JPH07291915A - 1,4−ジシアノブテン類の製造法 - Google Patents

1,4−ジシアノブテン類の製造法

Info

Publication number
JPH07291915A
JPH07291915A JP6111786A JP11178694A JPH07291915A JP H07291915 A JPH07291915 A JP H07291915A JP 6111786 A JP6111786 A JP 6111786A JP 11178694 A JP11178694 A JP 11178694A JP H07291915 A JPH07291915 A JP H07291915A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
catalyst
phosphinite
acrylonitrile
phosphonite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6111786A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoko Yamagata
尚子 山形
Takao Maki
隆夫 真木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP6111786A priority Critical patent/JPH07291915A/ja
Publication of JPH07291915A publication Critical patent/JPH07291915A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、アクリロニトリルを二量化して、
高い選択率で工業的に有利に1,4−ジシアノブテン類
を得る方法を提供するものである。 【構成】 ホスフィナイト触媒又はホスホナイト触媒
と、次式(1) 【化1】 R−O−CO−NH−R’ ・・・・・・(1) (式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、シ
クロアルキル基又はアリ−ル基を表す。R’は水素原子
又は置換基を有していてもよいアルキル基、シクロアル
キル基若しくはアリ−ル基を示す。RとR’は互いに連
結して環を形成していてもよい。)で表される化合物と
の存在下でアクリロニトリルを二量化することよりなる
1,4−ジシアノブテン類の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は1,4−ジシアノブテン
類の製造法に関するものである。詳しくは、アクリロニ
トリルの二量化による1,4−ジシアノブテン類の製造
法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1,4−ジシアノブテン類(シス−1,
4−ジシアノブテン−1、トランス−1,4−ジシアノ
ブテン−1及びトランス−1,4−ジシアノブテン−2
等)は、合成繊維及びプラスチック等の原料中間体であ
るアジポニトリルの前駆体として重要な物質である。従
来、アクリロニトリルの二量化により選択的に1,4−
ジシアノブテン類を得る方法としては、例えば、特公昭
59−36906号公報及び特公昭61−17819号
公報に、アルコ−ル溶媒中でホスフィナイト触媒又はホ
スホナイト触媒の存在下にアクリロニトリルを二量化す
る方法が開示されている。上記の方法では、所望の二量
体と共にアクリロニトリルの六量体その他のオリゴマ−
やポリマ−(以下これらを総称して重合体副生物とい
う)が生成し、重合体副生物の生成は所望の二量体の選
択率を低下させる原因となる。特に固体の重合体副生物
は配管の閉塞等を生ずる恐れがあり、プロセス的にも種
々の困難を生じ好ましくない。また上記の方法では、リ
ン触媒と溶媒のアルコ−ルがエステル交換反応をおこし
て触媒の構造変化をもたらす場合があるため、使用する
ことのできるアルコ−ルとリン触媒の組み合わせが限定
されるという難点がある。
【0003】一方、特開昭53−65822号公報に
は、上記の方法において、無水の亜鉛塩やコバルト塩等
の無水金属化合物を添加して固形の重合体副生物の抑制
を図っているが、固形以外の重合体副生物の生成を充分
抑制することができず、二量体の選択率は不十分であっ
た。また特開昭61−158953号公報には、上記の
方法において、二量体生成物の抽出溶媒としてホルムア
ミドを使用することが記載されているが、この場合にも
重合体副生物の生成は避けられず、相当量の固形物が生
成する。更に、特公昭61−17817号公報では有機
ホスファイト触媒を使用しているが、この場合にも重合
体副生物が生成し、有機ホスファイト触媒の安定性にも
問題がある。上記の方法における重合体副生物の生成を
抑制するために、炭化水素系溶剤を添加することも提案
されているが、二量体反応速度が低下するばかりでな
く、抑制効果も充分でない。
【0004】本発明者は、特開平4−368362号公
報において、2、6位に置換基を持つ置換フェノ−ル類
又は少なくとも3、3’、5、5’位に置換基を持つ置
換ビフェノ−ル類をプロトン供与化合物とすることによ
り、ホスフィナイト触媒乃至はホスホナイト触媒を用い
たアクリロニトリルの二量化反応において重合体副生物
の生成が抑制され、高い選択性で1,4−ジシアノブテ
ン類が得られることを提案した。この方法においては、
これらのフェノ−ル化合物やビフェノ−ル化合物を多量
に用いることが必要であので、必ずしも効率的とは言え
ない。
【0005】また、特開平5−1008号公報において
は、同様の反応において、芳香族アミド化合物をプロト
ン供与化合物として用いることにより、重合体副生物の
生成が抑制され、高い選択性で1,4−ジシアノブテン
類が得られることを提案し、さらに、特開平5−100
9号公報では、同様の反応において少量のチオ尿素又は
その誘導体をプロトン供与化合物として用いることによ
り、高い選択性で1,4−ジシアノブテン類が得られる
ことも報告している。しかしながら、これらの芳香族ア
ミド化合物及びチオ尿素叉はその誘導体は一般に有機溶
媒への溶解性が十分ではないため、プロセス的観点から
見ると、場合により反応後の工程で配管中で閉塞するな
どの問題をおこす恐れがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アクリロニ
トリルを二量化して1,4−ジシアノブテン類を製造す
る方法において高い選択率で工業的に有利に1,4−ジ
シアノブテン類を得ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、ホスフィナイト触媒又はホスホナイト触媒
を用いてアクリロニトリルを二量化する場合に、二量化
反応をカルバミン酸誘導体の存在下で行なうとき、高い
選択性で工業的に有利に1,4−ジシアノブテン類が得
られるとの新規な知見を得、本発明に至った。すなわ
ち、本発明の要旨は、ホスフォナイト触媒又はホスフィ
ナイト触媒と、前記一般式(1)で表される化合物との
存在下において、アクリロニトリルを二量化することを
特徴とする1,4−ジシアノブテン類の製造法に存す
る。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おけるアクリロニトリルの二量化に使用される触媒とし
ては、種々のホスフィナイト触媒又はホスホナイト触媒
が挙げられる。特に次の一般式(2)又は一般式(3)
で表される化合物が好ましい。
【化2】
【化3】 (上記一般式(2)及び一般式(3)中、R1、R2、R
3、R1a、R2a及びR3aは置換基を有していてもよいア
リール基、アルキル基叉はシクロアルキル基であり、互
いに同一であっても異なっていてもよい。)
【0009】一般式(2)又は一般式(3)中、R1
2、R3、R1a、R2a及びR3aは、夫々フェニル基、ナ
フチル基等のアリール基;メチル基、エチル基、ノルマ
ルプロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基、ノニル基、ラウリル基、ステアリル基
等の直鎖型、叉は分岐型のアルキル基;シクロヘキシル
基等のシクロアルキル基が挙げられ、R1、R2、R3
1a、R2a及びR3aは互いに同一であっても異なってい
てもよい。また、R1、R2、R3、R1a、R2a及びR3a
は置換基を持っていてもよく、置換基の例としてはメチ
ル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコ
キシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のアル
キルアミノ基;フェニル基、トリル基、アニシル基、ナ
フチル基等の置換基の付いていてもよいアリール基;ク
ロル基、ブロモ基、フッ素基等のハロゲン置換基;シア
ノ基等が挙げられる。
【0010】ホスフィナイト触媒の例としては、メチル
ジフェニルホスフィナイト、エチルジフェニルホスフィ
ナイト、3−フェニルプロピルジフェニルホスフィナイ
ト、イソプロピルジフェニルホスフィナイト、ノルマル
ブチルジフェニルホスフィナイト、4−フェニルブチル
ジフェニルホスフィナイト、シクロヘキシルジフェニル
ホスフィナイト、ノルマルオクチルジフェニルホスフィ
ナイト、メチルビス−p−トリルホスフィナイト、エチ
ルビス−p−トリルホスフィナイト、ノルマルブチルビ
ス−p−トリルホスフィナイト、ノルマルオクチルビス
−p−トリルホスフィナイト、イソプロピルビス−p−
トリルホスフィナイト、ノルマルブチルビス−p−アニ
シルホスフィナイト、ノルマルオクチルビス−p−アニ
シルホスフィナイト、イソプロピルビス−p−アニシル
ホスフィナイト、ノルマルブチルビス−3,4−ジメト
キシフェニルホスフィナイト、ノルマルオクチルビス−
3,4−ジメトキシフェニルホスフィナイト、イソプロ
ピルビス−3,4−ジメトキシフェニルホスフィナイ
ト、ノルマルブチルビス(3,4,5−トリメチルフェ
ニル)ホスフィナイト等のアルキルジアリールホスフィ
ナイト;イソプロピルジノルマルブチルホスフィナイ
ト、t−ブチルジノルマルヘキシルホスフィナイト、ノ
ルマルブチルジオクチルホスフィナイト等のアルキルジ
アルキルホスフィナイト;イソプロピルジシクロペンチ
ルホスフィナイト、ノルマルブチルジシクロヘキシルホ
スフィナイト等のアルキルジシクロアルキルホスフィナ
イト等が挙げられる。
【0011】また、ホスホナイト触媒の例としては、ジ
エチルフェニルホスホナイト、ジメチルフェニルホスホ
ナイト、ジエチル−p−トリルホスホナイト、ジイソプ
ロピルフェニルホスホナイト、ジイソプロピル−p−ト
リルホスホナイト、ジノルマルプロピルフェニルホスホ
ナイト、ジノルマルブチルフェニルホスホナイト、ジノ
ルマルオクチルフェニルホスホナイト、ジシクロヘキシ
ルフェニルホスホナイト、ジメチル−p−トリルホスホ
ナイト、ジノルマルブチル−p−トリルホスホナイト、
ジノルマルオクチル−p−トリルホスホナイト、ジノル
マルブチル−p−アニシルホスホナイト、ジノルマルオ
クチル−p−アニシルホスホナイト、ジイソプロピル−
p−アニシルホスホナイト、ジノルマルブチル−3,4
−ジメトキシフェニルホスホナイト、ジノルマルオクチ
ル−3,4−ジメトキシフェニルホスホナイト、ジイソ
プロピル−3,4−ジメトキシフェニルホスホナイト等
のジアルキルアリールホスホナイト;ジイソプロピルノ
ルマルブチルホスホナイト、ジ−t−ブチルノルマルヘ
キシルホスホナイト、ジノルマルブチルオクチルホスホ
ナイト等のジアルキルアルキルホスホナイト;ジイソプ
ロピルシクロペンチルホスホナイト、ジノルマルブチル
シクロヘキシルホスホナイト等のジアルキルシクロアル
キルホスホナイト等が挙げられる。
【0012】R1、R2及びR1aとしては、フェニル基、
ナフチル基の様なアリール基が好ましい。R1、R2及び
1aがアリール基を含む場合に、そのアリール基に結合
する置換基として望ましいものは、メチル基、エチル
基、プロピル基等の炭素数1から6のアルキル基;メト
キシ基、エトシキ基、プロポキシ基等の炭素数1から6
のアルコキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基
等の炭素数1から6のアルキルアミノ基;シアノ基等が
挙げられる。より具体的には、好ましいホスフィナイト
触媒としてアルキルジアリールホスフィナイト類が、好
ましいホスホナイト触媒としてジアルキルアリールホス
ホナイト類が挙げられる。
【0013】これらのホスフィナイト触媒又はホスホナ
イト触媒の使用量は、特に限られるものではないが、二
量化反応における原料、触媒及び溶媒等の成分の合計量
に対して0.01〜60重量%、好ましくは1〜30重量%の範
囲から選ばれる。以上に述べたホスフィナイト触媒及び
ホスホナイト触媒は、何れも本発明の反応に有効である
が、触媒の安定性の点からホスフィナイト触媒がより好
ましい。
【0014】本発明においては、上記の触媒を用いてア
クリロニトリルを二量化し1,4−ジシアノブテンを製
造する場合に、二量化反応を次式(1)
【化4】 R−O−CO−NH−R’ ・・・・・・・(1) (式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、シ
クロアルキル基又はアリ−ル基を示す。R’は水素原子
又は置換基を有していてもよいアルキル基、シクロアル
キル基若しくはアリ−ル基を示す。また、RとR’は互
いに連結して環を形成していてもよい。)で表される化
合物の存在下において実施することを必須の条件とする
ものである。これにより、従来法に比べ、より高い選択
性で目的とする1,4−ジシアノブテン類を得ることが
できる。また、これらの化合物は、有機溶媒に対し溶解
性の高い物が多く、プロセス的に有利であるのに加え
て、これらの化合物は、反応中に共存するリン触媒の構
造変化をもたらさない点でも好都合である。更に、高分
子構造を持ったポリウレタン類で、上記(1)式の構造
を含むものも同様にプロトン供与体として作用するので
使用可能である。
【0015】上記の式(1)の化合物は、アクリロニト
リルの二量化反応の際に水素供与体として作用するの
で、少なくとも一つの供与可能な水素原子を持ってい
る。式(1)におけるRの具体例としては、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキ
シル基、オクチル基、ノニル基、ラウリル基等の直鎖型
叉は分岐型のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘ
キシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル
基等のアリール基等が挙げられる。
【0016】式(1)におけるR’の具体例としては、
水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
オクチル基、ノニル基、ラウリル基等の直鎖型叉は分岐
型のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基
等のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のア
リール基等が挙げられる。R、R’は置換基を有してい
てもよく、置換基の具体例としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、オクチル基、ノニル基、ラウリル基等の直鎖型叉は
分岐型のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基等のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基等
のアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基の様なアルコキシ基;ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基の様なアルキルアミノ基;クロル
基、ブロモ基、フッ素基等のハロゲン基;シアノ基;叉
はポリウレタンのような分子内にアミド結合を有するよ
うな置換基等が挙げられる。
【0017】式(1)の化合物の具体例としては、カル
バミン酸メチル、カルバミン酸エチル、カルバミン酸プ
ロピル、カルバミン酸ブチル、カルバミン酸ヘキシル等
のカルバミン酸エステル;N−メチルカルバミン酸メチ
ル、N−メチルカルバミン酸エチル、N−メチルカルバ
ミン酸プロピル、N−メチルカルバミン酸ブチル、N−
メチルカルバミン酸ヘキシル、N−エチルカルバミン酸
メチル、N−エチルカルバミン酸エチル、N−エチルカ
ルバミン酸プロピル、N−エチルカルバミン酸ブチル、
N−エチルカルバミン酸ヘキシル、N−プロピルカルバ
ミン酸メチル、N−プロピルカルバミン酸エチル、N−
プロピルカルバミン酸プロピル、N−プロピルカルバミ
ン酸ブチル、N−プロピルカルバミン酸ヘキシル、N−
ブチルカルバミン酸メチル、N−ブチルカルバミン酸エ
チル、N−ブチルカルバミン酸プロピル、N−ブチルカ
ルバミン酸ブチル、N−ブチルカルバミン酸ヘキシル等
のN−アルキルカルバミン酸エステル類;カルバミン酸
フェニル、カルバミン酸ナフチル、N−メチルカルバミ
ン酸ナフチル、N−メチルカルバミン酸フェニル、N−
エチルカルバミン酸フェニル、N−エチルカルバミン酸
ナフチル、N−プロピルカルバミン酸フェニル、N−プ
ロピルカルバミン酸ナフチル、N−ブチルカルバミン酸
フェニル、N−ブチルカルバミン酸ナフチル、N−フェ
ニルカルバミン酸フェニル、N−フェニルカルバミン酸
ナフチル等のカルバミン酸誘導体の芳香族エステル類;
またはポリウレタン等が挙げられる。
【0018】式(1)で表される化合物の使用量は、使
用するホスフィナイト触媒又はホスホナイト触媒のモル
数に対して通常0.01〜1000倍当量、好ましくは
0.5〜20倍当量の範囲が選ばれる。なお、上述の成
分に加えて、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キ
シレン、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の炭化水素類を
添加してもよい。
【0019】本発明の方法によるアクリロニトリルの二
量化反応は、通常不活性ガスの雰囲気下で、所定量のア
クリロニトリル、ホスフィナイト触媒又はホスホナイト
触媒及び式(1)の化合物を混合し、またさらに炭化水
素溶剤を混合してもよく、−10〜100℃、好ましく
は5〜80℃程度の温度で攪はんすることにより実施さ
れる。水分の存在は反応の進行を阻害するので、原料ア
クリロニトリル、式(1)に示す化合物及び溶剤等は水
分含有量が100ppm程度となるまで充分乾燥してお
くことが望ましい。
【0020】
【発明の効果】本発明方法によれば、高い選択率で目的
とする1,4−ジシアノブテン類を得ることができ、反
応に共存させるプロトン供与体としてのカルバミン酸誘
導体は反応溶媒に対する溶解性が高いので、閉塞などの
問題もなく操作上の点からも有利であり工業的に優れた
方法である。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの実
施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例に
おいて、生成物の分析はガスクロマトグラフィ−により
行なった。また、「転化率」は、二量体及び重合体副生
物へ転化したアクリロニトリルの仕込アクリロニトリル
に対する重量%を示す。また、ある生成物の「選択率」
は、転化したアクリロニトリルの重量に対するその生成
物の重量比を%で表した値である。更に、1,4−ジシ
アノブテン類は、シス−1,4−ジシアノブテン−1、
トランス−1,4−ジシアノブテン−1及びトランス−
1,4−ジシアノブテン−2を表す。
【0022】実施例1 容量30mlのフラスコ中に、アルゴン雰囲気下アクリ
ロニトリル2.1g(39mmol)、ベンゼン4g、
カルバミン酸エチル1.3g(14mmol)及びノル
マルブチルジフェニルホスフィナイト1.2g(4mm
ol)を仕込み、油浴上で60℃に加熱し1時間攪はん
して二量化反応を行なった。反応液は均一であった。反
応終了後、生成物をガスクロマトグラフィーにより内部
標準法(内部標準物質:ビフェニル)を用いて定量分析
した。アクリロニトリルの転化率は63%であり、1,
4−ジシアノブテン類の選択率は90%であり、メチレ
ングルタロニトリルの選択率は3.5%であった。固体
の重合体副生物は検出されなかった。
【0023】実施例2 容量30mlのフラスコ中に、アルゴン雰囲気下アクリ
ロニトリル2g(38mmol)、ベンゼン4g、N−
フェニルカルバミン酸エチル14mmol及びノルマル
ブチルジフェニルホスフィナイト1.2g(4mmo
l)を仕込み、油浴上で60℃に加熱し1時間攪はんし
て二量化反応を行なった。反応液は均一であった。反応
終了後、生成物をガスクロマトグラフィーにより内部標
準法(内部標準物質:ビフェニル)を用いて定量分析し
た。アクリロニトリルの転化率は81%であり、1,4
−ジシアノブテン類の選択率は82%であり、メチレン
グルタロニトリルの選択率は2.3%であった。
【0024】比較例1 容量30mlのフラスコ中に、アルゴン雰囲気下アクリ
ロニトリル2g(38mmol)、ベンゼン4g、ベン
ズアミド14mmol及びイソプロピルジフェニルホス
フィナイト1.2g(4mmol)を仕込み、油浴上で
60℃に加熱し1時間攪はんして二量化反応を行なっ
た。ベンズアミドは反応系に完全に溶解せず、反応系は
不均一であった。反応終了後、生成物をガスクロマトグ
ラフィーにより内部標準法(内部標準物質:ビフェニ
ル)を用いて定量分析した。アクリロニトリルの転化率
は61%であり、1,4−ジシアノブテン類の選択率は
84%であり、メチレングルタロニトリルの選択率は
5.2%であった。また固形の重合体副生物が検出され
た。
【0025】比較例2 容量30mlのフラスコ中に、アルゴン雰囲気下アクリ
ロニトリル2g(38mmol)、ベンゼン4g、イソ
プロパノール14mmol及びイソプロピルジフェニル
ホスフィナイト1.2g(4mmol)を仕込み、油浴
上で60℃に加熱し1時間攪はんして二量化反応を行な
った。反応終了後、生成物をガスクロマトグラフィーに
より内部標準法(内部標準物質:ビフェニル)を用いて
定量分析した。アクリロニトリルの転化率は55%であ
り、1,4−ジシアノブテン類の選択率は89%であ
り、メチレングルタロニトリルの選択率は6.0%であ
った。固形の重合体副生物が検出された。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホスフィナイト触媒又はホスホナイト触媒
    と、次式(1) 【化1】 R−O−CO−NH−R’ ・・・・・・(1) (式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、シ
    クロアルキル基又はアリ−ル基を表す。R’は水素原子
    又は置換基を有していてもよいアルキル基、シクロアル
    キル基若しくはアリ−ル基を示す。RとR’は互いに連
    結して環を形成していてもよい。)で表される化合物と
    の存在下でアクリロニトリルを二量化することを特徴と
    する1,4−ジシアノブテン類の製造法。
JP6111786A 1994-04-28 1994-04-28 1,4−ジシアノブテン類の製造法 Pending JPH07291915A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6111786A JPH07291915A (ja) 1994-04-28 1994-04-28 1,4−ジシアノブテン類の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6111786A JPH07291915A (ja) 1994-04-28 1994-04-28 1,4−ジシアノブテン類の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07291915A true JPH07291915A (ja) 1995-11-07

Family

ID=14570131

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6111786A Pending JPH07291915A (ja) 1994-04-28 1994-04-28 1,4−ジシアノブテン類の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07291915A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3380543B2 (ja) 改良されたヒドロシアン化方法
EP1585722B1 (fr) Procede de synthese de composes comprenant des fonctions nitriles a partir de composes a insaturations ethyleniques
US11148127B2 (en) Bisphosphine ligand compound, chromium compound, ethylene oligomerization catalyst system, and ethylene oligomer preparation method
EP1567478B1 (fr) Procede de fabrication de composes nitriles a partir de composes a insaturation ethylenique
EP1324976B1 (fr) Procede d'hydrocyanation de composes organiques a insaturation ethylenique
EP1521736B1 (fr) Fabrication de nitriles a partir de composes a insaturation ethylenique
CA2464710A1 (en) Phosphonites, use thereof as ligand in transition metal complexes and method for production of nitriles
Akiyama et al. A highly stereo-divergent Mannich-type reaction catalyzed by Brønsted acid in aqueous media
EP2238104B1 (fr) Procede de fabrication de composes comprenant des fonctions nitriles
WO2003031392A1 (fr) Procede de transformation, d'une part, de composes a insaturation ethylenique en nitriles et, d'autre part, de nitriles branches en nitriles lineaires
Zhang et al. Highly enantioselective copper-catalyzed conjugate addition of diethylzinc to cyclic enones with spirocyclic phosphoramidite ligands
FR2835833A1 (fr) Procede de fabrication de composes nitriles a partir de composes a insaturation ethylenique
FR2845379A1 (fr) Procede de fabrication de composes nitriles a partir de composes a insaturation ethylenique
WO2004007508A2 (fr) Fabrication de nitriles a partir de composes a insaturation ethylenique
JP3876350B2 (ja) レニウムとアルミニウムとの新規化合物、その調製および触媒としてのその使用
JPH07291915A (ja) 1,4−ジシアノブテン類の製造法
Krishnan et al. Aminated poly (vinyl chloride): An efficient green catalyst for Knoevenagel condensation reactions
Rajagopal et al. Aluminum phthalocyanine: An active and simple catalyst for cyanosilylation of aldehydes
JP6980269B2 (ja) キラルロジウム錯体、及び光学活性β−置換カルボニル化合物の製造方法
JPH051008A (ja) 1,4−ジシアノブテン類の製造法
EP2065371A1 (en) Chiral organic catalysts for the stereoselective reduction of carbon-nitrogen double bonds for the preparation of enantiomerically enriched amines
US7348290B2 (en) Arene-ruthenium complexes immobilized on polymers, catalysts consisting of the complexes, and processes for organic syntheses with the same
JPH051009A (ja) 1,4−ジシアノブテン類の製法
Duursma Asymmetric catalysis with chiral monodentate phosphoramidite ligands
US20120077989A1 (en) Cyclic imidate ligands

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees