JPH0729207A - 記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
記録媒体及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH0729207A JPH0729207A JP5171634A JP17163493A JPH0729207A JP H0729207 A JPH0729207 A JP H0729207A JP 5171634 A JP5171634 A JP 5171634A JP 17163493 A JP17163493 A JP 17163493A JP H0729207 A JPH0729207 A JP H0729207A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- glass substrate
- recording medium
- peripheral edge
- sio
- Prior art date
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- Withdrawn
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- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
- Magnetic Record Carriers (AREA)
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ガラス基板を用いた記録媒体の耐久性を高め
る。 【構成】 ガラス基板1の内周端部及び外周端部の表面
にはゾル・ゲル法によって50nm〜1μmの厚さでS
iO2膜2が形成され、更にガラス基板1の全表面にはス
パッタ法にて順に下地膜3、磁気的或いは光学的記録膜
4、保護膜5及び潤滑油膜6が形成されている。
る。 【構成】 ガラス基板1の内周端部及び外周端部の表面
にはゾル・ゲル法によって50nm〜1μmの厚さでS
iO2膜2が形成され、更にガラス基板1の全表面にはス
パッタ法にて順に下地膜3、磁気的或いは光学的記録膜
4、保護膜5及び潤滑油膜6が形成されている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガラス基板の表面に磁気
的或いは光学的な記録膜を形成した記録媒体及びその製
造方法に関する。
的或いは光学的な記録膜を形成した記録媒体及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンやアルミニウム等の基板
の代りにガラス基板を用いた記録媒体が知られている。
この記録媒体は図5及び図6に示すように、ドーナツ状
をしたガラス基板100の表面にスパッタリング等の気
相法にて順次下地膜101、磁気的或いは光学的記録膜
102及び保護膜103を形成し、更に保護膜103の
表面に潤滑油膜104を塗布形成している。
の代りにガラス基板を用いた記録媒体が知られている。
この記録媒体は図5及び図6に示すように、ドーナツ状
をしたガラス基板100の表面にスパッタリング等の気
相法にて順次下地膜101、磁気的或いは光学的記録膜
102及び保護膜103を形成し、更に保護膜103の
表面に潤滑油膜104を塗布形成している。
【0003】上記の記録媒体において、下地膜101、
磁気的或いは光学的記録膜102及び保護膜103は気
相法にて形成されるため、その厚みがガラス基板100
の表裏両面で厚く、内周面或いは外周面では薄く、特に
成膜時にパレットの溝に入る部分(図5のB及び図6)
には上記の各膜が形成されない。
磁気的或いは光学的記録膜102及び保護膜103は気
相法にて形成されるため、その厚みがガラス基板100
の表裏両面で厚く、内周面或いは外周面では薄く、特に
成膜時にパレットの溝に入る部分(図5のB及び図6)
には上記の各膜が形成されない。
【0004】ここで、保護膜103は炭素、シリカ、ジ
ルコニア等の化学的に安定な物質にて構成され、記録膜
102はコバルトやクロム等の不動態(腐食しにくい状
態)を作り易い金属を含んでいる。一方、ガラス基板1
00の材料であるソーダライムガラスはNa2OやK2O
等の溶出しやすいアルカリ成分を含んでおり、前記保護
膜等と比較すると化学的な安定性は低い。
ルコニア等の化学的に安定な物質にて構成され、記録膜
102はコバルトやクロム等の不動態(腐食しにくい状
態)を作り易い金属を含んでいる。一方、ガラス基板1
00の材料であるソーダライムガラスはNa2OやK2O
等の溶出しやすいアルカリ成分を含んでおり、前記保護
膜等と比較すると化学的な安定性は低い。
【0005】したがって、保護膜等の厚みが薄いか或い
はガラスが露出しているガラス基板の内外周面は腐食
(ガラスの焼けや白曇りなど)を生じやすく、前記アル
カリ成分と空気中の炭酸ガス等の酸化性ガスとが反応し
て生じた腐食生成物が、記録媒体のエッジ部から記録面
に広がり、或いは剥離を生じその破片が記録面に再付着
することがある。そして、腐食生成物等が記録面に付着
すると、磁気記録媒体の場合には磁気ヘッドの飛行を阻
害し、信頼性を損う結果を招く。
はガラスが露出しているガラス基板の内外周面は腐食
(ガラスの焼けや白曇りなど)を生じやすく、前記アル
カリ成分と空気中の炭酸ガス等の酸化性ガスとが反応し
て生じた腐食生成物が、記録媒体のエッジ部から記録面
に広がり、或いは剥離を生じその破片が記録面に再付着
することがある。そして、腐食生成物等が記録面に付着
すると、磁気記録媒体の場合には磁気ヘッドの飛行を阻
害し、信頼性を損う結果を招く。
【0006】上記の不利を解消する手段として、特開平
2−204345号公報に開示される方法が考えられ
る。即ち、この先行例には寸法出しのために粗研削され
数μmの凹凸を有するガラス基板の周端部の凹凸をなく
して平坦化するという目的ではあるが、ガラス基板の周
端部に珪素のアルコキシドの加水分解物を含む溶液を塗
布し、焼成してSiO2膜を形成するというゾル・ゲル法
による膜形成技術が開示されている。
2−204345号公報に開示される方法が考えられ
る。即ち、この先行例には寸法出しのために粗研削され
数μmの凹凸を有するガラス基板の周端部の凹凸をなく
して平坦化するという目的ではあるが、ガラス基板の周
端部に珪素のアルコキシドの加水分解物を含む溶液を塗
布し、焼成してSiO2膜を形成するというゾル・ゲル法
による膜形成技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開平2−2
04345号公報に開示されるゾル・ゲル法にあって
は、珪素のアルコキシドとしてメチル基を有するメチル
トリエトキシシラン(SiOCH3(OC2H5)3)をメ
タノールに溶解し、これを加水分解・重合せしめた後塗
布し、焼成してSiO2膜とするのであるが、以下の如き
課題がある。
04345号公報に開示されるゾル・ゲル法にあって
は、珪素のアルコキシドとしてメチル基を有するメチル
トリエトキシシラン(SiOCH3(OC2H5)3)をメ
タノールに溶解し、これを加水分解・重合せしめた後塗
布し、焼成してSiO2膜とするのであるが、以下の如き
課題がある。
【0008】溶媒(メタノール)の蒸発速度が速いた
め、均一な膜の形成ができず、図3(b)に示すように
ガラス基板100周端部の凹凸が数μmであるとSiO2
膜105の厚みも数μmとなる。そして、膜厚が増加す
るとそれにつれて膜に作用する応力も増加し、機械的耐
久性が弱くなり、剥離及びクラックの原因になる。 クラックを防ぐために厚膜が形成しやすいメチルトリ
エトキシシラン(SiCH3(OC2H5)3)等のメチル
基を有する有機シラン化合物を用いると、加水分解を完
全に終了させることが困難となり、メチル基等の成分の
一部が遊離し、これが塗布後の焼成時に蒸発して記録面
に再付着して表面の特性を変えたり、表面が疎水性にな
るので、洗浄不良の原因となる。また、記録媒体を高温
多湿状態で保存していると、溶け出して記録媒体の表面
を汚染する。
め、均一な膜の形成ができず、図3(b)に示すように
ガラス基板100周端部の凹凸が数μmであるとSiO2
膜105の厚みも数μmとなる。そして、膜厚が増加す
るとそれにつれて膜に作用する応力も増加し、機械的耐
久性が弱くなり、剥離及びクラックの原因になる。 クラックを防ぐために厚膜が形成しやすいメチルトリ
エトキシシラン(SiCH3(OC2H5)3)等のメチル
基を有する有機シラン化合物を用いると、加水分解を完
全に終了させることが困難となり、メチル基等の成分の
一部が遊離し、これが塗布後の焼成時に蒸発して記録面
に再付着して表面の特性を変えたり、表面が疎水性にな
るので、洗浄不良の原因となる。また、記録媒体を高温
多湿状態で保存していると、溶け出して記録媒体の表面
を汚染する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく本
願の記録媒体は、内周端部または外周端部にはSiO2膜
が形成され、このSiO2膜の厚さは周端凹凸部の山の部
分で50nm以上、谷の部分で1μm以下であるように
した。
願の記録媒体は、内周端部または外周端部にはSiO2膜
が形成され、このSiO2膜の厚さは周端凹凸部の山の部
分で50nm以上、谷の部分で1μm以下であるように
した。
【0010】また本願の記録媒体の製造方法は、円盤状
或いはドーナッツ状をなすガラス基板の内周端部または
外周端部にプロピルアルコールよりも分子量が大きいア
ルコールを主成分とした溶媒にテトラアルコキシシラン
を溶解し、この溶液を加水分解・重合せしめた後塗布
し、焼成してガラス基板の周端部にSiO2膜を形成し、
この後ガラス基板の表裏両面に下地膜、記録膜及び保護
膜を順に形成するようにした。
或いはドーナッツ状をなすガラス基板の内周端部または
外周端部にプロピルアルコールよりも分子量が大きいア
ルコールを主成分とした溶媒にテトラアルコキシシラン
を溶解し、この溶液を加水分解・重合せしめた後塗布
し、焼成してガラス基板の周端部にSiO2膜を形成し、
この後ガラス基板の表裏両面に下地膜、記録膜及び保護
膜を順に形成するようにした。
【0011】
【作用】プロピルアルコールよりも分子量が大きいアル
コールを溶媒とし、この溶媒にテトラアルコキシシラン
を溶解した溶液を塗布し、次いで焼成してガラス基板の
周端部にSiO2膜を形成する。プロピルアルコールより
も分子量が大きいアルコールを溶媒とすると、その塗布
膜の蒸着速度が小さいので、乾燥固化に際してクラック
が生ずるのが抑制される。
コールを溶媒とし、この溶媒にテトラアルコキシシラン
を溶解した溶液を塗布し、次いで焼成してガラス基板の
周端部にSiO2膜を形成する。プロピルアルコールより
も分子量が大きいアルコールを溶媒とすると、その塗布
膜の蒸着速度が小さいので、乾燥固化に際してクラック
が生ずるのが抑制される。
【0012】
【実施例】以下に本発明の(実施例1)を添付図面に基
づいて説明する。ここで、図1は本発明方法にて得られ
た記録媒体の断面図、図2は図1のA部拡大図であり、
記録媒体はドーナッツ状をしたガラス基板1の内周端部
及び外周端部を寸法出しのため粗研削し、この粗研削し
た部分の表面にゾル・ゲル法によってSiO2膜2を形成
している。
づいて説明する。ここで、図1は本発明方法にて得られ
た記録媒体の断面図、図2は図1のA部拡大図であり、
記録媒体はドーナッツ状をしたガラス基板1の内周端部
及び外周端部を寸法出しのため粗研削し、この粗研削し
た部分の表面にゾル・ゲル法によってSiO2膜2を形成
している。
【0013】このSiO2膜2は図3(a)に示すよう
に、周端部の凹凸部の山の部分で50nm以上、谷の部
分で1μm以下となるようにしている。このように山の
部分で50nm以上(この場合、谷の部分では当然50
nm以上となっている)とするのは、50nm未満であ
るとガラスの成分が溶出してくるからであり、また谷の
部分で1μm以下(この場合、山の部分では当然1μm
になっている)とするのは、1μmを越えるとクラック
等が発生しやすくなるからである。因みに、上記の厚さ
の範囲にするには後述する本発明に係る方法によること
が必要である。
に、周端部の凹凸部の山の部分で50nm以上、谷の部
分で1μm以下となるようにしている。このように山の
部分で50nm以上(この場合、谷の部分では当然50
nm以上となっている)とするのは、50nm未満であ
るとガラスの成分が溶出してくるからであり、また谷の
部分で1μm以下(この場合、山の部分では当然1μm
になっている)とするのは、1μmを越えるとクラック
等が発生しやすくなるからである。因みに、上記の厚さ
の範囲にするには後述する本発明に係る方法によること
が必要である。
【0014】また、内周端部及び外周端部にSiO2膜2
を形成したガラス基板1表面には、スパッタ法にて順に
下地膜3、磁気的或いは光学的記録膜4及び保護膜5が
形成されている。ここで、例えば下地膜3としては10
0nm厚のCr膜、記録膜4としては60nm厚のCoN
i30Cr7.5、保護膜5としては20nm厚のC(炭素)
膜とする。
を形成したガラス基板1表面には、スパッタ法にて順に
下地膜3、磁気的或いは光学的記録膜4及び保護膜5が
形成されている。ここで、例えば下地膜3としては10
0nm厚のCr膜、記録膜4としては60nm厚のCoN
i30Cr7.5、保護膜5としては20nm厚のC(炭素)
膜とする。
【0015】更に、ガラス基板1の最外表面には3nm
厚の潤滑油膜6が形成されている。この潤滑油膜6はフ
ッ素系潤滑油をフロン中に1/2000の体積比で溶解した潤
滑油溶液中にガラス基板を浸漬し、次いで、20cm/minの
速度で引き上げることで、形成する。ここで、スパッタ
法にて膜を形成する際にはガラス基板の一部をパレット
の溝に入れて行うが、この部分にあってはスパッタ法に
て膜が形成されず、図2に示すようにSiO2膜2の表面
に直接潤滑油膜6が形成される。
厚の潤滑油膜6が形成されている。この潤滑油膜6はフ
ッ素系潤滑油をフロン中に1/2000の体積比で溶解した潤
滑油溶液中にガラス基板を浸漬し、次いで、20cm/minの
速度で引き上げることで、形成する。ここで、スパッタ
法にて膜を形成する際にはガラス基板の一部をパレット
の溝に入れて行うが、この部分にあってはスパッタ法に
て膜が形成されず、図2に示すようにSiO2膜2の表面
に直接潤滑油膜6が形成される。
【0016】次に上記のSiO2膜2の具体的な形成法を
以下に述べる。先ず、珪素のアルコキシドとしてテトラ
エトキシシラン(Si(OC2H5)4)を14.5g用意
し、このテトラエトキシシランをエタノール16.14
gに溶かした後、0.1%塩酸を7.56g加えて30
分間攪拌して加水分解を行い、これにプロパノール3
7.0gを加えて希釈した。次いで、上記の溶液をワイ
ビングクロスに含浸させてガラス基板のエッジに押し当
てて塗布し、この後350℃にて15分間焼成し、上記
のSiO2膜2を得た。
以下に述べる。先ず、珪素のアルコキシドとしてテトラ
エトキシシラン(Si(OC2H5)4)を14.5g用意
し、このテトラエトキシシランをエタノール16.14
gに溶かした後、0.1%塩酸を7.56g加えて30
分間攪拌して加水分解を行い、これにプロパノール3
7.0gを加えて希釈した。次いで、上記の溶液をワイ
ビングクロスに含浸させてガラス基板のエッジに押し当
てて塗布し、この後350℃にて15分間焼成し、上記
のSiO2膜2を得た。
【0017】ここで、珪素のアルコキシドとしては、テ
トラエトキシシランの他にテトラメトキシシラン、テト
ラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の加水分
解が終結しやすいオルソアルコキシシランを用いること
ができる。
トラエトキシシランの他にテトラメトキシシラン、テト
ラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の加水分
解が終結しやすいオルソアルコキシシランを用いること
ができる。
【0018】また溶媒としてはプロピルアルコールより
も分子量が大きいアルコールを主成分としたものを用い
ることができる。このように溶媒として分子量の大きな
ものを用いるのは蒸発速度を遅くするためであり、この
観点からはエタノールを加える場合には30%以下とす
るのが好ましい。また、蒸発速度を遅くするために雰囲
気中での溶媒の蒸気圧を高くする手段を講じてもよい。
も分子量が大きいアルコールを主成分としたものを用い
ることができる。このように溶媒として分子量の大きな
ものを用いるのは蒸発速度を遅くするためであり、この
観点からはエタノールを加える場合には30%以下とす
るのが好ましい。また、蒸発速度を遅くするために雰囲
気中での溶媒の蒸気圧を高くする手段を講じてもよい。
【0019】次に(実施例2)を説明する。実施例2は
実施例1の溶媒(プロパノール)の代りにエタノール、
ブタノール、オクタノールをもちたことの他は全く同じ
ようにして磁気ディスクを作成した。得られた磁気ディ
スクのエッジ部研磨面を走査顕微鏡で観察し、50μm
平方の面積内に観察されるクラック数を計数し、以下の
(表1)を得た。これから本願発明の効果が分る。
実施例1の溶媒(プロパノール)の代りにエタノール、
ブタノール、オクタノールをもちたことの他は全く同じ
ようにして磁気ディスクを作成した。得られた磁気ディ
スクのエッジ部研磨面を走査顕微鏡で観察し、50μm
平方の面積内に観察されるクラック数を計数し、以下の
(表1)を得た。これから本願発明の効果が分る。
【0020】
【表1】
【0021】(比較例)メチルトリエトキシシラン(S
iCH3(OC2H5)3)17.83gをエタノールに溶かした
後、ブタノール22.24gを加えた。次に、0.1%塩酸12.29g
を加えて攪拌した。次に、エタノール13.82g、ブタノー
ル22.24gの混合物を加えた。この溶液をワイピングクロ
スに含浸させて、実施例1で用いたのと同じドーナッツ
状のガラス基板の研削面に押し当てて塗布した後、35
0℃にて15分間焼成した。この被覆状態を電子顕微鏡
で観察したところ、クラックは見つからなかった。次
に、このガラス基板にスパッタ法にて下地膜(Cr100n
m)、記録膜(CoNi30Cr7.560nm)、保護膜(C20n
m)を順次成膜舌。その後、フッ素系潤滑油(モンテジ
ソン社AM2001)をフロン中に1/2000の体積比で溶解
し、この中にディスクを浸漬した後20cm/minの速度で引
き上げて、厚さ3nm塗布した。この磁気記録媒体を、温
度80℃、湿度90%、100時間の条件にて耐候性試験し
た。耐候性試験後のディスク面は全面変色していた。こ
れは未反応のメチルトリエトキシシランが溶出したこと
による。
iCH3(OC2H5)3)17.83gをエタノールに溶かした
後、ブタノール22.24gを加えた。次に、0.1%塩酸12.29g
を加えて攪拌した。次に、エタノール13.82g、ブタノー
ル22.24gの混合物を加えた。この溶液をワイピングクロ
スに含浸させて、実施例1で用いたのと同じドーナッツ
状のガラス基板の研削面に押し当てて塗布した後、35
0℃にて15分間焼成した。この被覆状態を電子顕微鏡
で観察したところ、クラックは見つからなかった。次
に、このガラス基板にスパッタ法にて下地膜(Cr100n
m)、記録膜(CoNi30Cr7.560nm)、保護膜(C20n
m)を順次成膜舌。その後、フッ素系潤滑油(モンテジ
ソン社AM2001)をフロン中に1/2000の体積比で溶解
し、この中にディスクを浸漬した後20cm/minの速度で引
き上げて、厚さ3nm塗布した。この磁気記録媒体を、温
度80℃、湿度90%、100時間の条件にて耐候性試験し
た。耐候性試験後のディスク面は全面変色していた。こ
れは未反応のメチルトリエトキシシランが溶出したこと
による。
【0022】
【発明の効果】図6は温度を80℃、湿度を90%とし
た耐候テストにより生じた端面からの腐食の幅を縦軸に
時間を横軸にしたものであり、このグラフからも明らか
なように本発明によれば、磁気記録媒体などの記録媒体
の周端部にゾル・ゲル法にてSiO2膜を形成するにあた
り、プロピルアルコールよりも分子量が大きいアルコー
ルを主成分とした溶媒を用いているため、蒸発速度が速
すぎず、図3(a)に示すように薄くて均一なSiO2膜
が形成できる。このように、薄くて均一なSiO2膜が形
成されることで、剥離やクラックのない優れた保護膜が
得られる。また、珪素のアルコキシドとしてテトラアル
コキシシランを用いることで、加水分解・重合を完全に
終結せしめることができ、したがってアルコキシル基等
が遊離することがなく表面特性、耐久性に優れた記録媒
体を得ることができる。
た耐候テストにより生じた端面からの腐食の幅を縦軸に
時間を横軸にしたものであり、このグラフからも明らか
なように本発明によれば、磁気記録媒体などの記録媒体
の周端部にゾル・ゲル法にてSiO2膜を形成するにあた
り、プロピルアルコールよりも分子量が大きいアルコー
ルを主成分とした溶媒を用いているため、蒸発速度が速
すぎず、図3(a)に示すように薄くて均一なSiO2膜
が形成できる。このように、薄くて均一なSiO2膜が形
成されることで、剥離やクラックのない優れた保護膜が
得られる。また、珪素のアルコキシドとしてテトラアル
コキシシランを用いることで、加水分解・重合を完全に
終結せしめることができ、したがってアルコキシル基等
が遊離することがなく表面特性、耐久性に優れた記録媒
体を得ることができる。
【図1】本発明方法にて得られた記録媒体の断面図
【図2】図1のA部拡大図
【図3】(a)は本発明方法で形成したSiO2膜の厚さ
を示す拡大断面図、(b)は従来法で形成したSiO2膜
の厚さを示す拡大断面図
を示す拡大断面図、(b)は従来法で形成したSiO2膜
の厚さを示す拡大断面図
【図4】従来の記録媒体の断面図
【図5】図4のB部拡大図
【図6】本発明品と従来品の耐久性を比較したグラフ
1…ガラス基板、2…SiO2膜、3…下地膜、4…記録
膜、5…保護膜、6…潤滑油膜。
膜、5…保護膜、6…潤滑油膜。
Claims (2)
- 【請求項1】 円盤状或いはドーナッツ状をなすガラス
基板の表裏両面に磁気的或いは光学的記録膜を形成した
記録媒体において、この記録媒体の内周端部または外周
端部にはSiO2膜が形成され、このSiO2膜の厚さは周
端凹凸部の山の部分で50nm以上、谷の部分で1μm
以下であることを特徴とする記録媒体。 - 【請求項2】 円盤状或いはドーナッツ状をなすガラス
基板の内周端部または外周端部にプロピルアルコールよ
りも分子量が大きいアルコールを主成分とした溶媒にテ
トラアルコキシシランを溶解し、この溶液を加水分解・
重合せしめた後塗布し、焼成してガラス基板の周端部に
SiO2膜を形成し、この後ガラス基板の表裏両面に下地
膜、記録膜及び保護膜を順に形成するようにしたことを
特徴とする記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5171634A JPH0729207A (ja) | 1993-07-12 | 1993-07-12 | 記録媒体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5171634A JPH0729207A (ja) | 1993-07-12 | 1993-07-12 | 記録媒体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0729207A true JPH0729207A (ja) | 1995-01-31 |
Family
ID=15926834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5171634A Withdrawn JPH0729207A (ja) | 1993-07-12 | 1993-07-12 | 記録媒体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0729207A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003080520A1 (en) * | 2002-03-15 | 2003-10-02 | Yazaki Corporation | Method for making thin fused glass articles |
US8124257B2 (en) | 2007-12-11 | 2012-02-28 | Fuji Electric Co., Ltd. | Substrate for recording medium, and magnetic recording medium using same |
-
1993
- 1993-07-12 JP JP5171634A patent/JPH0729207A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003080520A1 (en) * | 2002-03-15 | 2003-10-02 | Yazaki Corporation | Method for making thin fused glass articles |
US7043940B2 (en) | 2002-03-15 | 2006-05-16 | Yazaki Corporation | Method for making thin fused glass articles |
US8124257B2 (en) | 2007-12-11 | 2012-02-28 | Fuji Electric Co., Ltd. | Substrate for recording medium, and magnetic recording medium using same |
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