JPH07291786A - 化合物半導体単結晶の成長装置およびその成長方法 - Google Patents

化合物半導体単結晶の成長装置およびその成長方法

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JPH07291786A
JPH07291786A JP11214994A JP11214994A JPH07291786A JP H07291786 A JPH07291786 A JP H07291786A JP 11214994 A JP11214994 A JP 11214994A JP 11214994 A JP11214994 A JP 11214994A JP H07291786 A JPH07291786 A JP H07291786A
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compound semiconductor
melt
rate
single crystal
increase
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JP11214994A
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Takaharu Shirata
敬治 白田
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置に対応した最適昇温条件を得、融液固
化、シード結晶劣化、As飛散を防止する。引上げに最
適に原料融液の組成を制御する。 【構成】 装置毎に理想の昇温条件を得て、この昇温条
件にマッチするように融液重量増加率、ヒータ21,2
2の温度上昇率をフィードバック制御する。融液重量増
加率が理想とする基準値よりも高い場合は、融液温度の
上昇を抑え、高解離圧成分の加熱温度の上昇率を下げ
る。低い場合は逆に制御する。また、このとき、ガス導
入用バルブ24およびガス放出用バルブ100の開閉に
より外チャンバ11と内チャンバ12との差圧も一定範
囲内に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化合物半導体単結晶の
成長装置、および、その引き上げに用いられる化合物半
導体の成長方法、詳しくは蒸気圧制御型のチョクラルス
キ法により引き上げられるガリウム−ひ素、インジウム
−リン等の化合物半導体単結晶の成長装置、および、そ
の単結晶を成長させるためのガリウム−ひ素融液の合成
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の化合物半導体単結晶の成長装置お
よび化合物半導体の成長方法としては、例えば特開平2
−55288号公報、特開平2−141492号公報に
開示された技術が知られている。この成長装置は、外チ
ャンバと内チャンバとの二重構造であり、原料融液保持
用のるつぼは内チャンバ内に回転自在に配設されてい
る。原料融液を合成するため、るつぼ内に金属ガリウム
を装入し、内チャンバの底部に固体ひ素を装入してい
る。上下2つのヒータでこれらのガリウム、ひ素をそれ
ぞれ加熱し、るつぼ内にガリウム−ひ素融液を合成す
る。内チャンバは上下に2分割されてその接合部は液体
シールまたは固体ガスケットにより封止されている。ま
た、融液から単結晶を引き上げるためのシードを取り付
けたシード軸、るつぼ回転軸も同様に液体シールによる
シールがされている。なお、内チャンバ内のひ素蒸気圧
は、内チャンバの一部に連設した蒸気圧制御炉により制
御されている。
【0003】そして、ガリウムとひ素とをそれぞれ加熱
し、反応させることにより、所定組成のガリウム−ひ素
融液を合成し(直接合成法)、この融液にシードを浸し
てガリウム−ひ素単結晶を引き上げる。この融液の直接
合成を行う場合、各ヒータの温度制御は、るつぼ軸のロ
ードセル、別設した内チャンバへの突設軸のロードセル
の各出力に基づいて行っている。すなわち、各ロードセ
ル出力により原料融液の重量変化を測定して、各ヒータ
による加熱温度をそれぞれコントロールすることによ
り、その融液組成を制御するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術として記載し
ているように、昇温過程では、るつぼ内のIII族金属
(Ga)を高解離圧成分(V族元素:As)蒸気と反応
させることにより、原料融液を作製する。しかしなが
ら、この際、るつぼ内のIII族金属の温度が、その組
成での融点に対して低過ぎると、合成反応開始直後に固
化してしまい、直接合成が失敗となることがあった。
【0005】高解離圧成分蒸気が内チャンバ内に満たさ
れる以前に、るつぼ内のIII族金属の温度をその融点
よりも十分高くしておけば、固化が生じることはない。
しかし、この輻射熱により、シード結晶から高解離圧成
分が解離して、シード結晶が劣化する。これが引き上げ
る単結晶の多結晶化等の原因となり、良好な単結晶が得
られない。
【0006】このため、ルツボ加熱用ヒータ(上ヒー
タ)と、高解離圧成分蒸気生成用ヒータ(下ヒータ)と
の出力を調整しながら徐々に昇温することにより、原料
融液の固化を抑制しつつ、高解離圧成分蒸気を生成する
必要があった。
【0007】加えて、昇温を行う際に、内チャンバ内の
高解離圧成分の蒸気圧と平衡するように外チャンバ内に
不活性ガスを導入する。これにより、外チャンバ内と内
チャンバ内との差圧を低減し、回転シール部からのひ素
飛散を抑制している。この差圧が大きくなると、回転シ
ール部からの高解離圧成分の飛散量が多くなり、直接合
成が失敗し、良好な結晶が得られなかったからである。
【0008】それゆえ、最適昇温条件を求めるべくその
過程で多くの実験を必要としていた。また、より良好な
単結晶を得るべく、その結晶育成(引き上げ)条件を変
えている。例えば、ホットゾーンやるつぼ等の炉内部材
を変更する。すると、これに伴って昇温条件も変化す
る。この結果、炉内部材に対応して最適昇温条件を得る
ため、さらに多くの実験を必要としていた。
【0009】本発明の目的は、融液固化防止、シード
結晶劣化防止を達成するための、その成長装置に対応し
た各ヒータによる最適昇温条件を得ること、また、シ
ール部からのAs(高解離圧成分)の飛散を防止するこ
と、さらに、引き上げに最適となるように原料融液の
組成を(高純度および/または低転位GaAs単結晶を
得るために最適の融液をストイキオメトリまたはデバイ
ス特性上望まれる組成に)制御することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した発明
は、容器内の高解離圧成分を加熱して化合物半導体の融
液を合成するとともに、この容器内の高解離圧成分ガス
の圧力を制御しつつ、この融液から化合物半導体単結晶
を引き上げる化合物半導体単結晶の成長装置において、
基準値に基づいて、高解離圧成分の加熱温度と、化合物
半導体の融液の加熱温度とを制御する化合物半導体単結
晶の成長装置である。この基準値は予め設定しておいて
もよく、または、装置の運転毎に設定したものであって
もよい。
【0011】請求項2に記載した発明は、上記基準値
は、化合物半導体単結晶を化合物半導体の融液から引き
上げる際、その融液の組成を最適とするように設定した
請求項1に記載の化合物半導体単結晶の成長装置であ
る。例えば化合物半導体融液がストイキオメトリである
ことが望ましい。
【0012】請求項3に記載した発明は、外容器と、外
容器内に設けられた密封容器と、密封容器内に設けら
れ、高解離圧成分を含む化合物半導体の融液を保持する
融液容器と、密封容器内に設けられ、化合物半導体の原
料の内の高解離圧成分が装入される装入部と、化合物半
導体の融液を加熱する融液加熱手段と、装入部の高解離
圧成分を加熱する高解離圧成分加熱手段と、化合物半導
体の融液から化合物半導体の単結晶を引き上げる引上手
段と、密封容器の内外の差圧を一定値に制御する差圧制
御手段と、化合物半導体の融液の重量を検出する重量検
出手段と、重量検出手段の検出値に基づいて、化合物半
導体の融液の重量の増加率を判定する判定手段と、判定
結果に基づいて融液加熱手段による加熱温度および高解
離圧成分加熱手段による加熱温度を制御する制御手段と
を備えた化合物半導体単結晶の成長装置である。
【0013】請求項4に記載した発明は、上記重量検出
手段は、融液容器内の融液の重量を検出する検出部材
と、密封容器の内外の差圧を検出する差圧検出部材とを
有し、検出部材および差圧検出部材による各検出値に基
づいて、化合物半導体の融液の重量の増加率を算出する
とともに、上記判定手段は、この算出した重量の増加率
を予め設定した基準値と比較することにより、その増加
率の適正を判定する請求項3に記載した化合物半導体単
結晶の成長装置である。
【0014】請求項5に記載した発明は、上記制御手段
は、上記算出した重量の増加率が基準値を下回る場合、
高解離圧成分加熱手段による加熱温度の上昇率をそれま
での上昇率よりも低下させるとともに、融液加熱手段に
よる加熱温度の上昇率をそれまでの上昇率よりも高める
請求項4に記載した化合物半導体単結晶の成長装置であ
る。
【0015】請求項6に記載した発明は、上記制御手段
は、上記算出した重量の増加率が基準値を上回る場合、
高解離圧成分加熱手段による加熱温度の上昇率をそれま
での上昇率よりも高めるとともに、融液加熱手段による
加熱温度の上昇率をそれまでの上昇率よりも低下させる
請求項4または請求項5に記載した化合物半導体単結晶
の成長装置である。
【0016】請求項7に記載した発明は、上記判定手段
での重量の増加率の基準値は、当該成長装置での化合物
半導体単結晶の引き上げの結果に基づいて設定した請求
項4〜請求項6のいずれか1項に記載の化合物半導体単
結晶の成長装置である。
【0017】請求項8に記載した発明は、上記検出部材
は、融液容器を回転自在に支持する軸に配設されたロー
ドセルであり、上記差圧検出部材は、上記密封容器内に
突設した軸に配設されたロードセルである請求項4〜請
求項7のいずれか1項に記載の化合物半導体単結晶の成
長装置である。
【0018】請求項9に記載した発明は、上記密封容器
は、上下に2分割され、それらの接合部にシール部材が
介装された請求項3〜請求項8のいずれか1項に記載の
化合物半導体単結晶の成長装置である。
【0019】請求項10に記載した発明は、上記密封容
器内の高解離圧成分ガスの圧力を制御する圧力制御手段
を備えた請求項3〜請求項9のいずれか1項に記載の化
合物半導体単結晶の成長装置である。
【0020】請求項11に記載した発明は、上記差圧制
御手段は、外容器内の圧力を制御する請求項3〜請求項
10のいずれか1項に記載した化合物半導体単結晶の成
長装置である。
【0021】請求項12に記載した発明は、高解離圧成
分を含む2種の固体元素を密封容器内に装入、加熱し、
この密封容器内の圧力および/またはその加熱温度を制
御することにより、これらの固体元素を反応させて化合
物半導体の融液を合成する化合物半導体の成長方法にお
いて、上記反応中における化合物半導体の融液の重量増
加率を算出し、この算出値を基準値と比較することによ
り、上記密封容器内の圧力および/または上記高解離圧
成分、上記融液の各加熱温度を制御する化合物半導体の
成長方法である。
【0022】請求項13に記載した発明は、合成した化
合物半導体の融液から所定の性状の化合物半導体単結晶
を引き上げることができるように、その化合物半導体の
融液の組成を設定し、この組成に基づいて上記基準値を
定めた請求項12に記載の化合物半導体の成長方法であ
る。
【0023】請求項14に記載した発明は、上記算出値
が基準値を下回る場合は上記高解離圧成分加熱温度の上
昇率を下げ、および/または、融液の加熱温度の上昇率
を高める請求項13に記載の化合物半導体の成長方法で
ある。
【0024】請求項15に記載した発明は、上記算出値
が基準値を上回る場合は上記高解離圧成分加熱温度の上
昇率を高め、および/または、融液の加熱温度の上昇率
を下げる請求項13または請求項14に記載の化合物半
導体の成長方法である。
【0025】請求項16に記載した発明は、上記基準値
は上記反応により生成された化合物半導体の融液の重量
に基づいて設定される請求項12〜請求項15のいずれ
か1項に記載した化合物半導体の成長方法である。
【0026】
【作用】本発明に係る化合物半導体単結晶の成長装置に
よれば、例えば真空にした密封容器内で高解離圧成分を
加熱し、蒸発させて密封容器内を高解離圧成分ガスによ
り所定の圧力に制御する。さらに、高解離圧成分を加熱
し、かつ、融液容器(るつぼ)同時に加熱し、この結
果、るつぼ内に化合物半導体の融液を合成する。そし
て、この合成終了後シード軸を融液に浸して引き上げる
ことにより、化合物半導体単結晶を成長させることとな
る。そして、この昇温過程にあってその昇温条件を最適
に制御することにより、融液の固化を阻止し、かつ、高
解離圧成分の外部への飛散、シード劣化等を防止して、
例えば低転位またはストイキオメトリの化合物半導体単
結晶を成長させる。
【0027】具体的には、高解離圧成分蒸気生成ヒー
タ、ルツボ加熱ヒータを共に徐々に昇温して行くと、高
解離圧成分金属固体が蒸発(昇華)し、外チャンバ(外
容器)内と内チャンバ(密封容器)内との差圧(以下
「差圧」)が大きくなってくる。ここで、差圧検出ロッ
ドの内チャンバ貫通部の断面積をS[cm2]、差圧検
出ロッドに取り付けられたロードセルが検出する昇温開
始時の重量をW0とし、同ロードセルが現在検出してい
る重量をW1とすると、差圧dpは次式となる。すなわ
ち、 dp=(W1−W0)/S[g/cm2] である。
【0028】ここで、この差圧が50g/cm2以下で
あれば、回転シール部から高解離圧成分(V族)蒸気が
飛散しないことが実験的に見い出されている。すなわ
ち、 −50≦(W1−W0)/S≦50 となるように、外チャンバ内ガス圧を制御すれば、内チ
ャンバから高解離圧成分(V族)蒸気は飛散することは
ない。このときの外チャンバ内圧力をPout、内チャン
バ内圧力をPinとすると、 Pin=Pout+dp=Pout+(W1−W0)/S となる。Pinは高解離圧成分の蒸気圧であるから、外チ
ャンバに圧力検出器を取り付けてあれば、差圧検出ロッ
ドに取り付けられたロードセルが現在検出している重量
により、内チャンバ内の高解離圧成分の蒸気圧が測定可
能となる。
【0029】また、下軸に取り付けたロードセルが現在
検出している重量の微分値は、直接合成反応による単位
時間当りの原料融液の重量増加量である。この微分値が
小さい場合、合成反応が遅いと考えられる。したがっ
て、このようなときには、高解離圧成分蒸気生成ヒータ
の温度上昇率を減じ、かつ、ルツボ加熱ヒータの温度上
昇率を増すように制御を行えばよい。
【0030】合成反応が速い場合は、上述とは逆に、ル
ツボ加熱ヒータの温度上昇率を減じ、高解離圧成分蒸気
生成ヒータの温度上昇率を増すように制御すればよい。
このように制御することにより、適正な合成反応(融液
重量増加率)を得て、単結晶の引き上げに最適な融液組
成(原則的にはストイキオメトリ)を得る。この結果、
高純度、低転位の化合物半導体単結晶を得ることができ
る。これはその単結晶の結晶特性が理想的なものである
他、同時にその合成開始から引き上げ終了までの歩留ま
りまたは収率を高めることができるものでもある。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明の一実施例に係る化合物半導体単結
晶成長装置の概略構成を示している。図2はこの装置の
主要部を示している。図3はこの装置における動作を説
明するフローチャートである。図4は実際のヒータの温
度制御を示すグラフである。
【0032】図1において、円筒型の外チャンバ11内
に円筒型の内チャンバ12が載置されている。この二重
密封構造は有毒ガスの漏出を防止するものでもある。内
チャンバ12は上下に2分割されており、それらの接合
部には例えば液体のシール剤が配設されている。内チャ
ンバ12内中央部にはるつぼ13がるつぼ軸14により
回転自在に配設されており、るつぼ13の直上には同軸
上にシード軸15が配設されている。シード軸15下端
にはシード結晶16が取り付けられ、したがって、この
シード結晶16はるつぼ13上で回転自在かつ昇降自在
に設けられている。これらのるつぼ軸14、シード軸1
5はシール剤(液体)17によりシールされている。ま
た、内チャンバ12の底部には差圧検出ロッド18が突
設されており、その嵌入部はシール剤17によりシール
されている。
【0033】るつぼ13には合成する化合物半導体の原
料としてGa(金属ガリウム)が装入されており、内チ
ャンバ12の底部にはもう一方の原料としてのAs(固
体ひ素)が装入されている。そして、このるつぼ13は
上ヒータ21により、Asは下ヒータ22によりそれぞ
れ別個に加熱、制御される構成である。
【0034】また、23は内チャンバ12に連設された
蒸気圧制御用の炉であって、この炉23により内チャン
バ12内のAs蒸気圧をコントロールしている。24は
外チャンバ11内に不活性ガス(例えばアルゴンガス)
を注入するためのバルブであり、その開閉はバルブ制御
回路25の出力により制御されている。26、27は上
ヒータ21、下ヒータ22の各出力制御を行うためのヒ
ータ制御回路である。
【0035】さらに、上記装置にあっては、以下のセン
サが配設されている。すなわち、るつぼ軸14および差
圧検出ロッド18の各下端(外チャンバ11の外部に配
設されている)には、それぞれロードセル31、32が
固設されている。これらのロードセル31、32はそれ
ぞれ融液の重量、内外の差圧を検出するためのものであ
る。その出力はA/Dコンバータ33、34をそれぞれ
介してコンピュータ41に入力されている。また、外チ
ャンバ11内の圧力を検出する圧力センサ35の出力も
同様にA/Dコンバータ36を介してコンピュータ41
に入力されている。なお、コンピュータ41はROM等
に記憶したプログラムに基づいて入力信号を演算処理
し、バルブ制御回路25、ヒータ制御回路26、27に
所定の各制御信号を出力しているものである。
【0036】図2はコンピュータ41により実行される
演算等処理を説明するためのブロック図である。この図
に示すように、その内部記憶装置、例えばRAMには重
量増加率基準データ、高解離圧成分蒸発ヒータ(下ヒー
タ22)基準データ、ルツボヒータ(上ヒータ21)昇
温基準データがそれぞれ記憶されている。重量増加率基
準データは、融液の合成開始から合成終了までの間の重
量増加率を示す。この重量増加率基準データは、成長装
置毎に、また、炉材等条件を変更する毎に、理想とされ
る最適のものが存在する。そして、この重量増加率基準
データは、当該成長装置での実験的操業により定めるこ
ともでき、または、実際の操業毎に更新するようにして
もよい。高解離圧成分蒸発ヒータ基準データおよびルツ
ボヒータ昇温基準データは、昇温のための初期値を与え
るものである。上記重量増加率基準データに、これらの
データを加えて、ヒータ21,22を制御することによ
り、その制御をより安定化させることができる(ヒータ
へのフィードバック量を小さくすることができる)。
【0037】そして、実際には、ADコンバータ33、
34を介してのロードセル31、32の各出力に基づい
て、るつぼ13内の融液の重量増加率は演算され、これ
らの基準データと比較される。この比較結果に基づいて
各ヒータ制御回路26、27への出力が制御される。内
外チャンバ11、12の差圧はADコンバータ34出力
により算出され、その結果により差圧が一定値(0もし
くは許容範囲、例えば±50g/cm2内)となるよう
にバルブ制御回路25への出力を制御する。差圧をこの
範囲内に抑えてひ素のシール部からの放散または不活性
ガスの内チャンバ12内への流入を防止するものであ
る。このように差圧検出ロッド18、ロードセル32お
よび圧力センサを用いて差圧を検出するのは、上記高
温、ひ素条件下で高精度に差圧を測定するためである。
【0038】以上の構成に係る化合物半導体単結晶の成
長装置にあって、化合物半導体(GaAs)の融液を合
成する場合について説明する。まず、金属ガリウムをる
つぼ13内に、内チャンバ12底部に固体ひ素をそれぞ
れ所定量だけ投入する。そして、外チャンバ11内およ
び内チャンバ12内を真空にしてヒータ21、22を徐
々に昇温させ、ひ素蒸気を内チャンバ12内に充満させ
る。このとき、ひ素蒸気がガリウムと反応してるつぼ1
3内にガリウムひ素融液が生成される。また、昇温と同
時に外チャンバ11内に不活性ガス(例えばアルゴンガ
ス)を導入して内チャンバ12の内外の差圧を一定値に
維持する。また、蒸気圧制御用の炉23により反応時の
ひ素蒸気圧を制御する。融液の合成の終了後、シード結
晶16を融液に浸してGaAs単結晶を引き上げること
となる。このような直接合成法は、GaAsの多結晶を
るつぼにチャージする方法に比較して、工程数が減少
し、コスト的に有利であり、かつ、高純度、低転位のG
aAs単結晶を得易いという利点がある。
【0039】図3は上記昇温過程におけるヒータ21、
22およびバルブ24の制御の詳細を説明するフローチ
ャートである。また、図4はヒータ21、22の温度上
昇例および重量増加率を示すグラフである。
【0040】まず、各センサ31,32,35より検出
データ、すなわち融液重量、差圧、外圧(外チャンバ1
1内の圧力)の各データを読込、入力する(S30
1)。次に、これらの差圧データおよび外圧データに基
づいて内圧(内チャンバ12内の圧力)を算出する(S
302)。算出した内圧は融液の合成終了後、組成を変
えた引き上げ等に使用することもできる。さらに、融液
重量データおよび差圧データに基づいて内チャンバ12
と外チャンバ11との差圧を算出する(S303)。そ
して、この差圧が許容範囲(±50g/cm2)内であ
るか否かをチェックし(S304)、差圧がこの許容範
囲から外れる場合、すなわち内圧が外圧に比較して50
g/cm2より大きい場合はバルブ24を開いて外チャ
ンバ11の圧力を高める。または、内圧が外圧より50
g/cm2を超えて小さいときは、ガス放出用バルブ1
00を開いて外チャンバ11の圧力を下げる(S30
6)。
【0041】そして、差圧が一定範囲内であれば(S3
04でYES)、以下に進む。すなわち、上記融液重量
データ、差圧データより融液の重量増加率を算出する
(S305)。この算出した増加率を、予め記憶した増
加率データ(基準値)と比較する(S307)。なお、
この増加率データは数回の運転により定めたものとして
もよい。例えば図4はこの重量増加率データの一例を示
している。
【0042】重量増加率データがその時点での基準値を
下回る場合は、融液の合成速度が基準に比較して遅いも
のと判断し、上ヒータ21の出力を今までよりアップ
し、かつ、下ヒータ22の出力をいままでよりもダウン
する(S308)。このアップ/ダウンの幅は、予め記
憶した理想的なデータに基づく。一方、基準値を上回る
場合は合成速度が速すぎるものと判断し、逆に、上ヒー
タ21の出力をダウンし、かつ、下ヒータ22の出力を
アップする(S309)。上ヒータ21、下ヒータ22
のうちのいずれか一方を制御することも考えられるが、
2つのヒータ21,22を同時に制御することにより、
融液合成の制御をスピーディに行うことができる。これ
らの結果、重量増加率に基づいてヒータ21,22をフ
ィードバック制御することにより、ストイキオメトリの
融液を理想の昇温条件で合成することができる。また、
高歩留まりを得ることもできる。この場合、シール部か
らのAsの飛散はない。
【0043】なお、図4は当該成長装置により複数回の
合成を行うことにより設定した上ヒータ21、下ヒータ
22の温度変化(理想的な昇温での)を示すものでもあ
る。このとき、チャージ条件はGaAs7000gに対
してGaは3375g、Asは3827gとしている。
【0044】以上に説明した融液の合成は、当該装置に
あっては上記重量増加率の基準値等については自己学習
機能により設定することもできる。例えば初期値を記憶
し、この記憶値をプログラムの実行毎に更新するように
してもよい。さらに、本発明はGaAs単結晶の他に
も、他の化合物半導体単結晶についても適用することが
できる。例えばAl−P,Al−As,Al−Sb,G
a−P,Ga−Sb,In−P,In−As,In−S
b等の高解離圧成分を含む化合物半導体単結晶の成長装
置および成長方法について、本発明を適用することがで
きる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、単結晶の引き上げに良
好な化合物半導体の融液を得ることができる。また、融
液の合成に際して融液の固化、シード結晶の劣化が生じ
ることはない。また、その際高解離圧成分が密封容器の
各シール部から漏れ出すこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る化合物半導体単結晶の
成長装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る化合物半導体単結晶成
長装置のコンピュータにおける演算処理を説明するため
のブロック図である。
【図3】本発明の一実施例に係るコンピュータでの演算
処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の一実施例に係るヒータの温度制御およ
び融液の重量増加率の経時的変化例を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
11 外チャンバ、 12 内チャンバ、 13 るつぼ、 17 シール剤、 18 差圧検出ロッド、 21 上ヒータ、 22 下ヒータ、 23 蒸気圧制御用の炉、 24 ガス導入用バルブ、 31、32 ロードセル、 41 コンピュータ 100 ガス放出用バルブ

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内の高解離圧成分を加熱して化合物
    半導体の融液を合成するとともに、この容器内の高解離
    圧成分ガスの圧力を制御しつつ、この融液から化合物半
    導体単結晶を引き上げる化合物半導体単結晶の成長装置
    において、 基準値に基づいて、高解離圧成分の加熱温度と、化合物
    半導体の融液の加熱温度とを制御することを特徴とする
    化合物半導体単結晶の成長装置。
  2. 【請求項2】 上記基準値は、化合物半導体単結晶を化
    合物半導体の融液から引き上げる際、その融液の組成を
    最適とするように設定した請求項1に記載の化合物半導
    体単結晶の成長装置。
  3. 【請求項3】 外容器と、 外容器内に設けられた密封容器と、 密封容器内に設けられ、高解離圧成分を含む化合物半導
    体の融液を保持する融液容器と、 密封容器内に設けられ、化合物半導体の原料の内の高解
    離圧成分が装入される装入部と、 化合物半導体の融液を加熱する融液加熱手段と、 装入部の高解離圧成分を加熱する高解離圧成分加熱手段
    と、 化合物半導体の融液から化合物半導体の単結晶を引き上
    げる引上手段と、 密封容器の内外の差圧を一定値に制御する差圧制御手段
    と、 化合物半導体の融液の重量を検出する重量検出手段と、 重量検出手段の検出値に基づいて、化合物半導体の融液
    の重量の増加率を判定する判定手段と、 判定結果に基づいて融液加熱手段による加熱温度および
    高解離圧成分加熱手段による加熱温度を制御する制御手
    段とを備えたことを特徴とする化合物半導体単結晶の成
    長装置。
  4. 【請求項4】 上記重量検出手段は、融液容器内の融液
    の重量を検出する検出部材と、密封容器の内外の差圧を
    検出する差圧検出部材とを有し、検出部材および差圧検
    出部材による各検出値に基づいて、化合物半導体の融液
    の重量の増加率を算出するとともに、 上記判定手段は、この算出した重量の増加率を予め設定
    した基準値と比較することにより、その増加率の適正を
    判定する請求項3に記載した化合物半導体単結晶の成長
    装置。
  5. 【請求項5】 上記制御手段は、上記算出した重量の増
    加率が基準値を下回る場合、高解離圧成分加熱手段によ
    る加熱温度の上昇率をそれまでの上昇率よりも低下させ
    るとともに、融液加熱手段による加熱温度の上昇率をそ
    れまでの上昇率よりも高める請求項4に記載した化合物
    半導体単結晶の成長装置。
  6. 【請求項6】 上記制御手段は、上記算出した重量の増
    加率が基準値を上回る場合、高解離圧成分加熱手段によ
    る加熱温度の上昇率をそれまでの上昇率よりも高めると
    ともに、融液加熱手段による加熱温度の上昇率をそれま
    での上昇率よりも低下させる請求項4または請求項5に
    記載した化合物半導体単結晶の成長装置。
  7. 【請求項7】 上記判定手段での重量の増加率の基準値
    は、当該成長装置での化合物半導体単結晶の引き上げの
    結果に基づいて設定した請求項4、請求項5または請求
    項6のいずれか1項に記載の化合物半導体単結晶の成長
    装置。
  8. 【請求項8】 上記検出部材は、融液容器を回転自在に
    支持する軸に配設されたロードセルであり、 上記差圧検出部材は、上記密封容器内に突設した軸に配
    設されたロードセルである請求項4〜請求項7のいずれ
    か1項に記載の化合物半導体単結晶の成長装置。
  9. 【請求項9】 上記密封容器は、上下に2分割され、そ
    れらの接合部にシール部材が介装された請求項3〜請求
    項8のいずれか1項に記載の化合物半導体単結晶の成長
    装置。
  10. 【請求項10】 上記密封容器内の高解離圧成分ガスの
    圧力を制御する圧力制御手段を備えた請求項3〜請求項
    9のいずれか1項に記載の化合物半導体単結晶の成長装
    置。
  11. 【請求項11】 上記差圧制御手段は、外容器内の圧力
    を制御する請求項3〜請求項10のいずれか1項に記載
    した化合物半導体単結晶の成長装置。
  12. 【請求項12】 高解離圧成分を含む2種の固体元素を
    密封容器内に装入、加熱し、この密封容器内の圧力およ
    び/またはその加熱温度を制御することにより、これら
    の固体元素を反応させて化合物半導体の融液を合成する
    化合物半導体の成長方法において、 上記反応中における化合物半導体の融液の重量増加率を
    算出し、 この算出値を基準値と比較することにより、上記密封容
    器内の圧力および/または上記高解離圧成分、上記融液
    の各加熱温度を制御することを特徴とする化合物半導体
    の成長方法。
  13. 【請求項13】 合成した化合物半導体の融液から所定
    の性状の化合物半導体単結晶を引き上げることができる
    ように、その化合物半導体の融液の組成を設定し、この
    組成に基づいて上記基準値を定めた請求項12に記載の
    化合物半導体の成長方法。
  14. 【請求項14】 上記算出値が基準値を下回る場合は上
    記高解離圧成分加熱温度の上昇率を下げ、および/また
    は、融液の加熱温度の上昇率を高める請求項13に記載
    の化合物半導体の成長方法。
  15. 【請求項15】 上記算出値が基準値を上回る場合は上
    記高解離圧成分加熱温度の上昇率を上げ、および/また
    は、融液の加熱温度の上昇率を下げる請求項13または
    請求項14に記載の化合物半導体の成長方法。
  16. 【請求項16】 上記基準値は上記反応により生成され
    た化合物半導体の融液の重量に基づいて設定される請求
    項12〜請求項15のいずれか1項に記載した化合物半
    導体の成長方法。
JP11214994A 1994-04-27 1994-04-27 化合物半導体単結晶の成長装置およびその成長方法 Withdrawn JPH07291786A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012001386A (ja) * 2010-06-16 2012-01-05 Shin Etsu Handotai Co Ltd 単結晶製造装置及び湯漏れ検出方法

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