JPH07289869A - 樹脂乳化物の製造方法 - Google Patents

樹脂乳化物の製造方法

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JPH07289869A
JPH07289869A JP8842194A JP8842194A JPH07289869A JP H07289869 A JPH07289869 A JP H07289869A JP 8842194 A JP8842194 A JP 8842194A JP 8842194 A JP8842194 A JP 8842194A JP H07289869 A JPH07289869 A JP H07289869A
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water
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emulsion
stirring
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JP8842194A
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Makoto Sato
佐藤  誠
Toshio Iwasaki
敏夫 岩崎
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Nippon Yakin Kogyo Co Ltd
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Chuo Rika Kogyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の主な目的は、高温加熱や高速撹拌等を
行なうことなく、安全かつ安価に、安定な水中油型樹脂
乳化物を製造する方法を提供することである。 【構成】樹脂又は樹脂と乳化剤の混合物を撹拌しつつ、
水又は乳化剤含有水溶液を徐々に添加することによる水
中油型樹脂乳化物の製造方法であって、水又は乳化剤含
有水溶液の添加開始時における樹脂又は樹脂と乳化剤の
混合物の粘度を2×104 cP以上とし、水又は乳化剤
含有水溶液の添加中における撹拌容器中の剪断速度を、
該容器中の剪断速度が最大になる部分において6×10
2 sec-1以下とすることを特徴とする水中油型樹脂乳
化物の製造方法樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂乳化物の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、水中油型樹脂乳化物は、粘着
性付与剤、粘接着剤、塗料用バインダー、繊維用バイン
ダー等として広く用いられている。この様な水中油型樹
脂乳化物の製造方法としては、一般に、(イ)樹脂を適
当な有機溶剤に溶解して低粘度の液状物とした後、水と
乳化剤を添加し、乳化機を用いて強制乳化する方法、
(ロ)樹脂を加熱して低粘度の溶融物とした後、乳化剤
を添加して油中水型乳化物を形成し、更に水を添加して
乳化する方法、(ハ)樹脂を溶融させた後、水中に溶融
樹脂を添加して乳化物とする方法等が知られている。こ
れらの従来の方法は、いずれも樹脂分を1×104 cP
程度以下の低粘度とした後、高速撹拌により水と混合し
て乳化する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(イ)の方法は、溶剤を必要とするために、作業中に作
業者が揮発した溶剤を吸引して溶剤中毒をおこすなど人
体に対する安全性の面で問題があり、しかも溶剤を除去
する工程を必要とするので、エネルギーコストが高くな
るという欠点もあり、決して好ましい方法ではない。ま
た、上記(ロ)の方法では、樹脂を低粘度の溶融物とす
るために、高温に加熱する必要があり、また加熱温度が
水の沸点を越える場合には、加圧状態の維持が必要とな
ることもあり、エネルギーコストが高くなることや製造
装置が高額になることなど、経済性に問題がある。ま
た、上記(ハ)の方法でも、特殊な装置が必要となり、
やはり製造装置が高額になるという欠点がある。
【0004】本発明の主な目的は、高温加熱や高速撹拌
等を行なうことなく、安全かつ安価に、安定な水中油型
樹脂乳化物を製造する方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、従来のように樹
脂を低粘度の溶融物とするのではなく、比較的粘度の高
い状態とし、これを従来の方法と比べて非常に遅い速度
で撹拌しつつ、水を添加する方法によれば、意外にも、
均一で安定性の良い水中油型樹脂乳化物を得ることがで
き、上記した目的を達成できることを見出し、ここに本
発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、樹脂又は樹脂と乳化剤の
混合物を撹拌しつつ、水又は乳化剤含有水溶液を徐々に
添加することによる水中油型樹脂乳化物の製造方法であ
って、水又は乳化剤含有水溶液の添加開始時における樹
脂又は樹脂と乳化剤の混合物の粘度を2×104 cP以
上とし、水又は乳化剤含有水溶液の添加中における撹拌
容器中の剪断速度を、該容器中の剪断速度が最大になる
部分において6×102 sec-1以下とすることを特徴
とする水中油型樹脂乳化物の製造方法に係る。
【0007】本発明では、樹脂としては、本発明におい
て規定する所定の粘度範囲とすることができるものであ
ればいずれも限定なく使用できる。この様な樹脂の具体
例としては、芳香族系石油樹脂、脂肪族系石油樹脂、こ
れらの共重合体、これらの水添石油樹脂、ロジン系樹
脂、テルペン樹脂、熱可塑性フェノール樹脂、キシレン
樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエス
テル樹脂、エチレン系共重合樹脂(エチレン−酢酸ビニ
ル共重合樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂等)等
を挙げることができ、これらを単独又は2種以上混合し
て用いることができる。
【0008】乳化剤としては、一般に従来から樹脂の乳
化に用いられているものであれば、特に限定なく使用で
き、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
アルキルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステルナトリ
ウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
硫酸エステルアンモニウム塩等のアニオン性界面活性
剤;アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等のカ
チオン性界面活性剤;ポリエチレンオキサイド−ポリプ
ロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等
のノニオン性界面活性剤;アルキルベタイン等の両性界
面活性剤;ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサ
イド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、アミロース、ポリス
チレンスルホン酸ソーダ等の水溶性高分子等を使用でき
る。これらの乳化剤は、単独又は2種以上混合して用い
られる。特に、樹脂成分として、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂などを用いる場合には、乳化剤としてノニオン
性界面活性剤を用いることが好ましい。乳化剤は、水の
添加前に樹脂と混合してもよく、或いは、樹脂を所定の
粘度とした後、水の添加と同時に徐々に添加してもよ
い。乳化剤の使用量は、樹脂100重量部に対して、通
常、1〜15重量部程度とし、好ましくは2〜10重量
部程度とすればよく、この内の一部を予め樹脂と混合
し、残部を水と共に添加することもできる。
【0009】本発明では、まず、樹脂又は樹脂と乳化剤
の混合物を、2×104 cP程度以上の粘度とすること
が必要であり、通常、2×104 〜1×106 cP程度
の範囲とし、好ましくは、4×104 〜5×105 cP
程度の範囲とすればよい。常温で上記粘度範囲にある樹
脂又は樹脂と乳化剤の混合物については、そのまま使用
することができ、固形樹脂は加熱等により上記粘度範囲
とすればよい。本発明方法は、上記したように、従来の
樹脂乳化物の製造方法と比べて高い粘度で乳化物を得る
方法であり、固形樹脂についても、融点を若干上回る程
度の加熱温度とすれば良いために、コスト的に非常に有
利な方法である。
【0010】上記樹脂、又は樹脂と乳化剤の混合物に
は、必要に応じて、樹脂と相溶性のよい有機溶剤を添加
することができる。本発明方法では、勿論、有機溶剤を
用いることなく、目的とする樹脂乳化物を得ることがで
きるが、樹脂の融点が高く、上記粘度範囲とするため
に、高温に加熱する必要がある場合には、有機溶剤を添
加することにより、比較的低い温度で上記粘度とするこ
とが可能となる。この様な有機溶剤の具体例としては、
ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチ
ルケトン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メタ
ノール、エタノール等を挙げることができる。有機溶剤
の添加量は、所定量の水を添加した際に、転相により、
水中油型樹脂乳化物を形成できる量であればよく、樹脂
の種類によっては、樹脂100重量部に対して80重量
部程度まで添加することもできるが、安全性、経済性等
を考慮する場合には、樹脂100重量部に対して20重
量部以下とすることが好ましく、10重量部以下とする
ことがより好ましい。上記したような有機溶剤の添加に
よる効果は、樹脂の種類によっても異なるが、通常、樹
脂100重量部に対して3重量部程度以上の添加量とす
ることによって発揮される。尚、樹脂を有機溶剤と混合
して用いる場合には、有機溶剤を含む樹脂又は樹脂と乳
化剤の混合物を所定の粘度範囲、即ち、2×104 cP
程度以上の粘度とすればよい。また、有機溶剤を用いる
場合の乳化剤の使用量は、樹脂と有機溶剤の合計量10
0重量部に対して1〜15重量部程度、好ましくは2〜
10重量部程度とすれば良い。
【0011】本発明では、上記した粘度範囲の樹脂、若
しくは樹脂と乳化剤の混合物、又は必要に応じてこれに
有機溶剤を添加した混合物を、撹拌容器中の剪断速度が
最大となる部分において剪断速度が6×102 sec-1
以下となる条件で撹拌する。撹拌装置としては、この様
な剪断速度が得られるものであれば特に限定されず各種
のものを使用でき、例えば、スクリュー翼、ヘリカルリ
ボン翼、アンカー翼、パドル翼等の各種の撹拌翼を用い
た撹拌装置、ニーダー、多軸回転押し出し機等の溶融混
練機又は溶融反応機等を用いることができる。撹拌容器
としても各種の形状ものを使用できるが、通常は、真円
形又は楕円形の断面形状を有する円筒型容器を用いるこ
とにより、効率よく均一に撹拌できる。
【0012】本発明では、上記した剪断速度で撹拌する
ことが必要であり、剪断速度がこれを上回ると、凝集が
起こり易くなり、粒子径が大きくなりすぎたり、粒度分
布が広くなり過ぎる等の問題が生じる。一方、撹拌速度
があまり小さすぎる場合には、均一な撹拌が困難となっ
て、粒度分布が広くなり易く、また撹拌機、撹拌容器内
壁などに汚れが付着し易くなるなどの欠点がある。よっ
て、撹拌時の剪断速度は、好ましくは、3×10〜6×
102 sec-1程度の範囲とする。
【0013】本発明では、上記したように2×104
P以上という特定の粘度の原料を、6×102 sec-1
以下という特定の剪断速度で撹拌することが必要であ
り、撹拌速度がこの範囲にあっても原料の粘度が低すぎ
る場合には、樹脂成分を十分に分散させることが難し
く、また、一旦水中油型の樹脂乳化物が形成されても、
乳化物が不安定で凝縮し易く、油相と水相に分離する場
合もある。
【0014】ここで剪断速度とは、撹拌翼の先端部分の
周速を、翼先端と撹拌容器の内壁面との間隔で割ったも
のである。本発明では、使用する撹拌装置及び容器の種
類に応じて、この剪断速度が最大になる部分に着目し、
その部分の剪断速度が上記範囲となるように調整すれば
よい。例えば、円筒型容器中で、スクリュー翼を用いて
撹拌する場合には、スクリュー翼の先端部分の周速を、
スクリュー翼の先端と円筒型容器内壁面との間隔で割る
ことにより、最大部分の剪断速度が得られる。また、例
えば、多軸回転押し出し機等の複数の撹拌翼を有するも
のでは、撹拌翼(パドル、スクリュー等)先端の周速
と、撹拌翼先端と撹拌容器内壁面との間隔から求めた剪
断速度の他に、二つの撹拌翼の相対速度とその翼間隔よ
り求めた剪断速度も考慮して、剪断速度が最大となる部
分を求める。
【0015】本発明方法は、上記したように、6×10
2 sec-1以下の剪断速度で撹拌して樹脂乳化物を製造
するものであり、このような剪断速度とすれば、従来の
製造方法において、通常、剪断速度が1×104 〜1×
106 sec-1程度となるような強制撹拌が行なわれて
いたことと比べると、非常に遅い速度で安価な撹拌装置
により目的とする乳化物が得ることができ、コスト的に
非常に有利となる。
【0016】本発明では、上記した範囲の剪断速度を維
持して撹拌しつつ、水又は乳化剤含有水溶液を徐々に添
加する。この際、最初に必要量の乳化剤を樹脂と混合し
ている場合には、水のみを添加すればよく、樹脂に乳化
剤を混合していない場合には、必要量の乳化剤を水に溶
解して、この水溶液を添加すればよい。
【0017】水又は乳化剤含有水溶液の添加速度は、特
に限定されないが、油相と水相との相分離が生じないよ
うな速度とすることが必要である。添加時間は、撹拌容
器の容量などにより一定ではないが、粒径分布が狭く均
一性が良好で安定性のよい乳化物を得るためには、通常
1時間程度以上、好ましくは2時間程度以上の時間をか
けて徐々に添加することが好ましい。
【0018】上記した方法によれば、水又は乳化剤含有
水溶液の添加によって混合物の粘度が経時的に変化する
が、本発明では、水又は乳化剤含有水溶液の添加を開始
する時点での粘度が2×104 cP程度以上であればよ
く、添加開始後の粘度変化は特に考慮する必要はない。
ただし、温度が低くなり過ぎると、樹脂が固化しはじめ
て、流動が不均一となって粒径分布が広くなることや、
乳化物自体を形成できない等の問題が生じやすいので、
樹脂の融点以上の温度に保つことが好ましい。また、温
度が高くなって樹脂分の粘度が低下すると、分散粒子の
粒度が大きくなり易いので、温度が高くなり過ぎないよ
うに注意することも必要である。これらの点を考慮する
と、水又は乳化剤含有水溶液の添加中は、添加開始時の
温度付近の温度に維持することが適当であり、通常、添
加開始時の温度±20℃程度、好ましくは、添加開始時
の温度±5℃程度の温度範囲であって、樹脂の融点以上
の温度に維持すればよい。
【0019】本発明では、必要に応じて、可塑剤、ワッ
クス等を添加することができる。これらの成分について
は、通常の樹脂乳化物中に配合されているものと同様の
ものを使用でき、例えば、可塑剤としては、ジブチルフ
タレート、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペー
ト、ブチルベンジルフタレート、トリクレジルホスフェ
ート、トリフェニルホスフェート等を用いることがで
き、ワックスとしては、キャンデリラワックス、カルナ
バワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス等
の天然ワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワッ
クス誘導体、パラフィンワックス誘導体、硬ひまし油等
の合成ワックス、配合ワックス等を用いることができ
る。可塑剤は、水を添加する前の樹脂中に混合するか、
又は、水中油型の樹脂乳化物とした後に添加すれば良
く、その配合量は、通常の水中油型樹脂乳化物中の配合
量と同様とすれば良く、一般に、樹脂100重量部に対
して3〜20重量部程度の添加量とすることができる。
また、ワックスを添加する場合には、水を添加する前の
樹脂中に混合すれば良く、その配合量は、通常の水中油
型樹脂乳化物中の配合量と同様とすれば良く、一般に、
樹脂100重量部に対して5〜30重量部程度の添加量
とすることができる。これらの成分を水を添加する前に
樹脂中に混合する場合には、これらの成分を含む樹脂混
合物の粘度を上記した範囲、即ち、2×104 cP以上
とすればよい。
【0020】本発明方法によれば、上記した条件を維持
しつつ、水又は乳化剤含有水溶液を徐々に添加すること
によって、転相が生じて水中油型の樹脂乳化物が得られ
る。水又は乳化剤含有水溶液の添加量は、転相が生じる
量以上であって、所望の樹脂濃度の乳化物が得られる量
とすればよいが、通常、樹脂乳化物中の樹脂分濃度が3
0〜70重量%、好ましくは35〜65重量%程度とな
る量の水を添加することが適当である。水の添加量がこ
れを上回り、樹脂分濃度が30重量%未満になると、有
効成分量が相対的に少なくなって、不経済であるばかり
でなく、保存安定性が低下する傾向にあり、一方、水の
添加量が少なく、樹脂分濃度が70重量%を上回ると、
粘度が高くなり過ぎて樹脂乳化物を調製することが困難
となる。
【0021】本発明方法では、上記した方法により、目
的とする水中油型樹脂乳化物を得ることができる。有機
溶剤を用いた場合には、そのまま水中油型樹脂乳化物と
して使用することも可能であるが、必要に応じて、転相
により水中油型の樹脂乳化物とした後、常法に従って、
加熱、減圧等により脱溶剤を行ない、必要量の水を添加
して、樹脂分濃度30〜70重量%程度の水中油型の樹
脂乳化物として用いることもできる。
【0022】本発明方法によって得られる樹脂乳化物
は、分散粒子の粒径が、通常、0.1〜3μm程度の範
囲にあって、均一性に優れたものであり、しかも保存安
定性も良好なものである。
【0023】
【発明の効果】本発明方法によれば、2×104 cP以
上という高い粘度の状態の樹脂又は樹脂と乳化剤の混合
物を、剪断速度6×102 sec-1以下という低速で撹
拌することによって、目的とする水中油型樹脂乳化物を
得ることができる。このため、必要以上の加熱や加圧を
要することなく、安価な製造装置を用いて樹脂乳化物を
製造することが可能となり、経済的に非常に有利であ
る。また、有機溶剤を使用しない場合にも、良好な樹脂
乳化物を得ることができるため、安全性、経済性等の点
からも有用性が高い方法である。
【0024】本発明方法によって得られる樹脂乳化物
は、均一で安定性に優れたものであり、従来から、水中
油型樹脂乳化物が用いられている各種の用途、例えば、
粘着性付与剤、粘接着剤、塗料用バインダー、繊維用バ
インダー等として広く用いることができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0026】実施例1 撹拌翼としてパドル翼を用い、翼先端と容器の内壁との
間隔が0.75cmである円筒型の撹拌容器(容量1リ
ットル)中に芳香族系石油樹脂(日本石油化学(株)
製、日石ネオポリマー)(融点80℃)200g及びノ
ニオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル(エチレンオキサイド20モル付加物))1
2gを仕込み、加熱してよく撹拌した後、88℃に調整
した。このときの混合物の粘度を(株)東京電波機器
製、MRT−100(流体用粘度計、ローターNo.
3、10rpm)で測定したところ、5×104 cPで
あった。これを剪断速度125sec-1で撹拌し、温度
を88℃に保持しながら、2時間かけて水200gを連
続的に添加して樹脂乳化物を得た。
【0027】得られた乳化物について、乳化物の平均粒
子径、乳化物の保存安定性、撹拌容器内の樹脂の付着状
態及び洗浄性を以下の方法により調べた。結果を下記表
1に示す。
【0028】試験方法 *乳化物の平均粒子径 粒度分布測定器((株)島津製作所製、SALD200
0)を用いて測定した。
【0029】*乳化物の保存安定性 得られた乳化物を室温下で30日間放置した後、樹脂の
沈降状態を目視により観察し、以下の基準に基づいて評
価した。
【0030】○:沈降がみられなかった。
【0031】△:乳化はしたが、放置により沈降がみら
れた。
【0032】×:沈降し、再び元の状態に分散しなかっ
た。
【0033】*:撹拌容器内の樹脂の付着状態及び洗浄
性 撹拌容器内に水を注入してパドルを回転させて洗浄した
後、容器の壁面及びパドルの羽根に付着した樹脂の状態
を観察し、以下の基準に基づいて評価した。
【0034】○:水洗のみで洗浄できた。
【0035】△:樹脂が微量付着しており、ヘラ、ナイ
フ等で削り取る必要があった。
【0036】×:樹脂が多量付着しており、溶剤で洗浄
する必要があった。
【0037】実施例2 実施例1と同様の撹拌容器中にロジンエステル(荒川化
学(株)製、スーパーエステル)(融点70〜80℃)
200g及びノニオン系界面活性剤(ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル(エチレンオキサイド20モ
ル付加物))12gを仕込み、加熱してよく撹拌した
後、80℃に調整した。このときの混合物の粘度は、3
×104 cPであった。これを剪断速度125sec-1
で撹拌し、温度を80℃に保持しながら、2時間かけて
水200gを連続的に添加して樹脂乳化物を得た。
【0038】得られた乳化物について、乳化物の平均粒
子径、乳化物の安定性、撹拌容器内の樹脂の付着状態及
び洗浄性を、実施例1と同様にして測定した結果を下記
表1に示す。
【0039】実施例3 実施例1と同様の撹拌容器中にエポキシ樹脂(油化シェ
ルエポキシ(株)製、エピコート1003)(融点87
℃)200g、ノニオン系界面活性剤(ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル(エチレンオキサイド1
00モル付加物))8g及びポリビニルアルコール(ケ
ン化度:89モル%、平均重合度:1700)4g(固
形分量)を仕込み、加熱してよく撹拌した後、90℃に
調整した。このときの混合物の粘度は、7×104 cP
であった。これを剪断速度40sec-1で撹拌し、温度
を90℃に保持しながら、2時間かけて水134gを連
続的に添加して樹脂乳化物を得た。
【0040】得られた乳化物について、乳化物の平均粒
子径、乳化物の安定性、撹拌容器内の樹脂の付着状態及
び洗浄性を、実施例1と同様にして測定した結果を下記
表1に示す。
【0041】比較例1 実施例1と同様の撹拌容器中にエポキシ樹脂(油化シェ
ルエポキシ(株)製、エピコート1002)(融点78
℃)200g、ノニオン系界面活性剤(ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル(エチレンオキサイド1
00モル付加物))8g及びポリビニルアルコール(ケ
ン化度:89モル%、平均重合度:1700)4g(固
形分量)を仕込み、加熱してよく撹拌した後、80℃に
調整した。このときの混合物の粘度は6×104 cPで
あった。これを剪断速度4×104 sec-1で撹拌し、
温度を80℃に保持しながら、2時間かけて水134g
を連続的に添加して樹脂乳化物を得た。
【0042】得られた乳化物について、乳化物の平均粒
子径、乳化物の安定性、撹拌容器内の樹脂の付着状態及
び洗浄性を、実施例1と同様にして測定した結果を下記
表1に示す。
【0043】比較例2 実施例1と同様の撹拌容器中にエポキシ樹脂(油化シェ
ルエポキシ(株)製、エピコート1001)(融点64
℃)200g、ノニオン系界面活性剤(ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル(エチレンオキサイド1
00モル付加物))8g及びポリビニルアルコール(ケ
ン化度:89モル%、平均重合度:1700)4g(固
形分量)を仕込み、加熱してよく撹拌した後、90℃に
調整した。このときの混合物の粘度は5×103 cPで
あった。これを剪断速度125sec-1で撹拌し、温度
を90℃に保持しながら、2時間かけて水134gを連
続的に添加したが、油中水型乳化物と水中油型乳化物が
分離して共存する形となった。
【0044】
【表1】
【0045】以上の結果から明らかなように、本発明の
方法によれば、微細な粒子が均一に分散した状態の安定
性の良好な樹脂分散物を得ることができ、また、製造時
における撹拌装置への樹脂の付着も少ない。これに対し
て、比較例1では、樹脂と乳化剤の混合物を高粘度で用
いたが、撹拌速度が早すぎたために、乳化物の粒径が大
きくなり、保存安定性にも劣るものとなった。また、比
較例2では、樹脂と乳化剤の混合物の粘度が低過ぎたた
めに、本発明と同様の撹拌速度で撹拌した場合には、安
定な水中油型乳化物を得ることができなかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂又は樹脂と乳化剤の混合物を撹拌しつ
    つ、水又は乳化剤含有水溶液を徐々に添加することによ
    る水中油型樹脂乳化物の製造方法であって、水又は乳化
    剤含有水溶液の添加開始時における樹脂又は樹脂と乳化
    剤の混合物の粘度を2×104 cP以上とし、水又は乳
    化剤含有水溶液の添加中における撹拌容器中の剪断速度
    を、該容器中の剪断速度が最大になる部分において6×
    102sec-1以下とすることを特徴とする水中油型樹
    脂乳化物の製造方法。
JP8842194A 1994-04-26 1994-04-26 樹脂乳化物の製造方法 Pending JPH07289869A (ja)

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JP (1) JPH07289869A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001172364A (ja) * 1999-12-22 2001-06-26 Taiyo Ink Mfg Ltd 光硬化性樹脂組成物

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JP2001172364A (ja) * 1999-12-22 2001-06-26 Taiyo Ink Mfg Ltd 光硬化性樹脂組成物

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