの大きさを適宜な大き
さに可変できる操作モードである。一方、“マニュアル
フォーカス・オートズームモード”とは、ピントリング
PRを回しながらフォーカスレンズ2aのピント合わせ
をマニュアルで合焦点させながら、被写体Hの大きさを
予め設定(プリセット)した後、ズーム機構3及び下記
するオートサイズ機構4Aとでプリセットした被写体H
の大きさを略一定に自動的に保つ操作モードである。
【0031】従って、本発明に係わるズーム装置1Aで
は、とくに要部技術思想として、被写体Hの大きさをプ
リセットした後、“マニュアルフォーカス・オートズー
ムモード”時と、“オートフォーカス・オートズームモ
ード”時に、被写体Hが移動すると、マニュアル又はオ
ートによりフォーカスレンズ2aのピント合わせが行わ
れ、これにつれてズームレンズ3aが移動し始めるの
で、オートサイズ機構4Aによってプリセットした被写
体Hの大きさを略一定に保つようズームレンズ3aを自
動的に制御するものである。
【0032】次に、本発明の要部となるオートサイズ機
構4Aは、フォーカスレンズ位置検出部4a,ズームレ
ンズ位置検出部4b,被写体距離出力部4f,プリセッ
ト部4d,光学倍率出力部4g,オートサイズ制御部4
hから構成され、且つ、被写体距離出力部4fとプリセ
ット部4dとの間には、従来と同様にズームボタンZB
と互いに連動するノンロックタイプのスイッチSW2が
接続されている。このオートサイズ機構4Aは、“マニ
ュアルフォーカス・オートズームモード”時又は“オー
トフォーカス・オートズームモード”時に、フォーカス
機構2Aのフォーカスレンズ2aによる被写体Hへのピ
ント合わせがいつも合焦点状態であることを前提して行
うものである。
【0033】即ち、オートサイズ機構4Aにおいて、従
来と同様にフォーカスレンズ位置検出部4aはフォーカ
スレンズ2aの位置を検出するものであり、一方、ズー
ムレンズ位置検出部4bはズームレンズ3aの位置を検
出するものである。尚、これらはよく知られた位置検出
技術を使うことで比較的簡単に構成できる。
【0034】また、被写体距離出力部4fは、従来で説
明した被写体距離メモリ4cに置換して設けられてお
り、この被写体距離出力部4fは従来で説明した被写体
距離メモリ4cよりもメモリ容量を削減して構成されて
いると共に、フォーカスレンズ位置検出部4aから出力
されたフォーカスレンズ2aの位置情報fと、ズームレ
ンズ位置検出部4bから出力されたズームレンズ3aの
位置情報zとによって予め記憶された被写体距離Lを出
力するものである。
【0035】ここで、オートサイズ機構4Aを構成する
被写体距離出力部4fについて、図1乃至図3を用いて
説明する。
【0036】上記被写体距離出力部4fは、フォーカス
レンズ2aの位置情報f,ズームレンズ3aの位置情報
zから一つの被写体距離情報データLを得るものであ
り、被写体距離出力部4fの内部は、第1,第2メモリ
4f,4fと、第1,第2データアクセス部4
,4fと、演算部4fとから次のように構成さ
れている。
【0037】第1メモリ4fには、図2に示すよう
に、フォーカスレンズ2aの位置情報fをX軸に設定
し、且つ、ズームレンズ3aの位置情報zをX軸と直交
したY軸に設定した際に、遠近2つの被写体距離におけ
るフォーカスレンズ2aとズームレンズ3bとの合焦点
軌跡を示す無限遠被写体距離特性T及び至近1m被写体
距離特性Nのみが記憶されている。
【0038】第1データアクセス部4fは、適宜な位
置にいるズームレンズ3aの位置情報zを第1メモリ4
にアクセスする。そして、図2に示すように、適宜
なズームレンズ位置zに対応した無限遠被写体距離特性
T上のフォーカスレンズ位置(以下、第1フォーカスレ
ンズ位置と記す)fと、同ズームレンズ位置zに対応
した至近1m被写体距離特性N上のフォーカスレンズ位
置(以下、第2フォーカスレンズ位置と記す)fとを
夫々呼び出す。この際、合焦点状態でのフォーカスレン
ズ2aの位置情報fは、第1フォーカスレンズ位置情報
と、第2フォーカスレンズ位置情報fとの間に位
置することは、遠近内での合焦点条件から明らかであ
る。
【0039】演算部4fには、呼び出した2つの第
1,第2フォーカスレンズ位置情報f,fと、この
区間内にある前記のフォーカスレンズ位置情報fとが入
力される。ここでは図2に示すように、フォーカスレン
ズ位置情報fによる第1,第2フォーカスレンズ位置情
報f,f区間内の分割比Bが一定の算式に基づいて
求められる。この算出式の一例としては、第1フォーカ
スレンズ位置fを基準としたものを考えることがで
き、分割比Bを下記の如く式により算出する。 分割比B=(フォーカスレンズ位置f−第1フォーカス
レンズ位置f)/(第2フォーカスレンズ位置f
第1フォーカスレンズ位置f)=V/U{V,Uは図
示の区間} ……式 この分割比Bは、第2データアクセス部4fに出力さ
れている。このように分割比Bを算出することができる
のは、無限遠被写体距離特性Tと、至近1m被写体距離
特性Nとに囲まれた範囲が略三角形状のためこの範囲内
では略比例式が成り立つもとしたからである。
【0040】第2データアクセス部4fは、演算部4
からの分割比Bを第2メモリ4fにアクセスす
る。
【0041】第2メモリ4fには、図3に示すよう
に、上記算出式に基づく分割比Bと被写体距離Lとの関
係を示す特性が双曲線状の軌跡で予め記憶されている。
ここでの被写体距離Lは、分割比Bを算出する時に無限
遠被写体距離特性T側を基準としたため、これに基づい
て被写体距離Lが記憶されている。この際、分割比Bが
小さいと被写体距離Lは無限遠距離側の大きな値とな
り、一方、分割比Bが大きいと被写体距離Lは至近距離
側の小さな値となる傾向である。これにより、分割比B
に対応する被写体距離Lが第2メモリ4fから出力さ
れる。
【0042】従って、上記構成による被写体距離出力部
4fでは、フォーカスレンズ2aの位置情報f及びズー
ムレンズ3bの位置情報zとして、被写体Hの大きさを
プリセットした時に対応したフォーカスレンズ2aの位
置情報f及びズームレンズ3bの位置情報zを入力
すれば、基準被写体距離Lが出力される一方、現在の
フォーカスレンズ2aの位置情報f及びズームレンズ
3bの位置情報zを入力すれば、現在の被写体距離L
が出力される。そして、被写体距離出力部4から出力
された基準被写体距離Lは、スイッチSWを介して
プリセット部4dに入力される一方、現在の被写体距離
はオートサイズ制御部4hに入力される。
【0043】上記のように構成した被写体距離出力部4
fでは、遠近2つの被写体距離におけるフォーカスレン
ズ2aとズームレンズ3bとの合焦点軌跡を示す無限遠
被写体距離特性T及び至近1m被写体距離特性Nのみを
記憶した第1メモリ4fをもつが、もう一方の第2メ
モリ4fは分割比Bという1つのパラメータに基づく
被写体距離Lだけを記憶すればよいので、第1,第2メ
モリ4f,4fの合計した記憶容量は、従来例のよ
うに無限遠被写体距離特性Tと至近1m被写体距離特性
Nとの間に囲まれた範囲内全ての被写体距離Lを記憶す
るよりも格段に小容量化することができ、コストダウン
を図ることができるという大きな利点がある。
【0044】尚、本実施例では説明の都合上、第1,第
2メモリ4f,4fを別構成で記したが、これを1
つのメモリにまとめることは簡単にできる。また、同様
に第1,第2データアクセス部4f,4fおよび演
算部4fも1チップのマイコンで構成できる。更に、
演算部4fで分割比を算出する式は上記以外にも考え
られ、また、被写体距離Lはいずれか一方のズームトラ
ッキング特性P,Qを基準として記憶させればよい。
【0045】次に、オートサイズ機構4Aを構成する光
学倍率出力部4gについて、図1及び図4を用いて説明
する。
【0046】上記光学倍率出力部4gは、先に説明した
ズームレンズ位置検出部4bとオートサイズ制御部4h
との間に設けられている。この光学倍率出力部4g内
は、メモリ4gと演算部4gとから下記のように構
成されており、ズームレンズ3aの位置情報zから一つ
の光学倍率Mをオートサイズ制御部4hに出力する機能
と、後述するようにメモリ4g内のズームレンズ光学
倍率特性ZKに係わる要因項目をオートサイズ制御部4
hに提供している。
【0047】メモリ4gは、図4に示すように、ズー
ムレンズ3aの位置情報zをX軸に設定し、且つ、ズー
ムレンズ3aの光学倍率MをX軸と直交したY軸に設定
した際に、ズームレンズ3aの位置情報zに対する光学
倍率Mを示したズームレンズ光学倍率特性ZKの下記の
如くの要因項目を記憶している。このズームレンズ光学
倍率特性ZKは、ズームレンズ3a固有の非直線特性を
有しており、ズームレンズ3aの至近距離側から無限遠
距離に至るにつれて急激に増加する傾向である。尚、こ
こで言う“光学倍率M”とはズームレンズ3aの広角側
焦点距離を基準にして望遠側焦点距離までの光学的な倍
率である。
【0048】ここでは、メモリ4gに記憶させるため
のズームレンズ光学倍率特性ZKの要因項目として、ズ
ームレンズ3aの位置情報zを複数な区間に分割して、
各ズームレンズ区間kをメモリ4gに記憶すると共
に、ズームレンズ光学倍率特性ZK上に沿わせて各ズー
ムレンズ区間kにおけるズームレンズ光学倍率特性ZK
上の始点位置S(x,y)及び傾きβをメモリ4g
に記憶することにより、メモリ4gの記憶容量を軽減
している。
【0049】また、演算部4gは、ズームレンズ3a
の位置情報zと対応したメモリ4g内の要因項目から
ズームレンズ区間k,始点位置S(x,y),傾きβに
基づいて光学倍率Mを下記の如く式により算出してい
る。 光学倍率M=β(z−x)+y ……式 ここでは、被写体Hの大きさをプリセットした時のズー
ムレンズ3aの位置情報zと対応した光学倍率M
みを式から求めてオートサイズ制御部4hに出力して
いる。
【0050】次に、オートサイズ制御部4hは、プリセ
ットした被写体Hの大きさを略一定に保つようズームレ
ンズ3aの制御量(移動量)及び制御方向を算出してい
るものであり、ここでは本発明に係わるオートズム装置
1Aの全体動作と合わせてオートサイズ制御部4hの制
御動作を図1及び図5を併用して説明する。
【0051】まず、図5に示した如く、ステップS
て、“マニュアルフォーカス・オートズームモード”時
又は“オートフォーカス・オートズームモード”時に、
使用者は被写体Hの大きさを予め設定(プリセット)し
ておき、ズームボタンZBを介してスイッチSWを自
動に切り換えて“マニュアルフォーカス・オートズーム
モード”又は“オートフォーカス・オートズームモー
ド”に設定すると、ズームボタンZBと連動するノンロ
ックタイプのスイッチSW2が一瞬閉じて、被写体距離
出力部4fとプリセット部4dとの間が一瞬接続され
る。
【0052】次に、ステップSにて、プリセットした
時のフォーカスレンズ2aの位置情報f及びズームレ
ンズ3aの位置情報zに応じた基準被写体距離L
被写体距離出力部4fからプリセット部4dに入力さ
れ、更に、プリセット部4dに入力された基準被写体距
離Lがオートサイズ制御部4hにも入力される。
【0053】次に、ステップSにて、光学倍率出力部
4gから被写体Hの大きさをプリセットした時のズーム
レンズ3aの位置情報zに応じた光学倍率Mのみが
オートサイズ制御部4hに入力される。
【0054】次に、ステップSにて、被写体Hの大き
さをプリセットした後、フォーカスレンズ2aの合焦点
動作と連動してズームレンズ3aが所定の方向に移動す
る。
【0055】次に、ステップSにて、被写体距離出力
部4fからの被写体距離Lは、常にオートサイズ制御部
4hに入力されており、即ち、被写体距離出力部4fか
らオートサイズ制御部4hに直接入力される被写体距離
Lは、被写体Hの大きさをプリセットした後に合焦点状
態で刻々と変化する現在のフォーカスレンズ2aの位置
情報f及びズームレンズ3aの位置情報zに応じた
現在の被写体距離Lがオートサイズ制御部4hに入力
される。
【0056】次に、ステップSにて、オートサイズ制
御部4h内では、被写体Hの大きさをプリセットした時
の基準被写体距離Lと光学倍率Mとにより、両者の
比率αを下記の如く式より算出する。
【0057】比率α=L/M ……式 この比率αは被写体Hの大きさを常に一定するための
基準となる値であり、且つ、一定な値である。
【0058】次に、ステップSにて、現在の被写体距
離Lがオートサイズ制御部4hに入力されているもの
の、ここでは光学倍率出力部4gから現在の光学倍率M
をオートサイズ制御部4hに入力することなく、オー
トサイズ制御部4hでは、現在の被写体距離Lと上記
のように計算した比率αとで、補正すべき制御時のズ
ームレンズ3aの位置情報zを算出する。この際、制
御時のズームレンズ3aの位置情報zにおいても現在
の被写体距離Lに対して先に計算した比率αと同一
な値となるようにズームレンズ3aの制御位置zを算
出する。ここで、ズームレンズ3aの制御位置zを算
出するために、まずオートサイズ制御部4hに入力され
た現在の被写体距離Lを上記のように計算した比率α
で割り算すると、制御時のズームレンズ3aの光学倍
率Mが下記の如く式から算出される。 制御時のズームレンズ3aの光学倍率M=L/α ……式 次に、ステップSにて、オートサイズ制御部4hは、
光学倍率出力部4g内のメモリ4gに記憶された要因
項目を呼び出して、図4に示したズームレンズ光学倍率
特性ZK上からの制御時の光学倍率Mと対応する制御
時のズームレンズ3aの位置情報zを、先に説明した
式を変形することにより、下記に示した如くの式に
より逆算している。
【0059】制御時のズームレンズ3aの位置情報z
=(1/β)(M−y)+x …式 次に、ステップSにて、オートサイズ制御部4hは、
ズームレンズ3aの制御量及び制御方向を下記に示した
如くの式により算出する。
【0060】 ズームレンズ3aの制御量=(現在のズームレンズ位置
)−(ズームレンズ3aの制御位置) ……式 一方、ズームレンズ3aの制御方向は、ズームレンズ3
aの制御量を計算した時の正負によりズームレンズ3a
をズームテレ側に移動させるか、あるいはズームワイド
側に移動させるかを判断している。従って、ズームレン
ズ3aの制御量分だけズームレンズ3aを移動させる制
御信号がズーム機構3に入力されるので、“マニュアル
フォーカス・オートズームモード”又は“オートフォー
カス・オートズームモード”でプリセットした被写体H
の大きさを略一定に保つことができる。
【0061】ここで、本発明の要部となるマニュアルフ
ォーカス・オートズームモード時におけるズームレンズ
の誤動作防止手段5について、図1及び図2並びに図6
を併用して説明する。
【0062】図2に示した如く、フォーカスレンズ2a
の位置情報f及びズームレンズ3aの位置情報zから前
記した被写体距離出力部4fにより比例方法で被写体距
離Lを求める場合、ズームレンズ3aがズームテレ側に
至っている時にはフォーカスレンズ2aの移動範囲が多
いので比例方法で算出した被写体距離Lの精度が良く、
ズームレンズ3aを良好に制御できるものの、ズームレ
ンズ3aがズームワイド側に至るとフォーカスレンズ2
aの移動範囲が少ないので比例方法で算出した被写体距
離Lの精度が粗く、ズームレンズ3aが誤動作する可能
性が高まる傾向にある。
【0063】ところで、マニュアルフォーカス時には、
使用者が手動によりピントリングPRを回転してフォー
カスレンズ2aをピント位置まで移動させているので、
オートフォーカス時のような合焦点動作で生じるハンチ
ングなく、ピント合わせができる。従って、マニュアル
フォーカス時には、フォーカスレンズ2aのピント合わ
せをスムーズに行うことができ、フォーカスレンズ2a
の移動方向で被写体距離Lが遠近どちらに移行するかが
判断できるため、ズームレンズ3aがズームワイド側に
至りフォーカスレンズ2aの移動範囲が少ない場合で被
写体距離Lの算出精度が粗くなった場合でも、下記の如
くのズームレンズの誤動作防止手段5によりズームレン
ズ3aの制御を補正することができるようになってい
る。
【0064】即ち、ズームレンズの誤動作防止手段5
は、フォーカスレンズ位置検出部4aと、フォーカス方
向検出部5aと、ズームレンズ誤動作検出部5bと、オ
ートサイズ制御部4hとから構成されており、ここでは
フォーカス方向検出部5a及びズームレンズ誤動作検出
部5bが新たに追加されている。
【0065】フォーカス方向検出部5aでは、手動によ
りピントリングPRを回転してフォーカスレンズ2aを
ピント位置まで移動させる過程で、フォーカスレンズ位
置検出部4aからのフォーカスレンズ2aの位置情報が
刻々と入力されており、フォーカスレンズ2aが図2に
示した無限遠被写体距離特性T側から至近1m被写体距
離特性N側に向かうか、又は至近1m被写体距離特性N
側から無限遠被写体距離特性T側に向かうかを前回の位
置情報と今回(現在)の位置情報とを比較して、このフ
ォーカスレンズ2aの移動方向をズームレンズ誤動作検
出部5bに知らせている。
【0066】ところで、先に従来例で説明したように、
フォーカスレンズ2aの合焦点動作が無限遠被写体距離
特性T側から至近1m被写体距離特性N側(矢印X
向)に向かう場合には、ズームレンズ3aがズームテレ
側からズームワイド側(矢印Y方向)に向かう一方、
フォーカスレンズ2aが至近1m被写体距離特性N側か
ら無限遠被写体距離特性T側(矢印X方向)向かうに
場合には、ズームレンズ3aがズームワイド側からズー
ムテレ側(矢印Y方向)に向かうよう設定されてい
る。尚、一般的にズームレンズ3aをズームテレ側(矢
印Y方向)に移動すると、画面G(図8)内の画角が
狭まり、一方、ズームレンズ3aをズームワイド側(矢
印Y方向)に移動すると、画面G内の画角が拡がるも
のである。
【0067】一方、オートサイズ制御部4hは、プリセ
ットした被写体Hの大きさを略一定に保つよう前述した
ようにズームレンズ3aの制御量及び制御方向を算出し
ているので、これらズームレンズ3aの制御量及び制御
方向をズームレンズ誤動作検出部5bに知らせている。
【0068】ここで、ズームレンズ誤動作検出部5b
は、フォーカス方向検出部5aからのフォーカスレンズ
2aの移動方向を基にして、設定時のズームレンズ3a
の移動方向を知り、これによりオートサイズ制御部4h
によって算出されたズームレンズ3aの制御方向が、フ
ォーカスレンズ2aの合焦点動作によるズームレンズ3
aの移動方向と逆方向に向かった時のみ、これを補正す
るようにオートサイズ制御部4hに補正動作指令を出力
していると共に、これ以外の場合には正常動作指令をオ
ートサイズ制御部4hに出力している。
【0069】この際、ズームレンズ誤動作検出部5bか
らの補正動作指令は、下記,の2通りの場合があ
り、 .フォーカスレンズ2aの合焦点動作が無限遠被写体
距離特性T側から至近1m被写体距離特性N側(矢印X
方向)に向かい、ズームレンズ3aがズームテレ側か
らズームワイド側(矢印Y方向)に向かう条件下で、
オートサイズ制御部4hで算出されたズームレンズ3a
の制御方向が逆のズームテレ側(矢印Y方向)に向か
う場合には、ズームレンズ3aをズーム駆動モータ3c
により1パルス又は数パルスに亘ってズームワイド側に
移動し、再びズームレンズ3aの制御を繰り返して正常
動作指令を待つ。 .フォーカスレンズ2aの合焦点動作が至近1m被写
体距離特性N側から無限遠被写体距離特性T側(矢印X
方向)に向かい、ズームレンズ3aがズームワイド側
からズームテレ側(矢印Y方向)に向かう向かう条件
下で、オートサイズ制御部4hで算出されたズームレン
ズ3aの制御方向が逆のズームワイド側(矢印Y
向)に向かう場合には、ズームレンズ3aをズーム駆動
モータ3cにより1パルス又は数パルスに亘ってズーム
テレ側に移動し、再びズームレンズ3aの制御を繰り返
して正常動作指令を待つ。
【0070】一方、ズームレンズ誤動作検出部5bから
の正常動作指令は、上記,にてオートサイズ制御部
4hで算出されたズームレンズ3aの制御方向が、フォ
ーカスレンズ2aの合焦点動作によるズームレンズ3a
の移動方向と同一方向に算出された時、算出したズーム
レンズ3aの制御量及び制御方向に基づいてズームレン
ズ3aを制御している。
【0071】以上詳述した本発明に係わるズーム装置1
Aによると、マニュアルフォーカス時又はオートフォー
カス時に、フォーカスレンズ2aが合焦点状態で画面G
内における被写体Hの大きさを略一定に保つようズーム
レンズ3aを自動的に制御しているので、とくに、オー
トフォーカス時にフォーカスレンズ2aがピント位置近
傍でハンチングして被写体Hの大きさの制御が不安定と
なるとか、フォーカスレンズ2aがピント位置に到達す
るまでに時間がかかるような場合とかでは、使用者がマ
ニュアルフォーカスに切り換えてもズームレンズ3aを
良好に制御することができ、ズーム装置1Aの機能が向
上する。
【0072】更に、本発明に係わるズーム装置1Aによ
ると、マニュアルフォーカス・オートズームモード時に
ズームレンズ3aの制御方向が、フォーカスレンズ2a
の合焦点動作によるズームレンズ3aの移動方向と逆方
向に向かった時、これを補正する誤動作防止手段5を備
えているので、マニュアルフォーカス時におけるズーム
レンズ3aの制御が確実となり、ズーム装置1Aの品質
及び信頼性に大いに寄与できる。
【0073】
【発明の効果】以上詳述した本発明に係わるズーム装置
において、請求項1記載によると、マニュアルフォーカ
ス時又はオートフォーカス時に、フォーカスレンズが合
焦点状態で画面内における被写体の大きさを略一定に保
つようズームレンズを自動的に制御しているので、とく
に、オートフォーカス時にフォーカスレンズがピント位
置近傍でハンチングして被写体の大きさの制御が不安定
となるとか、フォーカスレンズがピント位置に到達する
までに時間がかかるような場合とかでは、使用者がマニ
ュアルフォーカスに切り換えてもズームレンズを良好に
制御することができ、ズーム装置の機能が向上する。
【0074】また、請求項2記載によると、請求項1記
載のズーム装置において、マニュアルフォーカス・オー
トズームモード時にズームレンズの制御方向が、フォー
カスレンズの合焦点動作によるズームレンズの移動方向
と逆方向に向かった時、これを補正する誤動作防止手段
を備えているので、マニュアルフォーカス時におけるズ
ームレンズの制御が確実となり、ズーム装置の品質及び
信頼性に大いに寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるズーム装置の一実施例を示すブ
ロック図である。
【図2】図1に示したオートサイズ機構を構成する被写
体距離出力部内の第1メモリを説明するための図であ
る。
【図3】図1に示したオートサイズ機構を構成する被写
体距離出力部内の第2メモリを説明するための図であ
る。
【図4】図1に示したオートサイズ機構を構成する光学
倍率出力部内のメモリを説明するための図である。
【図5】本発明に係わるズーム装置の動作を説明するた
めのフローチャート図である。
【図6】マニュアルフォーカス・オートズームモード時
におけるズームレンズの誤動作防止手段を説明するため
の図である。
【図7】従来のズーム装置を示したブロック図である。
【図8】従来のズーム装置を採用したビデオカメラの画
面内に被写体を写した状態を示した図である。
【図9】図7に示したフォーカス機構において、山登り
方式のオートフォーカス動作を説明するための図であ
る。
【図10】図7に示したオートサイズ機構の被写体距離
メモリを説明するための図である。
【符号の説明】
1A…ズーム装置、2A…フォーカス機構、2a…フォ
ーカスレンズ、3…ズーム機構、3a…ズームレンズ、
4A…オートサイズ機構、4a…フォーカスレンズ位置
検出部、4b…ズームレンズ位置検出部、4d…プリセ
ット部、4f…被写体距離出力部、4g…光学倍率出力
部、4h…オートサイズ制御部、5…ズームレンズの誤
動作防止手段、f…フォーカスレンズの位置情報、z…
ズームレンズの位置情報、G…画面、H…被写体、M…
光学倍率、L…被写体距離情報データ、L…基準被写
体距離、L…現在の被写体距離、PR…ピントリン
グ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03B 13/34 H04N 5/232 H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被写体撮影時に手動によりピントリングを
    回転してフォーカスレンズをピント位置まで移動させる
    マニュアルフォーカスモードと、被写体撮影時に被写体
    を撮影した画面から焦点電圧を抽出し、この焦点電圧に
    基づいて前記フォーカスレンズをピント位置まで山登り
    方式で移動させるオートフォーカスモードとを選択的に
    切り換え可能に設けたフォーカス機構と、 前記フォーカスレンズの合焦点動作と連動して所定の方
    向に移動すると共に、マニュアルフォーカスモード時又
    はオートフォーカスモード時に前記画面内における前記
    被写体の大きさをズームレンズの移動により自動的に調
    整するズーム機構と、 前記フォーカスレンズの位置情報を検出するフォーカス
    レンズ位置検出部と、 前記ズームレンズの位置情報を検出するズームレンズ位
    置検出部と、 前記被写体の大きさをプリセットした時における両レン
    ズの位置情報と対応した基準被写体距離と、プリセット
    後における両レンズの位置情報と対応した現在の被写体
    距離とを前記フォーカスレンズ位置検出部及び前記ズー
    ムレンズ位置検出部の検出結果に基づいて出力する被写
    体距離出力部と、 前記ズームレンズの光学倍率を前記ズームレンズ位置検
    出部の検出結果に基づいて出力する光学倍率出力部と、 マニュアルフォーカス・オートズームモード時又はオー
    トフォーカス・オートズームモード時に、前記基準被写
    体距離と、前記現在の被写体距離と、前記光学倍率とか
    らプリセットした前記被写体の大きさを略一定に保つよ
    う前記ズームレンズの制御量及び制御方向を算出して該
    ズームレンズを制御するオートサイズ制御部とを具備し
    たことを特徴とするズーム装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のズーム装置において、 マニュアルフォーカス・オートズームモード時に、前記
    オートサイズ制御部によって算出された前記ズームレン
    ズの制御方向が、前記フォーカスレンズの合焦点動作に
    よる前記ズームレンズの移動方向と逆方向に向かった
    時、これを補正する誤動作防止手段を備えたことを特徴
    とするズーム装置。
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