JPH07281727A - 熱交換器内部状態のシミュレーション方法 - Google Patents

熱交換器内部状態のシミュレーション方法

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JPH07281727A
JPH07281727A JP6700994A JP6700994A JPH07281727A JP H07281727 A JPH07281727 A JP H07281727A JP 6700994 A JP6700994 A JP 6700994A JP 6700994 A JP6700994 A JP 6700994A JP H07281727 A JPH07281727 A JP H07281727A
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JP
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fluid
heat transfer
temperature
heat exchanger
data
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JP6700994A
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English (en)
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Masanaga Minese
正祥 峯瀬
Naotaka Terashita
尚孝 寺下
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F27/00Control arrangements or safety devices specially adapted for heat-exchange or heat-transfer apparatus

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱交換器の定常初期プロセスデータの作成作
業を効率化する。 【構成】 熱交換器の出入口流体温度、流体流量、分割
した分割数について各分割部の伝熱量を求める処理(ス
テップ102)、求められた伝熱量から分割部の流体温
度を求める処理(ステップ103および104)を行
い、その求められた流体温度から各分割部の伝熱管温度
を求めることによって定常初期プロセスデータを得るこ
とができるようになった。これにより熱交換器の定常状
態量が短時間でかつ精度良く求めることができるように
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発電プラントの単相流
体を媒体とした向流熱交換器を対象とした設計評価や、
運転訓練のためのシミュレーションやシミュレータ開
発、熱交換器を対象とした運転監視を行う熱交換器内部
状態のシミュレーション方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、発電プラントを対象としたシミ
ュレーションは、図20に示すようなフローチャートで
表される。図20においてステップ1901でモデリン
グを行うが、モデリングとは実際のプラントをどのよう
なモデルで模擬するか、すなわちプラントの配管などの
構造をどのように分割してシミュレータ上で表現するか
を決定する作業である。次ぎにステップ1902に示す
初期データの作成を行う。初期データの作成作業とは、
モデリングでモデル化されたプラントの流体温度、流体
流量等の内部プロセス量をシミュレーション作業の初期
条件(定常初期プロセスデータ)として決定することで
ある。機器の操作や事故のシミュレーションを行う際に
は、安定したプラントの定常状態を模擬した状態から始
める。その理由は例えば、定常が模擬できていない状態
からある機器を操作した場合の流量の変化をシミュレー
ションする場合に、流量の変化が機器の操作を原因とす
るものなのか、あるいは単に定常状態が模擬できていな
いものなのかが判断し難いためである。従って初期値デ
ータ作成作業では、安定した定常状態を模擬するのに必
要な定常初期プロセスデータを作成する必要がある。
【0003】しかし、ステップ1903に示すように、
定常初期プロセスデータが安定な定常状態を模擬するよ
うに作成できないときには、ステップ1904において
モデル変更をする必要があるか否か判断し、変更の必要
があると判断されたときはステップ1901に戻り、モ
デリングをやり直す。ステップ1903で安定した定常
初期プロセスデータが作成できたと判断されれば、ステ
ップ1905に示すシミュレーションを行う。シミュレ
ーションは対象とするプラントの機器内部に適応される
物理式を解くようなプログラムを使用している。シミュ
レーションの結果をステップ1906で判断し、物理的
に説明できないような結果があれば、その原因はモデリ
ングが不正確であったか、定常初期プロセスデータが正
しくなかったためであるから、それをステップ1907
で判断して、モデリングが原因であるならステップ19
01に戻りモデリングをやり直す。モデリングが原因で
ないならステップ1902に戻り初期設定データの再作
成を行う。従って、シミュレーション結果が満足のいく
ようなものではなかった場合には定常初期プロセスデー
タを変更したり、あるいはモデリングを変更することも
あり、シミュレーションには多大な労力が必要である。
これは単にシミュレーションを行う場合に当てはまるだ
けでなく、運転訓練シミュレータなどの製作を行う場合
にも同様なことが言える。
【0004】さて、単相流体を媒体とした発電プラント
等に設置される向流熱交換器の模擬方法としては、図2
1に示すように流体の流れ部と、伝熱管を一次元方向に
分割したモデル化がある。このようなモデルにおいて
は、従来では模擬を行う際に定常状態のプロセスデー
タ、例えば流体温度W、伝熱管温度T、伝熱量Qを定常
初期プロセスデータとして全ての分割部、すなわち図2
1の四角形で表した部分および矢印の部分に入力する必
要があった。しかし、様々な物理的挙動を示す発電プラ
ントの模擬では、定常初期プロセスデータとして定常状
態に完全にバランスした値を手計算で求めることは従来
では不可能であった。そこで、定常状態にバランスした
定常初期プロセスデータを求めるために、従来では次の
ような二つの方法があった。一つはタイムマーチング法
と呼ばれ、入力したデータを基に非定常計算を行い、収
束した値をバランスした定常初期プロセスデータとする
ものであった。もう一つの方法は、熱交換器内部で成立
する物理式の時間微分項をゼロとおいた定常方程式の解
を求めるプログラムを用意し、直接、定常解を求める方
法である。また、モデリングにおいては熱交換器の定常
状態を模擬するための分割数は、プラントの負荷条件に
よって変わり、また分割数が大きいほどシミュレーショ
ン時間が多くなる。従って、従来ではシミュレーション
の目的に応じて最適な分割数を試行錯誤的に求めてい
る。更に、熱交換器の伝熱管の汚れは、熱交換器の伝熱
を低下させ、発電効率の低下をもたらすため、プラント
の熱効率管理にとって重要なファクターである。従来で
は、伝熱管の汚れ具合の計測はプラントの停止時に直
接、汚れ物質の量を計り、汚れの程度を表す汚れ計数を
求める方法で行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】定常初期プロセスデー
タ作成作業では、前述の二つの方法のどちらにおいても
すべての分割部に該当するプロセスデータを入力しなけ
ればならない。この際に分割数が多いほど入力データの
入力点数が多くなり、手間がかかることが問題であっ
た。特にタイムマーチング法では、入力したデータによ
っては収束にいたるまでの非定常計算にかかる時間が多
くなることが問題であった。また、分割数の決定では、
定常初期プロセスデータの作成の可、不可により、試行
錯誤的に分割数を求めており、定常初期プロセスデータ
の作成とともに、シミュレーションを行う前の準備段階
で多くの労力を割いていた。そして、熱交換器の効率
は、発電プラントの熱効率に直結する重要なファクター
である。熱交換器の効率は伝熱管の汚れ具合(汚れ係
数)に左右される。従来は汚れ計数を測定するにはプラ
ントの停止時に熱交換器の伝熱管の汚れ物質の量を直接
計測して求めていた。すなわち、プラント運転中に伝熱
管の汚れ計数を定量的に測定する方法はなかった。従っ
て汚れ計数の値をプラントの運転方針等に適用し、発電
プラントの熱効率の向上を図る等の運転支援を行うこと
はできなかった。
【0006】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、熱交換器のシミュレーションを
行う際のモデリング作業、定常初期プロセスデータの作
成作業等のシミュレーション前の準備作業を効率化し、
シミュレーションでの設計評価や、シミュレーションで
の運転訓練の効率化、シミュレータの生産性の向上を図
ることを目的とする。また、プラント運転の熱効率管理
の観点から、運転の支援を行うことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、各分
割部の伝熱量を求める処理と、各分割部の流体温度を求
める処理と、各分割部の伝熱管温度を求める処理とを備
え、定常初期プロセスを決定するようにしたものであ
る。請求項2の発明は、流量に対するパラメータと温度
に対するパラメータの比を求めその比の値を越える最小
の自然数を求める最小分割数決定処理を行うことによっ
て最小分割数を決定するようにしたものである。請求項
3の発明は熱伝達率理論値と熱伝達率実測値とから伝熱
管の汚れ係数を求めるようにしたものである。
【0008】
【作用】請求項1の発明は、出入口部に対応する各分割
部の流体温度と流体流量と分割数をパラメータとして内
部状態量が求められ、各分割部の伝熱量、流体温度、伝
熱管温度の定常初期プロセスデータが決定する。請求項
2の発明は、温度と比エンタルピとの線形近似式の傾
き、流量、出入口温度から最小分割数決定処理が実行さ
れ、最小分割数が決定する。請求項3の発明は、各分割
部の伝熱量および流体温度から熱伝達率の実測値を求
め、それと理論値から伝熱管の汚れ係数が求められる。
【0009】
【実施例】実施例1 図1は図2に示す熱交換器モデルにおける本発明の一実
施例を示す図である。まず、図1中に示される式につい
て説明する。図2に示すような、N分割した熱交換器に
おいて、以下の仮定のもとに定常状態における各ノード
および伝熱管の温度、ノード間の伝熱量を求める式を導
出する。このとき、熱伝達率は高温および低温側の全ノ
ードでそれぞれ均一値をとるものとする。また、温度・
エンタルピの関係を次の線形式で表す。
【数1】
【0010】後述する結果をみてもわかるとおり、これ
らの仮定による初期定常状態への影響は少ない。図2に
示すn番目のノードと伝熱管の間の伝熱量Qpn、Qsnは
以下の式で表される(n=1,2,・・・・,N)
【数2】 以降、H1,H2 を総合熱伝達率と称する。ここでは定常
状態を考えているのでQpnとQsnは等しく、以降、Qn
で表すことにする。従って(1.1)式(1.2)式よ
り、伝熱管温度Ttnは次式で表される。
【0011】
【数3】 次に、(1.3)式を(1.1)式に代入して次の式を
得る。
【数4】 以降、Hを合成熱伝達率と称する。合成伝熱効率H1、
H2はそれぞれ(1.1)式(1.2)式から次のよう
に求められる。
【数5】
【0012】また、n番目のノードとその上流側のノー
ドについて以下の2つの式が成立する。
【数6】 (1.8)式について、i=nからi=Nまでの総和を
求めると次のようになる。
【数7】 同様に、(1.9)式について、i=1からi=Nまで
の総和を求めると次のようになる。
【数8】
【0013】(1.4)式に(1.10)式および
(1.11)を代入すると次のようになる。
【数9】 これを整理すると次のようになる。
【数10】 n+1番目のノードについての(1.12)式は次のよ
うになる。
【数11】 (1.12)式と(1.13)式より、流れに沿って隣
接するノード間の伝熱量の間に次の漸化式が得られる。
【数12】 ただし、n=1,2,・・・・,N−1である。ここで
次の定義をする。
【数13】 Qn は等比数列であるから、次の式が成り立つ。
【数14】
【0014】i=1からi=NまでのQi の総和SN を
考慮すると等比数列の和の公式より総和は次のようにな
る。
【数15】 SN はIHXの総伝熱量に他ならないから、高温側冷却
材出入口温度を使って次の式で表される。
【数16】 (1.16)式、(1.17)式、(1.18)式から
伝熱量Qn の式が次のように得られる。
【数17】 また、(1.18)式において、低温側の冷却材出入口
温度を用いて総伝熱量を表すことが可能である。このと
き、(1.19)式は以下のようになる。
【数18】
【0015】次に、(1.12)式の左辺第1項、第2
項に(1.19)式を代入し、第3項に(1.20)式
を代入して整理すれば次の式が求められる。
【数19】 よって、その式から(1.16)式の等比数列の公比A
は次のようになる。
【数20】 次に、各ノードにおける流体温度を求める式について検
討する。(1.16)式に(1.8)式、(1.15)
式を代入して次の式を得る。
【数21】 従って高温側流体温度Tp,n は次の式で表される。
【数22】 低温側でも同様して次の式を得る。
【数23】
【0016】ここで、フローチャートについて図1およ
び図2を用いて説明する。まずステップ101におい
て、(1.22)式を用いて等比数列の公比Aを算出す
る。これは、図2に示す高温側出口温度Tp,out 、高温
側入口温度Tp,in、低温側出口温度Ts,out 、低温側入
口温度Ts,in、分割数Nの入力値により求められる。次
に、ステップ102にいおいて、(1.19)式を用い
て図2に示すn番目の高温側分割部と伝熱管の間、およ
び伝熱管と低温側分割部との間の伝熱量Qnを求める。
定常状態を考えているので、両者の伝熱量の値は同じで
ある。ここで流量W1は入力値であり、a1 は高温流体
における温度と比エンタルピとの線形近似式の傾きであ
る。この値を求める方法は次のようなものがあげられ
る。
【0017】まず、流体の物性値が記述される文献等を
用いて、入口温度に対応する比エンタルピを求め、この
両者の値を仮定の式に代入する。次に、出口温度に対応
する比エンタルピを同様に求め、仮定の式に代入する。
これにより、温度と比エンタルピを代入した2つの連立
方程式が得られ、この方程式の解であるaが、温度と比
エンタルピとの線形近似式の傾きになる。熱交換器内部
では、数十気圧にもおよぶ圧力低下は生じないので、熱
交換器内部の局所的な圧力差による線形式の傾きの不均
一性については無視できる。この明細書内の他の箇所で
記載される線形式の傾きを求める方法は、以上で説明し
た方法を求めればよい。
【0018】また、このステップで伝熱量Qn を求める
ために(1.19)式を用いたが、(1.20)式を用
いても同じ結果が得られる。さらに、ステップ103に
おいて、(1.24)式を用いて図2に示すn番目の高
温分割部の流体温度Tp,n を求める。次に、ステップ1
04において、(1.25)式を用いて図2に示すn番
目の低温側分割部の流体温度Ts,n を求める。そしてス
テップ105において、(1.6)式を用いて高温側流
体部と伝熱管の間の総合熱伝達率H1 を求める。次にス
テップ106において、(1.7)式を用いて低温側流
体部と伝熱管の間の総合熱伝達率H2 を求める。最後に
ステップ107において、(1.3)式を用いて図2に
示す第n番目の伝熱管温度Tt,n を求める。
【0019】以上のステップを実行することにより、熱
交換器内部のすべての分割部の伝熱量、高温側分割部の
流体温度、低温側分割部の流体温度、伝熱管温度が求め
られる。当然のことながら、以上のステップの実行順は
前述の通りに縛られるものではない。以下の2つの制限
を満たせば、どのような実行順をとっても同様な効果が
得られる。 (a)ステップ101はステップ102から104の各
ステップより前で実行する。 (b)ステップ107はステップ103から106の各
ステップより後で実行する。 また、以上の説明ではn番目の物理量を求める際に同じ
ステップ内ですべての分割部の当該物理量を求めている
が、図3に示すように、第n番目の分割部に対して各ス
テップを実行して各物理量を求め、すべての分割部の各
物理量を計算するようにしても、同様の効果が得られ
る。さらに、n番目の分割部の当該物理量を求める際
に、上の説明では昇順に求めているが、(1.24)式
と(1.25)式を変形すれば、降順に求めても同様の
効果が得られる。また、図2で分割部の番号を低温側の
入口部から流量方向に昇順に求めているが、降順に求め
ても、前述の説明と同様に導出された式で同じ効果が得
られることは言うまでもない。
【0020】次に、以上に説明した方法で求められた初
期データの精度評価を行う。評価の方法は求められた初
期データと、過渡解析プログラムによって計算された定
常収束解とを比較することによって行う。計算の対象
は、代表的な高速増殖炉の中間熱交換器を例題とする。
このプラントの中間熱交換器は高温側流体、低温側流体
ともに液体ナトリウムである。プラント出力運転状態の
うち、出力100%、65%、40%の各定常状態の初
期データを前述の方法で求めた。また、求められた初期
データをもとに、非定常計算を行って得られた定常収束
解を求めた。分割数は100%定常状態で4個、65%
定常状態で5個、40%で7個に分割している。これは
実施例2で説明するが、定常状態を模擬可能な最小分割
数は模擬条件によって異なるためである。図4から図6
までに各負荷状態の初期データと収束解を示す。それぞ
れの表のうち、上段は熱交換器内部の状態量、下段は実
プラントにおいて熱交換器の監視パラメータとされてい
る状態量である。すべての負荷において初期データは収
束解と比較して0.1%以下の偏差に収まっており、本
実施例で説明した方法で収束解に近似した初期データが
求められている。
【0021】実施例2 さらに他の実施例について説明する。本実施例は熱交換
器のある運転状態を模擬する事が可能な最小の分割数を
求める方法である。まず最小の分割数を求める式を導出
する。図7は実施例1で検証の例題としたプラントの熱
交換器の定常状態を1個の分割数で模擬した場合の温度
分布を表したものである。伝熱量は液体分割部の流量方
向の温度変化に寄与する。すなわち、図7に示すよう
に、1分割の場合には伝熱に関する分割部の温度は出口
流体温度に等しくなる。この場合、高温側流体温度が低
温側流体温度より低くなり、温度勾配に逆らって伝熱が
行われると言う物理的に矛盾した模擬状態が生じること
になる。このような模擬状態では(1.4)式により、
総合熱伝達率Hが負の値になることになる。従って、
(1.4)式から考えて、物理的に矛盾のない模擬状態
を達成するにはH>0という条件が必要十分になる。合
成熱伝達率Hは公比Aを用いて(1.15)式より次の
式で表される。
【数24】 (2.1)式に(1.21)式を代入してH>0の条件
でNについて求めると分子の符号によらず次の式で表さ
れる。
【数25】
【0022】図8に(2.2)式を用いて最小分割数を
求めるフローチャートを示す。図8を用いて本実施例の
説明を行う。まず、ステップ701で高温側流体におけ
るエンタルピと温度の線形式の傾きa1 を求める。次
に、ステップ702で低温側流体におけるエンタルピと
温度の線形式の傾きa2 を求める。そしてステップ70
3において、ステップ702で求めた線形式の傾きa2
と低温側流体流量W2 との積と、ステップ701で求め
た線形式の傾きa1 と、高温側流体流量W1 の積との比
を求める。
【0023】次にステップ704において、ステップ7
03で求めた比の対数を求め、ステップ705におい
て、高温側入口温度Tp,inと低温側出口温度Ts,out の
差と、高温側出口温度Tp,out と低温側入口温度Ts,in
の差との比を求める。そしてステップ706において、
ステップ705で求めた比の対数を求める。ステップ7
04と当ステップで求めている対数は、同一の底を使用
する限り、一般に使用される自然対する、常用対数のど
ちらを使ってもよいし、また底の条件(1でない正数)
を満たし、同一の底を使用すれば、どのような底を使っ
てもよい。次に、ステップ707において、ステップ7
04で求めた対数とステップ706で求めた対数の比を
求め、ステップ708において、ステップ707で求め
た比を越える最小の整数Nを求める。このNが最小分割
数である。ここで、ステップ701とステップ702の
実行順はどちらが先に実行されてもよい、またステップ
701からステップ704までの一連のステップと、ス
テップ705からステップ706までの一連のステップ
の実行順はどちらが先でもよい。
【0024】実施例3 図9は他の実施例を示すフローチャートであり、まず図
9中に記載される式の導出を行う。一般に熱伝達率は次
の式で表される。
【数26】 従って、汚れ係数αは(3.2)式より次のように表さ
れる。
【数27】 また、熱伝達率hn,L は実施例1で説明したように求め
られる各分割部の伝熱量Qn 、高温側流体温度Tp,n 低
温側流体温度Ts,n 、および伝熱管温度Tt,nと構造デ
ータである伝熱面積Ap,n あるいはAs,n によって、次
のように表される。
【数28】
【0025】次に図9の説明を行う。まず、ステップ8
01において、実施例1の図3のステップ群により、各
分割部の伝熱量Qn 、高温側流体温度Tp,n 、低温側流
体流量Ts,n 、伝熱管温度Tt,n を求める。次に、ステ
ップ802において、高温側流体流量W1 から実験式で
ある(3.2)式を用いて高温側流体と伝熱管の熱伝達
率の理論値ho,p を求める。
【0026】同様にステップ803において、低温側流
体流量W2 から実験式である(3.2)式を用いて低温
側流体と伝熱管の熱伝導率ho,s を求める。更に、ステ
ップ804において、ステップ801で求めた物理量を
もとに、(3.4)式を用いて高温側流体と伝熱管の熱
伝達率hn,p を求める。同様に、ステップ805におい
て、ステップ801で求めた物理量をもとに、(3.
5)式を用いて低温側流体と伝熱管の熱伝達率hn,s を
求める。次に、ステップ806において、ステップ80
2で求めたho,p とステップ804で求めたhn,p か
ら、(3.3)式を用いて伝熱管の高温流体側の汚れ係
数αn,p を求める。同様にして、ステップ807におい
て、ステップ803で求めたho,s とステップ805で
求めたhn,s から(3.3)式を用いて伝熱管の低温流
体側の汚れ係数αn,s を求める。ステップ804からス
テップ807までは各ステップにおいて該当求値を各分
割部ごとに行う。たとえばステップ804では熱伝達率
hn,p を(n=1,2,・・・・,N)までの各分割部
に対して求める。
【0027】以上のステップの実行順は前述の通りに縛
られるものではない。次の制限を満たせばどのような実
行順をとっても同様の効果が得られる。 (a)ステップ804はステップ801の後で実行す
る。 (b)ステップ805はステップ801の後で実行す
る。 (c)ステップ806はステップ802とステップ80
4の後ろで実行する。 (d)ステップ807はステップ803とステップ80
5の後ろで実行する。 また、この説明ではステップ804からステップ807
までの各ステップでN個の該当物理量を求めているが、
図10に示すようにn番目の分割部に対して各ステップ
を実行して該当求値を行い、すべての求値を行うように
しても同様の効果が得られる。更に、図9、図10にお
いて、求値を昇順で行っているが、降順に行っても同様
の効果が得られる。
【0028】実施例4 図11は他の実施例を表す図である。1001は本実施
例における向流熱交換器のシミュレーション装置であ
る。1002はプロセスデータから非定常シミュレーシ
ョン部の初期データを生成する初期データ作成部、10
03はプロセスデータから熱交換器の非定常シミュレー
ション可能な最小規模模擬分割数を決定する最小分割部
決定部、1004はプラントの構造データや、初期定常
プロセスデータを用いて熱交換器内部の状態を解析する
非定常シミュレーション部、1005はプロセスデー
タ、構造データを入力する入力インターフェース部、1
006は初期データ、最小分割部データ、シミュレーシ
ョンデータを表示するデータ表示部である。
【0029】図12は本実施例におけるシミュレーショ
ン装置の動作を表すフローチャートであるり、本実施例
の電気接続は図19のようになっている。図11および
図12によって本実施例の動作を説明する。ステップ1
101において、入力機器5を用いて入力インターフェ
ース1005に構造データの入力が行われる。構造デー
タは流体の種類、熱交換器の伝熱管長、伝熱面積等の模
擬対象の構造を定義するデータである。次にステップ1
102において、入力機器5から入力インターフェース
1005にプロセスデータ入力先の切換信号が入力され
る。
【0030】この信号は熱交換器出入口温度、流体流量
のプラントの動作状態を定義するプロセスデータを入力
機器5を通してユーザに入力させるか、あるいはプラン
トセンサ出力から入力するかを切り換えるものである。
入力機器5を介してユーザに入力される場合は、ステッ
プ1003においてプロセスデータがユーザにより入力
機器5を通じて入力インターフェース部1005に入力
される。プラントセンサ出力から入力する場合はステッ
プ1004でプロセスデータが入力インターフェース部
1005にプラントセンサから入力される。ステップ1
005において。最小分割数決定部1003は入力イン
ターフェース1005に入力された構造データおよびプ
ロセスデータを用いてこの模擬条件を模擬可能な最小の
分割数を演算する。最小分割数は非定常シミュレーショ
ン部1005でシミュレーションされる熱交換器モデル
の分割数として使用される。
【0031】ステップ1106で初期データ作成部10
02は、入力データである構造データおよび、プロセス
データを用いて、非定常シミュレーション部1004が
必要とする熱交換機内部の初期定常プロセスデータを作
成する。非定常シミュレーション部1004で演算され
る熱交換器モデルの分割数は、最小分割数決定部100
3で演算された最小分割数データである。従ってその分
割数でモデリングされた熱交換器モデルの初期定常プロ
セスデータを作成するために、初期データ作成部は最小
分割数データを使用する。ステップ1107において、
非定常シミュレーション部1004は最小分割データを
分割数とした熱交換器の分割モデルと構造データを用
い、またモデルの初期データとして初期データ作成部で
作成された初期定常プロセスデータを用い、熱交換器の
非定常シミュレーションを行う。
【0032】ステップ1108でデータ表示部1006
は最小分割数データ、初期定常プロセスデータ、シミュ
レーションデータをCRT6上に表示する。図13は入
力インターフェース部1005の構成を示す図である。
1201は構造データの獲得を行うとともに、プロセス
データを入力機器5とプラントセンサのいずれからから
獲得するかを切り換え信号によって切り換えてプロセス
データを獲得する入力切換部、1202は入力切換部1
201で獲得された構造データ、プロセスデータを入力
インターフェースメモリ10上に書き込むデータ出力部
である。図13と図19の電気接続図を用いて入力イン
ターフェイス部1005の動作を説明する。入力切換部
1201において、CPU1により入力機器5を通じて
構造データが獲得され、データ出力部1202において
メモリ2上の入力インターフェイスメモリ10に構造デ
ータが書き込まれる。次にCPU1は入力機器5からプ
ロセスデータの入力切換信号を獲得し、信号がユーザの
プロセスデータ入力の場合は入力機器5からプロセスデ
ータを獲得し、プラントセンサからのプロセスデータ入
力の場合はプラントセンサからプロセスデータを獲得
し、データ出力部1202において、メモリ2上の入力
インターフェイスメモリ10にプロセスデータが書き込
まれる。
【0033】図14は最小分割数決定部1003の構造
図である。1301は入力インターフェイスメモリ10
上のプロセスデータを獲得するデータ獲得部である。1
302は構造データ、プロセスデータから最小分割数を
求める最小分割数計算部である。1303は温度と比エ
ンタルピの線形式の傾きを求めるための流体物質の温
度、比エンタルピのデータである。1304は計算され
た最小分割数を最小分割数データメモリ11上に書き込
むデータ出力部である。図14と図19を用いて最小分
割数決定部1003の動作について説明する。メモリ2
上の入力インターフェイスメモリ10上に置かれた構造
データ、プロセスデータがデータ獲得部1301でCP
U1により獲得される。次に最小分割数計算部1302
で獲得された構造データのうち、流体の種類とプロセス
データを用いて、CPU1は図8記載のステップ群を実
行する。
【0034】この際に、実施例1に記載の温度と比エン
タルピの線形式の傾きを求める必要がある。補助記憶装
置3上に格納されている物質別T−Eデータ1303に
は流体の種類ごとに温度に対する比エンタルピの値が記
述されており、最小分割計算部1303には流体の種類
ごとに温度に対する比エンタルピの値が記述されてお
り、最小分割計算部1302で実行されるステップでC
PU1が該当値を読み込み、線形式の傾きを計算する。
最小分割数計算部1302で計算された最小分割数は、
データ出力部1304でCPU1によりメモリ2上の最
小分割数データメモリ上に書き込まれる。
【0035】次に初期データ作成部の動作について説明
する。図15は初期データ作成部の構成図である。14
01は入力インターフェースメモリ10上の構造データ
およびプロセスデータならびに最小分割数データメモリ
11上の最小分割数データを獲得するデータ獲得部であ
る。1402は構造データプロセスデータおよび最小分
割数データから初期定常プロセスデータを求める初期デ
ータ計算部である。1303は温度と比エンタルピの線
形式の傾きを求めるための流体物質別の温度、比エンタ
ルピのデータである。1404は計算された分割数を最
小分割数データメモリ11上に書き込むデータ出力部で
ある。図15と図19を用いて初期データ作成部の動作
について説明する。メモリ2上の入力インターフェース
メモリ10上に置かれた構造データおよびプロセスデー
タがデータ獲得部1401でCPU1により獲得され
る。次に、最小分割数計算部1302で獲得された構造
データのうち、流体の種類と、プロセスデータを用いて
CPU1は図1または図3記載のステップ群を実行す
る。
【0036】この際にも、実施例1に記載の温度と比エ
ンタルピの線形式の傾きを求める必要がある。最小分割
数決定部の動作説明と同様に、補助記憶装置3上に格納
されている物質T−Eデータ1303を用いて初期デー
タ計算部1403で実行されるステップでCPU1が該
当値を読み込み、線形式の傾きを計算する。最小分割数
計算部1402で計算された最小分割数は、データ出力
部1404でCPU1によりメモリ2上の初期データメ
モリ12上に書き込まれる。
【0037】これまでの説明では、各データの転送メモ
リを使用して行っているが、データを転送することが可
能な他の手段、例えばディスク、通信等を用いても同様
の効果を奏する。本実施例では最小分割数決定部、初期
データ作成部、非定常シミュレーション部、入力インタ
ーフェース部、データ表示部を組み合わせてシミュレー
ション装置にしているが、以下のような実施例も可能で
ある。
【0038】最小分割数決定部と非定常シミュレーショ
ン部を省略し、入力インターフェース部に入力されたプ
ロセスデータを用いて初期データ作成部が作成した初期
定常プロセスデータをデータ表示部がデータ出力する初
期定常プロセスデータ作成装置。この場合、分割数は構
造データとして適当な値をユーザに入力させることにな
る。初期データ作成部と非定常シミュレーション部を省
略し、入力インターフェース部に入力されたプロセスデ
ータを用い、最小分割数決定部が作成した最小分割数デ
ータをデータ表示部がデータ出力する熱交換器模擬の最
小分割数決定装置。最小分割数決定部を省略し、入力イ
ンターフェース部に入力されたプロセスデータを用いて
初期データ作成部が作成した初期定常プロセスデータ
と、入力インターフェース部に入力された構造データを
もとに、非定常シミュレーション部が熱交換器内部のシ
ミュレーションを行う熱交換器シミュレーション装置。
この場合も、分割数は構造データとして適当な値をユー
ザに入力させることになる。
【0039】初期値作成部を省略し、入力インターフェ
ース部に入力されたインターフェース部に入力されたプ
ロセスデータを用いて最小分割数決定部が作成した最小
分割数データと、入力インターフェース部に入力された
構造データおよびプロセスデータをもとに非定常シミュ
レーション部が熱交換器内部のシミュレーションを行う
熱交換器シミュレーション装置。当然のことであるが、
これまで説明した4つの装置では、入力インターフェー
ス部に入力されるプロセスデータは、プラントセンサデ
ータを用いることもできる。
【0040】実施例5 図16は他の実施例を示す図である。1501は端本実
施例における汚れ係数計測装置である。1502はプラ
ントの構造データ、初期定常プロセスデータを用いて熱
交換機内の伝熱管の汚れ係数を測定する汚れ係数測定
部、1503は汚れ係数データを表示するデータ表示部
である。図17は本実施例における汚れ係数計測装置の
動作を表すフローチャートである。更に、図19は本実
施例の電気接続を表す図である。図16および図17を
もとに本実施例の動作を説明する。ステップ1601に
おいて、入力機器5を用いて入力インターフェース部1
005に構造データの入力が行われる。構造データは流
体の種類、熱交換器の伝熱管長、伝熱面積等の模擬対象
の構造を定義するデータである。次にステップ1602
において、入力機器5から入力インターフェース部10
05に、プロセスデータの入力先の切換信号が入力され
る。
【0041】この信号は、熱交換器出入口温度、流体流
量のプラント動作状態を定義するプロセスデータを入力
機器5を通してユーザに入力させるか、あるいはプラン
トセンサ出力から入力するかを切り換えるものである。
ユーザに入力を行わせるときはステップ1603におい
て、プロセスデータがユーザにより入力機器5を通じて
入力インターフェース部1005に入力され、ステップ
1605において、最小分割数決定部1003は入力イ
ンターフェース部1005に入力された構造データおよ
びプロセスデータを用いてこの模擬条件を模擬可能な最
小の分割数を演算する。最小分割数は汚れ係数計測部1
502で汚れ係数の計測を行う熱交換器モデルの分割数
として使用される。ステップ1606で初期データ作成
部1002は入力データである構造データおよびプロセ
スデータを用いて、汚れ係数計測部1502が必要とす
る熱交換機内部の初期定常プロセスデータを作成する。
非定常シミュレータ部で演算される熱交換器モデルの分
割数は、最小分割数決定部1003で演算された最小分
割数データである。
【0042】従って、その分割数でモデリングされた熱
交換器モデルの初期定常プロセスデータを作成するため
に、初期データ作成部1002は最小分割数データを使
用する。ステップ1607において、汚れ係数計測部1
502は最小分割数データを分割数とした熱交換器の分
割モデルと構造データを用い、また熱交換機内のプロセ
ス状態量として初期データ作成部で作成された初期定常
プロセスデータを用い、熱交換器伝熱管の汚れ係数計測
を行う。ステップ1608でデータ表示部1503は汚
れ係数データをCRT上に表示する。ここで、入力イン
ターフェース部、最小分割数決定部、初期データ作成部
派実施例4で説明したように動作する。なお、プロセス
データの入力先をプラントセンサからとしたときはステ
ップ1603に代わって、ステップ1604のプラント
センサデータ獲得の処理が行われる。
【0043】図18は汚れ係数計測部1502の構成図
である。ステップ1701は最小分割数データと初期定
常プロセスデータを獲得するデータ獲得部である。17
02は最小分割数データと初期定常プロセスデータよ
り、汚れ係数を計算する汚れ係数計算部である。170
3は流体の種類と流体流量から理論値の熱伝達率を求め
るための熱伝達率実験式データである。1704は汚れ
係数データを汚れ係数データメモリに書き出すデータ出
力部である。図18と図19を用いて汚れ係数計測部1
502の動作を説明する。まず、メモリ2上の入力イン
ターフェースメモリ10上に置かれた構造データおよび
プロセスデータがデータ獲得部1701でCPU1によ
り獲得される。次に汚れ係数計算1702で獲得された
構造データのうち流体の種類と、プロセスデータを用い
てCPU1は図8または図9記載のステップ群を実行す
る。この際にも、実施例3の理論値の熱伝達率を計算す
る必要がある。
【0044】補助記憶装置3上の熱伝達率実験式データ
1703には流体の種類と流体流量より理論値の熱伝達
率を求める実験式が格納されており、CPU1は構造デ
ータのうちの流体の種類を表すデータに応じて該当する
実験式をメモリ2上に読み込み、流体流量をもとに理論
値の熱伝達率を計算する。汚れ係数計算部1702で計
算された汚れ係数データはデータ出力部1704でCP
U1によりメモリ2上の汚れ係数データメモリ13上に
書き込まれる。以上説明では、各データの転送メモリを
使用して行っているが、データを転送することが可能な
他の手段、例えばディスク、通信等を用いても同様の効
果を奏する。本実施例では最小分割数決定部、初期デー
タ作成部、汚れ係数計測部、データ表示部を組み合わせ
て汚れ係数計測装置にしているが、以下のような実施例
も可能である。
【0045】最小分割数決定部を省略し、入力インター
フェース部に入力されたプロセスデータを作成し、構造
データと初期定常プロセスデータから汚れ係数を計測す
る汚れ係数計測装置。この場合、分割数は構造データと
して適当な値をユーザに入力させることになる。当然の
ことであるが、この装置では入力インターフェース部に
入力されるプロセスデータはプラントセンサデータを用
いることもできる。
【0046】
【発明の効果】請求項1の発明は、出入口部に対応する
各分割部の緒元から内部状態量が求められ、それから定
常初期プロセスデータが決定するので、従来のように非
定常計算を行う必要がなくなり、その計算結果が収束す
るまで待つ必要がなくなり、短い時間で定常初期プロセ
スデータが得られると言う効果を有する。請求項2の発
明は、熱交換器の出入口温度、流体流量から最小分割数
が求められるので、模擬状態に応じた熱交換器の最小分
割数を一意に決定できるという効果を有する。請求項3
の発明は、熱伝達率理論値と熱伝達率実測値とから伝熱
管の汚れ係数を求めるようにしたので、運転中に伝熱管
の汚れ量を知ることができ、それをプラントの運転方針
に適用することによって、熱効率の向上を図ることがで
きるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の定常プロセスデータの作成手順を表
すフローチャートである。
【図2】実施例1の定常プロセスデータを作成する熱交
換器の分割状態を示すための図である。
【図3】図2の変形手順を表すフローチャートである。
【図4】代表的な高速増殖炉における熱交換器の100
%定常状態データを実施例1の手順で作成した際の精度
を表した図である。
【図5】代表的な高速増殖炉における熱交換器の65%
定常状態データを実施例1の手順で作成した際の精度を
表した図である。
【図6】代表的な高速増殖炉における熱交換器の40%
定常状態データを実施例1の手順で作成した際の精度を
表した図である。
【図7】熱交換器の定常状態を1個の分割数で模擬した
場合の温度分布の状態を示す図である。
【図8】実施例2の最小分割数を求める手順を表すフロ
ーチャートである。
【図9】実施例3の汚れ係数を求める手順を表すフロー
チャートである。
【図10】図9の手順の変形を表すフローチャートであ
る。
【図11】実施例4のシミュレーション装置の全体構成
を示す図である。
【図12】実施例4のシミュレーション装置の動作を表
すフローチャートである。
【図13】実施例4の入力インターフェイス部の構成を
示す図である。
【図14】実施例4の最小分割数決定部の構成を示すブ
ロック図である。
【図15】実施例4の初期データ作成部の構成を示すブ
ロック図である。
【図16】実施例5の汚れ係数計測装置の全体構成を示
すブロック図である。
【図17】実施例5の汚れ係数計測装置の動作を表すフ
ローチャートである。
【図18】実施例5の汚れ係数計測部の構成を示すブロ
ック図である。
【図19】実施例4および実施例5の構成を示すブロッ
ク図である。
【図20】シミュレーションの手順を表すフローチャー
トである。
【図21】従来例の熱交換器の初期データを表すフロー
チャートである。
【符号の説明】
1 CPU 2 メモリ 3 補助記憶装置 4 入出力回路 5 入力機器 6 表示機器 10 入力インターフェイスメモリ 11 最小分割数データメモリ 12 初期データメモリ 13 汚れ係数データメモリ 1002 初期データ作成部 1003 最小分割数決定部 1004 非定常シミュレーション部 1005 入力インターフェイス部 1006 データ表示部 1502 汚れ係数計測部 1503 データ表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01M 19/00 Z G05B 13/04 7531−3H 17/02 7531−3H G05D 23/00 A 23/19 A J G09B 9/00 B G21C 15/02 R 17/003 // G06F 17/00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の流れ部と伝熱管を複数に分割する
    ことにより熱交換器をモデリングし、そのモデリングし
    た装置の内部状態をシミュレーションする熱交換器内部
    状態のシミュレーション方法において、 前記熱交換器の出入口流体温度、流体流量、前記分割し
    た分割数に基づいて各分割部の伝熱量を求める処理と、 前記熱交換器の出入口流体温度、流体流量、前記分割し
    た分割数と伝熱量に基づいて各分割部の流体温度を求め
    る処理と、 前記伝熱量と流体温度から各分割部の伝熱管温度を求め
    る処理を行うことを特徴とする熱交換器内部状態のシミ
    ュレーション方法。
  2. 【請求項2】 流体の流れ部と伝熱管を複数に分割して
    熱交換器の内部状態をシミュレーションするときの最小
    分割可能数を求める熱交換器内部状態のシミュレーショ
    ン方法において、 高温側流体における温度と比エンタルピとの線形近似式
    との傾きを求める高温側流体傾き量演算処理と、 低温側流体における温度と比エンタルピとの線形近似式
    との傾きを求める低温側流体傾き量演算処理と、 前記低温側流体傾き量演算処理の処理結果と低温側流体
    流量の積に対して、前記高温側流体傾き量演算処理の処
    理結果と高温側流体流量の積の比を求め、その比の対数
    演算を行う流体状態演算処理と、 高温側入口温度と低温側出口温度の温度差に対して、高
    温側出口温度と低温側入口温度の温度差の比を求め、そ
    の比の対数演算を行う温度状態演算処理と、 前記流体状態演算処理の処理結果に対して前記温度状態
    演算処理の処理結果の比を求め、その比の値を超える最
    小の自然数を求める最小分割数決定処理を行うことを特
    徴とする熱交換器内部状態のシミュレーション方法。
  3. 【請求項3】 流体の流れ部と伝熱管を複数に分割して
    熱交換器の内部状態をシミュレーションするときの伝熱
    管汚れ係数を求める熱交換器内部状態のシミュレーショ
    ン方法において、 高温側流体流量および低温側流体流量のそれぞれと伝熱
    管との熱伝達率理論値を求める処理と、 前記熱交換器の出入口流体温度、流体流量、前記分割し
    た分割数に基づいて各分割部の伝熱量を求める処理と、 前記熱交換器の出入口流体温度、流体流量、前記分割し
    た分割数に基づいて各分割部の流体温度を求める処理
    と、 前記流体温度を求める処理で求められた流体温度から各
    分割部の伝熱管温度を求める処理と、 前記求められた伝熱量、流体温度、伝熱管温度から高温
    側流体および低温側流体の熱伝達率実測値を求める処理
    と、 前記熱伝達率理論値と熱伝達率実測値とから伝熱管の汚
    れ係数を求める処理を行うことを特徴とする熱交換器内
    部状態のシミュレーション方法。
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