JPH0728534U - 病弱者の寝起き介助具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 病弱者を寝起きさせる際の介助者の負担を軽
減する。 【構成】 連結枠部１２とＬ状側枠部１３、１５を有す
るＵ状枠１１の側枠部１３、１５の先端部間に、各端部
にヒンジスリーブ２１とロックねじ２３付き半筒状係止
盤２２を有する脚支え２０を、側枠部１３の先端部に対
するヒンジスリーブ２１の枢着と、側枠部１５の先端部
に付設のナット２４に対するロックねじ２３のねじ係合
を介して、Ｕ状枠１１外に移動して両先端部間を開放可
能に掛け渡し、Ｕ状枠１１の連結枠部１２から屈曲部１
４、１６に向かう側枠部１３、１５の対向部間に、各端
部にスライドスリーブ２６を有する枕２５を、スライド
スリーブ２６を介して側枠部１３、１５に沿ってスライ
ド可能に掛け渡した方形の枠状体からなり、枠状体内に
脚支え２０と枕２５で病弱者の頭部と脚部を支持した状
態で、両側枠部１３、１５の屈曲部１４、１６を支点に
して揺動させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は病弱者の寝起き、特にベッドなどの寝床上における上体起こしと横 臥のために使用する介助具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来においてはこの種の病弱者の寝起きの介助は、介助者が病弱者を抱き抱え るという形態で行なっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしこのような抱き抱えの介助形態には、介助者にかかる負担（負荷）が大 きいという問題がある。

【０００４】 この考案は上記のような点に鑑み、病弱者の寝起きの介助の負担を大幅に軽減 することができる寝起き介助具を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案に係る病弱者の寝起き介助具は、連結枠部の両端から平行にかつ中間 の屈曲部を介してＬ状に延びる一対の側枠部を有するＵ状枠の両側枠部の先端部 間に、Ｕ状枠外に移動して先端部間を開放可能に脚支えを掛け渡す（延在させる ）とともに、両側枠部の連結枠部から屈曲部に向かう部分間に、側枠部に沿って 移動可能に枕を掛け渡し（延在させた）構成からなる。

【０００６】 脚支えのＵ状枠外への移動可能な側枠部の先端部間の掛け渡し（延在設置）は 、特に、脚支えの一端部を一方の側枠部の先端部に軸線周りに回動可能に枢着し 、脚支えの他端部を他方の側枠部の先端部に脱着自在に係止（固定）することに よって行なうことができる。

【０００７】

【作用】

この考案の寝起き介助具は、寝床に横臥している病弱者の上体を起こす際には 、一般に、病弱者に上方から被せるような形態で、枕及びＵ状枠の連結枠部が病 弱者の頭の近傍を左右に延びるとともに両側枠部の連結枠部から屈曲部までの部 分が病弱者の左右の両側部近傍を腰部近傍部まで延び、かつ屈曲部から先端側の 部分が腰部近傍から上方に立ち上がって延びるように寝床上の病弱者の周辺部に 設置した後、枕を病弱者の頭部の下まで移動して頭部を支持する一方、脚支えを Ｕ状枠外へ移動して先端部間を開放し、この開放した先端部間を通して病弱者の 脚を脚支えを僅かに超える高さまで持ち上げ、次いで脚支えを先端部間の掛け渡 し状態に戻した後、脚（例えば膝裏部）を脚支え上に下ろして支持することによ り、病弱者の実質部をＵ状枠内において枕で頭部を支持するとともに脚支えで脚 部を寝床から持ち上げて支持した状態にする。この後Ｕ状枠の連結枠部またはそ の近傍部を把持して連結枠部側を持ち上げることにより、全体を側枠部の屈曲部 を支点にして先方側に９０度またはその前後の角度揺動する。これにより脚を支 持している脚支えを含む側枠部の先端部側が下がって、病弱者の脚とともに寝床 に当接して、病弱者の上体が完全に起きた状態になる。

【０００８】 他方上記のようにして寝床上に上体を起こした病弱者を横臥させる際には、Ｕ 状枠を連結枠部またはその近傍部を把持して、上記とは逆方向に９０度またはそ の前後の角度揺動し、連結枠部とこれに続く側枠部の屈曲部までの部分及び枕を 寝床に当接させることにより、病弱者を脚を上げた状態に横臥させる。この後病 弱者の脚を手で支持した状態で脚支えのＵ状枠外への移動により両側枠部の先端 部間を開放して脚を寝床上に下ろす一方、枕を頭部から外れる位置まで移動して 、病弱者を寝床上に完全に横臥した状態にする。この後脚支えを先端部間の掛け 渡し状態に戻した後、Ｕ状枠の適宜の部分を持って寝床外へ片付ける。

【０００９】 なおこの寝起き介助具は、病弱者の上体を起こす前に、側枠部の屈曲部から先 端部までの部分が当接する寝床部を含む部分上に、滑りプレート類を敷設してお き、病弱者の上体を起こした際に側枠部の屈曲部から先端部までの部分がこの滑 りプレート類上に載るようにすれば、滑りプレート類を介して寝床上を滑らせる ことにより、上体を起こした病弱者を寝床上の任意の位置、例えば寝床の縁部な どへ移動させることができる。

【００１０】 またこの寝起き介助具は、病弱者の上体を起こした後病弱者から離す必要があ る場合には、一般には、枕を病弱者の頭部が当たらないように連結枠部側に移動 （上昇）した後、寝床に当接している脚支え及び両側枠部の屈曲部から先端側の 部分を介して、寝床上を脚支えが脚から離脱するまで病弱者の前方に滑らせるか （この際にも滑りを良くするために寝床との間に滑りプレーと類を介在させるこ とができる）、あるいは両側枠部の先端ないし脚支えを支点にして病弱者の前方 側に揺動させた後、脚支えが脚から離れるまで支点部を介して寝床上を前方に滑 らせる（この場合にも滑りプレート類を用いることができる）。

【００１１】

【実施例】

図面はこの考案の寝起き介助具の好適な一実施例を示したもので、丸パイプ製 のＵ状枠１１の一方のＬ状側枠部１３のつば１７付き先端部に、弾性ローラー形 の脚支え２０の一端部を該端部に設けたヒンジスリーブ２１を介して、側枠部１ ３の軸線周りに回動可能に枢着するとともに、他方の側枠部１５のつば１８とナ ット２４及びナット２４のねじ穴に連通するねじ通し穴（図示せず）を有する先 端部に、脚支え２０の他端部に設けたロック（係止）ねじ２３付きの半筒状係止 盤２２を、ロックねじ２３とナット２４とのねじ係合を介して脱着自在に固定し 、かつ両側枠部１３、１５の連結枠部１２から屈曲部１４、１６まで延びる部分 に、弾性ローラー形の枕２５の両端部を、該両端部に設けたスライドスリーブ２ ６を介して、その側枠部１３、１５に沿ってスライド自在に装着した方形の枠状 体からなっている。

【００１２】 この図示例の寝起き解除具は、病弱者に上方から被せるようにして、Ｕ状枠１ １の連結枠部１２及び両側枠部１３、１５の連結枠部１２から屈曲部１４、１６ までの部分がそれぞれ、病弱者の頭部近傍及び腰部近傍までの両側部近傍を延び るとともに、屈曲部１４、１６から先端までの部分が腰部近傍から上方に立ち上 がるように寝床上に設置した後、枕２５を病弱者の頭の下まで移動する一方、ロ ックねじ２３とナット２４とのねじ係合の解除を介して、係止盤２２の側枠部１ ５の先端部に対する固定を解除した後、ヒンジスリーブ２１の側枠部１３の軸線 回りの回動によって、脚支え２０をＵ状枠外の一側方部へ移動してこの間を開放 し（図１に仮想線で示す）、次いでこの開放した先端部間を通して病弱者の脚を 持ち上げた後、脚支え２０をヒンジスリーブ２１を介した逆回動によって両側枠 部の先端部間を延びる状態に戻し、病弱者の脚を脚支え２０上に下ろすとともに 、ロックねじ２３とナット２４とのねじ係合によって、係止盤２３を側枠部１５ の先端部に固定する。これにより病弱者は実質的には方形の枠状体内において枕 ２５によって頭部が支持されるとともに脚支え２０によって脚部が持ち上げられ た状態になる（図２参照）。次いでＵ状枠１１の連結枠部１２またはその近傍部 を把持して連結枠部１２側を持ち上げることにより、全体を両側枠部１３、１５ の屈曲部１４、１６を支点にして先方側に９０度近く揺動し、病弱者の頭部を含 む上体を起こすと同時に、脚を支持している脚支え２０を含む両側枠部１３、１ ５の先端部側を、寝床に当接する状態になるまで下げることにより、病弱者の上 体を寝床上に完全に起こす。

【００１３】 また上記のように病弱者の上体を起こした状態で、Ｕ状枠１１を連結枠部１２ またはその近傍部を把持して反先方側に９０度近く揺動すれば、連結枠部１２と これに続く両側枠部１３、１５の屈曲部１４、１６までの部分及び枕２５が寝床 に当接するとともに両側枠部１３、１５の先端部側が寝床の上方に立ち上がる先 の上体起こし直前の状態になる。この状態で病弱者の脚を支持したまま脚支え２ ０をヒンジスリーブ２１を介してＵ状枠外の一側方部へ回動して、脚を寝床上に 下ろす一方、枕２５をスライドスリーブ２６を介して頭部の上方に移動すれば、 病弱者は寝床上に完全に横臥した状態になる。この後はＵ状枠１１の適当な部位 を持って寝床外へ移動して片付けることができる。

【００１４】 この考案はこのほか、Ｕ状枠の各側枠部（屈曲部から反先端側の部分及び／ま たは屈曲部から先端側の部分）をロックねじ付きまたは止めねじ付きの引出し差 込み式伸縮構造にして、病弱者に対する適応性を高めたり、脚支えの他端部の係 止盤の対応する側枠部の先端部に対する脱着自在な係止（固定）を止め（押え） ねじ、ロックピン、フック状の止め具（ラッチを含む）などのその他の係止手段 を介して行なうなど、種々の形態で実施することができるもので、図示例に限定 されるものではない。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したところから明らかなように、この考案の寝起き介助具は、実質上 内部が開放可能な方形の枠状体という簡単な構造からなるとともに、病弱者の寝 起きも実質的にはこのような枠状体のてこ式の揺動という簡単な操作によって行 なうことができるので、使用に際しての寝床部への設置や使用後の片付けも含め て、介助者にかかる負担が極めて小さいという実用上有用な効果を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る寝起き介助具の一実施例の斜視
図である。

【図２】図１に示す実施例の使用状態を併記した側面図
である。

【符号の説明】

１１ Ｕ状枠 １２ 連結枠部 １３ 側枠部 １４ 屈曲部 １５ 側枠部 １６ 屈曲部 ２０ 脚支え ２１ ヒンジスリーブ ２２ 係止盤 ２３ ロックねじ ２４ ナット ２５ 枕 ２６ スライドスリーブ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 連結枠部の両端から平行にかつ中間の屈
   曲部を介してＬ状に延びる一対の側枠部を有するＵ状枠
   の両側枠部の先端部間に、Ｕ状枠外に移動して先端部間
   を開放可能に脚支えを掛け渡すとともに、両側枠部の連
   結枠部から屈曲部に向かう部分間に、側枠部に沿って移
   動可能に枕を掛け渡してなる、病弱者の寝起き介助具。
2. 【請求項２】 脚支えの一端部を一方の側枠部の先端部
   に軸線周りに回動可能に枢着し、脚支えの他端部を他方
   の側枠部の先端部に脱着自在に係止してなる、請求項１
   記載の病弱者の寝起き介助具。