JPH0728816Y2 - 刈払機の刈刃の支持角度調節構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、支持角度を調節できる刈刃の回動中心となる
支点軸の締付けが作業時に弛まないよう一定に保持でき
るようにした刈払機の刈刃の支持角度調節構造に関す
る。

［従来の技術］ 従来は、下部に刈刃を軸架した刈刃駆動ギヤケースの上
部を操作桿の先端側伝動ギヤケースの横側面に対し接合
するとともに、一端側にナットを螺合した支点軸を介し
て回動可能に枢着し、前記操作桿にそわせて操作できる
ロッドを前記刈刃駆動ギヤケースに連動連繋し、前記刈
刃駆動ギヤケースを支点軸中心に回動させながら、側面
視において操作桿内の伝動軸に対する刈刃駆動ギヤケー
ス内の刈刃駆動軸の角度が変化するのにともなう刈刃の
支持角度を大小に変更調節可能にして構成した刈払機に
おいて、実開昭63-26222号公報に見られるように、前記
支点軸の一端側にはナットを締付けておくだけの構造に
なっていた。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、刈刃駆動ギヤケースが伝動ギヤケースに
対しスムーズに回動できるようナットを締付けておかな
ければならないが、そのようにナットを一定の締付力に
して締付けることはユーザにとっても難しいところであ
り、ハードな作業を行ったり刈刃の支持角度調節を行な
ったりすると、各部にガタが発生して頻繁にナットの締
付けを調整しなければならなくなる、といった不具合を
呈していた。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、そのような不具合を解決し、常にナットの締
付力を一定に保持しておくことができるようにしたもの
であり、そのため、刈刃駆動軸の伝動軸に対する角度を
大きくする方向に回動させる場合にはナットに係合しな
いが、小さくする方向に回動させる場合には係合するラ
チェット部をロッドにより刈刃駆動ギヤケースを介して
回動操作可能に連動連繋し、支点軸の他端側となる角形
頭部を、前記ラチェット部が前記ナットに係合して、所
定以上のトルクがかからないと回動できないよう前記伝
動ギヤケース側の座板に係合させて構成したものであ
る。

［作用］ したがって、刈刃駆動ギヤケースを支点軸中心に回動さ
せながら伝動軸に対する刈刃の支持角度を大きくする方
向に回動させて変更させる場合には、角形頭部が座板に
係合して支点軸が回動しないで、ラチェット部がナット
に係合しない状態で回動できることになり、また、逆に
刈刃駆動ギヤケースを回動させながら刈刃の支持角度を
小さくする方向に回動させて変更させる場合には、ラチ
ェット部がナットに係合しながら支点軸を回動させるこ
とになって、角形頭部が座板に対しすべりながら回動す
ることになり、そのため、刈刃の支持角度が変更調節さ
れたり、ハードな作業が行われても、ナットの締付力は
常に一定に保持されたままとなる。

［実施例］ 次に、図面に示す実施例について説明する。

第２図は刈払機全体の斜視図を示し、伝動軸（10）を内
装する長い操作桿（３）の後端部をエンジン（11）前部
のクラッチケース（12）に嵌挿して連結し、該クラッチ
ケース（12）の前方の操作桿（３）の部位には肩掛けバ
ンド用の吊金具（13）とグリップ（14）を嵌着し、その
前方にはスロットルレバー（15）を装備したハンドル杆
（16）を固設し、可搬して刈払作業ができるよう従来形
構造と同様に構成する。

また、前記ハンドル杆（16）の近傍となる操作桿（３）
の部位には、第５図・第６図に示すごとく複数の係合溝
（17a）を有する案内溝（17）を形成したガイド板（1
8）を架設し、前記案内溝（17）に嵌挿してガイド板（1
8）に支点軸（19）を介し枢支したレバー（20）の下端
部にはロッド（７）の後端部を連結し、該ロッド（７）
を各ガイド（21）に嵌挿するとともに前記操作桿（３）
の下方にそわせて前方へ延設し、従来形構造同様に構成
する。

前記操作桿（３）の先端部は伝動ギヤケース（４）の後
方支持筒（4a）に嵌挿して固定し、下部に刈刃（１）を
軸架した刈刃駆動ギヤケース（２）の上部側面を前記伝
動ギヤケース（４）の側面にスペーサ（22）を介装して
摺動自在に接合し、両ギヤケース（２）（４）間にまた
がって軸架するボルト形の支点軸（６）には両面形のベ
ベルギヤ（23）を嵌装し、該ベベルギヤ（23）の一面に
噛合するベベルギヤ（24）には前記伝動軸（10）の先端
側を連結固定し、前記刈刃駆動ギヤケース（２）内の刈
刃駆動軸（25）に固定したベベルギヤ（26）を前記ベベ
ルギヤ（23）の他面に噛合し、前記刈刃駆動ギヤケース
（２）の下部のボス部（2a）にボルト（27）を介して連
設した連結杆（28）の後部には前記ロッド（７）の先端
部を連結ピン（29）を介して連結し、前記刈刃駆動ギヤ
ケース（２）を支点軸（６）中心に回動させながら、操
作桿（３）内の伝動軸（10）に対する刈刃駆動ギヤケー
ス（２）内の刈刃駆動軸（25）の角度が変化するのにと
もなう刈刃（１）の支持角度を大小に変更調節できるよ
うにして構成する。

前記支点軸（６）の他端側に一体的に形成した６角形の
角形頭部（6a）を伝動ギヤケース（４）の外側方に突設
するとともに、該ケース（４）の外側方に一端側をボル
ト（30）により固定した座板（９）には前記角他頭部
（6a）を所定以上のトルクでないと回動できないように
係合して構成するが、前記座板（９）は板状体のものを
ばねにより弾圧支持するようにして構成することもでき
る。

また、前記支点軸（６）の一端側に形成したねじ部（6
b）にはＯリング（31）、平ワッシャ（32）およびスプ
リングワッシャ（33）を嵌挿するとともにナット（５）
を螺合し、前記刈刃駆動軸（25）の前記伝動軸（10）に
対する角度を大きくする方向に回動させる場合には前記
ナット（５）の角部に係合しないが、小さくする方向に
回動させる場合には係合するラチェット部（８）を前記
ロッド（７）により刈刃駆動ギヤケース（２）を介して
回動操作可能に連動連繋して構成する。

したがって、刈刃（１）の伝動軸（10）に対する支持角
度が前記刈刃駆動軸（25）と同様に調節可能となる。

前記ラチェット部（８）は前記刈刃駆動ギヤケース
（２）の外側方に各ねじ（34）により固設する。

以上により、刈刃角度調節用のレバー（20）を第６図の
ごとく矢印（イ）方向に操作すると、ロッド（７）が矢
印（ロ）方向に押されて、刈刃駆動ギヤケース（２）が
支点軸（６）中心に矢印（ハ）方向に回動しながら刈刃
駆動軸（25）の角度、すなわち刈刃（１）の支持角度を
第３図および第４図に仮想線で示すように大きく変更さ
せることになるが、その場合、角形頭部（6a）が座板
（９）に係合して支点軸（６）が回動できない状態で、
ラチェット部（８）はナット（５）の角度に対し係合し
ないまま回動するよう設定されている。

また、逆に操作して刈刃駆動ギヤケース（２）を矢印
（ハ）の逆方向に回動させながら刈刃（１）の伝動軸
（10）に対する支持角度を小さくする方向に変更させる
場合には、ラチェット部（８）に通常設けられている爪
がナット（５）の角部に対し係合するよう設定されてお
り、そこで、所定の締付けトルク以上にナット（５）が
締付けられると角形頭部（6a）が座板（９）を押し開き
ながらすべって回動することになる。

そのように刈刃（１）の支持角度が変更調節されたり、
ハードな作業が行われても、ナット（５）の締付力は所
定の締付けトルク以上にはならず、常に一定に保持され
たままとなる。

［考案の効果］ このように本考案は、伝動軸（10）に対する刈刃（１）
の支持角度を大きくする方向に回動させる場合には、角
形頭部（6a）が座板（９）に係合して支点軸（６）が回
動しないで、ラチェット部（８）がナット（５）に係合
しない状態で回動できることになり、また、逆に刈刃
（１）の支持角度を伝動軸（10）に対して小さくする方
向に回動させて変更させる場合には、ラチェット部
（８）がナット（５）に係合しながら支点軸（６）を回
動させることになって、角形頭部（6a）が座板（９）に
対しすべりながら回動することができることになり、そ
のため、刈刃（１）の支持角度を変更調節したり、ハー
ドな作業を行っても、ナット（５）の締付力は常に一定
に保持されたままとなって、従来のようにナットの締付
け調整を行ったり、各部にガタが発生することもなく、
刈刃駆動ギヤケース（２）がスムーズに回動できるよう
良好に支持できることになり、簡単な構造にして好適に
実施できる特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である要部の断面図、第２図は
刈払機の斜視図、第３図は要部の側面図、第４図は第３
図の背面図、第５図は第２図の一部の拡大図、第６図は
第５図の一部の側面図である。 （１）……刈刃、（２）……刈刃駆動ギヤケース （３）……操作桿、（４）……伝動ギヤケース （５）……ナット、（６）……支点軸 （７）……ロッド、（８）……ラチェット部 （6a）……角形頭部、（９）……座板 （10）……伝動軸、（25）……刈刃駆動軸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下部に刈刃（１）を刈刃駆動軸（25）にて
   軸架した刈刃駆動ギヤケース（２）を設け、該ギヤケー
   ス（２）の上部を操作桿（３）の先端側に固定した伝動
   ギヤケース（４）の横側面に対し接合するとともに、一
   端側にナット（５）を螺合した支点軸（６）を介して回
   動可能に枢着し、前記操作桿（３）にそわせて操作でき
   るロッド（７）を前記刈刃駆動ギヤケース（２）に連動
   連繋し、前記刈刃駆動ギヤケース（２）を支点軸（６）
   中心に前後方向に回動させながら、側面視において操作
   桿（３）内の伝動軸（10）に対する刈刃駆動ギヤケース
   （２）内の刈刃駆動軸（25）の角度を大小に変更調節可
   能にして構成した刈払機において、前記刈刃駆動軸（2
   5）の前記伝動軸（10）に対する角度を大きくする方向
   に回動させる場合には前記ナット（５）に係合しない
   が、小さくする方向に回動させる場合には係合するラチ
   ェット部（８）を前記ロッド（７）により刈刃駆動ギヤ
   ケース（２）を介して回動操作可能に連動連繋し、前記
   支点軸（６）の他端側となる角形頭部（6a）を、前記ラ
   チェット部（８）が前記ナット（５）に係合して、所定
   以上のトルクがかからないと回動できないよう前記伝動
   ギヤケース（４）側の座板（９）に係合させて構成した
   ことを特徴とする刈払機の刈刃の支持角度調節構造。