JPH07291129A - 鉄道用多燈形色燈式信号機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】交換や保守のための手間を飛躍的に軽減できる
と共に省電力が図れる鉄道用多燈形色燈式信号機。 【構成】燈箱１２の内部１２ａ，１２ｂ，１２ｃに複数
の発光装置１３が配置され、発光装置１３が発する色燈
を燈箱１２の開口部１２ｄ，１２ｅ，１２ｆから投光さ
せるようにした鉄道用多燈形色燈式信号機であつて、各
発光装置１３は、所定の色燈を発光する発光ダイオード
１７の複数個が配置された光源１４と、光源１４の前方
に配置されて光源の光線を集束させる集束レンズ１５
と、集束させた光線を平行な光線束Ａ（Ｂ，Ｃ）として
燈箱１２の開口部１２ｄ（又は１２ｅ，１２ｆ）から投
光させるように集束レンズ１５の前方に配置された発散
レンズ１６とを備えたことである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鉄道用多燈形色燈式信
号機の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の鉄道用多燈形色燈式信号機として
は、ＪＩＳＥ３３０４に規格のものがある。この鉄道用
多燈形色燈式信号機１は、図５に示す如く、燈箱２の内
部が三つの部屋２ａ，２ｂ，２ｃに区画され、部屋２
ａ，２ｂ，２ｃに開口部２ｄ，２ｅ，２ｆが開設され、
開口部２ｄ，２Ｅ，２ｆに色付きレンズ３，４，５が取
付けられ、部屋２ａ，２ｂ，２ｃの夫々に発光装置６が
配置され、各発光装置６が発する光線を色付きレンズ３
（又は４，５）で集光して開口部２ｄ（又は２ｅ，２
ｆ）から所定の色燈として投光させるようにしたもので
ある。発光装置６の光源としては、ＪＩＳＣ７５０５に
規定のＳ３０Ｖ４０Ｗの白熱電球が用いられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】発光装置６の光源であ
る白熱電球は、寿命が５０００時間程度であるため、定
期的に行う保守や交換に多くの手間を必要とする欠点が
ある。更に、白熱電球は、発熱量が多いために、消費電
力も多くなる欠点がある。

【０００４】本発明は、上記問題を解決するために、保
守や交換のための手間を飛躍的に軽減できると共に省電
力が図れる鉄道用多燈形色燈式信号機の提供を目的とす
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の本発明の
要旨は、燈箱の内部に複数の発光装置が配置され、発光
装置が発する色燈を燈箱の開口部から投光させるように
した鉄道用多燈形色燈式信号機において、前記各発光装
置は、所定の色燈を発光する発光ダイオードの複数個が
配置された光源と、該光源の前方に配置されて光源の光
線を集束させる集束レンズと、集束させた光線を平行な
光線束として前記燈箱の開口部から投光させるように該
集束レンズの前方に配置された発散レンズとを備えたこ
とを特徴とする鉄道用多燈形色燈式信号機である。

【０００６】請求項２記載の本発明の要旨は、燈箱の内
部に複数の発光装置が配置され、発光装置が発する色燈
を燈箱の開口部から投光させるようにした鉄道用多燈形
色燈式信号機において、前記各発光装置は、所定の色燈
を視野角度が５度未満で発光する発光ダイオードの複数
個が、平行光線の束を形成して前記燈箱の開口部から投
光するように配置された光源を備えたことを特徴とする
鉄道用多燈形色燈式信号機である。

【０００７】請求項３記載の本発明の要旨は、前記光源
の前方に疑似防止用のフイルターが配置された請求項２
に記載の鉄道用多燈形色燈式信号機であつて、太陽光の
入射による錯誤現示の防止を目的とする。

【０００８】

【作用】請求項１記載の本発明にあっては、各光源を形
成する複数個の発光ダイオードから発せられた光線が集
束レンズで一旦集束された後、発散レンズで拡散されて
平行な光線束として燈箱の開口部から投光する。従つ
て、本発明は、視野角度５〜３０度の汎用発光ダイオー
ドを用いて、鉄道用多燈形色燈式信号機に必要な視野角
度が５度未満の光線束を発生させることができる。発光
装置は光源に用いた発光ダイオードの寿命が白熱電球に
比べ飛躍的に長い（例えば、１０年以上の寿命がある）
ため、保守や点検の周期を飛躍的に長くできる。更に、
発光ダイオードの発熱量が少ないために、白熱電球に比
べ消費電力も少なくできる。

【０００９】請求項２記載の本発明にあっては、各光源
を形成する複数個の発光ダイオードから発せられた光線
が平行光線の束を形成して燈箱の開口部から投光する。
発光装置は光源に用いた発光ダイオードの寿命が白熱電
球に比べ飛躍的に長い（例えば、１０年以上の寿命があ
る）ため、保守や点検の周期を飛躍的に長くできる。更
に、発光ダイオードの発熱量が少ないために、白熱電球
に比べ消費電力も少なくできる。

【００１０】請求項３記載の本発明にあっては、疑似防
止用のフイルターが配置されているため、太陽光の入射
による錯誤現示を防止できる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明に係る鉄道用多燈形色燈式信号
機を図面に示す実施例に基づいて説明する。 （第１実施例）図１及び図２は、本発明に係る鉄道用多
燈形色燈式信号機の第１実施例を示すものであり、図１
は要部を縦断した全体の側面図であり、図２は光源及び
集束レンズを示すものであつて、（Ａ）は正面図、
（Ｂ）は上半分を断面した側面図である。

【００１２】図１に示す如く、本実施例の鉄道用多燈形
色燈式信号機１１において、燈箱１２の内部が三つの部
屋１２ａ，１２ｂ，１２ｃに区画され、部屋１２ａ，１
２ｂ，１２ｃに直径Ｄ１（例えば，Ｄ１＝１５０ｍｍ程
度）の開口部１２ｄ，１２ｅ，１２ｆが開設されている
点は、従来の信号機と実質的に同一である。本実施例の
特徴は、各部屋１２ａ，１２ｂ，１２ｃに配置される発
光装置１３にある。発光装置１３は、所定の色燈を発光
する光源１４と、光源１４の前方に配置された集束レン
ズ１５と、集束レンズ１５の前方に配置された発散レン
ズ１６とを備えている。

【００１３】前記光源１４は、図２に示す如く、基板１
８の上に所定の色燈を発光する発光ダイオード１７の複
数個を配列固定したものであり、収納ケース１９に配置
されている。発光ダイオード１７は、光源１４が配置さ
れる前記部屋１２ａ（又は１２ｂ，１２ｃ）に応じて、
赤色，黄色又は緑色の色燈を発光するものが選択され
る。発光ダイオード１７は、視野角が５〜３０度の汎用
の狭指向性のものであつて、外径Ｄ２が５〜３ｍｍで明
るさが１〜３カンデラのものが用いられる。発光ダイオ
ード１７の複数個は、光源１４の視認距離が６００ｍ以
上となるように決定される。

【００１４】前記集束レンズ１５は、光源１４が発する
光線を集束させるものであり、前記収納ケース１９の開
口部１９ａを覆蓋するように取付けられている。前記発
散レンズ１６は、図１に示す如く、集束レンズ１５で集
束させた光線を平行な光線束として燈箱１２の対応する
開口部１２ｄ（又は１２ｅ，１２ｆ）から投光させるも
のであり、対応する開口部１２ｄ（又は１２ｅ，１２
ｆ）を覆蓋するように取付けられている。集束レンズ１
５及び発散レンズ１６は、発散レンズ１６から出た光線
の拡散角度が５度未満となるように製造及び調節され
る。

【００１５】前記発散レンズ１６は、単レンズ又は複レ
ンズが用いられる。発散レンズ１６として複レンズを用
いる場合には、部屋１２ａ（又は１２ｂ，１２ｃ）に面
する内側レンズに発光ダイオード１７の色燈と同色に着
色した透明なものを用いると共に、外側レンズに無色透
明なものを用いることにより、太陽光の入射による錯誤
現示を防止することもある。

【００１６】本実施例の鉄道用多燈形色燈式信号機１１
は、各発光装置１３の光源１４を構成する複数個の発光
ダイオード１７，１７…から発せられた光線が集束レン
ズ１５で一旦集束され後、発散レンズ１６で拡散されて
平行な光線束Ａ（又はＢ，Ｃ）として燈箱１２の対応す
る開口部１２ｄ（又は１２ｅ，１２ｆ）から投光する。
各発光装置１３は、光源１４に用いた発光ダイオード１
７が長寿（例えば、１０年以上の寿命）であるため、保
守や点検の周期を従来の白熱電球に比べ飛躍的に長くで
きる。更に、各発光装置１３は、光源１４に用いた発光
ダイオード１７の発熱量が少ないために、従来の白熱電
球に比べ消費電力も少なくできる。

【００１７】（第２実施例）図３及び図４は、本発明に
係る鉄道用多燈形色燈式信号機の第２実施例を示すもの
であり、図３は要部を縦断した全体の側面図であり、図
４は光源及びフイルターを示すものであつて、（Ａ）は
正面図、（Ｂ）は上半分を断面した側面図である。

【００１８】図３に示す如く、本実施例の鉄道用多燈形
色燈式信号機２１において、燈箱２２の内部が三つの部
屋２２ａ，２２ｂ，２２ｃに区画され、部屋２２ａ，２
２ｂ，２２ｃに直径Ｄ３（例えば，Ｄ３＝１５０ｍｍ程
度）の開口部２２ｄ，２２ｅ，２２ｆが開設されている
点は、従来の信号機と実質的に同一である。本実施例の
特徴は、各部屋２２ａ，２２ｂ，２２ｃに配置される発
光装置２３にある。発光装置２３は、所定の色燈を発光
する光源２４と、光源２４の前方に配置されたフイルタ
ー２５と、フイルター２５の前方に配置された保護板２
６とからなる。

【００１９】前記光源２４は、図４に示す如く、基板２
８の上に所定の色燈を発光する発光ダイオード２７の複
数個が平行光線を発するように配列固定され、収納ケー
ス２９に配置されている。発光ダイオード２７は、光源
２４が配置される前記部屋２２ａ（又は２２ｂ，２２
ｃ）に応じて、赤色，黄色又は緑色の色燈を発光するも
のが選択される。発光ダイオード２７は、平行光線を発
するように視野角が５度未満の超狭指向性のもであつ
て、外径Ｄ４が５〜３ｍｍで明るさが１〜３カンデラの
ものが用いられる。発光ダイオード２７の複数個は、光
源２４の視認距離が６００ｍ以上となるように決定され
る。

【００２０】前記フイルター２５は、発光ダイオード２
７の色燈と同色に着色した透明な平板状のものが用いら
れ、前記収納ケース２９の開口部２９ａを覆蓋するよう
に取付けられている。前記保護板２６は、図３に示す如
く、無色透明な平板状のものが用いられ、対応する開口
部２２ｄ（又は２２ｅ，２２ｆ）を覆蓋するように取付
けられている。フイルター２５と保護板２６との組合わ
せることにより、太陽光の入射による錯誤現示を防止す
ることができる。前記フイルター２５は、必要に応じて
用いられるものである。

【００２１】本実施例の鉄道用多燈形色燈式信号機２１
は、各発光装置２３の光源２４を構成する複数個の発光
ダイオード２７，２７…から発せられた平行光線がフイ
ルター２５及び保護板２６を通過し、平行な光線束Ｅ
（又はＦ，Ｇ）として燈箱２２の対応する開口部２２ｄ
（又は２２ｅ，２２ｆ）から投光する。各発光装置２３
は、光源２４に用いた発光ダイオード２７が長寿（例え
ば、１０年以上の寿命）であるため、保守や点検の周期
を白熱電球に比べ飛躍的に長くできる。更に、各発光装
置２３は、光源２４に用いた発光ダイオード２７の発熱
量が少ないために、従来の白熱電球に比べ消費電力も少
なくできる。

【００２２】（その他の実施例）前記第１，２実施例
は、３燈形色燈式である。しかし、本発明における燈数
は、３に限定するものではなく、２又は４以上とするこ
とも可能である。

【００２３】

【発明の効果】以上詳述の如く、本発明鉄道用多燈形色
燈式信号機は、発光装置の光源に用いた発光ダイオード
の寿命が白熱電球に比べ飛躍的に長いため、保守や点検
の周期を飛躍的に長くできると共に、発光ダイオードの
発熱量が少ないために、白熱電球に比べ消費電力も少な
くできる。その結果、本発明は、保守や交換のための手
間を飛躍的に軽減できると共に省電力が図れる鉄道用多
燈形色燈式信号機を提供できる優れた効果を有する。更
に、本発明は、疑似防止用のフイルターが配置されてい
るときには、太陽光の入射による錯誤現示の防止がで
き、誤認を予防することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示すものであり、要部を
縦断した全体の側面図である。

【図２】同実施例の光源及び集束レンズを示すものであ
つて、（Ａ）は正面図、（Ｂ）は上半分を断面した側面
図である。

【図３】本発明の第２実施例を示すものであり、要部を
縦断した全体の側面図である。

【図４】同実施例の光源及びフイルターを示すものであ
つて、（Ａ）は正面図、（Ｂ）は上半分を断面した側面
図である。

【図５】従来の鉄道用多燈形色燈式信号機を示すもので
あり、要部を縦断した全体の側面図である。

【符号の説明】

１２（２２）…燈箱 １３（２３）…発光装置 １２ｄ，１２ｅ，１２ｆ（２２ｄ，２２ｅ，２２ｆ）…
開口部 １７（２７）…発光ダイオード １５…集束レンズ １６…発散レンズ ２５…フイルター

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燈箱の内部に複数の発光装置が配置さ
   れ、発光装置が発する色燈を燈箱の開口部から投光させ
   るようにした鉄道用多燈形色燈式信号機において、前記
   各発光装置は、所定の色燈を発光する発光ダイオードの
   複数個が配置された光源と、該光源の前方に配置されて
   光源の光線を集束させる集束レンズと、集束させた光線
   を平行な光線束として前記燈箱の開口部から投光させる
   ように該集束レンズの前方に配置された発散レンズとを
   備えたことを特徴とする鉄道用多燈形色燈式信号機。
2. 【請求項２】 燈箱の内部に複数の発光装置が配置さ
   れ、発光装置が発する色燈を燈箱の開口部から投光させ
   るようにした鉄道用多燈形色燈式信号機において、前記
   各発光装置は、所定の色燈を視野角度が５度未満で発光
   する発光ダイオードの複数個が、平行光線の束を形成し
   て前記燈箱の開口部から投光するように配置された光源
   を備えたことを特徴とする鉄道用多燈形色燈式信号機。
3. 【請求項３】 前記光源の前方に疑似防止用のフイルタ
   ーが配置された請求項２に記載の鉄道用多燈形色燈式信
   号機。