JPH07288988A - 移動装置 - Google Patents

移動装置

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JPH07288988A
JPH07288988A JP6073433A JP7343394A JPH07288988A JP H07288988 A JPH07288988 A JP H07288988A JP 6073433 A JP6073433 A JP 6073433A JP 7343394 A JP7343394 A JP 7343394A JP H07288988 A JPH07288988 A JP H07288988A
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fluid
fixed
electrode
drive
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JP6073433A
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English (en)
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Masatoshi Nagano
雅敏 永野
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Original Assignee
Canon Inc
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  • Lens Barrels (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で簡易な構造のインチワーム式の移動装
置を提供する。 【構成】 移動方向に沿って延びる固定部材24内に、
移動方向に変位する積層圧電素子21の両端部に固定部
材24と隙間を有してロック部材22、23を取り付け
た移動子を配置し、該隙間には電界作用により粘性が変
化する流体が満たされていて、固定部材に設けた電極2
4aと、各ロック部材に設けた電極22a、23aとの
間に電圧を印加して電位差を生じさせると、電界の作用
により該流体の粘性が大きくなり、ロック部材を固定部
材に対して固定させることができる。したがって、一方
のロック部材を固定させている間に積層圧電素子を伸ば
し、そこで他方のロック部材固定させ、一方のロック部
材の固定を解除後に積層圧電素子を縮めるといった動作
の繰り返しで移動子の移動を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電界や磁界の変化によ
り、その粘性または、見かけ上の粘性が変化する流体を
用いた移動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電素子は、近年種々の移動装置に利用
されているが、その伸縮性を直接利用したものとして図
10に示すものが提案されている。
【0003】この移動装置は、尺取り虫(インチワー
ム)のようにして移動するもので、1,2,3は積層型
の圧電素子を側面略H形状に組合せて結合し移動子を構
成している。4は前記移動子の積層型圧電素子1,3の
上下端面が当接する固定部材に固定部である。積層型の
圧電素子1,3は不図示の駆動回路からの通電により、
上下方向に変位し、又積層型の圧電素子2は図中の左右
方向、すなわち移動方向に変位するようになっており、
さらに上下の固定部4間の距離は、圧電素子1,3の非
通電時において、図10の(1),(4)のようにこれ
ら圧電素子1,3の長さよりも若干長く形成され、また
電圧が印加されて伸びると両固定部4に加圧接触する。
【0004】ここで、これらの圧電素子1,2,3が積
層型、すなわち、圧電セラミックスの片面側に電極膜を
形成した圧電素子板を複数枚積層すると共に、各該圧電
素子板の積層方向である厚み方向を伸縮方向とする分極
処理を行っているものを使用するのは、低電圧で大きい
変位を得ることができることによる。なお、圧電素子
1,2,3に対する不図示の駆動回路からの給電を行う
電気配線については図中省略している。
【0005】このように構成された移動装置において、
図10の(1)〜(6)は図中右方向への移動手順を示
すもので、図10の(1)においては圧電素子1に電圧
が印加され、圧電素子2,3には電圧は印加されていな
い。この状態において圧電素子1はその積層方向(この
場合は圧電素子長手方向)にのびており、上下が一体的
に構成された固定部4に固定されている。
【0006】次に圧電素子2に電圧を印加すると、圧電
素子2はその積層方向に伸び、圧電素子3は図中右方向
に移動し、(2)の状態となる。そして、圧電素子3に
も電圧を印加すると、圧電素子3はその積層方向にのび
固定部4に固定され、(3)の状態となる。
【0007】次に圧電素子1への電圧印加を中断し、圧
電素子1を縮め、固定部4に固定されていない(4)の
状態とする。そして、圧電素子2への電圧印加を中断
し、圧電素子2を縮め、圧電素子1を図中右方向へ移動
させ、(5)の状態とする。次に圧電素子1へ電圧を印
加し圧電素子1を伸ばして固定部4に固定した、(6)
の状態とする。そして、圧電素子3への電圧印加を中断
し、圧電素子3を縮め、固定部4から固定されていない
状態つまり(1)の状態に戻る。
【0008】ここまで、説明した過程を1サイクルとす
ると、この1サイクルの間に圧電素子1,2,3により
構成される移動子は圧電素子2の伸びた分だけ図中右方
向に移動する。そして、このサイクルを繰り返えすこと
により移動子を図中右方向に移動させることができる。
また、印加電圧パターンを変えれば、移動子を図中右へ
動かすこともできる。
【0009】また、第2の従来例を図11を用いて説明
する。
【0010】図11は、移動レンズを有する光学系の一
部である移動光学系部分の一例を示す。
【0011】図中、11は移動レンズ、12は移動レン
ズ11の保持鏡筒であり、スリーブ部12aと、めねじ
部12bを有する。13はスリーブ12aと係合するガ
イドバー、14は保持鏡筒12の図と垂直な面内の回転
を規制するガイドバー、15はレンズ鏡筒の固定部であ
り、ガイドバー13,14を保持している。16はステ
ッピングモーター等のモーターであり、ねじ部を有する
出力軸16aを有する。また、この出力軸16aは、め
ねじ部12bと螺合している。17は不図示の制御部よ
りモーター16へ制御信号を伝達する電気信号線であ
る。18は光学系の光軸である。このレンズ移動装置に
おいてモーター16を回転させると、出力軸16aとめ
ねじ部12bが螺合しているため保持鏡筒12つまり移
動レンズ11は光軸方向へ移動する。
【0012】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、前
記従来例においては、次のような欠点があった。
【0013】まず、第1の従来例においては、圧電素子
は積層されていてもその変位量は、数μm〜10数μm
程度であるため、移動子が移動するスペース、つまり対
向する固定部4の間隔は非常に高精度でなければなら
ず、高精度の加工技術や、調整技術が必要となり移動装
置の製作が難しい。
【0014】第2の実施例は、その構成は単純である
が、ねじの螺合部分にガタがあるために、正確な位置決
めが行いにくい。また、小型の移動装置を構成しようと
したときに、モーターがある程度のスペースを必要とす
るため、極端に小さな移動装置を製作することができな
い。
【0015】本発明の目的は、上記の問題点を解決し従
来より小型であり、また、簡易な構造の移動装置を提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の目的
を実現する移動装置の第1の構成は、移動方向に沿って
延びる固定部材と、任意の点の位置を該移動方向に沿っ
て伸縮変位させる駆動部の伸縮方向両側に該固定部材と
隙間を有して夫々ロック部材を取り付けた移動子と、少
なくとも該隙間に満たされる電界または磁界の作用によ
り粘性または見かけ上の粘性が変化する流体と、該流体
に対して電界または磁界を作用させて少なくとも該各ロ
ック部材と該固定部材との隙間における該流体の粘性ま
たは見かけ上の粘性を大きくさせる電界または磁界作用
手段と、該振動子の駆動部および各ロック部材に夫々対
応する電界または磁界作用手段の駆動タイミングを制御
して、該移動子を予定移動方向に駆動制御する制御手段
とを有する。
【0017】この構成によれば、例えば電気粘性流体の
有する電気粘性効果によって、移動子のロック部材を固
定部材に対して固定させることができ、一方のロック部
材を電気粘性流体により固定している間に駆動部を伸ば
し、伸びた他方のロック部材についても電気粘性流体に
より固定し、今度は該一方のロック部材に電気粘性流体
による固定を解除し、該駆動部を縮ませる動作を繰り返
すことで、移動子を予定移動方向に移動させることがで
きる。その際、ロック部材を固定部材に対して固定させ
るのは、電界作用または磁界作用により粘性または見か
け上の粘性が変化する流体であり、したがって、この流
体が満たされるロック部材と固定部材との間の隙間につ
いては高精度な寸法管理が不要となる。また、振動子の
駆動部については、例えば移動方向に変位する積層圧電
素子、単層の圧電素子などの電気−機械エネルギー変換
素子を用いることができる。
【0018】本発明の目的を実現する第2の構成は、固
定部材に対して第1の隙間を有して移動可能な移動子
と、該固定部材に対して移動可能であると共に、該移動
子に対して第2の隙間を有して移動可能であって、任意
の点の位置をその移動方向に沿って往復移動可能に駆動
される駆動部材と、少なくとも該第1の隙間および該第
2の隙間に満たされる電界または磁界の作用により粘性
または見かけ上の粘性が変化する流体と、該第1の隙間
および該第2の隙間の流体に対して電界または磁界を作
用させて、該移動子と該固定部材の間、および該移動子
と該駆動部材との間の隙間における該流体の粘性または
見かけ上の粘性を大きくさせる電界または磁界作用手段
と、該駆動部材および該移動子と該固定部材の間および
該移動子と該駆動部材との間の電界または磁界作用手段
の駆動タイミングを制御して、該移動子を予定移動方向
に駆動制御する制御手段とを有する。
【0019】この構成によれば、上記した第1の移動装
置の構成と同様に、第1,第2の隙間に満たされる電気
粘性流体などの流体によって、移動子を固定部材と駆動
部材に対して夫々固定できるようにし、移動子と駆動部
材とを固定状態として該駆動部材を伸ばして一体的に移
動させた後、該移動子を該固定部材に固定した状態で該
移動子と該駆動部材との固定を解除し、該駆動部材を縮
めるという動作を繰り返すことで該移動子を予定移動方
向に移動させることができる。
【0020】この第2の移動装置の構成は、移動子と駆
動部材とが別部材に構成されているので、第1の移動装
置のように、固定部材に対する固定部を振動子の移動方
向両側に設けるという制限がない。また、駆動部材とし
ては、例えば積層圧電素子の端部に例えば棒状の部材を
取り付けたり、該棒状の部材をクランク機構により直線
往復移動させたりする機構であってもよく、要は例えば
該棒状の部材を移動方向に対して直線往復移動させる、
すなわち任意の点の位置をその移動方向に沿って往復移
動可能に駆動するものであれば良い。
【0021】また、本発明の目的を実現する第3の構成
は、上記した第2の移動装置の構成をより簡素化した構
成で、固定部材に対して移動可能な移動子と、該固定部
材に対して移動可能であると共に、該移動子に対して移
動可能であって、任意の点の位置をその移動方向に沿っ
て往復移動可能に駆動される駆動部材と、該固定部材と
該移動子との間、または該固定子と該駆動部材との間の
いずれか一方に少なくとも満たされる電界または磁界の
作用により粘性または見かけ上の粘性が変化する流体
と、該固定部材と該移動子との間、または該固定子と該
駆動部材との間のいずれか一方に少なくとも満たされる
流体に対して電界または磁界を作用させて、その間の流
体の粘性または見かけ上の粘性を大きくさせる電界また
は磁界作用手段と、該固定部材と該移動子との間、また
は該固定子と該駆動部材との間のいずれか他方に設け
た、該流体の粘性増加による固定力よりも小さい摩擦力
を発生させる摩擦手段と、該駆動部材および該電界また
は磁界作用手段の駆動タイミングを制御して、該移動子
を予定移動方向に駆動制御する制御手段とを有する。
【0022】すなわち、移動子を固定部材あるいは駆動
部材のいずれか一方に固定する手段として、例えば板バ
ネからなる摩擦手段を固定部材に接触させることによっ
て、移動子を駆動部材と共に固定部材に対して移動させ
ることができるが、駆動部材を元の長さに戻す際に、移
動子を固定部材に該摩擦手段により保持固定すること
で、例えば電気粘性流体による固定手段を減らすことが
でき、制御回路の簡素化も併せて実現できる。勿論、移
動子と駆動部材との間に上記したような摩擦手段を設け
ることによっても同様にして移動子を予定移動方向に移
動させることができる。
【0023】ここで、摩擦手段は板バネを接触させて一
定の摩擦力を得る形式のものであっても良いが、ゴムな
どによって摩擦力を発生させるようにしたものであって
もよい。
【0024】また、上記した第1,第2および第3の構
成の移動装置において、移動子を移動方向に沿って設け
られた案内部材に支持させることによって、移動子のブ
レを防止させることができる。
【0025】さらに、上記した第1の移動装置の構成に
おいて、移動子と固定部材とを、該移動子の移動駆動力
よりも小さい摩擦力を有する摩擦保持手段を介して摩擦
接触させることにより、非駆動時において移動子が移動
するのを防止することができる。
【0026】一方、上記した各構成において、電磁粘性
流体などの流体を、部分的にシール部材により封止する
ことにより、移動子などを該流体に浸けてしまうことを
妨げる。
【0027】このように構成した移動装置は駆動安定性
が増し、レンズ駆動装置の駆動源や、光りディスクある
いは磁気ディスクのヘッド駆動装置等に利用することも
できる。
【0028】
【実施例】
(第1実施例)図1,図2は本発明の第1実施例を示
す。
【0029】図1は、本実施例による移動装置の構成と
駆動原理を示し、図2は図1の移動装置への電圧印加タ
イミングを示す図である。
【0030】図中、21は、圧電セラミックスの積層方
向である移動方向に変位する積層型の圧電素子、22,
23は圧電素子21の積層方向の端面に取り付けられた
ロック部材であり、その端面に一対の電極部22a,2
3aを有する。24は固定部であり、移動子側の端面に
1対の電極部24aを有する。25は固定部24の間に
設けられた内室であり、ここを圧電素子21とロック部
材22,23で構成される移動子が図中、左右方向へ移
動できる構成となっている。
【0031】また、内室25には、電界中に置かれると
粘性もしくは、見かけ上の粘性が変化する(電気粘性効
果)いわゆる電気粘性流体(ER流体)で満たされてい
る。29は、電極22a,23a,24a、圧電素子2
1に電気信号線で接続され、後述の方法で、この移動装
置を制御する制御回路、30は制御回路29に電力を供
給する電源である。なお、制御回路29と電源および各
構成要素を結合する電気信号線については省略する。
【0032】次に、この移動装置の移動原理について説
明する。
【0033】図1の(1)〜(6)に示すすべての状態
において、固定部24の固定電極24aには、図2の
(c)に示すように同じ電位の電圧(V0 )が印加され
ている。図1の(1)の状態においては、第1の電極2
3aに図2の(b)に示すように、固定電極24aと異
なる電圧(V1 )が印加され、第2の電極22aには固
定電極24aと同じ電圧(V0 )が印加されており、電
極23a,24a間には電位差が生じている。この状態
においては、第1の電極23aと固定電極24a間のE
R流体の粘性が他の領域に比べ、大きくなり、電極23
a,24aつまり、第1のロック部材23と固定部24
が固定されたのに近い状態となる。ここで、図1におい
て、斜線で示したER流体の部分が他の部分より粘性の
高い領域である。
【0034】次に圧電素子21に図2の(d)に示すよ
うに電圧(V2 )を印加すると、圧電素子21は、その
積層方向に伸び第2のロック部材22は、図中右方向へ
移動し、(2)の状態となる。次に第2の電極22aに
も図2の(a)に示すように、第1の電極23aと同じ
電圧(V1 )を印加すると、第1のロック部材23と同
様に第2のロック部材22は固定部24に固定されたの
と近い、(3)の状態となる。ここで、第1の電極23
aへ固定電極24aと同じ電圧(V0 )を図2の(b)
に示すように印加すると、双方の電極23a,24a間
の電位差がなくなり、第1の電極23aまわりのER流
体の粘性が低下する。そして、第1のロック部材23と
固定部24が固定された状態は解除され、(4)の状態
となる。
【0035】次に図2の(d)に示すように圧電素子2
1への通電を中止すると、圧電素子21は、その積層方
向に縮み、第1のロック部材23は図中右方向へ移動
し、(5)の状態となる。次に第1の電極23aに第2
の電極22aと同じ電圧(V1)を印加し、第1のロッ
ク部材23が固定部24に固定されたのと近い状態、つ
まり(6)の状態とする。そして、第2の電極22aに
図2の(a)に示すように固定電極24aに印加されて
いるのと同じ電圧(V0 )を印加すると、第2の電極2
2aと固定電極24a間の電位差がなくなり、固定部2
4と第2のロック部材22の固定状態は解除され、
(1)の状態にもどる。ここまで説明した図2に示す電
圧の印加パターンの繰り返しにより、移動子は図中右方
向へ尺取り虫のようにして移動する。また、同様の駆動
原理により、移動子を図中左方向へ動かすこともでき
る。
【0036】ここで、移動子が内室25中で移動子移動
方向と直角方向にふらつき安定した固定状態が得られな
いときには、図3および図39に示されるようにガイド
レール26のような移動子のガイド部材を設けてもよ
い。また、固定子24の固定電極24aの電圧は変化さ
せないので接地電圧(グランド)としても良い。また、
電極23aと24aの間隔および電極22aと24aの
間隔は電極22aと23aの間隔に比べ十分小さく、電
極22a,23a間に発生する電位差による電圧勾配
は、電極22aと24a間や23aと24a間に発生す
る電圧勾配より小さくなる。つまり、第1,第2の電極
22aと23a間で発生する電気粘性効果(ER効果)
は、電極22a,24a間や23a,24a間で発生す
るそれよりも十分小さく、移動子の駆動に大きな影響は
ない。
【0037】また、電極22a,23a,24aの無通
電時に移動子を保持するために図4に示すように、移動
子に板バネ等のバネ性を有する付勢手段27を設け、そ
の自由端部を固定部24に弾性的に接触させてもよい。
ただし、この付勢手段により発生する摩擦力は、電極2
2a,24a間や23a,24a間に発生する固定力
(ER効果により増大する流体粘性による摩擦力)より
小さく設定する。
【0038】また、移動子全体をER流体に浸すのでは
なく、図5および図40に示す実施例のように、電極2
2a,24a間と23a,24a間にだけER流体が存
在するように、ロック部材22,23の上部にER流体
封入部29を有するゴム製の封止パッキン28を設けE
R流体を封止する構造としてもよい。その際、内室25
は図40に示されているように開放されたものではな
く、密閉されていてもよい また、図4および図5に示す移動子の電極は、ロック部
材22,23の上部の電極22a,23a各1つづつで
あるが、このように、電極の数はいくつでもよい。さら
に、図4,図5に示す実施例では固定部24の壁面をガ
イド部材としても用いているが他の実施例においてもこ
のような構造としても良い。また、図5および図40の
実施例において、封止パッキン28はゴムのような弾性
体を一部に有するものを用いればこの封止パッキン28
を図4に示す実施例の付勢部材としても兼用することが
できる。
【0039】また、固定部24やロック部材22や23
の少なくとも1つに金属のような導電性部材を用いれ
ば、その部材を電極として利用できるので、その部材に
設けられた電極を省略することができる。
【0040】また、各電極に印加される電圧は、図2に
示される波形に限定されるものでなく、図2に示される
タイミングで各電極間に必要な電位差が与えられるもの
ならば、どのような波形でも良い。
【0041】以上に説明した実施例においては従来例1
のインチワームに比べ、移動子の移動する溝部25の巾
や、ロック部材22,23の寸法を高精度にする必要が
なく、製造しやすい構造とすることができる。
【0042】図34〜図39に第1実施例の断面斜視図
を示す。本実施例のロック部材22,23は直方体とし
ているが、これは円柱、立方体、多角形断面を有する柱
等どのようなものでもよく、例えば球であってもよい。
同様に圧電素子21も直方体に限るものではなく、どの
ような断面形状を有するものでも良い。また、固定部2
4も内部に移動子の移動空間を有するものならば直方体
や円柱等、どのような形でも良い。
【0043】一方、電気粘性粒体は、図34〜図39の
内室25に満たされている。図35、図36において、
固定部24内部にER流体を封止している構造である
が、図34、図37〜図39の例については図34のう
すい斜線部に示されるようにER流体が満たされる。
【0044】また、図34と図41において、201は
移動子の移動方向に対し垂直に設けられたシャフトであ
る。移動子が移動方向に動くとシャフト201は同じ方
向に動く。このシャフトに移動させたい物体を直接もし
くは、間接的に取り付ければ駆動力を移動装置外部に取
り出すことができる。
【0045】図4において、202は移動子の移動方向
に平行に取り付けられた円柱形のシャフトであり、20
3は電気粘性流体封止用のOリングである。24cは固
定部24に設けられた穴である。
【0046】図40の実施例においては移動子の移動に
伴いシャフト202が図中、左右方向に出入する。
【0047】なお、図37に示すように、固定部24に
溝24bを形成し、溝24bの奥に電極24aを設けた
形状や、図38に示すようにロック部材22,23に溝
22b,23bを設け、溝22b,23bの奥に電極2
2a,23aを設けた形状であれば、電極24aと電極
22a,23aがショートすることを防止でき、また、
ロック部材22,23の長さを、内室25の幅よりわず
かに小さくすれば移動子がその移動方向に移動すること
が可能となる。
【0048】しかし、図34〜図36、図41の実施例
においては(図35、図36は出力用のシャフトは不図
示)固定部24の電極24aと、ロック部材22,23
の電極22a,22bとは、電極同志がショートしない
だけの間隔をあける必要がある。出力用のシャフトが図
41に示されるようなガイド(図41においては穴24
c)により支持されなければ(ガイドはどのようなもの
でも良い)、移動子がふらつき先に述べた電極同志がシ
ョートしなくても安定した駆動を行うことができない。
このようなときは、ガイドレールのような(ガイドバー
でも良い)ガイド部により移動子を案内する。
【0049】なお、図5および図40に示す実施例にお
いては、ロック部材22,23の電極のない端面を設
け、この端面が固定部24の25部分の壁面と摺動し、
ロック部材22,23の他方の端面に電極22a,23
aを設け、また、電極22a,23aと固定部24の電
極24aはショートしないだけの間隔をもって向い合っ
ている。ロック部材22,23の電極22a,23a側
の端面には電極22a,23aをカバーし、また、その
端面が電極24aに接触する電気粘性流体を封入するた
めのパッキン28が設けられ、このパッキン28と電極
24aと電極22a,23aに囲れる空間に電極粘性流
体が封入されている。なお、パッキンによる電気粘性流
体封入部は、ロック部材22,23の両端に設けられて
も良い。
【0050】そして、パッキン28は、弾性を有してい
るため移動子を固定部に付勢する力が働き、移動装置の
不通電時等の移動子が電気的にロック部材22,23に
より固定部24に固定されない状態のときも、この付勢
力により、移動子は固定部に固定され、移動子が移動装
置の姿勢変化等により移動してしまうのを防止してい
る。但し、パッキン28による移動子と固定部24の固
定力(摩擦力)は、本移動装置の移動子と固定部24間
の電気粘性流体による固定力より小さく設定されてい
る。
【0051】(第2実施例)本発明の第2実施例を図
6,図7に示す。
【0052】図6は、本発明の第2実施例の移動装置の
構成と駆動原理の説明図、図7は、この移動装置への通
電タイミングの説明図である。
【0053】図中31は、移動方向に圧電セラミックス
を複数枚積層した積層型の圧電素子で、移動方向に変位
する。32,33は圧電素子31の積層方向の端に取り
付けられた電磁石ユニット、34は固定部、35は固定
部34の間に設けられた溝部であり、ここを圧電素子3
1と電磁石ユニット32,33で構成される移動子が図
中左右方向へ移動できる構成となっている。また、溝部
35には磁界中に置かれると粘性もしくは見かけ上の粘
性が変化する、いわゆる磁性流体で満たされている。3
9は、電磁石ユニット32,33、圧電素子31に電気
信号線で接続され、後述の方法で、この移動装置を制御
する制御回路、40は制御回路39に電力を供給する電
源である。なお、図6の(2)〜(6)においては、制
御回路39と電源40と各構成要素を結合する電気信号
線は省略する。
【0054】次に、この移動装置の動作原理について説
明する。
【0055】図6の(1)の状態においては第1の電磁
石ユニット33に通電が行われ、第1の電磁石ユニット
33のまわりには磁界が発生している。この状態におい
ては、第1の電磁石ユニット33のSおよびN極のまわ
りの磁性流体の粘性が他の領域に比べ大きくなり、電磁
石ユニット33が固定部34に固定されたのと近い状態
となる。図6において、斜線で示した磁性流体の部分が
他の部分より粘性の高い領域である。
【0056】次に圧電素子31に電圧V3 を印加する
と、圧電素子31は、その積層方向に伸び、第2の電磁
石ユニット32は図中右方向へ移動し、(2)の状態と
なる。そして、第2の電磁石ユニット32へも通電を行
うと、第1の電磁石ユニット33と同様に第2の電磁石
ユニット32は固定部34に固定されたのと近い、
(3)の状態となる。そして、第1の電磁石ユニット3
3への通電を切ると、第1の電磁石ユニット33のまわ
りの磁性流体の粘性が低下する。したがって、電磁石ユ
ニット33と固定部34が固定された状態は解除され、
(4)の状態となる。
【0057】次に圧電素子31への通電を中止すると、
圧電素子31は、その積層方向に縮み第1の電磁石ユニ
ット33は図中右方向へ移動し、(5)の状態となる。
次に電磁石ユニット33に通電を行い、電磁石ユニット
33が固定部34に固定されたのと近い状態、つまり
(6)の状態とする。そして、第2電磁石ユニット32
への通電を切ると、固定部34と電磁石ユニット32の
固定状態は解除され、(1)の状態へもどる。
【0058】ここまで説明した圧電素子31および電磁
石ユニット32,33への通電のパターンの繰り返しに
より、移動子は図中右方向へ移動する。また、同様の駆
動原理により、移動子を図中左方向へ動かすこともでき
る。
【0059】ここで、第1実施例と同様の理由により、
図8に示されるようにガイドレール36のような移動子
のガイド部材を設けてもよい。
【0060】また、電磁石32,33を磁化していない
ときに移動子を保持するために移動子と固定部34の間
に図9に示すように板バネのような付勢手段37を設け
ても良い。ただし、この付勢手段により発生する摩擦力
は、電磁石32,33と固定部34間に発生する固定力
(磁性流体が磁界中に置かれて増大する流体粘性による
摩擦力)より小さく設定する。
【0061】また、移動子全体を磁性流体に浸すのでは
なく、図12に示す実施例のように、電磁石32,33
と固定部34間にだけ磁性流体が存在するように、電磁
石32,33の上部に磁性流体封入部39を有するゴム
等の弾性を有する封止パッキン38を設け、磁性流体を
封止する構造としてもよい。なお、封止パッキン38に
ゴムのような弾性体を用いることによりこの封止パッキ
ン38を図9の実施例の付勢部材としても兼用すること
ができる。
【0062】以上に説明した第2実施例においては、従
来例1のインチワームに比べ、移動子の移動する溝部3
5の巾や電磁石32,33の寸法を高精度にする必要が
なく、製造しやすい構造とすることができる。また、固
定部34は必ずしも強磁性体で構成する必要がない。
【0063】図44に本実施例の断面斜視図の一例を示
す。本実施例の電磁石ユニット32,33は直方体に描
かれているが、これは図1の実施例同様、円柱、立方
体、多角形断面を有する柱等どのようなものであっても
よい。同様に圧電素子31も直方体に限るものではな
く、どのような断面形状を有するものでも良い。また、
固定部34も内部に移動子の移動空間を有するものなら
ば立方体や円柱等、どのような形でも良い。また、図4
4に示されるように、内室35が固定部34の外部に開
放されている形状でも良いし、第1実施例の一例で示し
たのと同様に、内室35は固定部34の外部に対し閉じ
られていてもよい。なお、駆動力の取り出し方、磁性流
体の封入に関しては第1実施例と同じである。
【0064】図45は一般的な電磁石ユニットの一例
(斜視図)を示す。211は純鉄等の軟磁性体でできた
コア、212はコアの外側に設けられ、銅線等の導電性
のある電線213が巻つけられたボビン、214は前記
電線213の取り出し部である。そして、これらが樹脂
で固められる、もしくはケースに収納され電磁石ユニッ
トを構成している。電磁石ユニット32,33は破線で
示される部分であり、この内部構造を説明するために、
図52は電磁石ユニット32,33の内部を透視した斜
視図とした。
【0065】図46に図12に対応する断面分解斜視図
を示す。電磁石ユニット32,33は、円柱形状でも、
多角柱形状等どのようなものでも良い。本実施例におい
ては、電磁石ユニット32,33の一端面を固定部34
の35部分の壁面と摺動し、電磁石ユニット32,33
の他方の端面には、図40と同様に磁性流体を封入する
ためのパッキン38が設けられ、このパッキン38と固
定部24と、電磁石ユニット32,33に囲まれる空間
に磁性流体が封入されている。
【0066】なお、図46は、図40に示されるロック
部材22,23を電磁石ユニット32,33を置き換
え、また電気粘性流体を磁性流体に置き換えたものであ
る。ただし、本実施例においては、電極間のショートは
考慮する必要がないため、電磁ユニット32,33と固
定部34との間隔は磁性流体の粘性変化による固定力が
発生すればどのような間隔でも良い。
【0067】(第3実施例)本発明の第3実施例を図1
3および図14に示す。
【0068】図13は、本発明第3実施例の移動装置の
構成と駆動原理を示し、図14は、この移動装置への電
圧印加タイミングを示す。
【0069】図中51は、この移動装置の固定部であ
り、電極51aを有する。52は積層型の圧電素子であ
り、図中左右方向が、その積層方向であり、その1端が
固定部51に固定されている。53はガイドバーであ
り、圧電素子52の積層方向の他端に固定され、また、
固定部51に圧電素子52の積層方向に移動自在に保持
されている。54は、ガイドバーであり、ガイドバー5
3と平行に固定部51に保持されている。55は移動子
であり、電極51a,55b,スリーブ55c、スリー
ブ55cの内室55d、U溝55eを有し、スリーブ5
5cにガイドバー53が、また、U溝55eにガイドバ
ー54が係合しガイドバー53,54の長手方向(図
中、左右方向)に移動自在に保持されている。56は固
定部51に囲まれた移動子55が移動するための空間で
あり、ER流体で満されている。57は、電極51a,
55a,55b、圧電素子52、ガイドバー53に電気
信号線で接続され、後述の方法で、この移動装置を制御
する制御回路である。ここで、ガイドバー53は導電性
材料で形成され電極の働きもしている。58は制御回路
57に電力を供給する電源である。図13の(2)〜
(6)においては、制御回路57と電源58と、各構成
要素を結合する電気信号線は省略され描かれていない。
【0070】次に、この移動装置の動作原理について説
明する。
【0071】図13の(1)〜(6)に示すすべての状
態において、図14の(c)および(d)に示すよう
に、電極51aとガイドバー53には同じ電圧(V4
が印加されている。図13の(1)の状態においては、
図14の(a)に示すように、電極55aにガイドバー
53と異なる電圧(V5 )が印加され、図14の(b)
に示すように、電極55bには電圧V4 が印加されてお
り、したがって電極55aとガイドバー53の間には、
電位差が生じている。この状態においては電極55aと
ガイドバー53の間のER流体の粘性が他の領域に比
べ、大きくなり、ガイドバー53と移動子55が固定さ
れたのに近い状態となる。図13において、斜線で示す
ER流体の部分が他の部分より粘性の高い領域である。
【0072】次に図14の(e)に示すように、圧電素
子52に電圧V6 を印加すると、圧電素子52はその積
層方向に伸び、ガイドバー53と移動子55は、図中左
方向へ移動し、図13の(2)の状態となる。次に図1
4の(b)に示すように電極55bに電極55aと同じ
電圧V5 を印加すると、電極55aと51aの間に電位
差が生じ、この領域のER流体の粘性が上昇し、移動子
55は固定部51に固定されたのと近い、図13の
(3)の状態となる。次に図14の(a)に示すように
電極55aに電圧V4 を印加すると、電極55aとガイ
ドバー53間の電位差がなくなり、電極55aまわりの
ER流体の粘性が低下する。そして、ガイドバー53と
移動子55が固定された状態は解除され、図13の
(4)の状態となる。次に図14の(e)に示すように
圧電素子52への電圧印加を中止すると、圧電素子52
は、その積層方向に縮み、ガイドバー53は図中右方向
へ移動し、図13の(5)の状態となる。次に図14の
(a)に示すように、電極55aに電圧V5 を印加し、
ガイドバー53に移動子55が固定されたのと近い状
態、つまり図14の(6)の状態とする。そして、電極
55bに電圧V4 を印加すると、電極51aと55bと
の間の電位差がなくなり、固定部51と移動子55の固
定状態は解除され、図13の(1)の状態にもどる。
【0073】ここまで説明した電圧の印加パターンの繰
り返しにより移動子55は、図中左方向へ移動する。ま
た同様の駆動原理により、移動子55を図中右方向へ動
かすこともできる。
【0074】図15は図14に示す印加タイミングの変
形例で、電極55a、電極55bへの印加電圧を一定と
し、電極51a、ガイドバー53へ印加する電圧を上記
の説明と同じタイミングで変化させても、移動子55を
移動させることができる。なお、移動原理は、前記第3
実施例と同じなので省略する。
【0075】図16は上記した図14,図15の駆動パ
ターンと全く異なる駆動パターンにより、図13の移動
装置を駆動する電圧印加タイミングを示す図である。
【0076】図16の(c)および(d)に示すよう
に、電極51aとガイドバー53には同じ電圧V10が常
時印加され、また電極55bには、図16の(b)に示
すように電圧V10とは異なる電圧V12が常時印加されて
いる。つまり電極51aと55b間のER流体は他の領
域に比べ粘性が大きくなっており固定部51に移動子5
5を固定する力が働いている。
【0077】図13の(1)の状態において、電極55
aには電圧V10とは異なる電圧V11が印加されている。
このとき、電極51aと55b間の固定力は電極55a
とガイドバー53間の固定力より小さく設定されてい
る。この固定力の強さの設定は、固定力の働く電極間の
電圧差や電極間の間隔により決まる電界の強さや、固定
力の働く電極部分の面積等により行われる。つまり図1
6では、電圧V11とV10の電位差が、電圧V12とV
10の電位差より大きく設定されているが、必ずしも、こ
のような設定をしなくても良い。例えば、電圧V11とV
10の電位差と、電圧V12とV10の電位差が同じであって
も、電極55aとガイドバー53の間隔が電極51aと
55bの間隔より小さければ、単位面積あたりの電極に
働く固定力は、前者の方が後者より大きくなるし、ま
た、電極間隔および電位差が同じときには、電極面積が
大きい方が電極面積に働く固定力は大きくなる。
【0078】この図13の(1)の状態において、図1
6の(e)に示すように、圧電素子52に電圧V13を印
加すると、圧電素子52はその積層方向に伸び、ガイド
バー53は圧電素子52と一体にその長さ方向へ移動す
る。また、先にも述べたように、ガイドバー53と移動
子55間に働く固定力は、固定部51と移動子55の間
に働く固定力より大きいため、移動子55は、ガイドバ
ー53と一体に移動し、図13の(2)の状態となる。
【0079】次に図16の(a)に示すように、電極5
5aに電圧V10を印加すると、電極55aとガイドバー
53の間の電位差はなくなり、ガイドバー53と移動子
の固定状態は解除され、図16の(3)の状態となる。
ここで、図16の(e)に示すように圧電素子52への
電圧印加を中止すると、圧電素子52は、その積層方向
に縮み、ガイドバー53は圧電素子52の縮む方向へ移
動し、図16の(4)の状態となる。このとき、移動子
55と固定部51の間には固定力が働いており、また、
移動子55とガイドバー53の間の固定力は解除されて
いるため、移動子55は移動しない。そして、図16の
(4)の状態において電極55aに電圧V11を印加する
と、移動子55とガイドバー53の間に固定力が働き
(1)の状態へ戻る。ここまで説明したパターンの繰り
返しにより移動子55は一方向へ移動する。また同様の
駆動原理により移動子55を逆方向へ動かすこともでき
る。
【0080】図17は図16に示す実施例の変形例の通
電タイミングを示す図である。この実施例の駆動パター
ンの特徴は、ガイドバー53と移動し55の間に働く固
定力を、駆動中は一定にし、移動子55と固定子51の
間に働く固定力を調整していることにある。簡潔に述る
と、圧電素子52がその積層方向に伸びるときには、移
動子55と固定部51の間には固定力は働らかず、移動
子55とガイドバー53の間に働く固定力に従って移動
子55はガイドバー53と一体的に移動する。
【0081】また圧電素子52が縮むときには、固定部
51と移動子55の間に、移動子55とガイドバー53
の間に働くのより大きな固定力が働くため、ガイドバー
だけが移動し、このパターンの繰り返しにより移動子5
5を一方向に動かすことができる。
【0082】ここで、電圧V4 ,V5 ,V7 ,V8 ,V
10,V11,V12の少なくとも1つの電圧を接地電圧とし
ても良い。また、電極51aとガイドバー53の間隔、
および電極51aと55aの間隔およびガイドバー53
と電極55bの間隔、および電極55aと55bの間隔
は電極51aと55bの間隔および電極55aとガイド
バー53の間隔に比べ十分大きく、ここで発生する電気
粘性効果(ER効果)は小さく、移動子55の駆動に大
きな影響はない。また、各電極51a,55a,55b
およびガイドバー53に印加される電圧は図14〜図1
7に示される波形に限定されるものではなく、図14〜
図17に示されるタイミングで各電極間に必要な電位差
が与えられるものならばどのような波形でも良い。
【0083】また、移動子全体をER流体に浸すのでは
なく、図18に示す実施例のように、電極51aと55
b間と電極55a、ガイドバー53間にだけER流体が
存在するようにER流体を封止する構造としてもよい。
図18において、59は電極55aとガイドバー53を
封止する封止パッキン、60は夫々電極55bの回りに
設けられた封止パッキンであり、2カ所の封入部61と
溝部55dにER流体が封入されている。
【0084】図19は図13に示す第3実施例の変形例
を示す。
【0085】図19に示す実施例は、図13に示す実施
例で設けていた電極51a,55bを廃止し、固定部5
1と移動子55の間に板バネ等の弾性部材からなる付勢
手段62を設けている。
【0086】本実施例の制御は、例えば、図16に示す
電極55a,ガイドバー53、圧電素子52への印加電
圧のパターンにより、図16に示される実施例と同様の
原理により移動子の駆動を行うことができる。ただし、
板バネ等の弾性部材からなる付勢手段62による固定部
51と移動子55間に働く摩擦力は、電極55aとガイ
ドバー53間に発生するER流体による固定力より小さ
く設定されている。このようにすれば、ガイドバー5
3、電極55aの無通電時に移動子55を保持すること
ができる。なお、図18に示す実施例のように、ER流
体を溝部55dへパッキン等により封入してもよい。
【0087】また、図20に示されるように電極55a
をなくし、ガイドバー53への通電をやめて、ガイドバ
ー53、または54と移動子55の間に板バネ等の弾性
部材から構成される付勢手段63を設けてもよい。この
実施例の制御は、例えば図17に示す実施例のように、
電極51a,55b、圧電素子52への印加電圧のパタ
ーンにより、図17に示される実施例と同様の原理によ
り移動子の駆動を行うことができる。
【0088】ただし、板バネ63によるガイドバー53
または54と移動子55間に働く摩擦力は、電極51a
と電極55b間に発生するER流体による固定力より小
さく設定されている。このようにすれば、電極51a,
55bの無通電時に移動子55を保持することができ
る。またこのとき、図18に示されるようにER流体を
封入する構造としても良い。
【0089】なお、図19および図20に示される実施
例においては、付勢手段である板バネ62,63により
移動子55のガタ取りを行う効果も得られる。
【0090】また、電極および付勢手段の数は、上記の
実施例に限られるものではなく、複数個あっても良い。
【0091】以上、説明した実施例における各構成要素
の部品は、従来例1のインチワーム程、高精度にする必
要がなく、また、付勢手段を有する実施例においては、
この付勢手段が移動子のガタ取りの機能も有しているた
め、製造しやすく、かつ制御を行いやすい構造とするこ
とができる。
【0092】図13に対応する断面斜視図を図47に示
すが、ER流体が満たされている部分の構造については
第1実施例と同様であり、密閉されていても良い。
【0093】ここで、本実施例の構成ポイントは固定部
に対し、移動子の移動方向に進退するガイド部材と、移
動子と固定部をER流体により固定する固定手段と、移
動子とガイド部材をER流体により固定する固定手段を
有することである。ここで、ガイド部材の1つであるガ
イドバー54は、進退するガイドバー53まわりに移動
子が回転するのを防止するためのものである。つまり、
ガイドバー53が2方取りや多角形断面をしていて、同
形状のスリーブ穴と係合していれば、ここで移動子がガ
イドバー53まわりに回転するのを防止できるため、ガ
イドバー54は必要なくなる。
【0094】この他、ER流体(電気粘性流体)の封止
についておよび、固定部51の形状、および移動装置と
しての出力の取り出し方法については、図1に示す第1
実施例と同じである。
【0095】また、図18に対応する断面斜視図を図4
8に示す。RE流体が満たされている部分の構造につい
ては、第1実施例と同様であり、密閉されていてもよ
い。なお、移動子55の形状も本実施例に限られるもの
ではないことは第1実施例と同様である。
【0096】ここで、図18の本実施例の構成のポイン
トは図13に示される実施例の構成に加え、パッキン5
9(パッキン59はゴム等の弾性部材である必要はな
い),60により電極51a,55a,55bのまわり
に、ER流体(電気粘性流体)を封入したことにある。
ガイドバー53,54の役割についても図13に示され
る実施例と同じである。
【0097】この他、固定部51の形状、および、移動
装置としての出力の取り出し方法については、図13に
示される実施例同様、図1に示す第1実施例と同様であ
る。 (第4実施例)図21ないし図26は本発明の第4実施
例を示す。
【0098】図21は、本実施例の移動装置の構成を示
し、図22はこの移動装置への通電タイミングを示す。
図23,図25は、図21に示す第4実施例の変形例を
示す。図24は図23に示される移動装置の通電タイミ
ングを示し、図26は、図25に示される移動装置の通
電タイミングを示す。
【0099】図中71は、この移動装置の固定部、72
は、積層型の圧電素子であり、図中左右方向が、その積
層方向であり、その1端が固定部71に固定されてい
る。73はガイドバーであり、圧電素子72の積層方向
の他端に固定され、また、固定部71に圧電素子72の
積層方向に移動自在に保持されている。74はガイドバ
ーであり、ガイドバー73と平行に固定部71に保持さ
れている。
【0100】75は移動子であり、スリーブ75a、ス
リーブの溝部75b、U字溝75cを有し、スリーブ7
5aにガイドバー73が、また、U字溝75cにガイド
バー74が係合しガイドバー73,74の長手方向(図
中、左右方向)に移動自在に保持されている。76は固
定部71に囲まれた移動子75が移動するための空間で
あり、磁性流体で満されている。77は制御回路、78
は制御回路77に電力を供給する電源である。
【0101】79は移動子75内のガイドバー73に近
接した部分に埋め込まれた電磁石、80は移動子75の
スリーブ75aに埋め込まれた電磁石であり、電磁石7
9,80は、制御回路77に電気信号線で接続されてい
る。
【0102】本実施例の移動装置は、第3実施例の電極
55aと電極をかねたガイドバー53の代りに電磁石7
9を、第3実施例の電極51a,55bの代りに電磁石
80を、そして、ER流体の代りに磁性流体を用いてい
る。つまり、第3実施例のER流体と電極による固定手
段を、磁性流体と電磁石による固定手段に置き代えたの
が本実施例である。よって、第3実施例と同様なタイミ
ングで、電磁石79,80に磁力を持たせれば第2実施
例でも述べたとおり、電磁石と磁性流体が固定手段とし
て働き移動子75がガイドバー73,74と平行に移動
を行う。この駆動タイミングの一例を図22に示す。な
お、図22に示す図表は、図14に示す駆動パターンを
本実施例の電磁石79,80、および圧電素子72の駆
動タイミングに置き代えたものである。
【0103】本実施例は図13,図14に示される実施
例のER流体に対する電極による固定手段を、磁性流体
と電磁石により構成される固定手段に置き換えたもので
あり、本実施例の固定手段の駆動タイミングは、図13
および図14に示される実施例の固定手段の駆動タイミ
ングと同様であるので、本実施例の駆動原理の詳細な説
明は省略する。
【0104】図23は、図21に示される実施例の磁性
流体と電磁石80による固定手段を付勢手段である板バ
ネ81に置きかえたものであり、これは、図13に示さ
れる実施例の電極51a,55bとER流体による固定
手段を図19に示される板バネ62による付勢手段に置
きかえたのと同様の効果を発揮する。なお、他に示す符
号は、図21に示す実施例と同じである。ただし、板バ
ネ81により発生する固定部71と移動子75の固定力
は、磁性流体と電磁石79により発生するガイドバー7
3と移動子75の固定力より小さく設定されている。
【0105】本実施例の固定手段の駆動タイミングは、
図16および図19に示される実施例の固定手段の駆動
タイミングと同様であるので本実施例の駆動原理の詳細
な説明は省略する。
【0106】図25に示す実施例は図21に示す実施例
の磁性流体と電磁石79による固定手段を付勢手段であ
る板バネ82に置きかえたものであり、これは図13に
示す実施例の電極55aとガイドバー53とER流体に
よる固定手段を図20に示す板バネ63による付勢手段
に置きかえたのと同様の効果を発揮する。
【0107】なお、他に示す符号は、図21に示す実施
例と同じである。ただし、板バネ82により発生する移
動子75とガイドバー73の固定力は、磁性流体と電磁
石80により発生する固定部71と移動子75の固定力
より小さく設定されている。
【0108】本実施例の固定手段の駆動タイミングは、
図17,図20に示される実施例の固定手段の駆動タイ
ミングと同様であるので、本実施例の駆動原理の詳細な
説明は省略する。
【0109】なお、図23,図24,図25および図2
6に示す実施例は、付勢手段を有しているため、これら
の移動装置に対する無通電時に移動子75を保持するこ
とができる。
【0110】また、図27,図28および図29に示す
ように磁性流体を封入する構造としても良い。ここで、
図中83,84は磁性流体を封入するための封止パッキ
ン、85,86は磁性流体封入部である。
【0111】また、本実施例またその変形例において
は、電磁石および付勢手段の数は、実施例に限られるも
のでなく、何個あっても良い。
【0112】以上、説明した実施例における各構成要素
の部品は、従来例1のインチワーム程、高精度にする必
要がなく、また付勢手段を有する実施例においては、こ
の付勢手段が移動子のガタ取りの機能も有しているため
製造しやすく、かつ制御を行いやすい構造とすることが
できる。
【0113】(第5実施例)図30は本発明の第5実施
例を示す。
【0114】本実施例は第3実施例の応用例であり、レ
ンズ光学系の光軸方向の移動に第3実施例の移動装置を
応用したものである。
【0115】図中、91は、移動レンズ、92は、移動
レンズ91の保持鏡筒であり、スリーブ部92aと、U
溝部92bを有する。93はガイドバーであり、スリー
ブ部92aをシール性を保持して貫通し、固定部95に
光軸方向移動自在に保持されている。94はガイドバー
であり、U溝部92bに係合し、ガイドバー93に平行
に固定部95に保持されている。
【0116】96は積層型の圧電素子であり、積層方向
の一端は固定部95に保持されている。97は公知の変
位拡大装置であり、圧電素子96の積層方向の他端に保
持され圧電素子96の変位を拡大しガイドバー93を光
軸方向へ移動させる構能を有している。98はスリーブ
部92aに設けられた板バネであり、保持鏡筒92から
固定部95を付勢している。99はスリーブ部92aに
設けられた封止パッキン、100は固定部95と移動子
92を接続しているフレキシブルプリント回路基板であ
り、移動子92が光軸方向に移動できるように接続され
ている。101はスリーブ部92aの内部に封止パッキ
ン99で封入されたER流体、102はER流体101
に接するように、スリーブ部92aの内部に設けられた
電極、103はガイドバー93、圧電素子96、電極1
02と電気的に接続した制御回路、104は制御回路1
03に電力を供給する電源である。105は光軸であ
る。
【0117】本実施例は図19に示される実施例におい
て、ER流体をスリーブ部の内部に封入し、また、ガイ
ドバーの往復移動手段として積層型の圧電素子と、その
変位を拡大する機構を用い、これをレンズの移動装置に
応用したもので、例えばオートフォーカスのために制御
回路103から駆動信号が圧電素子96、ガイドバー9
3および電極102に所定のパターンで印加されると、
移動レンズ91が光軸105に沿って移動する。なお、
移動レンズ91の移動量は接触型あるいは非接触型のレ
ンズ位置検出センサにより検出され、オートフォーカス
制御に供される。
【0118】このような移動装置を用いてオートフォー
カスやズームのために移動レンズの位置制御を行うと、
移動レンズを微細に移動させることができて合焦精度を
向上させることができる。
【0119】ここで変位拡大装置の一例を図49に示
す。96は圧電素子で電圧を印加すると図中上下方向に
伸びる。97は変位拡大装置である。変位拡大装置97
は、基板部97a、レバー部97b,97e、圧電素子
96とレバー部97bを接続するヒンジ97c、基盤部
97aとレバー部97bを接続するヒンジ97d、レバ
ー部97bとレバー部97eを接続するヒンジ97f,
基盤部97aとレバー部97eを接続するヒンジ97g
と、変倍拡大部97hを有する。
【0120】次に変位拡大の原理について説明する。圧
電素子96は、その一端が基盤部97aに固定されてい
るため、不図示の電気信号線により圧電素子96に電圧
が印加されると、圧電素子96は、図中上下方向に伸
び、ヒンジ97cを介しレバー部97bを押し上る。そ
してレバー部97bはヒンジ97dで基盤部と接線して
いるためにヒンジ97dを中心に反時計まわりに動き、
ヒンジ97fを図中、上方へ持ち上げる。このとき図4
9からも判るように電圧印加による圧電素子96の変位
量より大きな量、ヒンジ97fは図中上方へ移動する。
そして、ヒンジ97fがレバー部97eを図中上方へ押
し上げるとレバー部97eはヒンジ97gを中心に時計
まわりに動き、変位拡大部97hが図中上方に移動す
る。このとき、図49からも判るようにヒンジ97fの
移動量よりも大きな量、変位拡大部97hは図中上方へ
移動する。つまり、この2段のレバー部がてこの原理に
より圧電素子96の変位を拡大し変位拡大部97hを動
かす。
【0121】(第6実施例)図31は本発明の第6実施
例を示す。
【0122】本実施例は第3実施例の応用例であり、光
ディスクや磁気ディスクのヘッド移動に第3実施例の移
動装置を応用したものである。
【0123】図中、111は固定部、112は固定部1
11に積層方向の一端を保持された積層型の圧電素子、
113はスリーブ部113aとU溝部113bとヘッド
ユニット搭載部113cを有する移動子である。114
は圧電素子112の積層方向の他端に固定され、また、
圧電素子の積層方向に移動自在に固定部111に支持さ
れたガイドバー、115はガイドバー114と平行に固
定部111に保持されたガイドバー、116は移動子1
13のスリーブ部113a間の内部に設けられた電極、
117は固定部111に取り付けられ、移動子113を
付勢する板バネ、118は固定部111に対して移動子
113が移動できるようなUターン部を有するフレキシ
ブルプリント回路基板、119はスリーブ部113aの
内部に封入されたER流体であり、電極116に接して
いる。
【0124】120はER流体119を封入するための
封止パッキン、121は圧電素子112、電極を兼用す
るガイドバー114および電極116と電気的に接続さ
れた制御回路、122は制御回路121に電力を供給す
る電源である。ここで、電極116と制御回路121の
電気的な接続は、フレキシブルプリント配線基板118
を介して行われている。また、板バネ117は固定部1
11より封止パッキン120を付勢しているように描か
れているが実際には固定部111より移動子113を付
勢している。
【0125】本実施例は、図19に示される実施例にお
いて、ER流体をスリーブ部の内部に封入し、付勢手段
である板バネを、固定部に設けて移動子を付勢してい
る。本実施例の駆動方法および原理は、図19に示され
る実施例と同様なので省略する。
【0126】本実施例は図19に示される実施例におい
て、ER流体をスリーブ部の内部に封入し、また、ガイ
ドバーの往復移動手段として積層型の圧電素子を用い、
これを光ディスクや磁気ディスクのヘッドの移動装置に
応用したもので、例えば、ヘッドのトラッキングのため
に制御回路121から駆動信号が圧電素子112、ガイ
ドバー114、および電極116に所定のパターンで印
加されると、ヘッドユニット搭載部113cがガイドバ
ー114に沿って移動する。なお、ヘッドユニット搭載
部113cの移動量は接触型あるいは非接触型のヘッド
位置検出手段により検出されヘッドのトラッキング制御
に供される。
【0127】このような移動装置を用いてトラッキング
等のために光ディスクや磁気ディスクのヘッドの位置制
御を行うと、ヘッドをガタなく微小移動させることがで
き、かつ、特別な装置を設けなくても無通電時にヘッド
を定位置で保持できる。また、ヘッドをガタなく微小移
動できる移動装置を小型で構成できる。
【0128】なお、本発明においては、第6実施例と同
様に付勢手段を固定部に設けても良いし、第6実施例に
おいて付勢手段を移動子に設けても良い。そして、本発
明において付勢手段は、板バネに限られるものではな
く、例えばゴムのような弾性体等どのようなものでもよ
く、その数もいくつ用いても良いものである。また、付
勢手段を有する場合において、付勢手段により発生する
固定部と移動子間の摩擦力が移動子の質量と重力加速度
の積より大きくなるように付勢手段の付勢力を設定すれ
ば、移動子を鉛直方向に移動させることが可能となる。
【0129】また、本発明においては、移動子の電極や
電磁石と制御回路を接続する電気線は、移動子の移動に
支障をきたすものでなければ、フレキシブルプリント回
路基板やリード線等どのようなものでも良い。
【0130】また、本発明において、駆動手段は積層型
の圧電素子に限られるものでななく、バイモルフ型の圧
電素子や磁歪素子や、図32に示される往復運動を行う
駆動装置等往復変位を行う駆動装置や往復運動を行う駆
動装置ならばどのようなものでも良い。
【0131】ここで、図32に示す実施例の往復運動を
行う駆動装置において、131は不図示の固定部に保持
されたモーター、131aはモーター出力軸、132,
133はクランク機構の腕部、132a,133aはジ
ョイント部、134は、軸方向へ移動自在に保持された
ガイドバーである。ただし、ガイドバー134の保持部
材は不図示である。
【0132】モーター131の出力軸131aが回動す
ると、腕部132が出力軸131aまわりを回転し、ガ
イドバー134がその軸方向に往復運動を行う。この駆
動装置を第3実施例ないし第6実施例の移動装置の駆動
手段として用いることができる。
【0133】この他、本発明の移動装置の制御は、第1
実施例ないし第6実施例に示されるような矩形波の制御
波形ではなく、正弦波や、立ち上りや立ち下りのゆるや
かな波形、例えば図33に示されるような波形でも良い
し、また、第1実施例ないし第6実施例の制御方法例え
ば図1の(1)〜(6)に示す場合、同一の時間で制御
されているが、これは、ER流体や磁性流体の粘性変化
速度等を考慮して、図1の(1)〜(6)は異なる時間
で制御しても良い。
【0134】図34〜図41、図44、図46〜図48
に示される本発明の実施例には、移動子の電極や電磁石
ユニットへの給電手段が示されていない(不図示となっ
ている)。
【0135】図42には図34に示される実施例の移動
子への給電手段の一例としてフレキシブルプリント配線
板を用いた例を示す。
【0136】204は、移動子へ駆動信号を伝達するた
めのフレキシブルプリント配線板であり、移動子と制御
回路を電気的に接続している。また、このフレキシブル
プリント配線板204は固定部24と移動子の間にUタ
ーン部を有し、移動子がその移動方向へ移動できるよう
になっている。
【0137】ここで、制御回路から移動子への駆動信号
の伝達手段は、フレキシブルプリント配線基盤204に
限られるものでなく、移動子と制御回路をたるませたリ
ード線で接続する等どのような方法でも良い。
【0138】図43には、図47に示される実施例の移
動子55への給電手段の一例としてフレキシブルプリン
ト配線板を用いた例を示す。205は移動子55へ駆動
信号を伝達するためのフレキシブルプリント配線板であ
り、移動子55と制御回路を電気的に接続している。ま
た、このフレキシブルプリント配線板205は、固定部
51と移動子55の間にUターン部を有し、移動子55
が、その移動方向へ移動できるようになっている。
【0139】ここで制御回路から移動子55への駆動信
号の伝達手段は、フレキシブルプリント配線基板204
に限られるものでなく、図42に示される実施例同様ど
のような方法でもよい。
【0140】図40に示される実施例においてロック部
材22,23の両端面に、電極22a,23aを設け、
この電極22a,23aまわりにパッキン28を設け、
ER流体を封入しても良い。このようにすれば、さらに
ロック部材22,23の固定力を高めることができる。
この変形実施例を図50に示す(移動子への駆動信号伝
達手段は不図示である)。
【0141】また、同様に図46に示される実施例にお
いても電磁石ユニット32,33の両端面にパッキン3
8を設け、磁性流体を封入しても良い。このようにすれ
ば図50に示される実施例同様、さらに電磁石ユニット
32,33による固定力を高めることができる。
【0142】また、電気粘性流体を使用する本発明の実
施例においては、電気粘性流体を封入する部材に強磁体
を用いる必要がない。
【0143】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、例
えば電気粘性流体の有する電気粘性効果によって、移動
子のロック部材を固定部材に対して固定させることがで
き、一方のロック部材を電気粘性流体により固定してい
る間に駆動部を伸ばし、伸びた他方のロック部材につい
ても電気粘性流体により固定し、今度は該一方のロック
部材の電気粘性流体による固定を解除し、該駆動部を縮
ませる動作を繰り返すことで、移動子を予定移動方向に
移動させることができ、その際、ロック部材を固定部材
に対して固定させるのは、電界作用または磁界作用によ
り粘性または見かけ上の粘性が変化する流体なので、こ
の流体が満たされるロック部材と固定部材との間の隙間
については高精度な寸法管理が不要となる。また、振動
子の駆動部として、往復変位を行う例えば積層圧電素子
を用いることにより、移動子をステップ送りすることも
できる。
【0144】また、移動子に対して駆動部材と固定部材
とを夫々相対的に移動可能とする構成の移動装置にあっ
ては、移動子と駆動部材とが別部材に構成されているの
で、上記した構成の移動装置のように、固定部材に対す
る固定手段を振動子の移動方向両側に設けるという制限
がない。
【0145】さらに、上記した第2の移動装置に対し、
移動子を固定部材あるいは駆動部材のいずれか一方に固
定する手段として、例えば板バネからなる摩擦手段を固
定部材に接触させることによって、移動子を駆動部材と
共に固定部材に対して移動させることができるが、駆動
部材を元の長さに戻す際に、移動子を固定部材に該摩擦
手段により保持固定することで、例えば電気粘性流体に
よる固定手段を減らすことができ、制御回路の簡素化も
併せて実現できる。勿論、移動子と駆動部材との間に上
記したような摩擦手段を設けることによっても同様にし
て移動子を予定移動方向に移動させることができる。
【0146】また、上記した第1,第2および第3の構
成の移動装置において、移動子を移動方向に沿って設け
られた案内部材に支持させることによって、移動子のブ
レを防止させることができる。
【0147】さらに、上記した第1の移動装置の構成に
おいて、移動子と固定部材とを、該移動子の移動駆動力
よりも小さい摩擦力を有する摩擦保持手段を介して摩擦
接触させることにより、非駆動時において移動子が移動
するのを防止することができる。
【0148】一方、上記した各構成において、電磁粘性
流体などの流体を、部分的にシール部材により封止する
ことにより、移動子などを該流体に浸けてしまうことを
妨げる。
【0149】このように構成した移動装置は駆動安定性
が増し、レンズ駆動装置の駆動源や、光りディスクある
いは磁気ディスクのヘッド駆動装置等に利用することも
できる。
【0150】また、本発明においては、ER流体や磁性
流体が移動子の摺動部に介在するため、前記流体が潤滑
手段としても作用する効果がある。また移動子全体をE
R流体や磁性流体中に浸していない場合には、駆動力の
発生部にのみ前記流体を封止しているため、移動子の移
動中に移動子とER流体や磁性流体との間に発生する流
体抵抗がなく、かつ移動子がER流体や磁性流体中に浸
されていないため、レンズ等の被駆動対象物を移動子に
直接搭載できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の移動装置の構成と駆動原理を示す
図。
【図2】図1に示される移動装置への電圧印加タイミン
グを示す図。
【図3】第1実施例の変形実施例の概略構成を示す図。
【図4】第1実施例の変形実施例の概略構成を示す図。
【図5】第1実施例の変形実施例の概略構成を示す図。
【図6】第2実施例の移動装置の構成と駆動原理を示す
図。
【図7】図6に示される移動装置への通電タイミングの
図表。
【図8】第2実施例の変形実施例の概略構成を示す図。
【図9】第2実施例の変形実施例の概略構成を示す図。
【図10】第1従来例にインチワークの構成と駆動原理
を示す図。
【図11】第2従来例の概略構成を示す図。
【図12】第2実施例の変形実施例の概略構成を示す
図。
【図13】第3実施例の移動装置の構成と駆動原理を示
す図。
【図14】図13に示される移動装置への電圧印加タイ
ミングを示す図。
【図15】図13に示される移動装置への電圧印加タイ
ミングの他の実施例を示す図。
【図16】図13に示される移動装置への電圧印加タイ
ミングの他の実施例を示す図。
【図17】図13に示される移動装置への電圧印加タイ
ミングの他の実施例を示す図。
【図18】第3実施例の変形実施例の概略構成を示す
図。
【図19】第3実施例の変形実施例の概略構成を示す
図。
【図20】第3実施例の変形実施例の概略構成を示す
図。
【図21】第4実施例の移動装置の概略構成を示す図。
【図22】図21に示される移動装置の通電タイミング
を示す図表。
【図23】第4実施例の変形実施例の概略構成を示す
図。
【図24】図23に示される移動装置の通電タイミング
を示す図表。
【図25】第4実施例の変形実施例の概略構成を示す
図。
【図26】図25に示される移動装置の通電タイミング
を示す図表。
【図27】第4実施例の変形実施例の概略構成を示す
図。
【図28】第4実施例の変形実施例の概略構成を示す
図。
【図29】第4実施例の変形実施例の概略構成を示す
図。
【図30】第5実施例を示し、レンズ駆動機構に用いた
移動装置の概略構成を示す図。
【図31】第6実施例を示し、ヘッド駆動機構に用いた
移動装置の概略構成を示す図。
【図32】往復運動を行う駆動装置の他の実施例の概略
構成を示す図。
【図33】本発明の各実施例における移動装置の制御電
圧波形を示す図。
【図34】図1に対応する断面斜視図。
【図35】第1実施例の封止構造を示す外観斜視図。
【図36】第1実施例の封止構造を示す外観斜視図。
【図37】第1実施例の他の構成の断面斜視図。
【図38】第1実施例の他の構成の断面斜視図。
【図39】第1実施例の他の構成の断面斜視図。
【図40】図5に対応した分解断面斜視図。
【図41】第1実施例における出力の取り出し構造を示
す断面図。
【図42】図34の実施例の移動子への給電手段として
フレキシブルプリント配線板を用いた斜視図。
【図43】図47の実施例の移動子への給電手段として
フレキシブルプリント配線板を用いた斜視図。
【図44】図6に対応する断面斜視図。
【図45】電磁石ユニットの一例を示す図。
【図46】図12に対応する断面分解斜視図。
【図47】図13に対応する断面分解斜視図。
【図48】図18に対応する断面分解斜視図。
【図49】変位拡大装置の位置れを示す図。
【図50】図40の実施例の変形例を示す図。
【符号の説明】
1…圧電素子 2…圧電素子 3…圧電素子 4…固定部 11…移動レンズ 12…保持枠 13…ガイドバー 14…ガイドバ
ー 15…固定部 16…モーター 17…電気信号線 18…光軸 21…圧電素子 22…ロック部
材 23…ロック部材 24…固定部 25…溝部 26…ガイドレ
ール 27…板バネ 28…封止パッ
キン 29…制御回路 30…電源 31…圧電素子 32…電磁石ユ
ニット 33…電磁石ユニット 34…固定部 35…溝部 36…ガイドレ
ール 37…板バネ 38…封止パッ
キン 39…制御回路 40…電源 51…固定部 52…圧電素子 53…ガイドバー 54…ガイドバ
ー 55…移動子 56…空間 57…制御回路 58…電源 59…封止パッキン 60…封止パッ
キン 61…封入部 62…板バネ 63…板バネ 71…固定部 72…圧電素子 73…ガイドバ
ー 74…ガイドバー 75…移動子 76…空間 77…制御回路 78…電源 79…電磁石 80…電磁石 81…板バネ 82…板バネ 83…封止パッ
キン 84…封止パッキン 85…封入部 86…封入部 91…移動レン
ズ 92…保持鏡筒 93…ガイドバ
ー 94…ガイドバー 95…固定部 96…圧電素子 97…変位拡大
装置 98…板バネ 99…封止パッ
キン 100…フレキシブルプリント回路基板 101…ER流体 102…電極 103…制御回路 104…電源 105…光軸 111…固定部 112…圧電素子 113…移動子 114…ガイドバー 115…ガイド
バー 116…電極 117…板バネ 118…フレキシブルプリント回路基板 119…ER流体 120…封止パ
ッキン 121…制御回路 122…電源

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動方向に沿って延びる固定部材と、任
    意の点の位置を該移動方向に沿って伸縮変位させる駆動
    部の伸縮方向両側に該固定部材と隙間を有して夫々ロッ
    ク部材を取り付けた移動子と、少なくとも該隙間に満た
    される電界または磁界の作用により粘性または見かけ上
    の粘性が変化する流体と、該流体に対して電界または磁
    界を作用させて少なくとも該各ロック部材と該固定部材
    との隙間における該流体の粘性または見かけ上の粘性を
    大きくさせる電界または磁界作用手段と、該振動子の駆
    動部および各ロック部材に夫々対応する電界または磁界
    作用手段の駆動タイミングを制御して、該移動子を予定
    移動方向に駆動制御する制御手段とを有することを特徴
    とする移動装置。
  2. 【請求項2】 固定部材に対して第1の隙間を有して移
    動可能な移動子と、該固定部材に対して移動可能である
    と共に、該移動子に対して第2の隙間を有して移動可能
    であって、任意の点の位置をその移動方向に沿って往復
    移動可能に駆動される駆動部材と、少なくとも該第1の
    隙間および該第2の隙間に満たされる電界または磁界の
    作用により粘性または見かけ上の粘性が変化する流体
    と、該第1の隙間および該第2の隙間の流体に対して電
    界または磁界を作用させて、該移動子と該固定部材の
    間、および該移動子と該駆動部材との間の隙間における
    該流体の粘性または見かけ上の粘性を大きくさせる電界
    または磁界作用手段と、該駆動部材および該移動子と該
    固定部材の間および該移動子と該駆動部材との間の電界
    または磁界作用手段の駆動タイミングを制御して、該移
    動子を予定移動方向に駆動制御する制御手段とを有する
    ことを特徴とする移動装置。
  3. 【請求項3】 固定部材に対して移動可能な移動子と、
    該固定部材に対して移動可能であると共に、該移動子に
    対して移動可能であって、任意の点の位置をその移動方
    向に沿って往復移動可能に駆動される駆動部材と、該固
    定部材と該移動子との間、または該固定子と該駆動部材
    との間のいずれか一方に少なくとも満たされる電界また
    は磁界の作用により粘性または見かけ上の粘性が変化す
    る流体と、該固定部材と該移動子との間、または該固定
    子と該駆動部材との間のいずれか一方に少なくとも満た
    される流体に対して電界または磁界を作用させて、その
    間の流体の粘性または見かけ上の粘性を大きくさせる電
    界または磁界作用手段と、該固定部材と該移動子との
    間、または該固定子と該駆動部材との間のいずれか他方
    に設けた、該流体の粘性増加による固定力よりも小さい
    摩擦力を発生させる摩擦手段と、該駆動部材および該電
    界または磁界作用手段の駆動タイミングを制御して、該
    移動子を予定移動方向に駆動制御する制御手段とを有す
    ることを特徴とする移動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3において、移動子
    は移動方向に沿って設けられた案内部材に支持されてい
    ることを特徴とする移動装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、移動子と固定部材と
    は該移動子の移動駆動力よりも小さい摩擦力を有する摩
    擦保持手段を介して摩擦接触していることを特徴とする
    移動装置。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3,4または5におい
    て、流体は部分的にシール部材により封止されているこ
    とを特徴とする移動装置。
  7. 【請求項7】 請求項1,2,3,4,5または6に記
    載の移動装置を駆動源とすることを特徴とする装置。
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