JPH0728309U - 多条連続集合鉢体苗移植機及びこれに用いる多条連続集合鉢体苗移植機用後部連結杆 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 個々の育苗鉢を連結片で連結した連続集合鉢
体苗を、連続状態を維持しつつ、順次広幅とした畝面上
に多条植え付けるための、接地型の連続集合鉢体苗移植
機を得る。 【構成】 先端を反らせソリ状とした底板の両側に側枠
を設けて、後部に鉢体苗繰り出し部を設けててある接地
滑走型連続集合鉢体苗移植機を並列し、中空管を直列
し、中空管内に摺動可能とした調節杆を嵌合すると共
に、各中空管両端には支持枠を固設して連結管を形成
し、この連結管にて、前記並列した接地滑走型連続集合
鉢体苗移植機間の側枠前部間及び後部間をそれぞれ連接
連結して多条連続集合鉢体苗移植機とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は個々の育苗鉢を、連結片で連結して連続鉢体苗となし、これを一端 から連続して引き出して順次植え付けるための移植機に関するもので、更に詳し くは、連続鉢体苗を一個一個の鉢体苗に分離することなく、連結片にて連続状態 を維持したまま植え付ける多条鉢体苗移植機及びこれに用いる多条連続集合鉢体 苗移植機用後部連結杆に関するものである

【０００２】

【従来の技術】

従来より耐腐性の紙で作られた四角叉は六角筒状の鉢体を用いて植物を栽培し 、これをそのまま移植する育苗移植栽培法が広く実用に供されており、これに用 いる鉢体として例えば特公昭３８−２５７１５号公報に開示される個々の鉢体に 水溶性糊料で接着され、育苗中の灌水により移植時には個々の鉢体苗に分離する 分離型の集合鉢体と、特公昭５−３０８０５号公報に示すような鉢体苗は隣接鉢 体間を連結片で連接され、一端から終端まで連続して列状に引き出し可能とした 連続型の集合鉢体があり、それぞれ使用作物、適用圃場に合わせ何れかを選択使 用している。

【０００３】 そしてこれら集合鉢体苗による移植作業はいずれも機械による全自動移植を可 能としており、連続型の集合鉢体にあっては特公昭５５−３０８０５号公報に示 すように、連続鉢体苗を逆円錐状の一対の回転体により挟み通すことで、連結片 の分離線を分離誘導部より経時的に分離して一個一個の鉢体苗として移植するも のであり、叉特公昭６３−６１８６６号公報では、回転円板に放射状態に設けた 移植杆が先頭鉢体苗を挟持して回転することにより、後続する鉢体苗を引き出す と共に、続く鉢体苗を停止板により停止させて、先行する鉢体苗との間の連結片 に設けた切込みを切断して一個の鉢体苗に分離し移植していくものである。

【０００４】 そして一対の逆円錐形回転体の上下の周速差を利用して連結片に設けた切込み を経時的に切断する方式は、比較的長い鉢体の連続苗分離に用いられ、この様な 鉢体を用いる作物としては、例えばビートなどである。一方移植杆により連続鉢 体苗を挟持し、二番目苗を停止板に停止させることで連結片を切断する方式は、 白菜、レタス等一般蔬菜の育苗移植に使用される比較的長さの短い鉢体の連続苗 分離に用いられているものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】

この様な連続鉢体苗移植機は何れも駆動輪よりの駆動により移植機構が駆動さ れ、自動的に連続鉢体苗を個々の鉢体苗に分離して畑の畦上に植え付けていくも ので、極めて能率的であるが、株間間隔の短い作物、あるいはハウス内栽培での 移植には適応が極めて困難であった。

【０００６】 このため、この出願人は特願平０４−１４２０８０号に開示する様に、底板を 接地面として、底板前部に設けた把手を人手で引っ張ることで、畑地上を滑走さ せつつ底板上に載置した連続集合鉢体苗を、底板後部に設けた植付部より順次連 続的に繰り出しつつ、底板下に設けてあるオープナーが溝付けした溝内に、連続 集合鉢体苗の連続状態を維持しつつ載置植え付けする移植機を提案し、極めて良 好な植え付けを行うことが出来た。 しかし菊、疎菜などで幅広の畝として株間間隔を２〜３cmの小間隔とした、２ 条植え或いは４条植えとするような植え付けに使用する移植機はなく又、前記底 板を接地滑走体とする移植機においても、底板後部に設けた植え付け部は１か所 である為、１条植えしか出来ないのが現状あった。又、底板の幅を広げて底板後 部に複数の切り込みを設けて、繰り出し口としても間隔が固定されてしまい、条 間巾の変更に対応できず又、同一底板として複数の繰り出し口の切り込みを設け た場合、植え付けに際し、畝上面の凹凸による底板の底面接地状態の維持を不安 定とし、苗の植え付けを困難にする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案者は上記事情に鑑み通常より広幅の畝として２条植えで移植するに 際し、前記底板の先端をソリ状に湾曲し、板体の両側に側枠を設け、後端中央に 切り込み溝を設けた接地滑走式の連続集合鉢体苗移植機としたものを２台並列連 結し、その連結間隔を調節自在の連結とすることで解決できたものであり、その 連結は接地滑走体前部及び後部の２か所で行い、かつその連結調節長さ可能とし た連結杆とすると共に、連続集合鉢体苗の繰り出し部のある接地滑体底板後部の 連結の長さ調節の為の伸縮自在とした連結杆は、更に並列の左右移植機を、上下 動可能となるよう連結杆自体を左右に分割し、それぞれ別個に揺動可能とする構 成とすることで、連続集合鉢体苗移植機を２台並列連結して広幅とした畝上面を 接地走行しつつ連続集合鉢体苗を、底板後部苗繰り出し口より順次連続状態を維 持して引出し、２条植えとして良好な植え付けを行うとができたものである。

【０００８】 即ち、先端をソリ状とした接地滑走体を並列して連結する連結杆は、所定長さ とした中空管を直列状に配し、この中空管内に摺動自在の調節杆を嵌合し、調節 杆の一端は中空管と通ずるピン等により固定され、調節杆反対端側は中空管嵌合 部と摺動させ、中空管に設けた穴よりボルト等により所定位置で押圧固定するこ とで調節杆の伸縮を調節し、連結杆全長を畝幅へ対応させることが出来たもので ある。そして、この連結杆は並列した接地滑走体の前部及び後部側枠間に連結杆 支持枠を介し、それぞれ連接されるものであり、この連結杆支持枠は中空管の両 端下部にそれぞれ支持枠上端を固設すると共に、支持枠下端は接地滑走体側枠に ボルトあるいはネジなどで固定連接されるものである。そしてこの前部の連結杆 には、把手が連結杆の伸縮に対応した伸縮をする構成として取り付けらるもので ある。後部の連結杆は並列した中空管に嵌合した調節杆を中空管同様左右に分割 し、左右の調節杆の側面に連接ブラケットを当接、それぞれの調節杆を回動自在 にピンにてブラケットと係合し、左右の調節杆を一体化することで畝面の凹凸に 対し、それぞれの接地滑走体が個々に対応上下動可能とすることが出来たもので ある。この連接ブラケットは左右調節杆をＬ字状或いはЦ字状として、そのブラ ケット下面に調節杆を載置当接することで連結した接地滑走体を把手で持ち上た 際ある程度の下げ角度で留めることが出来る。

【０００９】

【作用】

この考案は接地滑走体としてその後端の連続集合鉢体苗の繰り出し口より連続 状態を維持しつつ一本の帯状として畝面上に植え付けていく移植機を２台並列し て連結するのに、並列した中空管空間内を摺動可能にした調節杆を嵌合して連結 杆を構成し、それぞれの中空管の両端に固設した連結杆支持枠の下端を、それぞ れ並列した接地滑走体の前部及び後部側枠間を２ケ所で連接連結したので、調節 杆を摺動することで連結杆長さを伸縮し接地滑走体間隔を調節でき又、後部連結 杆の調節杆は左右分割し、その左右同志を調節杆連接ブラケットにて側面を当接 してそれぞれ回自在のピンをにてブラケットと係合して連接してあるので左右の 接地滑走体はそれぞれが個々に揺動自在となってるもののである。

【００１０】

【実施例】

以下この考案の実施例を図面により説明する。 １は接地滑走体底板であって進行方向前方部をソリ状に湾曲させてある。こ の底板１の後端部中央には、進行方向と平行する切込み溝が連続集合鉢体苗の繰 り出し部２として設けてある。３は底板１両側に設けた側枠である。切込み溝と なった連続集合鉢体苗の繰り出し部２の両側から繰り出し口４を経て、各左右側 枠３との間に、連続集合鉢体苗の規制枠５を張設し、側枠３と、規制枠５に囲ま れた底板１上を連続集合鉢体苗載置部６としてある。

【００１１】 ７はウェイトで底板１の後部上面で規制枠５の外側に設けた固定棒８などにに 嵌合されネジ止め固定されている。

【００１２】 繰り出し部２下面に対応して底板１に固設したオープナー（図示せず）が設け られ、繰り出し口４より連続して繰り出される連続集合鉢体苗を植え付けるため の、植え付け溝を設けるもである。このオープナー後方には、オープナーが設け た植え付け溝に、連続集合鉢苗が順次繰り出されるための断面 Ｕ字状の誘導路 ９が設けられてある。この誘導路９は連続集合鉢体苗を繰り出し口４より、適宜 の角度で接地するようにすると共に、植え付け溝から外れないように誘導するも のである。 １０は土寄せ体で底板１の後端部に繰り出し部２を挟んで一対の平板状、ある いは棒状体として固設しているものであって、植え付け溝に植え付けられた連続 集合鉢体苗に培土するもである。

【００１３】 １１は連結杆で左右一対の中空管１２ａ、１２ｂと１本の調節杆１３よりなり 、接地滑走体両側枠３ａ、３ｂ間幅とほぼ同じかやや長くした中空管１２ａ、１ ２ｂ内に調節杆１３を摺動自在に嵌合し、一方の中空管１２ａ内の調節杆１３端 部は、中空管１２ａと共に貫通するネジ１４により固定され、他方の中空管１２ ｂと嵌合している調節杆１３端部は、中空管１２ｂ上面に設けたボルト穴１５に 差し込まれたボルト１６により、適宜調節杆１３長さを摺動調節した後押圧し固 定する。 中空管１２ａ、１２ｂの両端には連結杆支持枠１７が固設されており、この連 結杆支持枠１７の下部に設けられているピン穴と、接地滑走体側枠に設けてある ピン穴を一致させて、ボルト１８で固定し、並列した接地滑走体を連接連結する ものである。この連結杆１１による２台の接地滑走体の連接は、接地滑走体を並 列し、それぞれに中空管１２ａまたは１２ｂを１組として固定し、ついで中空管 １２ａに調節杆１３をピン１４にて嵌合し、端部を中空管１２ａに固定し、調節 杆１３他端を他方の接地滑走体の中空管１２ｂに嵌合するものである。そして嵌 合後は調節杆１３を適宜摺動させ、所定長さとした後中空管１２ｂに設けてある 穴１５にボルト１６を挿入し調節杆１３に押し当て押圧し押し止めるものである 。

【００１４】 １９は把手で把手取り付け杆２０ａ、２０ｂをそれぞれの並列した接地滑走体 の側枠前３部に連接固定した連結杆１１の中空管１２ａ、１２ｂに連接している 。この把手取り付け杆２０ａ、２０ｂと中空管１２ａ、１２ｂの連接は、中空管 １２ａ、１２ｂに固設した取付け金具２１に設けた左右２ケ所の孔に、把手取り 付け杆２０ａ、２０ｂの先端に設けた孔を合わせ、ボルト２２ａ、２２ｂにより 固定するが、その際先端の孔は縦長とすることにより、ボルト２２ａ、２２ｂの 位置を変えて把手１９の高さを、引っ張る人の身長に適宜調節することが出来る 。 又把手１９は連結杆１１と同じく、左右への伸縮可能な中空パイプと摺動パ イプの構成とし、連結杆１１の長さに対応できるものとしてある。 接地滑走体の側枠３後部で連接連結する連結杆１１の調節杆１３は１本の棒状 体とせず、中空管１２ａ、１２ｂと同様それぞれ分割し、左右別々の調節杆１３ ａ、１３ｂとして、これを連接ブラケット２３て各調節杆１７ａ、１３ｂの側面 に当接し、それぞれの調節杆１３ａ、１３ｂを回動自在となる様、ピン２４ａ、 ２４ｂにて遊嵌し連接している。この様に接地滑走体の側枠後部に連接固定した 連結杆１１は別々に分割ものしたとしてこれを連接ブラケット２３を介し揺動可 能としたことにより、並列連結した接地滑走体を、それぞれ個々に上下動可能と することができるものとしているものである。

【００１５】 この考案は上記構成よりなるもので、並列した接地滑走体を連接連結している 連結杆１１の調節杆１３を調整して、繰り出し部２の間隔を条間に合わせ、載置 部６上の連続集合鉢体苗の一端を畝上に固定した後、把手１９を持ち把手１９方 向に速歩程度にて接地滑走体を並列連結して構成した移植機を引っ張ると、順次 並列状態で連続集合鉢体苗は繰り出し口４より畝上のオープナーにより設けられ た溝内に連続状態を維持しつつ、１本の帯状で繰り出され植え付けられるもので ある。この際、各接地滑走体はウエイト７により、常時、繰出し部２を接地状態 とし、又、調節杆１３ａ、１３ｂを連接ブラケット２３を設けて回し回動自在に ピン２４ａ、２４ｂにて嵌合連接しているので、片方の接地滑走体が畝面の凹凸 で上下動しても他方には影響されず、常に接地状態を維持して植え付けの繰り出 しを行うものである。

【００１６】

【考案の効果】

この考案は、一対の直列した中空管に、摺動可能な調節杆を嵌合し、中空管両 端に支持枠を固設するきわめて簡単な構成とした連結杆を使用して、一条植えの 接地型連続集合鉢体苗移植機を並列して、ネジ或いはボルト締めをするだけで簡 単に２条、４条等の多条植え移植機とすることができ、そして更に畝上での条間 隔対応を、調節杆の摺動で容易に変更調節できるものである。 又連続集合鉢体苗をその連続状態を維持して植え付けていくに際し、連結杆は 各連接連結した移植機を、それぞれが個々に揺動可能としてあるので、各移植機 底板は常に接地状態が保たれ良好な植え付けが行われていくものである。

【００１７】

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の移植機の斜視図。

【図２】図１の要部拡大斜図。

【図３】連結杆要部拡大斜視図。

【符号の説明】

１ 底板 ２ 繰り出し部 ３ 側枠 ４ 繰り出し口 ５ 規制枠 ６ 連続集合鉢体苗載置部 ７ ウェイト ８ 固定棒 ９ 誘導路 １０ 土寄せ体 １１ 連結杆 １２ 中空杆 １３ 調節杆 １４ ネジ １５ ボルト １６ ポルト １７ 連結杆支持枠 １８ ポルト １９ 把手 ２０ 把手取り付け杆 ２１ 取付け金具 ２２ ボルト ２３ 連接ブラケット ２４ ピン

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 底板の進行方向前部を上向きに反らせ、
   後端部中央に連続集合鉢体苗の繰り出し部とした切り欠
   き溝を設け、左右両側に側枠を固設して底板上面を連続
   集合鉢体苗載置部となし、前記繰り出部先端下面にはオ
   ープナーを設け、該オープナー後方には連続集合鉢体苗
   誘導路を設けた接地滑走体を並列連結してなる移植機に
   おいて、 並列した接地滑走体の前部及び後部側枠間を、直列した
   一対の中空管に調節杆を摺動可能に嵌合すると共に中空
   管両端には連結杆支持枠を固設して連結杆となし、該連
   結杆の前記連結杆支持枠下端を、前記並列する接地滑走
   体各側枠と連接して連結してあることを特徴とする多条
   連続集合鉢体苗移植機。
2. 【請求項２】 連結杆を構成する中空管に摺動可能に嵌
   合してある調節杆を、左右に分割し、該左右調節杆は側
   面に当接した連接ブラケットを介し、それぞれ揺動自在
   に連接してあることを特徴とする多条連続集合鉢体苗移
   植機用後部連結杆。
3. 【請求項３】 側面に当接する左右分割した調節杆連接
   のための連接ラケットが平板状又はＬ字状或いはЦ字状
   である請求項第２項の多条連続集合鉢体苗移植機用後部
   連結杆。