JPH0729439A - ワイヤハーネス一体型グロメット及びその成形方法 - Google Patents
ワイヤハーネス一体型グロメット及びその成形方法Info
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- JPH0729439A JPH0729439A JP17024593A JP17024593A JPH0729439A JP H0729439 A JPH0729439 A JP H0729439A JP 17024593 A JP17024593 A JP 17024593A JP 17024593 A JP17024593 A JP 17024593A JP H0729439 A JPH0729439 A JP H0729439A
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- flexible member
- heat insulating
- grommet
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ワイヤハーネスに一体成形するグロメットに
おいて、溶融状態の樹脂の熱による粘着テープや電線の
被覆部の溶解の防止等を図ること。 【構成】 樹脂成形されるグロメット(12)に、断熱
可撓性部材(11)をラップさせて外周面に巻き付けた
ワイヤハーネス(4)をインサートモールドする。ワイ
ヤハーネスの所要箇所の外周面に、断熱可撓性部材をラ
ップさせて巻き付ける。断熱可撓性部材を巻き付けたワ
イヤハーネスをグロメット成形用金型のキャビティ内部
を貫通させると共に、キャビティ両側と連続するワイヤ
ハーネス挿通溝に弾性圧接させて貫通配置する。金型の
キャビティ内に樹脂を充填して、上記断熱可撓性部材の
外周面にグロメットを一体成形で形成している。
おいて、溶融状態の樹脂の熱による粘着テープや電線の
被覆部の溶解の防止等を図ること。 【構成】 樹脂成形されるグロメット(12)に、断熱
可撓性部材(11)をラップさせて外周面に巻き付けた
ワイヤハーネス(4)をインサートモールドする。ワイ
ヤハーネスの所要箇所の外周面に、断熱可撓性部材をラ
ップさせて巻き付ける。断熱可撓性部材を巻き付けたワ
イヤハーネスをグロメット成形用金型のキャビティ内部
を貫通させると共に、キャビティ両側と連続するワイヤ
ハーネス挿通溝に弾性圧接させて貫通配置する。金型の
キャビティ内に樹脂を充填して、上記断熱可撓性部材の
外周面にグロメットを一体成形で形成している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワイヤハーネス一体型
グロメット及びその成形方法に関するものである。
グロメット及びその成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のワイヤハーネスをイ
ンサートモールドしてグロメットを一体成形したものと
しては、例えば、実開平01−111417号におい
て、図11に示すようなグロメットが提案されている。
ンサートモールドしてグロメットを一体成形したものと
しては、例えば、実開平01−111417号におい
て、図11に示すようなグロメットが提案されている。
【0003】上記グロメット1は、電線2の束に粘着テ
ープ3を巻き付けたワイヤハーネス4を、グロメット成
形用のキャビティ5を設けた一対の金型6A,6B内に
配置し、次いで、上記キャビティ5内に樹脂材料を充填
することにより、ワイヤハーネス4に一体成形してい
る。
ープ3を巻き付けたワイヤハーネス4を、グロメット成
形用のキャビティ5を設けた一対の金型6A,6B内に
配置し、次いで、上記キャビティ5内に樹脂材料を充填
することにより、ワイヤハーネス4に一体成形してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構造には、下記に列挙するような欠点がある。第1
に、通常、上記図11中、4aで示すワイヤハーネス4
のキャビティ5内に配置される部分にも粘着テープ3が
巻き付けられているが、この粘着テープ3としては一般
にPVC(ポリ塩化ビニル)製の粘着テープが使用され
ており、その耐熱温度は80℃程度である。また、上記
電線2の絶縁被覆部の耐熱温度も80℃程度である。
来の構造には、下記に列挙するような欠点がある。第1
に、通常、上記図11中、4aで示すワイヤハーネス4
のキャビティ5内に配置される部分にも粘着テープ3が
巻き付けられているが、この粘着テープ3としては一般
にPVC(ポリ塩化ビニル)製の粘着テープが使用され
ており、その耐熱温度は80℃程度である。また、上記
電線2の絶縁被覆部の耐熱温度も80℃程度である。
【0005】これに対して、現在提供されている樹脂材
料のうち、ワイヤハーネスと一体成形するグロメットに
適するものとして“エラストマー”があるが、このエラ
ストマーの溶融温度は通常180℃以上であり、成形時
の金型は40℃程度に保持する必要がある。
料のうち、ワイヤハーネスと一体成形するグロメットに
適するものとして“エラストマー”があるが、このエラ
ストマーの溶融温度は通常180℃以上であり、成形時
の金型は40℃程度に保持する必要がある。
【0006】よって、樹脂材料として上記エラストマー
を使用すると、溶融したエラストマーの熱により、上記
部分4aにおいて、粘着テープ3と電線2の絶縁被覆部
が溶融してしまい、電線2を束ねた状態で維持できなく
なったり、隣接する電線2の導体が接触したりするおそ
れがある。
を使用すると、溶融したエラストマーの熱により、上記
部分4aにおいて、粘着テープ3と電線2の絶縁被覆部
が溶融してしまい、電線2を束ねた状態で維持できなく
なったり、隣接する電線2の導体が接触したりするおそ
れがある。
【0007】また、図11中4b,4cで示す金型6
A,6Bの外側付近の粘着テープ3が上記溶融したエラ
ストマーの熱により剥離してしまい、そこから水分が侵
入し電気的不具合を発生するおそれもある。
A,6Bの外側付近の粘着テープ3が上記溶融したエラ
ストマーの熱により剥離してしまい、そこから水分が侵
入し電気的不具合を発生するおそれもある。
【0008】第2に、図12(A)に示すように、金型
6A,6Bの上記キャビティ5の両側に設けたワイヤハ
ーネス挿通溝7a,7bは、キャビティ5内の樹脂の流
失を防ぐために、ワイヤハーネス4の直径とほぼ等しい
寸法に設定してワイヤハーネス4との間に隙間が生じな
いようにしている。一方、ワイヤハーネス4は、複数の
電線2を粘着テープ3により束ねてなるため、断面が完
全な真円とはなりえず、電線2の曲がりぐせ等により外
径が膨張した部分Xがある。そのため、ワイヤハーネス
4を金型6A,6Bに配置したときに、上記部分Xが上
記ワイヤハーネス挿通溝7aに配置されると、電線2に
金型6A,6Bが食い込んで断線してしまうおそれがあ
る。また、ワイヤハーネス4には、上記電線2の曲がり
ぐせにより、図12(B)に示すように、ワイヤハーネ
ス4の断面が楕円等の非円形となっている部分Yがあ
り、この部分Yがワイヤハーネス挿通溝7bに配置され
ると金型6A,6Bとワイヤハーネス4の間に隙間を生
じ、キャビティ5内から樹脂材料が流出して、グロメッ
トを成形できなくなる場合がある。
6A,6Bの上記キャビティ5の両側に設けたワイヤハ
ーネス挿通溝7a,7bは、キャビティ5内の樹脂の流
失を防ぐために、ワイヤハーネス4の直径とほぼ等しい
寸法に設定してワイヤハーネス4との間に隙間が生じな
いようにしている。一方、ワイヤハーネス4は、複数の
電線2を粘着テープ3により束ねてなるため、断面が完
全な真円とはなりえず、電線2の曲がりぐせ等により外
径が膨張した部分Xがある。そのため、ワイヤハーネス
4を金型6A,6Bに配置したときに、上記部分Xが上
記ワイヤハーネス挿通溝7aに配置されると、電線2に
金型6A,6Bが食い込んで断線してしまうおそれがあ
る。また、ワイヤハーネス4には、上記電線2の曲がり
ぐせにより、図12(B)に示すように、ワイヤハーネ
ス4の断面が楕円等の非円形となっている部分Yがあ
り、この部分Yがワイヤハーネス挿通溝7bに配置され
ると金型6A,6Bとワイヤハーネス4の間に隙間を生
じ、キャビティ5内から樹脂材料が流出して、グロメッ
トを成形できなくなる場合がある。
【0009】第3に、上記金型6A,6Bは樹脂成形時
のバリの発生を防止するために高い寸法精度で製作され
ており、キャビティ5と割り面8が接続する部分に鋭利
なエッジ9が形成されている。よって、ワイヤハーネス
4を金型6A,6Bに配置する際にエッジ9にワイヤハ
ーネス4が当たると、比較的軟質な粘着テープ3及び電
線2の絶縁被覆部が損傷し、導体が露出して電気的不具
合を生じるおそれがある。
のバリの発生を防止するために高い寸法精度で製作され
ており、キャビティ5と割り面8が接続する部分に鋭利
なエッジ9が形成されている。よって、ワイヤハーネス
4を金型6A,6Bに配置する際にエッジ9にワイヤハ
ーネス4が当たると、比較的軟質な粘着テープ3及び電
線2の絶縁被覆部が損傷し、導体が露出して電気的不具
合を生じるおそれがある。
【0010】第4に、上記のように金型6A,6Bのワ
イヤハーネス挿通溝7a,7bは、ワイヤハーネス4の
直径と適合した寸法に設定する必要があるため、ワイヤ
ハーネス4を構成する電線2の本数、粘着テープ3の厚
さ等の相違により、ワイヤハーネス4の直径が異なる場
合には、それに応じた金型を用意する必要があり、コス
トが上昇する。
イヤハーネス挿通溝7a,7bは、ワイヤハーネス4の
直径と適合した寸法に設定する必要があるため、ワイヤ
ハーネス4を構成する電線2の本数、粘着テープ3の厚
さ等の相違により、ワイヤハーネス4の直径が異なる場
合には、それに応じた金型を用意する必要があり、コス
トが上昇する。
【0011】本発明は、上記のようなワイヤハーネスに
一体成形するグロメットにおける問題を解決するために
なされたものであって、ワイヤハーネスに一体成形する
グロメットにおいて、溶融状態の樹脂の熱による粘着テ
ープや電線の被覆部の溶解や粘着テープの剥離の防止、
金型のワイヤハーネス配置用溝部における電線の断線の
防止、金型のエッジでのワイヤハーネスの破損防止、キ
ャビティからの樹脂の流出の防止、及び、一つの金型を
外径の異なるワイヤハーネスにグロメットを形成する際
に共用可能とすることによるコストの低減等を図ること
を目的としてなされたものである。
一体成形するグロメットにおける問題を解決するために
なされたものであって、ワイヤハーネスに一体成形する
グロメットにおいて、溶融状態の樹脂の熱による粘着テ
ープや電線の被覆部の溶解や粘着テープの剥離の防止、
金型のワイヤハーネス配置用溝部における電線の断線の
防止、金型のエッジでのワイヤハーネスの破損防止、キ
ャビティからの樹脂の流出の防止、及び、一つの金型を
外径の異なるワイヤハーネスにグロメットを形成する際
に共用可能とすることによるコストの低減等を図ること
を目的としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、樹脂
成形されるグロメットに、断熱可撓性部材をラップさせ
て外周面に巻き付けたワイヤハーネスがインサートモー
ルドされていることを特徴とするワイヤハーネス一体型
グロメットを提供するものである。
成形されるグロメットに、断熱可撓性部材をラップさせ
て外周面に巻き付けたワイヤハーネスがインサートモー
ルドされていることを特徴とするワイヤハーネス一体型
グロメットを提供するものである。
【0013】上記断熱可撓性部材はシリコンラバー、発
泡EPDM等よりなり、ワイヤハーネスの所定箇所に、
少なくとも一部分をラップさせて多重に巻き付けると共
に、インサートモールドされる金型のワイヤハーネス貫
通溝に外周面が弾性圧接する程度の直径となるように巻
き付けている。さらに、断熱可撓性部材として発泡EP
DMを使用する場合には、外周に耐熱テープを巻き付け
ておくことが好ましい。
泡EPDM等よりなり、ワイヤハーネスの所定箇所に、
少なくとも一部分をラップさせて多重に巻き付けると共
に、インサートモールドされる金型のワイヤハーネス貫
通溝に外周面が弾性圧接する程度の直径となるように巻
き付けている。さらに、断熱可撓性部材として発泡EP
DMを使用する場合には、外周に耐熱テープを巻き付け
ておくことが好ましい。
【0014】上記グロメットの形成材料としては、エラ
ストマー、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロ
ロプレンゴム(CR)等が好ましい。
ストマー、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロ
ロプレンゴム(CR)等が好ましい。
【0015】さらに、本発明は、ワイヤハーネスの所要
箇所の外周面に、断熱可撓性部材をラップさせて巻き付
けた後、上記断熱可撓性部材を巻き付けたワイヤハーネ
スを、グロメット成形用金型のキャビティ内部を貫通さ
せると共に、該キャビティ両側と連続するワイヤハーネ
ス挿通溝に弾性圧接させて貫通配置し、ついで、上記金
型のキャビティ内に樹脂を充填して、上記断熱可撓性部
材の外周面にグロメットを一体成形で形成しているワイ
ヤハーネス一体型グロメットの成形方法を提供するもの
である。
箇所の外周面に、断熱可撓性部材をラップさせて巻き付
けた後、上記断熱可撓性部材を巻き付けたワイヤハーネ
スを、グロメット成形用金型のキャビティ内部を貫通さ
せると共に、該キャビティ両側と連続するワイヤハーネ
ス挿通溝に弾性圧接させて貫通配置し、ついで、上記金
型のキャビティ内に樹脂を充填して、上記断熱可撓性部
材の外周面にグロメットを一体成形で形成しているワイ
ヤハーネス一体型グロメットの成形方法を提供するもの
である。
【0016】上記金型は、成形されるグロメット本体の
形状に対応する形状を有するキャビティと、該キャビテ
ィの両側に連続したワイヤハーネス貫通溝とをそれぞれ
備える一対の金型からなるものである。上記ワイヤハー
ネスの外周面に巻き付ける断熱可撓性部材は、少なくと
も一部分が重って多層構造を呈し、かつ、上記金型を重
ねた状態で上記ワイヤハーネス挿通溝が構成する管部の
直径よりも直径が大きくなるようにワイヤハーネスに巻
き付けている。
形状に対応する形状を有するキャビティと、該キャビテ
ィの両側に連続したワイヤハーネス貫通溝とをそれぞれ
備える一対の金型からなるものである。上記ワイヤハー
ネスの外周面に巻き付ける断熱可撓性部材は、少なくと
も一部分が重って多層構造を呈し、かつ、上記金型を重
ねた状態で上記ワイヤハーネス挿通溝が構成する管部の
直径よりも直径が大きくなるようにワイヤハーネスに巻
き付けている。
【0017】
【作用】上記構成からなる本発明に係るワイヤハーネス
一体型グロメットでは、ワイヤハーネスに断熱可撓性部
材を巻き付けているため、溶融状態の樹脂の熱によりワ
イヤハーネスの粘着テープや電線の絶縁被覆材が溶解し
たり、金型付近の粘着テープが剥離したりすることがな
い。
一体型グロメットでは、ワイヤハーネスに断熱可撓性部
材を巻き付けているため、溶融状態の樹脂の熱によりワ
イヤハーネスの粘着テープや電線の絶縁被覆材が溶解し
たり、金型付近の粘着テープが剥離したりすることがな
い。
【0018】また、本発明では、上記のようにワイヤハ
ーネスに断熱可撓性部材を巻き付けているため、ワイヤ
ハーネスを金型に配置する際に金型のエッジ部で、ワイ
ヤハーネスが損傷することがない。さらに、金型のワイ
ヤハーネス挿通溝に上記断熱可撓性部材が弾性的に圧縮
されて密着するため、ワイヤハーネスとワイヤハーネス
挿通溝の間に隙間を生じることがなく、また、ワイヤハ
ーネス挿通溝にワイヤハーネスが食い込んで断線するこ
とがない。
ーネスに断熱可撓性部材を巻き付けているため、ワイヤ
ハーネスを金型に配置する際に金型のエッジ部で、ワイ
ヤハーネスが損傷することがない。さらに、金型のワイ
ヤハーネス挿通溝に上記断熱可撓性部材が弾性的に圧縮
されて密着するため、ワイヤハーネスとワイヤハーネス
挿通溝の間に隙間を生じることがなく、また、ワイヤハ
ーネス挿通溝にワイヤハーネスが食い込んで断線するこ
とがない。
【0019】さらにまた、本発明では、直径の大きいワ
イヤハーネスの場合には、断熱可撓性部材の巻数を少な
く設定し、直径の小さいワイヤハーネスの場合には、断
熱可撓性部材の巻数を大きく設定して断熱可撓性部材を
巻き付けた部分の直径を一定とすることにより、直径の
異なるワイヤハーネスに対して一つの金型を共用するこ
とができる。
イヤハーネスの場合には、断熱可撓性部材の巻数を少な
く設定し、直径の小さいワイヤハーネスの場合には、断
熱可撓性部材の巻数を大きく設定して断熱可撓性部材を
巻き付けた部分の直径を一定とすることにより、直径の
異なるワイヤハーネスに対して一つの金型を共用するこ
とができる。
【0020】
【実施例】次に、図面に示す実施例に基づいて、本発明
について詳細に説明する。図1及び図2に示すように、
ワイヤハーネス4に、シート状の断熱可撓性部材11を
巻き付けて固定し、この断熱可撓性部材11を固定した
部分に樹脂製のグロメット12を一体に成形している。
について詳細に説明する。図1及び図2に示すように、
ワイヤハーネス4に、シート状の断熱可撓性部材11を
巻き付けて固定し、この断熱可撓性部材11を固定した
部分に樹脂製のグロメット12を一体に成形している。
【0021】上記断熱可撓性部材11は、図3に示すよ
うに、一方側の面に粘着層11aを設けたシリコンラバ
ーからなるシート状部材であって、熱を遮断する性質を
有すると共に、可撓性、弾性に富んでいる。本実施例で
は、上記粘着層11aは、ゴム系粘着材からなり、厚さ
を200〜300μmに設定している。なお、粘着層1
1aはゴム系粘着材に限定されず、ある程度の耐熱性を
有すると共に、熱による物性変化の少ないものであれば
よい。
うに、一方側の面に粘着層11aを設けたシリコンラバ
ーからなるシート状部材であって、熱を遮断する性質を
有すると共に、可撓性、弾性に富んでいる。本実施例で
は、上記粘着層11aは、ゴム系粘着材からなり、厚さ
を200〜300μmに設定している。なお、粘着層1
1aはゴム系粘着材に限定されず、ある程度の耐熱性を
有すると共に、熱による物性変化の少ないものであれば
よい。
【0022】上記断熱可撓性部材11は、上記粘着層1
1aが内側になるように粘着テープ3の上からワイヤハ
ーネス4の外周に巻き付けている。また、ワイヤハーネ
ス4の外周部に巻き付けた断熱可撓性部材11の両端部
には、固定及び防水用の粘着テープ13を巻き付けてお
り、断熱可撓性部材11のワイヤハーネス4に対する位
置が動かないように固定保持すると共に、断熱可撓性部
材11とワイヤハーネス4の粘着テープ3との間から水
分が侵入するのを防止している。なお、上記粘着テープ
13の代わりに、締め付け用バンド(タイバンド)によ
り、断熱可撓性部材11の両端部をワイヤハーネス4に
固定してもよい。
1aが内側になるように粘着テープ3の上からワイヤハ
ーネス4の外周に巻き付けている。また、ワイヤハーネ
ス4の外周部に巻き付けた断熱可撓性部材11の両端部
には、固定及び防水用の粘着テープ13を巻き付けてお
り、断熱可撓性部材11のワイヤハーネス4に対する位
置が動かないように固定保持すると共に、断熱可撓性部
材11とワイヤハーネス4の粘着テープ3との間から水
分が侵入するのを防止している。なお、上記粘着テープ
13の代わりに、締め付け用バンド(タイバンド)によ
り、断熱可撓性部材11の両端部をワイヤハーネス4に
固定してもよい。
【0023】本実施例では、断熱可撓性部材11の厚さ
tは4mmに設定している。また、断熱可撓性部材11の
長さLは、ワイヤハーネス4に対して1回半巻き付ける
ことができるように設定している。よって、ワイヤハー
ネス4に巻き付けた断熱可撓性部材11は、ワイヤハー
ネス4の外周に一周にわたる一層構造11bと、この一
層構造11bの外側にほぼ半周にわたって重なって多層
構造を形成するラップ部11cとを有する。さらに、断
熱可撓性部材11の幅Wは、後述するように金型16
A,16Bに配置したときに、両端部が金型16A,1
6Bから外部突出するように設定している。
tは4mmに設定している。また、断熱可撓性部材11の
長さLは、ワイヤハーネス4に対して1回半巻き付ける
ことができるように設定している。よって、ワイヤハー
ネス4に巻き付けた断熱可撓性部材11は、ワイヤハー
ネス4の外周に一周にわたる一層構造11bと、この一
層構造11bの外側にほぼ半周にわたって重なって多層
構造を形成するラップ部11cとを有する。さらに、断
熱可撓性部材11の幅Wは、後述するように金型16
A,16Bに配置したときに、両端部が金型16A,1
6Bから外部突出するように設定している。
【0024】上記グロメット12は、エラストマーから
なり、後述するように金型16A,16Bにより一体成
形してなる。また、グロメット12は、嵌合溝12aを
備えており、この嵌合溝12aを車両の車体パネル等の
壁部15に設けた通孔15aに嵌合することにより、ワ
イヤハーネス4を通孔15aに挿通した状態で保持す
る。
なり、後述するように金型16A,16Bにより一体成
形してなる。また、グロメット12は、嵌合溝12aを
備えており、この嵌合溝12aを車両の車体パネル等の
壁部15に設けた通孔15aに嵌合することにより、ワ
イヤハーネス4を通孔15aに挿通した状態で保持す
る。
【0025】次に、上記本実施例に係るワイヤハーネス
一体型グロメットの成形方法について説明する。まず、
図4(A)に示すように、ワイヤハーネス4の所定の位
置に断熱可撓性部材11を、粘着層11aを内側にして
1回半だけ巻き付ける。次に、巻き付けた断熱可撓性部
材11の両端部にそれぞれ粘着テープ13を巻き付けて
ワイヤハーネス4に固定する。本実施例では、ワイヤハ
ーネス4の直径(ハーネス直径D1)は25mmであっ
て、上記厚さtが4mmの断熱可撓性部材11を1回半巻
き付けているため、ワイヤハーネス4の断熱可撓性部材
を巻き付けた部分の直径(グロメット成形部直径D2)
は37mmとなる。
一体型グロメットの成形方法について説明する。まず、
図4(A)に示すように、ワイヤハーネス4の所定の位
置に断熱可撓性部材11を、粘着層11aを内側にして
1回半だけ巻き付ける。次に、巻き付けた断熱可撓性部
材11の両端部にそれぞれ粘着テープ13を巻き付けて
ワイヤハーネス4に固定する。本実施例では、ワイヤハ
ーネス4の直径(ハーネス直径D1)は25mmであっ
て、上記厚さtが4mmの断熱可撓性部材11を1回半巻
き付けているため、ワイヤハーネス4の断熱可撓性部材
を巻き付けた部分の直径(グロメット成形部直径D2)
は37mmとなる。
【0026】次に、図5に示すように、上記断熱可撓性
部材11を巻き付けたワイヤハーネス4を、一対の金型
16A,16Bのうちの一方の金型16Bに配置する。
上記金型16A,16Bは、それぞれ成形するグロメッ
ト本体12の形状に対応する形状のキャビティ17を設
け、このキャビティ17の両側に断面半円形状のワイヤ
ハーネス挿通溝18a,18bを設けている。このワイ
ヤハーネス挿通溝18a,18bの寸法は、割り面19
で2つの金型16A,16Bを重ね合わせた状態(図7
に示す。)で直径D3が32mmの管部が形成されるよう
に設定している。また、他方の金型16Aには、外部か
らキャビティ17まで連続する樹脂注入孔19aを設け
ている。
部材11を巻き付けたワイヤハーネス4を、一対の金型
16A,16Bのうちの一方の金型16Bに配置する。
上記金型16A,16Bは、それぞれ成形するグロメッ
ト本体12の形状に対応する形状のキャビティ17を設
け、このキャビティ17の両側に断面半円形状のワイヤ
ハーネス挿通溝18a,18bを設けている。このワイ
ヤハーネス挿通溝18a,18bの寸法は、割り面19
で2つの金型16A,16Bを重ね合わせた状態(図7
に示す。)で直径D3が32mmの管部が形成されるよう
に設定している。また、他方の金型16Aには、外部か
らキャビティ17まで連続する樹脂注入孔19aを設け
ている。
【0027】ワイヤハーネス4は、断熱可撓性部材11
の両端部が金型16A,16Bの外側に位置するように
配置する。このとき、作業者が誤ってキャビティ17と
割り面19の接合部に形成されたエッジ20に断熱可撓
性部材11を当接させてしまっても、ワイヤハーネス4
の粘着テープ3や電線2は、断熱可撓性部材11により
保護されているため損傷することがない。
の両端部が金型16A,16Bの外側に位置するように
配置する。このとき、作業者が誤ってキャビティ17と
割り面19の接合部に形成されたエッジ20に断熱可撓
性部材11を当接させてしまっても、ワイヤハーネス4
の粘着テープ3や電線2は、断熱可撓性部材11により
保護されているため損傷することがない。
【0028】次に、図6及び図7に示すように、上記ワ
イヤハーネス4を配置した金型6Bと他方の金型6Aを
割り面19で重ねる。このとき、上記グロメット成形部
直径D2が37mmであるのに対して、上記ワイヤハーネ
ス配置用溝部18a,18bが形成する管部の直径D3
は32mmであり、グロメット成形部直径の方が5mm大き
い。よって、弾性を有するシリコンラバー製の断熱可撓
性部材11は、両方の金型16A,16Bのワイヤハー
ネス挿通溝18a,18bに挟まれて弾性的に圧縮さ
れ、ワイヤハーネス挿通溝18a,18bに密着する。
イヤハーネス4を配置した金型6Bと他方の金型6Aを
割り面19で重ねる。このとき、上記グロメット成形部
直径D2が37mmであるのに対して、上記ワイヤハーネ
ス配置用溝部18a,18bが形成する管部の直径D3
は32mmであり、グロメット成形部直径の方が5mm大き
い。よって、弾性を有するシリコンラバー製の断熱可撓
性部材11は、両方の金型16A,16Bのワイヤハー
ネス挿通溝18a,18bに挟まれて弾性的に圧縮さ
れ、ワイヤハーネス挿通溝18a,18bに密着する。
【0029】次に、上記樹脂注入口に成形機のノズル
(図示せず)を接続し、溶融したエラストマー(約19
0℃)をキャビティ17内に注入する。なお、金型16
A,16Bの温度は40℃に保持する。
(図示せず)を接続し、溶融したエラストマー(約19
0℃)をキャビティ17内に注入する。なお、金型16
A,16Bの温度は40℃に保持する。
【0030】このとき、キャビティ17内のワイヤハー
ネス4の外周には、断熱可撓性部材11を巻き付けてい
るため、上記溶融したエラストマーの熱によるワイヤハ
ーネス4の粘着テープ3や電線2の絶縁被覆部材2aの
温度の上昇は著しく低減される。
ネス4の外周には、断熱可撓性部材11を巻き付けてい
るため、上記溶融したエラストマーの熱によるワイヤハ
ーネス4の粘着テープ3や電線2の絶縁被覆部材2aの
温度の上昇は著しく低減される。
【0031】例えば、本実施例のようにワイヤハーネス
4の外周に厚さ4mmのエラストマーからなる断熱保持部
材11を1回半巻き付けた場合、上記溶融したエラスト
マーを5秒〜10秒程度キャビティ7内に噴射し、その
後8秒〜16秒程度冷却したとすると、ワイヤハーネス
4の温度は最高で50℃程度にしか上昇しない。
4の外周に厚さ4mmのエラストマーからなる断熱保持部
材11を1回半巻き付けた場合、上記溶融したエラスト
マーを5秒〜10秒程度キャビティ7内に噴射し、その
後8秒〜16秒程度冷却したとすると、ワイヤハーネス
4の温度は最高で50℃程度にしか上昇しない。
【0032】よって、本実施例では、溶融したエラスト
マの熱により、ワイヤハーネス4のテープ3や電線2の
絶縁被覆部2aが溶融することがなく、電線2の導体2
bが露出することはない。
マの熱により、ワイヤハーネス4のテープ3や電線2の
絶縁被覆部2aが溶融することがなく、電線2の導体2
bが露出することはない。
【0033】また、上記のように金型16A,16Bの
ワイヤハーネス挿通溝18a,18bには、断熱可撓性
部材11が弾性的に圧縮されて密着しているため、ワイ
ヤハーネス挿通溝18a,18bに隙間が生じることが
ない。よって、キャビティ17内に注入した溶融状態の
エラストマが漏れ出すことがなく、確実に所望の形状の
グロメットを成形することができる。
ワイヤハーネス挿通溝18a,18bには、断熱可撓性
部材11が弾性的に圧縮されて密着しているため、ワイ
ヤハーネス挿通溝18a,18bに隙間が生じることが
ない。よって、キャビティ17内に注入した溶融状態の
エラストマが漏れ出すことがなく、確実に所望の形状の
グロメットを成形することができる。
【0034】上記金型16A,16Bは、上記のように
ハーネス直径D1が25mmの場合に限らず、断熱可撓性
部材11の巻数調整することにより、ハーネス直径D1
が異なる場合にも共用することができる。すなわち、ハ
ーネス直径D1が大きい場合は、断熱可撓性部材11の
巻数を少なくする一方、ハーネス直径D1が小さい場合
には、断熱可撓性部材11の巻数を大きくすることによ
り、グロメット成形部直径D2を一定とすれば、異なる
直径のワイヤハーネス4に対して一つの金型を共用する
ことができる。この場合、グロメット成形部直径D2を
上記ワイヤハーネス挿通溝18a,18bの形成する管
部の直径D3よりもを1〜5mm程度に設定すれば、断熱
可撓性部材11が確実にワイヤハーネス挿通溝18a,
18bに密着し、キャビティ17から樹脂が流出するの
を防止することができる。
ハーネス直径D1が25mmの場合に限らず、断熱可撓性
部材11の巻数調整することにより、ハーネス直径D1
が異なる場合にも共用することができる。すなわち、ハ
ーネス直径D1が大きい場合は、断熱可撓性部材11の
巻数を少なくする一方、ハーネス直径D1が小さい場合
には、断熱可撓性部材11の巻数を大きくすることによ
り、グロメット成形部直径D2を一定とすれば、異なる
直径のワイヤハーネス4に対して一つの金型を共用する
ことができる。この場合、グロメット成形部直径D2を
上記ワイヤハーネス挿通溝18a,18bの形成する管
部の直径D3よりもを1〜5mm程度に設定すれば、断熱
可撓性部材11が確実にワイヤハーネス挿通溝18a,
18bに密着し、キャビティ17から樹脂が流出するの
を防止することができる。
【0035】例えば、図8(A)に示すように、ワイヤ
ハーネス4の直径D1が20mmの場合には、厚さtが4
mmの断熱可撓性部材11を約2周巻き付けて、グロメッ
ト成形部直径D3を36mmと設定する。また、図8
(B)に示すように、ワイヤハーネス4の直径D1が1
5mmの場合は、厚さtが5mmの断熱可撓性部材11を2
回半巻き付けてグロメット成形部直径を35mmに設定す
る。
ハーネス4の直径D1が20mmの場合には、厚さtが4
mmの断熱可撓性部材11を約2周巻き付けて、グロメッ
ト成形部直径D3を36mmと設定する。また、図8
(B)に示すように、ワイヤハーネス4の直径D1が1
5mmの場合は、厚さtが5mmの断熱可撓性部材11を2
回半巻き付けてグロメット成形部直径を35mmに設定す
る。
【0036】なお、ラップ部11cはワイヤハーネス4
の半周にわたって設ける必要は必ずしもなく、断熱可撓
性部材11に囲まれたワイヤハーネス4のシール性、防
水性を確保できるように少なくとも一部分で断熱可撓性
部材11が重って多層構造を呈するようにすればよい。
の半周にわたって設ける必要は必ずしもなく、断熱可撓
性部材11に囲まれたワイヤハーネス4のシール性、防
水性を確保できるように少なくとも一部分で断熱可撓性
部材11が重って多層構造を呈するようにすればよい。
【0037】図9及び図10は、本発明の第2実施例を
示している。この第2実施例では、断熱可撓性部材1
1’として、一方側の面に粘着層を設けた厚さ7mm程度
の発泡EPDMのシート状部材を使用している。また、
ワイヤハーネス4に巻き付けて断熱可撓性部材11’の
外周には、長さ方向全体に耐熱テープ23を巻き付けて
おり、この耐熱テープ23をさらにワイヤハーネス4の
外周にも巻き付けて、断熱可撓性部材11’をワイヤハ
ーネス4に固定している。
示している。この第2実施例では、断熱可撓性部材1
1’として、一方側の面に粘着層を設けた厚さ7mm程度
の発泡EPDMのシート状部材を使用している。また、
ワイヤハーネス4に巻き付けて断熱可撓性部材11’の
外周には、長さ方向全体に耐熱テープ23を巻き付けて
おり、この耐熱テープ23をさらにワイヤハーネス4の
外周にも巻き付けて、断熱可撓性部材11’をワイヤハ
ーネス4に固定している。
【0038】この第2実施例では、ワイヤハーネス4の
外周面に可撓性断熱部材11’及び耐熱テープ23を巻
き付けているため、溶融状態の樹脂の熱によりワイヤハ
ーネス4の粘着テープ3や電線の絶縁性被覆部の溶解を
防止でき、また、金型のエッジ9でのワイヤハーネス4
の破損を防止することができる。第2実施例のその構成
及び成形方法は、第1実施例と同様であるので、同一部
材には同一符号を付して説明を省略する。
外周面に可撓性断熱部材11’及び耐熱テープ23を巻
き付けているため、溶融状態の樹脂の熱によりワイヤハ
ーネス4の粘着テープ3や電線の絶縁性被覆部の溶解を
防止でき、また、金型のエッジ9でのワイヤハーネス4
の破損を防止することができる。第2実施例のその構成
及び成形方法は、第1実施例と同様であるので、同一部
材には同一符号を付して説明を省略する。
【0039】本発明は、上記実施例に限定されず、種々
の変形が可能である。まず、耐熱可撓性部材は、上記シ
リコンラバー、発泡EPDMに限定されず、溶融した樹
脂材料が発生する熱から粘着テープや電線の絶縁被覆部
を保護することができ、かつ、金型のワイヤハーネス挿
通溝と密着するような弾性を有するものであればよい。
の変形が可能である。まず、耐熱可撓性部材は、上記シ
リコンラバー、発泡EPDMに限定されず、溶融した樹
脂材料が発生する熱から粘着テープや電線の絶縁被覆部
を保護することができ、かつ、金型のワイヤハーネス挿
通溝と密着するような弾性を有するものであればよい。
【0040】また、上記グロメットを構成する樹脂材料
も上記エラストマーに限定されるものではなく、EPD
M、CR等の種々の材料を選定することができる。
も上記エラストマーに限定されるものではなく、EPD
M、CR等の種々の材料を選定することができる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るワイヤハーネス一体型グロメットでは、ワイヤハ
ーネスの外周面に、少なくとも一部分が多層構造を呈す
るように断熱可撓性部材を巻き付けているため、樹脂充
填時に溶融状態の樹脂の熱によるキャビティ内の粘着テ
ープや電線の絶縁性被覆部の溶解を防止することがで
き、電線の導体部が露出することによる電気的不具合の
発生を防止することができる。また、上記溶融状態の樹
脂の熱による金型付近の粘着テープの剥離を防止するこ
とができる。
に係るワイヤハーネス一体型グロメットでは、ワイヤハ
ーネスの外周面に、少なくとも一部分が多層構造を呈す
るように断熱可撓性部材を巻き付けているため、樹脂充
填時に溶融状態の樹脂の熱によるキャビティ内の粘着テ
ープや電線の絶縁性被覆部の溶解を防止することがで
き、電線の導体部が露出することによる電気的不具合の
発生を防止することができる。また、上記溶融状態の樹
脂の熱による金型付近の粘着テープの剥離を防止するこ
とができる。
【0042】また、上記のようにワイヤハーネスに断熱
可撓性部材を巻き付けることにより、ワイヤハーネスを
金型に配置する際に金型のエッジでワイヤハーネスが破
損するのを防止することができる。
可撓性部材を巻き付けることにより、ワイヤハーネスを
金型に配置する際に金型のエッジでワイヤハーネスが破
損するのを防止することができる。
【0043】さらに、ワイヤハーネスの上記断熱可撓性
部材を巻き付けた部分の直径は、金型のワイヤハーネス
挿通溝が形成する管部の直径より大きく設定しているた
め、金型を重ね合わせるとワイヤハーネス挿通溝に上記
断熱可撓性部材が弾性的に圧縮されて密着し、樹脂充填
時にキャビティ内から溶融した樹脂が流出するのを防止
することができると共に、ワイヤハーネス挿通溝にワイ
ヤハーネスが食い込んで損傷するのを防止することがで
きる。
部材を巻き付けた部分の直径は、金型のワイヤハーネス
挿通溝が形成する管部の直径より大きく設定しているた
め、金型を重ね合わせるとワイヤハーネス挿通溝に上記
断熱可撓性部材が弾性的に圧縮されて密着し、樹脂充填
時にキャビティ内から溶融した樹脂が流出するのを防止
することができると共に、ワイヤハーネス挿通溝にワイ
ヤハーネスが食い込んで損傷するのを防止することがで
きる。
【0044】さらにまた、本発明では、直径の大きいワ
イヤハーネスに対して断熱可撓性部材の巻数を小さく設
定する一方、直径の大きいワイヤハーネスに対しては巻
数を大きく設定すれば、ワイヤハーネスの断熱可撓性部
材を巻き付けた部分の直径を一定とできるため、一つの
金型を直径の異なるワイヤハーネスにグロメットを形成
する際に共用することができ、コストの低減を図ること
ができる等の種々の利点を有する。
イヤハーネスに対して断熱可撓性部材の巻数を小さく設
定する一方、直径の大きいワイヤハーネスに対しては巻
数を大きく設定すれば、ワイヤハーネスの断熱可撓性部
材を巻き付けた部分の直径を一定とできるため、一つの
金型を直径の異なるワイヤハーネスにグロメットを形成
する際に共用することができ、コストの低減を図ること
ができる等の種々の利点を有する。
【図1】 本発明に係るワイヤハーネス一体型グロメッ
トを示す概略斜視図である。
トを示す概略斜視図である。
【図2】 図1のII−II線での断面図である。
【図3】 断熱可撓性部材を示す概略斜視図である。
【図4】 (A)はワイヤハーネスに断熱可撓性部材を
巻き付けた状態を示す概略図、(B)は断熱可撓性部材
の両端部に粘着テープを巻き付けた状態を示す概略図で
ある。
巻き付けた状態を示す概略図、(B)は断熱可撓性部材
の両端部に粘着テープを巻き付けた状態を示す概略図で
ある。
【図5】 ワイヤハーネスを金型に配置する作業を示す
概略図である。
概略図である。
【図6】 金型にワイヤハーネスを配置した状態を示す
概略断面図である。
概略断面図である。
【図7】 図6のVII−VII線での部分断面図であ
る。
る。
【図8】 (A),(B)はワイヤハーネスを断熱可撓
性部材の巻数を変更した例を示す概略図である。
性部材の巻数を変更した例を示す概略図である。
【図9】 本発明の第2実施例を示す概略斜視図であ
る。
る。
【図10】 図9のX−X線での断面図である。
【図11】 従来のグロメットを示す概略断面図であ
る。
る。
【図12】 (A)は従来のグロメットの問題点を説明
するための概略斜視図、(B)は(A)のB−B線での
断面図である。
するための概略斜視図、(B)は(A)のB−B線での
断面図である。
2 電線 3,13 粘着テープ 4 ワイヤハーネス 5,17 キャビティ 6,16 金型 11,11’ 断熱可撓性部材 12 グロメット 23 耐熱テープ
Claims (2)
- 【請求項1】 樹脂成形されるグロメットに、断熱可撓
性部材をラップさせて外周面に巻き付けたワイヤハーネ
スがインサートモールドされていることを特徴とするワ
イヤハーネス一体型グロメット。 - 【請求項2】 ワイヤハーネスの所要箇所の外周面に、
断熱可撓性部材をラップさせて巻き付けた後、 上記断熱可撓性部材を巻き付けたワイヤハーネスを、グ
ロメット成形用金型のキャビティ内部を貫通させると共
に、該キャビティ両側と連続するワイヤハーネス挿通溝
に弾性圧接させて貫通配置し、 ついで、上記金型のキャビティ内に樹脂を充填して、上
記断熱可撓性部材の外周面にグロメットを一体成形で形
成しているワイヤハーネス一体型グロメットの成形方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5170245A JP3022064B2 (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | ワイヤハーネス一体型グロメット及びその成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5170245A JP3022064B2 (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | ワイヤハーネス一体型グロメット及びその成形方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0729439A true JPH0729439A (ja) | 1995-01-31 |
JP3022064B2 JP3022064B2 (ja) | 2000-03-15 |
Family
ID=15901368
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5170245A Expired - Fee Related JP3022064B2 (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | ワイヤハーネス一体型グロメット及びその成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3022064B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0731000A2 (en) * | 1995-03-09 | 1996-09-11 | Inoac Corporation | Grommet |
JP2005332607A (ja) * | 2004-05-18 | 2005-12-02 | Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk | グロメット一体型モールドハーネス及びその製造方法並びにこのグロメット一体型モールドハーネス搭載の自動車 |
JP2011018516A (ja) * | 2009-07-08 | 2011-01-27 | Yazaki Corp | グロメット組立体およびグロメット組立体の製造方法 |
WO2014030703A1 (ja) | 2012-08-22 | 2014-02-27 | 矢崎総業株式会社 | ワイヤーハーネス |
-
1993
- 1993-07-09 JP JP5170245A patent/JP3022064B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0731000A2 (en) * | 1995-03-09 | 1996-09-11 | Inoac Corporation | Grommet |
EP0731000A3 (en) * | 1995-03-09 | 1999-03-31 | Inoac Corporation | Grommet |
JP2005332607A (ja) * | 2004-05-18 | 2005-12-02 | Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk | グロメット一体型モールドハーネス及びその製造方法並びにこのグロメット一体型モールドハーネス搭載の自動車 |
JP2011018516A (ja) * | 2009-07-08 | 2011-01-27 | Yazaki Corp | グロメット組立体およびグロメット組立体の製造方法 |
WO2014030703A1 (ja) | 2012-08-22 | 2014-02-27 | 矢崎総業株式会社 | ワイヤーハーネス |
JP2014042405A (ja) * | 2012-08-22 | 2014-03-06 | Yazaki Corp | ワイヤーハーネス |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3022064B2 (ja) | 2000-03-15 |
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