JPH07292046A - 放射線硬化性水性樹脂組成物 - Google Patents

放射線硬化性水性樹脂組成物

Info

Publication number
JPH07292046A
JPH07292046A JP6091084A JP9108494A JPH07292046A JP H07292046 A JPH07292046 A JP H07292046A JP 6091084 A JP6091084 A JP 6091084A JP 9108494 A JP9108494 A JP 9108494A JP H07292046 A JPH07292046 A JP H07292046A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radiation
water
group
polyurethane
curable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6091084A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2889115B2 (ja
Inventor
Kazuo Sato
佐藤  一雄
Katsushi Furuta
克司 古田
Tsuyoshi Fujiwara
剛志 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DKS Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd filed Critical Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
Priority to JP6091084A priority Critical patent/JP2889115B2/ja
Publication of JPH07292046A publication Critical patent/JPH07292046A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2889115B2 publication Critical patent/JP2889115B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 網状構造を形成し得る機能を有し、硬化後の
塗膜が脆くならず、被着体材料への密着性が良好な放射
線硬化性水性樹脂組成物を提供する。 【構成】 活性アミノ基含有ポリウレタンのエマルジョ
ンを調製し、このエマルジョンに重合性不飽和基含有イ
ソシアネート化合物を反応させることにより、重合性不
飽和基をポリウレタン骨格に導入した放射線硬化性ポリ
ウレタン水分散体を得、これに二重結合含有モノマー及
び/又はオリゴマーと光増感剤とを添加して放射線硬化
性水性樹脂組成物を得る。 【効果】 エマルジョン中に含有されるポリウレタン骨
格に重合性不飽和基を有しているので、多くの溶剤を含
有しない水系のエマルジョンありながら、放射線照射に
より密な網状構造を形成することができ、硬化後の塗膜
が脆くならず、しかも被着体材料への密着性が良好とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の放射線照射によ
り重合する放射線硬化性水性樹脂組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン樹脂は、従来より塗料及び
その他の広範な用途で使用される有用な材料であり、組
成物として使用されるのが通常である。このような組成
物として従来より溶剤を用いたものが多用されている
が、この溶剤系のものは使用した溶剤の大気飛散により
環境が汚染され人体に有害であるという問題点が指摘さ
れている。このような問題点の無いものとして、最近、
水溶性又は水性エマルジョン系の合成樹脂が特に有益視
されるようになり、その使用量は将来に向かって拡大の
方向にある。
【0003】組成物に用いられる水溶性又は水性エマル
ジョンの樹脂としてポリウレタン樹脂があり、その一つ
としてとして、ブロック化イソシアネート基を有する比
較的低分子量〜中分子量域の熱反応型ポリウレタンエマ
ルジョンが挙げられる。また、もう一つとしては、反応
基を持たない直鎖状構造を主体とする比較的高分子量域
のポリウレタンエマルジョンが挙げられる。
【0004】これらのエマルジョンは、含有されている
ポリウレタンのウレタン骨格中にアニオン性、カチオン
性、若しくは非イオン性の親水性基を導入して自己乳化
分散性を付与し、これを水中に分散させたもの、又は疎
水性のウレタン樹脂に乳化剤を添加して強制的に水に分
散させたものである。
【0005】一方、近年、省エネルギー、低温、短時間
加工が可能という利点を有する放射線硬化性樹脂が急速
に需要を伸ばしている。従来の放射線硬化性樹脂では非
水系タイプのものが主流を占め、上述のように省エネル
ギー、低温、短時間加工を指向するため、その構成成分
の100%が樹脂成分で構成されている。その主たる構
成成分として、中分子量域の放射線硬化性樹脂と、塗工
適性を向上させるための多量の単量体、即ち希釈剤モノ
マーとを含有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来の水溶性又は水性のポリウレタンエマルジョンにあ
っては、以下のような問題点を有している。即ち、ブロ
ック化イソシアネート基を有する比較的低分子量から中
分子量域の熱反応型ポリウレタンエマルジョンの場合
は、ブロック化剤が解離する温度以上で処理する必要が
あり、そのために被着体材料の耐熱性が問題となり、適
用できる温度範囲が限られる。
【0007】また、反応基を持たない直鎖状構造を主体
とする比較的高分子量域のポリウレタンエマルジョンの
場合、例えば、耐熱接着性、耐溶剤性、耐薬品性等の性
能に劣り、その向上が望まれているのが現状である。こ
れら従来のポリウレタンエマルジョンの諸欠点を改良す
るため、従来よりトリメチロールメラミン等のメラミン
系、エポキシ系、ブロック化イソシアネート系等の各種
架橋剤の配合が試みられている。その結果、ある程度の
性能の向上は認められているものの、大半は性能的に未
だ不十分である。また、これらの架橋剤を添加し架橋さ
せる場合、架橋剤の反応基の反応温度以上の処理温度を
必要とするなどの理由により、乾燥に必要な温度で成膜
でき、良好な物性を発現できるという従来のポリウレタ
ンエマルジョンの利点が損なわれてしまう。また、被着
体材料の耐熱性を考慮すれば加工条件が制約されると共
に、適応できる温度範囲が限られてくる。従って、上記
性能のより一層の向上が望まれているのが実状である。
【0008】この性能不足は、主として前記従来技術に
於けるポリウレタンが架橋し得る官能基を有していない
ことに起因している。即ち、従来に於けるこれら架橋剤
による改質は、ポリウレタン樹脂とこれら架橋剤の自己
重合体との相互侵入網目(IPN)のような分子の絡ま
りによる物性改善のレベルであるためと考えられる。
【0009】よって、従来技術に於けるポリウレタン組
成物を改良するために、網状構造を形成し得る機能を導
入したポリウレタンエマルジョン組成物が切に望まれて
いる。
【0010】また、従来技術に於ける放射線硬化性樹脂
は、低分子量から中分子量域のポリウレタンと単量体と
により構成されているため、硬化後の樹脂の可撓性が劣
り、脆い皮膜層を生じるという欠点があり、更に、硬化
収縮が著しいために被着材料への接着不良が生じ易いと
いう欠点を有している。
【0011】本発明はこのような従来の問題点を解決す
るものであり、本発明の目的は、網状構造を形成し得る
機能を有し、可撓性に優れた皮膜を形成し得て、密着
性、耐熱性、耐水性等の物性に優れた放射線硬化性水性
組成物を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の放射線硬化性水
性樹脂組成物は、活性アミノ基含有ポリウレタンエマル
ジョンに、水の存在下、重合性不飽和基含有イソシアネ
ート化合物を添加し反応させて得られる放射線硬化性ポ
リウレタン水分散体と、二重結合含有モノマー及び/又
はオリゴマーと、光増感剤とを含有することを特徴とす
る。
【0013】前記活性アミノ基含有ポリウレタンエマル
ジョンは、2個以上の活性水素を含有する化合物と有機
ポリイソシアネートとの反応により得られる分子末端に
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを水中
に乳化分散し、その後、水の存在下、同一分子内に少な
くとも2個の一級アミノ基と少なくとも1個の二級アミ
ノ基とを有するポリアミンを添加し反応させて得られ
る。
【0014】更に、前記ウレタンプレポリマーへの前記
ポリアミンの添加は、(前記ウレタンプレポリマーの末
端NCO基)/(前記ポリアミンの1級アミノ基)のモ
ル比が1/1〜1/0.7の範囲となるように行うこと
が好ましい。
【0015】また、前記重合性不飽和基含有イソシアネ
ート化合物は、同一分子内に(メタ)アクリロイル基、
アリル基及びスチレン基からなる群から選択される少な
くとも1個の基と少なくとも1個のイソシアネート基と
を含有する化合物とすることができる。
【0016】更に、前記放射線硬化性ポリウレタン水分
散体と、前記二重結合含有モノマー及び/又はオリゴマ
ーとの固形分配合割合は、重量比で10/90〜97/
3の範囲とすることが好ましい。
【0017】本発明に使用する放射線硬化性ポリウレタ
ン水分散体は、上述のように活性アミノ基含有ポリウレ
タンエマルジョンに、重合性不飽和基含有イソシアネー
トを添加し反応させることにより得られるが、この活性
アミノ基含有ポリウレタンエマルジョンの調製が重合性
不飽和基のウレタン骨格への導入を容易ならしめてい
る。活性アミノ基含有ポリウレタンエマルジョンは、分
子末端にイソシアネートを有するウレタンプレポリマー
と、同一分子内に少なくとも2個の一級アミノ基と少な
くとも1個の二級アミノ基とを有するポリアミンとを反
応させることにより得られる。分子末端にイソシアネー
ト基を有するウレタンプレポリマーの製造は、活性水素
を2個以上含有する化合物と有機ポリイソシアネートが
過剰な系で実施される。
【0018】上述の活性水素を2個以上含有する化合物
としては、末端又は分子中に2個以上のヒドロキシル基
を含むもので、一般に公知のポリエーテル、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリエーテルエステル、ポリチ
オエーテル、ポリアセタール、ポリブタジエン、ポリシ
ロキサン等のポリオール化合物が挙げられる。なお、前
記活性水素を2個以上含有する化合物として、分子量3
00〜5,000の範囲のものが使用される。尚、物性
の調整、ウレタン濃度の調整等のため、必要に応じて、
低分子量の1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、エ
チレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、シクロヘキサンジメタノール等のグリコール、トリ
オール等を使用してもよい。
【0019】前記有機ポリイソシアネート化合物として
は、従来より慣用されている芳香族、脂肪族又は脂環族
の有機ポリイソシアネートが使用される。例えば、トリ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、水添化キシリレンジイソイアネート、テト
ラメチルキシリレンジイソシアネート等の有機ポリイソ
シアネート又はこれらの混合物があげられる。
【0020】活性水素を2個以上含有する化合物と、過
剰量の有機ポリイソシアネートとの反応は、従来より公
知の一段式又は多段イソシアネート重付加反応法によ
り、50〜120℃の温度条件下で行われる。
【0021】この反応に際し、必要に応じてリン酸、ア
ジピン酸、ベンゾイルクロライト等の反応制御剤、ジブ
チルスズジラウレート、スタナスオクトエート、トリエ
チルアミン等の反応触媒、更には、イソシアネート基と
反応しない有機溶媒を反応に際し又は反応終了後に添加
してもよい。これら有機溶媒としては、アセトン、メチ
ルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢
酸エチル、トルエン、キシレン等がある。
【0022】有機溶媒を全く使用しないことは可能であ
るが、ウレタンプレポリマーの粘度が高いなどの理由に
より希釈のために溶媒を使用する場合は、後述する活性
アミノ基含有ポリウレタンエマルジョン調製後又は活性
アミノ基含有ポリウレタンエマルジョンと重合性不飽和
結合含有イソシアネート化合物との反応が終了した後、
減圧回収することができる。
【0023】尚、減圧回収による重合性不飽和基の重合
等が懸念される場合には、溶媒回収は、活性アミノ基含
有ポリウレタンエマルジョン調製後、即ち、重合性不飽
和基がポリウレタン骨格に導入される前の工程で実施す
る方が好ましい。
【0024】また、必要に応じて、反応に際し又は反応
終了後に、酸化防止剤等の安定剤を添加することもでき
る。また、ウレタンポリマーの末端のイソシアネート基
含有量は3.0〜0.3重量%が好ましく、2.0〜
1.0%とすることがより好ましい。末端イソシアネー
ト基含有量が3.0重量%より多いと、後述するポリア
ミンとの反応に際して乳化破壊してゲル化するか、又は
製品安定性及び経時安定性が不良となり、末端イソシア
ネート基含有量が0.3重量%より少ないと、後述する
ポリアミンとの反応による活性アミノ基の導入量が少な
くなり、その結果、後工程の反応で導入される重合性不
飽和基含有イソシアネート量が少なくなり、ウレタン骨
格に導入される重合性不飽和基の量が少なくなる。従っ
て、本発明の放射線硬化性水性樹脂組成物を用いて塗膜
を形成し放射線硬化した後の塗膜の物性の向上が期待で
きないことになる。
【0025】前記分子末端にイソシアネート基を有する
ウレタンプレポリマーは水に乳化、分散される。その方
法としては以下の方法がある。即ち、 .前述のウレタンプレポリマー調製段階で予め分子内
にカルボキシル基含有のポリオール成分、例えば、ジメ
チロールプロピオン酸等と有機ポリイソシアネートとの
反応によりカルボキシル基を導入しておき、そのカルボ
キシル基をトリエチルアミン、トリメチルアミン、ジエ
タノールモノメチルアミン、ジエチルエタノールアミ
ン、苛性ソーダ、苛性カリウム等の塩基性化合物で中和
してカルボキシル基の塩類に変換する方法。
【0026】.前述のウレタンプレポリマー調製段階
で、予め分子内にオキシエチレン鎖を5〜20重量%含
有させておき、且つ、HLB値6〜18の非イオン活性
剤をウレタンプレポリマー調製後50℃以下で添加混合
する方法。但し、この活性剤の使用量は、乳化分散性、
製品皮膜の耐水性等を考慮して、ウレタンプレポリマー
に対して2〜15重量%であることが好ましい。
【0027】.前述のウレタンプレポリマー調製後、
末端イソシアネート基の50〜5%より好ましくは、3
0〜5%に相当するアミノエタンスルホン酸、アミノ酢
酸等のナトリウム塩、カリウム塩水溶液を、5〜50℃
好ましくは20〜40℃で、60分間反応させる方法。
などが挙げられる。
【0028】尚、ウレタンプレポリマーが自己水分散性
を有するものについては、前記〜の親水化は不要で
ある。
【0029】前記の何れかの操作を実施した後、
水を加え、ホモミキサー、ホモジナイザー等の乳化分散
装置を用いて乳化分散を行う。尚、乳化分散を行う場
合、ウレタンプレポリマーの末端イソシアネート基と水
との反応を抑制する意味で、乳化分散温度は低温が好ま
しく、5〜40℃、好ましくは5〜30℃の範囲で、よ
り好ましくは5〜20℃の範囲で実施される。
【0030】次に、本発明に使用するポリアミン化合物
としては、同一分子内に一級アミノ基を少なくとも2
個、二級アミノ基を少なくとも1個を有する化合物が用
いられ、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレン
テトラミン、ジプロピレントリアミン等があげられる。
これらのポリアミン化合物は、(ウレタンプレポリマー
の末端イソシアネート基のモル数)/(ポリアミンの一
級アミノ基のモル数)の比=1/1〜1/0.7の割合
となるように使用量が決められる。この比が1/1より
小さい(一級アミノ基のモル比が大きい)と、有効な高
分子量化が阻害される傾向となり、1/0.7より大き
い(一級アミノ基のモル比が小さい)と、導入される活
性アミノ基の量が少なくなり、必然的に次工程で導入さ
れる重合性不飽和基の量が減少し、本発明のエマルジョ
ン組成物としての物性発現効果が小さくなると共に、エ
マルジョン組成物の増粘、ゲル化が起こるので好ましく
ない。
【0031】前述したウレタンプレポリマーを水中に乳
化、分散した後、前記のポリアミン化合物を添加し乳
化、分散系でウレタンプレポリマーの末端イソシアネー
ト基とポリアミンとを反応させる。この反応に際し、均
一な反応を行うためにホモミキサー、ホモジナイザー等
の乳化、分散装置が用いられる。また、急激な反応、局
部的な反応による乳化破壊等が原因で生じるゲル化、後
の製品安定性、経時安定性を考慮して、5〜40℃好ま
しくは、5〜30℃より好ましくは5〜20℃の温度範
囲で反応が行われ、通常10〜120分かけてポリアミ
ン鎖伸長反応が実施される。
【0032】この方法により、イソシアネート基に対し
てより速い反応速度を有するポリアミン化合物分子中の
一級アミノ基が選択的に鎖伸長反応に関与する。その結
果、ポリアミン化合物分子中の二級アミノ基の部位がポ
リウレタン骨格構造中に導入されることとなる。このよ
うにして、本発明に用いる活性アミノ基含有ポリウレタ
ンエマルジョンが製造される。乳化分散中に有機溶媒を
含有する場合には、必要に応じて、減圧下、30〜70
℃で有機溶媒を留去することにより、本発明に使用する
活性アミノ基含有ポリウレタンエマルジョンが得られ
る。
【0033】尚、この時、水とイソシアネート基との副
反応を抑制し、イソシアネート基とポリアミン化合物と
の反応を促進するため、リン酸、塩酸、ベンゾイルクロ
ライド等を添加することができる。
【0034】次に、本発明の放射線硬化性ポリウレタン
水分散体の調製に使用する重合性不飽和含有イソシアネ
ートを例示するならば、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ト
リレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシア
ネート等の一般的な有機ポリイソシアネート又はこれら
の2量体若しくは3量体と、ヒドロキシルメタアクリレ
ート、ヒドロキシルアクリレート等のアクリロイル基含
有ヒドロキシル基化合物及び/若しくはこれらのアルキ
レンオキサイド付加物、又はアリルアルコール及び/若
しくはアリルアルコールのアルキレンオキサイド付加物
との付加反応生成物等があげられる。その他の例示とし
ては、化1の構造式で示される2−メタクリロイルオキ
シエチルイソシアネート、化2の構造式で示されるm−
イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネ
ート、化3の構造式で示されるメタクリロイルイソシア
ネート等があげられる。
【0035】
【化1】
【0036】
【化2】
【0037】
【化3】
【0038】これらの重合性不飽和基含有イソシアネー
ト化合物は、前記の工程で得られた活性アミノ基含有ポ
リウレタンエマルジョン中へ添加、より好ましくは滴下
して混合され、反応が行われる。
【0039】重合性不飽和基含有イソシアネート化合物
の前記活性アミノ基含有ポリウレタンエマルジョンへの
添加反応は、5〜40℃、より好ましくは5〜30℃の
温度下で実施され、15分間〜120分かけて実施され
る。この反応温度が5℃より低いと活性アミノ基と重合
性不飽和基含有イソシアネート化合物との反応が遅くな
ると共に、重合性不飽和基含有イソシアネート化合物と
水との副反応が起こるので好ましくない。一方、反応温
度が40℃より高いと、重合性不飽和基含有イソシアネ
ート化合物と水との副反応が誘発されるため、活性アミ
ノ基と重合性不飽和基含有イソシアネート化合物との反
応率が低下する。従って、必然的にウレタン骨格への重
合性不飽和基の導入量が減少することとなる。
【0040】前記重合性不飽和基含有イソシアネート化
合物の添加量は、(前記活性アミノ基含有ポリウレタン
エマルジョンの活性アミノ基のモル数)/(重合性不飽
和基含有イソシアネート化合物のイソシアネート基のモ
ル数)の比が1/1.05〜1/0.8の割合となるよ
うに設定され添加される。この比が1/1.05より小
さい(イソシアネート基のモル比が大きい)と、重合性
不飽和基含有イソシアネート化合物と水との反応による
遊離状態の重合性不飽和基含有尿素体、重合性不飽和基
含有アミン化合物が多くなるので好ましくない。また、
この比が1/0.8より大きい(イソシアネート基のモ
ル比が小さい)と、必然的に、重合性不飽和基の導入量
が減少し、本発明のエマルジョン組成物の物性発現効果
が小さくなるので好ましくない。更に、活性アミノ基が
多量に残存すると、硬化後の皮膜の焼け、黄変等が増長
するので好ましくない。
【0041】上記反応により、本発明の放射線硬化性水
性樹脂組成物に使用される放射線硬化性ポリウレタン水
分散体が得られる。
【0042】次に、本発明に使用する二重結合有モノマ
ー及び二重結合有オリゴマーについて以下に説明する。
これらとして、単官能、二官能、多官能の(メタ)アク
リロイル基含有化合物を挙げることができる。例えば、
ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルア
クリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、メチルアクリルアミド、ポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、アルコール及びフェノール類
のポリエチレンオキサイド付加物のモノ(メタ)アクリ
レート等の単官能(メタ)アクリロイル基含有化合物、
トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのポ
リエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート
等の二官能(メタ)アクリロイル基含有化合物、更にト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能
(メタ)アクリロイル基含有化合物等があげられる。
【0043】これら二重結合含有モノマー及び/又は二
重結合含有オリゴマーを配合する場合の配合方法は、本
発明に使用する前述の放射線硬化性ポリウレタン水分散
体を調製した後に直接添加する方法、又は、これらの二
重結合含有モノマー及び/又は二重結合含有オリゴマー
を水に前もって溶解、分散した後に放射線硬化性ポリウ
レタン水分散体に添加する方法を採用することができ
る。更に、必要に応じて乳化剤を使用することができ
る。
【0044】ここで、前記放射線硬化性ポリウレタン水
分散体と前記二重結合含有モノマー及び/又はオリゴマ
ーとの配合は、固形分比で10/90〜97/3好まし
くは、20/80〜95/5、更に好ましくは30/7
0〜95/5で配合される。
【0045】放射線硬化性ポリウレタン水分散体の配合
割合が固形分比で10%より小さいと、本発明の放射線
硬化性水性樹脂組成物を用いて得られる硬化皮膜の可撓
性が小さくなって脆い物性を示すので好ましくない。ま
た、二重結合含有モノマー及び/又はオリゴマーの配合
割合が固形分比で3%より小さいと両者による共重合に
よる物性の向上が実質的に発現されないので好ましくな
い。
【0046】次に、本発明の放射線硬化性水性樹脂組成
物の成分の一つである光増感剤について説明する。光増
感剤としては、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル
系、ケタール系、ベンゾフェノン系、アントラキノン系
等の誘導体が挙げられる。例えば、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン,イソプロ
ペニルベンゾインエーテル等のアルキルベンゾインエー
テル、オルソベンゾイル安息香酸メチル,ベンジルメチ
ルケタール,エチルアントラキノン等が挙げられる。こ
れらは単独又は2種以上を併用してもよい。
【0047】尚、添加量は、光架橋を達成するため、放
射線硬化性ポリウレタン水分散体と二重結合含有モノマ
ー及び/又はオリゴマーとに含有される全樹脂固形分に
対して0.3〜10%、より好ましくは、0.3〜5%
である。また、これらはそのままで添加するか、又は乳
化剤を用いて水に乳化した後、前記放射線硬化性ポリウ
レタン水分散体と二重結合含有モノマー及び/又はオリ
ゴマーとの配合液に添加される。
【0048】以上により、前記放射線硬化性ポリウレタ
ン水分散体と、二重結合含有モノマー及び/又はオリゴ
マーと、光増感剤とを必須成分とする本発明の放射線硬
化性水性樹脂組成物が得られる。
【0049】
【作用】本発明の放射線硬化性水樹脂組成物は、放射線
硬化性ポリウレタン水分散体と二重結合含有モノマー及
び/又はオリゴマーと光増感剤とを含有しているため、
放射線照射により放射線硬化性ポリウレタンと二重結合
含有モノマー及び/又はオリゴマーとが共架橋し、密な
網状構造を形成することができる。
【0050】このことにより、省エネルギー、短時間の
UV光硬化が可能となり、従来のブロック化イソシアネ
ート基を有する熱反応型エマルジョンで未解決であっ
た、高温処理による被着体材料の耐熱性の問題点が解決
され、広範な分野への適用が可能となる。
【0051】また、構成成分の一つである放射線硬化性
ポリウレタン水分散体が高分子量であるため、硬化後の
皮膜が可撓性に富み、脆くならず、しかも被着体材料へ
の密着性が良好となる。
【0052】更に、二重結合含有モノマー及び/又はオ
リゴマーの配合量を変えて硬化皮膜の架橋密度を変化さ
せることにより、形成される皮膜の物性を適宜変更する
ことが可能となる。そのため、従来の反応基を有しない
ポリウリレタンエマルジョンの欠点であった、皮膜の耐
熱性、耐溶剤性、耐薬品性等の性能の不足も解決でき
る。従って、適用分野毎に異なる物性の要求に応ずるこ
とができ、広範囲の需要に対応することが可能となる。
【0053】加えて、本発明の放射線硬化性水性樹脂組
成物は高分子量の放射線硬化性ポリウレタン水分散体と
二重結合含有モノマー及び/又はオリゴマーとを配合し
てあるため、従来技術の放射線硬化樹脂に見られる樹脂
硬化収縮による被着体への接着不足等の問題を解決する
ことができる。また、従来の技術の放射線硬化樹脂にお
ける希釈モノマーは、物性面とは別に粘度調整のための
希釈剤としての機能を果していたため、得られる皮膜の
物性を犠牲にして過剰に使用する必要があった。これに
対し、本発明の組成物は水で希釈できるので、二重結合
モノマー及び/又はオリゴマーの配合量は、目標物性に
適合するように設定することができるので、皮膜の物性
が犠牲となることはない。
【0054】
【発明の効果】本発明に係る放射線硬化性水性樹脂組成
物は、以下の様な特有の効果を有している。即ち、 (1)本発明の放射線硬化性水性樹脂組成物は、ポリウ
レタン骨格に重合性不飽和基を有したポリウレタン水分
散体と二重結合含有モノマー及び/又はオリゴマーと光
増感剤とを含有しているため、UV照射により共架橋す
ることができる。
【0055】そのため、従来のポリウレタンエマルジョ
ンでは得られない省エネルギー、短時間の加工が可能と
なり、作業性と皮膜物性の向上も図ることができる。
【0056】(2)構成成分の一つが高分子量の放射線
硬化性ポリウレタン水分散体であるため、硬化後の皮膜
が可撓性に富み、脆くならない。
【0057】(3)更に、水で希釈できるため、二重結
合含有モノマー及び/又はオリゴマーは従来技術のよう
に希釈剤としての機能を果す必要がなく、目標とする物
性に適合した配合量を使用することができる。従って、
二重結合含有モノマー及び/又はオリゴマーを過剰に使
用することによって物性面が犠牲にならない。従って、
被着体材料への接着性低下等の問題も解決することがで
きる。
【0058】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、
後述する実施例、合成例、比較例及び比較合成例等にお
ける「部」及び「%」は、特に明示がない限り、各々重
量部及び重量%を示す。
【0059】<合成例1>ポリエステルポリオール(ブ
チレンアジペート、分子量2000)350部、トリメ
チロールプロパン10.1部、ポリエチレングリコール
35部(分子量600)、PO(プロピレンオキサイ
ド)/EO(エチレンオキサイド)ランダム共重合ポリ
エーテルポリオール35部、(PO/EO=30/7
0,分子量3400)、及び1,4−ブタンジオール7
8.3部をメチルエチルケトン400部に添加し溶解し
た後、イソホロンジイソシアネート310部を系内温度
50℃で添加した。その後、ジブチルスズジラウレート
0.05部を添加し、徐々に加温して系内温度75℃と
した。75℃で60分間反応させた段階で更にジブチル
スズジラウレート0.05部を添加した。その後、反応
を継続して75℃/200分経過した時点で冷却し、系
内温度を50℃とした。50℃に冷却後のウレタンプレ
ポリマーの遊離イソシアネート基は2.0%(対固形
分)であった。
【0060】次に、系内温度45℃にて、ジスチレン化
フェノールのエチレンオキサイド付加物であるポリオキ
シエチレンアリールフェノールエーテル型非イオン界面
活性剤(HLB=15)80部添加し、10分間混合し
た。その後、系内内容物をホモミキサーを用いて300
0rpmで高速攪拌し、その中へ蒸留水1300部を徐
々に添加し、その後、系内温度30℃にて20分間乳化
を実施した。
【0061】系内温度をさらに20℃に冷却した後、ジ
エチレントリアミン18部を蒸留水130部に溶解した
ジエチレントリアミン水溶液(ウレタンプレポリマー末
端NCO基/ジエチレントリアミン中の一級アミノ基の
モル比=1/0.9)を添加した。系内温度を20〜2
5℃にコントロールして、60分間ホモミキサーを用い
て3000rpmで攪拌を続行した。次に、エバポレー
ターにより、溶媒として使用したメチルエチルケトンを
減圧回収(湯浴40℃)した。以上により、本発明に使
用する活性アミノ基含有ポリウレタンエマルジョンを調
製することができた。
【0062】得られた活性アミノ基含有ポリウレタンエ
マルジョンの分析を行った。その結果を表1に示す。含
有される活性アミノ基量(アミン価、以下「Am・V」
という)は、エマルジョン10部を攪拌してN−メチル
−2−ピロソドン300部に溶解させ、ブロムフェノー
ルブルーを指示薬として、塩酸滴定により求めた。
【0063】
【表1】
【0064】次に、前記で得られた活性アミノ基含有ポ
リウレタンエマルジョン1000部を25℃の系内温度
に保ち、ホモミキサーにより1000rpmで攪拌す
る。その中へハイドロキノンモノメチルエーテル0.2
部をイソプロアルコール2部に溶解した溶液を添加した
後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート1
0.2部を10分間を要して徐々に滴下した。その後、
25℃で攪拌を続行し、Am・Vの測定値が一定になる
まで攪拌した。
【0065】その結果、60分間攪拌を要し、Am・V
値は0.25(全系に対して)となり、明らかに活性ア
ミノ基含有ポリウレタンエマルジョン中の活性アミノ基
と2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートのイ
ソシアネート基とが反応していることがわかる。以上に
より、固形分40.2%、白色液状のエマルジョンが得
られた。
【0066】<合成例2>ポリエーテルポリオール35
0部(PO/EO共重合,PO/EO=90/10,分
子量2000)、トリメチロールプロパン15部、ポリ
エチレングリコール30部、PO/EOランダム共重合
ポリエーテルポリオール40部(PO/EO=30/7
0、分子量3600)、及びシクロヘキサンジメタノー
ル150部をメチルエチルケトン400部に溶解した。
【0067】次に、イソホロンジイソシアネート360
部を添加し、系内温度50℃にてジブチルスズジラウレ
ート0.1部を添加し、徐々に加温して系内温度75℃
とした。更に75℃で反応を続行し、300分間反応さ
せた後、冷却して系内温度を50℃とした。50℃に冷
却後のウレタンプレポリマーの遊離イソシアネート基
は、1.80%(対固型分)であった。
【0068】次に、系内温度40℃にて、合成例1と同
じポリオキシエチレンアリールフェノールエーテル型非
イオン界面活性剤(HLB=15)90部を添加し15
分間混合した。次に、系内内容物をホモミキサーを用い
て3000rpmで高速攪拌している中へ蒸留水169
0部を徐々に添加し、その後、系内温度25℃にて20
分間乳化を実施した。
【0069】次に、系内温度25℃にてジエチレントリ
アミン18.7部を蒸留水100部に溶解したジエチレ
ントリアミン水溶液を添加した。系内に温度20〜25
℃にコントロールして、ホモミキサーを用いて3000
rpmで60分間攪拌を続行した。
【0070】次に、エバポレーターにより、溶剤として
使用したメチルエチルケトンを減圧回収(湯浴40℃)
した。以上により、本発明に使用する活性アミノ基含有
ポリウレタンエマルジョンが得られた。得られた活性ア
ミノ基含有ポリウレタンエマルジョンの分析を行った。
その結果を表2に示す。含有するアミノ基量は、合成例
1と同様な方法で測定した。
【0071】
【表2】
【0072】次に、前記で得られた活性アミノ基含有ポ
リウレタンエマルジョン1000部を25℃の系内温度
に保ち、ホモミキサーにより1000rpmで攪拌し、
その中へハイドロキノンモノメチルエーテル0.2部を
イソプロピルアルコール2部に溶解した溶液を添加す
る。次に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネ
ート9.0部を10分間かけて徐々に滴下した。
【0073】その後、25℃下で攪拌を続行し、Am・
Vの測定値が一定になるまで攪拌した。その結果、70
分間攪拌を要し、Am・V値は0.10(全系に対し
て)となり、明らかに活性アミノ基含有ポリウレタンエ
マルジョン中の活性アミノ基と2−メタクリロイルオキ
シエチルイソシアネートのイソシアネート基とが反応し
ていることがわかる。以上により、固型分38.4%、
白色液状のポリウレタン骨格に重合性不飽和基が導入さ
れた本発明に使用する放射線硬化性ポリウレタン水分散
体が得られた。
【0074】<合成例3>合成例2で調製した活性アミ
ノ基含有ポリウレタンエマルジョン1000部を25℃
の系内温度に保ち、ホモミキサーにより1000rpm
で攪拌し、その中へハイドロキノンモノメチルエーテル
0.2部をイソプロピルアルコール2部に溶解した溶液
を添加した後、m−イソプロペニル−α,α−ジメチル
ベンジルイソシアネート11.7部を10分間で滴下し
た。
【0075】その後、25℃下で攪拌を続行してAm・
Vの測定値が一定になるまで攪拌した。その結果、12
0分間の攪拌を要し、Am・V値は0.15(全系に対
して)となり、明らかに活性アミノ基含有ポリウレタン
エマルジョン中のアミノ基と、重合性不飽和基含有イソ
シアネートのイソシアネート基とが反応していることが
わかる。
【0076】以上により、固型分38.0%、白色液状
のポリウレタン骨格に重合性不飽和基が導入された本発
明に使用する放射線硬化性ポリウレタン水分散体を得
た。
【0077】<比較合成例>合成例1と同様に遊離イソ
シアネート基2.0%のウレタンプレポリマーを調製し
た。その後、合成例1と同様に乳化を実施した後、ジエ
チレントリアミンの代わりにエチレンジアミンを同モル
量添加して攪拌した。次に、エバポレーターにより溶剤
として使用したメチルエチルケトンを回収した。以上に
より、従来技術によるポリウレタンエマルジョンが得ら
れた。このポリウレタンエマルジョンの分析結果を表3
に示す。表3のアミノ基含有量から分かるように、この
ポリウレタンエマルジョンは殆ど活性アミノ基を有して
いない。
【0078】
【表3】
【0079】<実施例1〜4>合成例1で得られた本発
明に使用する放射線硬化性ポリウレタン水分散体に、各
々表4に示す(A)〜(C)の二重結合含有モノマー又
はオリゴマーを添加配合し、さらに化4に示す光増感剤
を添加配合して皮膜を調製した。
【0080】
【表4】
【0081】
【化4】
【0082】各実施例の皮膜は、テフロン板上に塗布
し、一夜室温乾燥し、60℃で2時間乾燥した後、高圧
水銀燈(照射強度80W/cm2 、照点距離8cm)を用い
て、5m/mim の速度で紫外線照射して光共重合を実施
した。各皮膜の膜厚は、100ミクロンであった。
【0083】尚、光増感剤は、化4に示す光増感剤/ポ
リオキシエチレンアリールフェノールエーテル型非イオ
ン活性剤(HLB=15)/水=10/8/82の配合
水溶液として配合した。
【0084】硬化後の塗膜について、強度、伸度、10
0%モジュラス(100%Mo)、200%モジュラス
(200%Mo)、耐溶剤性及び耐温水性の各物性を測
定した。その結果を表5に示す。なお、各物性の測定方
法については後述する。
【0085】
【表5】
【0086】<実施例5〜6>合成例2で得られた本発
明で使用する放射線硬化性ポリウレタン水分散体に、各
々表4に示す(A)及び(D)の二重結合含有オリゴマ
ーを添加し、更に化4に示す光増感剤を実施例1〜4と
同様な操作で配合した。その後、実施例1〜4と同様に
光共重合を行った。
【0087】硬化後の塗膜について、強度、伸度、10
0%モジュラス(100%Mo)、200%モジュラス
(200%Mo)、耐溶剤性及び耐温水性の各物性を測
定した。その結果を表6に示す。なお、各物性の測定方
法については後述する。
【0088】
【表6】
【0089】<実施例7〜10>合成例3で得られた本
発明で使用する放射線硬化性ポリウレタン水分散体に、
各々表4に示す(A)及び(E)の二重結合含有モノマ
ー又はオリゴマーを添加し、更に化4に示す光増感剤を
実施例1〜4と同様な操作で配合した。その後、実施例
1〜4と同様に光共重合を行った。
【0090】尚、二重結合含有モノマー(E)として使
用したトリメチロールプロパンのトリメタクリエートの
配合は、前もってポリオキシエチレンアリールフェノー
ルエーテル型非イオン活性剤(HLB=13)で乳化し
た後に配合した。その際の乳化物の比率は、トリメチロ
ールプロパンのトリメタクリエート/非イオン活性剤/
水=40/4/56である。
【0091】硬化後の塗膜について、耐溶剤性及び耐温
水性を測定した。その結果を表7に示す。なお、各物性
の測定方法については後述する。
【0092】
【表7】
【0093】<比較例1〜3>合成例1〜3で得られた
放射線硬化性ポリウレタン水分散体を各々単独で用い
て、実施例1〜4と同様に化4に示す光増感剤を配合
し、同様に光重合を実施して皮膜を作成した。これらの
皮膜についても各物性を測定し、その結果を表5〜表7
に併せて示した。
【0094】<比較例4>比較合成例で得られた従来技
術による反応基を有していないポリウレタン水分散体
に、表4に示す(A)の二重結合含有オリゴマーを配合
し、更に実施例1〜4と同様に化4に示す光増感剤を配
合し、同様に紫外線照射を実施し、皮膜を作成した。こ
の皮膜についても各物性を測定し、その結果を表5に併
せて示した。
【0095】<各種物性の測定方法>皮膜物性のうち、
強度、伸度、100%モジュラス(100%Mo)及び
200%モジュラス(200%Mo)は、JIS−K−
6301に従い、引張り試験機(島津製作所(株)製オ
ートグラフ)を用い、引張り速度100mm/min で測定
した。
【0096】耐溶剤性は、酢酸エチル/トルエン=1/
1の溶剤に2×4cmの皮膜片を浸漬し、20℃で24
時間浸漬後の皮膜面積の膨潤率(%)により測定した。
膨潤率は下記の式によって求めた。
【0097】
【数1】
【0098】耐温水性は、70℃の温水に2×4cmの
皮膜片を浸漬し、70℃で24時間浸漬後の皮膜面積の
膨潤率を測定した。膨潤率は上記の式によって求めた。
【0099】以上の結果、上記各実施例に於ける放射線
硬化性水性樹脂組成物を用いて調製した塗膜は、何れの
実施例に於いても、明らかに従来技術の組成物を用いて
得られた塗膜に比較して、強度、伸度、モジュラス、耐
溶剤性、耐温水性などの点において向上が見られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性アミノ基含有ポリウレタンエマルジ
    ョンに、水の存在下、重合性不飽和基含有イソシアネー
    ト化合物を添加し反応させて得られる放射線硬化性ポリ
    ウレタン水分散体と、二重結合含有モノマー及び/又は
    オリゴマーと、光増感剤とを含有することを特徴とする
    放射線硬化性水性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記活性アミノ基含有ポリウレタンエマ
    ルジョンは、 2個以上の活性水素を含有する化合物と有機ポリイソシ
    アネートとの反応により得られる分子末端にイソシアネ
    ート基を有するウレタンプレポリマーを水中に乳化分散
    し、 その後、水の存在下、同一分子内に少なくとも2個の一
    級アミノ基と少なくとも1個の二級アミノ基とを有する
    ポリアミンを添加し反応させて得られることを特徴とす
    る請求項1に記載の放射線硬化性水性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記ウレタンプレポリマーへの前記ポリ
    アミンの添加を、(前記ウレタンプレポリマーの末端N
    CO基)/(前記ポリアミンの1級アミノ基)のモル比
    が1/1〜1/0.7の範囲となるように行うことを特
    徴とする請求項2に記載の放射線硬化性水性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記放射線硬化性ポリウレタン水分散体
    と、前記二重結合含有モノマー及び/又はオリゴマーと
    の固形分配合割合が、重量比で10/90〜97/3の
    範囲である請求項1記載の放射線硬化性水性樹脂組成
    物。
JP6091084A 1994-04-28 1994-04-28 放射線硬化性水性樹脂組成物 Expired - Fee Related JP2889115B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6091084A JP2889115B2 (ja) 1994-04-28 1994-04-28 放射線硬化性水性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6091084A JP2889115B2 (ja) 1994-04-28 1994-04-28 放射線硬化性水性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07292046A true JPH07292046A (ja) 1995-11-07
JP2889115B2 JP2889115B2 (ja) 1999-05-10

Family

ID=14016660

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6091084A Expired - Fee Related JP2889115B2 (ja) 1994-04-28 1994-04-28 放射線硬化性水性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2889115B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0867456A1 (de) 1997-02-04 1998-09-30 Novartis AG Ophthalmischer Formkörper
WO2001025307A1 (de) * 1999-10-06 2001-04-12 Basf Coatings Ag Polyurethane und pfropfmischpolymerisate auf polyurethanbasis sowie ihre verwendung zur herstellung von beschichtungsstoffen, klebstoffen und dichtungsmassen
JP2007314768A (ja) * 2006-04-27 2007-12-06 Hitachi Chem Co Ltd 光硬化性樹脂組成物及び光硬化性塗料
JP5006495B2 (ja) * 1999-11-06 2012-08-22 ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 自己架橋性ポリウレタンおよびポリウレタンをベースとするグラフトコポリマーならびに被覆材料、接着剤およびパッキング材料を製造するためのその使用
JP2013253231A (ja) * 2012-05-10 2013-12-19 Chuo Rika Kogyo Corp 硬化性ウレタンポリマー組成物

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0867456A1 (de) 1997-02-04 1998-09-30 Novartis AG Ophthalmischer Formkörper
WO2001025307A1 (de) * 1999-10-06 2001-04-12 Basf Coatings Ag Polyurethane und pfropfmischpolymerisate auf polyurethanbasis sowie ihre verwendung zur herstellung von beschichtungsstoffen, klebstoffen und dichtungsmassen
JP2003511498A (ja) * 1999-10-06 2003-03-25 ビーエーエスエフ コーティングス アクチェンゲゼルシャフト ポリウレタンおよびポリウレタンベースのグラフトコポリマーならびに被覆材料、接着剤およびシーラントを製造するためのその使用
US6632915B1 (en) 1999-10-06 2003-10-14 Basf Coatings Ag Polyurethanes and graft mixed polymers based on polyurethane and their use for producing coating materials, adhesives and sealing masses
JP5006495B2 (ja) * 1999-11-06 2012-08-22 ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 自己架橋性ポリウレタンおよびポリウレタンをベースとするグラフトコポリマーならびに被覆材料、接着剤およびパッキング材料を製造するためのその使用
JP2007314768A (ja) * 2006-04-27 2007-12-06 Hitachi Chem Co Ltd 光硬化性樹脂組成物及び光硬化性塗料
JP2013253231A (ja) * 2012-05-10 2013-12-19 Chuo Rika Kogyo Corp 硬化性ウレタンポリマー組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2889115B2 (ja) 1999-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6335381B1 (en) Aqueous coating compositions containing urethane (meth)acylates having UV-hardening isocyanate groups
EP0865456B1 (en) Aqueous polyurethane resin and polymer grafted thereon
JP2959399B2 (ja) 自己乳化型ポリイソシアネート混合物、並びにこれを用いた水性塗料組成物および水性接着剤組成物
JP3019176B2 (ja) 放射線硬化性ポリウレタンエマルジョン組成物の製造方法
JPH07232052A (ja) 硬化性水中油エマルジヨン、それらの製造方法およびそれらの使用
JPH05222145A (ja) 放射線硬化性ウレタンアクリレート水性分散液の製法
AU747613B2 (en) Low VOC, isocyanate based aqueous curable compositions
WO1998038230A9 (en) Low voc, isocyanate based aqueous curable compositions
JP3167368B2 (ja) 脂肪族ポリウレタン
JP2889115B2 (ja) 放射線硬化性水性樹脂組成物
EP0480251A1 (de) Strahlenhärtbare, wässrige Bindemitteldispersionen
JP3197130B2 (ja) 熱架橋性ポリウレタンエマルジョン組成物
JP2923187B2 (ja) 放射線硬化性水性印刷インキ組成物
CA2321524A1 (en) Low voc, isocyanate based aqueous curable compositions
JP2991900B2 (ja) 放射線硬化性ポリウレタンポリマーエマルジョン組成物及びその製造方法
JPH07138527A (ja) 放射線硬化性塗料組成物
JP4832775B2 (ja) 水分散スラリー塗料
JPH07138528A (ja) 放射線硬化性塗料組成物
KR0136650B1 (ko) 활성 아미노기를 함유하는 폴리우레탄 에멀젼 조성물
JPH06136085A (ja) 内部架橋型水性ウレタン樹脂の製造方法
JPH07138514A (ja) 放射線硬化性水性印刷インキ組成物
JPH03244611A (ja) 水性樹脂組成物
JP3333021B2 (ja) 塗料組成物
JP2003128983A (ja) 人工皮革コーティング用水系樹脂組成物
JP2022081256A (ja) ポリイソシアネート組成物及び樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110219

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110219

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120219

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120219

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130219

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140219

Year of fee payment: 15

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees