JPH07284975A - テーパー形状の孔明け方法 - Google Patents

テーパー形状の孔明け方法

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JPH07284975A
JPH07284975A JP6074625A JP7462594A JPH07284975A JP H07284975 A JPH07284975 A JP H07284975A JP 6074625 A JP6074625 A JP 6074625A JP 7462594 A JP7462594 A JP 7462594A JP H07284975 A JPH07284975 A JP H07284975A
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laser light
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Hirokazu Ono
裕和 大野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂材等の板材に高精度のテーパー形状の孔
を明ける。 【構成】 まずエキシマレーザー光2の光束の径を調整
したうえで、照射角をテーパー角度に対応したものに設
定する。その照射角でエキシマレーザー光2をワーク1
の板面に照射して第1の傾斜孔3を形成する。次に、照
射角を先に明けた傾斜孔と対称的な方向に設定して同様
に第2の傾斜孔4を形成する。2つの傾斜孔を明ける
と、中央部に残留部5が生じる。次にワーク1の板面に
対して垂直方向から、孔の中心位置にエキシマレーザー
光2を照射することにより残留部5が除去され、テーパ
ー形状のノズル孔7が形成される。傾斜孔3,4を明け
るためのエキシマレーザー光2の照射角が板面に対して
大きな角度になっているため、エネルギー密度が高く反
射面での反射・屈折による影響を受けることなく、高精
度の孔が形成可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばインクジェット
ヘッドのノズル孔などテーパー形状の孔を孔明け加工す
るためのテーパー形状の孔明け方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェトヘッドのノズル部分の形状
は液漏の体積、射出速度等に大きな影響を与えるため、
ノズル形状は射出方向に向ってその断面積が小さくなる
テーパー形状にすることが望ましいとされている。この
ようなテーパー形状の孔を明けるための従来技術とし
て、つぎのような方法が採用されている。すなわち、図
3(a)に示すように、初めにポリイミド等の樹脂板か
らなるワーク31の板面に、エキシマレーザー光32の
レーザーサイズを所定の径に絞り、垂直方向からこれを
照射して垂直孔33を明ける。次に、図3(b)に示す
ように、先に明けた垂直孔33の上端部にレーザーの照
射位置を合わせ、所定角度だけ傾けた位置から第1の傾
斜孔34を明ける。同様にして、第1の傾斜孔34と対
称的な位置から傾斜孔34に対称的な第2の傾斜孔35
を明ける。この結果、樹脂板31の上面に円形の上部開
口部と樹脂板の下面に3つの円が部分的に重なってなる
長円形に形成された下部開口部を有するテーパー形状の
孔が図3(c)に示すように明けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが従来技術にお
いては、初めに垂直孔を明けてから、同じ上部開口部か
らエキシマレーザー光を傾斜した状態で照射することに
よって傾斜孔を明けているため、垂直孔の内面がエキシ
マレーザー光の照射面となり、照射面に対する照射角度
が極めて小さくなっている。このために照射エネルギー
の密度が小さくなり、加工性が低下する原因になってい
る。また、照射角度が小さくなっているために、照射面
での反射や屈折の影響を受け易くなり、所望のテーパ形
状の孔が得られない問題がある。そこで本発明の目的
は、エキシマレーザー光の照射順序を変えることによっ
て高精度かつ所望のテーパー形状の孔を明けることがで
きるようにすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のテーパー形状の孔明け方法は、初めに明
けるべき孔のテーパー角度に対応した角度でエキシマレ
ーザー光を照射して複数の傾斜孔を形成した後に、板材
の板面に対して垂直方向から孔の中心位置にエキシマレ
ーザー光を照射し、孔の中央部に残された残留部を除去
するようにした。
【0005】
【作用】初めに傾斜孔を明け、最後に中央部の残留部
(量は少ない。)を除去するようにエキシマレーザー光
を照射するものであるため、傾斜孔を明けるときに板材
の板面が照射面となり、エキシマレーザー光の照射角度
が垂直孔の内径面を照射面とするときよりも大きくな
り、照射エネルギーの密度が高くなる。
【0006】
【実施例】以下本発明の一実施例について図面を参照し
て説明する。孔明けの対象となるワークは、小さな面積
に多数のテーパー形状のノズル孔を配設したインクジェ
ットヘッドのノズルプレートである。ワーク1の素材と
しては厚さ50μmのポリイミド樹脂フィルム(板)材
を採用し、この板材に噴射口側が約30μmの孔径と
し、テーパー角が30°で入口側の形状が長円形に形成
されたテーパー形状の孔を明けるものである。
【0007】孔明け装置としては、波長が248nm,
パルスエネルギーが250mJのKrFエキシマレーザ
ー装置を採用している。このKrFエキシマレーザーで
200shotの照射によって上記した板材に孔明け可
能である。まずエキシマレーザーから発せられるレーザ
ー光2の径を30μmに調整し、図1(a)に示すよう
に、レーザーの照射角をテーパー角度に対応した角度、
すなわちワーク1の板面に対して75°に設定して、エ
キシマレーザー光2を前述の条件で照射して第1の傾斜
孔3を形成する。
【0008】次に、エキシマレーザー光2の照射角を先
に明けた第1の傾斜孔3と対称的な方向、すなわちワー
ク1の板面に対して105°に設定して同様にエキシマ
レーザー光2を照射して図1(b)に示すような第2の
傾斜孔4を形成する。傾斜孔3,4を明けるためのエキ
シマレーザー光2の照射角は75°及び105°と、板
面に対して大きな角度になっているためエネルギー密度
が高く、反射による影響も生じにくいので、精度の高い
傾斜孔が形成される。2つの傾斜孔を明けると、ワーク
1の照射面の反対側には、孔の中央部両側に少ないなが
らも残留部5,5が生じている(図2参照)。
【0009】次に図1(c)に示すように、ワーク1の
板面に対して垂直方向から、孔の中心位置にエキシマレ
ーザー光2を照射することにより垂直孔6を明け、第1
及び第2の傾斜孔の形成によって残されていた残留部
5,5を除去する。以上600shotのエキシマレー
ザー光2の照射によって、上端部(噴出口側)がほぼ円
形の孔と下端部(入口側)が3つの孔の連結によってで
きた長円形とが傾斜上に連続したテーパー形状のノズル
孔7が形成される。
【0010】このほか入口側の形状を滑らかなものとし
たい場合には、エキシマレーザー光の照射角を徐々に大
きくなる方向に変化させて照射すればよい。また、入口
側の形状を円形とする円錐状のテーパー形状を欲する場
合には、エキシマレーザー光の照射角を孔の中心に対し
て水平方向に小刻みに円を描くように移動させて、多数
回に分けて傾斜孔を明け、最後に垂直方向からエキシマ
レーザー光を照射して残留部を除去するようにすればよ
い。
【0011】本実施例ではKrFエキシマレーザーを採
用しているが、これに限定する趣旨ではなく、ArFレ
ーザーやXeCIエキシマレーザーを採用してもよい。
また、ワークもインクッジェットヘッドのノズルプレー
トのノズル孔を明ける場合に限らず、その他のテーパー
形状の孔明けにも適用可能である。なお、板材となる樹
脂材も本実施例で適用したポリイミドの他、ポリサルフ
ォン、アクリル等でも同様の効果を得ることが可能であ
る。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では複数の
傾斜孔を明けた後に板面に対して垂直な方向からエキシ
マレーザー光を照射し、残留部を除去することによりテ
ーパー形状の孔を形成するものであるので、傾斜孔を明
ける時のエキシマレーザー光の照射角が大きくなるた
め、エネルギー密度が高くなるので加工性が向上する。
また、レーザー光の照射面での反射や屈折の影響も少な
くなるので、高精度のテーパー形状の孔を形成すること
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における穴明けの順序を示す断面図であ
る。
【図2】本発明によって板材の下面に形成された孔の形
状の拡大図である。
【図3】従来技術における穴明けの順序を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 板材 2 エキシマレーザー光 3,4 傾斜孔 5 残留部 6 垂直孔 7 孔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂材等の板材に異なる角度からエキシ
    マレーザー光を複数回照射することによってテーパー形
    状の孔を形成するテーパー形状の孔明け方法において、 上記孔に形成されるテーパー角度に対応した角度で上記
    エキシマレーザー光を照射して複数の傾斜孔を形成した
    後に、上記板材の板面に対して垂直方向から上記孔の中
    心位置に上記エキシマレーザー光を照射して上記孔の中
    央部に残された残留部を除去することを特徴とするテー
    パー形状の孔明け方法。
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