JPH07291134A - 車両のステアリング装置 - Google Patents

車両のステアリング装置

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JPH07291134A
JPH07291134A JP8642494A JP8642494A JPH07291134A JP H07291134 A JPH07291134 A JP H07291134A JP 8642494 A JP8642494 A JP 8642494A JP 8642494 A JP8642494 A JP 8642494A JP H07291134 A JPH07291134 A JP H07291134A
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JP
Japan
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center
steering wheel
gravity
vehicle
steering
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JP8642494A
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English (en)
Inventor
Yasumasa Tsubota
康正 坪田
Yasuhiro Shiraishi
恭裕 白石
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】路面に設けられたカントによって直進走行時に
発生する車両の片流れを抑制防止できるステアリング装
置を提供する。 【構成】通常直進走行時に現れる路面カントによるステ
アリングホイールの回転トルクを相殺するために、錘2
a,2bをステアリングホイール1に取付けることで当
該ステアリングホイール1系全体の重心点Gをその回転
中心Oから所定量だけずらし、その結果,ステアリング
ホイール1の回転中心O軸回りの慣性モーメントに対し
て,重心点Gに作用する重力加速度によって回転モーメ
ントを発生せしめ、この回転モーメントが前記路面カン
トによる回転トルクと等しく逆向きになるようにするこ
とで,車両の片流れを抑制防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両のステアリング装置
に関するものであり、特に路面横断勾配(路面カント)
による車両の片流れを抑制防止可能とするのに好適なも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来のステアリング装置では,実際に操
舵されるステアリングホイール系(所謂ステアリングホ
イールの把持部(グリップ部とも記す)及びこのステア
リングホイールのグリップ部とステアリングコラムシャ
フトに接続されるステアリングボス部とを連結するステ
ム部(スポーク部とも称する)及びこのステム部やステ
アリングボス部に設けられたホーンスイッチ類やエアバ
ッグ装置(エアバッグモジュールとも記す)などを含む
ステアリングホイールの総回転系)の重心点は、その回
転中心,即ちステアリングコラムシャフトの回転軸に一
致されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、実際に車両
が通常走行する路面(所謂,道路である)には,排水等
の目的で横断勾配が設けられており、種々の規則によっ
てもこの横断勾配を設けるように指導されている。具体
的には路面の横断方向両側,即ち幅方向両側に位置する
路肩部が,中央部よりも低くなるように設定されてい
て、その勾配は凡そ1〜3%程度であるのが一般的であ
る。この路面の横断勾配を路面カントと記すことにすれ
ば、この路面カントの影響は,少なくとも直進走行距離
が短い場合にあっては,殆ど実走行上の問題とはならな
い。
【0004】しかしながら、このような路面カントを備
えた路面が直線的に長く続く場合,特にこの直線路面を
高速で走行するような場合には、所謂片流れ現象が発生
して車両が真直ぐに走行しにくくなることがある。これ
は、このような小さな路面カントに対して(厳密にはそ
れに伴って重力加速度が車両幅方向に作用する分力に対
して)対地キャンバ角が変化しないように,また車体に
ロールが発生しないようにサスペンション装置が設定さ
れているために車両中心軸が路面に対して常にほぼ垂直
になることが原因の一つではあるのだが、その結果,路
面の右側走行車線を走行中にあってはステアリングホイ
ールが右に回転され、又は路面の左側走行車線を走行中
にあってはステアリングホイールが左に回転され、或い
は実質的にステアリングホイールが回転されない場合で
も,タイヤに路面カント方向への滑りが発生するため
に、各走行車線の路面横方向外側,即ち路肩側に車両が
流れているように感じられ、実際には運転者が,この微
妙な片流れ現象に対してステアリングホイールを微妙に
操舵しながら、車両が真直ぐ走行するように制御してい
る。
【0005】本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発され
たものであり、通常直進走行で現れる路面カントの影響
を抑制して,運転者がステアリングホイールを微妙に操
舵しなくとも車両が真直ぐに走行できる車両のステアリ
ング装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】而して本発明のうち請求
項1に係る車両のステアリング装置は、車両の通常直進
走行時に現れる路面カントに応じて,ステアリングホイ
ール系の重心点位置を,当該ステアリングホイールの回
転中心から所定距離だけずらす重心点位置変更手段を、
前記ステアリングホイール系に備えたことを特徴とする
ものである。
【0007】また、本発明のうち請求項2に係る車両の
ステアリング装置は、前記重心点位置変更手段が、ステ
アリングホイール系に取付けられる錘で構成されたこと
を特徴とするものである。また、本発明のうち請求項3
に係る車両のステアリング装置は、前記重心点位置変更
手段が、ステアリングホイール系に取付けられるエアバ
ッグ装置で構成されたことを特徴とするものである。
【0008】また、本発明のうち請求項4に係る車両の
ステアリング装置は、前記重心点位置変更手段が、ステ
アリングホイール系の重心点位置を回転中心からずらす
所定距離を調整可能としたことを特徴とするものであ
る。
【0009】
【作用】本発明のうち請求項1に係る車両のステアリン
グ装置では、例えば本発明のうち請求項2に係る車両の
ステアリング装置に記載されるようにステアリングホイ
ール系に取付けられる錘や,本発明のうち請求項3に係
る車両のステアリング装置に記載されるようにステアリ
ングホイール系に取付けられるエアバッグ装置等で重心
点位置変更手段を構成し、この重心点位置変更手段を,
ステアリングホイール系に備えて、全ステアリングホイ
ール系の重心点位置を,当該ステアリングホイールの回
転中心から所定距離だけずらしたために、例えばこの回
転中心から所定距離だけずらされた重心点位置に重力加
速度又はその成分が作用した結果、当該ステアリングホ
イール系には,運転者によらない操舵力(操舵モーメン
ト又は操舵トルク)が自動的に発生する。従って、前記
ステアリングホイール系の重心点位置を当該ステアリン
グホイールの回転中心からずらす所定距離を,前記路面
カントによって発生するステアリングホイール系の回転
力又は路面カントによって発生するタイヤの滑りに伴う
車両の流れに応じて設定すれば、このような路面カント
が引き起こすステアリングホイール系の回転力や車両の
流れを,ステアリングホイール系の前記自動的な操舵力
によって打ち消すことができ、結果的にこのような路面
カントを有する路面で,運転者が微妙にステアリングホ
イールを操舵しなくても,車両を真直ぐに走行させるこ
とができる。
【0010】また、本発明のうち請求項4に係る車両の
ステアリング装置では、前記重心点位置変更手段によっ
て,前記ステアリングホイール系の重心点位置の回転中
心からの所定距離を調整可能としたために、例えば初期
設定した重心点位置で前記自動的に発生する操舵力が,
当該路面カントで車両を真直ぐに走行させるために過不
足のあった場合などには、当該重心点位置の回転中心か
らの所定距離を調整して通常直進走行で現れる路面カン
トに応じた重心点位置を設定することができ、あらゆる
路面で路面カントの大小に関わらず車両を直進走行させ
ることができる。
【0011】
【実施例】図1は本発明の車両のステアリング装置の第
1及び第2実施例を示すものである。このうち図1aに
示す第1実施例では,従来と同様にステアリングコラム
シャフト10にステアリングホイール1を接続するので
あるが、このステアリングホイール1を構成するグリッ
プ部1aとボス部1bとの連結ステム部1cに,質量m
1 の錘2aを取付ける。この錘2aは、前記ステアリン
グコラムシャフト10の軸線,即ちステアリングホイー
ル1の回転中心Oから当該ステアリングホイール1の中
立状態での水平左方向で且つ当該ステアリングホイール
1の回転中心Oから所定距離L1 だけ離して,前記ステ
ム部1cに取付けられている。また、この錘2aは図示
のようにボルト12を長孔11に貫通して前記ステム部
1cに取付けられているので、例えばこのボルト12を
緩めて錘を長孔11に沿って移動することで錘2aの取
付位置,即ち前記所定距離L1 を調整することができる
ようにしてある。
【0012】また、図1bに示す第2実施例では,同じ
くステアリングコラムシャフト10に接続されるステア
リングホイール1のグリップ部1aに,比重の異なる錘
2bを埋設したものである。この錘2bは,それ自体の
総増加質量がm2 であり、前記ステアリングコラムシャ
フト10の軸線,即ちステアリングホイール1の回転中
心Oから水平左方向で且つ当該ステアリングホイール1
のグリップ部1aの平均半径がrであるとすると当該ス
テアリングホイール1の回転中心Oから所定距離rだけ
離れた位置に取付けられている。
【0013】なお、これらの実施例では,何れもステア
リングホイール1自体の重心点は、その回転中心O,即
ちステアリングコラムシャフトの軸線に一致されてい
る。図2は本発明の車両のステアリング装置の第3実施
例を示すものであり、ステアリングホイールにエアバッ
グ作動装置を備えたものである。この第3実施例では、
ステアリングホイール1にエアバッグ作動装置,所謂エ
アバッグモジュール3を取付けるにあたり、予めエアバ
ッグモジュール3の重心点A.B を、図示されないステア
リングコラムシャフトの軸線,即ちステアリングホイー
ル1の回転中心Oからずらして取付けたものである。こ
こでは理解を容易化するために,エアバッグモジュール
3の全質量をm1 とし、この質量m1 のエアバッグモジ
ュール3の重心点GA.B を,前記ステアリングコラムシ
ャフト10の軸線,即ち当該ステアリングホイール1の
回転中心Oからステアリングホイール1の中立状態での
水平左方向で且つ当該ステアリングホイール1の回転中
心Oから所定距離L1 だけ離して取付けてある。なお、
このエアバッグモジュール3が取付けられる以前のステ
アリングホイール1の重心点は、当該ステアリングホイ
ール1の回転中心O,即ちステアリングコラムシャフト
10の軸線に一致されている。
【0014】それでは次に、前記路面カントによる車両
片流れの原理及びこれらの各実施例の作用を簡潔に説明
する。なお、ここに説明する内容は,理解を容易化する
ために種々の条件を想定して単純化したものであり、実
際の車両にあっては更に複雑な条件設定が必要となり、
当然それに伴って複雑な計算が必要となることに注意さ
れたい。
【0015】例えば図3aは路面カントKのある右側走
行車線を直進走行中の車両の後面図であるが、このよう
に路面カントKがあると,車両重心点GC に作用する重
力加速度による重量Wは、路面(路面カント)に沿った
分力FK と路面に直交する分力FV とに分解できる。こ
のうち、路面に沿った分力FK は,車体の横方向に作用
することになるから、車体に対地ロールを発生させよう
とし、更に図示されないサスペンションを介して車輪に
伝達されて車輪の対地キャンバ角を変化させようとする
と考えられる。しかしながら、昨今のサスペンションの
開発によって,このような小さな横力によっては車輪の
対地キャンバ角は殆ど変化せず、またサスペンションの
みならず,これを車体側に連結するゴムブッシュ等の開
発にも伴って,この程度の小さな横力では車体の対地ロ
ールも殆ど抑制されてしまい、結果的に車体の上下方向
中心軸も車輪の上下方向中心軸も,ほぼ路面に垂直な状
態に維持される。逆に、このように車輪の上下方向中心
軸が路面に垂直な状態に維持されるために、前記車輪軸
に伝達された重量Wの路面に沿った分力FK が,タイヤ
の着力点Pに逆方向の力(スラスト力)THを与えるこ
とになる。すると、図3aに示すように全ての車輪のタ
イヤ着力点Pに,路面カントKと逆方向のスラスト力T
Hが作用する。ここで、転舵輪である前輪に着目する
と、適切なセルフアライニングトルクを得るためにキン
グピン軸(仮想キングピン軸を含む)K.Pは通常,前
記前輪のタイヤ着力点Pよりもやや前方に設定されてい
るために、前記タイヤ着力点Pに掛かるスラスト力TH
によってキングピン軸K.Pの回りにモーメントTが発
生する。この転舵輪である前輪に発生したモーメントT
は,例えば前輪操舵装置のギヤ比で除された大きさのト
ルクとしてステアリングホイールを回転する。或いは、
路面カントが比較的小さい場合や車速が大きい,即ち車
輪回転駆動力が大きい場合には、前記タイヤ着力点に作
用するスラスト力の回転駆動力に対する比が小さくな
り、従ってこの回転駆動力に対して小さな比のスラスト
力が,例えばタイヤトレッドゴム変形のヒステリシスで
吸収されてしまうような場合には、実際にステアリング
ホイールを回転させるモーメントが発生するには及ばな
いが、何れの場合にも各車輪は横滑りするために車両は
路面カント方向に流れてしまう。
【0016】そこで、ステアリングホイールの重心位置
を回転中心からずらし、当該回転中心軸回りの慣性モー
メントと,重心位置に作用する重力加速度又はその余弦
成分との積から、前記ステアリングホイールを回転させ
ようとするトルクに抗するトルク,或いは車輪が横滑り
するのを相殺するトルクを発生せしめるのが本発明の主
眼である。
【0017】ここで、ステアリングホイールの重心位置
を回転中心からずらす量,即ち距離の設定と、前述の各
実施例のように質量体を取付ける位置との相関を説明す
るにあたり、図4に従って幾つかの想定を行う。まず、
ステアリングホイール1の質量はグリップ部1aに集中
し且つ当該グリップ部1aの断面形状は考慮しないで回
転中心Oからの平均半径rに沿って均質な微質量が連続
して総質量Mをなすものとする。また、前記第1実施例
乃至第2実施例の各錘2a,2bの形状は考慮しない
で,各質量m1 ,m2 が前記回転中心Oからの所定距離
1 ,rに質点として存在するものとする。また、前記
第3実施例のエアバッグモジュール3の形状は考慮しな
いで,その質量m1 が,前記回転中心Oからの所定距離
1 に位置するエアバッグモジュール3の重心点GA.B
に質点として存在するものとする。また、簡単のために
ステアリングホイールや各錘,即ち質点は鉛直な平面内
に存在するものとする。
【0018】まず、図4に示すように前記第1実施例又
は第3実施例で質量m1 が回転中心Oから水平方向に距
離L1 だけ離れた位置に存在する場合について考察す
る。このとき、系全体の重心点Gが回転中心Oから,質
量m1 の存在方向に距離L0 だけずれたものと仮定し、
同時に質量m1 が取付けられる以前のステアリングホイ
ール1の質量Mは回転中心Oに存在する質点と想定する
と、重心点Gの両側に存在する二つの質量m1 ,Mの質
点に重力加速度gが作用した結果発生するモーメントは
等しいはずであるから、ステアリングホイールの質量M
及びその質点,即ち回転中心Oから重心点Gまでの距離
の積と、質量m1 及びその質点から重心点Gまでの距離
の積とは等しくなるはずである。逆に、この関係を展開
整理すれば,回転中心Oから距離L1 だけ離れた質点の
質量m1 に重力加速度が作用した結果発生するモーメン
トは、回転中心Oから距離L0 だけ離れた重心点Gに,
両者の質量M及び質量m1 を配置し、この質点,即ち重
心点Gに重力加速度が作用した結果発生するモーメント
に等しいことが分かる。このモーメント,即ち重心点G
に集中した二つの質量M,m1 に重力加速度が作用して
発生するモーメントを第1のモーメントと記し、このモ
ーメントが,回転中心Oから距離L1 だけ離れた質点の
質量m1 に重力加速度が作用して発生するモーメントと
等しくなるという関係を第1の相関と記す。
【0019】次に、同じく質量m1 が回転中心Oから水
平方向に距離L1 だけ離れた位置に存在する場合にあっ
て,系全体の回転中心O軸回りの慣性モーメントは、例
えば平行軸の定理等に従って,平均半径rに沿って連続
する微質量が総質量Mとなる慣性モーメントと、回転中
心Oから所定距離L1 だけ離れた集中質点に質量m1
存在する慣性モーメントとの和で求められる。そして、
この慣性モーメントに対して,前記重心点Gに重力加速
度が作用した結果、系全体を回転させるモーメントが発
生する。このようにして求められた慣性モーメントに対
して,重心点Gに重力加速度が作用して発生するモーメ
ントを第2のモーメントと記す。
【0020】そして、前記各実施例の目的は、これらの
第1又は第2のモーメントを前記路面カントによって発
生するステアリングホイールを回転させるトルク又は路
面カントに沿ってタイヤが横滑りするのを抑制するトル
クに等しく且つ逆向きにすることであるから、このトル
クを媒体として,例えば前記錘2aの質量m1 を或る値
に設定したときの重心点Gの回転中心Oからの距離L0
と,回転中心Oから錘2a,つまり質量m1 を取付ける
位置までの所定距離L1 とを評価できる。
【0021】また、前述のようにして或る質量m1 とそ
の取付位置までの所定距離L1 とから重心点Gの回転中
心Oからの距離L0 を設定することができるから、この
ように設定された重心点Gまでの距離を満足しながら,
前記第2実施例のように質量m2 の錘2bをステアリン
グホイールのグリップ部に埋込む場合には、この埋込み
位置,即ち錘2bの取付位置はステアリングホイールグ
リップ部1aの平均半径rだけ回転中心Oから離れてい
ることになる。従って、前記第1の相関から逆に錘2b
の質量m2 を設定することができる。
【0022】なお、このような質量の取付けや重心点の
ずらし量を実際の車両で設定する場合には,前述のよう
に更に複雑な計算が必要になる。例えば、質量m1 ,m
2 の錘やエアバッグモジュールを取付ける以前のステア
リングホイールの重心点は、前述のようにステアリング
ホイール自体が単純な形状をしているわけではないか
ら,更に複雑な重量解析に基づいてしか設定されない
し、或いは質量m1 ,m2を取付けた状態のステアリン
グホイールの重心点も,その取付けた状態での複雑な重
量解析を行わなければ算出できない。更に、例えば前記
第2実施例のように小さな質量の錘を回転中心から離し
てステアリングホイールに取付ければ、その分だけ重力
加速度の作用により発生するモーメントの精度は高くな
るが、今度は実際にステアリングホイールを操舵する際
に感じる慣性モーメントの大きさで不利になる可能性も
あり、これらの点を十分に吟味して質量m1 ,m2 やそ
れらの取付位置を設定しなければならない。
【0023】また、実際のエアバッグモジュールの質量
は、図1aに示す錘の大きさから推定される質量,即ち
前段で設定したエアバッグモジュールの質量よりも相当
に大きいから、全ステアリングホイール系の重心点を同
等に設定した場合、前記質量取付点,即ちエアバッグモ
ジュールの重心点をステアリングホイール回転中心から
ずらす距離は更に小さくともよい。そしてこのように質
点の回転中心からの距離が小さくなれば、前記回転中心
軸回りの慣性モーメントが小さくなる(質量の増加に伴
って慣性モーメントは一次に増加するのに対して,距離
の減少に伴って慣性モーメントは二次に減少する)か
ら、実際の操舵感への違和感が減少されよう。
【0024】また、前記図1aに示す第1実施例では,
錘の取付位置,即ち前記回転中心からの距離を変更調整
することができるので、前述のようにして予め設定した
重心点のずらし量と錘の取付位置との相関に誤差が発生
した場合や,或いは通常直進走行で現れる路面カントの
状態が異なる場合には、この錘の取付位置を変更調整す
ることにより前記重心点に重力加速度が作用した結果,
発生するモーメントの大きさを調整することができる。
【0025】また、前記実施例では,何れも車両が右側
走行車線を走行する場合,即ち通常走行で右路面カント
が現れる場合についてのみ詳述したが、左側走行車線を
通常走行して左路面カントが現れる場合には,前記と逆
方向に錘を取付けたりエアバッグモジュールの重心点を
ずらしたりして対応すればよいことは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明の車両のステ
アリング装置によれば、例えば錘やエアバッグ装置等の
重心点位置変更手段で,全ステアリングホイール系の重
心点位置を,当該ステアリングホイールの回転中心から
所定距離だけずらして、例えばこの回転中心から所定距
離だけずらされた重心点位置に重力加速度又はその成分
が作用した結果、当該ステアリングホイール系に,運転
者によらない操舵力が、路面カントによって車両の片流
れを抑制防止するように自動的に発生する構成としたた
め、路面カントを有する路面でも,運転者が微妙にステ
アリングホイールを操舵することなく,車両を真直ぐに
走行させることができる。
【0027】また、前記ステアリングホイール系の重心
点位置の回転中心からの所定距離を調整可能としたため
に、例えば初期設定した重心点位置で前記自動的に発生
する操舵力が,当該路面カントで車両を真直ぐに走行さ
せるために過不足のあった場合などには、当該重心点位
置の回転中心からの所定距離を調整して通常直進走行で
現れる路面カントに応じた重心点位置を設定することが
でき、あらゆる路面で路面カントの大小に関わらず車両
を直進走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両のステアリング装置の各種実施例
を示すものであり、(a)は第1実施例を示す組立説明
図であり、(b)は第2実施例を示す組立説明図であ
る。
【図2】本発明の車両のステアリング装置の第3実施例
を示す組立説明図である。
【図3】路面カントが与える車両の片流れの説明図であ
る。
【図4】本発明の車両のステアリング装置の作用説明図
である。
【符号の説明】
1はステアリングホイール 2a,2bは錘 3はエアバッグモジュール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の通常直進走行時に現れる路面カン
    トに応じて,ステアリングホイール系の重心点位置を,
    当該ステアリングホイールの回転中心から所定距離だけ
    ずらす重心点位置変更手段を、前記ステアリングホイー
    ル系に備えたことを特徴とする車両のステアリング装
    置。
  2. 【請求項2】 前記重心点位置変更手段が、ステアリン
    グホイール系に取付けられる錘で構成されたことを特徴
    とする請求項1に記載の車両のステアリング装置。
  3. 【請求項3】 前記重心点位置変更手段が、ステアリン
    グホイール系に取付けられるエアバッグ装置で構成され
    たことを特徴とする請求項1に記載の車両のステアリン
    グ装置。
  4. 【請求項4】 前記重心点位置変更手段が、ステアリン
    グホイール系の重心点位置を回転中心からずらす所定距
    離を調整可能としたことを特徴とする請求項1乃至3の
    何れかに記載の車両のステアリング装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100471827B1 (ko) * 2002-04-09 2005-03-08 현대자동차주식회사 진동 저감형 차량의 조향휠
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