JPH0728535U - 床ずれ防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】介護人の労力を要せず、寝たきり病人の就寝姿
勢の定期的な変更なしに、床ずれを防止すること。 【構成】マット状に並列連結された膨張収縮可能な複数
の終端閉塞の血行促進チューブＴと、これら血行促進チ
ューブＴの１または２以上を選択的に加減圧して膨張収
縮させて横臥者に対する支点位置を変更させる制御部１
１と、この制御部１１に空気圧、水圧または油圧を送る
コンプレッサ１２と、このコンプレッサ１２を設定時間
間隔で作動させるタイマー１３とで、床ずれ防止装置を
構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主に、寝たきり病人の床ずれを防止する装置の改良に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術および考案が解決しようとする課題】

近年、長期間病床にある病人のうち、いわゆる寝たきり老人の床ずれが問題視 されている。この床ずれは、同じ就寝姿勢を長期間強いられることで、床に接す る身体部位の皮膚内に起こる血行障害が原因となるものである。この床ずれを防 ぐためには、定期的に病人の就寝姿勢を変えてやればよいが、現実は、介護人に 多大な労力を強いる結果となっている。

【０００３】 このような介護人の労力をを解決すべく、種々の寝具や寝台等が提案されてい るが、これらはいずれも、就寝中の病人の身体を支える支点が固定されていたり 、支点が身体全体に平均に掛かるようになっているため、就寝姿勢を変更してや らなければ、床ずれを防ぐことはできなかった。

【０００４】 本考案は、介護人の労力を必要とせず、病人の就寝姿勢の定期的な変更なしに 、すなわち、寝たきりで、床ずれを防ぐことを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成する本考案の床ずれ防止装置は、マット状に並列連結された膨 張収縮可能な複数の終端閉塞の血行促進チューブと、これら血行促進チューブの １または２以上を選択的に加減圧して膨張収縮させ、横臥者の支点位置を変更さ せる制御部と、この制御部に空気圧、水圧または油圧を送るコンプレッサと、こ のコンプレッサを設定時間間隔で作動させるタイマーとを備えていることを特徴 とする。

【０００６】

【作用】

制御部には、予め複数の血行促進チューブをどのような順序で膨張、収縮させ るかのプログラムがセットされており、タイマーには、コンプレッサを作動させ る設定時間間隔がセットされている。設定時間になると、タイマーがコンプレッ サを作動させ、このコンプレッサにより、空気圧、水圧または油圧が制御部に送 られる。制御部では、予め設定されたプログラムにより、空気圧、水圧または油 圧を１または２以上の血行促進チューブに順次圧送するとともに、他の１または ２以上の血行促進チューブ内の空気圧、水圧または油圧を減圧して収縮させる。 このような動作を制御部のプログラムにしたがって繰り返すことで、横臥者の支 点位置が就寝姿勢を変えることなく変更され、これに接する身体部位が順次刺激 を受け、血行が促進されて床ずれが防がれる。

【０００７】 以下、図示実施例につき本考案を説明する。血行促進チューブＴは、Ｔ１から Ｔｎまでの複数で構成され、いずれも、その終端は閉塞されている。これら複数 の血行促進チューブＴ１，Ｔ２，、、、、、Ｔｎは、膨張収縮が可能であり、マ ット状に並列に連結されている。また、血行促進チューブＴ１，Ｔ２，、、、、 、Ｔｎの始端には、それぞれ送空管１０が連結され、これら送空管１０は制御部 １１に接続されている。これら連結された血行促進チューブＴは、通常、ふとん 等の寝具あるいは寝台上にセットされる。なお、血行促進チューブＴは、耐破断 性の優れた材質のものが選ばれる。

【０００８】 制御部１１は、これに接続されたエアコンプレッサ１２の作動に応じて、これ により作られる空気圧を血行促進チューブＴの１または２以上に選択的に圧送し てこれを膨張させるとともに、膨張した血行促進チューブＴ内の空気圧を減圧し てこれを収縮させる働きをする。この制御部１１の血行促進チューブＴに対する 空気圧の圧送とその減圧は、設定したプログラムにより行なわれる。例えば、１ 回目、血行促進チューブＴ１，Ｔ３およびＴ５を膨張、２回目、これらを収縮し て血行促進チューブＴ２，Ｔ４およびＴｎを膨張とプログラム設定した場合には 、当該設定チューブＴだけが順次膨張してその膨張位置を変更する。

【０００９】 上記制御部１１に空気圧を送るエアコンプレッサ１２には、タイマー１３が接 続されている。このタイマー１３は、エアコンプレッサ１２を設定時間だけ作動 させるものである。

【００１０】 上記構成の本床ずれ防止装置は、次のように動作する。制御部１１には、予め 血行促進チューブＴの膨張、収縮順序が、例えば上記したようにプログラミング されており、タイマー１３には、エアコンプレッサ１２の作動設定時間がセット されている。設定時間になると、タイマー１３がエアコンプレッサ１２を作動さ せ、このエアコンプレッサ１２で作られた空気圧が制御部１１に送られる。

【００１１】 制御部１１では、上記プログラムにより、空気圧がコントロールされ、所定順 序で血行促進チューブＴに空気圧を順次圧送するとともに、他の血行促進チュー ブＴ内の空気圧を減圧してこれを収縮させる。このような動作が、タイマー１３ の設定時間に、制御部１１のプログラムにしたがって繰り返される。これにより 、血行促進チューブＴの膨張箇所が変わり、横臥者に対する支点位置は就寝姿勢 を変えることなく変更される。したがって、時間的に膨張位置の変化する血行促 進チューブＴに接する身体部位が順次刺激を受け、横臥者の血行が促進されて床 ずれを防止する。

【００１２】 図２は、血行促進チューブＴの別の実施例を示している。この血行促進チュー ブＴは、上面の長手方向に多数の突起１４を備えている。この突起１４が、血行 促進チューブＴの膨張時に横臥者の身体部位に当たるので、血行がさらに促進さ れることになる。

【００１３】 以上、空気圧式による血行促進チューブＴの膨張収縮を例にとって説明したが 、エアコンプレッサ１２を水圧式または油圧式ものもとし、制御部１１をこれに 対応させれば、血行促進チューブＴの膨張収縮を、水圧または油圧で行なうこと も可能である。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の床ずれ防止装置によれば、血行促進チューブの 膨張位置が、時間とともに変化するので、横臥者は就寝姿勢を変えずにその変化 する刺激を受けることができる。よって、横臥者が寝たきり病人の場合には、そ の血行が促進され、床ずれを防ぐことができる。

【００１５】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による床ずれ防止装置の一実施例を示す
図である。

【図２】床ずれ防止装置を構成する血行促進チューブの
他の例を示す斜視図である。

【００１６】

【符号の説明】

Ｔ 血行促進チューブ １１ 制御部 １２ エアコンプレッサ １３ タイマー

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】マット状に並列連結された膨張収縮可能な
   複数の終端閉塞の血行促進チューブと、これら血行促進
   チューブの１または２以上を選択的に加減圧して膨張収
   縮させ、横臥者に対する支点位置を変更させる制御部
   と、この制御部に空気圧、水圧または油圧を送るコンプ
   レッサと、このコンプレッサを設定時間間隔で作動させ
   るタイマーとを備えていることを特徴とする床ずれ防止
   装置。
2. 【請求項２】前記チューブの上面には長手方向に複数の
   突起が設けられている床ずれ防止装置。