JPH0728898U - 缶充填機用治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】可動軸を支点としてＸ字形に組み合わされた一
方側に、センタリングベル上方に固定してセンタリング
ベルを下方へ押圧する押圧固定部材を備え、他方側に、
充填すべき缶を接続するセンタリングベルの下方側から
挿入可能な挿入部材を備えた、センタリングベルを取外
す治具並びにセンタリングベルに取り付けられたスナッ
プリングを取外す際に、このスナップリングの飛脱を防
止するための手段を、スナップリングを抜脱する方向の
延長線上に設けた治具。 【効果】前記センタリングベルを取外す治具は、容易に
センタリングベルを一定方向に取外すことができ、一方
スナップリングを取外す治具は、取外したスナップリン
グが治具から飛脱しないので、これらの治具の使用によ
り、缶充填機の多数のセンタリングベル及びスナップリ
ングの交換作業を従来の１／３程度の時間にできる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、果汁飲料、コーヒー、ココア、お茶類、乳性飲料、スープ等の液状 物を缶に充填する缶充填機の充填バルブ部材を交換する際に使用する治具に関し 、更に詳細には、充填バルブシーリングガスケット交換のため先端部に設けられ たセンタリングベル並びに該センタリングベルと液体バルブとを連結するスナッ プリングを取外すための缶充填用治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

果汁飲料、コーヒー、ココア、お茶類、乳性飲料、スープ等の液状物を缶に連 続的に充填する缶充填機は、個々の缶に充填するための液状物が一定量吐出され る充填バルブを多数備えており、該充填バルブの先端に設けられた充填バルブを 缶に密閉接続するためのセンタリングベル並びにそれに伴うパッキングシール、 スペーサーは、充填する液状物の種類等を変える毎に交換する必要がある。一方 充填バルブから前記センタリングベルを取外す場合には、センタリングベルの脱 落を防止するために、該センタリングベルと、充填バルブ内に設けられた液体ノ ズルとを連結するスナップリングを取外すことも必要である。

【０００３】 従来、このようなセンタリングベルを充填バルブから取外すには、センタリン グベルを手で支持しながらプラスチックハンマー等で押打して取外す方法が採用 されているのみである。しかしセンタリングベルは、充填液がホットパック充填 である場合熱膨張したり、充填液成分がセンタリングベルと液体ノズルとの接合 部に固着することが多いので、前述の手作業では容易に取外すことは困難であっ て、しかも多数のセンタリングベルを交換するには、その作業時間に長時間を要 する等の欠点がある。またセンタリングベルをプラスチックハンマー等で繰返し 押打することにより、センタリングベル自体が破損する場合がある。

【０００４】 一方前記センタリングベルの脱落を防止するスナップリングを取外すには、単 に指で引き抜く方法が行なわれているにすぎず、このような手作業では、強固に 設置されたスナップリングを取外すためにかなりの力を要し、作業も煩雑化する という欠点が生じる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

従って本考案の目的は、缶充填機における充填バルブからセンタリングベルを 容易に取外すことが可能であり、しかも従来の手作業に比して作業性が極めて向 上する缶充填機用治具を提供することにある。

【０００６】 本考案の別の目的は、缶充填機における充填バルブからセンタリングベルの脱 落防止のために設置されているスナップリングを容易に取外すことが可能であり 、しかも従来の手作業に比して作業性が極めて向上する缶充填機用治具を提供す ることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案によれば、缶充填機における複数の充填バルブにおいて、該充填バルブ の先端に位置し、液体ノズルに接続されるセンタリングベルを取外す治具であっ て、可動軸を支点としてＸ字形に組み合わされた一方側に、センタリングベル上 方に固定してセンタリングベルを下方へ押圧するための押圧固定部材を備え、他 方側に、充填すべき缶を接続するセンタリングベルの下方側から挿入可能な挿入 部材を備えたことを特徴とする缶充填機用治具（以下治具Ａと称す）が提供され る。

【０００８】 前記治具Ａにおいては、挿入部材に、該挿入部材をセンタリングベルの下方側 から容易に挿入可能とするために、錘部材を設けることができ、特に該錘部材の 形状は、缶充填機の缶台部に接触せずに、挿入部材をセンタリングベルの下方側 から挿入するために、本体側に曲折したＬ字型であるのが好ましい。

【０００９】 また本考案によれば、缶充填機における複数の充填バルブにおいて、液体バル ブとセンタリングベルとを連結し、該センタリングベルの脱落を防止するスナッ プリングを取外す治具であって、センタリングベルに支持するための支点部材を 有し、該支点部材に対して一方の端部側にスナップリングを抜脱可能に掛止する 突設部と、スナップリングを抜脱する方向の延長線上に設けたスナップリング止 め手段とを備えたことを特徴とする缶充填機用治具（以下治具Ｂと称す）が提供 される。

【００１０】

【作用】

本考案の治具Ａは、押圧固定部材をセンタリングベル上方に固定し、挿入部材 をセンタリングベルの下方側から挿入して、センタリングベル内に位置する液体 ノズル先端部の下面に、該挿入部材を固定し、可動軸を支点として押圧固定部材 と挿入部材とでセンタリングベルを挟持する。このような挟持により治具Ａは、 挿入部材が元の位置で固定された状態で、押圧固定部材がセンタリングベルを下 方に押圧するよう作用する。

【００１１】 一方本考案の治具Ｂは、センタリングベル外方に突き出たスナップリング部分 に突設部を掛止すると共にセンタリングベルに支点部材を支持し、該支点部材を 支点として、てこの作用により掛止されたスナップリングを引き抜くよう作用す る。この際スナップリング止め手段は、引き抜かれる際の勢いでスナップリング が引き抜く方向へ飛脱するのを防止するよう作用する。

【００１２】

【実施例】

以下本考案の治具Ａ及びＢを図面を参照して説明するが、本考案はこれらに限 定されるものではない。

【００１３】 図１において１０は、センタリングベル取外し治具であって、該治具１０は、 一方の端部側にセンタリングベル上部の外形状に沿ったＵ字型固定金具１１ａを 有する治具本体１１と、一方の端部側に円筒部材１２ａ及び該円筒部材１２ａか ら垂直に備えられたＬ字型錘金具１２ｂを有する治具本体１２と、該治具本体（ １１，１２）をＸ形に軸支する支点軸ピン１３とで構成する。

【００１４】 治具本体１１に設けられたＵ字形固定金具１１ａのＵ字型部分は、センタリン グベル上方に固定し、下方向に押圧力を作用させた際にも最初に固定した位置が 移動しないように、センタリングベル上方の曲部の形状に合致するよう設計され ている。また治具本体１２に設けられた円筒部材１２ａ上面は、センタリングベ ル内部に位置する液体ノズル下端部に接地固定するため、樹脂で形成されており 、該円筒部材１２ａの直径は、充填すべき缶を接続するセンタリングベル下方側 から緩挿可能な大きさとしている。一方円筒部材１２ａの下面に設けられたＬ字 型錘金具１２ｂは、Ｌ字型が、缶充填機の缶台部に接触しないように本体（１１ ，１２）側に曲折するよう突部１２ｃが形成されており、このＬ字型錘金具１２ ｂを設けることにより、前記円筒部材１２ａをバランス良くセンタリングベル内 に挿入することができる。

【００１５】 前記治具本体（１１，１２）の柄の部分にはそれぞれ握持部１４が設けられて おり、該柄の部分の長さを長くすることでセンタリングベルを取外す際の力を小 さくすることができる。

【００１６】 以下に図２及び３を参照して前記治具１０の使用法を説明する。

【００１７】 図２は、缶充填機における充填バルブ先端部の分解図であって、該充填バルブ 先端部を組立てるには、センタリングベル２０上方から液体ノズル先端部２１を 挿入し、下方からステンレス製のスペーサー（２２，２３）及びシリコンゴム製 のパッキングシール２４を挿嵌した後、センタリングベル２０の穴２０ａにスナ ップリング２５を挿通し、液体ノズル先端部２１の隙間部２１ａに係止すること により行なうことができる。

【００１８】 図３において３０は、スナップリング２５を除く図２に示す分解物を組み立て た充填バルブ先端部であって、１０は図１に示すセンタリングベル取外し治具を 示す。

【００１９】 充填バルブ先端部３０からセンタリングベル２０を取外すには、図３に示すよ うに治具１０のＵ字型固定金具１１ａをセンタリングベル上部に嵌合固定すると 共に、円筒部材１２ａをセンタリングベル下方から挿入し、図２に示す液体ノズ ル最下端面に接触固定する。この状態で治具１０の握持部１４を握持することに より、円筒部材１２ａ及びＬ字型錘金具１２ｂは固定した状態で、Ｕ字型固定金 具１１ａが支点軸ピン１３を支点として下方向に可動する力がセンタリングベル ２０に作用し、センタリングベル２０が、図２に示すスペーサー（２２，２３） 及びパッキングシール２４と同時に液体ノズル先端部から取外される。

【００２０】 図４において４０は、スナップリング取外し治具であって、該治具４０は、先 端に設けられたスナップリングを掛止するための突起４１と、該突起４１に設け られたＬ字型突起４２と、突起４１の後部に設けた円筒４３と柄４４とで構成し ている。

【００２１】 前記突起４１は、図２におけるスナップリング２５をセンタリングベル２０に 嵌挿した際に突出する部分を掛止する部材であって、スナップリング２５を抜脱 する方向に先端が傾斜している。一方突起４１上に設けられたＬ字型突起４２は 、スナップリング２５を抜脱する方向、即ち前記突起４１の傾斜方向に突設され ており、前記抜脱する際の勢いでスナップリング２５が飛脱するのを防止する。

【００２２】 前記円筒４３は、センタリングベル２０に支承して支点として作用する部材で あって、センタリングベル２０を損傷させないように樹脂で形成されている。ま た柄４４は、円筒４３を支点として作用させ、なるべく小さい力でスナップリン グ２５を取外すために円筒４３から離れた部分に握持部４４ａを備える。

【００２３】 以下に図２及び図４を参照して治具４０の使用法を説明する。

【００２４】 治具４０を用いて充填バルブ先端部からスナップリング２５を取外すには、セ ンタリングベル２０から突出するスナップリング２５に治具４０の突起４１を掛 止すると共に、円筒４３をセンタリングベル２０外周一部に支承させる。この状 態において握持部４４ａを握持してスナップリング２５を引き抜く方向に力を加 えることにより、てこの原理でスナップリング２５がセンタリングベル２０の穴 ２０ａから引き抜かれる。この際スナップリング２５は引き抜かれる方向に飛脱 するが、治具４０のＬ字型突起４２に衝突して、スナップリング２５は突起４１ とＬ字型突起４２との間に保持される。

【００２５】

【考案の効果】

本考案のセンタリングベルを取外す治具Ａは、挿入部材がセンタリングベル内 の液体ノズル先端部の下面に固定されるので、支点を軸として押圧固定部材のみ が可動し、容易にセンタリングベルを一定方向に取外すことができる。一方スナ ップリングを取外す治具Ｂは、てこの原理を利用して容易にスナップリングを一 定方向に取外すことができると共に、スナップリング止め手段を有するので、取 外したスナップリングが治具Ｂから飛脱することを防止できる。従って、治具Ａ 及び治具Ｂを使用することにより、缶充填機の多数のセンタリングベル及びスナ ップリングの交換作業を従来の１／３程度の時間で行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の実施例におけるセンタリングベ
ル取外し治具を示す斜視図である。

【図２】図２は缶充填機における充填バルブ先端部を示
す分解図である。

【図３】図３は図１に示す治具の使用態様を示す図であ
る。

【図４】図４は本考案の実施例におけるスナップリング
取外し治具を示す斜視図である。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 缶充填機における複数の充填バルブにお
   いて、該充填バルブの先端に位置し、液体ノズルに接続
   されるセンタリングベルを取外す治具であって、可動軸
   を支点としてＸ字形に組み合わされた一方側に、センタ
   リングベル上方に固定して該センタリングベルを下方へ
   押圧するための押圧固定部材を備え、他方側に、充填す
   べき缶を接続するセンタリングベルの下方側から挿入可
   能な挿入部材を備えたことを特徴とする缶充填機用治
   具。
2. 【請求項２】 缶充填機における複数の充填バルブにお
   いて、液体バルブとセンタリングベルとを連結し、該セ
   ンタリングベルの脱落を防止するスナップリングを取外
   す治具であって、センタリングベルに支持するための支
   点部材を有し、該支点部材に対して一方の端部側にスナ
   ップリングを抜脱可能に掛止する突設部と、スナップリ
   ングを抜脱する方向の延長線上に設けたスナップリング
   止め手段とを備えたことを特徴とする缶充填機用治具。