JPH07284280A - 静電アクチュエータ - Google Patents

静電アクチュエータ

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JPH07284280A
JPH07284280A JP7085094A JP7085094A JPH07284280A JP H07284280 A JPH07284280 A JP H07284280A JP 7085094 A JP7085094 A JP 7085094A JP 7085094 A JP7085094 A JP 7085094A JP H07284280 A JPH07284280 A JP H07284280A
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electrode
liquid crystal
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信之 壁井
Kiichi Tsuchiya
喜一 土屋
Tomohiro Murayama
知寛 村山
Shinichi Saito
伸一 斉藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、実効出力を大幅に大きくする。 【構成】2つの電極(1,2) 間に、高い比誘電率を持つ液
晶(7) を充填した状態で静電力を発生させると、例えば
これら電極(1,2) 間に発生する吸引力Fv、及び各電極
(1,2) 間に配置された可動子(6) に働く推力Fhは増加
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業用ロボット、精密
機械、自動車機器部品、家庭電化製品、アフィスオート
メーション機器、医用福祉機器等の機械の駆動に適用す
る静電アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】産業用ロボット、精密機械、自動車機器
部品、家庭電化製品、アフィスオートメーション機器、
医用福祉機器等の機械の駆動には、磁気力を利用した回
転型モータや、リニアモータ、ステッピングモータ等が
用いられている。
【0003】又、駆動力を発生するものとして静電アク
チュエータが開発されている。この静電アクチュエータ
は、固定子と可動子とから成る電極間に発生する静電力
を利用して駆動力を発生するものである。
【0004】しかしながら、この静電アクチュエータに
は以下の問題がある。 (a) 静電力は、μmからnmの距離の微小なスケールで
変位をさせる場合に電磁力を利用した回転型モータ等よ
りも有効となる。これにより、静電アクチュエータは、
極めて小さな形状とならざるをえない。
【0005】静電アクチュエータのトルクや力を得るに
は、各電極間のギャップをできるだけ狭くすること、
又、固定子と可動子とのギャップをできるだけ小さくす
ることが必要となる。
【0006】ところが、各電極を支持する部材や可動子
は、できるだけ薄いことが望まれており、現在の技術で
は十分に剛性のない部材を用いて数μm以下のギャップ
を設けてこれを管理することは困難である。 (b) 固定子と可動子とのギャップが数μmになると、こ
れら固定子及び可動子の表面粗さやうねりの影響を受
け、両者の固体表面間で生じる摩擦力は極めて大きくな
る。これにより、固定子と可動子との間で発生した推力
を大幅に消費し、実行出力を小さくしてしまう。
【0007】このため、固定子と可動子とのギャップが
確実に維持できるような微小な寸法の静電アクチュエー
タしか製作することができなかった。 (c) 各電極同士の吸引力を利用して変形する方式の静電
アクチュエータでは、ストロークを大きくするために各
電極間のギャップを長くすると、アクチュエータの出力
が大幅に低下してしまう。
【0008】このため、一つの駆動単位で数マイクロメ
ートルの変位しか得られない。 (d) 以上の問題は、各電極間に一部のアルコール系の液
体を充填することで解決できるが、このアルコール系で
は、引火性が高く、高電圧を印加するには火災や爆発の
虞がある。
【0009】又、各電極間に水を充填することも考えら
れるが、抵抗が比較的小さく絶縁性に問題があり、その
うえ電気分解を避けるために交流駆動する必要があり、
エネルギー損失が大きくなりやすい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように各電極間
のギャップを狭くすることが困難であり、かつこのギャ
ップを狭くしても各電極の表面粗さ等の影響を受けて実
効出力が小さくなる。又、ストロークを大きくするため
にギャップを長くしてもその出力が大幅に低下する。
【0011】このような事を解決するために、アルコー
ル系の液体を充填しても、引火性が高く、火災等の虞が
あり、又、水を充填しても、絶縁性の問題や交流駆動を
必要とし、エネルギー損失が大きくなる。そこで本発明
は、実効出力を大幅に大きくできる静電アクチュエータ
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、少な
くとも2つの電極間に静電力を発生させる静電アクチュ
エータにおいて、少なくとも各電極間に高い比誘電率を
有する液晶を充填して上記目的を達成しようとする静電
アクチュエータである。
【0013】請求項2によれば、少なくとも2つの電極
間に可動子を配置し、これら電極間に発生する静電力に
より可動子に対して推力を働かせる静電アクチュエータ
において、少なくとも各電極間に高い比誘電率を有する
液晶を充填して上記目的を達成しようとする静電アクチ
ュエータである。
【0014】請求項3によれば、液晶は、可動子に働く
推力を所定値とするように各電極と可動子とのギャップ
に応じた比誘電率を持っている。請求項4によれば、対
向する各電極面にそれぞれ高分子化された液晶から成る
保護膜を形成している。
【0015】請求項5によれば、保護膜を形成する液晶
は、各電極間に充填する液晶の比誘電率よりも高い比誘
電率を有している。請求項6によれば、少なくとも2つ
の電極間の吸引力によりこれら電極間のギャップを変位
させる静電アクチュエータにおいて、少なくとも各電極
間に高い比誘電率を有する液晶を充填して上記目的を達
成しようとする静電アクチュエータである。
【0016】請求項7によれば、対向配置された2つの
電極のうち少なくとも一方の電極を電極群とした静電ア
クチュエータにおいて、少なくとも電極と電極群との間
に高い比誘電率を有する液晶を充填して上記目的を達成
しようとする静電アクチュエータである。
【0017】請求項8によれば、他方の電極は、弾性を
有する膜状電極である。請求項9によれば、対向配置さ
れた各電極間に比誘電率の高い液晶を充填してこれら電
極間に吸引力を発生させる単位アクチュエータを複数形
成し、これら単位アクチュエータを変位方向に積層して
上記目的を達成しようとする静電アクチュエータであ
る。
【0018】請求項10によれば、固定された第1の電
極群と、弾性を有する電極支持体と、この電極支持体に
対して第1の電極群と対応する位置に配置された第2の
電極群と、少なくともこれら第1と第2の電極群の間に
充填された比誘電率の高い液晶と、電極支持体に載置さ
れた可動子と、第1と第2の電極群に対して選択的に通
電を行う通電手段と、を備えて上記目的を達成しようと
する静電アクチュエータである。
【0019】請求項11によれば、絶縁膜を介して互い
に接着された一対のコイル状電極と、このコイル状電極
のコイルピッチ間を満たす比誘電率の高い液晶と、コイ
ル状電極に通電を行う通電手段と、を備えて上記目的を
達成しようとする静電アクチュエータである。
【0020】請求項12によれば、複数の電極を配列し
た電極群と、この電極群に対して絶縁膜を介して配置さ
れた弾性を有する膜状電極と、少なくとも電極群と前記
膜状電極との間に充填された比誘電率の高い液晶と、膜
状電極と電極群の各電極との間を選択的に通電する通電
手段と、を備えて上記目的を達成しようとする静電アク
チュエータである。
【0021】請求項13によれば、複数の電極を配列し
た第1の電極群と、この第1の電極群に対して対向配置
された複数の電極から成る第2の電極群と、これら第1
と第2の電極群との間に配置され、電界が加わることに
より変形する高分子材料から成る可動子と、これら第1
と第2の電極群との間に充填された比誘電率の高い液晶
と、を備えて上記目的を達成しようとする静電アクチュ
エータである。請求項14によれば、液状又はゲル状の
液晶である。請求項15によれば、液晶は、ネマチック
相、又はコレステリック相である。
【0022】
【作用】請求項1によれば、少なくとも2つの電極間
に、高い比誘電率を持つ液晶を充填した状態で静電力を
発生させると、例えばこれら電極間に発生する吸引力、
及び各電極間に配置された可動子に働く推力は増加す
る。
【0023】請求項2によれば、少なくとも2つの電極
間に、高い比誘電率を持つ液晶を充填した状態で静電力
を発生させると、各電極間に配置された可動子に働く推
力は増加する。
【0024】この場合、請求項3によれば、各電極と可
動子とのギャップに応じた比誘電率を持つ液晶が充填さ
れて所定の推力が得られる。又、請求項4によれば、各
電極面にそれぞれ保護膜を形成することにより、可動子
の移動の際に各電極面を保護できる。
【0025】そのうえ、請求項5によれば、保護膜に、
各電極間に充填する液晶の比誘電率よりも高い比誘電率
を持つものを用いれば、可動子の推力をさらに増加でき
る。請求項6によれば、少なくとも2つの電極間に、高
い比誘電率を持つ液晶を充填した状態で静電力を発生さ
せると、各電極間の吸引力は増加する。
【0026】請求項7によれば、少なくとも電極と電極
群との間に、高い比誘電率を有する液晶を充填した状態
で静電力を発生させれば、例えばこれら電極と電極群と
の間に配置される可動子に働く推力が増加する。
【0027】この場合、請求項8によれば、他方の電極
を弾性を有する膜状電極に形成することにより、この膜
状電極は波状に移動する。請求項9によれば、単位アク
チュエータを複数形成して積層すれば、これら単位アク
チュエータがそれぞれ増大した各電極間の吸引力により
変位する。
【0028】請求項10によれば、対向配置された第1
と第2の電極群に対して選択的に通電を行うと、このう
ち第2の電極群は、第1の電極群との間の液晶により増
大した吸引力によって変位し、この変位に応動して電極
支持体が例えば波状に移動し、この移動を受けて可動子
は移動する。
【0029】請求項11によれば、一対のコイル状電極
のコイルピッチ間に比誘電率の高い液晶を満たして通電
を行うと、この液晶により増大した吸引力によってコイ
ル状電極のコイルピッチ間は変位する。
【0030】請求項12によれば、電極群と膜状電極と
の間に通電を行うと、膜状電極は、電極群との間の液晶
により増大した吸引力によって波状に移動する。請求項
13によれば、第1と第2の電極群に対して選択的に通
電を行うと、これら電極群間に配置された高分子材料の
可動子は、液晶により増大した吸引力によって変形して
移動する。
【0031】請求項14によれば、液状又はゲル状の液
晶が充填されている。請求項15によれば、液晶は、ネ
マチック相、又はコレステリック相を呈している。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。 (1) 先ず、実施例の説明にあたり静電アクチュエータの
基本動作原理について説明する。
【0033】図1、図2及び図3は静電アクチュエータ
の基本動作原理を示す図である。図1は正面図、図2は
側面図、図3は正面図である。互いに対向配置された一
対の電極1、2には、それぞれ端子3、4が接続されコ
ンデンサが形成されている。このうち端子3にはスイッ
チ5が接続され、このスイッチ5を介して各電極1、2
間に直流電源Vが接続されている。
【0034】これら電極1、2の間には、可動子6が配
置されるとともに、これら電極1、2及び可動子6に挟
まれた空間には、液晶7が充填されている。このような
構成であれば、各電極1、2同士に吸引力Fvが働くと
ともに、図1のように可動子6が完全に電極間内に入り
きっていない場合は、電極1、2と可動子6との間に吸
引力Fhが働く。
【0035】このうち吸引力Fhは、 Fh={ε0 εrc(εrs−εrc)Wd}V2 ÷{2(2g+d)(2gεrs+εrcd)} …(1) により表される。
【0036】 ここで、ε0 :真空の誘電率 εrc:液
晶の比誘電率 εrs:可動子又はゲルの比誘電率 W :電極間の間
口長さ d :可動子の厚み V :電極に供給
される電圧 g :電極と可動子間のギャップ この式より、可動子6の比誘電率εrsに比べて液晶7の
比誘電率εrcが比較的小さい領域では、媒質となる液晶
7の比誘電率εrcを高めていくと吸引力Fhは増加して
いき、ある値でピークを示すことがわかる。
【0037】又、図3及び図4の側面図に示すように、
液晶7として高誘電率の固体やゲル状のものが存在する
場合、各電極1、2同士の間で働く吸引力Fvは、これ
ら電極1、2板間の距離をy(=2g+d)とし、各電
極1、2により形成されるコンデンサ内に蓄積された静
電エネルギーを距離yで偏微分することで求められる。
すなわち、吸引力Fvは、 Fv=−ε0 εrcWL・V2 /2(2g+d)2 −ε0 εrc(εrs−εrc){4gεrs+(εrs−εrc)d} ÷2(2g+d)2 (2gεrs+dεrc)2 ×WdV2 x …(2) により表される。
【0038】ここで、L:電極の長さ
x:可動子の電極対間内での変位又、図5及び図6に示
すように固体など違う誘電率を持つものがない、単一の
液晶7で電極1、2の空間が充電されている場合、これ
ら電極1、2同士の間で働く吸引力Fvは、 Fv=−ε0 εrcWL・V2 /2D2 …(3) により表される。なお、D:電極間距離(=2g+d)
である。
【0039】ところで、図1に示すように可動子6が移
動する場合、可動子6の滑り速度の変化が大きくない場
合の摩擦力Ffは、 Ff=μN …(4) により表される。
【0040】 ここで、μ:滑り摩擦係数 N:接触面から受
ける垂直な抗力 この式(4) より、潤滑性の高い媒質を用いて滑り摩擦係
数μの値を小さくすることで、摩擦力Ffを小さくでき
ることが分かる。
【0041】静電アクチュエータの実効推力Faは、吸
引力Fhと可動子6が移動する際に発生する摩擦力Ff
との差として求められる。すなわち、 Fa=Fh−Ff …(5) である。これから各電極1、2間の空間に比誘電率が高
く潤滑性の高い液状の液晶を充填することにより、実効
推力Faを増加することができる。 (2) 次に本発明の第1の実施例について説明する。
【0042】図7及び図8は静電アクチュエータの構成
図であって、図7は正面図、図8は側面図である。互い
に対向配置された一対の電極10、11には、それぞれ
端子12、13が接続されコンデンサが形成されてい
る。このうち端子12にはスイッチ14が接続され、こ
のスイッチ14を介して各電極10、11間に直流電源
V(例えば100V)が接続されている。
【0043】なお、各電極10、11は、それぞれ電極
支持体15、16により固定支持されている。これら電
極10、11の間には、可動子17が配置されている。
【0044】ここで、各電極10、11の間口幅Wを1
0mm、可動子17の厚さdを1mm、比誘電率εrsを
10000としている。又、これら電極10、11及び
可動子17に挟まれた空間には、真空の誘電率ε0 より
も高い比誘電率εrcを持つ液状又はゲル状の液晶18が
充填されている。
【0045】ここで、この液晶18について説明する。
この液晶を定義すると、液晶の化学構造の微妙な違いが
液晶相の出現に影響する。例えば、アルキル鎖長の相
違、置換基の有無等である。ここに用いる液晶18は、
液晶相を呈する化合物、物質と類似の化学構造を有する
化合物、物質までを含むものとする。
【0046】液晶相は、ネマチック相、その光学活性状
態と認識されているコレステリック相、及びスメクチッ
ク相に分類されている。本発明静電アクチュエータで
は、いずれの液晶相も使用可能である。
【0047】液晶状態は、液体と液晶の間に存在する物
質の状態である。液体は、0次元の秩序を、結晶は3次
元の秩序を有している。液晶は、この中間の1又は2次
元の秩序を有していて、ネマチック相(コレステリック
相)は1次元、スメクチック相は2次元に対応してい
る。
【0048】同一の液晶物質で、複数の液晶相を呈する
場合がある。その場合、ネマチック相(コレステリック
相)は、スメクチック相より高温に出現する。これは、
両相の秩序度によっている。両相の粘性は、秩序度を反
映して、ネマチック相(コレステリック相)は、スメク
チック相より低粘性を示す。
【0049】従って、本発明静電アクチュエータの潤滑
材は低粘性が好ましいので、ネマチック相(コレステリ
ック相)より好ましい。本発明静電アクチュエータに充
填する液晶18は、液晶相を呈する化合物単体、又その
複数からなる物質、さらに加えて液晶類似の化学構造を
有するが液晶相を呈しない、、すなわち、上記液晶に定
義されている化合物の単独又は複数を加えて構成するよ
うにしてもよい。
【0050】一方、本発明静電アクチュエータに使用さ
れる潤滑材は、少なくとも流動性を有する必要がある。
実際の使用温度領域に渡って結晶化が起こらない必要性
がある。
【0051】通常の化合物単独の融点は、室温よりも高
温である。本発明静電アクチュエータの使用温度領域に
おいて結晶化が起こらないようにするには、複数の化合
物の混合による融点の降下を使用する。つまり、複数の
化合物が好適に使用できる。
【0052】液晶は、誘電率に異方性を有している。液
晶分子は、細長い棒状分子である。一般に、この分子長
の長い方向を分子長軸方向、これに直交する方向を分子
短軸方向と称する。
【0053】誘電率Δεの観点から、液晶はΔε>0と
Δε<0の2種類に分類できる。両者は、電界への応答
挙動が異なる。電界が存在すると、両者とも誘電率の大
きい方向が電界方向に沿って配列する。Δε>0の液晶
は分子長軸を電界方向に向けて、Δε<0の液晶は分子
短軸を電界方向に向けて配列する。
【0054】本発明静電アクチュエータでは、Δε>0
とΔε<0との両者とも好適に使用できる。Δε>0の
液晶の多くは、分子長軸の片方の末端に極性基、例えば
フッ素、塩素又はシアノ基等の誘電率の大きな基を有し
ている。その代表的な液晶化合物の例を次に挙げる。
【0055】
【化1】 Δε<0の液晶の数は、それ程多くないが、分子の短軸
方向に極性基を有している。その代表的な例を次に挙げ
る。
【0056】
【化2】
【0057】次に上記の如く構成された静電アクチュエ
ータの作用について説明する。スイッチ14を閉じて各
端子12、13間に直流電源Vを接続すると、これら電
極10、11と可動子17との間には、上記式(1) に示
す吸引力Fhが働く。
【0058】これにより、各電極10、11(コンデン
サを形成)よりも外側にある可動子17は、直流電源V
の二乗に比例した上記吸引力Fhを受けて各電極10、
11内に吸引される。
【0059】ここで、可動子17に働く吸引力、つまり
推力の変化について説明する。図9は各電極10、11
の間口幅Wを10mm、可動子17の厚さdを1mm、
比誘電率εrsを10000とし、これら電極10、11
と可動子17とのギャップgをパラメータとして1μ
m、5μm及び10μm一定とし、かつ液晶18の比誘
電率εrcを1〜10000間で変化させた場合の推力を
示している。
【0060】この図に示されるように液晶18の比誘電
率εrcを増加させていくと、比誘電率1〜10000の
範囲で急速に推力が増加することが分かる。そして、ギ
ャップgが狭い程大きい推力を得ることが分かり、かつ
その推力のピークが各ギャップgごとにそれぞれ異なる
比誘電率εrcを示している。
【0061】図10はこのときの推力の増加率を示して
おり、誘電率1の場合に得られる値と比較した場合とな
っている。例えば、推力の増加率は、ギャップgが1μ
mでは約20倍、ギャップgが5μmでは約80倍、ギ
ャップgが10μmでは約150倍の推力を得ることが
できる。
【0062】又、ギャップgが大きくなってしまった場
合には、特にその効果が大きく、例えばギャップ10μ
mでも1μmのギャップの場合と同程度の推力を発生で
きる。
【0063】従って、各電極10、11と可動子17と
のギャップgに応じた最適な比誘電率を持つ液晶18を
充填すれば、所望の推力を得る静電アクチュエータを得
ることができる。
【0064】このように上記第1の実施例においては、
2つの電極10、11間に高い比誘電率εrcを持つ液晶
18を充填したので、これら電極10、11間に配置さ
れた可動子17に働く推力を増加することができる。
【0065】この場合、各電極10、11と可動子17
とのギャップgに応じた比誘電率εrcを持つ液晶18を
充填することにより最大の推力を得ることができる。 (3) 次に本発明の第2の実施例について説明する。な
お、図7及び図8と同一部分には同一符号を付してその
詳しい説明は省略する。
【0066】図11及び図12は静電アクチュエータの
構成図であって、図11は正面図、図12は側面図であ
る。各電極10、11の互いに対向する各電極面の表面
には、それぞれ潤滑性が高く真空の誘電率ε0 よりも高
い比誘電率εrcを持つ絶縁性のゲル状の液晶19a、1
9bが接着又はコーティングされている。
【0067】これと共にこれらゲル状の液晶19a、1
9bと可動子17との間には、上記第1の実施例と同様
のゲル状又は液状の液晶18が充填されている。なお、
ゲル状の液晶19a、19bは、高分子化された液晶で
あり、液晶18よりもさらに高い比誘電率を持ってい
る。
【0068】次に上記の如く構成された静電アクチュエ
ータの作用について説明する。直流電源Vを各端子1
2、13間に接続すると、各電極10、11と可動子1
7との間には、上記同様に吸引力Fhが働く。
【0069】これにより、各電極10、11よりも外側
にある可動子17は、直流電源Vの二乗に比例した上記
吸引力Fhを受けて各電極10、11内に吸引される。
このとき、液晶18を充填することにより各電極10、
11と可動子17とのギャップを実行的に小さな値に維
持することができ、吸引力Fhを増加させることがで
き、さらに加えて液晶19a、19bを接着することに
より可動子17の移動の際の摩擦力Ffを低減すること
ができる。
【0070】従って、可動子17に働く実効推力Faを
増加できる。このように上記第2の実施例においては、
各電極10、11と可動子17との間に液晶18を充填
するとともに、各電極10、11の各表面に液晶19
a、19bを接着又はコーティングしたので、可動子1
7の移動の際に各電極10、11に接触しても、これら
電極10、11を保護できる。
【0071】又、可動子17の移動の際の摩擦力Ffを
低減して可動子17の実効推力を増加できる。 (4) 次に本発明の第3の実施例について説明する。
【0072】図13は静電アクチュエータの構成図であ
る。互いに対向配置された一対の電極20、21には、
それぞれ端子22、23が接続されコンデンサを形成し
ている。これら端子22、23にはスイッチ24が接続
されるとともに、電極21と端子23との間に直流電源
Vが接続されている。
【0073】これら電極20、21は、それぞれ電極支
持体25、26に対して固定支持されている。これら電
極支持体25、26の縁には、弾性を有するスペーサ2
7、28が設けら、各電極20、21同士が所定の隙間
を持って維持されるようになっている。
【0074】又、これら電極20、21及びスペーサ2
7、28により形成される空間には、上記各実施例と同
様の高い比誘電率εrcを持つ液晶18が充填されてい
る。なお、この液晶18は、ゲル状又は液状となってい
る。
【0075】次に上記の如く構成された静電アクチュエ
ータの作用について説明する。スイッチ24を閉じて各
電極20、21間に電圧を印加して電界を発生させる
と、図13上部の状態にある各電極20、21は、上記
式(3) に示す吸引力Fvにより互いに引き付け合おうと
する。
【0076】この吸引力Fvにより同図下部に示すよう
に各電極支持体25、26を支持するスペーサ27、2
8は、吸引力Fvに対して弾性反力と負荷力の和が釣り
合う位置まで変形する。
【0077】これらスペーサ27、28の変形に応動し
て各電極20、21は移動する。従って、これら電極2
0、21の移動、つまり変位を取り出すことによってア
クチュエータとして機能する。
【0078】ここで、電極20、21の変位のストロー
クが一定の場合、各電極20、21間が空気により満た
されている場合よりも比誘電率εrcと同一倍数だけ吸引
力Fvは増大する。例えば、液晶18の比誘電率εrcが
10であれば、吸引力Fvは10倍となる。
【0079】又、吸引力Fvを同じにした場合、ストロ
ークは、液晶18の比誘電率εrcの1/2乗倍の長さに
することができる。例えば、液晶18の比誘電率εrcが
10であれば、ストロークは3.16倍となる。
【0080】このように上記第3の実施例においては、
各電極20、21間に高い被誘電率を有する液晶18を
充填し、これら電極20、21間の吸引力によりこれら
電極20、21を変位させるようにしたので、これら電
極20、21間の吸引力を増加することができる。
【0081】一方、上記の如く各電極20、21間に高
い被誘電率を有する液晶18を充填した静電アクチュエ
ータを単位アクチュエータとし、この単位アクチュエー
タを変位方向に複数積層してストロークの長い静電アク
チュエータを構成してもよい。
【0082】このような積層した静電アクチュエータで
あれば、積層数に応じたストロークが得られ、例えば空
気を充填した場合と比較して同一ストロークを得るのに
積層数を減らすことができる。例えば、液晶18の比誘
電率εrcが10であれば、積層数は約3分の1にでき
る。
【0083】又、力を大きくするには、単位アクチュエ
ータを並列に配列すればよいが、この場合も単位アクチ
ュエータの数を減らすことができる。例えば、液晶18
の比誘電率εrcが10であれば、集積数は約10分の1
にできる。 (5) 次に本発明の第4の実施例について説明する。
【0084】図14は静電アクチュエータの構成図であ
る。弾性を有する電極支持体30には、複数の電極31
〜36(第1の電極群)が所定間隔で配列されている。
又、他方の弾性を有する電極支持体37には、複数の電
極38〜43(第2の電極群)が、各電極31〜36と
対向する位置にそれぞれ所定間隔で配列されている。こ
れにより、各電極対31と38、32と39、…36と
43によりそれぞれコンデンサが形成される。
【0085】ここで、他方の電極支持体37は、一方の
電極支持体30と比較してその厚みが格段に薄く形成さ
れている。これら電極支持体30と37との間、つまり
各電極31〜36と各電極38〜43との間には、上記
各実施例と同様のゲル状又は液状の液晶18が充填され
ている。
【0086】他方の電極支持体37上には、可動子44
が載置されている。この可動子44には、電極支持体3
7との間で強い摩擦力が生じるように、何らかの機構に
よって予め接触面に対して垂直方向に力Sが加わってい
る。
【0087】通電装置45は、各電極対31と38、3
2と39、…36と43とを選択的に通電するもので、
ここでは各電極対31と38、32と39、…36と4
3の順序で順次通電し、これを繰り返して行う機能を有
している。
【0088】次に上記の如く構成された静電アクチュエ
ータの作用について説明する。通電装置45は、各電極
対31と38、32と39、…36と43の順序で順次
通電する。
【0089】この通電により各電極対31と38、32
と39、…36と43の順序で吸引力が働き、各電極3
8〜43は、それぞれ対応する各電極31〜36に吸引
される。これにより、各電極対31と38、32と3
9、…36と43の順序で電極間距離が短くなる。
【0090】これにより、電極支持体37は、各電極3
8〜43の変位に応動して変形し、その変形部分が波状
に移動する。従って、可動子44は、第1状態〜第3状
態に示すように電極支持体37における波状の移動方向
とは反対方向に移動する。この可動子44の移動を取り
出すことでアクチュエータとして機能する。
【0091】このように第4の実施例においては、各電
極対31と38、32と39、…36と43の間に比誘
電率の高い液晶18を充填してこれら電極対31と3
8、32と39、…36と43を順次通電し、このとき
の各電極対の変位に応動して電極支持体37に波状の移
動を発生させて可動子44を移動させるようにしたの
で、各電極対31と38、32と39、…36と43に
おける吸引力を増大して波状の移動力を大きくできる。
【0092】ここで、電極間移動距離が一定の場合、す
なわち電極支持体37の振幅が一定の場合、各電極対3
1と38、32と39、…36と43の間が空気により
満たされている場合と比較して、比誘電率εrcと同じ倍
数だけ吸引力は増大する。例えば、液晶18の比誘電率
εrcが10であれば、吸引力は10倍となる。従って、
駆動力もその分増大できる。 (6) 次に本発明の第5の実施例について説明する。
【0093】図15は静電アクチュエータの構成図であ
る。一対のコイル状電極50、51は、それぞれ絶縁膜
52、53によりコートされ、かつ互いに接着されてい
る。これにより、一対のコイル状電極50、51は、コ
ンデンサを形成している。
【0094】又、一対のコイル状電極50、51は、弾
性部材により形成され、通常は所定のコイルピッチをも
つコイル形状となってる。そして、これらコイル状電極
50、51は、スイッチ54を介して直流電源Vが接続
されている。
【0095】この一対のコイル状電極50、51のコイ
ルピッチ間は、上記各実施例と同様にゲル状又は液状の
液晶18により充填されている。次に上記の如く構成さ
れた静電アクチュエータの作用について説明する。
【0096】スイッチ54を閉じると、一対のコイル状
電極50、51間に直流電源Vが接続されてこれらコイ
ル状電極50、51間に電界が発生する。そうすると、
図15の状態にある各コイル状電極50、51は、上記
式(3) で示される吸引力Fvが発生して互いに近づこう
とする。
【0097】この吸引力Fvにより各コイル状電極5
0、51自身が変形し、これらコイル状電極50、51
は、図16に示すように吸引力Fvに対して弾性反力と
負荷力との和が釣り合う位置まで移動する。なお、図1
6では各コイル状電極50、51が互いに密着するまで
移動する。
【0098】従って、このコイル状電極50、51の変
位を取り出すことによってアクチュエータとして機能と
する。このように上記第5の実施例においては、一対の
コイル状電極50、51のコイルピッチ間に比誘電率の
高い液晶18を満たして通電を行うようにしたので、こ
の液晶18により増大した吸引力による各コイル状電極
50、51の変位を取り出すことができる。
【0099】ストローク(コイルピッチ)が一定の場
合、一対のコイル状電極50、51間が空気により満た
されている場合よりも比誘電率εrcと同一倍数だけ吸引
力Fvは増大する。例えば、液晶18の比誘電率εrcが
10であれば、吸引力Fvは10倍となる。
【0100】又、吸引力Fvを同じにした場合、ストロ
ーク(コイルピッチ)は、液晶18の比誘電率εrcの1
/2乗倍の長さにすることができる。例えば、液晶18
の比誘電率εrcが10であれば、ストロークは3.16
倍となる。 (7) 次に本発明の第6の実施例について説明する。
【0101】図17は静電アクチュエータの構成図であ
る。電極支持体60上には、複数の電極が所定間隔で配
列されて電極群61が形成されている。この電極群61
の各電極には、スイッチ群62を構成する各スイッチが
それぞれ接続されている。そして、これらスイッチは、
直流電源Vに共通接続されている。
【0102】又、スイッチ群62は、通電装置63によ
り各スイッチが選択的に切換え制御、例えば図面上左右
方向のいずれかに走査して切換え制御されるものとなっ
ている。
【0103】電極群61上には、絶縁膜64を介して膜
状電極65が予め変形部65a、65bを形成した形状
で載置されている。従って、これら電極群61と膜状電
極65とによりコンデンサが形成されている。
【0104】又、これら電極群61と膜状電極65との
間、及び膜状電極65の周囲は、上記各実施例と同様の
ゲル状又は液状の液晶18により満たされている。次に
上記の如く構成された静電アクチュエータの作用につい
て説明する。
【0105】通電装置63よってスイッチ群62の各ス
イッチのうち所望のスイッチを選択して直流電源V側に
接続すると、そのスイッチにあたる電極と膜状電極65
との間に電圧が印加されて電界が発生し、その部分の膜
状電極65は、上記式(3) に示す吸引力Fvにより互い
に引き付け合おうとする。
【0106】この吸引力Fvにより膜状電極65は、変
形し、吸引力Fvに対して弾性反力と負荷力の和が釣り
合う位置まで移動するか、電極61に吸着される。これ
により、直流電源Vを接続する電極群61の各電極を順
次走査すると、膜状電極65の電極61に吸着される部
分も順次移動し、膜状電極65の各変形部65a、65
bも順次移動する。
【0107】従って、これら変形部65a、65bの移
動を取り出すことによって静電アクチュエータとして機
能できる。このように上記第6の実施例においては、電
極群61と膜状電極65との間で通電を行うと、電極群
61との間の液晶18により増大した吸引力によって膜
状電極65における変形部65a、65bを移動させる
ようにしたので、液晶18により増大した吸引力により
膜状電極65の変形部65a、65bの移動を取り出す
ことができる。
【0108】この場合、電極群61と膜状電極65との
間が空気により満たされている場合よりも比誘電率εrc
と同一倍数だけ吸引力Fvは増大する。例えば、液晶1
8の比誘電率εrcが10であれば、吸引力Fvは10倍
となる。従って、より弾性反力の強い膜状電極65を用
いることができ、より強い出力を得ることができる。 (8) 次に本発明の第7の実施例について説明する。
【0109】図18は静電アクチュエータの構成図であ
る。対向配置された各電極支持体70、71には、それ
ぞれ所定間隔で複数の電極を配列した第1の電極群7
2、第2の電極群73が固定支持されている。なお、こ
れら第1の電極群72と第2の電極群73とにおける各
電極同士は、それぞれ対向配置されている。
【0110】これら第1の電極群72と第2の電極群7
3とは、それぞれに共通接続されて直流電源Vに接続さ
れている。そして、第2の電極群73の各スイッチと直
流電源Vとの間には、それぞれスイッチが接続されてス
イッチ群74が形成されている。
【0111】通電装置75は、スイッチ群74の各スイ
ッチを選択的に開閉制御、例えば図面上左右方向のいず
れかに走査して開閉制御する機能を有している。第1の
電極群72と第2の電極群73との空間は、上記各実施
例と同様のゲル状又は液状の液晶18により満たされて
いる。
【0112】又、第1の電極群72と第2の電極群73
との間には、液晶18により満たされて可動子76が配
置されている。この可動子76は、電界中で変形する高
分子材料により形成されている。
【0113】次に上記の如く構成された静電アクチュエ
ータの作用について説明する。通電装置75により閉じ
るスイッチを、第1及び第2の電極群72、73の各電
極のうち可動子76近傍の各電極に対応するスイッチと
すると、その各電極間に電圧が印加されて電界が発生
し、可動子76は電束の方向に応じて変形方向が変わ
る。
【0114】従って、可動子76の位置に合わせてスイ
ッチ群74を開閉制御し、第1及び第2の電極群72、
73の各電極の極性を変えていくと、可動子76はその
極性に合わせて両方向にたわみ変形を繰り返し、液晶1
8から反力を受けてくねりながら前進する。
【0115】この可動子76の動きを取り出すことで静
電アクチュエータとして機能できる。このように上記第
7の実施例においては、第1と第2の電極群72、73
に対して選択的に通電を行って高分子材料の可動子76
を移動させるようにしたので、液晶18により増大した
吸引力によって可動子76を変形させて移動させること
ができる。
【0116】ところで、通常の比誘電性の液体中や比誘
電率の低い液体中では、このような可動子76の動きを
させるほど電束密度を高めることはできない。従って、
通常は比誘電率の高い水中で行うが、電気分解や消費電
流が大きい等の問題がある。ところが、上記の如く水を
液晶18に置き換えると、高い絶縁性が得られ消費電流
が激減でき、そのうえ高い電圧を印加することが可能と
なり、より安定した動作ができる。 (9) 上記各実施例から本発明静電アクチュエータにより
奏される効果をまとめると次の通りとなる。
【0117】2つ以上の電極で電界を形成した空間を高
い比誘電率を持つ液体又はゲル状の液晶により充填する
ので、固定子である電極と可動子とによって形成される
コンデンサの容量を増加させることができ、飛躍的に可
動子への吸引力を高めることができる。
【0118】又、各電極対と可動子との間にゲル状又は
液状の液晶の薄膜を形成することで、電極と可動子との
ギャップを適当な大きさにすることができる。これによ
り、比較的大きな規模でアクチュエータを作製でき、長
いストロークを移動できるアクチュエータを得ることが
できる。
【0119】さらに、潤滑性のある固体や、液体又はゲ
ルを電極と可動子との間に挿入することにより、両者の
間に生じる摩擦力を低減できる。又、電極間の吸引力を
利用する方式のアクチュエータにおいて、1つの駆動単
位で大きなストロークがとれ、単位長さ当たりのストロ
ークを大きくできる。これにより、ストロークを従来と
同一にした場合には、大きな力を発生できる。
【0120】比誘電率の高い液体として一部のアルコー
ル系の液体があるが、これらは引火性が高く、高電圧を
印加するには火災や爆発の危険がある。又、極めて高い
比誘電率を持つ液体として知られる水も、抵抗が比較的
小さく絶縁性に問題がある上に、電気分解を避けるため
に交流駆動する必要があり、エネルギー損失が大きくな
りやすかった。
【0121】ところが、液晶は、絶縁性が高く、電気分
解の虞もないことから、かかる問題を一気に解決でき
る。以上の効果を総合すれば、液晶を用いることで静電
アクチュエータの実効出力を大幅に大きくすることがで
き、出力/容積比や出力/重量比を高めることができ
る。
【0122】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、実
効出力を大幅に大きくできる静電アクチュエータを提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる静電アクチュエータの原理を説
明するための図。
【図2】同静電アクチュエータの原理を説明するための
図。
【図3】各電極間の吸引力を説明するための図。
【図4】同各電極間の吸引力を説明するための図。
【図5】可動子の無い各電極間の吸引力を説明するため
の図。
【図6】同可動子の無い各電極間の吸引力を説明するた
めの図。
【図7】本発明に係わる静電アクチュエータの第1の実
施例を示す構成図。
【図8】同静電アクチュエータの第1の実施例を示す構
成図。
【図9】液晶の比誘電率に対する推力の変化を示す図。
【図10】液晶の比誘電率に対する推力の増加率を示す
図。
【図11】本発明に係わる静電アクチュエータの第2の
実施例を示す構成図。
【図12】同静電アクチュエータの第2の実施例を示す
構成図。
【図13】本発明に係わる静電アクチュエータの第3の
実施例を示す構成図。
【図14】本発明に係わる静電アクチュエータの第4の
実施例を示す構成図。
【図15】本発明に係わる静電アクチュエータの第5の
実施例を示す構成図。
【図16】同静電アクチュエータの変位状態を示す図。
【図17】本発明に係わる静電アクチュエータの第6の
実施例を示す構成図。
【図18】本発明に係わる静電アクチュエータの第7の
実施例を示す構成図。
【符号の説明】
10,11,20,21…電極、 17,44,76……可動子、 18…液晶、 19a,19b…保護用の液晶、 25,26,30,37,60,70,71…電極支持
体、 27,28…スペーサ、 31〜36,72…第1の電極群、 38〜43,73…第2の電極群、 45,63,75…通電装置、 50,51…コイル状電極、 52,53…絶縁膜、 61…電極群、 62,74…スイッチ群、 65…膜状電極。
フロントページの続き (72)発明者 村山 知寛 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33番地 株 式会社東芝生産技術研究所内 (72)発明者 斉藤 伸一 千葉県市原市中288番地31

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2つの電極間に静電力を発生
    させる静電アクチュエータにおいて、 少なくとも前記各電極間に高い比誘電率を有する液晶を
    充填することを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 少なくとも2つの電極間に可動子を配置
    し、これら電極間に発生する静電力により前記可動子に
    対して推力を働かせる静電アクチュエータにおいて、 少なくとも前記各電極間に高い比誘電率を有する液晶を
    充填することを特徴とする静電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 液晶は、可動子に働く推力を所定値とす
    るように各電極と可動子とのギャップに応じた比誘電率
    を持つことを特徴とする請求項2記載の静電アクチュエ
    ータ。
  4. 【請求項4】 対向する各電極面にそれぞれ高分子化さ
    れた液晶から成る保護膜を形成したことを特徴とする請
    求項2記載の静電アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 保護膜を形成する液晶は、各電極間に充
    填する液晶の比誘電率よりも高い比誘電率を有すること
    を特徴とする請求項4記載の静電アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 少なくとも2つの電極間の吸引力により
    これら電極間のギャップを変位させる静電アクチュエー
    タにおいて、 少なくとも前記各電極間に高い比誘電率を有する液晶を
    充填することを特徴とする静電アクチュエータ。
  7. 【請求項7】 対向配置された2つの電極うち少なくと
    も一方の電極を電極群とした静電アクチュエータにおい
    て、 少なくとも前記電極と前記電極群との間に高い比誘電率
    を有する液晶を充填することを特徴とする静電アクチュ
    エータ。
  8. 【請求項8】 他方の電極は、弾性を有する膜状電極で
    あることを特徴とする請求項7記載の静電アクチュエー
    タ。
  9. 【請求項9】 対向配置された各電極間に比誘電率の高
    い液晶を充填してこれら電極間に吸引力を発生させる単
    位アクチュエータを複数形成し、これら単位アクチュエ
    ータを変位方向に積層して成ることを特徴とする静電ア
    クチュエータ。
  10. 【請求項10】 固定された第1の電極群と、 弾性を有する電極支持体と、 この電極支持体に対して前記第1の電極群と対応する位
    置に配置された第2の電極群と、 少なくともこれら第1と第2の電極群の間に充填された
    比誘電率の高い液晶と、 前記電極支持体に載置された可動子と、 前記第1と第2の電極群に対して選択的に通電を行う通
    電手段と、を具備したことを特徴とする静電アクチュエ
    ータ。
  11. 【請求項11】 絶縁膜を介して互いに接着された一対
    のコイル状電極と、 このコイル状電極のコイルピッチ間を満たす比誘電率の
    高い液晶と、 前記コイル状電極に通電を行う通電手段と、を具備した
    ことを特徴とする静電アクチュエータ。
  12. 【請求項12】 複数の電極を配列した電極群と、 この電極群に対して絶縁膜を介して配置された弾性を有
    する膜状電極と、 少なくとも前記電極群と前記膜状電極との間に充填され
    た比誘電率の高い液晶と、 前記膜状電極と前記電極群の各電極との間を選択的に通
    電する通電手段と、を具備したことを特徴とする静電ア
    クチュエータ。
  13. 【請求項13】 複数の電極を配列した第1の電極群
    と、 この第1の電極群に対して対向配置された複数の電極か
    ら成る第2の電極群と、 これら第1と第2の電極群との間に配置され、電界が加
    わることにより変形する高分子材料から成る可動子と、 これら第1と第2の電極群との間に充填された比誘電率
    の高い液晶と、を具備したことを特徴とする静電アクチ
    ュエータ。
  14. 【請求項14】 液状又はゲル状の液晶であることを特
    徴とする請求項1、2、6、7、9乃至13項のうちい
    ずれか1項記載の静電アクチュエータ。
  15. 【請求項15】 液晶は、ネマチック相、又はコレステ
    リック相であることを特徴とする請求項1、2、6、
    7、9乃至13項のうちいずれか1項記載の静電アクチ
    ュエータ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103633877A (zh) * 2013-10-23 2014-03-12 中国航天科技集团公司第四研究院第四十一研究所 基于流体压强波动的变电容发电机
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