JPH0728638U - インクジェットプリンタヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】上段のオリフィス穴と下段のオリフィス穴との
位置ずれによって印字線がずれたり、ドット並びが不均
一になる不具合をなくし、印刷時の印字精度が高く、印
字むらの発生がないことに加えて、さらにノズルの駆動
周波数特性を良好ならしめたインクジェットプリンタヘ
ッドの提供。 【構成】ノズルの一部を構成する多段のオリフィス穴５
ａ…、５ｂ…を１枚のオリフィスプレート５に形成する
ことに加えて、さらに、前記オリフィスプレート５と共
にノズルを構成するハウジング２の後部に、インク液滴
を噴射させる圧電素子取付用のフランジ２ｂを形成し
て、このフランジ２ｂの上下両面に、各オリフィス穴５
ａ…、５ｂ…とそれぞれ概ね一直線状に、圧電素子３
ａ、３ｂの一端を取り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、インクジェットプリンタヘッドの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

インクジェットプリンタの印刷速度を高めるためには、インクを満たしたノズ ルの積層化、ノズルの高周波駆動が必要である。従来より、インク液滴を噴射す るノズルの具体的手段として、一列に並べたオリフィス穴列を有するヘッドを複 数個固定することがおこなわれている。

【０００３】 図３は従来形インクジェットプリンタヘッドの具体的一例を示す斜視図、図４ は図３の縦断側面図である。 図３および図４において、５０ａ、５０ｂはそれぞれ上下２段に配置されたヘ ッド、５１ａ、５１ｂはノズルの一部を構成するハウジング、５２ａ、５２ｂは インク液滴を噴射させるピエゾ圧電素子、５３はヘッド５０ａ、５０ｂ間に挾ま れ、上下２段のハウジング５１ａ、５１ｂを加温するヒータ、５４ａ、５４ｂは オリフィスプレート、５５ａ…、５５ｂ…はオリフィス穴、５５ａ、５６ｂはイ ンクチューブ、５７はインクタンクである。

【０００４】 一方、ノズルの一部を構成する多段のオリフィス穴列を１枚のオリフィスプレ ートに形成することもおこなわれており、その具体例として、例えば特開昭６１ −１６３８６３号および同６１−２３７６４８号公報などを挙げることができる 。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

従来形インクジェットプリンタヘッドの具体的構造例は以上のごときであるが 、図３および図４に示す従来例にあっては、オリフィス穴５５ａ…、５５ｂ…を 有するヘッド５０ａ、５０ｂがそれぞれ別々に構成されているため、隣接する上 段および下段のオリフィス５５ａ…、５５ｂ…の位置合わせをおこなう必要があ り、位置ずれによる印刷品質の劣化、例えばカラーノズルと黒ノズルの位置が正 確に出ていない場合には、印字線がずれたり、ヘッド取付位置自体がずれ、ドッ ト並びが不均一になるという欠点があり、その調整作業に苦慮していた。

【０００６】 一方、多段のオリフィス穴列を１枚のオリフィスプレートに形成する従来例に あっては、圧電素子の大きさに依存して当該圧電素子の変位伝達位置からオリフ ィス穴までのインク路長が長くなったり、インク路が折り曲げられてノズルの駆 動周波数を高められないという欠点があった。

【０００７】 本考案の目的は、上段のオリフィス穴と下段のオリフィス穴との位置ずれによ って印字線がずれたり、ドット並びが不均一になる不具合をなくし、印刷時の印 字精度が高く、印字むらの発生がないことに加えて、さらにノズルの駆動周波数 特性を良好ならしめることのできる、改良されたインクジェットプリンタヘッド を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

前記目的は、インクを満たした複数のノズルと、前記ノズルを駆動させる圧電 素子とを備えるインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記ノズルの一部を構 成する多段のオリフィス穴列を１枚のオリフィスプレートに形成することに加え て、さらに、前記オリフィスプレートと共にノズルを構成するハウジングの後部 に、インク液滴を噴射させる圧電素子取付用のフランジを形成して、このフラン ジの上下両面に、各オリフィス穴とそれぞれ概ね一直線状に、圧電素子の一端を 取り付けることによって達成される。

【０００９】

【作用】

以上の構成において、多段のオリフィス穴列は１枚のオリフィスプレートに形 成されているため、上段ヘッドと下段ヘッドとを別々に構成し、これら上、下段 ヘッドを組み合わせて使用する従来例のように、隣接する上段および下段のオリ フィスの位置合わせをおこなう必要はないことに加えて、さらに前記オリフィス プレートと共にノズルを構成するハウジングの後部に、インク液滴を噴射させる 圧電素子取付用のフランジを形成して、このフランジの上下両面に、各オリフィ ス穴とそれぞれ概ね一直線状に、圧電素子の一端を取り付けたことにより、イン ク回路内の流体振動が単純になり、ノズルの駆動周波数特性を良好ならしめるこ とができる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案を、図面の一実施例にもとづいて詳細に説明する。

【００１１】 図１は本考案に係るインクジェットプリンタヘッドの斜視図である。 図１に示すように、インクジェットプリンタヘッド１は、口字形をしたハウジ ング２の前部にオリフィスプレート５を有し、オリフィスプレート５には、各列 毎のオリフィス穴５ａ…、５ｂ…が上下２列に穿設されている。ハウジング２の 後部には、棚板２ａの前段にインク液滴を噴射させるピエゾ圧電素子３ａ、３ｂ の一端を固定するためのフランジ２ｂが一体的に形成されている。また、インク タンク７は、ヘッド１外のプリンタ（図示省略）の内部に固定され、インクチュ ーブ６を介し、後述のごとくしてヘッド１にインクを供給する。４はヘッド１の 温度を一定にするためのヒータである。

【００１２】 図２は図１の縦断側面図である。 図２に示すように、ピエゾ圧電素子３ａ、３ｂは、それぞれの後端を棚板２ａ のフランジ２ｂに導電性接着剤で接着、あるいはハンダ接合で固定されている。 ピエゾ圧電素子３ａ、３ｂの前部は、ハウジング２に穿った窪み１３に挿入され 、シリコーン材１１により、ハウジング２に非接触状態で配設されている。また 、ハウジング２とオリフィスプレート５との間には、ハウジング２側より順にダ イアフラムプレート９、リストリクタプレート８、チャンバプレート７が配置さ れている。ダイアフラムプレート９は、その前方がリストリクタプレート８とチ ャンバプレート７とで形成されたインク室１２ａ、１２ｂに面し、後方がハウジ ング２の窪み１３に充填されたシリコーン材１１に接している。

【００１３】 インク室１２ａ、１２ｂへのインク供給は、インクタンク７からインクチュー ブ６を介しておこなわれる。１０はインクである。

【００１４】 各列毎のオリフィス穴５ａ…、５ｂ…は、それぞれピエゾ圧電素子３ａ、３ｂ と一直線状に配置した方が、ヘッド１の特性が良くなることが知られている。こ れに対し、本考案の一具体例においては、オリフィス穴５ａ、５ｂの穴ピッチを １．３６ｍｍ、インク室１２ａ、１２ｂの径をφ１．１ｍｍ、ピエゾ圧電素子３ ａ、３ｂの幅を０．９５ｍｍ（厚さ０．５ｍｍ）とすることにより、オリフィス 穴５ａ…、５ｂ…とピエゾ圧電素子３ａ、３ｂとをそれぞれ略同一直線状に配置 し、かつ各列毎のオリフィス穴５ａ…、５ｂ…をそれぞれ概ね一直線状に並べる ことを可能にしている。

【００１５】 インク１０の吐出動作は以下のようにしておこなわれる。 ピエゾ圧電素子３ａ、３ｂに電圧が印加されると、これらピエゾ圧電素子３ａ 、３ｂが長手方向（図２の左右方向）に収縮し、インク室１２ａ、１２ｂを膨張 させるように働く。次に、ピエゾ圧電素子３ａ、３ｂに対する電圧の印加がなく なると、これらピエゾ圧電素子３ａ、３ｂが元に戻ろうとして伸び、その力でイ ンク室１２ａ、１２ｂを圧縮し、オリフィス穴５ａ…、５ｂ…よりインク液滴を 噴射させる。

【００１６】 なお、ハウジング２の棚板２ａをアルミニウムなどの導電材で構成すれば、こ れとピエゾ圧電素子３ａ、３ｂとのグランドを共通にすることができる。

【００１７】 以上の構成において、多段のオリフィス穴５ａ…、５ｂ…は１枚のオリフィス プレート５に形成されているため、上段ヘッドと下段ヘッドとを別々に構成し、 これら上、下段ヘッドを組み合わせて使用する従来例のように、隣接する上段お よび下段のオリフィスの位置合わせをおこなう必要はなく、上段のオリフィス穴 ５ａ…と下段のオリフィス穴５ｂ…との位置ずれによって印字線がずれたり、ド ット並びが不均一になる不具合をなくすことに加えて、さらに前記オリフィスプ レート５と共にノズルを構成するハウジング２の後部に、インク液滴を噴射させ る圧電素子取付用のフランジ２ｂを形成して、このフランジ２ｂの上下両面に、 各オリフィス穴５ａ…、５ｂ…とそれぞれ概ね一直線状に、ピエゾ圧電素子３ａ 、３ｂの一端を取り付けたことにより、インク回路内の流体振動が単純になり、 ノズルの駆動周波数特性を良好ならしめることができる。

【００１８】 なお、図示実施例に示すように、上段部および下段部のオリフィス穴５ａ…、 ５ｂ…の上下方向ピッチを一定値とし、かつ上段の最下部オリフィス穴５ａ′と 下段の最上部オリフィス穴５ｂ′との上下方向のピッチを同一値とすることによ り、一回のヘッド印字幅を広くすることができる。

【００１９】 また、ハウジング２の棚板２ａおよびフランジ２ｂを上下方向に複数段形成す ることも可能であり、したがって図示実施例に示す上下２列のオリフィス穴５ａ …、５ｂ…よりも多段式のオリフィス穴列を有するヘッド１の構成も可能となる 。

【００２０】

【考案の効果】

以上本考案によれば、多段のオリフィス穴列は１枚のオリフィスプレートに形 成されているため、上段ヘッドと下段ヘッドとを別々に構成し、これら上、下段 ヘッドを組み合わせて使用する従来例のように、隣接する上段および下段のオリ フィスの位置合わせをおこなう必要はなく、上段のオリフィス穴と下段のオリフ ィス穴との位置ずれによって印字線がずれたり、ドット並びが不均一になる不具 合をなくし、印刷時の印字精度が高く、印字むらの発生がないことに加えて、さ らに前記オリフィスプレートと共にノズルを構成するハウジングの後部に、イン ク液滴を噴射させる圧電素子取付用のフランジを形成して、このフランジの上下 両面に、各オリフィス穴とそれぞれ概ね一直線状に、圧電素子の一端を取り付け たことにより、インク回路内の流体振動が単純になり、ノズルの駆動周波数特性 を良好ならしめることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係るインクジェットプリンタヘッド
の一実施例を示す斜視図である。

【図２】 図１の縦断側面図である。

【図３】 従来形インクジェットプリンタヘッドの具体
的一例を示す斜視図である。

【図４】 図３の縦断側面図である。

【符号の説明】

１…インクジェットプリンタヘッド、２…ハウジング、
２ｂ…フランジ、３ａ、３ｂ…ピエゾ圧電素子、５…オ
リフィスプレート、５ａ、５ｂ…オリフィス穴。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 萩原 清人 茨城県勝田市武田1060番地 日立工機株式 会社内 (72)考案者 桑原 章友 茨城県勝田市武田1060番地 日立工機株式 会社内 (72)考案者 近藤 徳政 茨城県勝田市武田1060番地 日立工機株式 会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】インクを満たした複数のノズルと、前記ノ
   ズルを駆動してインク液滴を噴射させる圧電素子とを備
   えるインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記ノズ
   ルの一部を構成する多段のオリフィス穴列を１枚のオリ
   フィスプレートに形成することに加えて、さらに、前記
   オリフィスプレートと共にノズルを構成するハウジング
   の後部にインク液滴を噴射させる圧電素子取付用のフラ
   ンジを形成して、このフランジの上下両面に、各オリフ
   ィス穴とそれぞれ概ね一直線状に、圧電素子の一端を取
   り付けたことを特徴とするインクジェットプリンタヘッ
   ド。