JPH0811493B2 - 四輪駆動車の駆動力制御装置 - Google Patents

四輪駆動車の駆動力制御装置

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JPH0811493B2
JPH0811493B2 JP29927686A JP29927686A JPH0811493B2 JP H0811493 B2 JPH0811493 B2 JP H0811493B2 JP 29927686 A JP29927686 A JP 29927686A JP 29927686 A JP29927686 A JP 29927686A JP H0811493 B2 JPH0811493 B2 JP H0811493B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、四輪駆動車の操縦性向上に有効な四輪駆動
車の駆動力制御装置に関する。
〔従来の技術〕
摩擦係数の低い路面、例えば雪道あるいは凍結路等に
おいて優れた操縦性・安定性を発揮する四輪駆動車が、
近年普及している。このような四輪駆動車の駆動力伝達
系として、例えば前後輪を必要に応じて直結するもの、
前後軸間にセンタディファレンシャルギヤを備えたも
の、該センタディファレンシャルギヤに遊星歯車機構を
利用したもの等が提案されている。これらは、駆動力を
前後輪に均等に分配するか、あるいは予め定められた所
定割合に分配するよう構成されている。したがって、操
縦性のうち特に操舵特性は各車両の前輪対後輪駆動力配
分比率に応じて予め定まっていた。すなわち、車両旋回
時に車輪への駆動力を増加すると(パワーオン時)、前
輪対後輪駆動力比率が1より高い車両(FF車両)はアン
ダーステア特性、前輪対後輪駆動力配分比率が1近傍の
車両はニュートラルステア特性、前輪対後輪駆動力配分
比率が1より低い車両(FR車両)はオーバーステア特性
を有していた。これは駆動力配分の高い車輪に生じるコ
ーナーリングフォースが、該配分の低い車輪に生じるコ
ーナーリングフォースに比較して小さくなるためであ
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
かかる従来技術には以下のような問題があった。すな
わち、車両旋回走行時に、コーナーリングフォースが小
さくなった車輪側では、タイヤと路面との間でのスリッ
プが発生し易い状態となり、安定した旋回走行が得られ
ないという問題点があった。
そこで、本発明は上記の点に鑑み、車両の走行状態と
して、車両の横すべり角に関連する値を演算し、この車
両走行状態が所定範囲内にあるように、車両の前輪およ
び後輪に駆動力を分配指令することにより、車両旋回時
の走行安定性を向上させることを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明は、第1図に例示する様に、車両に発
生する加速度に対応した加速度信号を出力する加速度セ
ンサ(M1)と、 車両に発生するヨーレイトに対応したヨーレイト信号
を出力するヨーレイトセンサ(M2)と、 前記加速度信号と前記ヨーレイト信号とに基づいて車
両の横すべり角に関連する車両走行状態を演算する走行
状態演算手段(M3)と、 前記車両走行状態が所定の範囲内であるか、もしくは
所定の範囲外であるかを判定する判定手段(M4)と、 外部から指令される前輪後輪駆動力配分比率に従っ
て、駆動力を上記車両の前輪および後輪に分配する駆動
力分配手段(M6)と、 前記判定手段により走行状態が所定範囲内であると判
定されたときは前輪対後輪駆動力配分比率を維持する指
令を、一方、走行状態が所定範囲外であると判定された
ときは、前輪対後輪駆動力配分比率を増加または減少す
る指令を、上記駆動力分配手段に出力する制御手段(M
5)と、 を備えたことを特徴とする。
走行状態演算手段M3とは、車両の横すべり角に関連す
る車両走行状態を演算するものである。例えば、前後方
向加速度センサ、車幅方向加速度センサ、およびヨーレ
イトセンサの検出結果に基づいて、車両の横すべり角を
検出するよう構成できる。
判定手段M4は、演算された走行状態が所定範囲内であ
るか、もしくは範囲外であるかを判定する。
制御手段M8とは、走行状態が所定範囲内であるときに
は前輪対後輪駆動力配分比率を維持する指令を、一方、
走行状態が所定範囲外であるときには前輪対後輪駆動力
配分比率を増加または減少する指令を出力するものであ
る。例えば、前輪対後輪駆動力配分比率の減少に際して
は後輪側駆動力を増加し、一方、前輪対後輪駆動力配分
比率の増加に際しては前輪側駆動力を増加する指令を出
力するよう構成できる。また例えば、前輪対後輪駆動力
配分比率の減少に際しては前輪側駆動力を減少し、一
方、前輪対後輪駆動力配分比率の増加に際しては後輪側
駆動力を減少する指令を出力することにより実現でき
る。このような構成は、例えば車輪のスリップ率が高い
場合に有効である。さらに例えば、前輪対後輪駆動力配
分比率の減少に際しては前輪側駆動力を減少すると共に
後輪側駆動力を増加し、一方、前輪対後輪駆動力配分比
率の増加に際しては前輪側駆動力を増加すると共に後輪
側駆動力を減少する指令を出力するものであってもよ
い。この場合には、前輪対後輪駆動力配分比率を変更す
る制御の精度および応答性が向上する。
上記走行状態演算手段M3、判定手段M4および制御手段
M5は、例えば各々独立したディスクリートな論理回路に
より実現できる。また例えば、周知のCPUを始めとしてR
OM,RAMおよびその他の周辺回路素子と共に論理演算回路
として構成され、予め定められた処理手順に従って上記
各手段を実現するものであってもよい。
〔作用〕
本発明の四輪駆動車の駆動力制御装置は、第1図に例
示するように、走行状態演算手段M3は、加速度センサM1
とヨーレイトセンサM2からの信号に基づいて車両の横す
べり角に関連する車両走行状態を演算し、更に、走行状
態演算手段M3の演算した走行状態が所定範囲内であるか
範囲外であるかを判定手段M4が判定し、所定範囲内であ
ると判定されたときは前輪対後輪駆動力配分比率を維持
する指令を、一方、所定範囲外であると判定されたとき
は前輪対後輪駆動力配分比率を増加または減少する指令
を、制御手段M5が駆動力分配手段M6に出力するように作
動する。
すなわち、旋回時等において車両の横すべり角に関連
した車両走行状態を演算し、この走行状態が所定範囲内
にあるように前後輪間の駆動力配分が、走行状態に応じ
てフィードバック制御される。
従って本発明の装置は、旋回時の横すべり角に関連す
る走行状態が所定範囲外になる状態、すなわち車両に過
度のスリップが発生する状態を抑制し、旋回走行時の安
定性と操縦性を好適に確保することができる。
〔実施例〕
次に、本発明の好適な実施例として、ステアリング特
性を、オーバーステア、ニュートラルステア、及びアン
ダーステア特性のうちから1つを選択できる実施例を用
いて、図面に基づいて詳細に説明する。本発明第1実施
例である四輪駆動車の駆動力制御装置のシステム構成を
第2図に示す。四輪駆動車の駆動力制御装置1は、前後
輪に駆動力を分配する駆動力分配装置2およびその制御
を行う電子制御装置(以下単にECUとよぶ)3を備えて
いる。
駆動力分配装置2は、駆動軸4と前輪軸4aおよび後輪
軸4bとの間に各々配設された湿式多板クラッチ5,6、該
湿式多板クラッチ5,6と油圧ポンプ7またはリザーバ8
とを接続する油圧回路に介装された切換弁9,10から構成
されている。エンジン11の出力する駆動力は、変速機12
を介して駆動軸4に伝達される。該駆動軸4に伝達され
た駆動力は、湿式多板クラッチ5、前輪ディファレンシ
ャルギヤ13を介して左・右前輪14,15に、一方、湿式多
板クラッチ6、後輪ディファレンシャルギヤ16を介して
左・右後輪17,18に、各々分配される。上記湿式多板ク
ラッチ5,6の構成および作用は同様のため、湿式多板ク
ラッチ5を例として説明する。湿式多板クラッチ5は、
ケーシング5a内部に複数のクラッチ板5bを有し、該クラ
ッチ板5bはケーシング5a内の作動油により押圧力を受け
て駆動力を伝達する。したがって、作動油の圧力に応じ
て湿式多板クラッチ5の伝達する駆動力は、増減する。
湿式多板クラッチ5と油圧ポンプ7またはリザーバ8と
を接続する油圧回路には切換弁9が介装されている。切
換弁9は3ポート3位置電磁弁であり、ECU3の制御によ
り以下の3状態に切り換わる。
(A)湿式多板クラッチ5と油圧ポンプ7との連通状
態。
(B)湿式多板クラッチ5と油圧ポンプ7およびリザー
バ8との遮断状態。
(C)湿式多板クラッチ5とリザーバ8との連通状態。
上記のような切換弁9の3状態に応じて、湿式多板ク
ラッチ5内の作動油圧力は、増圧(A)、保持(B)、
減圧(C)される。このため、湿式多板クラッチ5の伝
達する駆動力は、増加(A)、維持(B)、減少(C)
する。駆動力分配装置2は、上述のようにECU3が前輪対
後輪駆動力配分比率に応じて切換弁9,10を制御すること
により、前輪軸4aおよび後輪軸4bに駆動力を分配して伝
達する。
四輪駆動車の駆動力制御装置1は、運転席に設けられ
て操舵特性をアンダーステア特性(U/S)、ニュートラ
ルステア特性(N/S)、オーバーステア特性(O/S)の3
種類のいずれか一つに設定する切換スイッチ21、車両の
重心位置近傍に配設された前後方向加速度センサ22、同
じく重心位置近傍に配設された車幅方向加速度センサ2
3、操舵角を検出するステアリングセンサ24、各車輪14,
15,17,18の回転速度を検出する回転速度センサ25,26,2
7,28、更に車両の重心位置近傍に配設されたヨーレイト
センサ29を備える。これらの各スイッチおよびセンサの
検出信号はECU3に入力され、該ECU3は油圧ポンプ7、切
換弁9,10を駆動制御して駆動力分配制御を行う。
ECU3は、CPU3a,ROM3b,RAM3cを中心に論理演算回路と
して構成され、コモンバス3dを介して入出力部3eに接続
されて外部との入出力を行う。
次に、上記ECU3の実行する駆動力分配制御処理を第3
図のフローチャートに基づいて説明する。本駆動力分配
制御処理は、車両の走行に伴って起動され、所定時間毎
に繰り返して実行される。
まずステップ100では、切換スイッチ21から設定され
た操舵特性を入力する処理が行われる。続くステップ10
5ではステアリングセンサ24から操舵角SH(n)を検出
する処理が行われる。なお、本ステップにおいて、ろ波
操舵角SHF(n)および操舵速度DSHの算出も行われる。
すなわち、ろ波操舵角SHF(n)を次式(1)のように
算出する。ここで添字(n−1)等は過去に検出された
値であることを示す。
SHF(n)={SH(n−3)+SH(n−2) +SH(n−1)+SH(n)}/4 ……(1) 次に、操舵速度DSHを次式(2)のように算出する。
但し、Tはサンプリング周期であり、添字(n−1)は
前回の値を示す。
DSH={SHF(n)−SHF(n−1)}/T ……(2) 次にステップ110に進み、上記ステップ100で入力した
操舵特性を判定する。すなわち、アンダーステア特性
(U/S)のときはステップ115に、ニュートラルステア特
性(N/S)のときはステップ125に、オーバーステア特性
(O/S)のときはステップ135に各々進む。アンダーステ
ア特性の場合に実行されるステップ115では前輪対後輪
駆動力配分比率TF/TRを値70/30に設定する処理が行われ
る。続くステップ120では、横すべり角の下限角度KAお
よび上限角度KBを設定する処理が行われる。ここで横す
べり角(deg)の絶対値の下限角度KAおよび上限角度KB
は、第4図に示すように、前輪対後輪駆動力配分比率TF
/TRと操舵角とに応じて定められている。ECU3は、第4
図に示すようなマップを予めROM3b内に記憶しており、
該マップに従って下限角度KAおよび上限角度KBを算出す
る。
一方、ニュートラルステア特性の場合に実行されるス
テップ125では、前輪対後輪駆動力配分比率TF/TRを値50
/50に設定し、さらにステップ130で記述した第4図に示
すマップに従って横すべり角の下限角度KAおよび上限角
度KBを算出した後、ステップ150に進む。また、オーバ
ーステア特性の場合に実行されるステップ135では、前
輪対後輪駆動力配分比率TF/TRを値30/70に設定し、さら
にステップ140で記述した第4図に示すマップに従って
横すべり角の絶対値の下限角度KAおよび上限角度KBを算
出した後、ステップ150に進む。ステップ150では、前後
方向加速度センサ22から前後方向加速度αY(n)を、
車幅方向加速度センサ23から車幅方向加速度αX(n)
を、更にヨーレイトセンサ29からのヨーイング角速度
(ヨーレイト)αθ(n)を各々検出する処理が行われ
る。
またステップ150では、回転速度センサ25,26,27,28か
ら平均値を算出して、車体推定速度(車速)V(n)を
算出する。
次のステップ155では、前後方向加速度αY(n)、
車幅方向加速度αX(n)、ヨーレイトαθ(n)、車
速V(n)に基づいて、次式によって車両の横すべり角
β(n)が演算される。
β(n)={β(n−1)+h[αθ(n) −αX(n)/V(n)]}/(1 −hαY(n)/V(n)) ……(1) ただし、hは積分のきざみ つまり、横すべり角β(n)は、前回の本処理実行ま
でに算出された記憶されている過去の横すべり角β(n
−1)と、今回上記ステップ150で求めたαY(n),
αX(n),αθ(n),V(n)とに基づいて演算され
る。
上式(1)の根拠について簡単に説明する。車両に発
生するヨーク角度をθとし、車両の進行方向を示す(あ
る直交座標軸において)進路角をφとすると、横すべり
角βは次式となることが知られている。
β=θ−φ よって、その微分値についても αβ=αθ−αφ ……(2) が成立する。
また、車両重心の接線方向速度をVとすると、進路角
φの微分値αφは、次式で求まる。
αφ=(αXcosβ−αYsinβ)/V ……(3) ここで、横すべり角度βは通常十分小さい(β<<
1)ため、次式で近似できる。
αφ=(αX−αYβ)/V ……(4) よって、次式(2),(4)より横すべり角の微分値
αβは αβ=αθ−(αX−αYβ)/V ……(5) より得られ、これを例えば後方オイラー法によって横す
べり角を求めるようにすると、上記(1)式となる。
こうしてステップ155では、車両の横すべり角β
(n)が演算されると、次のステップ160では、前回演
算した値β(n−1)を今回演算した横すべり角β
(n)に置換してRAMへの記憶を行う。そしてステップ1
65へ進む。尚、横すべり角が小さいときは、(5)式に
おいて、近似的にβ0とした下式より求めてもよい。
αβ=αθ−αX/V ……(6) この(6)式は、横すべり角の微分値を、ヨーレイト
αθと車幅方向加速度αXおよび車速Vによって求める
ことができるため、前後方向加速度センサ22を省略する
ことができる。
ステップ165では、上記各ステップ120,130,140のいず
れかにおいて算出した横すべり角の下限角度KAおよび上
限角度KBと、上記ステップ155もしくはステップ160で算
出した横すべり角βの絶対値との大小関係を判定する。
横すべり角βの絶対値が下限角度KA以下のときはステッ
プ170に進み、操舵特性を維持するために前輪対後輪駆
動力配分比率TF/TRを減少する処理が行われる。なお、
ステップ170では、後輪側に伝達される駆動力TRの増加
により、前輪対後輪駆動力配分率TF/TRを減少させる。
本ステップ170の処理により、横すべり角は増加補正さ
れる。その後、一旦本駆動力分配制御処理を終了する。
横すべり角βの絶対値が下限角度KAと上限角度KBとの
間にあるときはステップ175に進み、前輪対後輪駆動力
配分比率TF/TRを維持する処理が行われた後、一旦本駆
動力分配制御処理を終了する。
横すべり角βの絶対値が上限角度KB以上のときはステ
ップ180に進み、操舵特性を維持するために前輪対後輪
駆動力分配比率TF/TRを増加する処理が行われる。な
お、ステップ180では、前輪側に伝達される駆動力TFの
増加により、前輪対後輪駆動力配分比率TF/TRを増加さ
せる。本ステップ180の処理により、横すべり角または
その増加率は減少補正される。その後、一旦本駆動力分
配制御処理を終了する。以後、本駆動力分配制御処理
は、既述した実行条件成立毎に繰り返して実行される。
以上説明したように第1実施例は、設定された操舵特
性に応じた前輪対後輪駆動力配分比率TF/TRを定め、さ
らに操舵特性および操舵角に基づいて横すべり角の絶対
値の下限角度KAおよび上限角度KBを算出し、横すべり角
βの絶対値が下限角度KA以下となると前輪対後輪駆動力
配分比率TF/TRを減少させ、一方、横すべり角βの絶対
値が上限角度KB以上となると前輪対後輪駆動力配分比率
TF/TRを増加させるよう構成されている。このため、操
舵特性を運転者の意志に応じて設定し、維持できるので
操舵性の自由度が高まるが、上記下限角度KAおよび上限
角度KBは、運転者によって設定変更することができない
固定の値でもよい。
また、走行路面の摩擦係数が変化した場合や、急加速
時等における旋回半径の急激な減少(いわゆるスピン)
等を防止でき、車両の走行安定性も向上する。
さらに、横すべり角βを検出しながら、前輪対後輪駆
動力配分比率TF/TRをフィードバック制御しているの
で、駆動力分配制御の精度が高まり、操舵特性を所望の
特性に維持できる。
また、前輪対後輪駆動力配分比率TF/TRの減少に際し
ては後輪側に伝達される駆動力TRを増加し、一方、前輪
対後輪駆動力配分比率TF/TRの増加に際しては前輪側に
伝達される駆動力TFを増加させているので、特にスリッ
プ率の低い走行状態において有効な駆動力配分を実現で
きる。
さらに本第1実施例では、前後方向加速度、車幅方向
加速度および操舵角に関しては、今回の処理における検
出値と前回までの処理における検出値とを平均するいわ
ゆるろ波処理を行っている。このため各検出値に含まれ
るノイズ成分を除去できるので、上記各値の信頼性が向
上する。
また本第1実施例では、横すべり角を前後方向加速度
車幅方向加速度およびヨーレイトとに基づいて求めてい
る。このため、比較的精度良く横すべり角を得ることが
できる。
また、第1実施例ではステップ155で横すべり角θを
求め、ステップ165でこの横すべり角βと上限角度KA、
下限角度KBと比較して、前輪対後輪駆動力配分比率TF/T
Rを制御したが、この横すべり角βに代えて、横すべり
角βに関連する車両走行状態を示すものとして、横すべ
り角βの微分値αβを用いて制御してもよい。このとき
ステップ155では、上述した(5)式に基づいて横すべ
り角βの微分値αβを算出する様に変更され、またステ
ップ165では、この横すべり角βの微分値αβと横すべ
り角速度の絶対値に対する上限値KB、下限値KAとを比較
するように変更される。尚、上限値KB、下限値KAは、予
めROMに操舵角と関係で決まるマップとして記憶される
ことになる。
〔発明の効果〕
以上説明した様に、本発明の装置は、旋回時等の車両
の横すべり角に関する走行状態を演算し、この走行状態
が所定範囲内のときには、前輪対後輪駆動力配分比率を
維持し、一方、所定範囲外のときには、前輪対後輪駆動
力配分比率を増加または減少するようにしている。
従って、旋回時の車両の横すべり角に関する走行状態
が所定範囲外になる状態、例えば走行路面の摩擦係数が
変化して、車両にスリップが発生し易い状態を抑制し、
旋回走行時の安定性と操縦性を好適に確保することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を示すブロック構成図、第2図は
本発明第1実施例を示すシステム構成図、第3図は第1
実施例の制御を示すフローチャート、第4図はその横す
べり角の絶対値の下限角度および上限角度のマップを示
す説明図である。 1……四輪駆動車の駆動力制御装置,2……駆動力分配装
置,3……電子制御装置(ECU),22……前後方向加速度セ
ンサ,23……車幅方向加速度センサ,29……ヨーレイトセ
ンサ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両に発生する加速度に対応した加速度信
    号を出力する加速度センサ(M1)と、 車両に発生するヨーレイトに対応したヨーレイト信号を
    出力するヨーレイトセンサ(M2)と、 前記加速度信号と前記ヨーレイト信号とに基づいて車両
    の横すべり角に関連する車両走行状態を演算する走行状
    態演算手段(M3)と、 前記車両走行状態が所定の範囲内であるか、もしくは所
    定の範囲外であるかを判定する判定手段(M4)と、 外部から指令される前輪対後輪駆動力配分比率に従っ
    て、駆動力を上記車両の前輪および後輪に分配する駆動
    力分配手段(M6)と、 前記判定手段により走行状態が所定範囲内であると判定
    されたときは前輪対後輪駆動力配分比率を維持する指令
    を、一方、走行状態が所定範囲外であると判定されたと
    きは、前輪対後輪駆動力配分比率を増加または減少する
    指令を、上記駆動力分配手段に出力する制御手段(M5)
    と、 を備えたことを特徴とする四輪駆動車の駆動力制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記加速度センサは、車両の車幅方向の加
    速度を検出することを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の四輪駆動車の駆動力制御装置。
  3. 【請求項3】前記加速度センサは、車両の前後方向及び
    車幅方向の加速度を検出することを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の四輪駆動車の駆動力制御装置。
  4. 【請求項4】前記車両の走行状態は、横すべり角である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の四輪駆動
    車の駆動力制御装置。
  5. 【請求項5】前記車両の走行状態は、横すべり角と横す
    べり角の時間的変化によって決められる特許請求の範囲
    第1項記載の四輪駆動車の駆動力制御装置。
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