JPH07292017A - 有機過酸化物の水性エマルションおよびこれを用いる乳化重合法 - Google Patents

有機過酸化物の水性エマルションおよびこれを用いる乳化重合法

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JPH07292017A
JPH07292017A JP11184694A JP11184694A JPH07292017A JP H07292017 A JPH07292017 A JP H07292017A JP 11184694 A JP11184694 A JP 11184694A JP 11184694 A JP11184694 A JP 11184694A JP H07292017 A JPH07292017 A JP H07292017A
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JP
Japan
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emulsion
organic peroxide
emulsion polymerization
polymerization
aqueous emulsion
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JP11184694A
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Inventor
Hideaki Iwami
秀明 石見
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Kayaku Akzo Corp
Original Assignee
Kayaku Akzo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】有機過酸化物、アニオン系界面活性剤、アニオ
ン系高分子保護コロイド剤を特定の割合で含有する有機
過酸化物の水性エマルション。 【効果】本発明の水性エマルションは各種ビニル系モノ
マーの乳化重合に使用可能で、本発明の水性エマルショ
ンを用いることにより、自動計量、充填及び大量輸送が
可能となり、省力化に対する効果が非常に大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエマルション及びその使
用法に関する。更に詳しくは有機過酸化物を含有する水
性エマルション及びそれを用いるビニル系モノマーの乳
化重合法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機過酸化物は各種ビニル系モノマーの
ラジカル重合開始剤として広く利用されており、その水
性エマルションは安全である事、有機溶剤を含まない
事、自動計量、充填が容易である事などの利点から多く
利用されるようになってきた。塩化ビニルの懸濁重合に
使用されている高活性な有機過酸化物についてのエマル
ションも既に特許が公開され実用化されている(特開昭
56−139509、58−134103など)。
【0003】又レドックス型乳化重合に広く利用されて
いる有機ハイドロパーオキサイドについてもこれに界面
活性剤を添加して水性エマルション化し使用するという
技術が公開されている(特開昭62−260801)。
一般に乳化重合では界面活性作用を有する物質が混入す
るとその乳化系が乱れ器壁にスケールが付着したりポリ
マー物性が変化したりすることが多いため有機過酸化物
をエマルション化する場合に使用される界面活性剤の種
類は大きく制限されている。
【0004】重合すべきモノマーの種類によって多種多
様の界面活性剤が使用されているが、有機過酸化物のエ
マルションを調製するに当たり選ばれるべき界面活性剤
は、重合に使用される界面活性剤の使用が最も望まし
く、ついで構造が類似しているものがよいと考えられ
る。例えば、特開昭62−260801には乳化重合に
多用されている半硬化牛脂カリ石鹸などを使用して有機
ハイドロパーオキサイドのエマルションを製造する技術
が開示されている。更に本発明者等は半硬化牛脂カリ石
鹸を用いることにより特開昭62−260801などに
記載の有機ハイドロパーオキサイド以外の有機過酸化物
のエマルション化が可能なことも確認している。
【0005】しかしながらこのようにして調製された水
性エマルション粒子自体は安定であるが通常有機過酸化
物の比重が水よりも小さい為、その差によってエマルシ
ョン化された粒子が浮上してしまい、貯蔵中に上層の濃
度が高く、逆に下層の濃度が低くなる現象が生じる。こ
のようなエマルションは使用する際には、貯槽内を攪拌
する等の手だてを講じてその濃度を均一にすることが可
能であるが、輸送する場合には、有機過酸化物の濃度が
所定の濃度より高くなり、従って危険性も高い部分が生
じる事となり大きな問題となる。この様な層分離を防止
する安定剤としてPVAをはじめとする高分子保護コロ
イド剤が知られているが、乳化重合では乳化系への影響
が懸念されるためこれらの保護コロイド剤の添加はこれ
まで余り検討されていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】乳化重合に悪い影響を
与えず、しかも層分離を起こさない、安定な有機過酸化
物の水性エマルションの開発が求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、乳化重合に
使用される有機過酸化物の水性エマルションにおける上
記の問題を解決すべく鋭意努力した結果、層分離を防止
する安定剤としてアニオン系高分子保護コロイド剤を用
いると、水性エマルションにおいて上下層で濃度勾配が
生ずる恐れがなく、又乳化重合系にも悪い影響を与えな
いことを見いだし本発明を完成させた。即ち本発明は (1)有機過酸化物10〜70重量%、アニオン系界面
活性剤0.1〜10重量%及びアニオン系高分子保護コ
ロイド剤0.01〜1重量%を含有してなる有機過酸化
物の水性エマルション (2)前項(1)に記載の有機過酸化物の水性エマルシ
ョンを使用することを特徴とするビニル系モノマーの乳
化重合法 に関する。
【0008】本発明を詳細に説明する。本発明で言うア
ニオン系高分子保護コロイド剤とは、保護コロイド剤と
して知られている高分子のうちカルボキシル基などアニ
オン性の官能基を有するものを指し、使用しうるアニオ
ン系高分子保護コロイド剤の具体例としてはカルボキシ
メチルセルロースやポリアクリル酸ソーダ、キサンタン
ガムなどがあげられる。その含有量はエマルション中に
0.01〜1重量%含有される量である。尚、イオン性
の官能基を含まないPVAやメチルセルロースなどで
は、安定な有機過酸化物のエマルションを製造できると
いうものの、乳化重合に使用した場合乳化系が乱れ器壁
にスケールが付着するという欠点がある。
【0009】本発明に用いる事のできる有機過酸化物
は、乳化重合に使用でき、エマルション製造時に液状で
あれば良く、その具体例としてはクメンハイドロパーオ
キサイドや2,4,4−トリメチルペンチル−2−ハイ
ドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピ
ルカーボネートなどがあげられる。その含有量は水性エ
マルション中に10〜70重量%含有される量である。
【0010】本発明の水性エマルションを調製するに当
たり使用されるアニオン系界面活性剤としては乳化重合
に用いられているものと同一のものが望ましいが類似の
構造を持つものも使用できる。使用しうるアニオン系界
面活性剤の具体例として半硬化牛脂カリ石鹸のような石
鹸類やドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫
酸エステル塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン
酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫
酸塩などがあげられる。水性エマルション中における含
有量は0.1〜10重量%であり、これより多いときに
は重合時に添加される界面活性剤の量を減らさなければ
ならない場合がある。
【0011】ノニオン系界面活性剤や有機溶剤などには
有機過酸化物の水性エマルションの安定化に寄与する事
があるので必要により添加されるが、重合系への影響を
勘案すると原則として乳化重合時に添加されるものに限
定される。
【0012】本発明の水性エマルションを製造する際に
は水性エマルションの製造において使用されている一般
的な装置(例えばコロイドミルやプロペラ型、タービン
型の高速攪拌機)が使用でき、これらの装置により前記
薬剤を撹拌、混合することにより本発明の水性エマルシ
ョンが製造される。尚、水の量は全体が100重量%に
なるように調整される。
【0013】次に本発明の水性エマルションを用いるビ
ニル系モノマ−の乳化重合法について説明する。本発明
の水性エマルションを用いて乳化重合を行うことの出来
るビニル系モノマ−としては、通常のビニル系モノマ−
であればいずれも本発明の乳化重合に供することができ
るが、適応しうるビニル系モノマ−の具体例としては、
スチレン、ブタジエン、アクリルニトリル、メチルメタ
クリレ−ト、塩化ビニル、アクリル酸−2エチルヘキシ
ル等が挙げられ、又はこれらの共重合物の製造にも使用
されうる。製造しうる共重合物としてはSBR(スチレ
ン−ブタジエン),ABS(アクリルニトリル−ブタジ
エン−スチレン)、MBS(メチルメタクリレ−ト−ブ
タジエン−スチレン)等が挙げられる。これらのビニル
系モノマ−に本発明の水性エマルションを有機過酸化物
の重量がビニル系モノマ−に対して重量比で通常0.0
01〜2.0重量%、より好ましくは0.05〜1.0
重量%になるように添加し、通常反応温度0〜100
℃、反応時間3〜15時間というような反応条件で重合
される。
【0014】
【実施例】以下実施例をもって本発明をさらに詳しく説
明するが、これらが本発明を限定するものではない。
【0015】実施例1 ビーカーに水58.9gを入れオレイン酸カリウム1.
0gとキサンタンガム(ローディゲル、ローヌ・プーラ
ン社製)0.1gを加え1時間攪拌し溶解させた。この
水溶液にクミルハイドロパーオキサイドまたはt−ブチ
ルパーオキシイソプルピルカーボネート40.0gを加
え5分間高速攪拌しエマルション化し本発明の水性エマ
ルションを得た。このものは1週間貯蔵しても水性エマ
ルションに層分離等の変化は見られなかった。
【0016】比較例1 実施例1においてキサンタンガムを加えない他は実施例
1と同様にして比較用の水性エマルションを作成した。
このものは1週間後有機層の分離はなかったが、下層に
水層が分離していた。
【0017】実施例2 300mlフラスコに水80g、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム1.2g、硫酸第一鉄28mg、エチ
レンジアミン4酢酸ナトリウム45mg、ナトリウムホ
ルムアルデヒドスルホキシレート80mgを入れ混合物
となし、減圧脱気した。上記混合物を20℃に冷却した
後、実施例1で作成した水性エマルション0.6gを加
え、メチルメタクリレート20g、ブチルアクリレート
20g,メタクリル酸0.5gからなるモノマー混合物
を1時間かけて滴下した。さらに1時間攪拌を続けアク
リルラテックスを得た。器壁のスケール付着はほとんど
見られず、液面部に少量スケ−ルが観察されるだけであ
った。
【0018】比較例2 実施例1においてキサンタンガムの代わりにPVA(ゴ
ーセノールC−500、日本合成化学工業社製)を用い
る他は実施例1と同様にして比較用水性エマルションを
作成した。このものは1週間貯蔵しても層分離等の変化
はなかった。実施例2において水性エマルションとして
上記で得た比較用水性エマルションを使用した以外は実
施例2におけるのと同様にして重合を行った。アクリル
ラテックスは得られたが、液面部だけでなく器壁全体に
スケールが付着していた。
【0019】
【発明の効果】本発明の水性エマルションは安全性が高
く、自動計量、充填及び大量輸送が可能となるため、省
力化に対する効果が非常に大きい。これを用いてビニル
系モノマ−の乳化重合を行った場合スケ−ルの発生が小
さい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機過酸化物10〜70重量%、アニオン
    系界面活性剤0.1〜10重量%及びアニオン系高分子
    保護コロイド剤0.01〜1重量%を含有してなる有機
    過酸化物の水性エマルション。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の有機過酸化物の水性エマ
    ルションを使用することを特徴とするビニル系モノマー
    の乳化重合法。
JP11184694A 1994-04-28 1994-04-28 有機過酸化物の水性エマルションおよびこれを用いる乳化重合法 Pending JPH07292017A (ja)

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JP11184694A JPH07292017A (ja) 1994-04-28 1994-04-28 有機過酸化物の水性エマルションおよびこれを用いる乳化重合法

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JP11184694A Pending JPH07292017A (ja) 1994-04-28 1994-04-28 有機過酸化物の水性エマルションおよびこれを用いる乳化重合法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012172063A (ja) * 2011-02-22 2012-09-10 Nagasaki Univ 長鎖(メタ)アクリレート系エマルションおよびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012172063A (ja) * 2011-02-22 2012-09-10 Nagasaki Univ 長鎖(メタ)アクリレート系エマルションおよびその製造方法

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