JPH07292420A - 方向性珪素鋼板の製造方法及びその連続脱炭焼鈍設備 - Google Patents

方向性珪素鋼板の製造方法及びその連続脱炭焼鈍設備

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JPH07292420A
JPH07292420A JP8509294A JP8509294A JPH07292420A JP H07292420 A JPH07292420 A JP H07292420A JP 8509294 A JP8509294 A JP 8509294A JP 8509294 A JP8509294 A JP 8509294A JP H07292420 A JPH07292420 A JP H07292420A
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steel sheet
furnace
atmospheric gas
atmosphere
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Shigenobu Koga
重信 古賀
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 方向性珪素鋼板の製造方法において、その脱
炭工程を含む一次再結晶焼鈍工程の雰囲気ガスを安価に
供給するとともに、鋼板の脱炭及び鋼板表面への酸素付
与を極めて安定して行い、皮膜性能及び磁性の高位安定
化を図ろうとするものである。 【構成】 方向性珪素鋼板の製造において、所定成分か
らなる珪素熱延鋼帯を必要に応じ焼鈍した後、冷間圧延
を行い所定の板厚とし、次いで脱炭工程を含む一次再結
晶焼鈍を行う際、炉の雰囲気ガスを鋼板の進行方向の初
期部分から回収し、精製して、H2 ,不活性ガス及び不
可避不純物COx 1%未満からなる再生雰囲気ガスを生
産し、これにH2 含有ガス、成分調整用不活性ガス及び
2 Oを加え、成分調整して、H2 濃度25%(ドライ
ガス)以上、COx 1%未満、露点40〜70℃、残部
不活性ガスとし、炉の後方から一括供給し、脱炭工程を
含む一次再結晶焼鈍を行い、更に焼鈍分離剤を塗布して
仕上焼鈍を施すことを特徴とする方向性珪素鋼板の製造
方法及びその連続脱炭焼鈍設備。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄損が極めて低い方向性
珪素鋼板(以下方向性電磁鋼板という)の製造方法及び
連続脱炭焼鈍設備に関するものである。特に、その脱炭
工程を含む一次再結晶焼鈍(連続脱炭焼鈍)工程におい
て雰囲気ガスをより安価に供給するとともに、磁性及び
皮膜性能の高位安定を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板は電気機器の磁気鉄心と
して多用され、エネルギーロスを少なくする改善はもと
より、製造の安定性改善、製造コスト低減等が繰り返さ
れてきた。脱炭工程を含む一次再結晶焼鈍工程も例外で
はなかった。脱炭工程を含む一次再結晶焼鈍工程の主た
る目的は、熱延工程でのγ相域確保等の理由で鋼板に含
まれた炭素(通常〜5×10-2%)を、最終製品にて磁
性が時効劣化しない領域まで脱炭し(〜15ppm 未
満)、次いで鋼板表面に適正な酸素付与を行いFe及び
Si酸化物を形成させ、その後で表面塗布したMgOと
次工程の仕上焼鈍にて反応させ、グラス皮膜を形成する
前準備をするとともに、次工程の仕上焼鈍で二次再結晶
させるのに最適な結晶粒サイズに一次再結晶させること
である。
【0003】従来、この方向性電磁鋼板の脱炭工程を含
む一次再結晶焼鈍工程は、連続焼鈍炉で行われるが、炉
内で鋼板が連続的に脱炭され、鋼板表面に酸素付与され
るとともに、雰囲気ガスも連続的に変化(還元)されて
おり、この炉内の反応プロセスに提供される雰囲気ガス
は、経済性等の理由からH2 源ガス(例えば、アンモニ
ア分解ガス(H2 75%、N2 25%:ドライガス))
に不活性ガス(例えば、N2 )を混合し、H2 源ガスの
2 濃度より低い水素濃度とし、更に、所定のH2 O源
ガス(例えば、水蒸気)を加え使用されることが一般的
であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この方向性電磁鋼板の
脱炭工程を含む一次再結晶焼鈍工程については、供給さ
れる雰囲気のH2 濃度は、経済性等の理由からH2 源ガ
スのH2 濃度より低く抑えられ、この結果、安定した脱
炭工程を含む一次再結晶焼鈍を行うことが困難であり、
炉内への雰囲気ガス導入場所についても十分な解析が困
難で経験的に行われており、しばしば脱炭不良、或いは
皮膜不良或いは磁性不良を招くとともに、これらの不良
改善に多大の時間と費用を費やさざるを得ない状態であ
った。
【0005】また、H2 源ガスとして、製造コストが一
般的に安価であるアンモニア分解ガス(H2 75%、N
2 25%:ドライガス)を使用する場合には、H2 濃度
を75%超にすることができなかった。本発明は上述し
た従来の脱炭工程を含む一次再結晶焼鈍工程が持ってい
る課題に鑑み、雰囲気ガスを安価に供給するとともに、
高位に品質の安定した製品を供給する電磁鋼板の製造方
法及び連続脱炭焼鈍設備の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術の課
題を有利に解決するものであって、上記目的を達成する
ために発明者らは脱炭工程を含む一次再結晶焼鈍工程の
雰囲気ガスの再使用及び再使用するのに必要な雰囲気ガ
ス精製装置のガス成分毎の再生効率に着目し、創意工夫
を重ねた結果、雰囲気ガス精製装置によりH2 源ガスの
2 濃度より高い炉内雰囲気のH2 濃度とすることによ
り、雰囲気ガスを安価に供給するとともに、極めて安定
して製品を生産することを可能にしたものであって、そ
の発明の要旨とするところは、次の通りである。
【0007】(1)方向性珪素鋼板の製造において、S
i:2.0〜4.8重量%、インヒビタ成分、残部鉄及
び不可避不純物からなる珪素熱延鋼帯を必要に応じ焼鈍
した後、1回または中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延
を行い所定の板厚とし、次いで、脱炭工程を含む一次再
結晶焼鈍を行う際、炉の雰囲気ガスを鋼板の進行方向の
初期部分から回収し、精製して、H2 ,不活性ガス及び
不可避不純物COx 1%未満からなる再生雰囲気ガスを
生産し、これに炉の雰囲気のH2 濃度より低いH2 含有
ガス、成分調整用不活性ガス及びH2 Oを加え、成分調
整して、H2 濃度25%(ドライガス)以上、COx
%未満、露点40〜70℃、残部不活性ガスとして、炉
内に供給し、脱炭工程を含む一次再結晶焼鈍を行い、更
に焼鈍分離材を塗布して仕上焼鈍を施すことを特徴とす
る方向性珪素鋼板の製造方法。
【0008】(2)炉内へ供給する雰囲気ガスを鋼板の
進行方向の最終部分に一括供給し、鋼板と対向する方向
に、一括して流し、鋼板の進行方向の初期部分から排出
することを特徴とする(1)記載の方向性珪素鋼板の製
造方法。 (3)雰囲気ガスを精製する装置の前と雰囲気ガス成分
を調整する装置の後を連結するバイパス配管を設け、雰
囲気ガスの精製装置と雰囲気ガスの成分調整装置及びバ
イパス配管に雰囲気を循環可能とし、H2 濃度を炉供給
濃度まで高めたあと、炉に供給開始することを特徴とす
る(1)または(2)記載の方向性珪素鋼板の製造方
法。
【0009】(4)方向性珪素鋼板の連続脱炭焼鈍設備
において、炉の雰囲気ガスを鋼板の進行方向の初期部分
から回収された使用済み雰囲気ガスを精製し、H2 ,不
活性ガス及び不可避不純物COx 1%未満からなる再生
雰囲気ガスを生産する雰囲気ガス精製装置を配設すると
ともに、再生雰囲気ガスに炉の雰囲気のH2 濃度より低
いH2 含有ガス、成分調整用不活性ガス及びH2 Oを加
え、成分調整する雰囲気ガス成分調整装置を配設したこ
とを特徴とする方向性珪素鋼板の連続脱炭焼鈍設備。
【0010】(5)H2 の回収効率がH2 O及び不活性
ガスの回収効率より高い雰囲気ガス精製装置を配設した
ことを特徴とする(4)記載の方向性珪素鋼板の連続脱
炭焼鈍設備。 (6)炉内へ供給する雰囲気ガスを鋼板の進行方向の最
終部分に一括供給し、鋼板と対向する方向に、一括して
流し、鋼板の進行方向の初期部分から排出することを特
徴とする(4)または(5)記載の方向性珪素鋼板の連
続脱炭焼鈍設備。 (7)雰囲気ガス精製装置の前と雰囲気ガス精製装置の
後を連結するバイパス配管を設けたことを特徴とする
(4)ないし(6)のいずれかに記載の方向性珪素鋼板
の連続脱炭焼鈍設備。
【0011】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。図2
に、従来法による雰囲気ガスを炉の後方より一括供給し
ている脱炭を含む一次再結晶焼鈍炉(連続焼鈍脱炭炉)
の一例を示す。雰囲気ガスは、炉1の後方の雰囲気ガス
供給管3より一括供給され、鋼板2と対向しながら炉の
前部に流され、雰囲気ガス排出管4より排出されてい
る。
【0012】図3に、従来法による雰囲気ガスを炉の複
数点より分割供給している脱炭を含む一次再結晶焼鈍炉
(連続焼鈍脱炭炉)の一例を示す。雰囲気ガスは、炉1
の複数点の雰囲気ガス供給管31〜35から分割供給さ
れ、鋼板2と対向しながら炉の前部に流され、雰囲気ガ
ス排出管4より排出されている。
【0013】いずれの場合にも、本発明者らは、脱炭を
含む一次再結晶焼鈍炉の雰囲気ガスの炉内でのガス濃度
を詳細に調査したところ、雰囲気ガス濃度の変化は、主
に、H2 Oが鋼板の炭素の酸化及び地鉄の酸化に消費さ
れ減少し、一方、鋼板の炭素の酸化によるCOx (大部
分はCOであり、一部CO2 を含む)が数%のオーダー
に増加することが判明した。また、H2 ,H2 O,CO
x ,不活性ガスを含む使用済み雰囲気ガスの内で、再使
用の支障となるガス成分はCOx のみであることを見出
した。その他の雰囲気ガス成分は、使用済み雰囲気ガス
の各組成の濃度を分析し、不足分を補充することで再使
用可能であることも見出した。
【0014】図1に本発明による雰囲気ガスを回収・精
製・成分調整し、炉の後方より一括供給している脱炭を
含む一次再結晶炉(連続焼鈍脱炭炉)の一例を示す。炉
1の立上げ時には、バイパス配管バルブ21は開けら
れ、雰囲気ガス供給管バルブ22及び雰囲気ガス排出管
バルブ23は閉じられている。H2 源ガス供給配管バル
ブ51、不活性ガス供給配管バルブ52及びH2 O源ガ
ス供給配管バルブ53は開けられ、H2 源ガス、不活性
ガス及びH2 O源ガスは、雰囲気ガス成分調整装置9に
供給され、混合される。尚、H2 濃度が、所定の濃度に
達するまでは、不活性ガス供給配管バルブ52は閉じら
れている。
【0015】混合された雰囲気ガスは、バイパス配管7
を経て雰囲気ガス精製装置8で精製され(一部減量さ
れ)、出口のガス分析装置11で濃度分析され、雰囲気
ガス成分調整装置9へと入れられる。雰囲気ガス成分調
整装置9では、濃度不足分及び雰囲気ガス精製装置8の
減量分が加えられる。
【0016】尚、上記回路中には、雰囲気ガス循環装置
10が配設され、雰囲気ガス循環・精製に必要な駆動力
を付与している。暫く、上記回路(バイパス配管7〜雰
囲気ガス循環装置10〜雰囲気ガス精製装置8〜雰囲気
ガス成分調整装置9)を雰囲気ガスは循環させられるこ
とにより、H2 濃度を段々に高められ、必要な雰囲気成
分濃度とされたことをガス分析装置12で確認後、徐々
に雰囲気ガス供給管バルブ22及び雰囲気ガス排出管バ
ルブ23は開けられ、一方、バイパス配管バルブ21は
徐々に閉じられ、最終的にはバイパス配管バルブ21は
閉じられる。
【0017】炉1の後方の雰囲気ガス供給管3から炉内
に供給開始された雰囲気ガスは、鋼板2と対向し進行
し、炉の前部に至り雰囲気ガス排出管4から炉外に排出
されている。尚、炉内の雰囲気ガスは炉の前部に流れる
につれ、H2 Oは消費され、減少するとともに、COx
が増加している。雰囲気ガス排出管4から炉外に排出さ
れた雰囲気ガスは、雰囲気ガス精製装置8にて、COx
が1%未満まで除去される。雰囲気ガス精製装置8は、
特に難かしい条件はなく、COx が1%未満まで除去さ
れるとともに、H2 の回収効率が不活性ガス及びH2
の回収効率より高ければよい。
【0018】例えば、吸着剤として活性アルミナ、活性
炭、ゼオライト等を使用したPSA法(Pressure Swing
Adsorption)、或いはポリイミド等の分離膜を使用した
膜分離法等が採用可能である。いずれの方法でも、雰囲
気ガス精製装置8によりH2濃度は高められる。例え
ば、PSA法では、吸着剤及び吸着時の圧力を選ぶこと
により、H2 回収率は〜70%、N2 回収率は〜15
%、COx は大半除去され得る。この時、H2 源ガスを
アンモニア分解ガス(H2 75%、N2 25%:ドライ
ガス)とする場合、H2 濃度は92%まで高めることが
可能である。尚、本発明者らは、種々のH2 源ガスにつ
いても、同様の研究を行い、上記関係が成り立つことを
検証した。
【0019】以下、実施条件について述べる。本発明に
おける鋼成分は、Si:2.0〜4.8重量%、方向性
電磁鋼板製造に必要なインヒビタ成分、残部Fe及び不
可避不純物からなり、それ以外の成分は規定しない。S
iは、電気抵抗を高め鉄損を下げるうえで重要である
が、その含有量が4.8重量%超では冷間圧延時に割れ
やすくなる。一方、2.0重量%未満では電気抵抗が低
く、鉄損を下げるうえで問題がある。
【0020】また、インヒビタ構成元素としては、M
n,S,Al,N,Se,Sn,B,Bi,Nb,T
i,P等あらゆるものに対して有効である。脱炭工程を
含む一次再結晶焼鈍工程の雰囲気ガスのH2 濃度(ドラ
イガス)は、25%未満では、酸化ポテンシャルが強く
表面のSi選択酸化を阻害させる。COx 濃度(ドライ
ガス)は、1%超では、酸化ポテンシャルが弱く脱炭性
を低下させる。
【0021】露点40℃未満では、酸化ポテンシャルが
低く脱炭性を低下させる。一方、70℃超では、1℃当
たりの水の量が多くなりすぎ供給雰囲気成分の変動を大
きくする。脱炭工程を含む一次再結晶焼鈍工程の雰囲気
ガスの供給方法は、鋼板の進行方向の最終部分に一括供
給し、鋼板と対向する方向に、一括して流し、鋼板の進
行方向の初期部分から排出する方法が、分割供給方式に
くらべ、設備として簡素化される。雰囲気ガス精製装置
のH2 の回収効率が不活性ガス及びH2 Oの回収効率よ
り高くなければ、炉内の雰囲気ガスのH2 濃度が、H2
源ガスのH2 濃度より高くすることができない。
【0022】以下、本発明の実施態様を述べる。 Si:2.0〜4.8重量%、方向性電磁鋼板製造に必
要なインヒビタ成分、残部Fe及び不可避不純物からな
る溶鋼を、通常の工程で、もしくは連続鋳造して熱延鋼
板あるいは熱延鋼帯とする。この熱延鋼板あるいは熱延
鋼帯に、必要に応じて、750〜1200℃の温度域
で、30秒〜30分間磁束密度向上のための焼鈍が施さ
れ、次いでこれらの熱延鋼板或いは熱延鋼帯は冷間圧延
される。冷間圧延は、最終冷間圧延率50%以上、望ま
しくは、特公昭40−15644号公報に開示されてい
るように、80%以上とする。冷間圧延後の材料は、脱
炭焼鈍を含む一次再結晶焼鈍炉に入れられる。
【0023】この脱炭焼鈍を含む一次再結晶焼鈍は、鋼
板温度800〜850℃で行われる。この時、炉に供給
する炉の雰囲気ガスを、ガス組成はH2 25%(ドライ
ガス)以上、望ましくは75%超、COx 1%未満(ド
ライガス)、露点50〜70℃、残部不活性ガスとする
とともに、雰囲気ガス回収・精製・成分調整を行い、雰
囲気ガスを循環再使用する。
【0024】こうして、脱炭され、一次再結晶した鋼板
或いは鋼帯は、MgOを主成分とする焼鈍分離剤が塗布
されて仕上焼鈍炉に入り、920〜1150℃に到達
後、5時間以上保持され二次再結晶され、その後、純化
のため1200℃まで昇温し、この温度に10時間以上
保持される。仕上焼鈍終了後、必要に応じ、磁区細分化
処理を含む張力コーティングを行う。
【0025】
【実施例】
実施例1 Si:3.1重量%、酸可溶性Al:0.027重量
%、N:0.085重量%、Mn:0.07重量%、
S:0.026重量%、C:0.06重量%:残部Fe
及び不可避不純物からなる珪素熱延鋼帯を、1100℃
で2分間焼鈍した後冷延し0.23mmとした。これらの
冷延板をH2 源をアンモニア分解ガス(H275%、N
2 25%:ドライガス)とし、バイパス配管を経由し、
雰囲気精製装置・雰囲気調整装置に雰囲気ガスを循環
し、ガス組成が所定の濃度(H2 75〜85%(ドライ
ガス)、COx 0.2%未満(ドライガス)、露点70
〜68℃、残部不活性ガス)となった後、炉後方より炉
内に雰囲気循環を開始した炉に通板し、鋼板温度830
℃で2分間焼鈍し、脱炭を含む一次再結晶させた。
【0026】その後、MgOを主成分とする焼鈍分離剤
を塗布し、高温焼鈍した。高温焼鈍は、1100℃まで
10%N2 −90%H2 雰囲気で150℃/hrの昇温速
度を保ちながら昇温し、1100℃到達後、その温度で
10時間保持した。その後、100%H2 雰囲気とし、
更に1200℃まで昇温し、この温度に10時間保持し
た。仕上焼鈍終了後、リン酸−クロム酸系の張力コーテ
ィング処理を行った。得られた特性及び皮膜状況は表1
の通りである。
【0027】
【表1】 ☆ 実施例2 Si:3.2重量%、酸可溶性Al:0.029重量
%、N:0.065重量%、Mn:0.12重量%、
S:0.008重量%、C:0.05重量%:残部Fe
及び不可避不純物からなる珪素熱延鋼帯を、1100℃
で2分間焼鈍した後冷延し0.23mmとした。これらの
冷延板をH2 源をアンモニア分解ガス(H275%、N
2 25%:ドライガス)とし、バイパス配管を経由し、
雰囲気精製装置・雰囲気調整装置に雰囲気ガスを循環
し、ガス組成が所定の濃度(H2 75〜80%(ドライ
ガス)、COx 0.2%未満(ドライガス)、露点69
〜68℃、残部不活性ガス)となった後、炉後方より炉
内に雰囲気循環を開始した炉に通板し、鋼板温度830
℃で2分間焼鈍し、脱炭を含む一次再結晶させた。
【0028】次に、二次再結晶を安定にさせるために、
アンモニア雰囲気中で窒化処理を行い、窒素量を190
ppm とし、インヒビタを強化した。その後、MgOを主
成分とする焼鈍分離剤を塗布し、高温焼鈍した。高温焼
鈍は、1100℃まで10%N2 −90%H2 雰囲気で
150℃/hrの昇温速度を保ちながら昇温し、1100
℃到達後、その温度で10時間保持した。その後、10
0%H2 雰囲気とし、更に1200℃まで昇温し、この
温度に10時間保持した。仕上焼鈍終了後、リン酸−ク
ロム酸系の張力コーティング処理を行った。得られた特
性及び皮膜状況は表2の通りである。
【0029】
【表2】 ☆ 例1及び例2で明らかなように、雰囲気ガスのH2 濃度
を高めるとともに、炉後方より一括供給することにより
磁性及び皮膜を含めて製品品質の高位安定生産化がなさ
れた。また、炉内雰囲気を回収し、ガス成分を調整し、
再使用しており、雰囲気ガスを安価にすることを可能と
した。こうして、品質が高品位な製品を経済的に製造可
能とした。
【0030】
【発明の効果】本発明により、雰囲気ガス精製装置によ
りH2 源ガスのH2 濃度より高い炉内雰囲気のH2 濃度
とすることにより、雰囲気ガスを安価に供給するととも
に、極めて安定して製品を生産することが可能となり、
工業上の価値は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による雰囲気ガスを回収・精製・成分調
整し、炉の後方より一括供給している脱炭を含む一次再
結晶炉(脱炭焼鈍炉)の一例を示す説明図である。
【図2】従来法による雰囲気ガスを炉の後方より一括供
給している脱炭を含む一次再結晶炉(脱炭焼鈍炉)の一
例を示す説明図である。
【図3】従来法による雰囲気ガスを炉内に分割供給して
いる脱炭を含む一次再結晶炉(脱炭焼鈍炉)の一例を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 炉 2 鋼板 3 雰囲気ガス供給管(後半部一括供給) 4 雰囲気ガス排出管 7 バイパス配管 8 雰囲気ガス精製装置 9 雰囲気ガス成分調整装置 10 雰囲気ガス循環装置 11〜12 ガス分析装置 21 バイパス配管バルブ 22 雰囲気ガス供給管バルブ 23 雰囲気ガス排出管バルブ 31〜35 雰囲気ガス供給管(炉内分割供給) 41 H2 源ガス供給管 42 不活性ガス供給管 43 H2 O源ガス供給管 51 H2 源ガス供給管バルブ 52 不活性ガス供給管バルブ 53 H2 O源ガス供給管バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C21D 8/12 B 9/52 101 C22C 38/00 303 U

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 方向性珪素鋼板の製造において、Si:
    2.0〜4.8重量%、インヒビタ成分、残部鉄及び不
    可避的不純物からなる珪素熱延鋼帯を必要に応じ焼鈍し
    た後、1回または中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延を
    行い所定の板厚とし、次いで脱炭工程を含む一次再結晶
    焼鈍を行う際、炉の雰囲気ガスを鋼板の進行方向の初期
    部分から回収し、精製して、H2 ,不活性ガス及び不可
    避不純物COx 1%未満からなる再生雰囲気ガスを生産
    し、これに炉の雰囲気のH2 濃度より低いH2 含有ガ
    ス、成分調整用不活性ガス及びH2 Oを加え、成分調整
    して、H2 濃度25%(ドライガス)以上、COx 1%
    未満、露点40〜70℃、残部不活性ガスとして、炉内
    に供給し、脱炭工程を含む一次再結晶焼鈍を行い、更に
    焼鈍分離材を塗布して仕上焼鈍を施すことを特徴とする
    方向性珪素鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 炉内へ供給する雰囲気ガスを鋼板の進行
    方向の最終部分に一括供給し、鋼板と対向する方向に、
    一括して流し、鋼板の進行方向の初期部分から排出する
    ことを特徴とする請求項1記載の方向性珪素鋼板の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 雰囲気ガスを精製する装置の前と雰囲気
    ガス成分を調整する装置の後を連結するバイパス配管を
    設け、雰囲気ガスの精製装置と雰囲気ガスの成分調整装
    置及びバイパス配管に雰囲気を循環可能とし、H2 濃度
    を炉供給濃度まで高めたあと、炉に供給開始することを
    特徴とする請求項1または2記載の方向性珪素鋼板の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 方向性珪素鋼板の連続脱炭焼鈍設備にお
    いて炉の雰囲気ガスを鋼板の進行方向の初期部分から回
    収された使用済み雰囲気ガスを精製し、H2,不活性ガ
    ス及び不可避不純物COx 1%未満からなる再生雰囲気
    ガスを生産する雰囲気ガス精製装置を配設するととも
    に、再生雰囲気ガスに炉の雰囲気のH2濃度より低いH
    2 含有ガス、成分調整用不活性ガス及びH2 Oを加え、
    成分調整する雰囲気ガス成分調整装置を配設したことを
    特徴とする方向性珪素鋼板の連続脱炭焼鈍設備。
  5. 【請求項5】 H2 の回収効率がH2 O及び不活性ガス
    の回収効率より高い雰囲気ガス精製装置を配設したこと
    を特徴とする請求項4記載の方向性珪素鋼板の連続脱炭
    焼鈍設備。
  6. 【請求項6】 炉内へ供給する雰囲気ガスを鋼板の進行
    方向の最終部分に一括供給し、鋼板と対向する方向に、
    一括して流し、鋼板の進行方向の初期部分から排出する
    ことを特徴とする請求項4または5記載の方向性珪素鋼
    板の連続脱炭焼鈍設備。
  7. 【請求項7】 雰囲気ガス精製装置の前と雰囲気ガス精
    製装置の後を連結するバイパス配管を設けたことを特徴
    とする請求項4ないし6のいずれかに記載の方向性珪素
    鋼板の連続脱炭焼鈍設備。
JP8509294A 1994-04-22 1994-04-22 方向性珪素鋼板の製造方法及びその連続脱炭焼鈍設備 Withdrawn JPH07292420A (ja)

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JP2012149292A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Jfe Steel Corp 方向性電磁鋼板の製造方法
CN104334753A (zh) * 2012-05-24 2015-02-04 杰富意钢铁株式会社 钢带的连续退火炉、钢带的连续退火方法、连续熔融镀锌设备以及熔融镀锌钢带的制造方法

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