JPH07292082A - 乳酸系共重合体の製造方法 - Google Patents

乳酸系共重合体の製造方法

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JPH07292082A
JPH07292082A JP10792294A JP10792294A JPH07292082A JP H07292082 A JPH07292082 A JP H07292082A JP 10792294 A JP10792294 A JP 10792294A JP 10792294 A JP10792294 A JP 10792294A JP H07292082 A JPH07292082 A JP H07292082A
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JP
Japan
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copolymer
lactic acid
polyethylene glycol
glycerin
sodium carbonate
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JP10792294A
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Yukari Imamura
由賀里 今村
Takao Okada
隆雄 岡田
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Taki Chemical Co Ltd
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Taki Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保存安定性に優れた乳酸系重合体を得ること
を目的とする。 【構成】 乳酸とポリエチレングリコールまたはグリセ
リンの共重合体に対し炭酸ナトリウムを0.1〜2重量%添
加することからなる乳酸系共重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乳酸とポリエチレングリ
コールまたはグリセリンの共重合体に関し炭酸ナトリウ
ムを0.1〜2重量%含有し保存安定性に優れた乳酸系共重
合体に関する。
【0002】
【従来の技術】乳酸とポリエチレングリコールまたはグ
リセリンの共重合体(以下、共重合体と云う)は、薬剤あ
るいは各種工業薬品の徐放性基剤として検討されている
が、この共重合体は製造時、即ち縮合過程において遊離
の乳酸ホモポリマーが生成し、これが共重合体の加水分
解を促すため共重合体の安定性が悪い。そこで、縮合反
応性を高め、乳酸ホモポリマーの生成量を少なくするた
め反応温度を高くしたりあるいは触媒量を増加させたり
する方法も行われているが、遊離の乳酸ホモポリマーの
生成は避けられない。
【0003】また、製品中の共重合体からこの遊離の乳
酸ホモポリマーを除去することは更に困難である。この
遊離の乳酸ホモポリマーは、保存中に共重合体を分解す
ることは勿論、生理活性物質等の徐放性基材として用い
る場合、薬剤等の分解変質をもたらしたり、ポリウレタ
ン原料として用いる場合には、イソシアネートとの反応
を妨害し、良好なポリウレタンを得られない等の問題が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的は
この遊離の乳酸ホモポリマーの作用を抑制し、保存安定
性に優れた乳酸系共重合体を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は乳酸とポ
リエチレングリコールまたはグリセリンの共重合体に対
し、炭酸ナトリウムを0.1〜2重量%含有した乳酸系共重
合体に関する。
【0006】
【作用】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発明共
重合体は乳酸及びポリエチレングリコール、グリセリン
単位を共重合体中に有しているものであればよく、ラク
トン類(例えばγ-ブチロラクトン、δ-バレロラクト
ン、ε-カプロラクトン等)、ヒドロキシカルボン酸類
(例えばβ-ヒドロキシ吉草酸、β-ヒドロキシ酪酸等)が
セグメント中に共存してもよい。また原料としての乳酸
はD,L,DL体のいずれであってもよい。
【0007】本発明共重合体の組成割合は乳酸1モルに
対してポリエチレングリコールの場合0.03〜0.19モル、
グリセリンの場合0.01〜0.23モルである。ポリエチレン
グリコールが0.03以下であるとカルボキシル基が残存し
安定性が悪くなり、0.19を超えると共重合体の特徴であ
る生分解性が低下する。同様に、グリセリンが0.01以下
であるとカルボキシル基が残存し安定性が悪くなり、0.
23を超えると生分解性が低下する。
【0008】本発明共重合体の代表的な製造方法として
は乳酸とポリエチレングリコール、あるいはグリセリン
を混合し、窒素気流中で150℃〜200℃で重合させる。あ
るいはこのような条件下で乳酸とポリエチレングリコー
ルとを反応させた後、グリセリンを反応させてもよい。
また、予め乳酸を重合させ、数平均分子量が800〜2,000
の乳酸重合体を得た後これとポリエチレングリコール、
あるいはグリセリンを反応させてもよい。三者共重合体
を製造する場合、反応順序による分子量への影響は少な
いが一般的には乳酸あるいは乳酸重合体とポリエチレン
グリコールを先に反応させた後、グリセリンと反応させ
る方が好ましい。
【0009】ポリエチレングリコールは数平均分子量が
200〜2,000のものを用い、触媒を添加しなくても反応は
進むが、反応時に共重合体に対して0.005〜0.05重量%
の塩化スズ、乳酸スズ、オクタン酸スズ、ジブチルジラ
ウリン酸スズ等のスズ系触媒を使用すると反応速度を速
めることができる。
【0010】このようにして製造した共重合体の中に
は、未反応の乳酸オリゴマーが存在するのでこれを少な
くするために、更に共重合体にエチレングリコール、マ
ンニット、ソルビット、ポリグリセリン等の多価の水酸
基を有する化合物を加え反応させることは保存安定性上
好ましいことである。
【0011】本発明は上記共重合体に0.1〜2重量%の炭
酸ナトリウムを加え、150〜200℃で1〜2時間反応を行
う。炭酸ナトリウムは粉状のままで使用しても共重合体
の安定性に問題はないが、1.5〜30重量%の水溶液とし
混合した方が取扱いに便利である。炭酸ナトリウムの量
が0.1重量%を下廻ると共重合体の保存安定性の改善効
果は極めて小さく、2重量%を上廻ると過剰の炭酸ナト
リウムが共重合体の加水分解を促進するために、かえっ
て保存安定性が悪くなる。
【0012】尚、乳酸に所定量の炭酸ナトリウムを溶解
させた後、これとポリエチレングリコールあるいはグリ
セリンと縮合反応させた共重合体は本発明の如き安定性
を有しない。
【0013】
【実施例】以下本発明の実施例をあげて更に説明を行う
が、本発明はこれらに限定されるものではない。また、
本発明実施例において、%は特に断らない限り全て重量
%を示す。
【0014】(本発明例1)数平均分子量1,700のDL-体
乳酸重合体1232gに数平均分子量600のポリエチレングリ
コール(キシダ化学製)648gとジブチルジラウリン酸スズ
0.56gを加えて窒素気流中190℃で23時間重合し、ポリ乳
酸−ポリエチレングリコール共重合体を得た。この共重
合体にさらにグリセリン(98.5%、関東化学社製)74gを
加えて195℃で31時間重合を行った。このポリ乳酸−ポ
リエチレングリコール−グリセリン共重合体53.4gに炭
酸ナトリウム(99.7%関東化学製)0.27gを加えて195℃で
2時間反応させた。
【0015】(本発明例2)実施例1と同様の方法によ
り得たポリ乳酸−ポリエチレングリコール−グリセリン
共重合体55.3gに炭酸ナトリウム(関東化学製)0.06gを加
えて195℃で2時間反応させた。
【0016】(本発明例3)実施例1と同様の方法によ
り得たポリ乳酸−ポリエチレングリコール−グリセリン
共重合体49.5gに炭酸ナトリウム(関東化学製)0.80gを加
えて195℃で2時間反応させた。
【0017】(本発明例4)L-体乳酸50gを窒素気流中1
95℃で2時間重合し、ポリ乳酸33.6gを得た。この時の数
平均分子量は810であった。これにグリセリン2.0gを加
えて窒素気流中195℃で8時間重合し、ポリ乳酸−グリセ
リン共重合体を得た。このポリ乳酸−グリセリン共重合
体30.4gに炭酸ナトリウム1.5%水溶液2.1gを加え195℃
で1.3時間反応させた。
【0018】(本発明例5)D-体乳酸240gを窒素気流中
195℃で10時間重合し、乳酸重合体164gを得た。この時
の数平均分子量は1950であった。この乳酸重合体162gに
数平均分子量1,000のポリエチレングリコール112gと塩
化スズ0.071gを加えて窒素気流中195℃で10時間重合
し、ポリ乳酸−ポリエチレングリコール共重合体を得
た。この共重合体260gにグリセリン11gを加え185℃で9
時間反応させた。この共重合体49.5gに炭酸ナトリウム1
0%水溶液2.5gを加え195℃で2時間反応させた。
【0019】(比較例1)炭酸ナトリウムを添加しない
ことを除いては本発明例1と同様の共重合体を製造し
た。
【0020】(比較例2)本発明例1と同様の方法によ
り得たポリ乳酸−ポリエチレングリコール−グリセリン
共重合体31.3gに炭酸1水素ナトリウム(99.0%関東化学
製)0.16gを加えて195℃で2時間反応させた。
【0021】(比較例3)本発明例4と同様の方法によ
り得たポリ乳酸−グリセリン共重合体30.5gにシュウ酸
アンモニウム(99.5%関東化学製)0.15gを加えて195℃で
1.3時間反応させた。
【0022】(比較例4)本発明例5と同様の方法によ
り得たポリ乳酸−ポリエチレングリコール共重合体30.7
gに炭酸1水素アンモニウム(95.0%関東化学製)0.61gを
加えて195℃で2時間反応させた。
【0023】(比較例5)本発明例1と同様にして得た
ポリ乳酸−ポリエチレングリコール−グリセリン共重合
体33.9gに炭酸ナトリウム1.70gを加え、195℃で2時間反
応させた。
【0024】(試験)上記本発明例及び比較例について
酸価による保存安定性試験を行った。
【0025】共重合体30gをガラス瓶に入れて、室温で
3ヶ月間静置した。一ヶ月毎に0.5gをサンプリングして
酸価を測定した。酸価の測定法は共重合体0.2gを秤量
し、ベンジルアルコール20mlに溶かした。この溶液を0.
026モル%水酸化カリウムベンジルアルコール溶液で滴
定した。その結果を表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】表1からわかるように本発明例は変化量が
小さく、むしろ減少しているものもある。比較例は本発
明例に比べて変化量が大きく、特に炭酸水素塩である比
較例2と比較例4は炭酸ナトリウムを加えてない比較例
1よりも大きくなっている。また、比較例5より炭酸ナ
トリウムを加えすぎると加水分解が促進され、安定性が
悪くなることがわかる。
【0028】
【発明の効果】本発明は乳酸とポリエチレングリコール
またはグリセリンの共重合体に、炭酸ナトリウムを0.1
〜2重量%含有せしめることによって、共重合体の安定
性が高まり長期間保存が可能となる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 乳酸系共重合体の製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乳酸とポリエチレングリ
コールまたはグリセリンの共重合体に対し炭酸ナトリウ
ムを0.1〜2重量%添加することからなる保存安定性に優
れた乳酸系共重合体の製造法に関する。
【0002】 従来の技術】乳酸とポリエチレングリコールまたはグリ
セリンの共重合体(以下、共重合体と云う)は、薬剤ある
いは各種工業薬品の徐放性基剤として検討されている
が、この共重合体は製造時、即ち縮合過程において遊離
の乳酸ホモポリマーが生成し、これが共重合体の加水分
解を促すため共重合体の安定性が悪い。そこで、縮合反
応性を高め、乳酸ホモポリマーの生成量を少なくするた
め反応温度を高くしたりあるいは触媒量を増加させたり
する方法も行われているが、遊離の乳酸ホモポリマーの
生成は避けられない。
【0003】また、製品中の共重合体からこの遊離の乳
酸ホモポリマーを除去することは更に困難である。この
遊離の乳酸ホモポリマーは、保存中に共重合体を分解す
ることは勿論、生理活性物質等の徐放性基材として用い
る場合、薬剤等の分解変質をもたらしたり、ポリウレタ
ン原料として用いる場合には、イソシアネートとの反応
を妨害し、良好なポリウレタンを得られない等の問題が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的は
この遊離の乳酸ホモポリマーの作用を抑制し、保存安定
性に優れた乳酸系共重合体を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は乳酸とポ
リエチレングリコールまたはグリセリンの共重合体に対
し、炭酸ナトリウムを0.1〜2重量%添加することからな
乳酸系共重合体の製造方法に関する。
【0006】
【作用】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発明共
重合体は乳酸及びポリエチレングリコール、グリセリン
単位を共重合体中に有しているものであればよく、ラク
トン類(例えばγ-ブチロラクトン、δ-バレロラクト
ン、ε-カプロラクトン等)、ヒドロキシカルボン酸類
(例えばβ-ヒドロキシ吉草酸、β-ヒドロキシ酪酸等)が
セグメント中に共存してもよい。また原料としての乳酸
はD,L,DL体のいずれであってもよい。
【0007】本発明共重合体の組成割合は乳酸1モルに
対してポリエチレングリコールの場合0.03〜0.19モル、
グリセリンの場合0.01〜0.23モルである。ポリエチレン
グリコールが0.03以下であるとカルボキシル基が残存し
安定性が悪くなり、0.19を超えると共重合体の特徴であ
る生分解性が低下する。同様に、グリセリンが0.01以下
であるとカルボキシル基が残存し安定性が悪くなり、0.
23を超えると生分解性が低下する。
【0008】本発明共重合体の代表的な製造方法として
は乳酸とポリエチレングリコール、あるいはグリセリン
を混合し、窒素気流中で150℃〜200℃で重合させる。あ
るいはこのような条件下で乳酸とポリエチレングリコー
ルとを反応させた後、グリセリンを反応させてもよい。
また、予め乳酸を重合させ、数平均分子量が800〜2,000
の乳酸重合体を得た後これとポリエチレングリコール、
あるいはグリセリンを反応させてもよい。三者共重合体
を製造する場合、反応順序による分子量への影響は少な
いが一般的には乳酸あるいは乳酸重合体とポリエチレン
グリコールを先に反応させた後、グリセリンと反応させ
る方が好ましい。
【0009】ポリエチレングリコールは数平均分子量が
200〜2,000のものを用い、触媒を添加しなくても反応は
進むが、反応時に共重合体に対して0.005〜0.05重量%
の塩化スズ、乳酸スズ、オクタン酸スズ、ジブチルジラ
ウリン酸スズ等のスズ系触媒を使用すると反応速度を速
めることができる。
【0010】このようにして製造した共重合体の中に
は、未反応の乳酸オリゴマーが存在するのでこれを少な
くするために、更に共重合体にエチレングリコール、マ
ンニット、ソルビット、ポリグリセリン等の多価の水酸
基を有する化合物を加え反応させることは保存安定性上
好ましいことである。
【0011】本発明は上記共重合体に0.1〜2重量%の炭
酸ナトリウムを加え、150〜200℃で1〜2時間加熱を行
う。炭酸ナトリウムは粉状のままで使用しても共重合体
の安定性に問題はないが、1.5〜30重量%の水溶液とし
混合した方が取扱いに便利である。炭酸ナトリウムの量
が0.1重量%を下廻ると共重合体の保存安定性の改善効
果は極めて小さく、2重量%を上廻ると過剰の炭酸ナト
リウムが共重合体の加水分解を促進するために、かえっ
て保存安定性が悪くなる。
【0012】尚、乳酸に所定量の炭酸ナトリウムを溶解
させた後、これとポリエチレングリコールあるいはグリ
セリンと縮合反応させた共重合体は本発明の如き安定性
を有しない。
【0013】
【実施例】以下本発明の実施例をあげて更に説明を行う
が、本発明はこれらに限定されるものではない。また、
本発明実施例において、%は特に断らない限り全て重量
%を示す。
【0014】(本発明例1)数平均分子量1,700のDL-体
乳酸重合体1232gに数平均分子量600のポリエチレングリ
コール(キシダ化学製)648gとジブチルジラウリン酸スズ
0.56gを加えて窒素気流中190℃で23時間重合し、ポリ乳
酸−ポリエチレングリコール共重合体を得た。この共重
合体にさらにグリセリン(98.5%、関東化学社製)74gを
加えて195℃で31時間重合を行った。このポリ乳酸−ポ
リエチレングリコール−グリセリン共重合体53.4gに炭
酸ナトリウム(99.7%関東化学製)0.27gを加えて195℃で
2時間加熱した。
【0015】(本発明例2)実施例1と同様の方法によ
り得たポリ乳酸−ポリエチレングリコール−グリセリン
共重合体55.3gに炭酸ナトリウム(関東化学製)0.06gを加
えて195℃で2時間加熱した。
【0016】(本発明例3)実施例1と同様の方法によ
り得たポリ乳酸−ポリエチレングリコール−グリセリン
共重合体49.5gに炭酸ナトリウム(関東化学製)0.80gを加
えて195℃で2時間加熱した。
【0017】(本発明例4)L-体乳酸50gを窒素気流中1
95℃で2時間重合し、ポリ乳酸33.6gを得た。この時の数
平均分子量は810であった。これにグリセリン2.0gを加
えて窒素気流中195℃で8時間重合し、ポリ乳酸−グリセ
リン共重合体を得た。このポリ乳酸−グリセリン共重合
体30.4gに炭酸ナトリウム1.5%水溶液2.1gを加え195℃
で1.3時間加熱した。
【0018】(本発明例5)D-体乳酸240gを窒素気流中
195℃で10時間重合し、乳酸重合体164gを得た。この時
の数平均分子量は1950であった。この乳酸重合体162gに
数平均分子量1,000のポリエチレングリコール112gと塩
化スズ0.071gを加えて窒素気流中195℃で10時間重合
し、ポリ乳酸−ポリエチレングリコール共重合体を得
た。この共重合体260gにグリセリン11gを加え185℃で9
時間反応させた。この共重合体49.5gに炭酸ナトリウム1
0%水溶液2.5gを加え195℃で2時間加熱した。
【0019】(比較例1)炭酸ナトリウムを添加しない
ことを除いては本発明例1と同様の共重合体を製造し
た。
【0020】(比較例2)本発明例1と同様の方法によ
り得たポリ乳酸−ポリエチレングリコール−グリセリン
共重合体31.3gに炭酸1水素ナトリウム(99.0%関東化学
製)0.16gを加えて195℃で2時間加熱した。
【0021】(比較例3)本発明例4と同様の方法によ
り得たポリ乳酸−グリセリン共重合体30.5gにシュウ酸
アンモニウム(99.5%関東化学製)0.15gを加えて195℃で
1.3時間加熱した。
【0022】(比較例4)本発明例5と同様の方法によ
り得たポリ乳酸−ポリエチレングリコール共重合体30.7
gに炭酸1水素アンモニウム(95.0%関東化学製)0.61gを
加えて195℃で2時間加熱した。
【0023】(比較例5)本発明例1と同様にして得た
ポリ乳酸−ポリエチレングリコール−グリセリン共重合
体33.9gに炭酸ナトリウム1.70gを加え、195℃で2時間
熱した。
【0024】(試験)上記本発明例及び比較例について
酸価による保存安定性試験を行った。
【0025】共重合体30gをガラス瓶に入れて、室温で
3ヶ月間静置した。一ヶ月毎に0.5gをサンプリングして
酸価を測定した。酸価の測定法は共重合体0.2gを秤量
し、ベンジルアルコール20mlに溶かした。この溶液を0.
026モル%水酸化カリウムベンジルアルコール溶液で滴
定した。その結果を表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】表1からわかるように本発明例は変化量が
小さく、むしろ減少しているものもある。比較例は本発
明例に比べて変化量が大きく、特に炭酸水素塩である比
較例2と比較例4は炭酸ナトリウムを加えてない比較例
1よりも大きくなっている。また、比較例5より炭酸ナ
トリウムを加えすぎると加水分解が促進され、安定性が
悪くなることがわかる。
【0028】
【発明の効果】本発明は乳酸とポリエチレングリコール
またはグリセリンの共重合体に、炭酸ナトリウムを0.1
〜2重量%添加することによって、共重合体の安定性が
高まり長期間保存が可能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳酸とポリエチレングリコールまたはグ
    リセリンの共重合体に対し炭酸ナトリウムを0.1〜2重量
    %添加することからなる乳酸系共重合体の製造方法。
JP10792294A 1994-04-21 1994-04-21 乳酸系共重合体の製造方法 Pending JPH07292082A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008029527A1 (fr) * 2006-09-04 2008-03-13 Bio-Energy Corporation Polyol de polyester

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008029527A1 (fr) * 2006-09-04 2008-03-13 Bio-Energy Corporation Polyol de polyester
US8058470B2 (en) 2006-09-04 2011-11-15 Bio-Energy Corporation Polyester polyol

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