JPH07285408A - エアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ装置

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Publication number
JPH07285408A
JPH07285408A JP6083068A JP8306894A JPH07285408A JP H07285408 A JPH07285408 A JP H07285408A JP 6083068 A JP6083068 A JP 6083068A JP 8306894 A JP8306894 A JP 8306894A JP H07285408 A JPH07285408 A JP H07285408A
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JP
Japan
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bag body
pad
bag
force
central portion
Prior art date
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JP6083068A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Komamura
達哉 駒村
Masaru Higashiura
賢 東浦
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】エアバッグ装置の袋体の展開形状を車両車幅方
向に拡がった形状とすることにより、袋体の内圧を低下
させ、袋体が乗員に当たった時の乗員の不快感を低減す
る。 【構成】エアバッグ装置1のパッド5には中央破断部7
及び周辺破断部8という2種類の破断部が設けられてお
り、中央破断部7の厚さD1は周辺破断部8の厚さD2より
も厚くされている。エアバッグ装置1作動時には、パッ
ド周辺部10のみがまず図中左右に開き、その後パッド
中央部9が図中上下に開く。その結果、袋体の展開形状
を左右に拡がった形状とすることができ、袋体が乗員に
当たる時に内圧を低くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の衝突時に乗員を保
護するエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エアバッグ装置は、エアバッグ装置のカ
バー内部に設けられたガスを発生するインフレータ及び
折り畳まれた袋体により構成され、車両の衝突時に、袋
体の内部にインフレータからのガスを導入することでこ
の袋体が膨らみ、袋体がカバーを破って乗員側に展開す
る。そして、この展開した袋体で乗員を受け止めること
により、乗員の運動エネルギーを吸収し、乗員の保護を
図るものである。
【0003】このエアバッグ装置の一例(実開平2−6
0652号公報参照)として、図11に基づいて、運転
席のステアリングホイール2の中央部に設けられたエア
バッグ装置50の動作について詳しく説明すると、車両
の衝突が検出された場合、エアバッグ装置50内部で
は、インフレータ6のガス孔13からガスが噴出し、袋
体16の内部に導入される。そして、袋体16は乗員側
に展開しようとするが、展開をカバーであるパッド5に
抑制されているため、展開することができない。しか
し、その間にもガスは袋体16内部に導入され続けるた
め、袋体16の内部の圧力は急激に上昇する。この袋体
16の内部の圧力の上昇にともなって、袋体16が乗員
側に展開しようとする力が増大し、この力がパッド5に
及ぼされ、パッド5の展開抑制力よりも大きくなると、
パッド5に設けられた破断部51に沿ってパッド5が開
き、その直後に袋体16が瞬時に展開し、乗員を受け止
めるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術においては以下に述べるような問題点がある。
この問題点を図7及び図12に基づいて以下に説明す
る。図7はエアバッグ装置50の作動中における、袋体
16内部の圧力変化を示すグラフであり、図12はエア
バッグ装置50の袋体16の展開直後の袋体16の展開
形状を説明する概略図である。
【0005】図7において、従来技術の破線のグラフ
(b)に着目すると、エアバッグ装置50が作動すると
(時間T0)、インフレータ6からガスが発生し、このガ
スが袋体16内部に導入され、袋体16内部の圧力は急
激に上昇する。パッド5に設けられた破断部51は、ガ
スが導入されるとともに上昇する袋体16の内圧による
力がパッド5の展開抑制力よりも大きくなった瞬間(時
間T1)に破断されると同時に、この破断部51に沿って
パッド5が瞬時に開く。この場合、パッド5が開いた直
後の袋体16の展開形状は、図12に示すように、ステ
アリングホイール2から乗員に向かう方向に展開するよ
うな展開形状となる。
【0006】このように袋体16が展開すると、例え
ば、パッド5が開いた瞬間(時間T1)において、乗員と
ステアリングホイール2との間の距離が短い状態であっ
た場合、パッド5が開いた瞬間(時間T1)から極めて短
い時間で乗員に当たることになる。パッド5が開いた後
は、袋体16が展開するので袋体16の内部の圧力は圧
力P1から下がりはじめるが、この従来技術においては、
乗員とステアリングホイール2との間の距離が短い状態
であった場合、パッド5が開いた直後(時間T2)の袋体
16の内圧が高い状態(圧力P2)で、袋体16が乗員に
当たることになるので、乗員が袋体16から受ける力
(衝撃)が大きくなり、乗員が不快感を感じてしまうと
いう問題があった。
【0007】そこで本発明は、袋体中央部の展開抑制よ
りも袋体周辺部の展開抑制を先に解除することにより、
袋体が乗員に当たった時の乗員の不快感を低減すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに本発明のエアバッグ装置は、車両の衝突時にガスを
噴出するインフレータと、該インフレータを覆うように
設けられ、前記インフレータから噴出された前記ガスを
内部に導入することにより折り畳まれた状態から展開す
る袋体と、前記車両の直進状態において前記袋体の前記
車両の車幅方向中央部のみを、前記車幅方向と垂直な方
向に被包することで前記袋体の前記車幅方向中央部のみ
の展開を抑制するとともに前記袋体内部に導入された前
記ガスの圧力に起因する前記袋体の展開作動力により破
断する袋体中央部展開抑制手段と、前記袋体の前記車幅
方向中央部以外を被包することで前記袋体の前記車幅方
向中央部以外の展開を抑制するとともに前記袋体内部に
導入された前記ガスの圧力に起因する前記袋体の展開作
動力により破断する袋体周辺部展開抑制手段とを有する
とともに、前記袋体が折り畳まれた状態において、前記
袋体中央部展開抑制手段が前記袋体周辺部展開抑制手段
より破断されにくくされてなる。
【0009】
【作用】車両の衝突時には、インフレータからガスが噴
出され、袋体は展開しようとするが、袋体中央部展開抑
制手段及び袋体周辺部展開抑制手段に展開を抑制されて
いるため、展開することができず、その結果、袋体の内
圧は急激に上昇する。この袋体の内圧の上昇にともない
袋体が袋体中央部展開抑制手段及び袋体周辺部展開抑制
手段におよぼす展開作動力が増加する。本発明では、袋
体が折り畳まれた状態において、袋体中央部展開抑制手
段は袋体周辺部展開抑制手段よりも破断されにくくされ
ているので、まず袋体周辺部展開抑制手段のみが破断さ
れ、袋体周辺部展開抑制手段に展開を抑制されていた部
分の袋体が展開するとともに袋体の内圧は減少し、その
後、袋体中央部展開抑制手段が破断される。
【0010】
【実施例】続いて、本発明の第1実施例について図1乃
至図7に基づいて以下に説明する。まず図1乃至図4を
用いて本発明の第1実施例の構成について説明する。図
1は、乗員側からみた車両の直進状態におけるステアリ
ングホイール2及びステアリングホイール2の中央部に
配置されたエアバッグ装置1の外観図を示している。図
2は図1のA−A線に沿って見た断面図であり、同様に
図3は図1のB−B線に沿って見た断面図を示してい
る。図4は袋体16の畳み方を説明するための図であ
る。なお、図1及び図4においては、図中左右が車両車
幅方向であり、図2および図3においては、図中矢印X
方向は乗員側を示しているものとする。
【0011】図1において、ステアリングホイール2の
中央部にエアバッグ装置1は配置され、エアバッグ装置
1は乗員側から見るとパッド5に覆われている。パッド
5には、乗員側から見てH形状の破断部7、8が形成さ
れている。これら破断部7、8のうち、パッド5の中央
付近の破断部が中央破断部7(一点鎖線)であり、この
中央破断部7の図中左右両側の破断部が周辺破断部8
(鎖線)である。中央破断部7の厚さは、図2に示すよ
うに、この中央破断部7のどの位置でも厚さD1であり、
同様に周辺破断部8の厚さは、図3に示すように、周辺
破断部8のどの位置でも厚さD2であり、この両者の大小
関係はD1>D2となっている。
【0012】図1において、パッド5は、前述の中央破
断部7および周辺破断部8により、パッド中央部9とパ
ッド周辺部10とに分けられる。パッド周辺部10は、
周辺破断部8が破断されると同時にそれぞれ図中左右に
開く。また、パッド中央部9は、中央破断部7が破断さ
れると同時にそれぞれ図中上下に開く。前述のように、
中央破断部7の厚さD1と周辺破断部8の厚さD2の関係
は、D1>D2であるので、パッド中央部9の展開抑制力
(袋体16の展開を抑制する力)F1は、パッド周辺部1
0の展開抑制力F2よりも大きくなっている(つまり、F1
>F2)。尚、特許請求の範囲中の袋体中央部展開抑制手
段は中央破断部7及びパッド中央部9であり、袋体周辺
部展開抑制手段は周辺破断部8及びパッド周辺部10で
ある。
【0013】図2及び図3において、エアバッグ装置1
は、ステアリングホイール2のハブ3に図示しない位置
で取り付けられたベースプレート4によって、ステアリ
ングホイール2に略平行になるように固定されている。
ベースプレート4には、パッド5およびインフレータ6
が取り付けられている。パッド5は、ベースプレート4
の図中X方向に配置されており、このパッド5にはその
周囲に図示しない枠状の芯金が埋設され、パッド5はこ
の芯金を介してリベット等でベースプレート4の周縁部
に固定されている。
【0014】インフレータ6は略円筒形状とされ、その
軸方向の側壁部11からは径方向へ延出されたフランジ
12が形成されている。インフレータ6は、フランジ1
2でベースプレート4に固定されることにより、ベース
プレート4に固定されている。インフレータ6のフラン
ジ12よりも乗員側側壁には噴出孔としてのガス孔13
が所定の間隔で複数形成されている。また、インフレー
タ6には、その軸心部に起動装置14が内蔵され、さら
に、起動装置14の周囲にはガス発生物質15が封入さ
れている。インフレータ6は、車両衝突時に起動装置1
4が起動することにより、ガス発生物質15が燃焼して
略一定量ずつのガスを発生し、後述する袋体16を完全
に展開させるまでガスを発生する。
【0015】袋体16には、一部に円形の開口17が形
成されており、この開口17によってインフレータ6の
ガス孔13は袋体16の内部に配置されるようなってい
る。開口17の周縁は、若干乗員側へ折り返されてお
り、この開口17の周縁乗員側(袋体16の内側)に
は、リングプレート18が配置されている。このリング
プレート18の乗員側には、所定の間隔で複数本のウエ
ルドボルト19が固着されている。このウエルドボルト
19が、袋体16およびベースプレート4を貫通し、ベ
ースプレート4の乗員側の反対側でナット20が螺合さ
れることにより、リングプレート18はベースプレート
4に組付けられている。このため、袋体16の開口17
側の周縁は、ベースプレート4の乗員側の面に緊密に押
し付けられており、インフレータ6のガス孔13から噴
出されるガスは、袋体16の内部に導入される。
【0016】袋体16は図4に示すように、まず(a)
のように、図中上下の袋体16の部分を折り畳まれ、次
に(b)のように、図中左右の袋体16の部分を折り畳
まれることにより、パッド5内に収納できるくらいの大
きさになり、図1のステアリングホイール2の中央部の
エアバッグ装置1内に収められる。尚、図4中の左右方
向は車両車幅方向を示している。
【0017】次に、本発明の第1実施例の作用、効果に
ついて、図3及び図5乃至図7に基づいて説明する。図
5はパッド周辺部10が開いて袋体16が左右に拡がっ
て展開した時の様子を示す図であり、図6は袋体16か
らパッド5に及ぼされる力を説明するための図である。
図7は時間に対する袋体16の内圧の様子を示す図であ
る(第1実施例は実線(a)のグラフである)。
【0018】図3において、前述の構成のエアバッグ装
置1では、車両が衝突に至ると、起動装置14が作動し
て、インフレータ6内のガス発生物質15が燃焼し、ガ
スが略一定量ずつ発生する。このガスは、ガス孔13か
ら噴出されて袋体16に導入され、これにより、折り畳
んだ状態で収納されている袋体16は乗員側(図中矢印
X方向)に展開しようとする。しかし、袋体16は乗員
側への展開をパッド5によって抑制されているため、袋
体16は展開することができない。この状態の間にもイ
ンフレータ6のガス孔13からガスが略一定量ずつ噴出
されるため、袋体16内部の圧力は急激に上昇する。図
7を見て分かるように、エアバッグ装置が作動し始めて
から圧力P1に至るまでが上述の袋体16の内圧の急激な
上昇を示している。
【0019】ここで、図6を用いて袋体16の特許請求
の範囲中の展開作動力について説明する。後述の本発明
の各実施例では、展開作動力を押圧力と展開力という2
つの力を用いて説明している。押圧力は、袋体16とパ
ッド5との接触部分で、袋体16の内圧により、袋体1
6からパッド5に及ぼされる力で、袋体16をパッド5
の外部へ展開させようとする力である。一方、展開力
は、パッド5が破断された後にパッド5の外部にある袋
体16の部分が、袋体16の内圧により展開しようとす
る力である。図6の如く、これらの力の内、時間Tにお
ける押圧力をf(T)で表し、時間Tにおける展開力をf'
(T) で表す。尚、袋体16がパッド5の外部に展開して
いない状態では、展開作動力は押圧力f(T)のみであり、
袋体16がパッド5の外部に展開した部分が存在する状
態には、展開作動力は押圧力f(T)+展開力f'(T) とな
る。
【0020】袋体16の内圧の上昇により、パッド5が
袋体16から及ぼされる乗員側への押圧力f(T)も急激に
増加する。この押圧力f(T)は、図6の(a)の如く、袋
体16とパッド5との接触部分に均等に及ぼされるが、
前述のように、パッド周辺部10の展開抑制力F2は、パ
ッド中央部9の展開抑制力F1よりも小さく設定されてい
るので、袋体16からの押圧力f(T)がパッド周辺部10
の展開抑制力F2よりも大きくなった瞬間(F2<f(T1) )
に、まずパッド周辺部10の周辺破断部8のみが破断さ
れる。この周辺破断部8が破断される瞬間(図7の時間
T1)の袋体16内部の圧力が図7の圧力P1である。この
周辺破断部8が破断されることで、図5に示すように、
この周辺破断部8の図中左右に位置するパッド周辺部1
0がそれぞれ左右に開き、図のように、袋体展開孔21
から袋体16が展開する。
【0021】袋体展開孔21から袋体16が展開してい
る最中にも、インフレータ6のガス孔13からガスが一
定量ずつ噴出され続けているが、インフレータ6から噴
出されるガスの量よりも袋体16内部の容積が増大する
割合の方が大きくなるので、袋体16の内圧は低下す
る。この状態が図7の実線のグラフの圧力P1から圧力P3
に至るまでである。この状態においては、図6の(b)
の如く、袋体16の展開作動力は押圧力f(T)+展開力f'
(T) であるが、袋体16は展開力f'(T) で展開し続けて
いるため、パッド中央部9には押圧力f(T)のみが袋体1
6から及ぼされている。その後、パッド中央部9の展開
抑制力により、袋体16がそれ以上展開できなくなる
と、図6(c)の如く、袋体16の展開力f'(T) がパッ
ド中央部9に及ぼされる状態になる。この瞬間(図7の
時間T3)の袋体16内部の圧力が圧力P3である。
【0022】袋体16の展開力f'(T) がパッド中央部9
に及ぼされる状態(図7の時間T3)になった後にも、イ
ンフレータ6のガス孔13からガスが略一定量ずつ噴出
され続けており、且つ袋体16の容積は一定であるの
で、袋体16内部の圧力は再び上昇する。この袋体16
の展開力f'(T) がパッド中央部9に及ぼされる状態にな
った後には、図6(c)の如く、パッド中央部9に接触
している袋体16の部分で、袋体16の内圧により、袋
体16からパッド中央部9に及ぼされる押圧力f(T)に加
えて、パッド周辺部10から展開した袋体16の部分が
展開しようとする展開力f'(T) が、パッド中央部9に及
ぼされる。この袋体16の展開力f'(T) は、パッド周辺
部10から展開した袋体16の部分の内部のガスが袋体
16に及ぼす力の総和、つまり、袋体16の内圧と展開
した袋体16の部分の面積との積に比例する。図6
(c)の如く、袋体16の展開力f'(T) がパッド中央部
9に及ぼされる状態においては、袋体16の表面積は、
かなり大きくなっているので、袋体16の展開力f'(T)
は大きな力となる。
【0023】上述のように、袋体16の展開力f'(T) が
パッド中央部9に及ぼされる状態においては、パッド中
央部9に及ぼされる力は、押圧力f(T)に展開力f'(T) が
加えられ、この両者の力は袋体16の内圧に起因する力
である。従って、この状態における袋体16の内部の圧
力が、周辺破断部8が袋体16の押圧力f(T)のみで破断
した時の袋体16内部の圧力よりも低い圧力であるにも
かかわらず、パッド中央部9に及ぼされる力がパッド中
央部9の展開抑制力F1よりも大きくなり(F1<f(T4)+f'
(T4))、この瞬間(図7の時間T4)に中央破断部8が破
断される。この時の袋体16内部の圧力が図7の圧力P4
である。
【0024】袋体16内部の圧力が図7の圧力P4になっ
た瞬間に、中央破断部7が破断されると同時に、パッド
中央部9が開くことで、パッド中央部9に展開を抑制さ
れていた袋体16の部分が展開するので、袋体16内部
の容積が再び増加し、袋体16内部の圧力は再び低下す
る。このパッド中央部9が開いた後に、袋体16は乗員
側に展開し、乗員に当たる(図7の時間T5)こととな
る。袋体16が乗員側に展開した時は、乗員とステアリ
ングホイール2との間の距離は短い状態であるので、本
実施例における袋体16が展開してから乗員に当たるま
での時間(時間T5-T4 )は、前述の従来技術における袋
体16が展開してから乗員に当たるまでの時間(時間T2
-T1 )と略同じであると考えられる。この袋体16が乗
員に当たる瞬間(図7の時間T5)の袋体16内部の圧力
は、圧力P5であり、周辺破断部8が破断した直後(図7
の時間T2)の袋体16の内部の圧力P2よりも低い圧力で
ある。従って、乗員に袋体16が当たる時に乗員が袋体
16から受ける力(衝撃)は小さくなり、袋体16が乗
員に当たった時に感じる不快感は低減される。
【0025】また、第1実施例においては、まず袋体1
6を左右に展開させているので、袋体16の展開形状を
左右に拡がった形状にすることができる。従って、例え
ばオフセット衝突の場合等の、車両の衝突直後に乗員が
左右に移動する場合にも乗員を確実に袋体16で拘束す
ることができることができるという特有の効果がある。
【0026】次に、本発明の第2実施例について図8及
び図9基づいて説明するが、前述の実施例と実質的に同
じものには同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図8は乗員側からみたエアバッグ装置の全体図であり、
図9は図8のC−C線に沿ってみた断面図を示してい
る。図8において、エアバッグ装置30のパッド5には
破断部31が形成されており、この破断部31の厚さは
どの部分でも略均一とされている。この破断部31に囲
まれた部分はパッド展開部32であり、パッド展開部3
2の展開抑制力F3よりも大きな力が袋体16から及ぼさ
れた場合、破断部31が破断し、パッド展開部32が図
中左右に開くようになっている。
【0027】図8の一点鎖線で示すように、パッド5の
乗員側と反対側には、パッド5の中央部を図中上下に延
びる袋体中央部保持部材33が設けられている。この袋
体中央部保持部材33は、図9の如く、リングプレート
18、袋体16と共にウエルドボルト19により貫通さ
れ、ベースプレート4の乗員側の反対側でナット20が
螺合されることにより、この部分でベースプレート4に
固定されている。袋体中央部保持部材33は図示の如く
袋体16の外側を覆うように設けられており、この袋体
中央部保持部材33のインフレータ6の図中上方に位置
する部分には、破断部34が設けられている。袋体中央
部保持部材33の展開抑制力F4よりも大きな力が袋体1
6から及ぼされた時には、この破断部34が破断するよ
うになっている。袋体中央部保持部材33の展開抑制力
F4は、パッド展開部32の展開抑制力F3よりも大きい値
に設定されている(つまりF3<F4)。尚、特許請求の範
囲中の袋体中央部展開抑制手段は第2実施例中の袋体中
央部保持部材33及び破断部34のことであり、袋体周
辺部展開抑制手段は破断部31及びパッド展開部32の
ことである。
【0028】続いて、第2実施例の作用、効果について
説明すると、車両が衝突した場合、インフレータ6から
ガスが発生し、パッド5内に折り畳まれた状態の袋体1
6の内圧は急激に上昇する。この袋体16の内圧の上昇
により、パッド5及び袋体中央部保持部材33が袋体1
6から受ける乗員側への押圧力f(T)が増加する。上述の
ように、袋体中央部保持部材33の展開抑制力F4は、パ
ッド展開部32の展開抑制力F3よりも大きい値に設定さ
れているので、袋体16から及ぼされる押圧力f(T)がパ
ッド展開部32の展開抑制力F3よりも大きくなった瞬間
に、まず破断部31のみが破断し、パッド展開部32が
左右に開く。
【0029】パッド展開部32が開くことによって、パ
ッド5は全て開いたことになるが、袋体16は袋体中央
部保持部材33に展開を抑制されているため、袋体16
は袋体中央部保持部材33の左右両側から袋体16は展
開する。そして、袋体中央部保持部材33の展開抑制力
により、それ以上袋体16が展開できなくなると、袋体
16の展開力f'(T) が袋体中央部保持部材33に及ぼさ
れる状態になり、第1実施例と同様に、袋体16の押圧
力f(T)に加えて、袋体16の展開力f'(T) が袋体中央部
保持部材33に及ぼされる。その結果、破断部31が破
断した時の袋体16の内圧よりも低い内圧であるにもか
かわらず、袋体16から及ぼされる力が袋体中央部保持
部材33の展開抑制力F4よりも大きくなり、袋体中央保
持部材33の破断部34は破断し、袋体16は完全に展
開する。従って、袋体16は第1実施例と同様に内圧が
低い状態で乗員に当たることになるので、乗員が袋体1
6から受ける力(衝撃)は小さくなり、袋体16が乗員
に当たった時に感じる不快感は低減される。
【0030】また、第2実施例においても第1実施例と
同様に、車両の衝突直後に、乗員が左右に移動する場合
にも袋体16を左右にまず展開させることで乗員を確実
に袋体16で拘束することができることができるという
特有の効果がある。
【0031】次に、本発明の第3実施例について図10
に基づいて説明するが、前述の実施例と実質的に同じも
のには同じ符号を付し、重複する説明は省略する。第3
実施例のエアバッグ装置40の外観図は図1と同様であ
り、パッド5にはH形状の中央破断部7及び周辺破断部
8が形成されている。第3実施例においては、これらの
破断部は同じ厚さとされている。従って、パッド中央部
9とパッド周辺部10のそれぞれの展開抑制力は同じと
されている。図10は、図1のB−B線に沿ってみた第
3実施例の断面図を示しており、パッド5には、乗員側
と反対側に突出する突起41が設けられている。この突
起41は図1の上下に延びる周辺破断部8の部分に沿っ
てパッド周辺部10側に設けられている。この突起41
は、袋体16からパッド5に押圧力f(T)が及ぼされた場
合に、パッド中央部9よりもパッド周辺部10に押圧力
f(T)が及ぼされ易くするように作用する。
【0032】続いて、本発明の第3実施例の作用、効果
について以下に説明する。車両が衝突した場合、インフ
レータ6からガスが発生し、パッド5内の袋体16の内
圧は上昇し、パッド5が袋体16から及ぼされる押圧力
f(T)が増加する。パッド5には突起41が設けられてい
るので、パッド中央部9よりもパッド周辺部10に押圧
力f(T)が及ぼされ易くなっており、言い換えると、折り
畳まれた状態でパッド中央部9に袋体16が接しにくく
されており、その結果、まず周辺破断部8が破断し、袋
体16がパッド5の外部に展開する。その後、袋体16
が展開し、袋体16の展開力f'(T) がパッド中央部9に
及ぼされる状態になると、パッド中央部9には袋体16
から押圧力f(T)と展開力f'(T) が及ぼされることにな
る。その結果、周辺破断部8が破断した時の袋体16の
内圧よりも低い内圧であるにもかかわらず、中央破断部
7が破断し、パッド中央部9が開くことにより袋体16
は完全に展開する。従って、袋体16は第1実施例と同
様に内圧が低い状態で乗員に当たることになるので、乗
員が袋体16から受ける力(衝撃)は小さくなり、袋体
16が乗員に当たった時に感じる不快感は低減される。
【0033】また、第3実施例においては、袋体16が
折り畳まれた状態で、パッド中央部9に働く押圧力f(T)
をパッド周辺部10に働く押圧力f(T)よりも小さくする
目的で突起41が設けられているため、中央破断部7の
厚さを周辺破断部8よりも厚くしてもあるいは薄くして
も、パッド周辺部10を先に展開させることができる。
そして、中央破断部7の厚さを周辺破断部8よりも薄く
した場合、袋体16の展開力f'(T) がパッド中央部9に
及ぼされる状態になる時点より以前において、押圧力f
(T)のみで中央破断部7を破断させることもできる。
【0034】なお、本発明の実施例は以上に限られたも
のではなく、請求項の範囲内で以下に述べるような変形
を施しても良い。
【0035】前述の第1及び第2実施例では、パッド中
央部9とパッド周辺部10のそれぞれの展開抑制力を設
定するために、中央破断部7と周辺破断部8の厚さを変
えることによって設定したが、破断部の厚さが同じであ
っても、破断部の材質を変えてそれぞれの部分の展開抑
制力を設定しても良い。又、展開抑制力を増加させるた
めに、破断部のパッド内にプラスチックの板を埋め込ん
でも良い。
【0036】なお、前述の各実施例では、袋体中央部展
開抑制手段により袋体16がこれ以上展開できない状態
になった瞬間(時間T3)に、袋体中央部展開抑制手段に
及ぼされる展開力f'(T) として、袋体16の内圧に起因
して袋体16が展開しようとする力について述べたが、
この展開力f'(T) には袋体16の展開速度の変化に起因
する慣性力も含まれている。前述の各実施例では、この
慣性力が含まれた展開力f'(T) が袋体中央部展開抑制手
段に及ぼされた瞬間(時間T3)には、袋体中央部展開抑
制手段は破断されない構成であったが、袋体中央部展開
抑制手段を破断され易くすることにより、袋体中央部展
開抑制手段に展開力f'(T) が及ぼされた瞬間(時間T3)
に、袋体中央部展開抑制手段を破断させても良い。
【0037】また、前述の実施例では、本発明を運転席
側のエアバッグ装置に適用する例を説明したが、本発明
は助手席側のエアバッグ装置にも適用できる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のエアバッ
グ装置は、内圧が袋体周辺部展開抑制手段が破断した時
の袋体の内圧よりも低い状態で、袋体中央部展開抑制手
段が破断して、袋体の中央部が展開する。従って、車両
の衝突時に乗員が袋体の展開方向近くに位置していたと
しても、袋体が乗員に当たる時の袋体の内圧は前記低い
内圧の状態であるので、乗員に袋体が当たる時に乗員が
袋体から受ける力(衝撃)は小さくなり、袋体が乗員に
当たった時に乗員が感じる不快感は低減される。
【0039】また、本発明のエアバッグ装置は、袋体中
央部展開抑制手段よりも袋体周辺部展開抑制手段を先に
破断させて袋体を展開させるので、袋体の展開形状を車
両車幅方向に拡がった形状とすることができる。従っ
て、車両衝突時に乗員が車幅方向に移動する場合にも、
乗員を確実に拘束することができるという特有の効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗員側からみたエアバッグ装置1の外観図であ
る。
【図2】第1実施例のエアバッグ装置1の断面図であ
る。
【図3】第1実施例のエアバッグ装置1の断面図であ
る。
【図4】袋体16の畳み方を説明するための図である。
【図5】乗員側からみた袋体16がパッド周辺部10よ
り展開した様子を示す図である。
【図6】袋体16からパッド5に及ぼされる力及びパッ
ドの展開抑制力を説明するための図である。
【図7】袋体16の内圧の変化を示すグラフである。
【図8】乗員側からみたエアバッグ装置30の外観図で
ある。
【図9】第2実施例のエアバッグ装置30の断面図であ
る。
【図10】第3実施例のエアバッグ装置40の断面図で
ある。
【図11】従来技術のエアバッグ装置50の断面図であ
る。
【図12】従来技術のエアバッグ装置の袋体16の展開
初期の展開形状を説明するための図である。
【符号の説明】
1・・・エアバッグ装置 5・・・パッド 6・・・インフレータ 7・・・中央破断部 8・・・周辺破断部 9・・・パッド中央部 10・・・パッド周辺部 16・・・袋体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の衝突時にガスを噴出するインフレ
    ータと、該インフレータを覆うように設けられ、前記イ
    ンフレータから噴出された前記ガスを内部に導入するこ
    とにより折り畳まれた状態から展開する袋体と、前記車
    両の直進状態において前記袋体の前記車両の車幅方向中
    央部のみを、前記車幅方向と垂直な方向に被包すること
    で前記袋体の前記車幅方向中央部のみの展開を抑制する
    とともに前記袋体内部に導入された前記ガスの圧力に起
    因する前記袋体の展開作動力により破断する袋体中央部
    展開抑制手段と、前記袋体の前記車幅方向中央部以外を
    被包することで前記袋体の前記車幅方向中央部以外の展
    開を抑制するとともに前記袋体内部に導入された前記ガ
    スの圧力に起因する前記袋体の展開作動力により破断す
    る袋体周辺部展開抑制手段とを有するとともに、前記袋
    体が折り畳まれた状態において、前記袋体中央部展開抑
    制手段が前記袋体周辺部展開抑制手段より破断されにく
    くされてなるエアバッグ装置。
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