JPH07282230A - 地図図面データの接合方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 異なるメッシュ単位で分割された複数の地図
図面を入力し、前記複数の図面の隣接メッシュ間を接合
して地図データベースを作成するにおいて、異なるメッ
シュで区切られた地図同志を接合してデータベース化す
るのを容易にする接合方法を提供する。 【構成】 接合対象となる一対の地図図面の国家座標を
比較して重複領域を求め（Ｓ１〜Ｓ３）、一方の図面Ｂ
の各図形要素データについて重複領域に完全に包含され
るデータを削除し（Ｓ４〜Ｓ７）、図面Ａの各図面要素
データについて図面Ｂとの接合面に接しているデータを
削除し（Ｓ８〜Ｓ１１）、削除した両図面のデータを統
合することにより接合した地図データを得る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、地図データベースにお
ける地図図面データの接合方法に関し、特に異なるメッ
シュ（格子状）に区切られた地図図面データの接合方法
に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、地図は、国家座標の原点を基準
として、図３に示すように、複数の図面にメッシュ（格
子状）分割される。これらメッシュ分割された複数の図
面から地図データベースを作成する場合には、図面自動
入力装置にメッシュ単位にこれらの図面を入力した後、
最終的には隣接メッシュを接合して１つの地図データベ
ースを作成する方法が採られる。

【０００３】図面自動入力装置による図面入力は、イメ
ージスキャナなどによって２値画像化し、これら入力さ
れた２値画像は、輪郭ベクトル化および芯線ベクトル化
の処理が施され、各ベクトル情報が得られる。

【０００４】これらのベクトル化は、より具体的には、
以下の手順で行われる。即ち、輪郭ベクトル化処理で
は、２値画像の白と黒の境界の画素を抽出して得られた
画素列をベクトル近似して輪郭ベクトルを抽出する。

【０００５】また芯線ベクトル化処理では、対になる輪
郭ベクトルの中心線に相当する部分にベクトルを生成し
て芯線ベクトルを得る。得られた芯線ベクトルには、そ
の生成の元になる輪郭ベクトルのグループ番号を例えば
その属性データとして記憶しておく。

【０００６】上記で得られた各ベクトル情報を構成する
ベクトル群は文字候補と図形候補と線分要素に分離さ
ら、それらの認識によって地図要素単位のデータ及びそ
れらの集合としてのメッシュ単位のデータを得る。

【０００７】このようなメッシュ単位のデータは、互い
に接合されるデータとして管理し、データベース化さ
れ、任意の地域の地図を読み出すにはメッシュ単位のデ
ータが互いに接合されて地図として復元される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】従来の地図データベー
スの作成において、同じメッシュで区切られた地域の部
分地図を互いに接合してデータベース化するのは容易で
あるが、異なるメッシュで区切ったメッシュデータ同志
を接合してデータベース化するには、両方の図面に重複
して存在する地域が発生し、データに重なりが生じてし
まう。

【０００９】特に、既存の地図を流用して大規模な地図
データベースを構築しようとする場合に多くのデータの
重なりが発生し、データベース化にはデータの重複が生
じ、データ読み出しに際して接合部分で混乱が生じる。

【００１０】本発明の目的は、異なるメッシュで区切ら
れた地図同志を接合してデータベース化するのを容易に
する接合方法を提供することにある。

【００１１】

【問題点を解決するための手段】本発明は、前記課題の
解決を図るため、異なるメッシュ単位で分割された複数
の地図図面を入力し、前記複数の図面の隣接メッシュ間
を接合して地図データベースを作成するにおいて、接合
対象となる一対の地図図面の国家座標を比較して重複領
域を求め、前記両図面の一方の図面Ｂの各図形要素デー
タについて前記重複領域に完全に包含されるデータを削
除し、他方の図面Ａの各図面要素データについて図面Ｂ
との接合面に接しているデータを削除し、前記削除した
両図面のデータを統合することにより接合した地図デー
タを得ることを特徴とする。

【００１２】

【作用】図面Ａ，Ｂに位置する図形要素のうち、両図面
で重複する領域に一部又は全部が包含される図形要素デ
ータについては一方の図面から削除し、他方の図面には
残して接合することにより、重複した図形データを無く
した接合を得る。これにより、異なるメッシュ単位で分
割された図面同志の接合に重複部分を無くす。

【００１３】

【実施例】図１は、本発明の一実施例になる地図の接合
手順を示すフローチャートである。

【００１４】地図データベースは、それぞれのメッシュ
位置を国家座標系で持つことから、その座標系を使用し
て接合対象となる２つの図面Ａ，Ｂの相対的な位置を検
出・比較する（ステップＳ１）。

【００１５】この比較で重なりがあるか否かを検出し
（ステップＳ２）、重なりがなければ図面Ａと図面Ｂの
データを統合して処理を終える（ステップＳ１２）。

【００１６】重なりがある場合、両図面Ａ，Ｂの座標か
ら重複領域を算出しておく（ステップＳ３）。

【００１７】次に、図面Ｂから図形要素のデータを取り
出し（ステップＳ４）、この取り出した図形要素が重複
領域に完全に包含されるか否かを判定する（ステップＳ
５）。完全に包含されていれば当該データを削除し（ス
テップＳ６）、包含されていなければデータ削除するこ
となく次のデータを取り出す。このとき、図形要素の一
部が重複領域に位置するときは包含されていないとして
当該データを残す。

【００１８】これら処理Ｓ５、Ｓ６を図面Ｂのすべての
データについて実行し、図面Ｂのデータの取りだしが全
て終了したとき（ステップＳ７）、図面Ａからデータを
取り出す（ステップＳ８）。

【００１９】この図面Ａから取り出すデータのうち、図
面Ｂとの接合面に接している図形要素データか否かを判
定し（ステップＳ９）、接合面に一部でも接している図
形要素データは削除し（ステップＳ１０）、接していな
いデータはそのまま接合データとして残す。これら処理
は図面Ａのデータの全てについて実行する（ステップＳ
１１）。

【００２０】図面Ａの各データについて接合面に接して
いる図形要素データの削除を終了したとき、図面Ａと図
面Ｂのデータを統合し、両図面Ａ，Ｂの接合（データ接
合）を終了する（ステップＳ１２）。

【００２１】本実施例に基づいた接合処理を図２を参照
して説明する。

【００２２】図２の（ａ）、（ｂ）に示すように、図面
Ａは線分要素Ａ０と図形要素Ａ１〜Ａ７等を含み、図面
Ｂは、線分要素Ｂ０と図形要素Ｂ１〜Ｂ７等を含み、両
図面Ａ，Ｂの接合に破線で示す重複領域があるとき、す
なわち要素Ａ０〜Ａ７と要素Ｂ０〜Ｂ７とは対応するも
のが同じ要素になり、要素Ａ０，Ａ１，Ａ２、Ａ６、Ａ
７が要素Ｂ０，Ｂ１，Ｂ２、Ｂ６、Ｂ７として一部重複
し、要素Ａ３〜Ａ５が要素Ｂ３〜Ｂ５として全部重複す
るときで説明する。

【００２３】ステップＳ３で求めた重複領域について、
図Ｂから取り出す各図形要素データ（ステップＳ４）が
重複領域に包含されるか否かを判定する（Ｓ５）。この
判定では領域に完全に含まれる要素Ｂ１〜Ｂ５が領域に
完全に含まれる。

【００２４】これら図形要素データＢ１〜Ｂ５は削除さ
れ（Ｓ６）、図面Ｂの全ての要素について処理が終了し
たとき（Ｓ７）では、図面Ｂのデータは図２の（ｄ）に
示すものに対応する。ここで、線分要素Ｂ０について
は、重複領域に包含される部分のデータが削除される。
また、このときの図面Ａのデータについては（ｃ）に示
すようにそのままである。

【００２５】次に、ステップＳ８により、図面Ａからの
データ取りだしを開始し、各図形要素データについて接
合面に接しているか否かを判定する（Ｓ９）。この判定
では図面Ｂとの接合面に一部が跨がる図形要素Ａ６，Ａ
７が該当し、当該データを削除する（Ｓ１０）。このと
き、線分要素Ａ０のデータは削除せずそのままに残す。

【００２６】図面Ａの各データについて接合面に接して
いる図形要素の削除を終えたとき（Ｓ１１）、図面Ａの
データは図２の（ｅ）に示すように、図形要素Ａ６とＡ
７が削除されたものになる。

【００２７】したがって、図２の（ｅ）のデータと図２
の（ｄ）又は（ｆ）で示すデータを統合すると（Ｓ１
２）、接合面に跨がる図形要素Ａ６（Ｂ６），Ａ７（Ｂ
７）は一方の図面Ｂに残し図面Ａからは削除し、重複領
域に完全に包含される図形要素は図面Ｂから削除し図面
Ａには残し、両図面を統合することにより互いに重複し
たデータを持つことなく、すなわち重複した部分を無く
して接合できる。

【００２８】なお、実施例において、重複領域の図形要
素の削除と接合面に接する要素の削除は対象図面を図面
Ａと図面Ｂで替えること、又は一方の図面について処理
することで同等の作用効果を得ることができる。

【００２９】

【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、異なる
メッシュ分割された図面同志を結合してデータベース化
するのに、接合対象となる一対の地図図面の国家座標を
比較して重複領域を求め、両図面に位置する図形要素の
うち、両図面で重複する領域に一部又は全部が包含され
る図形要素データについては一方の図面から削除し、他
方の図面には残して接合するようにしたため、異なるメ
ッシュで分割された地図図面を利用した地図データベー
スを作成するのに、重複した図形データを無くした接合
を得ることができ、しかも自動処理によって容易になさ
れる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すフローチャート。

【図２】実施例の処理態様図。

【図３】地図のメッシュ分割例。

【符号の説明】

Ａ、Ｂ…地図図面 Ａ１、Ａ７、Ｂ１、Ｂ７…図面要素

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 異なるメッシュ単位で分割された複数の
   地図図面を入力し、前記複数の図面の隣接メッシュ間を
   接合して地図データベースを作成するにおいて、 接合対象となる一対の地図図面の国家座標を比較して重
   複領域を求め、前記両図面の一方の図面Ｂの各図形要素
   データについて前記重複領域に完全に包含されるデータ
   を削除し、他方の図面Ａの各図面要素データについて図
   面Ｂとの接合面に接しているデータを削除し、前記削除
   した両図面のデータを統合することにより接合した地図
   データを得ることを特徴とする地図図面データの接合方
   法。