JPH0728234U - 等速自在継手の外輪 - Google Patents
等速自在継手の外輪Info
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- JPH0728234U JPH0728234U JP5-58593U JP5859393U JPH0728234U JP H0728234 U JPH0728234 U JP H0728234U JP 5859393 U JP5859393 U JP 5859393U JP H0728234 U JPH0728234 U JP H0728234U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 芯出し作業の容易化、接合強度の確保、熱歪
みの抑制。 【構成】 この外輪は、例えば2〜4mm厚さの鋼板ま
たは鋼製パイプ材から冷間プレス成形したカップ状の外
輪素材1と、外輪素材1に一体に接合されたステム2と
で構成される。外輪素材1は、動力伝達部となる案内溝
1a1および保持器案内面1a2を内径に有するカップ
部1aと、カップ部1aの底中心から同軸で一体に連続
した筒状の接合部1bとからなる。外輪素材1とステム
2との接合は、ステム2の軸端2aを接合部1bに嵌合
した後、この嵌合面Aをレーザビームまたは電子ビーム
を用いて一体に溶着することによりなされる。
みの抑制。 【構成】 この外輪は、例えば2〜4mm厚さの鋼板ま
たは鋼製パイプ材から冷間プレス成形したカップ状の外
輪素材1と、外輪素材1に一体に接合されたステム2と
で構成される。外輪素材1は、動力伝達部となる案内溝
1a1および保持器案内面1a2を内径に有するカップ
部1aと、カップ部1aの底中心から同軸で一体に連続
した筒状の接合部1bとからなる。外輪素材1とステム
2との接合は、ステム2の軸端2aを接合部1bに嵌合
した後、この嵌合面Aをレーザビームまたは電子ビーム
を用いて一体に溶着することによりなされる。
Description
【0001】
本考案は、自動車や各種産業機械に使用される等速自在継手に関する。
【0002】
例えば、ゼッパー型等速自在継手やダブルオフセット型等速自在継手の外輪は 、動力伝達部を有するカップ状の外輪素材とステムとを熱間または亜熱間鍛造に より一体成形し、これに、旋削加工、研削加工を施して仕上げたものが多かった が、近時、軽量化、コスト低減などを図るため、外輪素材を鋼板や鋼製パイプか らプレス加工により成形し、これに、ステムを一体に接合した構成のものが種々 提案されている。
【0003】 従来、外輪素材とステムとの接合は、カップ状の外輪素材の底にステムの軸端 を突合わせて摩擦圧接することにより(特開昭54−50451号公報参照)、 パイプ素材からプレス成形した筒状の外輪素材の外周後部に、ステムの軸端に設 けた椀状部の内周を係合嵌め合せてロー付することにより(特開昭55−729 21号公報参照)、筒状の外輪素材の端面に、ステムの軸端に設けたフランジ部 を突合わせてアーク溶接等の電気溶接で溶着すること等によりなされていた。
【0004】
外輪素材とステムとは同軸一体に接合する必要があるが、従来の接合手段では 両者の芯出が難しく、そのため、接合時のセッティング作業にかなりの時間を要 していた。
【0005】 また、摩擦圧接によれば、接合部に発生するバリ取りのための後加工が必要で あり、工程数増の要因になっていた。
【0006】 さらに、ロー付や電気溶接によれば、特にプレス成形品のように肉厚が薄い場 合には、接合部の熱歪みが懸念される。
【0007】 本考案は、プレス成形によるカップ状の外輪素材とステムとの一体接合構造を 採用することにより、等速自在継手の軽量化、低コスト化、ならびに高品質化を 図ることをその究極目的とするが、そのためには、上述した接合に伴う工程管理 上、品質管理上の問題点を解消する必要があり、これが、本考案の解決しようと する課題である。
【0008】
本発明の等速自在継手の外輪は、内径に動力伝達部を有するカップ部、および 、カップ部の底中心から一体に連続した筒状の接合部をプレス加工により成形し たカップ状の外輪素材と、外輪素材に一体に接合されたステムとからなるもので あって、外輪素材とステムとを上記接合部にて同軸嵌合し、この嵌合面をレーザ ビーム溶接または電子ビーム溶接により溶着したものである。
【0009】 また、本発明の等速自在継手の外輪は、内径に動力伝達部を有するカップ部を プレス加工により成形すると共に、カップ部の底中心に貫通穴を設けたカップ状 の外輪素材と、外輪素材に一体に接合されたステムとからなるものであって、外 輪素材のカップ部の底にステムの軸端を同軸で突合わせ、この突合わせ面をレー ザビーム溶接または電子ビーム溶接により溶着したものである。
【0010】 さらに、上記構成において、ステムの軸端中心に、上記貫通穴と同軸嵌合する 突部を設けたものである。
【0011】
外輪素材とステムとの芯出しは、カップ部の底中心から一体に連続した筒状の 接合部にステムの軸端を嵌合することによりなされる。両者の接合は、接合部と ステムとの嵌合面をレーザビーム溶接または電子ビーム溶接により溶着すること によりなされる。図7に示すように、レーザビーム溶接または電子ビーム溶接に よれば、同一入力熱のアーク溶接等に比べて深い溶け込みが得られるので、上記 のような嵌合面を広い領域にわたって高速でかつ強固に溶着することができる。 しかも、パワー密度が高く入熱が少ないので、溶接部の熱歪みが小さい。
【0012】 また、外輪素材とステムとの接合は、外輪素材のカップ部の底にステムの軸端 を同軸で突合わせ、この突合わせ面をレーザビーム溶接または電子ビーム溶接に より溶着することによりなされる。この場合、カップ部の底中心に貫通穴を設け 、溶接部に気泡が発生するのを防止する。さらに、ステムの軸端中心に上記貫通 穴と同軸嵌合する突部を設けると、突合わせ時の芯出し作業が容易になる。
【0013】
以下、本考案をダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)の外輪に適用した 実施例について説明する。
【0014】 図1に示す外輪は、例えば2〜4mm厚さの鋼板または鋼製パイプ材から冷間 プレス成形したカップ状の外輪素材1と、外輪素材1に一体に接合されたステム 2とで構成される。外輪素材1は、動力伝達部となる案内溝1a1および保持器 案内面1a2を内径に有するカップ部1aと、カップ部1aの底中心から同軸で 一体に連続した筒状の接合部1bとからなる。ステム2は鋼材から鍛造により、 あるいは、鋼製棒材から旋削により成形したものである。
【0015】 外輪素材1とステム2との接合は、ステム2の軸端2aを接合部1bに嵌合し た後、この嵌合面Aをレーザビームまたは電子ビームを用いて一体に溶着するこ とによりなされる。ステム2の軸端2aを接合部1bに嵌合すると、外輪素材1 とステム2との芯出しがなされるので、従来構成に比べ芯出し作業が極めて容易 である。また、レーザビーム溶接または電子ビーム溶接によれば、同一入力熱の アーク溶接等に比べて深い溶け込みが得られるので、嵌合面Aを広い領域にわた って高速でかつ強固に溶着することができる。しかも、パワー密度が高く入熱が 少ないので、溶接部の熱歪みが小さい。
【0016】 この実施例では、外輪素材1およびステム2の材質として低炭素鋼を用い、溶 接後に浸炭処理をして表層部を硬化させてある。溶接前に浸炭処理を行なう場合 には、溶接予定箇所の硬化層を浸炭処理後に機械加工により除去するか、あるい は、溶接予定箇所に防炭処理をすると良い。また、外輪素材1およびステム2の 材質として高周波焼入鋼を用いる場合には、溶接後に焼入処理するか、あるいは 、溶接前に溶接予定箇所を除いて焼入処理すると良い。
【0017】 図2に示すように、嵌合面Aを電子ビームB1で溶接する場合は、外輪素材1 とステム2とを接合部1bにて同軸嵌合した外輪ワークを軸線Xを中心として回 転させながら、電子ビームB1を軸線Xに対し平行方向から嵌合面Aに照射する 。外輪ワークを回転させることにより、電子ビームB1を嵌合面Aに沿って円周 方向に走査することができる。あるいは、外輪ワークを固定とし、電子ビームB 1の電気的な偏向を利用して円周方向に走査させる構成にすると、装置製作上有 利である。尚、ステム2が長い場合には、同図に示すように、ビーム源(図示省 略)をカップ部1aの開口側に配置し、開口側から電子ビームB1を嵌合面Aに 照射する構成とするのが望ましい。
【0018】 図3に示すように、嵌合面AをレーザビームB2で溶接する場合は、外輪ワー クを軸線Xを中心として回転させながら、レーザビームB2を軸線Xに対し僅か に外側に傾けた方向から嵌合面Aに照射する。ビーム出力部付近の雰囲気ガスノ ズル等とステム2との干渉をさける必要があるからである。傾き量が大きくなる 場合には、図4に示すように、接合部1bとステム2の軸端2aとの嵌合をテー パ嵌合とし、嵌合面Aを軸線に対して外側に傾けると良い。
【0019】 図5に示す外輪は、外輪素材1のカップ部1aの底にステム2の軸端2aを同 軸で突合わせ、この突合わせ面Cをレーザビームまたは電子ビームを用いて一体 に溶着したものである。この場合、カップ部1aの底中心に貫通穴1cを設けて おくと、溶接部に気泡が発生するのを防止する上で有効である。
【0020】 図6に示す外輪は、図5に示すものと同様に、外輪素材1のカップ部1aの底 にステム2の軸端2aを同軸で突合わせ、この突合わせ面Cをレーザビームまた は電子ビームを用いて一体に溶着したものであるが、突合わせ時の芯出し作業を 容易にするため、ステム2の軸端2aの中心に貫通穴1cと同軸嵌合する突部2 bを設けてある。
【0021】 尚、本考案は上述したダブルオフセット型等速自在継手の外輪の他、ゼッパー 型、トリポード型、クルスグルーブ型等速自在継手の外輪等にも同様に適用する ことができる。
【0022】
以上説明したように、本考案の外輪は、外輪素材の筒状の接合部にステムを同 軸嵌合し、この嵌合面をレーザビーム溶接または電子ビーム溶接により溶着した 構成を有するので、接合時における外輪素材とステムとの芯出し作業が極めて容 易であり、このためワークのセッテイングに要する時間を従来より大幅に短縮す ることができる。また、レーザビーム溶接または電子ビーム溶接によれば、嵌合 面を広い領域にわたって高速でかつ強固に溶着することができので、短時間で強 固な接合強度を確保することができる。しかも、溶接熱による歪みが小さいので 品質面でも優れている。
【0023】 また、外輪素材のカップ部の底にステムの軸端を同軸で突合わせ、この突合わ せ面をレーザビーム溶接または電子ビーム溶接により溶着する構成としたもので は、カップ部の底中心に設けた貫通穴により、溶接部における気泡の発生が防止 されるので、強固な接合強度を確保することができる。さらに、ステムの軸端中 心に上記貫通穴と同軸嵌合する突部を設けることにより、突合わせ時の芯出し作 業を容易にすることができる。
【0024】 本考案は、以上の特有の効果により、プレス成形による外輪素材とステムとの 一体接合構造と相俟って、等速自在継手の軽量化、低コスト化、高品質化に寄与 する。
【図1】実施例に係わる外輪を示す縦断面図(図a:図
bにおけるa−a断面)、横断面図(図b:図aにおけ
るb−b断)である。
bにおけるa−a断面)、横断面図(図b:図aにおけ
るb−b断)である。
【図2】電子ビームを用いて溶着する場合の機構を概念
的に示す図である。
的に示す図である。
【図3】レーザビームを用いて溶着する場合の機構を概
念的に示す図である。
念的に示す図である。
【図4】レーザビームを用いて溶着する場合の機構を概
念的に示す図である。
念的に示す図である。
【図5】他の実施例に係わる外輪を示す縦断面図であ
る。
る。
【図6】他の実施例に係わる外輪を示す縦断面図であ
る。
る。
【図7】各種溶接法による溶け込み形状を示す概念図で
ある。
ある。
1 外輪素材 1a カップ部 1b 接合部 1c 貫通穴 2 ステム 2a 軸端 2b 突部 A 嵌合面 C 突合わせ面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 26/00 310 N J
Claims (3)
- 【請求項1】 内径に動力伝達部を有するカップ部、お
よび、カップ部の底中心から一体に連続した筒状の接合
部をプレス加工により成形したカップ状の外輪素材と、
外輪素材に一体に接合されたステムとからなるものであ
って、外輪素材とステムとを上記接合部にて同軸嵌合
し、この嵌合面をレーザビーム溶接または電子ビーム溶
接により溶着したことを特徴とする等速自在継手の外
輪。 - 【請求項2】 内径に動力伝達部を有するカップ部をプ
レス加工により成形すると共に、カップ部の底中心に貫
通穴を設けたカップ状の外輪素材と、外輪素材に一体に
接合されたステムとからなるものであって、外輪素材の
カップ部の底にステムの軸端を同軸で突合わせ、この突
合わせ面をレーザビーム溶接または電子ビーム溶接によ
り溶着したことを特徴とする等速自在継手の外輪。 - 【請求項3】 ステムの軸端中心に、上記貫通穴と同軸
嵌合する突部を設けたことを特徴とする請求項2の等速
自在等速自在継手の外輪。
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0728234U true JPH0728234U (ja) | 1995-05-23 |
Family
ID=
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007113611A (ja) * | 2005-10-18 | 2007-05-10 | Nsk Ltd | ボールねじ装置 |
WO2012144297A1 (ja) * | 2011-04-22 | 2012-10-26 | アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 | 複合鋼部品及びその製造方法 |
JP2012229714A (ja) * | 2011-04-25 | 2012-11-22 | Ntn Corp | 等速自在継手用外側継手部材の製造方法および等速自在継手用外側継手部材 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007113611A (ja) * | 2005-10-18 | 2007-05-10 | Nsk Ltd | ボールねじ装置 |
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JP2012223815A (ja) * | 2011-04-22 | 2012-11-15 | Aisin Aw Co Ltd | 複合鋼部品及びその製造方法 |
US9034116B2 (en) | 2011-04-22 | 2015-05-19 | Aisin Aw Co., Ltd. | Composite steel part and manufacturing method for the same |
JP2012229714A (ja) * | 2011-04-25 | 2012-11-22 | Ntn Corp | 等速自在継手用外側継手部材の製造方法および等速自在継手用外側継手部材 |
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