JPH07291019A - バキュームタンク車 - Google Patents

バキュームタンク車

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JPH07291019A
JPH07291019A JP9030094A JP9030094A JPH07291019A JP H07291019 A JPH07291019 A JP H07291019A JP 9030094 A JP9030094 A JP 9030094A JP 9030094 A JP9030094 A JP 9030094A JP H07291019 A JPH07291019 A JP H07291019A
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vacuum
tank
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suction
recovery
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Masaji Kusaka
正司 日下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸い込み事故の発生に際し、車体から離れた
位置での操作により吸引力を緩和し、自力での速やかな
脱出を可能として、重大事故への発展を未然に防止す
る。 【構成】 回収タンク2の真空排気のための管路4に、
回収物の排出に際して回収タンク2の真空を破壊するた
めに設けた真空排気弁6の一側に、エアシリンダ63を取
り付け、このエアシリンダ63の伸長又は縮短動作によ
り、操作ロッド61に回転力を加え、弁本体60が開放され
る構成とする。回収作業位置での操作により発せられる
開放信号に応じてエアシリンダ63に給気し、このエアシ
リンダ63の動作により弁本体60を開放して、分岐管42か
ら導入される外気により回収タンク2内部の真空を緩和
し、この回収タンク2に接続された吸引ホースの先端で
の吸引力を弱める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工事排水、産業廃棄物
等、液状をなす回収物を車体上に備えた回収タンクに吸
引せしめて回収するバキュームタンク車に関する。
【0002】
【従来の技術】建設現場での基礎工事及び各種の土木工
事においては、地面の掘削により多量の排水が発生する
ことがあり、このような工事排水の回収のため、従来か
らバキュームタンク車が広く用いられている。
【0003】図7は、バキュームタンク車の使用状態を
示す説明図である。図示の如くバキュームタンク車1
は、運転席10の後方の車体11上に、回収タンク2及び真
空ポンプ3を搭載し、これらを所定の管路4により接続
する一方、前記真空ポンプ3を走行用の伝動系に並設さ
れたPTO軸に駆動連結してなり、図示しないエンジン
を駆動源として真空ポンプ3をPTO駆動し、管路4を
介して回収タンク2の内部を真空排気する構成となって
いる。
【0004】回収タンク2には、回収用の吸引ホース5
の一端(基端)が接続されており、図示の如く、バキュ
ームタンク車1は、建設又は土木工事現場において地面
Gに掘削された掘削孔Hの近くに停車せしめられ、該掘
削孔Hの内部に溜まった排水W中に前記吸引ホース5の
他端(先端)を投入して用いられる。
【0005】即ち、この状態で真空ポンプ3を駆動し回
収タンク2を真空排気した場合、該回収タンク2の唯一
の開口となる吸引ホース5の先端に吸引力が発生し、こ
の先端に接触する前記排水Wは、吸引ホース5を経て回
収タンク2の内部に導かれ、真空ポンプ3による吸気と
置換される態様にて回収タンク2中に溜まることにな
る。このとき回収対象となる前記排水Wは、一般的に、
泥、石及び建設廃材等の固形物を含んでいるが、これら
の固形物もまた吸引ホース5内に吸引され、前記排水W
と共に回収タンク2に回収される。
【0006】以上の如きバキュームタンク車1は、工事
排水に限らず、例えば、環境に与える影響の面から無秩
序な廃棄が禁じられた各種の産業廃棄物等、液状をなす
回収物全般を対象として用いられ、これらの回収も同様
に、回収物の貯留位置の近くにバキュームタンク車1を
止め、回収物中に吸引ホース5を投入して、真空ポンプ
3を駆動する手順により行われる。
【0007】このように回収タンク2内に回収された回
収物は、バキュームタンク車1の走行により所定の廃棄
位置に搬送されて排出される。この排出は、真空ポンプ
3と回収タンク2とを接続する管路4の中途に設けた真
空破壊弁6を開放操作し、回収タンク2内の真空を緩和
して大気圧に戻した後、該回収タンク2の一部に設けた
蓋板を開けて行われ、この排出に先立って開放される真
空破壊弁6は、レバーによる手動操作可能に車体11の側
部に設けてある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】さて、バキュームタン
ク車1による回収作業は、図7に示す如く、回収物とな
る排水Wの量が多い場合、排水W中への投入により吸引
ホース5が安定して支えられることから良好に行われる
が、排水Wの量が少なくなった場合、吸引ホース5の先
端と排水Wとの接触を確保するため、図8に示す如く、
作業者が吸引ホース5の先端を支える必要が生じる。
【0009】そしてこのような状態での回収作業中、回
収物となる排水Wが更に減少して、吸引ホース5の先端
を支えつつ周辺の排水Wをかき寄せる作業が必要となる
場合があり、このとき、かき寄せのために用いられる作
業者の手、足等の身体の一部が、吸引ホース5に誤って
吸い込まれる事故(吸い込み事故)が、比較的高頻度に
発生している。
【0010】一方、近年のバキュームタンク車1は、回
収のための所要時間を短縮すべく、真空ポンプ3の容量
(真空度及び吸気量)を増す傾向にあり、大容量の真空
ポンプ3を搭載したバキュームタンク車1での回収作業
中に前述した吸い込み事故が発生した場合、作業者単独
の力では逃れられないことが多い。また、手又は足が吸
い込まれた場合、これらの付け根までの吸い込みにより
吸引ホース5の先端が閉塞されることから、内部の真空
度が増し、自力での離脱が更に難しくなる。
【0011】従って、このような吸い込み事故が発生し
た場合、速やかな離脱を可能とすべく、真空ポンプ3の
駆動を停止するか、又は前記真空破壊弁6を開放操作す
ることにより回収タンク2の真空を緩和し、吸引ホース
5先端での吸引力を弱める必要がある。
【0012】ところが、吸引緩和のためのこれらの操作
は、運転席10の内部又は車体11の側部においてのみ可能
であるのに対し、前述した回収作業は、バキュームタン
ク車1の運転手を兼ねる一人の作業者によって行われる
場合が多く、また吸い込み事故は、図8に示す如く、バ
キュームタンク車1の停車位置から離れた位置にて発生
するのが一般的であることから、事故の発生に気付かれ
ないまま放置されて、吸引ホース5に吸い込まれた部分
の血行障害を引き起し、手又は足の欠損につながる重大
事故に発展する虞れも生じる。
【0013】これらのことから従来においては、吸い込
み事故の発生を未然に防止することを目的として、吸引
ホース5の先端にストレーナを取り付けることが推奨さ
れている。ところが、バキュームタンク車1による回収
物は、一般的に多くの固形物を含んでおり、前記ストレ
ーナを取り付けた場合、これに頻繁に目詰まりが発生
し、吸引力の低下による回収能率の低下を招来する難点
があり、実際の作業においては、ストレーナの取り付け
は敬遠されているのが実情である。
【0014】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、車体から離れた位置での吸い込み事故の発生に
際し、この発生位置での操作により吸引力を緩和するこ
とができ、自力での速やかな離脱を可能として、重大事
故の発生を未然に防止し得るバキュームタンク車を提供
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係るバキューム
タンク車は、エンジン出力側のPTO軸に駆動連結され
た真空ポンプと、該真空ポンプの吸込側に管路により接
続された回収タンクとを車体上に備え、該回収タンクに
一端を接続された吸引ホースの他端を液状の回収物に投
入して、該回収物を、前記真空ポンプの動作により真空
排気される前記回収タンクの内部に吸引せしめて回収
し、この回収の後、前記管路の中途に配した真空破壊弁
の開放操作により前記回収タンクの真空を緩和して排出
するバキュームタンク車において、前記車体から離れた
位置から与えられる開放信号に応じて動作し、前記真空
破壊弁を開放するアクチュエータと、前記開放信号を発
生するための操作手段とを具備することを特徴とする。
【0016】更に加えて、前記アクチュエータとしてエ
アシリンダを用いてあること、前記操作手段は、回収作
業者により携帯され、所定の操作により送信動作をなす
無線送信器であることを夫々特徴とする。
【0017】
【作用】本発明においては、回収物の排出に際し回収タ
ンク内部の真空緩和のために用いる真空破壊弁に付設さ
れたアクチュエータが、車体から離れた位置での操作手
段の操作により発せられる開放信号に応じて動作し、真
空破壊弁を開放して吸引ホース先端での吸引力が緩和し
て、吸い込み事故の発生時に、当事者の自力による速や
かな離脱を可能とする。
【0018】また、前記アクチュエータとして軽量に構
成し得るエアシリンダを用い、回収タンクと真空ポンプ
とを接続する管路に介装された真空破壊弁への直接的な
付設を可能とする。更にまた、吸い込み事故の発生時に
当事者となる回収作業者が携帯中の無線送信器を操作す
ることにより、これから、電波、超音波、赤外線等を利
用して送信される開放信号を車体上の受信器により受信
し、この受信に応じたアクチュエータの動作により真空
破壊弁を開放せしめて吸引ホース先端での吸引力を緩和
する。
【0019】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面に基づい
て詳述する。図1及び図2は、本発明に係るバキューム
タンク車の外観を示す側面図である。本発明に係るバキ
ュームタンク車1の基本構成は、従来のそれと略同じで
あり、運転席10の後方の車体11上に、回収タンク2及び
真空ポンプ3を搭載し、これらを所定の管路4により接
続する一方、前記真空ポンプ3を走行用の伝動系に並設
されたPTO軸に駆動連結してなり、図示しないエンジ
ンを駆動源として真空ポンプ3をPTO駆動し、管路4
を介して回収タンク2の内部を真空排気する構成となっ
ている。
【0020】回収タンク2は、これの後部下側を車体11
の後端近傍に揺動自在に枢支し、また前部を車体11の上
面に支持させてあり、回収タンク2の側面と車体11の側
面との間には、油圧シリンダを用いてなる傾斜シリンダ
12が介装されている。また回収タンク2は、後端部の全
面に開口部を有し、この開口部には、上部を枢軸とする
揺動により開閉可能に蓋板20が取り付けてあり、該蓋板
20と回収タンク2の側面との間には、油圧シリンダを用
いてなる開閉シリンダ13が介装されている。
【0021】図1は、傾斜シリンダ12及び開閉シリンダ
13が共に縮短した状態を示し、このとき回収タンク2
は、傾斜シリンダ12の引き下げによって車体11上に強固
に支えられ、また回収タンク2後端の開口は、開閉シリ
ンダ13により引き付けられた蓋板20により密閉された状
態となる。これに対し図2は、傾斜シリンダ12及び開閉
シリンダ13が共に伸長した状態を示し、このとき回収タ
ンク2は、傾斜シリンダ12による前部の押し上げにより
後部の枢軸回りに揺動し、図示の如き傾斜姿勢を保ち、
また回収タンク2後端の開口は、開閉シリンダ13による
蓋板20の押圧によって図示の如く開放される。
【0022】図2に示す回収タンク2の姿勢は、これの
内部の回収物を所定位置に搬送し廃棄する場合の姿勢で
あり、この廃棄は、まず傾斜シリンダ12の伸長により回
収タンク2を傾斜させ、次いで開閉シリンダ13の伸長に
より蓋板20を押し開けて実現され、回収タンク2の内容
物は、これの後部全面から速やかに廃棄される。
【0023】前記真空ポンプ3は、多数枚の羽根を放射
状に備えるロータを、所定量の水が封入された円筒状の
ケーシングの内部において偏心回転させ、該ケーシング
の内壁に遠心力により押し付けられる水がロータの各羽
根間でピストンとしての作用をなす水封式ポンプであ
り、前記ケーシング内部の封入水は、回収タンク2の前
部と運転席10との間に位置して車体11上に搭載された貯
水タンク14に貯留され、真空ポンプ3の駆動中に適宜に
補給されるようになしてある。
【0024】真空ポンプ3を回収タンク2に接続する管
路4は、回収タンク2の前部上側に一端を接続され、回
収タンク2の上面に沿って後方に延設された後、図1の
裏側にて前方に折り返され、前記貯水タンク14の裏側に
搭載された図示しない第1分離器と、貯水タンク14の表
側に搭載された第2分離器15とを経て真空ポンプ3の吸
込側に連結されており、後述の如く、第1分離器から第
2分離器15に至る管路4の中途に本発明の特徴たる真空
破壊弁6が取り付けてある。
【0025】回収タンク2の裏側における管路4の折り
返しは、回収タンク2の前述した傾斜を許容するために
必要なものであり、この折り返し位置は、車体11の長手
方向に回収タンク2の枢支位置に略整合する位置、即
ち、前記傾斜の前後において上下方向及び前後方向の変
位が少ない位置に設定され、更に、可撓性を有する継手
により前方への戻し管43(図2参照)との連結がなされ
ている。
【0026】管路4の中途に介装された前記第1分離器
及び第2分離器15は、管路4中の吸気に含まれる異物を
分離するために必要なものである。これらの分離器は、
筒状をなす中空容器と、これの周面に接線方向に連結さ
れた導入管と、同じく頂部の略中央に連結された導出管
とを備え、導入管を経て導入される吸気を容器内にて回
転させ、遠心力により周壁に衝突する異物を容器の底部
に取り出す一方、異物除去後の吸気を導出管を経て導出
するようにした公知の遠心分離器であり、これらを2段
に亘って設けることにより、真空ポンプ3に達する吸気
を可及的に清浄化することができる。
【0027】図3は、真空破壊弁6の取り付け位置近傍
の側面図、図4は、図3のIV−IV線による拡大矢視図で
ある。貯水タンク14裏側の前記第1分離器を第2分離器
15に連結する連結管40は、貯水タンク14の上部を横切っ
て紙面の手前側に延び、下方及び前方(図3の左方)に
屈曲されて第2分離器15の周壁に突設された導入管41に
接続されている。この接続位置直前の前記連結管40の中
途には、上方に向けて立ち上がり逆U字形に屈曲されて
下方に向けて延びる分岐管42が、下端に開口を有して連
設してある。
【0028】本発明の特徴たる真空破壊弁6は、前記分
岐管42の中途に介装された弁本体60と、これの一側に付
設された操作部とを備えてなる。弁本体60は、一側に突
出する操作ロッド61を略90°回転せしめることにより、
開放と閉止とが可能に構成されたバタフライ弁であり、
前記操作部は、操作ロッド61の突出端にその基端を嵌着
された操作レバー62と、操作ロッド61の中途に交叉する
態様に構成されたエアシリンダ63とを備えてなる。
【0029】図4に示す如くエアシリンダ63は、上下一
対の給気チューブ64,64を介して図示しないエア源に接
続してあり、これらの中途に設けた電磁弁65(図5参
照)の開閉により図示しない出力ロッドを動作(伸長又
は縮短)させ、これに交叉する前記操作ロッド61に伝え
て弁本体60を開閉せしめる構成となっている。弁本体60
の開閉は、前記操作レバー62の手動操作により操作ロッ
ド62を直接的に回転せしめることによっても可能であ
り、真空破壊弁6の取り付け高さは、車体11側部からの
操作レバー62の操作が容易な位置に設定されている。
【0030】なお、エアシリンダ63の動作を操作ロッド
61に伝え、弁本体60を開閉せしめるためには、エアシリ
ンダ63の直線運動を操作ロッド61の回転運動に変換する
ための機構が必要であるが、これは、ウォームとウォー
ムホィール、ラックとピニオン、揺動フォークとピン
等、従来から公知の種々の機構を用いることができ、こ
の機構は、操作ロッド62の中途を含んで構成されたエア
シリンダ63の取り付けハウジングに内蔵されている。
【0031】また前記エアシリンダ63と、これの上側に
位置する前記連結管40の下向き部との間には、両者を連
結する態様にて支持ステー66が介装され、該支持ステー
66により、分岐管42から片持ち状態に突出するエアシリ
ンダ63の重量を支持する構成としてある。このとき、真
空破壊弁6のアクチュエータとして用いたエアシリンダ
63は軽量であることから、前記連結管40の剛性により確
実に支持でき、また前記支持ステー66として、軽量形鋼
等の低強度の部材を用いることができる。
【0032】また回収タンク2には、後半部の側面上側
に吸引管50の基端が接続してあり、該吸引管50の後下方
への延設端にはホースジョイント51が連設され、図中に
2点鎖線にて示す如く、吸引ホース5が接続されてい
る。この吸引ホース5は、前記図7に示す如く、建設又
は土木工事現場において掘削孔Hの内部に溜まった排水
W等、液状をなす回収物中に他端を投入して用いられ、
真空ポンプ3の駆動による回収タンク2内部の真空排気
によって吸引力を発生し、前記回収物を、これに含まれ
る固形物と共に吸引する作用をなす。
【0033】従って吸引ホース5には、ホースジョイン
ト51との接続、回収物中への投入に際しての取り回しを
容易に行わせるため、可撓性に富むと共に軽量であるこ
とが要求される一方、前記吸引に際して内部に発生する
真空に対して断面形状を保ち得ることが要求され、例え
ば、軟質樹脂製の本体に硬質樹脂製の心材を螺旋状に埋
め込んでなる吸引ホース5が用いられている。
【0034】このように吸引ホース5中に吸引された回
収物は、吸引管50を経て回収タンク2の内部に導かれ、
真空ポンプ3による吸気と置換される態様にて回収タン
ク2中に溜まる。真空ポンプ3による吸気は、回収タン
ク2の後部に接続された前記吸引管50から導入される回
収物の影響を受けないように、回収タンク2の前部上側
に接続された管路4を経て行われるが、この吸気中に回
収物に含まれる水分又は固形分等の異物が混入すること
は避けられない。前記管路4の中途に設けた前記第1分
離器及び第2分離器15は、これらの異物を除去する作用
をなすものであり、真空ポンプ3には、第2分離器15を
経て異物を十分に除去された吸気が導入され、所定の排
出管を経て外気に放出されることになり、回収物中に含
まれる異物の外気への放出を避けることができる。
【0035】一方、回収タンク2内に回収された回収物
は、バキュームタンク車1の走行により所定の廃棄位置
に搬送されて排出される。この排出は、前記管路4の中
途に配設された真空破壊弁6を開放し、回収タンク2内
部の真空を緩和して大気圧に戻した後、図2に示す如
く、回収タンク2を傾斜させて後端の蓋板20を開放する
ことにより、回収タンク2の後部全面から速やかに行わ
れる。
【0036】回収タンク2の傾斜のための前記傾斜シリ
ンダ12の伸長操作、また蓋板20の開放のための前記開閉
シリンダ13の伸長操作は、車体11の一側上部に構成され
た操作盤7において行われる。該操作盤7には、図3に
示す如く、両シリンダ12,13の伸縮操作のための操作レ
バー70、両シリンダ12,13への送給油圧の確認のための
油圧計器71等が配設してある。回収タンク2中の回収物
は、操作レバー70の操作により傾斜シリンダ12及び開閉
シリンダ13を順次伸長せしめて排出され、この排出は、
操作レバー70の操作により開閉シリンダ13及び傾斜シリ
ンダ12を順次縮短せしめ、図1に示す如く、蓋板20を密
閉し、回収シリンダ2の傾斜を解除して完了する。
【0037】このような排出に先立って必要となる真空
破壊弁6の開放、排出完了後に必要となる真空破壊弁6
の閉止は、車体11の側部において前記操作レバー62を手
動操作することにより行われる。図3に明らかな如く真
空破壊弁6の配設位置は、前記操作盤7の略直上部に設
定してあり、操作レバー62の前述した操作は、傾斜シリ
ンダ12及び開閉シリンダ13の操作位置と略同位置にて行
える。
【0038】また真空破壊弁6の開放は、これの一側に
前述の如く取り付けられたエアシリンダ63の動作によっ
ても行わせ得る。図5は、真空破壊弁6の開放のための
制御系の構成を示すブロック図である。
【0039】エアシリンダ63は、前記給気チューブ64,
64への給気により伸縮両方向に動作可能であるが、図5
に示す制御系は、伸縮両方向の内、真空破壊弁6を開放
する方向の動作と、この動作の解除とを行わせる構成と
なっている。例えば、真空破壊弁6の開放がエアシリン
ダ63の伸長によりなされる場合、縮短側のエア室を常時
低圧に保ち、伸長側のエア室に接続された給気チューブ
64への給気により真空破壊弁6が開放され、この開放状
態は、前記給気の遮断により解除される。
【0040】図5に示す制御系は、エアシリンダ63の一
方の給気チューブ64への給気及び給気解除を行わせるも
のである。図中、8はマイクロプロセッサを用いてなる
制御部であり、該制御部8の出力側には、前記給気チュ
ーブ64の中途に配された電磁弁65が、励磁回路67を介し
て接続され、同じく入力側には、送信器90及び受信器91
を備えてなる操作部9が接続され、また、前記真空ポン
プ3の起動のための起動スイッチ30が接続されている。
【0041】操作部9の送信器90は、前述した回収作業
を行う作業者により携帯され、所定の操作に応じて送信
動作を行うものである。図示の送信器90は、操作面上に
配された操作子9aが一方向にスライド操作されたとき、
内蔵スイッチのオンにより所定の開放信号を無線送信す
る構成となっており、この送信は、操作子9aに加わる操
作力の解除により停止されるようにしてある。このよう
な送信器90は、縦横各数cm程度のサイズにて構成でき、
作業者による携帯に支障を来すことはない。
【0042】一方受信器91は、例えば、運転席10の内
部、操作盤7の一部等、車体11上の適宜位置に取り付け
てあり、前記送信器90からの送信を受け、これに応じて
所定の信号を発する動作をなす。この信号は前記制御部
8に与えられている。なお送信器90と受信器91との間で
の開放信号の授受は、電波、赤外線及び超音波等、種々
の形態にてなし得るが、指向性を有しないこと、授受可
能な距離が長いこと等の理由により、電波を利用するの
が望ましい。
【0043】図6は、制御部8の動作内容を示すフロー
チャートである。該制御部8は、回収タンク2を真空排
気するための真空ポンプ3の起動に応じてその動作を開
始する。真空ポンプ3の起動は、前記起動スイッチ30か
らのオン信号の入力により認識される。この起動スイッ
チ30は、真空ポンプ3の駆動軸となるPTO軸をエンジ
ンに接続するためのPTOクラッチの係合によりオンす
るスイッチであればよく、PTOクラッチの係合操作
は、運転席10の内部において行われる。
【0044】以上の如き動作開始後、前記制御部8は、
受信器91からの入力の有無、即ち、送信器90が発する開
放信号の有無を調べ(ステップ1)、開放信号が与えら
れるまでステップ1の判定を繰り返しつつ待機し、開放
信号が与えられた場合、出力側に接続された電磁弁65に
開信号を発し、エアシリンダ63を伸長動作させ、真空破
壊弁6を開放せしめる動作をなす(ステップ2)。
【0045】前記開放信号は、送信器90からの送信が受
信器91により受信された場合に発せられる。従って作業
者は、作業中に携帯している前記送信器90の操作子9aを
操作することにより、バキュームタンク車1から離れた
位置にて真空破壊弁6を開放することができる。そし
て、この操作が行われた場合、真空破壊弁6の開放によ
り分岐管42の開口端が外気に開放されて、減圧下にある
連結管40の内部に外気が導入されることになり、この導
入外気は回収タンク2側及び真空ポンプ3側に分岐して
流れ、回収タンク2内部の真空が緩和される結果、該回
収タンク2に連結された吸引ホース5先端の吸引力が弱
められる。
【0046】送信器90の操作子9aの操作は、前述の如く
行われる回収作業中に、作業者の身体の一部が、吸引ホ
ース5に誤って吸い込まれる吸い込み事故の発生時に、
当該作業者、又は周辺の他の作業者により行われる。前
述の如く送信器90は、縦横各数cm程度のサイズを有す
るものであるから、例えば、各作業者のベルトに直接的
に取り付けることにより、回収作業に支障を来すことな
く携帯でき、また前述した吸い込み事故の発生時には、
速やかに、しかも確実に操作することが可能である。そ
してこのような操作により、前述の如く、吸引ホース5
先端の吸引力が緩和される結果、吸い込み事故の当事者
は、自力により吸引状態から離脱することができ、重大
事故への発展を未然に防止できる。
【0047】なおこの間、真空ポンプ3への伝動は遮断
されておらず、該真空ポンプ3は、分岐管42からの導入
外気を主として吸い込み、軽度に昇圧して排出する動作
を継続する。従って、回収物の排出に際し、真空ポンプ
3を停止した状態での操作レバー62の手動操作により真
空破壊弁6を開放した場合とは異なり、回収タンク2の
内圧は大気圧よりも低い状態にあり、吸引ホース5の先
端に若干の吸引力は残るが、この吸引力は、吸い込み事
故の当事者による離脱を妨げるものではない。特に、図
3及び図4に示す如く、連結管40と同等の径を有する分
岐管42を用いた場合、該分岐管42から十分な量の外気が
導入される結果、前記離脱をより容易に行わせることが
できる。
【0048】前記制御部8は、ステップ2において、電
磁弁65に開信号を発して真空破壊弁6を開放せしめる動
作をなした後、この動作回数のカウント用の内蔵カウン
タnに1を加え(ステップ3)、次いでこのカウント値
が予め設定された所定値(例えば3回)に達しているか
否かを調べ(ステップ4)、この結果が否、即ち、カウ
ンタnのカウント値が所定値に達していないときには、
数秒程度の所定時間の経過を待ち(ステップ5)、ステ
ップ2に戻って前述した動作を繰り返し、カウンタnの
カウント値が前記所定値に達したことを条件として一連
の動作を終了する。
【0049】即ち制御部8は、真空破壊弁6の開放のた
めの電磁弁65への開信号の発生を所定時間間隔にて複数
回繰り返すことになり、この繰り返しにより、真空破壊
弁6の開放が確実に行われ、吸い込み状態からの脱出が
補償される。
【0050】送信器90においては、前述の如く、真空破
壊弁6の開放操作用の操作子9aが配されているのみであ
り、この操作により開放された真空破壊弁6は、車体11
の側部において、前記操作レバー62を手動操作すること
によってのみ閉止される。従って、吸い込み事故の発生
時に、送信器90において真空破壊弁6の開放以外の誤っ
た操作が行われる虞れがなく、また、一旦開放された真
空破壊弁6は、吸い込み事故からの脱出前に閉止される
虞れもない。
【0051】また送信器90は、配設面上にてスライド操
作される操作子9aを有しており、例えば、回収作業中に
操作子9aに異物が接触した場合においても、この接触に
より開放信号が発せられる虞れは小さく、真空破壊弁6
の無為な開放による回収作業の中断を避けることができ
る。
【0052】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係るバキュー
ムタンク車においては、回収物の排出に際し回収タンク
内部の真空緩和のために用いる真空破壊弁にアクチュエ
ータを付設し、該アクチュエータを外部からの開放信号
により動作させて真空破壊弁を開放せしめる構成とした
から、回収作業中に車体から離れた位置での吸い込み事
故の発生に際し、この発生位置での操作により回収タン
クの真空を緩和し、吸引ホース先端での吸引力を弱める
ことができ、事故当事者の自力による脱出が容易に行え
るようになり、重大事故への発展を未然に防止すること
ができる。
【0053】また、真空破壊弁の開放用アクチュエータ
として軽量に構成し得るエアシリンダを用いたから、本
来手動の真空破壊弁への直接的な取り付けが可能であ
り、簡素な構成により前述した効果が得られる。
【0054】更に、開放信号を発するための操作手段と
して無線送信器を用いたから、回収作業者による携帯
が、作業に支障を来すことがなく行え、必要時における
確実な操作が可能となる等、本発明は優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバキュームタンク車の側面図であ
る。
【図2】本発明に係るバキュームタンク車の回収物の排
出状態を示す側面図である。
【図3】真空破壊弁の取り付け位置近傍の側面図であ
る。
【図4】図3のIV−IV線による拡大矢視図である。
【図5】真空破壊弁の開放のための制御系の構成を示す
ブロック図である。
【図6】真空破壊弁の開放動作の内容を示すフローチャ
ートである。
【図7】バキュームタンク車の使用状態を示す説明図で
ある。
【図8】バキュームタンク車の使用状態を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 バキュームタンク車 2 回収タンク 3 真空ポンプ 4 管路 5 吸引ホース 6 真空破壊弁 8 制御部 9 操作部 10 運転席 11 車体 12 傾斜シリンダ 13 開閉シリンダ 20 蓋板 42 分岐管 60 弁本体 62 操作レバー 63 エアシリンダ 64 給気チューブ 65 電磁弁 90 送信器 91 受信器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン出力側のPTO軸に駆動連結さ
    れた真空ポンプと、該真空ポンプの吸込側に管路により
    接続された回収タンクとを車体上に備え、該回収タンク
    に一端を接続された吸引ホースの他端を液状の回収物に
    投入して、該回収物を、前記真空ポンプの動作により真
    空排気される前記回収タンクの内部に吸引せしめて回収
    し、この回収の後、前記管路の中途に配した真空破壊弁
    の開放操作により前記回収タンクの真空を緩和して排出
    するバキュームタンク車において、前記車体から離れた
    位置から与えられる開放信号に応じて動作し、前記真空
    破壊弁を開放するアクチュエータと、前記開放信号を発
    生するための操作手段とを具備することを特徴とするバ
    キュームタンク車。
  2. 【請求項2】 前記アクチュエータとしてエアシリンダ
    を用いてある請求項1記載のバキュームタンク車。
  3. 【請求項3】 前記操作手段は、回収作業者により携帯
    され、所定の操作により送信動作をなす無線送信器であ
    る請求項1又は請求項2記載のバキュームタンク車。
JP9030094A 1994-04-27 1994-04-27 バキュームタンク車 Pending JPH07291019A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6612591B1 (en) 1999-11-08 2003-09-02 Fumio Watanabe Multi-function truck
JP2009121029A (ja) * 2007-11-12 2009-06-04 Shinmei Ind Co Ltd 吸引作業車両
JP6103460B1 (ja) * 2016-06-03 2017-03-29 鴻池運輸株式会社 バキューム緊急停止装置

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