JPH07286656A - デフ入力軸支持部のオイルシール装置 - Google Patents

デフ入力軸支持部のオイルシール装置

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JPH07286656A
JPH07286656A JP6099177A JP9917794A JPH07286656A JP H07286656 A JPH07286656 A JP H07286656A JP 6099177 A JP6099177 A JP 6099177A JP 9917794 A JP9917794 A JP 9917794A JP H07286656 A JPH07286656 A JP H07286656A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 デフ入力軸等の分解時にオイルシールが損傷
するのを防止すると共にベアリングを抜き出すと同時に
オイルシールも抜き出して分解作業の効率性を向上しつ
つ、オイルの循環を容易にしてオイルシールの耐久性を
向上させる。 【構成】 オイルシール装置10は、ユニバーサルジョ
イントフランジ18に圧接して設けられてデフ内のオイ
ルをシールするオイルシール30を有している。このオ
イルシール30とベアリング24との間には、略リング
状の保護板36が配置される。この保護板36は、デフ
入力軸支持部12等の分解時にベアリング24が当接し
このベアリング24と共にオイルシール30を抜き出す
ような大きさを有し、かつ、その板面にはオイル連通孔
40が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等に用いられる
デフの入力軸を支持するデフ入力軸支持部に設けられ、
この入力軸の回転を円滑にするために充填されるオイル
をシールするオイルシール装置の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車等に用いられるデフ(差動装置)
は、一般的に、図7に示すように、キャリアケース20
と、このキャリアケース20内に配置されデフケースレ
フト42aに固定して取付けられるリングギヤ44と、
キャリアケース20に回転自在に支持されて、このリン
グギヤ44に噛み合うピニオン46を先端に有する入力
軸14を備えている。また、デフケース42は、デフケ
ースレフト42aと、このデフケースレフト42aにボ
ルト42cにより結合され差動機構を内装するデフケー
スライト42bから成り、リングギヤ44はこのデフケ
ース42にボルト44aで保持される。このデフケース
ライト42b内には、十字形に延びる軸部に自転可能に
嵌合した4つのデフピニオン48を有するスパイダ50
と、このデフピニオン48に噛み合う2つのサイドギヤ
52とが設けられ、このサイドギヤ52には図示しない
左右のアクスルシャフトが、スプライン結合している。
【0003】入力軸14は、図6に示すように、ユニバ
ーサルジョイントフランジ18を介してプロペラシャフ
ト16に接続され、このプロペラシャフト16の回転力
が伝達されて回転駆動する。このようにして先端にピニ
オン46を有する入力軸14が回転駆動すると、このピ
ニオン46と噛み合うリングギヤ44が固定して取付け
られたデフケース42、及びこのデフケース42内に配
置されたサイドギヤ52が、図示しないアクスルシャフ
トの軸線を中心に一体的に回転して、車両の直進時には
デフピニオン48が自転することなく図示しないアクス
ルシャフトの軸線を中心に回転することによりサイドギ
ヤ52が回転して、このサイドギヤ52にスプライン結
合された図示しない左右のアクスルシャフトが等速で回
転する。一方、車両が進行方向を変え左右の車輪に回転
数差が生じた時には、デフピニオン48が自転すること
により、この回転数差を調整して、タイヤが滑るのを防
止している。
【0004】このようなデフにおいて、その入力軸14
をキャリアケース20に回転自在に支持するデフ入力軸
支持部12について更に詳細に述べると、このデフ入力
軸支持部12は、図4及び図6に示すように、キャリア
ケース20に固定して取付けられたベアリングケージ2
2と、このベアリングケージ22に支持されるベアリン
グ24とを備え、このベアリングケージ22の内面22
aにベアリング24のアウターレース26を圧入すると
共に、インナーレース28の内周面28aに入力軸14
を圧入することにより組み付けられ、ベアリング24を
介して入力軸14を回転自在に支持している。
【0005】このデフ入力軸支持部12のキャリアケー
ス20内には、入力軸14の回転を円滑にするために、
オイルが充填される。この場合、このオイルの漏れを防
ぐため、特に、図4に示すように、ユニバーサルジョイ
ントフランジ18に圧接するリップ部34を有するオイ
ルシール30を備えたオイルシール装置10が設けられ
ている。
【0006】一般的なオイルシール装置10において
は、修理点検の目的でデフ入力軸支持部12を分解する
ために、ベアリング24を抜き取る時に、ベアリング2
4のインナーレース28等が、オイルシール30に接触
して、特にそのリップ部34を損傷させ、オイルシール
30の再利用を不可能とし、再組付け時において、オイ
ルシール30を交換しなければならないことがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、このようなオ
イルシール装置10においては、デフ入力軸支持部12
又はデフの分解、再組付け時に、ベアリング24がオイ
ルシール30に接触して、そのリップ部34を損傷する
のを防止し、オイルシール30の再使用を可能にするた
め、図4に示すように、保護板36が設けることが望ま
しい。
【0008】この保護板36は、図4に示すように、ベ
アリング24とオイルシール30との間に配置され、図
5に示すように、プロペラシャフト側から見た場合、入
力軸14及びユニバーサルジョイントフランジ18と同
心円上に配置される略リング状の形状を有する。このリ
ング状の形状を有する保護板36の内周縁36aの内径
1 (図5参照)は、図5に示すように、ベアリング2
4のインナーレース28の外径d2 (図5参照)よりも
小さく形成されている。このため、図4に示すように、
デフの分解時等に、ベアリング24を抜き取ろうとする
と、ベアリング24のインナーレース28がこの保護板
36に当接する。従って、図4に示すように、この保護
板36により、ベアリング24がオイルシール30に接
触して特にそのリップ部34を損傷するのを防止するこ
とができると共に、ベアリング24を抜き取ると同時に
オイルシール30も抜き出すことができ、デフの分解作
業の効率が向上する。
【0009】もっとも、この保護板36を設けた場合、
保護板36にベアリング24のインナーレース28を当
接させる関係上、保護板36の内周縁36aの内径d1
(図5参照)が小さく形成され、図4及び図5に示すよ
うに、保護板36と、ユニバーサルジョイントフランジ
18との間の間隙t(図4及び図5参照)が狭小となる
ため、保護板36を挟んだオイルシール30側とベアリ
ング24側との間でオイルの循環が滞り、リップ部34
の周辺において局部的な油温が上昇し、リップ部34の
耐久性が低下する問題がある。一方、保護板36を設け
なければ油温上昇を抑制することはできるが、これで
は、上述したように、デフの分解時に、ベアリング24
がオイルシール30に接触してオイルシール30を損傷
するおそれがある。
【0010】本発明の目的は、上記の問題点を回避し、
分解時にベアリングがオイルシールに接触してそのリッ
プ部を損傷させるのを防止しオイルシールの再利用を確
保すると同時にベアリングと共にオイルシールを抜き取
って分解作業の効率性を確保しつつ、オイルの循環を容
易にして局部的な油温上昇を抑制しオイルシールの耐久
性を向上させることができるデフ入力軸支持部のオイル
シール装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するための手段として、プロペラシャフトにユニバ
ーサルジョイントフランジを介して接続された入力軸を
ベアリングを介してキャリアケースに回転自在に支持す
るデフ入力軸支持部のユニバーサルジョイントフランジ
に圧接して設けられてキャリアケース内のオイルをシー
ルするオイルシールを有するデフ入力軸支持部のオイル
シール装置において、オイルシールとベアリングとの間
に配置されオイルシールを保護する略リング状の保護板
を備え、この保護板は、デフ入力軸支持部の分解時にベ
アリングのインナレースが当接してこのベアリングと共
にオイルシールを抜き出すような大きさを有し、且つ保
護板は、ベアリング側とオイルシール側とを連通するオ
イル連通孔を有することを特徴とするデフ入力軸支持部
のオイルシール装置を提供するものである。
【0012】
【作用】このように、保護板を設け、この保護板にオイ
ル連通孔を形成すると、保護板がデフの分解時等に抜き
取られたベアリングに当接しベアリングがオイルシール
に接触するのを防止することができると同時にベアリン
グと共にオイルシールを抜き出すことができる一方、オ
イル連通孔を通じてオイルが容易に循環するため、リッ
プ部周辺における局部的な油温上昇を抑制することがで
きる。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明
すると、図1は本発明のオイルシール装置10を備えた
デフ入力軸支持部12を示し、このデフ入力軸支持部1
2は、図1及び図2に示すように、入力軸14をプロペ
ラシャフト16に接続するユニバーサルジョイントフラ
ンジ18と、キャリアケース20に固定して取付けられ
たベアリングケージ22と、このベアリングケージ22
に支持されるローラベアリング等のベアリング24とを
備えている。
【0014】デフ入力軸支持部12は、図2に示すよう
に、このベアリングケージ22の内面22aにベアリン
グ24のアウターレース26を圧入すると共に、インナ
ーレース28の内周面28aに入力軸14を圧入するこ
とにより組み付けられ、図1及び図2に示すように、プ
ロペラシャフト16にユニバーサルジョイントフランジ
18を介して接続された入力軸14は、このベアリング
24を介してキャリアケース20に回転自在に支持され
る。
【0015】オイルシール装置10は、図2に示すよう
に、デフ入力軸支持部12のユニバーサルジョイントフ
ランジ18に圧接して設けられたオイルシール30と、
ベアリングケージ22とオイルシール30との間に設け
られてこのオイルシール30を支持するオイルシール支
持部材32とを備えている。このオイルシール30は、
図2に示すように、リップ部34を有し、このリップ部
34がユニバーサルジョイントフランジ18の外周面1
8aに圧接して、キャリアケース20内のオイルをシー
ルする。
【0016】また、このオイルシール装置10は、図2
及び図3に示すように、オイルシール30とベアリング
24との間に配置されオイルシール30を保護する保護
板36を備えている。
【0017】この保護板36は、特に図3に示すよう
に、プロペラシャフト16側から見た場合、入力軸14
及びユニバーサルジョイントフランジ18と同心円上に
配置される略リング状の形状を有する。
【0018】また、この保護板36は、デフ入力軸支持
部12の分解時にベアリング24のインナレース28が
当接してこのベアリング24と共にオイルシール30を
抜き出すような大きさを有する。具体的には、リング状
の形状を有する保護板36の内周縁36aの内径d1
(図3参照)は、図3に示すように、ベアリング24の
インナーレース28の外径d2 (図3参照)よりも小さ
く形成されている。
【0019】このため、図2に示すように、デフの分解
時等に、ベアリング24を抜き取ろうとすると、ベアリ
ング24のインナーレース28が、この保護板36に当
接する。従って、図2に示すように、この保護板36に
より、ベアリン24がオイルシール30に接触して特に
そのリップ部34を損傷するのを防止することができる
と共に、ベアリング24を抜き取ると同時にオイルシー
ル30も抜き出すことができ、デフの分解作業の効率が
向上する。
【0020】なお、この保護板36は、デフ入力軸支持
部12等の分解時において、ベアリング24のインナー
レース28が、保護板36に確実に当接するのを助ける
ため、図2に示すように、ベアリング24の保持器38
が逃げる逃げ溝36bを設ける一方、その内周縁36a
をインナレース28側へ向けて突出させてある。
【0021】更に、本発明においては、保護板36は、
図2及び図3に示すように、ベアリング24側とオイル
シール30側とを連通するオイル連通孔40を有する。
【0022】このため、キャリアケース20内のオイル
は、保護板36を挟んだベアリング24側とオイルシー
ル30側との間で、保護板36とユニバーサルジョイン
トフランジ18との間の間隙t(図2及び図3参照)が
狭くても、このオイル連通孔40を通じて容易に循環す
ることができるため、オイルがリップ部34周辺に滞留
することなく、リップ部34周辺における局部的な油温
上昇を抑制することができる。
【0023】なお、このオイル連通孔40は、図示の実
施例では、保護板36に複数設けられているのが示され
ているが、これは、オイル連通孔40の開口面積が広い
方が、オイルの循環がより容易となるからである。従っ
て、オイルの循環を確保することができる面積があれ
ば、2つか3つか等のオイル連通孔40の数、また、1
個当りの大きさ(開口面積)や形状も問わない。具体的
には、図示の実施例では、オイル連通孔40は複数の丸
孔であるのが示されているが、これ以外の、例えば、長
孔としてもよいし、また、四角形状としてもよい。但
し、これらの場合、保護板36の強度を確保することが
できる限りにおいて、オイル連通孔40の大きさや形
状、数等を決定する必要がある。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、デフ入
力軸支持部のオイルシールとベアリングとの間に保護板
を設けて、この保護板にオイル連通孔を形成しているた
め、保護板がデフの分解時等に抜き取られたベアリング
に当接しベアリングがオイルシールに接触するのを防止
してオイルシールの再利用をすることができると同時
に、ベアリングと共にオイルシールを抜き出すことがで
きるので分解作業の効率性が向上する実益がある。ま
た、オイル連通孔を通じてオイルシール側とベアリング
側との間でオイルが容易に循環するので、リップ部周辺
における局部的な油温上昇を抑制して、オイルシールの
耐久性を向上させることができる実益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオイルシール装置を備えたデフ入力軸
支持部の断面図である。
【図2】本発明のオイルシール装置の要部の断面図であ
る。
【図3】本発明に用いられる保護板の取付状態を示す概
略平面図である。
【図4】保護板が取り付けられた比較例のオイルシール
装置の要部の断面図である。
【図5】図4に示す比較例に用いられる保護板の取付状
態を示す概略平面図である。
【図6】一般的なデフ入力支持部の断面図である。
【図7】一般的なデフの概略分解斜視図である。
【符号の説明】
10 オイルシール装置 12 デフ入力軸支持部 14 入力軸 16 プロペラシャフト 18 ユニバーサルジョイントフランジ 20 キャリアケース 22 ベアリングケージ 22a ベアリングケージの内面 24 ベアリング 26 アウターレース 28 インナーレース 28a インナーレースの内周面 30 オイルシール 32 オイルシール支持部材 34 リップ部 36 保護板 36a 保護板の内周縁 36b 保護板の逃げ溝 38 ベアリング保持器 40 オイル連通孔 42 デフケース 42a デフケースレフト 42b デフケースライト 42c ボルト 44 リングギヤ 44a ボルト 46 リングギヤ 46 ピニオン 48 デフピニオン 50 スパイダ 52 サイドギヤ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロペラシャフトにユニバーサルジョイ
    ントフランジを介して接続された入力軸をベアリングを
    介してキャリアケースに回転自在に支持するデフ入力軸
    支持部の前記ユニバーサルジョイントフランジに圧接し
    て設けられて前記キャリアケース内のオイルをシールす
    るオイルシールを有するデフ入力軸支持部のオイルシー
    ル装置において、前記オイルシールと前記ベアリングと
    の間に配置され前記オイルシールを前記ベアリングから
    保護する略リング状の保護板を備え、前記保護板は、前
    記デフ入力軸支持部の分解時に前記ベアリングのインナ
    レースが当接して前記ベアリングと共に前記オイルシー
    ルを抜き出すような大きさを有し、且つ前記保護板は、
    前記ベアリング側と前記オイルシール側とを連通するオ
    イル連通孔を有することを特徴とするデフ入力軸支持部
    のオイルシール装置。
JP6099177A 1994-04-14 1994-04-14 デフ入力軸支持部のオイルシール装置 Expired - Lifetime JP2912544B2 (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009127659A (ja) * 2007-11-20 2009-06-11 Jtekt Corp 密封装置
JP2012077795A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Honda Motor Co Ltd 潤滑構造およびその潤滑構造を用いた多段変速機
CN109630683A (zh) * 2018-12-25 2019-04-16 陕西润泽橡胶制品有限公司 一种油封及万向节

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CN109630683A (zh) * 2018-12-25 2019-04-16 陕西润泽橡胶制品有限公司 一种油封及万向节

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