JPH07284931A - 溶融加工装置および溶融加工の制御方法および溶融加工の監視方法 - Google Patents

溶融加工装置および溶融加工の制御方法および溶融加工の監視方法

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JPH07284931A
JPH07284931A JP7022114A JP2211495A JPH07284931A JP H07284931 A JPH07284931 A JP H07284931A JP 7022114 A JP7022114 A JP 7022114A JP 2211495 A JP2211495 A JP 2211495A JP H07284931 A JPH07284931 A JP H07284931A
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良裕 加柴
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勝 岡田
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隆夫 廣澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 材料の特定部位が溶融状態に達したか否かを
リアルタイムで監視する。 【構成】 溶融加工開始前もしくは特定の溶融加工経過
時間後たる溶融加工の初期において、目標とする溶融許
容部分の外周部表面を構成する被接合材5aの固相表面
の照射点12に光ビーム9を照射し、その反射光10を
検出部8が列状または格子状に配置された受光素子7で
受光し、溶融加工開始前もしくは特定の溶融加工経過時
間後の受光量が最大となる検出部8を判定回路102で
判定する。溶融加工の進行により溶融池13の表面積外
周部が照射点12に達すると、上記検出部8の溶融加工
中における受光量の変化を検出し、溶融加工中の被接合
材5a,5bに形成された溶融池13の深さが被接合材
5a,5bの接合に適した溶融状態となったことを正確
に監視する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は溶融用エネルギを投与
して材料を溶融する溶融加工装置、溶融加工の制御方法
および溶融加工の監視方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】材料の溶融による例えば溶接やろう付け
などのような所望の加工を行う方法では、材料の溶融進
行状態が品質に大きく影響を与える。例えば溶接やろう
付けのような接合加工方法は、被接合部にある被接合材
と同種あるいは異種の材料を外部から投与する溶融用エ
ネルギで溶融した後、その溶融された材料への溶融用エ
ネルギ投与停止で凝固させ、複数の被接合材を互いに接
合するものである。
【0003】溶融用エネルギとしては、例えばトーチ、
発熱体から材料への伝熱、電気抵抗発熱、レーザのよう
な光ビーム、アーク放電などがある。図40には例えば
溶融用エネルギとしてアーク放電を用いた従来の溶接を
示す。この図40において、溶接加工を施すための被接
合材5aと被接合材5bを重ね合わせ、被接合材5a,
5bを接地し、その被接合材5a,5bの上部に溶接電
極1を所定距離だけ離間して配置する。溶接電源2から
溶接電極1に電流を供給し、溶接電極1と被接合材5
a,5bとの間にアークを発生させ、被接合材5a,5
bの目標とする溶融許容部分を溶融池13に形成する。
この溶融池13が形成されたところで、上記溶接電極1
への電流供給を停止すると、溶接池13内の溶融成分が
凝固し、この凝固にて被接合材5a,5b同士が溶接さ
れた重ね継手を形成する。
【0004】この場合、被接合材5a,5bの接合部は
溶融・凝固に伴って接合が進んでいくため、接合加工部
の品質は材料の溶融進行状態に大きく左右される。
【0005】また、図41には例えば二つの被接合材を
その間にこれら被接合材よりも低い融点温度を有するろ
う材を介して、このろう材を溶融することによって被接
合材同士を接合するろう付け工程の構成が示される。こ
のろう付け工程においては、図41に示すように被接合
材5a,5bをろう材6を介して配置し、エネルギ発生
源15より加熱器14にエネルギを投与して加熱する。
ろう材6は溶融した後、被接合材5a,5b間に広が
り、被接合材5aの周囲および被接合材5bの側面部に
排出される。このようなろう付け工程においては、従
来、後工程としてろう付け部の外観検査を行い、ろう材
6の被接合材5a,5b間での広がり具合や過剰な排出
状態の不具合などといった不良を判定する方法がとられ
ていた。
【0006】このような外観検査方法としては従来一つ
一つ作業者の目視による検査が行われていたが、このよ
うな場合、膨大な時間および人手を要するため量産製造
技術の高効率化といった点からは問題となっていた。
【0007】このような問題に対処する方法として例え
ば特開昭60−133968号公報に記載された検査方
法が知られている。図42にはその構成、図43には検
査の原理図が示される。図42において、30はレーザ
発振器、31は半透鏡、32は光ファイバ、33,34
は集光レンズ、35は半田、36は受光部、37は半田
付け検査部である。このような構成において、レーザ発
振器30から発振された検査用のレーザ光は半透鏡31
によって曲げられ、光ファイバ32、集光レンズ33を
介して半田35に照射され、反射する。反射したレーザ
光は再び光ファイバ32、集光レンズ34を介して受光
部36にて受光される。受光部36での受光量を図43
のごとき電気信号に変換し、この電気信号の半田溶融状
態による変化を出力する。図44には各半田付け状態に
おける乱反射の状態が示される。半田付け状態による乱
反射の度合によって電気信号が異なり、図44のa図に
示すような良好な半田付けの場合は、図44のb図に示
すいも半田付けと比較して乱反射の度合いが小さいので
受光量は大きく、良好な半田付けの場合の電気信号は図
43中のV0Aのように、いも半田付けの場合の電気信
号V0Bよりも大きくなる。また、半田のない場合には
図44のc図に示すように乱反射方向の度合いがさらに
小さくなり、電気信号は図43中のV0Cのごとくさら
に大きくなる。このような良否判定をあらかじめ設定し
た閾値との比較によって行い、例えば図43のごとく出
力が閾値V1とV2の間にあるV0Aの場合には良好な
半田付けであり、閾値V1より小さい電気信号V0Bの
場合には不良ないも半田付け、閾値V2より大きい電気
信号V0Cのような場合には半田なし不良と判断する。
このようにして、半田付けの良否を判定することができ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなアーク溶
接をはじめとする各種溶接においては、溶接材料の溶け
込みが継手強度などの品質を左右する重要な因子となる
が、溶け込みはアークを発生させる電極の形状や電極と
被接合材との距離などによってばらつくため、加工材料
毎に溶け込みがばらつき、溶け込み不良が発生するとい
った問題点があった。
【0009】また、ろう付けの検査方法として上記のよ
うな方法によって、いもろう付け、ろう無しといった不
具合を判定することはできるが、ろう材の広がり形状を
特定するのは困難であり、特に、ろう材の溶融中におい
て、溶融ろう材が過剰な範囲に流れた場合に、その範囲
を判別することが難しく、また、品質の判定にとって重
要なフィレットの形成状態について詳細に判別すること
ができないという問題点があった。
【0010】また、ろう付けをはじめとする溶融加工に
おいては、従来ろう材などの溶融状態を作業者が目視に
よって判断しつつ加工条件などを変更しているため、加
工の不良率低減といった点においても限界があり、問題
であった。
【0011】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、溶融用エネルギを投与して
材料を溶融する溶融加工において、溶融加工の進行に伴
って材料の特定の部位が溶融状態に達したか否かを判定
し、品質の良否を大きく反映する溶融後の材料の溶融領
域の広がり量および流動量さらには形状といった溶融状
態を加工中にリアルタイムで監視する方法、および材料
の溶融状態を制御することによって加工品質を安定にす
る溶融加工装置、およびその制御方法を提供することを
目的とする。また、照射点の表面状態の変化やフラック
スをはじめとする表面活性剤の蒸発、飛散といった光ビ
ームの散乱の影響を受けることなく安定に溶融状態を監
視することを目的とする。また、材料の溶融範囲を一定
基準範囲に安定性よく抑性することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した第1
の発明に係る溶融加工の監視方法は、目標とする材料溶
融許容部分の外周部表面または目標とする溶融材料流れ
許容部分の外周部表面に監視用光ビームを照射し、その
監視用光ビームの材料表面からの反射光を受光素子で受
光し、この受光素子の加工中での出力の変化にて溶融加
工中の材料の溶融状態を監視することを特徴とするもの
である。
【0013】請求項2に記載した第2の発明に係る溶融
加工の監視方法は、第1の発明における受光素子として
反射光の検出部が列状または格子状に配置された受光素
子を用い、第1の発明における受光素子の溶融加工中で
の出力の変化として受光素子の受光量が最大となる検出
部での受光量の変化を用い、この受光量の変化として材
料の監視用光ビームの照射部分が溶融される以前のも
の、または特定の加工経過時間後のものを用いることを
特徴とするものである。
【0014】請求項3に記載した第3の発明に係る溶融
加工の監視方法は、第1の発明における受光素子は、監
視用光ビームの照射部分が溶融される以前における監視
用光ビームの反射光路からは特定の距離だけ離し、さら
に溶融後の反射光が投光されるような位置に配置して、
この受光素子の溶融加工中での出力の変化を検出して、
溶融加工中の材料の溶融状態を監視することを特徴とす
るものである。
【0015】請求項4に記載した第4の発明に係る溶融
加工の監視方法は、第1の発明における受光素子として
反射光の受光位置を検出する受光素子を用い、第1の発
明における受光素子の溶融加工中での出力の変化として
受光素子の受光位置に応じた位置座標情報の変化を用い
ることを特徴とするものである。
【0016】請求項5に記載した第5の発明に係る溶融
加工装置は、エネルギ発生源とエネルギ制御部と光ビー
ム源と受光器と比較判定回路と制御回路とを備え、エネ
ルギ発生源が溶融用エネルギを発生し、エネルギ制御部
がエネルギ発生源から出力される溶融用エネルギを制御
し、光ビーム源が目標とする材料溶融許容部分の外周部
表面または目標とする溶融材料流れ許容部分の外周部表
面に監視用光ビームを照射し、受光器が光ビームの材料
表面からの反射光の受光量を検出し、比較判定回路が受
光器での受光量と予め設定された閾値とを比較し、制御
回路が比較判定回路からの比較結果に応答してエネルギ
発生源を制御するための信号をエネルギ制御部にフィー
ドバックしてエネルギ発生源によるエネルギ投与を制御
することを特徴とするものである。
【0017】請求項6に記載した第6の発明に係る溶融
加工装置は、第6の発明における受光器は、監視用光ビ
ームの照射部分が溶融される以前における監視用光ビー
ムの反射光路からは特定の距離だけ離し、さらに溶融後
の反射光が投光されるような位置に配置することを特徴
とするものである。
【0018】請求項7に記載した第7の発明に係る溶融
加工装置は、エネルギ発生源とエネルギ制御部と光ビー
ム源と受光器と距離算定回路と比較判定回路と制御回路
とを備え、エネルギ発生源が溶融用エネルギを発生し、
エネルギ制御部がエネルギ発生源から出力される溶融用
エネルギを制御し、光ビーム源が目標とする材料溶融許
容部分の外周部表面または目標とする溶融材料流れ許容
部分の外周部表面に監視用光ビームを照射し、受光器が
光ビームの材料表面からの反射光の受光位置を検出して
受光位置に応じた位置座標情報を出力し、距離算定回路
が受光器からの位置座標情報に基づき受光位置の変位距
離を算定し、比較判定回路が距離算定回路からの変位距
離と予め設定された閾値とを比較し、制御回路が比較判
定回路からの比較結果に応答して上記エネルギ発生源を
制御するための信号を上記エネルギ制御部にフィードバ
ックして上記エネルギ発生源によるエネルギ投与を制御
することを特徴とするものである。
【0019】請求項8に記載した第8の発明に係る溶融
加工装置は、第5ないし第7のいずれかの発明における
比較判定回路の出力に従って材料の溶融部分の温度を低
下させる冷却手段を備えたことを特徴とするものであ
る。
【0020】請求項9に記載した第9の発明に係る溶融
加工装置は、第5ないし第7のいずれかの発明における
エネルギ発生源がパルス通電によって溶融用エネルギを
発生する手段を備えたことを特徴とするものである。
【0021】請求項10に記載した第10の発明に係る
溶融加工装置は、第5ないし第7のいずれかの発明にお
けるエネルギ発生源がパルス通電によって溶融用エネル
ギを発生する手段を備え、第5ないし第7のいずれかの
発明における光ビーム源が上記エネルギ発生源のパルス
通電の周波数以上の周波数で走査する手段を備えたこと
を特徴とするものである。
【0022】請求項11に記載した第11の発明に係る
溶融加工の制御方法は、目標とする材料溶融許容部分の
外周部表面または目標とする溶融材料流れ許容部分の外
周部表面に監視用光ビームを照射し、その監視用光ビー
ムの材料表面からの反射光を受光位置を検出する受光素
子で受光し、この受光器からの座標に基づいて受光位置
の変位距離を算定し、この算定した変位距離を予め設定
された閾値と比較し、この比較結果を予め設定された所
定設定情報と比較し、この比較結果に基づいて溶融用エ
ネルギの投入量と投入時間とを決定し、この決定に応答
して上記溶融用エネルギの材料への投与を制御すること
を特徴とするものである。
【0023】請求項12に記載した第12の発明に係る
溶融加工の制御方法は、目標とする材料溶融許容部分の
外周部表面または目標とする溶融材料流れ許容部分の外
周部表面に監視用光ビームを照射し、その監視用光ビー
ムの材料表面からの反射光を受光位置を検出する受光素
子で受光し、この受光器からの座標に基づいて受光位置
の変位距離を算定し、この算定した変位距離を予め設定
された閾値と比較し、この受光量と閾値を比較する毎に
加工開始からの経過時間を記憶し、上記受光量が閾値よ
り小さくなった場合に上記記憶された経過時間が予め設
定された所定設定情報と比較判定し、この判定結果に基
づき溶融用エネルギの出力条件を決定し、この決定に応
答して上記溶融用エネルギの材料への投与を制御するこ
とを特徴とするものである。
【0024】請求項13に記載した第13の発明に係る
溶融加工の制御方法は、目標とする材料溶融許容部分の
外周部表面または目標とする溶融材料流れ許容部分の外
周部表面または目標とする溶融材料流れ許容部分の外周
部表面に監視用光ビームを照射し、その監視用光ビーム
の材料表面からの反射光を受光位置を検出する受光素子
で受光し、この受光器からの座標に基づいて受光位置の
変位距離を算定し、この算定した変位距離を予め設定さ
れた閾値と比較し、この変位距離が閾値より大きくなっ
た場合に受光位置の変位方向を算出し、この変位方向を
予め設定された所定変位方向と比較し、この比較結果に
基づき溶融用エネルギの出力条件を決定し、この決定に
応答して上記溶融用エネルギの材料への投与を制御する
ことを特徴とするものである。
【0025】
【作用】第1の発明の溶融加工の監視方法は、監視用光
ビームの照射部分における材料の固相から溶融状態への
変化を監視するか、監視用光ビームの照射部分への溶融
状態となった材料の到達(溶融状態となった材料の広が
り)を監視する。
【0026】第2の発明の溶融加工の監視方法は、受光
量の変化によって、監視用光ビームの照射部分における
材料の固相から溶融状態への変化を監視するか、監視用
光ビームの照射部分への溶融状態となった材料の到達を
監視する。
【0027】第3の発明の溶融加工の監視方法は、第2
の発明と同様に受光量の変化によって、監視用光ビーム
の照射部分における材料の固相から溶融状態への変化を
監視するか、監視用光ビームの照射部分への溶融状態と
なった材料の到達を監視する。
【0028】第4の発明の溶融加工の監視方法は、受光
位置座標情報の変化によって、監視用光ビームの照射部
分における材料の固体から溶融状態への変化を監視する
か、監視用光ビームの照射部分への溶融状態となった材
料の到達を監視する。
【0029】第5の発明の溶融加工装置は、受光量と閾
値との比較によって、材料に投与される溶融用エネルギ
の投与を制御する。例えば制御回路がエネルギ発生源を
制御するための信号をエネルギ制御部にフィードバック
してから所定時間後に、溶融用エネルギの投与を停止す
るか、または制御回路がエネルギ発生源を制御するため
の信号をエネルギ制御部にフィードバックしてから溶融
用エネルギの投与量を低下し、その溶融用エネルギの投
与量低下から所定時間後に溶融用エネルギの投与を停止
する。
【0030】第6の発明の溶融加工装置は、第5の発明
と同様に受光量と閾値との比較によって、材料に投与さ
れる溶融用エネルギの投与を制御する。例えば、制御回
路がエネルギ発生源を制御するための信号をエネルギ制
御部にフィードバックしてから所定時間後に溶融エネル
ギの投与を停止するか、または制御回路がエネルギ発生
源を制御するための信号をエネルギ制御部にフィードバ
ックしてから溶融用エネルギの投与量を低下し、その溶
融用エネルギの投与量低下から所定時間後に溶融用エネ
ルギの投与を停止する。
【0031】第7の発明の溶融加工装置は、受光位置の
変位距離と閾値との比較によって、材料に投与される溶
融用エネルギの投与を制御する。例えば制御回路がエネ
ルギ発生源を制御するための信号をエネルギ制御部にフ
ィードバックしてから所定時間後に、溶融用エネルギの
投与を停止するか、または制御回路がエネルギ発生源を
制御するための信号をエネルギ制御部にフィードバック
してから溶融用エネルギの投与量を低下し、その溶融用
エネルギの投与量低下から所定時間後に溶融用エネルギ
の投与を停止する。
【0032】第8の発明の溶融加工装置は、冷却手段が
溶融部分の流動を抑制する。
【0033】第9の発明の溶融加工装置は、エネルギ発
生源からのパルス通電加熱による溶融用エネルギが材料
に電磁ピンチ効果を誘発する。
【0034】第10の発明の溶融加工装置は、エネルギ
発生源からのパルス通電加熱による溶融用エネルギが走
査するので、走査半周期分での受光量変化を、溶融材料
の流動1周期分以内でとらえる。
【0035】第11の発明の溶融加工の制御方法は、受
光位置の変位距離と閾値との比較結果を所定設定時間と
比較して、溶融用エネルギの投入量と投入時間とを制御
し、材料の均熱化を図る。
【0036】第12の発明の溶融加工装置の制御方法
は、溶融加工の経過時間が所定設定時間以内である場合
に、溶融用エネルギの出力条件を制御し、材料の均熱化
の精度を高める。
【0037】第13の発明の溶融加工装置の制御方法
は、受光位置の変位方向と変位位置とで溶融用エネルギ
の出力条件を制御し、容易な構成で材料の均熱化の精度
を高める。
【0038】
【実施例】以下、この発明の各実施例を図1乃至図39
を用い、前述の従来例と同一部分に同一符号を付して説
明する。 実施例1.図1はこの発明の実施例1に係る溶融加工の
監視方法を採用する溶融加工装置の構成を示すブロック
図、図2はこの実施例1の被接合材の溶融池の表面状態
と溶融用エネルギの照射部分を拡大して示す断面図、図
3はこの実施例1の受光量の変化を示す図である。材料
を溶融するための溶融用エネルギとしては、例えばトー
チ、発熱体から材料への伝熱、電気抵抗発熱、レーザの
ような光ビーム、アーク放電が一般にはあるが、この実
施例1ではアーク加熱を利用したスポット溶接を例に挙
げて説明する。図1において、被接合材5aと被接合材
5bを重ね合わせるとともに接地し、その被接合材5
a,5bの上部に離間配置した溶接電極1に電流を溶接
電源2から供給し、溶接電極1と被接合材5a,5bと
の間にアークを発生させ、被接合材5a,5bの目標と
する溶融許容部分を溶融池13に形成する。この溶融池
13の深さと表面積とは比例の関係にある。
【0039】具体的には、被接合材5a,5bの材質と
溶融用エネルギの強さとがわかり、溶融池13の表面積
の直径が何ミリメートルならば、溶融池13の深さは被
接合材5aの表面から何ミリメートルであるというよう
に、溶融池13の表面積の直径から溶融池13の深さを
正確に予測することができる。よって、この実施例1の
監視方法では、上記のようなアークスポット溶接におい
て、光発生源3と集光レンズ4からなる光ビーム源34
0を溶接電極1の側方に離間配置し、光発生源3で発生
した監視用光ビーム9を集光レンズ4で集光し、その集
光された監視用光ビーム9のスポットを目標とする材料
溶融許容部分の外周部表面に設定された照射点12に照
射するようにする。そして、照射点12での監視用光ビ
ーム9の反射光10を受光するように受光素子7を配置
する。この照射点12は被接合材5a,5bを適切に接
合するための溶融許容部分としの溶融池13の深さから
溶融池13の表面積の直径を算出し、その算出された溶
融池13の外周部となる被接合材5aの表面に設定され
ていることから、溶融加工の初期において照射点12は
被接合材5aの固体表面にあり、溶融加工の進行によっ
て溶融池13の深さが深くなるとともに表面積が広が
り、その溶融池13の深さが設定深さとなる時期におい
て照射点12が溶融池13の外周部表面に位置すること
になる。上記受光素子7は、例えばフォトダイオードや
フォトトランジスタなどのような光量を検出する検出部
8がアレイ状(列状または格子状)に配置された受光素
子であり、このような受光素子7としては市販されてい
るフォトダイオードやCCDなどが用いられる。この受
光素子7の各検出部8の受光量を光電変換回路101で
電圧値あるいは電流値などの電気信号Vに変換する。こ
の受光素子7の出力端に接続された最大受光部判定回路
102は、溶接加工開始前もしくは溶接加工開始後にお
ける特定の加工経過時間後の被接合材5aの固体状態に
なったままの溶接許容部分の外周部表面に位置する照射
点12からの監視用光ビーム9の反射光10の受光量が
最も大きくなる検出部8を判定し、その検出部8の出力
を表示回路103に出力する。表示回路103は最大受
光部判定回路102から出力に応じ受光量が最も大きく
なる検出部8の受光量に相当する電気信号Vの内容を表
示器104に表示させる。
【0040】溶融加工において、一般的には、材料保持
治具の寸法精度、がたつき、あるいは光ビーム源および
受光素子の位置決め誤差および材料自身の寸法精度など
によって、材料に照射される監視用光ビームの反射光の
受光位置にはずれを生じ、受光範囲の狭い単体の検出部
のみ有するような受光素子では受光量が変わり、安定し
て溶融加工を監視することが困難になる。これに対し
て、この実施例1のごとく受光素子として光量を検出す
る検出部8をアレイ状に配置した受光素子7を用いれ
ば、上記受光位置のずれに左右されず、受光素子7がほ
ぼ一定の光量を検出することができる。しかも、この実
施例1では溶融加工の初期において照射点12は被接合
材5aの固体表面にあり、溶融加工の進行によって溶融
池13の深さが深くなるとともに表面積が広がり、その
溶融池13の深さが設定深さとなる時期において照射点
12が溶融池13の外周部表面に位置するというよう
に、照射点12を溶接許容部分の外周部表面に設定し、
この照射点12からの反射光10を受光素子7で受光
し、この受光素子7の溶融加工中での出力の変化を検出
して、溶接加工中の被接合材5a,5bの溶融状態を監
視するので、溶融池13の深さが被接合材5a,5bの
溶接加工に適切な設定深さに到達したことを正確にリア
ルタイムで監視できる。つまり、アーク圧力と溶融池1
3内の溶融物の表面張力および対流によって表面形状に
ゆらぎが発生する。そして、溶融加工が進行し、溶融池
13の深さが設定深さに到達し、溶融池13の表面積が
広がり、その溶融加工の進行に伴う溶融池13の表面積
の外周部が図2に示すように照射点12に達すると、図
2に点線で示すそれまでの監視用光ビーム9の反射光1
0は溶融池13の外周部の山形を描くゆらぎに応じ実線
で示す反射光11へと反射方向が不規則に変化し、照射
点12からの反射光は実線示の反射光10と仮想線示の
反射光11との間を往復するため、それまで受光量が最
大であった検出部8での受光量は激しく変化し、その変
化の様子が表示器104に表示される。よって、この表
示器104の表示を視認することによって、溶融池13
の深さが図1に示すように被接合材5aから被接合材5
bにわたって形成され、被接合材5a,5bの溶接加工
に適切な設定深さに到達したことを正確にリアルタイム
で監視できる。
【0041】上記照射点12からの反射光の変化の様子
について図3を用い説明する。溶接加工開始初期で照射
点12における被接合材5a,5bが溶融する前におい
て、反射光10の受光量が最も大きくなる検出部8の電
気信号Vに対応する表示器104に表示される光量の変
化は、照射点12まわりの被接合材5a表面が加熱に伴
い徐々に表面状態が変化する状態変化によって、ライン
A〜Bのように振幅の少ない時間幅の大きな緩やか変化
となる。この後、溶接加工の進行で溶融池13の深さと
表面積とが広がり、溶融池13の表面積の外周部が照射
点12に達すると、監視用光ビーム9の反射光は図2に
点線で示す反射光10と実線で示す反射光1との間で不
規則に変化するため、検出部8からの電気信号Vに対応
する表示器104に表示される光量の変化は、ラインB
〜Cのごとく振幅の大きい時間幅の小さな激しい変化と
なり、結果として、照射点12が溶融したことを瞬時に
的確に判定することができる。特に、レーザ加熱やアー
ク加熱の場合には、溶融用エネルギが溶融物を押圧する
方向の力が溶融池13の中央部に働くため、図2に示す
ように、溶融池13の表面中央部は凹状になり、溶融池
13の表面外周部は凸状になり、結果として、反射光1
0,11というように、監視用光ビーム9の反射光の反
射方向に変化が生じるため、より感度よく溶融加工を監
視することができる。
【0042】監視用光ビーム9としては白色光、キセノ
ンランプ光およびレーザ光などがあるが、集光性に優れ
たレーザ光を用いるのが好ましく、また、装置構成上、
発振器が小さく光軸合わせの容易な可視レーザ光を発振
する半導体レーザ、He−Neレーザが好ましい。また
監視用光ビーム9のスポット径としては小さいほど材料
溶融状態の平均的情報ではなく局部的情報が得られる。
すなわち、加熱中心部が溶融を開始して溶融する領域が
広がり、監視用光ビーム9の照射点が固体から溶融状態
に変化する現象を瞬時にとらえることができるため、感
度よく溶融加工を監視でき、概ねφ0.5mm以下であ
ることが好ましい。また、照射点への入射角は大きい方
が良く、具体的には半導体レーザを用いた場合、出力1
mW以上のものであれば、入射角が概ね40°以上であ
れば拡散反射成分が抑制されて効率良く受光できる。
【0043】ここで良好な溶接継手性能を得るために
は、適正な溶け込み深さが必要となるが、溶け込み深さ
(溶融池13の深さ)と溶融幅(溶融池13の表面積)
の関係は投与するエネルギの種類や投与量によって決定
することができるので、所望の溶け込み深さが得られる
溶融幅をあらかじめ求めておき、その溶融幅の外周部表
面に監視用光ビーム9を照射し、照射点12が溶融した
かどうかを判定することにより、溶接品質を適切に監視
することができる。
【0044】実施例2.図4はこの発明の実施例2に係
る溶融加工の監視方法を採用した溶融加工装置の構成を
示すブロック図であり、上記実施例1の図1と同じもの
には同一の符号を用い、その説明を省略する。図5はこ
の実施例2の被接合材の溶融したろう材の状態と溶融用
エネルギの照射部分を拡大して示す断面図、図6はこの
実施例2の受光量の変化を示す図である。この実施例2
の溶融加工としては、図5に示すように被接合材5a,
5bの間に被接合材よりも低い溶融温度を有するろう材
6を介在させて加熱し、ろう材6を溶融することによっ
て接合するろう付けを例として図示して説明する。ろう
材6は被接合材の材質に応じて選定され、例えば、はん
だ、銀ろう、りん銅ろう、銅ろう、ニッケルろう、金ろ
うなどである。
【0045】実施例1の溶接加工の監視方法は監視用光
ビーム9を照射した材料自身が溶融するものであった
が、この実施例2のろう付け加工の監視方法は、図5に
示すように、ろう材6が溶融して被接合材5a,5b間
から流出し、その流出したろう材6の表面が被接合材5
aの角部と被接合材5bに対する監視用光ビーム9の照
射点12とを結ぶ傾斜面を呈し、ろう材6の流動先端部
が照射点12に達すると、図4に示すように、照射点1
2における監視用光ビーム9の反射光10の反射方向の
変化をアレイ状の受光素子7,光電変換回路101,最
大受光部判定回路102,表示回路103および表示器
104でとらえることによって、ろう材6が照射点12
に流動してきたことを監視することができる。
【0046】具体的には、この実施例2の溶融加工の監
視方法によれば、ろう材6が溶融する前の監視用光ビー
ム9の反射光10の受光量が最も大きくなる検出部8の
光量に対応する電気信号Vは、照射点12まわりの被接
合材5aの表面状態の加熱に伴う変化によって、図6に
示すラインA〜Bのように振幅の少ない時間幅の大きな
緩やか変化であり、その後、ろう材6が溶融して被接合
材5a,5b間から流出して照射点12に達すると、そ
れまでの監視用光ビーム9の反射光10はろう材の流動
形状によって反射光11へと反射方向が変化するため、
それまで受光量が最大であった検出部8の受光量は著し
く低下し、その結果、電気信号Vは図6に示すラインB
〜Cのごとく急激に低下したままとなるので、ろう材6
が流動してきたことを判定することができる。この実施
例2では電気信号を表示したが、最大受光部判定回路1
02の次に、この出力と閾値Vth1との比較を行なう
比較判定回路を設け、電気信号がVth1以下になった
場合に表示回路103を通して例えばLEDなどを点灯
するようにして、ろうが流動してきたことを表示しても
よい。
【0047】また、照射点12に入射するレーザのスポ
ット径としては、ろう材6として銀ろう、りん銅ろうを
用いた場合に概ねφ0.5mm以下であれば、流動形状
に対して瞬時に方向が変化して感度良く溶融加工を監視
することができる。照射点12への入射角は大きい方が
良い。監視用光ビーム9として半導体レーザ光を用いた
場合、出力1mW以上のものであれば、入射角は概ね4
0°以上であれば拡散反射成分が抑制されて効率良く受
光できる。また、ろう材6の流動方向に対して垂直方向
ないし流動方向に対向する方向から照射すると、ろう材
6の流動先端部の形状変化に対して正確に溶融加工を監
視することができる。
【0048】以上のような溶融加工の監視方法を用い
て、4mm×6mm×2mmの銀系合金からなる電気接
点と3mm×50mm×6mmの銅材からなる台座を、
銀ろうあるいはりん銅ろうを用いてろう付けし、波長6
80nm〜780nmの半導体レーザ光をろう付け面に
ほぼ平行に照射して、照射点12のスポット径をφ0.
5mmとして、ろう付け部の長手方向のほぼ中央付近で
接合部から3mm程度離れた所に照射し、受光素子7と
して、5mm×5mmのフォトダイオードからなる検出
部8が0.5mmのギャップをもって縦横4素子ずつ配
置した受光素子を用いて監視し、ろう付けの良否をLE
D点灯の有無によって判定したところ、ろう材6が流動
してきたか否かを監視することができ、ろう流れ不足、
ろう流れ過大といった不良品を正確に判定することがで
きた。
【0049】実施例3.この実施例3では受光素子7
は、監視用光ビーム9の照射部分が溶融される以前にお
ける監視用光ビーム9の反射光路からは特定の距離だけ
離し、さらに溶融後の反射光11が投光されるような位
置に配置した場合の別の実施例を示す。またこの実施例
は上記実施例1及び実施例2と比べて受光素子7はろう
材6の流動する向きと同じ向きにずらして配置した例で
ある。図7はこの実施例3はこの実施例3における溶融
加工装置の構成を示すブロック図であり、上記実施例1
の図1および実施例2の図4と同じものには同一の符号
を用い、その説明を省略する。図7はこの実施例3での
監視用光ビーム9の照射部分が溶融状態になる前後の監
視用光ビーム9の反射光の受光素子7を含む面上での変
化を示すものであり、図8はこの実施例3における受光
量の変化を示す図である。この実施例3における溶融加
工としては実施例2と同様にろう付けを例として図示し
て説明する。
【0050】監視用光ビーム9の照射点はろう材6の流
動先端部が達する前に、被接合材5a,5bの表面状態
の加熱に伴う変化、特に酸化によって光ビームの反射率
が変化する。さらに、被接合材5a,5bの表面を活性
化して、ろう材6の流動を確保するためフラックスをは
じめとする表面活性剤を使用する場合、加熱によって蒸
発、飛散するため、反射光が散乱されることにより、受
光量の変化が不規則になり、反射方向の変化による受光
量の低下が顕著に検出できない場合がある。
【0051】この実施例3における反射光の変化と受光
量の変化を図8を用いて説明する。図7において、材料
溶融前においては材料溶融前の光ビームの反射光10の
受光位置が受光素子上から離れた位置になるように、さ
らに、照射点の材料溶融後の反射光路(方向変化した反
射光11)と受光素子7の位置関係を設定する。このよ
うな設定にすることによる受光量の変化を図8によって
説明する。まず、材料溶融前の光ビーム反射光10は受
光素子7には入らないため、受光量はラインE〜Fのご
とくバックグラウンドレベルでほぼ一定である。次に、
ろう材6が溶融して反射方向が変化すると、少なくとも
瞬間的には受光素子7は監視用光ビーム9の反射光を検
出するために、受光量はラインF〜Gのごとく急峻に立
ち上がり、ろうが流出してきたことを判定することがで
きる。例えば、この受光量とあらかじめ設定した閾値と
の比較を行う比較判定回路107を設け、受光量が閾値
以上になった場合に表示回路103を通して、例えばL
EDなどを点灯するようにしてろうが流動してきたこと
を表示器104で表示してもよい。
【0052】以上のような溶融加工の監視方法を用いる
ことによって、被接合材5a,5b表面の加熱に伴う光
ビームの反射率の変化や、例えばフラックスをはじめと
する表面活性剤の蒸発、飛散による反射光の散乱の影響
を受けることなく、反射方向の変化による受光量の変化
が安定に検出することができる。
【0053】例えば、4mm×6mm×2mmの銀系合
金からなる電気接点と3mm×50mm×6mmの銅材
からなる台座を、銀ろうあるいはりん銅ろうを用いてろ
う付けし、波長680nm〜780nmの半導体レーザ
光をろう付け面にほぼ並行に照射して、照射点のスポッ
ト径を¢0.5mmとして、ろう付け部の長手方向のほ
ぼ中央付近で接合から下方に3mm程度離れた所に照射
し、受光素子として30mm×5mmのろう付け部の長
手方向に長い寸法を有するフォトダイオードを用いて、
材料溶融前においてフォトダイオードの上方5mm程度
離れたところに反射光の受光位置がくるようにしてろう
付けの良否をLED点灯の有無によって判定したとこ
ろ、ろう材が流動してきたか否かを監視することがで
き、ろう流れ不足、ろう流れ課題といった不良品を正確
に判定することができた。
【0054】実施例4.図9は、この発明の実施例4に
係る溶融加工の監視方法を採用した溶融加工装置の構成
を示すブロック図、図10はこの実施例4の位置検出素
子にて構成した受光素子上の光ビームの反射光の受光位
置変化を示す概略図、図11はこの実施例4の受光位置
の変位距離rの変化を示す図である。この実施例4の溶
融加工の監視方法は、図9に示すように、溶融加工とし
て実施例2と同様なろう付け加工を例として掲げ、受光
素子として受光位置を検出するための受光素子16を用
いた溶融加工の監視方法を例として図示してある。受光
素子16としては例えばフォトダイオードの表面抵抗を
利用した非分割型位置センサ(PSD)を用いる。図9
において、ろう材6が溶融して被接合材5a,5b間か
ら流出し、ろう材6の流動先端部が照射点12に達する
と、照射点12における監視用光ビーム9の反射光10
の反射方向の変化を受光素子16および座標演算回路1
05によって位置座標情報として変換して距離算定回路
106に出力し、距離算定回路106によって受光位置
の変位距離rを算定し、変位距離rを表示回路103を
経て表示器104に表示することによって、ろう材6が
照射点12に流動してきたことを監視することができ
る。
【0055】具体的には、この実施例4の溶融加工の監
視方法によれば、ろう材6が溶融する前には照射点12
で監視用光ビーム9の反射光10の方向は変化しないた
め、受光素子16上での受光位置17aは図10に示す
ように変化せず、変位距離rは図11に示すようにライ
ンA〜Bのようにほぼ0で一定である(変位距離r=r
0 )。その後、ろう材6が溶融して照射点12に流動し
てくると、監視用光ビーム9の反射光10の方向が反射
光11(図5参照)のように変化するため、受光素子1
6上の受光位置17aが図10に示す位置18aへと変
化し、表示曲線は図11に示すように0から変化した変
位距離分だけラインB〜Cのごとく急峻に立ち上がり、
ろう材6が照射点12に流出してきたことを判定するこ
とができる。例えば、距離算定回路106において閾値
rthを設定して、変位距離rと閾値rthを比較する
ことによって、ろう材6が照射点12に流出してきたこ
とを判定してもよい。
【0056】この実施例4では、例えば受光素子16と
してPSDを用いた例を示したが、フォトダイオード、
フォトトランジスタのような光量を検出する検出部がア
レイ状に配置された受光素子6として、市販されている
フォトダイオードアレイ、CCDを用いてもよく、この
場合には受光素子からの出力を受けて、反射光強度分布
の重心もしくは最大部を検出する検出部の位置を座標情
報として出力する演算回路を設ければよい。
【0057】この実施例4では、光ビームの照射点が固
体状態である場合と溶融状態になる場合での形状変化が
大きければ感度良く監視することができる。このため、
ろう付け以外においても、実施例1で示した図2のごと
くアーク圧力や溶融によって蒸発反力などの外圧が働
き、溶融先端形状が特定の形状に大きく変化するレーザ
加熱もしくはアーク加熱といったエネルギ投与による溶
融加工の場合にも同様の効果が得られる。
【0058】以上のように構成された本実施例4の溶融
加工装置において、加工中の受光位置は反射方向の変化
によってのみ変位し、材質や材料の表面状態の影響を考
慮することなく、ろう流れ不足、ろう流れ過大といった
不良を正確に判定することができる。
【0059】実施例5.この実施例5では受光素子とし
て受光位置を検出するための受光素子16を用いた場合
の溶融加工の監視方法の別の実施例を示す。位置検出素
子としては、例えばフォトダイオードの表面抵抗を利用
した非分割型位置センサ(PSD)を用い、図9の距離
算定回路106の他に位置の変位方向θを算定する方向
算定回路(図示せず)を有する。このような構成で、受
光位置の変位距離rを閾値rthと比較して照射点への
ろうの流動を判定し、受光位置の変位方向θを算定して
表示することによって、ろう材がどのような形状で流動
してきたか知ることができる。図13および図15に
は、ろう材の流動形状と反射光受光位置の変位方向算定
値θとの関係を示す。図12は接合部全体にろう材6が
広がった良好なろう付け状態を示したものであり、この
ような流動形状においては受光素子(PSD)16上の
受光位置17bは位置18bへと変化し、変位方向算定
値は図13のθ1のごとく小さくなる。一方、図14の
ごとく未ろう付け部24が発生するような場合には受光
位置は位置18cへと変化し、変位方向算定値θは図1
5のθ2のごとく大きくなる。このような良否の判定を
閾値θthを設定して変位方向算定値θと閾値θthを
比較することにより、ろう付けの良否を判定することが
できる。閾値θthは被接合材の形状、ろう付け部と光
ビーム9の照射点12との距離などに応じて設定する
が、概ね30°〜60°の範囲に設定するのがよい。
【0060】この実施例5においては、ろう材6が溶融
して被接合材5a,5bから流出して被接合材5a,5
bの表面もしくは側面を流動してくる場合について、照
射点12へのろう材6の流出による反射方向の変化を検
出するものであり、特に電気接点と台座とのろう付けの
ように、ろう材6の流出形状と未ろう接発生の有無との
相関性が大きい場合において有効である。
【0061】このような溶融加工の監視方法を用いて例
えば、4mm×6mm×2mmの銀系合金からなる電気
接点と3mm×50mm×6mmの銅材からなる台座
を、銀ろうあるいはりん銅ろうを用いてろう付けし、半
導体レーザ光をろう付け面にほぼ平行に照射して、照射
点12のスポット径をφ0.5mmとしてろう付け部の
長手方向のほぼ中央付近で接合部から3mm程度離れた
所に照射し、受光素子16として13mm×13mmの
PSDを用いてろう付けの良否をLED点灯の有無によ
って判定したところ、ろう材6が流動してきたか否かを
監視することができ、さらに閾値θを45°に設定する
ことによってろう流れ不足、ろう流れ過大および未ろう
接の発生といった不良を正確に判定することができた。
【0062】実施例6.図16はこの発明の実施例6に
係る溶融加工装置の構成を示すブロック図、図17はこ
の実施例6の受光器の受光素子が検出した受光量を電気
信号に変換した波形を示す図である。この実施例6では
溶融用エネルギとして、例えば誘導加熱、光ビーム加
熱、トーチ加熱などを用いたろう付けを例に挙げて説明
する。図16において、エネルギ制御部110からの制
御信号によってエネルギ発生源111から材料へ溶融用
エネルギを投与する。この投与された溶融用エネルギに
よってろう材6が溶融して被接合材5a,5b同士を接
合する。監視用光ビーム9を発生する光ビーム源340
は光発生源3と集光レンズ4とから構成され、ろう材6
の流動してくる被接合材5a,5bの表面に監視用光ビ
ーム9を照射する。受光器108aは監視用光ビーム9
の反射光10の光量を検出する受光素子20と受光量を
電気信号Vに変換する光電変換回路101によって構成
され、受光素子20としては、例えばフォトダイオー
ド、フォトトランジスタ、太陽電池などが用いられる。
107は電気信号Vを閾値Vthと比較判定する比較判
定回路、109は比較判定回路107aからの信号を受
けてエネルギ発生源111の通電電流の低下量を設定も
しくは通電停止を設定するための信号をエネルギ制御部
110にフィードバックしてエネルギ発生源111によ
るエネルギ投与を制御する制御回路である。また、11
2は冷却器制御回路113および冷却器114から構成
された冷却手段である。
【0063】上記のように構成された溶融加工装置の動
作を以下に説明する。ろう材6が溶融する前は加熱に伴
う材料表面状態の影響を受けて図17に示すラインA〜
Bのごとく振幅の少ない時間幅の大きな緩やかに変化す
る。さらに溶融加工が進行し、ろう材6が溶融して照射
点12に流動してくると、その形状によって反射光10
が反射光11となるように、監視用光ビーム9の反射方
向が変化し、反射方向が変化した反射光11が受光素子
20の検出部から外れるため、受光素子20の受光量は
図17に示すラインB〜Cのごとく急峻に低下する。電
気信号Vはあらかじめ設定された閾値Vthと比較判定
回路107aにおいて随時比較判定され、ろう材6の流
動によって電気信号VがラインB〜CのごとくVthよ
り小さくなった時点で制御回路109に比較判定結果を
送り制御回路109から信号をエネルギ制御部110に
フィードバックして所定設定時間経過した後にエネルギ
投与を停止する、もしくは投与量を低下して所定時間投
与後エネルギ投与を停止する。
【0064】以上のような溶融加工装置において、材料
の光ビーム照射点への流動を検出して材料へのエネルギ
投与を制御することにより、材料の溶融範囲を一定基準
範囲に抑制することができる。
【0065】溶融加工による材料の溶融凝固過程は、主
として材料の温度によって支配されるため、溶融形成領
域は加工する材料の加熱状態によって決まる。すなわ
ち、比熱、熱伝導率といった溶融される材料の物性、溶
融される材料の形状、治具配置といった奪熱構造によっ
てはエネルギ投与を停止してから、温度が低下して溶融
物の流動が停止して凝固するまでに時間差が生じる。ま
た、誘導加熱、光ビーム加熱、トーチ加熱、といった傍
熱による溶融加工の場合には、エネルギ投与の制御より
も温度低下が遅れを持つ場合がある。このような場合に
は、エネルギ投与量を低下するもしくは投与停止すると
ともに、比較判定回路107の出力を冷却手段112の
冷却器制御回路113に送って冷却器114を作動し、
溶融物の温度を強制的に低下させ、溶融の広がり、もし
くは流動を抑制することによって精度良く溶融加工の制
御を行うことができる。
【0066】このような溶融加工装置の冷却手段112
としては例えば、ガス、液体のごとく流体を冷媒として
冷却する手段、あるいは固体状の冷却器を溶融部近傍に
押し付けることによって冷却する手段があり、この実施
例6では流体を冷媒にした冷却手段を例として図16に
図示してある。冷却手段112は冷却器制御回路113
と冷却器114から構成され、冷却器制御回路113は
比較判定回路107によって電気信号Vが閾値Vthよ
りも小さくなった場合に比較判定回路107からの出力
信号によって冷却器114を作動させる。冷却器114
はガスあるいは液体を冷媒とする場合には、冷媒貯蔵
部、冷媒圧力、流量調節部、開閉弁などより構成され、
冷却制御回路113の出力によって開閉弁を開いて材料
の溶融部に冷媒を供給して冷却する。冷媒ガスは材料の
溶融部の酸化を防止するために例えば、アルゴン、ヘリ
ウム、窒素といった不活性ガスが好ましい。また、冷媒
が液体である場合には例えば水、液化窒素などが比較的
安価に入手でき工業的利用価値が高い。
【0067】溶融される材料の熱伝導、比熱、形状に応
じて冷却媒体の供給量を設定し、溶融された材料を冷却
することにより、エネルギ投与手段に関わらず、溶融部
の流動を抑制することができ、溶融加工の制御をより安
定に行うことができる。
【0068】実施例7.図18はこの発明の実施例7に
係る溶融加工装置の構成を示すブロック図、図19およ
び図20はこの実施例7のろう材6の流動先端部の形状
を示す断面図、図21はこの交流パルス通電とろう材の
流動との関係を示す図である。この実施例7は溶融加工
として特に電気抵抗発熱を用いたろう付けの場合の実施
例である。図18において、溶融加工装置は、光発生源
3と集光レンズ4とから構成される光ビーム源340、
被接合材5a,5b、ろう材6、監視用光ビーム9、反
射光10、反射光11、照射点12、受光素子20、光
電変換回路101、比較判定回路107、受光器108
a、制御回路109、通電制御回路115およびエネル
ギ発生源196を備える。受光器108aは監視用光ビ
ーム9の反射光10の光量を検出する受光素子20と受
光量を電気信号Vに変換する光電変換回路101によっ
て構成され、受光素子20としては例えばフォトダイオ
ード、フォトトランジスタ、太陽電池などが用いられ
る。エネルギ発生源196は、一対の電極19a,19
bと、これらの電極19a,19bにリード線21を介
して接続された電源116とで構成される。一対の電極
19a,19b間には被接合材5a,5bが介在され、
被接合材5a,5b間にはろう材6が介在され、一対の
電極19a,19bはろう材6を被接合材5a,5bを
介して挟持する。電源116はリード線21を介して電
極19a,19bから被接合材5a,5bを経てろう材
6に電流を供給する。ろう材6は供給された電流によっ
てジュール熱を生じて加熱され溶融して被接合材5a,
5b同士を接合する。通電制御回路115は制御回路1
09からの信号を受けて通電電流を制御する信号を電源
116に出力する。つまり、この通電制御回路115は
溶融用エネルギ発生源としての電源16がパルス通電に
よって溶融用エネルギを発生する手段を構成する。
【0069】この実施例7の電気抵抗発熱を用いたろう
付けにおいては、被接合材5a,5bおよびろう材6に
電磁ピンチ効果が生まれる。すなわち、導体中を流れる
電流によって電磁力がはたらき、例えば導体が溶融金属
のような液体である場合にはこの力が導体内部への圧縮
力(ピンチ力F)となって働く。ピンチ力Fの大きさは
通電電流値Iの2乗に比例する。このようなピンチ力F
によってろう材の流動先端部の形状は変形し、通電電流
値Iが大きければ変形量が増加するため、監視用光ビー
ム9を照射した照射点12へのろう材6の流動によっ
て、監視用光ビーム6の反射方向の変化は大きくなるた
め、この実施例7はろう材6の流動を感度よくとらえる
ことができる。図19に示すろう材6の流動先端部の形
状は通電パルス周波数60Hz、電流値6.5kA(実
効値)の交流通電電流条件によるものであり、図20に
示すろう材6の流動先端部の形状は電流値3.5kAの
直流の通電電流条件によるものである。交流通電パルス
の場合のピンチ力は電流値3.5kAの直流通電の場合
よりも約3倍以上になり、そのピンチ力がピーク値に達
した場合には図19のようにろう材6の流動先端部の角
度が大きくなり、監視用光ビーム9の反射方向の変化を
瞬時にとらえることができる。
【0070】このような大きな通電電流値Iを供給する
ためには、直流では実効電力値が極めて大きくなり、実
用的には不可能であり、パルス状の通電電流を供給する
ことによって可能となる。
【0071】例えば、実施例6における受光素子20上
では上記パルス通電の通電条件において、1msec以
下の短時間で反射方向が変化し、ろう材6の流れを極め
て高精度に抑制することができた。
【0072】さらに、特に電気接点の台座とのろう付け
すなわち接点の抵抗発熱によるろう付けにおいては、電
極などへの熱伝導によって熱の逃げが大きく、ろう材6
の流動は通電を停止することによって瞬時に停止する。
例えば、4mm×6mm×2mmの銀系合金からなる電
気接点と3mm×50mm×6mmの銅材からなる台座
を銀ろうを用いて交流パルス通電によってろう付けした
場合には、通電中にはろうは約900℃の到達温度で約
30mm/secの速度で流動し、通電停止後は通電直
後は5mm/sec以下となり、電極による冷却効果に
よってほぼ50msec程度で停止する。このため、通
電停止の時間制御を行うことによってろう材6の流動量
を高精度に制御することができる。
【0073】図21に示すように、例えば4mm×6m
m×2mmの銀系合金からなる電気接点と3mm×50
mm×6mmの銅材からなる台座を実効値6.5kA、
60Hzの交流パルス通電によってろう付けした場合、
ろう材6は電磁ピンチ力の影響を受けて、パルス周波数
の2倍の周波数で脈動しながら流動し、通電の停止直後
には流動は停止し、ろう材6の流動量を的確に制御する
ことができた。
【0074】また、この実施例7では一つの光ビーム源
と、光ビームの反射光の受光する一つの受光素子を用い
た例を図示して説明したが、複数の光ビーム源と各光ビ
ーム源による光ビームの反射光を受光する受光素子を用
いてもよく、その場合にはろう材が流動する領域をより
正確に検出することができるので、ろう材6の流動量を
高精度に制御することができる。
【0075】実施例8.図22はこの発明の実施例8に
係る溶融加工装置の構成を示すブロック図であって、反
射光を受光する素子を光量を検出する検出部がアレイ状
に配置された受光素子とした場合の実施例を示す。図2
2において、溶融加工装置は、光発生源3と集光レンズ
4とから構成される光ビーム源340、被接合材5a,
5b、ろう材6、監視用光ビーム9、反射光10、反射
光11、照射点12、一対の電極19a,19b、受光
素子20、リード線21、比較判定回路107、受光器
108b、制御回路109、通電制御回路115、電源
116およびエネルギ発生源196を備える。受光器1
08bは、光量を検出する検出部8がアレイ状に配置さ
れた受光素子7と、受光量を電気信号に変換する光電変
換回路101と、監視用光ビーム9の反射光10の受光
量が最も大きくなる検出部8の電気信号Vを出力する最
大受光部判定回路102とから構成される。エネルギ発
生源196は、一対の電極19a,19bと、これらの
電極19a,19bにリード線21を介して接続された
電源116とで構成される。
【0076】このように構成された溶融加工装置におい
て、受光素子7の加工開始前もしくは特定の加工経過時
間後の反射光10の受光量が最大となる検出部8を最大
受光部判定回路102で判定する。この検出部8からの
電気信号Vを比較判定回路107によって閾値Vthと
比較し、電気信号Vに応じた受光量が閾値Vthより小
さくなった時点で、比較判定回路107が比較判定結果
を制御回路109に送り、制御回路109から信号を通
電制御部115にフィードバックし、通電制御部115
が制御回路109からの信号のフィードバックを受けて
から所定設定時間経過した後に電源116を通電停止と
するか、もしくは通電制御部115が制御回路109か
らの信号のフィードバックを受けてから所定設定時間経
過した後に電源116の電極19a,19bへの通電電
流量を低下して所定時間通電後に、電源116を通電停
止とする。
【0077】この実施例8では監視用光ビーム9の反射
光10の光量を検出する検出部8がアレイ状に配置され
た受光素子7における受光量が最も大きくなる検出部8
を判定してから、その検出部8における受光量の変化を
検出するので、被接合材5a,5bの位置決め誤差によ
って生じる受光位置のずれによる影響を受けず、常に安
定した制御を行うことができ、結果として、ろう付け加
工の工業的な量産への利用価値が高くなる。
【0078】以上のように構成された溶融加工装置を用
いて、例えば4mm×6mm×2mmの銀系合金からな
る電気接点と3mm×50mm×6mmの銅材からなる
台座を、銀ろうあるいはりん銅ろうを用いてろう付けし
た。波長680nm〜780nmの半導体レーザ光をろ
う付け面にほぼ平行に照射して、照射点12のスポット
径をφ0.5mmとしてろう付け部の長手方向のほぼ中
央付近で接合部から3mm程度離れた所に照射した。そ
の反射光を5mm×5mmのフォトダイオードからなる
検出部が0.5mmのギャップをもって縦横4素子ずつ
配置した受光素子を用いたところ、ろう流れ不足および
過剰なろう流れが生じることがなくろう材6の流動量を
一定にすることができ、ろう付け品質を安定にすること
ができた。
【0079】実施例9.図23は、この発明による溶融
加工装置の一実施例を示したものである。これは、受光
器(受光素子20)を含む面上において、監視用光ビー
ム9の照射部分が溶融される以前における監視用光ビー
ム9の反射光照射位置からは特定の距離だけ離し、さら
に溶融後の反射光11が投光されるような位置に配置し
たものである。すなわち、受光器(受光素子20)とし
て、光ビームの照射点12が溶融状態になった後に上記
受光素子20に反射光11が投光されるように、光ビー
ムの照射部が溶融する前の光ビームの反射光10の受光
位置が受光素子20外のところに位置するような構成に
なっている。また、この実施例は、実施例6と比べて受
光素子20は、ろうの流動する向きと同じ向きにずらし
て配置した例である。他の部分は実施例6と同一のも
の、もしくは相当するものであり、同じ符号を用いてそ
の説明を省略する。
【0080】上記のように構成された溶融加工装置の動
作を以下に説明する。ろう材6が溶融する前には、受光
量は照射点12の表面状態の変化や反射光を遮るように
蒸発、飛散する。例えば、フラックスのような表面活性
剤の影響を受けることがないので、受光量を変換した電
気信号Vは図24に示すラインE〜Fのごとくバックグ
ラウンドレベルを維持する。さらに加工が進行してろう
材6が溶融し、かつ照射点12に流動してくると、その
形状によって反射方向が変化して受光素子20に投光さ
れるため、電気信号VはラインF〜Gのごとく急峻に増
加する。電気信号Vはあらかじめ設定された閾値Vth
と比較判定回路107において随時比較判定され、ろう
の流動によって電気信号VがラインF〜GのごとくVt
h2より大きくなった時点で出力回路109に比較判定
結果を送り、出力回路109から信号を制御部110に
フィードバックして所定設定時間経過した後にエネルギ
投与を停止する、もしくは投与量を低下して所定時間投
与後エネルギ投与を停止する。
【0081】以上のような溶融加工装置において、照射
点12の表面状態やフラックス等の表面活性剤の影響を
受けずに、材料の光ビーム照射点12への流動を安定に
検出して材料へのエネルギ投与を制御することができる
ので、材料の溶融範囲を一定基準範囲に抑制することが
できる。
【0082】実施例10.図25は、この発明による溶
融加工装置の他の実施例について示したものである。本
実施例は溶融加工として、特に電気抵抗発熱を用いたろ
う付けの場合の実施例である。図25中の符号3〜6、
9〜11、20、101、107、108a、109、
340は上記実施例7の図18と同一のもの、もしくは
相当するものである。エネルギ発生源196を構成する
19a,19bは被接合材5a,5bおよびその間に介
在したろう材6を挟持するように構成された一対の電
極、21は上記電極19a,19bに通電するリード
線、116は上記電極19a,19bおよび5a,5b
とその間に介在するろう材6とに電流を供給する電源で
ある。115は出力回路109からの信号を受けて通電
電流を制御する通電制御部である。また、この実施例で
は、実施例7と比べて受光素子は、ろうの流動する向き
と同じ方向にずらして配置した例である。
【0083】本実施例で示す抵抗発熱を用いたろう付け
においては、電源116から供給された電流によってジ
ュール熱を生じさせて加熱し、ろう材6を溶融して被接
合材5aと5bとを接合する。この時、ピンチ力によっ
てろう材6の流動先端形状は変形し、通電電流値Iが大
きければ変形量が増加するため、光ビームを照射した照
射点12へのろうの流動による反射方向の変化はより大
きくなって、ろうの流動を感度良くとらえることができ
る。
【0084】さらに、特に電気接点の台座とのろう付
け、すなわち接点の抵抗発熱によるろう付けにおいて
は、電極等への熱伝導によって熱の逃げが大きく、ろう
の流動は通電を停止することによって瞬時に停止する。
例えば、4mm×6mm×2mmの銀系合金からなる電
気接点と3mm×50mm×6mmの銅材からなる台座
を、銀ろうを用いてパルス通電によってろう付けした場
合には、通電中にろうは約900℃の到達温度で約30
mm/secの速度で流動し、通電停止後は通電直後に
5mm/sec以下となり、電極による冷却効果によっ
てほぼ50msec程度で停止する。このため、通電停
止の時間を制御することによって、ろうの流動量を高精
度にコントロールすることができる。
【0085】図26は上記実施例7で説明した図19の
ごとく、ろうが電磁ピンチ力の影響を受けて、パルス通
電の周波数の2倍の周波数で脈動しながら流動してきた
場合の電気信号Vの変化を示す。脈動変形に同期して受
光量も脈動するため、電気信号Vは図26に示すライン
F〜Gのような波形となる。電気信号Vが閾値Vthよ
りも大きくなった時点で出力回路109に比較判定結果
を送り、出力回路109から信号を制御部110にフィ
ードバックして所定設定時間経過した後に通電を停止す
ると流動も停止するので、流動量を高精度に制御するこ
とができた。
【0086】また、本実施例では一つの光ビーム源と光
ビームの反射光を受光する一つの受光素子を用いた場合
について示したが、上記実施例7と同様に光ビーム源と
各光ビームの反射光を受光する受光素子を用いてもよ
く、その場合にはろうが流動する領域をより正確に検出
することができるので、流動量を高精度に制御すること
ができる。
【0087】実施例11.図27はこの発明の実施例1
1に係る溶融加工装置の構成を示すブロック図、図28
はこの実施例11の動作を説明するための受光位置の変
位距離の変化の様子を示す図である。この実施例11は
反射光を受光する受光素子として受光位置を検出する受
光素子16を用いた場合の実施例を示したものである。
図27において、溶融加工装置は、光発生源3と集光レ
ンズ4とから構成される光ビーム源340、被接合材5
a,5b、ろう材6、監視用光ビーム9、反射光10、
反射光11、照射点12、一対の電極19a,19b、
リード線21、距離算定回路106、比較判定回路10
7b、受光器108c、制御回路109、通電制御回路
115、電源116およびエネルギ発生源196を備え
る。受光器108cは、例えばPSDのような受光位置
を検出するための受光素子16と、受光位置の座標を出
力する座標演算回路105とから構成される。距離算定
回路106は座標演算回路105の出力を受けて受光位
置の変位距離rを比較判定回路107bに出力する。比
較判定回路107bは距離算定回路106から受け取っ
た変位距離rをあらかじめ設定した閾値rthと比較判
定する。エネルギ発生源196は、一対の電極19a,
19bと、これらの電極19a,19bにリード線21
を介して接続された電源116とで構成される。
【0088】以上のように構成された溶融加工装置の動
作について説明する。距離算定回路106によって出力
される変位距離rは図28のように変化する。ろう材6
が溶融する前は、加熱に伴う照射点12の材料表面状態
が変化しても、監視用光ビーム9の反射方向は変化しな
いため、受光素子16の受光位置の変位距離rは図28
に示すラインA〜Bのごとくほぼ0で一定である。そし
て、溶融加工が進行し、ろう材6が溶融して照射点12
に流動してくると、その形状によって、監視用光ビーム
9の反射方向が変化するため、受光素子16の受光位置
の変化にともない変位距離rは図28に示すラインB〜
Cのごとく急激に立ち上がるように変化する。よって、
変位距離rをあらかじめ設定した閾値rthと比較判定
回路107bで比較判定し、r>rthとなった時点
で、制御回路109に比較判定結果を送り、通電制御部
115に信号をフィードバックし、通電制御部115が
制御回路109からの信号のフィードバックを受けてか
ら所定設定時間経過した後に電源116の電極19a,
19bへの通電電流量を低下して所定時間通電後に、電
源116を通電停止とする。
【0089】以上のように構成された溶融加工装置にお
いては、加工中の受光位置は監視用光ビーム9の反射方
向の変化によってのみ変位するので、材質や表面状態の
影響を考慮することなく制御することができる。
【0090】このような溶融加工装置を用いて前記した
電気接点と台座を60Hzの交流通電パルスでろう付け
した場合において、半導体レーザ光をろう付け面にほぼ
平行に照射して、照射点のスポット径をφ0.5mmと
してろう付け部の長手方向のほぼ中央付近で接合部から
3mm程度離れた所に照射し、受光素子16として13
mm×13mmのPSDを用いてろう付けしたところ、
ろう流れ不足、ろう流れ過大を抑制することができた。
【0091】実施例12.図29はこの発明の実施例1
2に係るエネルギ源としてパルス通電加熱を用いた溶融
加工装置の構成を示すブロック図、図30〜図32はこ
の実施例12の動作を説明するための要部を示す図、図
33はこの実施例12の動作を説明するための受光位置
の変位距離の変化の様子を示す図である。この実施例1
2は監視用光ビーム9をパルス通電の周波数以上の周波
数で走査(オシレート)する溶融加工装置の実施例につ
いて示したものである。図29において、溶融加工装置
は、光発生源3と集光レンズ4とから構成される光ビー
ム源340、被接合材5a,5b、ろう材6、監視用光
ビーム9、反射光10、反射光11、照射点12、一対
の電極19a,19b、受光素子20、リード線21、
光電変換回路101、距離算定回路106、比較判定回
路107a、受光器108a、制御回路109、通電制
御回路115、電源116、エネルギ発生源196およ
びビームオシレータ223を備える。受光器108aは
監視用光ビーム9の反射光10の光量を検出する受光素
子20と受光量を電気信号Vに変換する光電変換回路1
01によって構成され、受光素子20としては例えばフ
ォトダイオード、フォトトランジスタ、太陽電池などが
用いられる。エネルギ発生源196は、一対の電極19
a,19bと、これらの電極19a,19bにリード線
21を介して接続された電源116とで構成される。ビ
ームオシレータ223は光発生源3からの光ビーム9を
パルス通電の周波数以上の周波数でオシレートするため
のものであって、このビームオシレータ223は監視用
光ビーム9を反射するミラー22と、ミラー22を振動
させるガルバノメータなどの振動装置23とから構成さ
れる。この振動装置23でミラー22を振動するのに代
替し、監視用光ビーム9をオシレートする構成として光
発生源3自体を振動装置23で振動させてもよい。この
実施例12の制御回路109は、比較判定回路107a
で電気信号Vと閾値Vth3を比較する毎に時間を計数
するカウンタ回路117と、電気信号Vが閾値Vth3
より小さくなる時間をカウンタ回路117から受けて記
憶して出力するメモリ回路118と、メモリ回路118
の出力とカウンタ回路117の出力の差分を取る差分回
路119と、差分Δtを閾値Δtthと比較判定する第
2の比較判定回路107cと、第2の比較判定回路10
7cからの信号を受けて通電電流の低下量を設定して通
電制御部115に制御信号をフィードバックする演算出
力回路120とより構成される。
【0092】上記のように構成されたパルス通電加熱に
よる溶融加工装置の動作を図30〜図32に従って説明
する。この実施例12では監視用光ビーム9はろう材6
が溶融して流動してくる部位にろう付け部にほぼ平行に
オシレートする。上記のごとくオシレートした監視用光
ビーム9の反射光10を受光器108a中の受光素子2
0で受光する。ろう材6が溶融する前には図30のごと
く監視用光ビーム9がオシレート照射されるので、その
反射光10は受光素子20上でX−Yの軌跡を描き、出
力する電気信号Vはほぼ一定の値をとる。次に図31に
示すように、ろう材6が溶融してオシレート照射する監
視用光ビーム9の照射点12に達すると、図31のA−
Bでは監視用光ビーム9の反射方向が変化するために、
反射光10の軌跡は受光素子20上でY−A−B−Xと
なり、AとB間での受光量は減少する。さらに、ろう材
6の流動が進むと、図32のC−Dのごとく監視用光ビ
ーム9の反射方向が変化する部分が増加し、受光素子2
0上で受光する受光量が減少する時間が増加する。オシ
レート変位波形(照射点12の走査位置の変化を示す波
形)と以上の経過に対する電気信号Vの出力は図27に
示すような関係になる。図33中、a,b,cは図3
0,図31,図32の状態における出力波形にそれぞれ
相当する。ろう材6が溶融して流動し、このろう材6が
監視用光ビーム9のオシレートする照射点12に流動し
てくると、ろう材6の流動してきた部分だけ監視用光ビ
ーム9の反射方向が変化するため、受光素子20の受光
量が減少する。比較判定回路107aにおいてこの電気
信号Vが図33に示す閾値Vth3よりも小さくなった
時点でメモリ回路118に、その時間taを記憶する。
さらに,引き続き電気信号Vと閾値Vth3を比較し、
電気信号Vが再び閾値Vth3よりも大きくなった時間
tbと時間taの差分Δtを差分回路119にて出力す
る。この差分Δtと閾値Δtthとを比較判定回路10
7cにおいて比較判定し、差分Δtが閾値Δtthより
も小さい場合には再び上記の流れを繰り返す。差分Δt
が閾値Δtthより大きくなった時点で演算出力回路1
20から通電制御部115に信号をフィードバックして
通電電流量を所定量低下して所定時間通電した後に通電
を停止してろう付けを完了する。
【0093】以上のように構成された溶融加工装置を用
いることによって、一個の光源を用いて線上での、ろう
の流動状態を判定して制御することができる。
【0094】また、前記したようにパルス通電によるピ
ンチ力の発生は通電パルスの絶対値の2乗に比例し、ろ
うはその影響を受けて図21のごとく通電パルスがピー
ク値に到達する付近で急激に流動する。このため、監視
用光ビーム9を通電パルス周波数以上の周波数でオシレ
ートすることによって、オシレート半周期分での受光量
変化を、ろう材6の流動1周期分以内でとらえることが
でき、溶融加工を高精度に制御することができる。例え
ば50Hzまたは60Hzの商用交流波形を用いた場合
には100Hzまたは120Hzの電磁ピンチ力の作用
によってろう材6が脈動して流動するため、監視用光ビ
ーム9を50Hzまたは60Hz以上でオシレートすれ
ば溶融加工を高精度に制御できるので、商用交流の周波
数を変換する必要もなく構造が簡単となる。
【0095】また、時間差分Δtと閾値Δtthをオシ
レート周期Τで割算する割算回路を設け、Δt/Τと閾
値Δtth/Τとを比較判定する構成にすることによっ
て、オシレート周波数に依存することなく適応すること
ができる。
【0096】実施例13.図34はこの発明の実施例1
3に係る制御方法を採用した溶融加工装置の構成を示す
ブロック図、図35はこの実施例13の制御方法の流れ
を示すフローチャートである。図34において、溶融加
工装置は、光発生源3と集光レンズ4とから構成される
光ビーム源340、被接合材5a,5b、ろう材6、監
視用光ビーム9、反射光10、反射光11、照射点1
2、一対の電極19a,19b、受光素子20、リード
線21、光電変換回路101、距離算定回路106、比
較判定回路107a、受光器108a、制御回路10
9、通電制御回路115、電源116、およびエネルギ
発生源196を備える。受光器108aは監視用光ビー
ム9の反射光10の光量を検出する受光素子20と受光
量を電気信号Vに変換する光電変換回路101によって
構成され、受光素子20としては例えばフォトダイオー
ド、フォトトランジスタ、太陽電池などが用いられる。
エネルギ発生源196は、一対の電極19a,19b
と、これらの電極19a,19bにリード線21を介し
て接続された電源116とで構成される。この実施例1
3における制御回路109は、受光量に対応する電気信
号Vを閾値Vth2と比較判定する毎に加工開始からの
時間(加工経過時間=溶融用エネルギの実際の投入時
間)tを計数するカウンタ回路117、電気信号Vが閾
値Vth2より小さくなったときという上記実施例7で
説明した比較判定回路107からの比較信号によってそ
のときまでカウンタ回路117が計数した時間tを記憶
する、メモリ回路118、メモリ回路118に記憶され
た時間tを予め設定された基準値(所定時間情報)と比
較判定する比較判定回路107C、この比較判定回路1
07Cの出力を演算して通電制御部115に制御信号を
送る演算出力回路120により構成される。よって、こ
の実施例の制御方法は、図35のフローチャートに示す
ように、受光量に対応する電気信号Vを閾値Vth2と
比較判定する毎にカウンタ回路117によって、加工開
始からの時間tを計数する。このようにして電気信号V
が閾値Vth2より小さくなった場合に、その時間tを
メモリ回路118に記憶し、比較判定回路107Cにお
いて時間tを予め設定した基準値ta,tb(ta>t
b)と比較判定する。ここで基準値taとは適正な加熱
速度によってろう付け部の全体にわたって均一に加熱さ
れる下限値であり、基準値tbとは通電電流量を低下さ
せることによって均熱をはかり、均一なろう付け形成が
できる下限値である。t>taであれば適正なろう付け
加工がなされたと判定して、制御回路から通電制御部に
通電停止信号を送って通電を停止する。時間tがtb≦
t≦taであれば、加熱速度が過大であると判定して、
信号を通電制御部に送って、通電電流を所定量低下して
所定時間通電後通電を停止する。t<tbであれば、信
号を通電制御部に送って通電を所定設定時間停止して、
再度所定設定時間通電する。要するに、この実施例13
は反射光の受光量が閾値より小さいならば、溶融加工の
継続時間の基準値との比較結果に応じ通電条件を制御す
る方法である。
【0097】溶融加工においては加工部の品質を安定に
するためには、材料の加熱状態を均一にすることが必要
である。特に、この実施例13のように抵抗発熱を用い
たろう付けのように、加熱時間が1秒前後と短く、エネ
ルギ供給源である電極と被接合材の表面状態や接触状態
等によって、材料の加熱状態に偏りが生じ、材料中に温
度分布が生じ易いような場合には、均熱化を行う必要が
ある。また、材料の形状や非対称性によっても温度分布
が生じる。このため、通電電流量を低下、もしくは一時
的に停止、場合によっては増加することによって、材料
への入熱を制御し、均熱化を図ることができる。
【0098】さらに、ろうが流動してくるまでの検出時
間tは材料の加熱状態によって変化するため、検出時間
tに応じて通電を制御することによって、ろう流れ不
足、ろう流れ過大、未ろう接の発生を抑制し、品質のば
らつきを少なくすることができる。
【0099】また、この実施例13では光量変化の電気
信号Vを用いた制御方法について説明したが、実施例1
1で示したような受光位置の変位距離rを用いても同様
の効果を得ることができる。
【0100】実施例14.図36はこの発明の実施例1
4に係る制御方法を採用した複数の受光素子を備えた溶
融加工装置の構成を示すブロック図、図37はこの実施
例14の制御方法の流れを示すフローチャートである。
図36において、溶融加工装置は、複数の光発生源3と
光発生源3に対応する複数の集光レンズ4とから構成さ
れる光ビーム源340、被接合材5a,5b、ろう材
6、光発生源3に対応する複数の監視用光ビーム9、複
数の監視用光ビーム9に対応する複数の反射光10、複
数の監視用光ビーム9に対応する複数の反射光11、複
数の監視用光ビーム9に対応する複数の照射点12、一
対の電極19a,19b、複数の受光素子20a,20
b、リード線21、受光素子20a,20bそれぞれに
接続された複数の光電変換回路101、受光素子20
a,20bそれぞれに接続された複数の比較判定回路1
07a、制御回路109、通電制御回路115および電
源116、およびエネルギ発生源196を備える。エネ
ルギ発生源196は、一対の電極19a,19bと、こ
れらの電極19a,19bにリード線21を介して接続
された電源116とで構成される。この実施例14にお
ける制御回路109は、カウンタ回路117とメモリ回
路118と差分回路119と比較判定回路107cと演
算出力回路120とより構成される。よって、この実施
例の制御方法は、図37のフローチャートに示すよう
に、各受光素子20a,20bによって光量を検出し、
各受光素子20a,20bによる受光量を光電変換回路
101により電気信号Vに変換するとともに、時間tを
計数する。そして、電気信号Vがより早く閾値Vth4
よりも小さくなる時間t1をメモリ回路118により記
憶する。例えば受光素子20aからの電気信号Vが早く
閾値Vth4よりも小さくなった場合には、その時間t
1を記憶し、受光素子20bは引き続き光量を検出する
とともに、時間tを計数してt1との差分Δtをとる。
電気信号VがVth4より小さくない場合には、Δtを
比較回路にてあらかじめ設定した基準値Δtmaxと比
較し、電気信号Vが閾値Vth4よりも小さくなる前に
ΔtがΔtmaxよりも大きくなれば、通電電流を所定
量低下する。このようにして閾値Vth4よりも小さく
なった時点で、Δtがあらかじめ設定した基準値Δtt
hと比較する。Δt<Δtthの場合には、通電制御部
115に信号を送って通電を停止する。Δt≧Δtth
の場合には通電制御信号を送って、通電を所定量低下し
て所定時間通電した後通電を停止する。
【0101】加工部の温度が不均一になることによって
溶融部の形成状態すなわちろう材6の流動状態が局部的
に異なることがあることから、この実施例14のごとく
複数の受光素子20a,20bからの検出時間の差に応
じて通電を制御することによってろう付け部を均熱化し
てろう付け部全体のろうを溶融することができ、より精
度よく未ろう接の発生を抑制することができる。
【0102】実施例15.図38はこの発明の実施例1
5に係る制御方法を採用した溶融加工装置の構成を示す
ブロック図、図39はこの実施例15の制御方法の流れ
を示すフローチャートである。図38において、溶融加
工装置は、光発生源3と集光レンズ4とから構成される
光ビーム源340、被接合材5a,5b、ろう材6、監
視用光ビーム9、材料溶融前の光ビームの反射光10、
方向変化した反射光11、照射点12、一対の電極19
a,19b、受光素子16、リード線21、座標演算回
路105、距離演算回路106、比較判定回路107
a、変換器108、制御回路109、通電制御回路11
5および電源116、およびエネルギ発生源196を備
える。変換器108は監視用光ビーム9の材料溶融前の
光ビームの反射光10と方向変換した反射光11の受光
位置を検出する受光素子16とこの受光位置による監視
用光ビーム9の反射方向の変化を位置座標情報として変
換する座標演算回路105によって構成され、受光素子
16としては例えばフォトダイオードの表面抵抗を利用
した非分割型位置センサ(PSD)が用いられる。エネ
ルギ発生源196は、一対の電極19a,19bと、こ
れらの電極19a,19bにリード線21を介して接続
された電源116とで構成される。この実施例15にお
ける制御回路109は、比較判定回路107bの出力を
受けて受光位置の変位方向を算定する方向算定回路12
1、変位方向を閾値θth1,θth2と比較判定する
比較判定回路107d、および比較判定結果を演算して
通電制御部115に制御信号を送る演算出力回路120
より構成される。よってこの実施例の制御方法は、図3
9のフローチャートに示すように、受光素子16によっ
て受光位置を検出し、座標演算を経て距離算定回路10
6によって位置の変位距離rを算定する。距離算定値r
を閾値rthと比較判定し、r>rthとなった時点で
比較判定回路107bからの出力をうけて位置の変位方
向を算定する。この算定値θをあらかじめ設定した基準
値θth1、θth2(θth1<θth2)と比較判
定する。ここで基準値θth1とは適正な加熱速度によ
ってろう付け全体にわたって均一に加熱される上限値で
あり、基準値θth2とは通電電流量を低下させること
によって均熱をはかり、均一なろう付け形成ができる上
限値である。θ≦θth1であれば適正なろう付け加工
がなされたと判定して、演算出力回路120から通電制
御部115に通電停止信号を送って通電を停止する。θ
th1<θ≦θth2であれば、加熱が不均一であると
判定して、信号を通電制御部115に送って、通電電流
を所定量低下して所定時間通電後通電を停止する。θ>
θth2であれば、信号を通電制御部115に送って通
電を所定設定時間停止して、再度所定設定時間通電す
る。要するに、この実施例15は受光位置の変位方向と
変位位置とで通電条件を制御する方法である。
【0103】以上のように受光位置の変位方向θの大き
さによって、1個の光ビーム源と受光素子を用いるだけ
で光ビーム照射点へ流動したろうの流動形状を特定でき
るので、θに応じて通電を制御することによって、簡易
な構成で確実に未ろう接の発生を抑制することができ
る。
【0104】このような制御方法によって、4mm×6
mm×2mmの銀系合金からなる電気接点と3mm×5
0mm×6mmの銅材からなる台座をろう付けした。ろ
う材6として銀ろうあるいはりん銅ろうを用い、波長6
80nm〜780nmの半導体レーザをろう付け面にほ
ぼ平行に照射して、照射点のスポット径をφ0.5mm
としてろう付け部の長手方向のほぼ中央付近で接合部か
ら3mm程度の所に入射角60°で照射した。その反射
光を13mm×13mmのPSDを用いて受光して制御
したところ、ろう流れ不足、および過大なろう流れが生
じることなく、ろう材6の流動量を一定にすることがで
き、さらに、未ろう接部の発生を抑制することができ
た。
【0105】
【発明の効果】以上のように第1の発明に係る溶融加工
の監視方法によれば、監視用光ビームの照射部分におけ
る材料の固相から溶融状態への変化を監視するか、監視
用光ビームの照射部分への溶融状態となった材料の到達
を監視するので、溶融加工の進行に伴う材料の特定の部
位が溶融状態に達したか否かをリアルタイムで適切に監
視できるという効果が得られる。
【0106】第2の発明の溶融加工の監視方法によれ
ば、受光量の変化によって、監視用光ビームの照射部分
における材料の固相から溶融状態への変化を監視する
か、監視用光ビームの照射部分への溶融状態となった材
料の到達を監視するので、光ビーム照射点での反射光の
受光量の変化を受光位置にかかわらず正確に検出でき、
これにより照射点における材料の固体から溶融状態への
変化および溶融形状を検出できる。したがって、品質の
良否を大きく反映する材料の溶融物の広がり量、流動量
および形状を正確に監視することができ、溶融加工にお
ける加工品質を高い精度でリアルタイムに検査すること
ができるという効果が得られる。
【0107】第3の発明の溶融加工の監視方法によれ
ば、受光素子は、監視用光ビームの照射部分が溶融され
る以前における監視用光ビームの反射光路からは特定の
距離だけ離し、さらに溶融後の反射光が投光されるよう
な位置に配置した受光素子の受光量の変化によって、監
視用光ビームの照射部分における材料の固相から溶融状
態への変化を監視するか、監視用光ビームの照射部分へ
の溶融状態となった材料の到達を監視するので、例えば
照射点の表面状態の変化やフラックスをはじめとする表
面活性剤の蒸発、飛散といった光ビームの散乱の影響を
受けることなく安定に監視することができる。
【0108】第4の発明の溶融加工の監視方法によれ
ば、受光位置座標情報の変化によって、監視用光ビーム
の照射部分における材料の固体から溶融状態への変化を
監視するか、監視用光ビームの照射部分への溶融状態と
なった材料の到達を監視するので、光ビーム照射点での
反射光の方向の変化を材質や材料の表面状態に関係なく
正確に検出でき、これにより照射点における材料の固体
から溶融状態への変化および溶融形状を検出できる。し
たがって、品質の良否を大きく反映する材料の溶融物の
広がり量、流動量および形状を正確に監視することがで
き、溶融加工における加工品質を高い精度でリアルタイ
ムに検査することができるという効果が得られる。
【0109】第5の発明の溶融加工装置によれば、受光
量と閾値との比較によって、材料に投与される溶融用エ
ネルギの投与を制御する。例えば制御回路がエネルギ発
生源を制御するための信号をエネルギ制御部にフィード
バックしてから所定時間後に、溶融用エネルギの投与を
停止するか、または制御回路がエネルギ発生源を制御す
るための信号をエネルギ制御部にフィードバックしてか
ら溶融用エネルギの投与量を低下し、その溶融用エネル
ギの投与量低下から所定時間後に溶融用エネルギの投与
を停止するように構成にしたので、光ビームの照射点の
材料が固体状態から溶融状態に変化して反射光の受光量
が変化するのを検出でき、その受光量に応じてエネルギ
投与量を変化させることができる。したがって、溶融材
料の広がり量、流動量および形状を制御することがで
き、溶融加工における加工品質を高精度に安定性良く制
御することができるという効果が得られる。
【0110】第6の発明の溶融加工装置によれば、受光
器は、監視用光ビームの照射部分が溶融される以前にお
ける監視用光ビームの反射光路からは特定の距離だけ離
し、さらに溶融後の反射光が投光されるような位置に配
置した構成になっているので、照射点表面状態やフラッ
クス等の表面活性剤の影響を受けずに、材料の光ビーム
照射点への流動を安定に検出して材料へのエネルギ投与
を制御することができるので、材料の溶融範囲を一定基
準範囲に安定性よく抑制することができる。
【0111】第7の発明の溶融加工装置によれば、受光
位置の変位距離と閾値との比較によって、材料に投与さ
れる溶融用エネルギの投与を制御する。例えば制御回路
がエネルギ発生源を制御するための信号をエネルギ制御
部にフィードバックしてから所定時間後に、溶融用エネ
ルギの投与を停止するか、または制御回路がエネルギ発
生源を制御するための信号をエネルギ制御部にフィード
バックしてから溶融用エネルギの投与量を低下し、その
溶融用エネルギの投与量低下から所定時間後に溶融用エ
ネルギの投与を停止するように構成したので、光ビーム
照射点での反射光の方向の変化を検出でき、これにより
照射点における材料の固体から溶融状態への変化および
溶融形状を検出できる。したがって、品質の良否を大き
く反映する材料の溶融物の広がり量、流動量および形状
を安定性良く制御することができるという効果が得られ
る。
【0112】第8の発明の溶融加工装置によれば、溶融
部分の流動を抑制する冷却手段を有するように構成した
ので、溶融物の溶融の広がりや流動を抑えることがで
き、加工品質の向上を図れるという効果が得られる。
【0113】第9の発明の溶融加工装置によれば、エネ
ルギ発生源からのパルス通電加熱による溶融用エネルギ
が材料に電磁ピンチ効果を誘発するように構成したの
で、材料の流動を精度良く制御できるという効果が得ら
れる。
【0114】第10の発明の溶融加工装置によれば、エ
ネルギ発生源からのパルス通電の周波数以上の周波数で
監視用光ビームを走査するように構成したので、走査半
周期分での受光量変化を、溶融材料の流動1周期分以内
でとらえることができ、溶融加工を高精度に制御するこ
とができるという効果が得られる。
【0115】第11の発明の溶融加工の制御方法によれ
ば、受光位置の変位距離と閾値との比較結果を所定設定
時間と比較して、溶融用エネルギの投入量と投入時間と
を制御するので、材料の均熱化を図ることができ、溶融
加工における加工品質を高精度に安定性良く制御するこ
とができるという効果が得られる。
【0116】第12の発明の溶融加工装置の制御方法に
よれば、溶融加工の経過時間が所定設定時間以内である
場合に、溶融用エネルギの出力条件を制御するので、材
料の均熱化の精度を高めることができ、溶融加工におけ
る加工品質を高精度に安定性良く制御することができる
という効果が得られる。
【0117】第13の発明の溶融加工装置の制御方法に
よれば、受光位置の変位方向と変位距離とで溶融用エネ
ルギの出力条件を制御するので、容易な構成で材料の均
熱化の精度を高めることができ、溶融加工における加工
品質を高精度に安定性良く制御することができるという
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の監視方法に使用する溶融加工装置
を示すブロック図である。
【図2】 実施例1の監視用光ビームの照射点まわりを
示す断面図である。
【図3】 実施例1の受光量の変化を示す波形図であ
る。
【図4】 実施例2の監視方法に使用する溶融加工装置
を示すブロック図である。
【図5】 実施例2の監視用光ビームの照射点まわりを
示す断面図である。
【図6】 実施例2の受光量の変化を示す波形図であ
る。
【図7】 実施例3の監視方法に使用する溶融加工装置
を示すブロック図である。
【図8】 実施例3の受光量の変化を示す波形図であ
る。
【図9】 実施例4の監視方法に使用する溶融加工装置
を示すブロック図である。
【図10】 実施例4の受光位置変化を示す概略図であ
る。
【図11】 実施例4の受光位置の変位距離の変化を示
す波形図である。
【図12】 実施例5の監視方法による被接合材付近の
構成図である。
【図13】 実施例5の受光位置を示す図である。
【図14】 実施例5の監視方法による異なる例を示す
被接合材付近の構成図である。
【図15】 実施例5の異なる例の受光位置を示す図で
ある。
【図16】 実施例6の溶融加工装置を示すブロック図
である。
【図17】 実施例6の受光量の変化を示す波形図であ
る。
【図18】 実施例7の溶融加工装置を示すブロック図
である。
【図19】 実施例7のろう材の流動先端部の形状の断
面図である。
【図20】 実施例7のろう材の流動先端部の形状の異
なる例を示す断面図である。
【図21】 実施例7のろう材の流動量と通電パルスと
の関係図である。
【図22】 実施例8の溶融加工装置を示すブロック図
である。
【図23】 実施例9の溶融加工装置を示すブロック図
である。
【図24】 実施例9の受光量の変化を示す波形図であ
る。
【図25】 実施例10の溶融加工装置を示すブロック
図である。
【図26】 実施例10の受光量の変化を示す波形図で
ある。
【図27】 実施例11の溶融加工装置を示すブロツク
図である。
【図28】 実施例11の受光位置の変位距離の変化を
示す波形図である。
【図29】 実施例12の溶融加工装置を示すブロック
図である。
【図30】 実施例12の照射点のオシレート動作の説
明図である。
【図31】 実施例12の照射点のオシレート動作の説
明図である。
【図32】 実施例12の照射点のオシレート動作の説
明図である。
【図33】 実施例12のオシレート変位と電気信号の
出力波形との関係図である。
【図34】 実施例13の溶融加工装置を示すブロック
図である。
【図35】 実施例13における制御方法を示すフロー
チャートである。
【図36】 実施例14の制御方法に使用する溶融加工
装置を示すブロック図である。
【図37】 実施例14の制御方法を示すフローチャー
トである。
【図38】 実施例15の制御方法に使用する溶融加工
装置を示すブロック図である。
【図39】 実施例15の制御方法を示すフローチャー
トである。
【図40】 従来のアークスポット溶接を示す構成図で
ある。
【図41】 従来のろう付け工程を示す構成図である。
【図42】 従来の半田付け検査方法を示す構成図であ
る。
【図43】 従来の半田付け検査方法における電気信号
の波形図である。
【図44】 従来の半田付け方法の半田付け状態と乱反
射の度合いを示す模式図である。
【符号の説明】
1 溶接電極、2 溶接電源、3 光ビーム源、4 集
光レンズ、5a,5b 被接合材、6 ろう材、7 ア
レイ状の受光素子、8 光量検出部、9 監視用光ビー
ム、10 材料溶融前の光ビームの反射光、11 方向
変化した反射光、12 照射点、13 溶融池、14
加熱器、15 エネルギ発生源、16 受光位置を検出
するための受光素子、17a,17b,17c 加工開
始前の受光素子上での受光位置、18a,18b,18
c ろう流動後の受光素子上での受光位置、19a,1
9b 電極、20,20a,20b 光量を検出する受
光素子、21 リード線、22 ミラー、23 振動装
置、24 未ろう接部、30 レーザ発振器、31 半
透鏡、32 光ファイバ、33,34 集光レンズ、3
5 はんだ、36 受光部、37 半田付け検査部、1
01 光電変換回路、102 最大受光部判定回路、1
03 表示回路、104 表示器、105 座標演算回
路、106 距離算定回路、107,107a,107
b,107c,107d 比較判定回路、108a 光
量を検出する受光素子を含む受光器、108b 光量を
検出する検出部がアレイ状に配置された受光素子を含む
受光器、108c 受光位置を検出するための受光素子
を含む受光器、109 制御回路、110 エネルギ制
御部、111,196 エネルギ発生源、112 冷却
手段、113 冷却器制御回路、114 冷却器、11
5 通電制御部、116 電源、117 カウンタ回
路、118 メモリ回路、119 差分回路、120
演算出力回路、121 方向算定回路、223 ビーム
オシレータ、340 光ビーム源。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 13/08 542 26/00 P G01B 11/00 B E G01J 1/10 8803−2G G01N 21/27 B 21/47 B (72)発明者 廣澤 隆夫 福山市緑町1番8号 三菱電機株式会社福 山製作所内 (72)発明者 安藤 裕太郎 福山市緑町1番8号 三菱電機株式会社福 山製作所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融用エネルギの投与にて材料を溶融す
    る溶融加工において、目標とする材料溶融許容部分の外
    周部表面または目標とする溶融材料流れ許容部分の外周
    部表面に監視用光ビームを照射し、その監視用光ビーム
    の材料表面からの反射光を受光素子で受光し、この受光
    素子の溶融加工中での出力の変化を検出して、溶融加工
    中の材料の溶融状態を監視することを特徴とする溶融加
    工の監視方法。
  2. 【請求項2】 上記受光素子として反射光の検出部が列
    状または格子状に配置された受光素子を用い、上記受光
    素子の溶融加工中での出力の変化として材料の監視用光
    ビームの照射部分が溶融される以前における受光素子の
    受光量が最大となる上記検出部での受光量の変化もしく
    は特定の加工経過時間後における受光素子の受光量が最
    大となる上記検出部での受光量の変化を用いたことを特
    徴とする請求項第1項記載の溶融加工の監視方法。
  3. 【請求項3】 上記受光素子は、監視用光ビームの照射
    部分が溶融される以前における監視用光ビームの反射光
    路からは特定の距離だけ離し、さらに溶融後の反射光が
    投光されるような位置に配置して、この受光素子の溶融
    加工中での出力の変化を検出して、溶融加工中の材料の
    溶融状態を監視することを特徴とする請求項第1項記載
    の溶融加工の監視方法。
  4. 【請求項4】 上記受光素子として反射光の受光位置を
    検出する受光素子を用い、上記受光素子の溶融加工中で
    の出力の変化として受光素子の受光位置に応じた位置座
    標情報の変化を用いることを特徴とする請求項第1項記
    載の溶融加工の監視方法。
  5. 【請求項5】 溶融用エネルギを発生するエネルギ発生
    源と、このエネルギ発生源から出力されるエネルギを制
    御するエネルギ制御部と、目標とする材料溶融許容部分
    の外周部表面または目標とする溶融材料流れ許容部分の
    外周部表面に監視用光ビームを照射する光ビーム源と、
    この光ビームの材料表面からの反射光の受光量を検出す
    る受光器と、この受光器による受光量と予め設定された
    閾値とを比較判定する比較判定回路と、この比較結果に
    応答して上記エネルギ発生源を制御するための信号を上
    記エネルギ制御部にフィードバックして上記エネルギ発
    生源によるエネルギ投与を制御する制御回路とを備えた
    ことを特徴とする溶融加工装置。
  6. 【請求項6】 上記受光器は、監視用光ビームの照射部
    分が溶融される以前における監視用光ビームの反射光路
    からは特定の距離だけ離し、さらに溶融後の反射光が投
    光されるような位置に配置することを特徴とする請求項
    第5項記載の溶融加工装置。
  7. 【請求項7】 溶融用エネルギを発生するエネルギ発生
    源と、このエネルギ発生源を制御するエネルギ制御部
    と、目標とする材料溶融許容部分の外周部表面または目
    標とする溶融材料流れ許容部分の外周部表面に監視用光
    ビームを照射する光ビーム源と、この光ビームの材料表
    面からの反射光の受光位置を検出して受光位置の座標を
    出力する受光器と、この受光器からの座標に基づいて受
    光位置の変位距離を算定する距離算定回路と、この距離
    算定回路からの変位距離と予め設定された閾値とを比較
    判定する比較判定回路と、この比較結果に応答して上記
    エネルギ発生源を制御するための信号を上記エネルギ制
    御部にフィードバックして上記エネルギ発生源によるエ
    ネルギ投与を制御する制御回路とを備えたことを特徴と
    する溶融加工装置。
  8. 【請求項8】 上記比較判定回路の出力に従って材料の
    溶融部分の温度を低下させる冷却手段を備えたことを特
    徴とする請求項第5項ないし第7項のいずれかに記載の
    溶融加工装置。
  9. 【請求項9】 上記エネルギ発生源がパルス通電によっ
    て溶融用エネルギを発生する手段を備えたことを特徴と
    する請求項第5項ないし第7項のいずれかに記載の溶融
    加工装置。
  10. 【請求項10】 上記エネルギ発生源がパルス通電によ
    って溶融用エネルギを発生する手段を備え、上記光ビー
    ム源が上記エネルギ発生源のパルス通電の周波数以上の
    周波数で走査する手段を備えたことを特徴とする請求項
    第5項ないし第7項のいずれかに記載の溶融加工装置。
  11. 【請求項11】 溶融用エネルギの投与にて材料を溶融
    する溶融加工において、目標とする材料溶融許容部分の
    外周部表面または目標とする溶融材料流れ許容部分の外
    周部表面に監視用光ビームを照射し、その監視用光ビー
    ムの材料表面からの反射光を受光位置を検出する受光素
    子で受光し、この受光器からの座標に基づいて受光位置
    の変位距離を算定し、この算定した変位距離を予め設定
    された閾値と比較し、この比較結果を予め設定された所
    定設定情報と比較し、この比較結果に基づいて溶融用エ
    ネルギの投入量と投入時間とを決定し、この決定に応答
    して上記溶融用エネルギの材料への投与を制御する溶融
    加工の制御方法。
  12. 【請求項12】 溶融用エネルギの投与にて材料を溶融
    する溶融加工において、目標とする材料溶融許容部分の
    外周部表面または目標とする溶融材料流れ許容部分の外
    周部表面に監視用光ビームを照射し、その監視用光ビー
    ムの材料表面からの反射光を受光位置を検出する受光素
    子で受光し、この受光器からの座標に基づいて受光位置
    の変位距離を算定し、この算定した変位距離を予め設定
    された閾値と比較し、この受光量と閾値を比較する毎に
    加工開始からの経過時間を記憶し、上記受光量が閾値よ
    り小さくなった場合に上記記憶された経過時間が予め設
    定された所定設定情報と比較判定し、この判定結果に基
    づき溶融用エネルギの出力の出力条件を決定し、この決
    定に応答して上記溶融用エネルギの材料への投与を制御
    する溶融加工の制御方法。
  13. 【請求項13】 溶融用エネルギの投与にて材料を溶融
    する溶融加工において、材料の目標とする溶融許容部分
    における外周部表面または目標とする溶融材料流れ許容
    部分の外周部表面に監視用光ビームを照射し、その監視
    用光ビームの材料表面からの反射光を受光位置を検出す
    る受光素子で受光し、この受光器からの座標に基づいて
    受光位置の変位距離を算定し、この算定した変位距離を
    予め設定された閾値と比較し、この変位距離が閾値より
    大きくなった場合に受光位置の変位方向を算出し、この
    変位方向を予め設定された所定変位方向と比較し、この
    比較結果に基づき溶融用エネルギの出力条件を決定し、
    この決定に応答して上記溶融用エネルギの材料への投与
    を制御する溶融加工の制御方法。
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