JPH07293221A - Anc消音器の排ガス温度制御兼非常しゃ断装置 - Google Patents

Anc消音器の排ガス温度制御兼非常しゃ断装置

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JPH07293221A
JPH07293221A JP6081787A JP8178794A JPH07293221A JP H07293221 A JPH07293221 A JP H07293221A JP 6081787 A JP6081787 A JP 6081787A JP 8178794 A JP8178794 A JP 8178794A JP H07293221 A JPH07293221 A JP H07293221A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ANC消音器の排ガス温度を制御し、非常時
のしゃ断装置に関するもので冷却空気吸入口の面積を調
整可能とし、かつ非常時には全閉可能とする。 【構成】 排気ガス13は排気管(入口)4より流入
し、(出口)5より排出され、排気管(入口)4の下部
周囲に形成のエゼクタ部15より冷却空気14を導き、
スピーカボックス1内のスピーカ2を冷却し、保護す
る。排気管(入口)4には滑りリング10が上下移動し
て冷却空気14の通路入口部面積を調整可能に配置され
ている。コントローラ7は温度センサ6からの排ガス温
度の信号を入力し、圧縮空気供給源16の空気量を制御
し、エアシリンダ11を作動させくさび10aを12上
で摺動させ、滑りリング10を回転させることにより上
下に移動させ、冷却空気通路の入口部面積を調整するの
で、過冷却時には排ガスの温度を上昇し低温腐食を防止
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエゼクタ方式のANC
(アクティブノイズコントロール)消音器の空気吸入口
に適用されるANC消音器の排ガス温度制御兼非常しゃ
断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ANC消音器はエンジン、等の排気音を
検出し、制御用スピーカでこの検出した音を打消すよう
に制御して制御用スピーカの音で消音するものである。
このような消音装置はエゼクタにより周囲の冷却空気を
吸入し、制御用スピーカが排ガスの温度により作動不良
となるのを防止している。このようなANC消音装置に
ついては、本出願人は既に特願平5−302186号で
出願済であるが、かかるANC消音装置のエゼクタで吸
入する冷却空気量を制御し、排ガスの温度を制御してス
ピーカを保護すると共に過冷却を防止するような技術は
今のところ実現していない。従って、図5に前記出願中
の代表的な消音装置について説明する。
【0003】図において、21は入口排気管、23は出
口排気管、31は隔壁32により排気管21,23の外
側に区画形成されたスピーカ室で、このスピーカ室31
内には制御用スピーカ33が円周方向に等間隔を隔てて
複数個(2個〜8個程度)収納されている。29は入口
排気管21とスピーカ室31との間に形成された冷却流
体管路である。上記入口排気管21の端部を絞ることに
よって角度θのコーン状絞り部22が形成され、上記冷
却流体管路29の出口部と上記絞り部22とによって絞
り部22から流出する排気ガスの流速により冷却流体管
路29から冷却流体を吸引するエゼクタ部27が構成さ
れている。
【0004】上記エゼクタ部27の下流部、即ち、冷却
流体管路29の外壁25の出口端部と上記出口排気管2
3の入口部との間には多数の透孔が穿設された多孔板、
多孔質材料等、音波が通過可能な材料からなる音響透過
壁24が設けられ、上記スピーカ室31と排気ガス通路
30とは音響透過壁24を介して連通されるようになっ
ている。なお、絞り部22から流出する排気ガス流が音
響透過壁24に衝突しないようにするため、絞り部22
の角度θは少なくとも5°以上にするのが好ましい。2
6はスピーカ室31内の制御用スピーカ33の前面に設
置された制御用マイクロホンである。
【0005】上記のように構成された消音装置におい
て、エンジン等から排出された排気ガスは入口排気管2
1内を通って絞り部22にて加速され、出口排気管23
を流過して外部に放出される。この際、絞り部22とそ
の出口部の外周に形成された環状の冷却流体通路29と
で構成されるエゼクタ27の作用により、外部の冷却流
体、即ち、外気が冷却流体通路29を通って排気ガス通
路30へ吸引され、音響透過壁24の内周に沿って流れ
る。
【0006】これにより音響透過壁24の内周面に沿っ
て冷却流体のエアカーテンが形成され、排気ガスのスピ
ーカ室内31への侵入が阻止される。また、冷却流体管
路29を通過する冷却流体は隔壁25及び音響透過壁2
4を介してスピーカ室31内を冷却し、制御用スピーカ
33や制御用マイクロホン26の過熱を防止する。又、
上記音響透過壁24を音波は通過しうるので、制御用ス
ピーカ33は消音作用をなすことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のような消音装置
は消音を妨げることなく、制御用スピーカ室への排ガス
の侵入を防止すると共にスピーカの過熱を防止し、耐久
性を向上する効果があるものである。しかし、このよう
なエゼクタ方式の空冷を行う消音器をディーゼル機関に
適用する場合には、エゼクタにより過冷却が起ると、排
気温度が低下し、排ガス中のイオウ成分が凝縮して排気
管の低温腐食を誘発することがあるので何んらかの対策
を講じておくことが好ましい。現在のところ、このよう
な技術はなく、かかる対策の実現が望まれていた。
【0008】また、ディーゼル機関、等に適用した場合
には、火災の発生時にディーゼル機関を停止してもエゼ
クタ間隙部より、火災の煙が室外へ排出され、煙突効果
をもたらすため、非常しゃ断装置としての機能も必要と
なる。
【0009】本発明はこのような課題を解決し、前述の
消音装置の機能をより高めるために、排気管に制御用ス
ピーカを設けたANC消音器における排気管周囲の冷却
流体通路、即ち、冷却空気通路の入口部の面積を調整可
能とし、火災発生時には全閉できるような構成とし、排
気管の過冷却を防止し、又、非常時にはしゃ断装置とし
ての機能を有するANC消音器の排気ガス温度制御兼非
常しゃ断装置を提供することを目的としてなされたもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は、A
NC消音器の排気管の周囲で冷却空気通路の入口部の面
積を調整し、開閉可能とする滑りリングを設け、このリ
ングを駆動する駆動装置を制御装置で制御する。排気管
には温度センサを取付け、制御装置はこの温度センサの
信号を入力し、検知した排ガスの温度に応じて駆動装置
を制御し、滑りリングを上下に移動して冷却空気通路の
入口部面積を調整する構成とする。
【0011】即ち、本発明は、排気管の入口部外周より
外部から冷却空気を導入する冷却空気通路を設けると共
に同冷却空気通路の外周に消音用の制御用スピーカを設
置したスピーカ室を設けてなるANC消音装置におい
て、前記排気管の入口部で同排気管の周囲に摺動して上
下移動可能で前記冷却空気通路の入口部の開口部面積を
調整及び開閉可能とする滑りリングと、同滑りリングを
駆動する駆動装置と、前記排気管に取付けられて排気ガ
スの温度を検知する温度センサと、同温度センサからの
信号を入力し、前記排気ガスの温度に応じて前記駆動装
置の駆動を制御する制御装置を具備してなり、前記排気
管中の排気温度の調整及び非常時の前記冷却通路のしゃ
断を可能としたことを特徴とするANC消音器の排ガス
温度制御兼非常しゃ断装置を提供する。
【0012】
【作用】本発明はこのような手段であるので、冷却空気
が冷却用空気通路より流入し、制御用スピーカを設置し
たスピーカ室の周囲にエアカーテンを形成せしめ、排ガ
スの侵入を防止し、スピーカ室を冷却するため、制御用
スピーカが高温の排気ガスで温度上昇して作動不良とな
るのが防止される。更に、排ガスの温度は温度センサで
検知され、制御装置に入力され、制御装置はこの温度に
応じて適度な冷却空気通路の開口面積となるように駆動
装置を制御して滑りリングを排気管外周で上下に移動さ
せて冷却空気の吸入面積を調整し、排ガスの温度を制御
する。特に、この冷却空気が多く、過冷却となると、排
ガスの温度が低下しすぎて排ガス中のイオウ分が凝縮し
て排気管内壁面に付着して排気管の低温腐食を誘発する
恐れがあるのでこのような際には滑りリングを移動させ
て冷却通路の入口部面積を大きくし、冷却空気量を増加
させ、制御用スピーカが作動不良とならぬ程度の冷却温
度とし、排ガスの温度を上昇するように制御する。
【0013】又、非常時には冷却空気通路より火災の
煙、等が室外へ排出され、煙突効果をもたらすので滑り
リングを上昇させて冷却空気通路入口部を全閉として非
常しゃ断装置として作動することができる。このような
制御は制御装置で自動的にしゃ断するように作動させて
も良く、又、手動で作動させても良い。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。図1は本発明の一実施例に係るANC消
音器の排ガス温度制御兼非常しゃ断装置の全体構成図、
図2は図1における温度センサ取付部の拡大図、図3は
同じく滑りリングの一部拡大断面図である。
【0015】これらの図において、4は排気ガス13が
流れるノズル3を有する排気管(入口)、5は排気管
(出口)で周囲を壁16で囲い冷却空気14の通路を形
成すると共にエゼクタ部15を構成している。排気管
(入口)4の周囲にはスピーカボックス1を壁1aで形
成し、壁16で形成する冷却空気のエゼクタ部15とは
音響透過壁20aが設けられ、排気管(出口)5と連通
している。この音響透過壁20は多数の透孔が穿設され
た多孔板、多孔質材料、等からなり、音波が通過可能と
している。スピーカ室1内には制御用スピーカ2が円周
方向に等間隔を隔てて複数個取付けられている。
【0016】このような消音装置は、後述する本発明の
特徴部分を除き、図5で説明した消音装置と基本的に同
じであるので詳しい構成の説明は省略するが、要約して
説明すると、エンジン、等から排出された排気ガス13
は排気管(入口)4を通ってノズル3で絞られて加速さ
れ、排気管(出口)5に導かれ、流過して外部に放出さ
れる。
【0017】この際、エゼクタ部15により外部の冷却
流体、即ち、冷却空気14が通路を通って排ガス通路に
流入し、音響透過壁20の内周に沿って流れ、冷却空気
のエアカーテンを形成し、排ガス13のスピーカ室1へ
の侵入を防止する。又、この冷却空気14は壁16及び
音響透過壁20を介してスピーカ室1内を冷却し、制御
用スピーカ2の過熱を防止すると共に音波は音響透過壁
20を通過して消音作用をする。なお、図中、制御用の
マイクロホンは図5と同じであるので省略している。
【0018】次に、本発明の特徴となる部分について詳
しく説明する。排気管(出口)5の壁面を貫通し、温度
センサ6が取付けられ、信号線8aでコントローラ7に
その検出信号を入力している。コントローラ7からは信
号線8bで出力信号を圧縮空気供給源16へ入力し、圧
縮空気を制御し、配管より圧縮空気9をエアシリンダ1
1に送り、エアシリンダ11のシリンダの空気量により
そのピストンを作動させる。エアシリンダ11の一端は
固定部17に自在継手8aを介して連結され、他端のピ
ストン部は滑りリング10のくさび10aに同じく自在
継手18bで連結している。12は排出管(入口)4も
しくは他の固定部に固定したくさびで、傾斜部を有し、
滑りリング10のくさび10aの傾斜部と摺動自在に係
合している。
【0019】この滑りリング10の構成は図3及び図4
に詳しく示している。図3は滑りリング10が排気管
(入口)4の外周に沿って上下に移動する状態を断面図
で示したもので、滑りリング10は後述するようにエア
シリンダ10の作動によりくさび10aが移動して回転
することにより、図示省略の摺動部19のネジ部と螺合
して上下する構成であるが、ネジ部の螺合でなく単に排
気管(入口)4の外周面に摺動して上下するようにして
も良い。
【0020】図4は滑りリング10の取付部詳細を示す
滑りリングの側面図で、エアシリンダ11は一端が固定
部17に自在継手18aで接続し、他端はシリンダロッ
ドの端を自在継手18aで滑りリング10の下面に固定
されたくさび10aに接続されている。又、エアシリン
ダ11には図1に示すように圧縮空気供給源16よりフ
レキシブルチューブで圧縮空気9の供給を受けている。
【0021】滑りリング10の内側は排気管(入口)4
の外周の摺動部19に設けられた螺部に螺合して設けら
れた螺(図示省略)で回転することにより、上下に移動
可能としている。この上下の移動量は冷却空気14の通
路入口部で空気が全量流入する隙間から、壁16の端部
に滑りリング10の端部が接し、通路を全閉にする分だ
けの範囲の移動量があれば良いもので、そのための螺部
は排気管(入口)4の一部のみで良いものである。
【0022】滑りリング10のくさび10aの傾斜部1
0bはくさび12の傾斜部12aの面に摺動しており、
エアシリンダ11のロッド11aが例えば、左に移動す
ると同じく左に摺動して滑りリング10を排気管(入
口)4の周囲で回転させ、螺の作用で上方へ移動させ、
同様に右の移動により滑りリング10を前とは反対に回
転させ、下方へ移動させるものである。
【0023】次にこのような構成の実施例の作用を説明
する。エンジンからの排気ガス13の温度は温度センサ
6で検出されてコントローラ7に入力するが、コントロ
ーラ7には排気ガスの温度と冷却空気14の通路の入口
開口部の面積とを最適にするように検出温度に基づいて
冷却空気の入口開口部を設定するためのエアシリンダ1
1の空気量を設定し、信号線8bにより圧縮空気供給源
16へ指令し、エアシリンダ11のシリンダロッド11
aが最適の移動量となるように制御する。この移動によ
り滑りリング10が上下し、冷却空気14の通路の面積
を変える。特に、コントローラ7は冷却空気14により
過冷却となり、排ガス中のイオウ分により低温腐食を起
す程度の低温となると、滑りリング10を下げ、冷却空
気通路の開口部を大きくするように駆動装置を制御し、
排ガスの温度を制御用スピーカ2の作動不良とならぬ程
度に上昇させる。
【0024】なお、前述の作用ではコントローラ7で自
動的にエアシリンダ11を制御する方式で説明したが、
例えば、検出温度を表示するようにし、コントローラ7
で手動によりエアシリンダ11を制御して滑りリング1
0を上下動するようにしても良い。又、非常時の場合に
は、冷却空気通路より火災、等の煙が室外へ排出され、
煙突効果を生ずるので自動的、又は、手動にて滑りリン
グ10を開口部全閉となるまで上方へ移動させてしゃ断
装置として作動することも出来るものである。
【0025】
【発明の効果】以上、具体的に説明したように、本発明
においては、ANC消音器における排気管に温度センサ
を設け、温度センサの信号により制御装置で冷却空気通
路の入口開口部を滑りリングを上下させるように制御し
て空気吸入面積を変えるような構成としたので次のよう
な著しい効果を奏するものである。
【0026】ANC消音器において、制御用スピーカの
性能が冷却効果により維持できると共に排気管の過冷却
による低温腐食(硫酸腐食)が発生しない最適の排気ガ
ス温度に制御することが可能である。
【0027】火災の際、冷却空気吸入口より室外に発生
した煙が排煙されるのを防止するため非常しゃ断装置
(防火ダンパ)としても利用することができるので安全
性が向上するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のANC消音器の排ガス温度制御兼非常
しゃ断装置の全体構成図である。
【図2】図1における温度センサ取付部の拡大詳細図で
ある。
【図3】図1における滑りリングの部分断面図である。
【図4】図1における滑りリングの取付状態を示す側面
図である。
【図5】従来のANC消音装置の断面図である。
【符号の説明】
1 スピーカボックス 2 スピーカ 4 排気管(入口) 5 排気管(出口) 6 温度センサ 7 コントローラ 9 圧縮空気 10 滑りリング 11 エアシリンダ 12 くさび 13 排気ガス 14 冷却空気 15 エゼクタ部 19 摺動部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F04F 5/46 A 5/48 A G10K 11/16 11/178

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気管の入口部外周より外部から冷却空
    気を導入する冷却空気通路を設けると共に同冷却空気通
    路の外周に消音用の制御用スピーカを設置したスピーカ
    室を設けてなるANC消音装置において、前記排気管の
    入口部で同排気管の周囲に摺動して上下移動可能で前記
    冷却空気通路の入口部の開口部面積を調整及び開閉可能
    とする滑りリングと、同滑りリングを駆動する駆動装置
    と、前記排気管に取付けられて排気ガスの温度を検知す
    る温度センサと、同温度センサからの信号を入力し、前
    記排気ガスの温度に応じて前記駆動装置の駆動を制御す
    る制御装置を具備してなり、前記排気管中の排気温度の
    調整及び非常時の前記冷却通路のしゃ断を可能としたこ
    とを特徴とするANC消音器の排ガス温度制御兼非常し
    ゃ断装置。
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