JPH07288133A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
度分布をガスの流れ方向に沿って均一にする。 【構成】 単電池の間に挿入されるセパレータ60に
は、燃料ガス流路溝40が設けられている。燃料ガス流
路溝40は、その溝の深さが入口側40iから出口側4
0eにわたって漸次浅くなるように形成されている。そ
して、燃料ガス流路溝40内には整流板42が設けられ
ている。整流板42は、断面コの字形の樋状の形状をし
た樹脂性の板であり、燃料ガス流路溝40を2つの2つ
のガス流路40a,ガス流路40bに分割している。こ
うした構成により、高負荷時に、燃料ガス流路溝40の
入口側で燃料ガス中の水素が多量に消費されても、水素
成分の分圧の高い、まだ水素が消費されていない燃料ガ
スG2が、燃料ガス流路溝40の出口側に位置する領域
に送られる。
Description
しくは、単電池とセパレータとの境に設けられるガス流
路の構造に関する。
電気的エネルギに変換する装置として燃料電池が知られ
ている。この燃料電池は、通常、電解質を挟んで一対の
電極を配置するとともに、一方の電極の表面に水素等の
燃料ガスを接触させ、また他方の電極の表面に酸素を含
有する酸化ガスを接触させ、このとき起こる電気化学反
応を利用して、電極間から電気エネルギを取り出すよう
にしている。燃料電池は、燃料ガスと酸化ガスが供給さ
れている限り高い効率で電気エネルギを取り出すことが
できる。
らなる単電池をセパレータを介して複数個積層すること
で構成されており、燃料ガスおよび酸化ガスは、そのセ
パレータに形成された流路溝を流すことで、各電極表面
との接触が可能となっている。
ガスに含まれる酸素は、前記流路溝を通過中に、電気化
学反応により連続的に消費されることから、流路溝の入
口付近では、分圧が高くなり、流路溝の出口に近づくに
つれて分圧が小さくなった。そこで、こうした不具合を
解消する燃料電池として、流路溝を入口側から出口側に
わたって漸次狭くした構成が提案されていた(例えば、
特開昭61−256568号公報)。流路溝の出口側を
狭くすることにより、その出口側の流速を高めてガス拡
散性の向上を図ることができ、この結果、電極面内での
発電反応のバラツキが軽減され、ガスの流れ方向に沿っ
て電流密度が均一化された。
た従来の燃料電池では、高負荷が掛かると、その負荷増
に充分に対応しきれなかった。というのは、高負荷が掛
かると、流路溝の入口側でガス中の水素や酸素が多量に
消費されるため、出口側には充分に水素や酸素が到達せ
ず、出口側部分での反応が低下するためで、従来技術の
ように、出口側の流速をいかに高めても、出口側に到達
する水素や酸素は充分でなく、ガスの流れ方向に沿って
電流密度を均一化することができないといった問題が生
じた。
鑑みてなされたもので、高負荷時においても、電流密度
分布をガスの流れ方向に沿って均一にすることを目的と
している。
べく、前記課題を解決するための手段として、以下に示
す構成をとった。
の電極で挟持する単電池と、複数の単電池の間に挿入さ
れ、それら単電池を直列接続するセパレータと、前記単
電池とセパレータとの境に設けられ、電気化学反応を発
生させる反応ガスを前記単電池の面方向に流すガス流路
とを備えた燃料電池において、前記ガス流路内に、前記
ガス流路の入口部から中途部に至り、前記単電池の表面
部分を隔てる側路を形成した構成をとった。
前記ガス流路は、当該ガス流路の断面が入口部から出口
部にわたって漸次狭くなるように構成してもよい。
れば、ガス流路内に形成された側路により、反応ガスは
ガス流路の入口部から中途部まで複数の流れに分岐し、
その分岐した側の反応ガスは単電池の表面部分から隔た
ってその表面部分に触れることがない。したがって、高
負荷時においてガス流路の入口側で反応ガス中の有効成
分が多量に消費されるような場合にも、側路により出口
側にも新たな反応ガスが送られることから、その出口側
でも充分な量の有効成分を受けることができ、電極面内
での発電反応のバラツキが軽減される。
部にわたって漸次狭くなるように構成されることで、出
口側の流速を高めて、より一層の反応ガスの供給効率の
向上を図ることが可能である。
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。
高分子型の燃料電池1のセル構造の模式図である。この
図に示すように、燃料電池1は、そのセル構造として、
電解質膜10と、この電解質膜10を両側から挟んでサ
ンドイッチ構造とするガス拡散電極としてのアノード2
0およびカソード30と、このサンドイッチ構造を両側
から挟みつつ燃料ガスの流路溝40および酸化ガス(酸
素含有ガス)の流路溝50を形成するセパレータ60と
を備える。なお、図1には、電解質膜10,アノード2
0およびカソード30からなる単電池を1つだけ示した
が、実際は、セパレータ60,アノード20,電解質膜
10,カソード30,セパレータ60の順に単電池を複
数個積層して固体高分子型燃料電池を構成する。
素系樹脂により形成されたイオン交換膜であり、湿潤状
態で良好な電気電導性を示す。アノード20およびカソ
ード30は、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンク
ロスにより形成されており、このカーボンクロスには、
触媒としての白金または白金と他の金属からなる合金等
を担持したカーボン粉がクロスの隙間に練り込まれてい
る。
透過としたガス不透過カーボンにより形成されている。
セパレータ60には、その一方面にリブ62が形成され
ており、このリブ62とアノード20の表面とで前記燃
料ガスの流路溝40を形成している。また、セパレータ
60の他方面にリブ64が形成されており、このリブ6
4とカソード30の表面とで前記酸化ガスの流路溝50
を形成している。なお、これら燃料ガス流路溝40と酸
化ガス流路溝50とは、その向きが直行する方向に形成
されている。
図3を用いてさらに詳しく説明する。これら図に示すよ
うに、セパレータ60は、その両面に前述した燃料ガス
流路溝40および酸化ガス流路溝50を備える。燃料ガ
ス流路溝40は、その溝の深さが入口部40iから出口
部40eにわたって漸次浅くなるように形成されてお
り、その溝内に整流板42が設けられている。整流板4
2は、断面コの字形の樋状の形状をした樹脂製の板であ
り、その深さDは、燃料ガス流路溝40の入口部40i
の溝の深さdのほぼ2分の1で、その長手方向の長さL
は燃料ガス流路溝40の長さlのほぼ2分の1である。
整流板42は、コの字の開口部を燃料ガス流路溝40の
深さ方向に向けて、その端部42aが燃料ガス流路溝4
0の入口部40iに位置するように燃料ガス流路溝40
内に固着されており、燃料ガス流路溝40内を2つのガ
ス流路40a,ガス流路40bに分割している。なお、
整流板42は、樹脂製に換えて、耐腐食性がある材質、
例えば、カーボン,セラミック等から形成されたものと
しても良い。
路溝40と同様に、その溝の深さが入口部50iから出
口部(図示せず)にわたって漸次浅くなるように形成さ
れており、その溝内には、前記整流板42と同じ整流板
52が同様に設けられて、整流板52により酸化ガス流
路溝50内は2つのガス流路50a,50bに分割され
ている。
て、次に説明する。図示しない燃料ガス源からアノード
20側の燃料ガス流路溝40に燃料ガスが送られると、
この燃料ガスは、図3に示すように、燃料ガス流路溝4
0の入口部40iで整流板42により分岐され、2つの
ガス流路40a,40bを流れる。図4にはアノード2
0の表面Sを一点鎖線で示したが、この図に示すよう
に、よりアノード20に近い側のガス流路40aを流れ
る燃料ガスG1は、アノード20の表面S内を燃料ガス
流路溝40の方向に2つの領域S1,S2に分割した際
の入口側に位置する領域S1に向かって送られ、他方側
のガス流路40bを流れる燃料ガスG2は、その出口側
に位置する領域S2に向かって送られる。
30側の酸化ガス流路溝50に酸化ガスが送られると、
この燃料ガスは、燃料ガス流路溝40内の燃料ガスの流
れと同様に、酸化ガス流路溝50内を2つのガス流路5
0a,50bに分岐されて、カソード30の表面内の酸
化ガス流路溝50方向に並列した2つの領域に向かって
それぞれ送られる。
よれば、高負荷時に、燃料ガス流路溝40の入口側に位
置するアノード20上の領域S1で燃料ガス中の水素が
多量に消費されても、領域S1に燃料ガスG1を送るガ
ス流路40aとは独立したガス流路40bから新たな燃
料ガスG2が、燃料ガス流路溝40の出口側に位置する
領域S2に送られることから、その領域S2に水素成分
の分圧の高い、まだ水素が消費されていない燃料ガスを
供給することができる。このため、アノード20の表面
Sでの発電反応のバラツキを軽減することができ、この
結果、電流密度分布をガスの流れ方向に沿って均一にす
ることができる。また、同様な理由で、カソード30の
表面での発電反応のバラツキを軽減することができ、カ
ソード側においても電流密度分布をガスの流れ方向に沿
って均一にすることができる。これらの結果、ガスの流
れ方向の温度分布を均一にできることから、燃料電池1
の局部的な劣化を抑制し、延いては燃料電池1の長寿命
化を図ることができる。また、高電流密度域においても
安定した出力特性を維持できることから、電池性能の向
上を図ることができる。
なった実験について、次に説明する。この実験に用いた
燃料電池1の諸元からまず説明する。燃料電池1として
積層された単電池は1つで、各部の寸法は次のようなも
のである。アノード20およびカソード30は、1辺の
長さ100mmで、面積100cm2 であり、両面に触
媒として白金を0.5mg/cm2 担持したものであ
る。アノード20に形成した燃料ガス流路溝40は、溝
幅1mm、溝と溝の間隔1mm、溝の入口部40iでの
深さ3mm、出口部40eでの深さ1mmである。カソ
ード30に形成した酸化ガス流路溝50は、溝の出口部
50eの深さは2mmで、それ以外の溝幅、溝間隔、溝
の入口部50iでの深さについては燃料ガス流路溝40
と同じ寸法である。
る。前記単電池を75℃に温調し、燃料ガス流路溝40
には、水温80℃でバブラによって加湿した、H2:C
O2の比が3:1のメタノール改質ガスを供給し、酸化
ガス流路溝50には、水温60℃でバブラによって加湿
した空気を供給する。そうして、この燃料電池1につい
て放電試験を行なった。なお、このときのガス圧は、両
電極側共、絶対圧3at(3×9.80665×104
Pa)に設定し、流量は各電流密度に対し反応ガスが理
論消費量の1.5倍になるように設定した。この実験結
果を以下の表に示した。
52を設けず、それ以外は全く同一の条件で行なった場
合の実験結果も示した。なお、表中の値は、放電により
検出された端子間電圧を、整流板有で、電流密度0.5
A/cm2 の時の端子間電圧を1としたときの相対値で
示した。
52を設けることで、整流板42,52が無いものに比
較して、電流密度を変化させても安定した端子間電圧を
得ることができ、電池性能に優れていることがわかる。
常、実験で行なったように、電解質の湿潤状態を保つた
めに反応ガスの加湿を行なうが、こうした場合に、従
来、ガス流路の入口側から出口側へ反応ガス中の水蒸気
分圧に差が生じ、電極面内の含水率にバラツキが発生し
た。これに対して、この燃料電池1では、電極面内の含
水率のバラツキを軽減して、電解質膜10の導電性の均
一化を図ることができ、局部的なドライアップを防止す
ることができる。
ガス流路溝40に1枚の整流板42を設けていたが、こ
れに換えて、2枚の整流板101,102を設ける構成
としてもよい。整流板101,102は、前記実施例の
整流板42と同様に、断面コの字形の樋状の形状をした
樹脂性の板であり、両者が燃料ガス流路溝40内に積層
される。こうした構成により、燃料ガス流路溝40内
は、3つのガス流路111,112,113に分岐され
る。従って、アノード20の表面内の燃料ガス流路溝4
0方向に並列した3つの領域に向かって、独立した新た
な燃料ガスを供給することができる。このため、燃料ガ
ス流路溝40の方向の位置に関わらず、アノード20の
表面に水素分圧の高い燃料ガスを供給することができ、
アノード20の表面での発電反応のバラツキを軽減し
て、電流密度分布をガスの流れ方向に沿って均一にする
ことができる。なお、カソード30側の酸化ガス流路溝
50も同様に、2枚の整流板を用いて3つのガス流路を
設ける構成としてもよい。
流路溝40および酸化ガス流路溝50内をより多くのガ
ス流路に分割するように構成すれば、電流密度分布をガ
スの流れ方向に沿ってより均一化することができる。
ータ60にリブ62,64を設けて燃料ガスおよび酸化
ガスの流路溝40,50を形成する、いわゆるリブ付セ
パレータ型のものであるが、これに換えて、アノード2
0およびカソード30にリブを設けて燃料ガスおよび酸
化ガスの流路溝を形成する、いわゆるリブ付電極型のも
のとしてもよい。この構成においても、同様に、整流板
を用いて流路溝を複数に分岐することで、前述した実施
例と同様な効果を奏することができる。
ス流路溝40を、入口部から出口部にわたって断面が変
わらない形状とし、その入口部から中途部に至る範囲
に、その溝の深さ方向を2分割する仕切板を設けるよう
に構成してもよい。この構成によれば、最も簡単な構成
でありながら、電流密度分布をガスの流れ方向に沿って
均一化することが可能となる。
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、例えば、固体高分子型の燃料電池に換えて、りん酸
型のもの、あるいは溶融炭酸塩型のものとした構成等、
本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる態
様で実施し得ることは勿論である。
は、高負荷時においても低負荷時同様に、反応ガスの流
れ方向に沿って電流密度を均一化することができる。こ
の結果、反応ガスの流れ方向の温度分布を均一にできる
ことから、電池の局部的な劣化を抑制し、延いては電池
の長寿命化を図ることができる。また、高電流密度域に
おいても安定した出力特性を維持できることから、電池
性能の向上を図ることができる。
状態を保つために反応ガスの加湿を行なうが、こうした
場合に、従来、ガス流路の入口側から出口側へ反応ガス
中の水蒸気分圧に差が生じ、電極面内の含水率にバラツ
キが発生した。これに対して、本発明の燃料電池では、
電極面内の含水率のバラツキを軽減して、電解質の導電
性の均一化を図ることができる。
造の模式図である。
る。
1,G2と接触するアノード20の表面Sを示す説明図
である。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 電解質を2つの電極で挟持する単電池
と、 複数の単電池の間に挿入され、それら単電池を直列接続
するセパレータと、 前記単電池とセパレータとの境に設けられ、電気化学反
応を発生させる反応ガスを前記単電池の面方向に流すガ
ス流路とを備えた燃料電池において、 前記ガス流路内に、 前記ガス流路の入口部から中途部に至り、前記単電池の
表面部分を隔てる側路を形成したことを特徴とする燃料
電池。 - 【請求項2】 前記ガス流路は、当該ガス流路の断面が
入口部から出口部にわたって漸次狭くなるように構成さ
れた請求項1記載の燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10229394A JP3509180B2 (ja) | 1994-04-15 | 1994-04-15 | 燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10229394A JP3509180B2 (ja) | 1994-04-15 | 1994-04-15 | 燃料電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07288133A true JPH07288133A (ja) | 1995-10-31 |
JP3509180B2 JP3509180B2 (ja) | 2004-03-22 |
Family
ID=14323573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10229394A Expired - Fee Related JP3509180B2 (ja) | 1994-04-15 | 1994-04-15 | 燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3509180B2 (ja) |
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-
1994
- 1994-04-15 JP JP10229394A patent/JP3509180B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP3509180B2 (ja) | 2004-03-22 |
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