JPH0727768B2 - イオン注入装置 - Google Patents

イオン注入装置

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JPH0727768B2
JPH0727768B2 JP60199005A JP19900585A JPH0727768B2 JP H0727768 B2 JPH0727768 B2 JP H0727768B2 JP 60199005 A JP60199005 A JP 60199005A JP 19900585 A JP19900585 A JP 19900585A JP H0727768 B2 JPH0727768 B2 JP H0727768B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、イオン注入装置に関し、特に、半導体基板
にイオンを打ち込む装置において、その稼働効率を向上
し、効率的なイオン打ち込みができるようなイオン注入
装置に関する。
[従来の技術] イオンソースで発生する不純物イオンを高電界で加速し
て半導体基板内に打ち込むイオン打ち込み装置として、
例えばフリーマン形で代表される熱陰極形のイオンソー
スを有するイオン注入装置があり、これは、イオンが安
定な状態で発生すること、メンテナンスが容易であるこ
となどから半導体製造装置用のイオン注入装置として広
く用いられている。そしてこのような装置では、イオン
ソースを定期的に清掃したり、イオンソースチャンバ
(イオンソースヘッド)等の部品の交換が必要とされ
る。
第5図(a)は、このような従来のフリーマン形のイオ
ン注入装置の一例を示すものであって、第5図(b)
は、そのイオンソースの説明図である。
1は、イオンソースであり、イオンソース1から正イオ
ンが一定のエネルギーで引き出し電極2により引き出さ
れ、質量分析器3により質量分析される。そしてスリッ
ト4で完全に分離した所望のイオンが加速管5で最終エ
ネルギーまで加速される。
次に、イオンビームは、4極レンズ6により基板面12に
収束点を持つよう収束されて、走査電極7,8により基板
に一様に打ち込み量が分布するように制御され、偏向電
極9により曲げられて,マスク10,ファラデーカップ11
を経て基板12に至る。
ここで、イオンは、第5図(b)に見るように、真空引
きされて1×10-1torr程度の真空度となったイオンソー
スチャンバ22内でイオン化されて、そこに配置された棒
状フィラメント21に対して直角方向にイオンビームとし
て引き出される。
なお、20はイオンソースハウジングであり、23,23は電
磁石、24は接地電極、25はスリット、26はガス導入口、
27はイオンビームである。
ところで、このようなイオンソースは、当然のことなが
ら使用して行くうちに棒状フィラメント21が消耗して切
れる。このイオンソースのフィラメントが切れた場合に
は、イオンソースチャンバ自身がかなり加熱されている
ので、真空に保持したまま自然冷却させなければならな
い。
また、イオンソースハウジング20,イオンソースチャン
バ22がイオン焼けして汚染されてしまうことが起きる。
このような状態になったときには、イオン注入作業を停
止し、イオンソースチャンバ22の交換とか、イオンソー
スハウジング20自身の清掃作業を行う必要がある。
[解決しようとする問題点] 前記自然冷却には、少なくとも数時間はかかり、この時
間が短いとイオンソースチャンバ自身を大気に曝したこ
とにより、その材料,例えばモリブデンを酸化させてし
まい、イオンソースチャンバ自身の寿命を短くするとい
う問題点がある。
また、イオンソースチャンバを交換した場合には、その
交換後に真空引きし、イオンソースチャンバ自体の空焼
きによるガス出し作業に入るため、少なくとも数時間
は、イオン注入装置を停止しなければならず、作業効率
が非常に悪い。
さらに、イオンソースハウジング自身の汚れにより高電
圧放電が起こった場合などでは、ハウジング自身を本体
から取り外して分解し、清掃作業をしなければならず、
分解清掃後、イオンソースハウジングの再組み立てを行
い、イオン注入装置に取り付けて真空引きを行うことに
なるが、この作業は、先に述べたイオンソースチャンバ
自身の空焼きの場合よりもさらに時間がかかる。
このようにイオン注入作業を中断してこれらの交換作業
とか、分解作業をしなければならないと言うことは、ユ
ーザにとって装置がダウンしたことにも相当するし、ま
た、これはMTBF(平均故障間隔)の時間が伸びない等の
原因にもなっている。
したがって、このようなフィラメントの交換からイオン
注入動作までの装置が稼働しない時間,そして清掃作業
からイオン注入動作までの装置が稼働しない時間は、半
導体装置の需要が伸びている現在にあっては、大きなロ
スタイムであり、先のような作業を行うことにより装置
の稼働率が低下することは大きな問題となる。
ところで、イオン注入装置の性能は、質量分析器を基本
とする分析システムの分解能に依存すると言っても過言
ではない。イオン注入において質量分析器に求められる
分解能は、高く、特に、昨今のように、いっそう高密度
で高集積化の半導体装置を製造するためには高い分解能
が要求される。そのために質量分析器の磁場の調整やそ
のフォーカス調整のための各種の調整機構が設けられ、
また、引き出し電圧などの調整も行われる。
したがって、先の稼働率の低下の問題を解決するためめ
に2つのイオンソースを設けて一方が使用できない状態
のときに他方に切替えて使用するようなことも考えられ
るが、イオン注入装置を起動させてもそれを実際に使用
できる状態にするまでには各部の調整に時間がかかり、
実際に使用するまでの時間的なロスが大きい。
[発明の目的] この発明は、このような従来技術の問題点等にかんがみ
てなされたものであって、このような問題点等を解決す
るとともに、装置の稼働率を向上させることができるイ
オン注入装置を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] ところで、現在のイオンソースチャンバの寿命が短かい
という原因には2つのものが考えられる。
フィラメント自身の寿命に問題があること。すなわ
ち、フィラメントが細って切れてしまうこと。
フィラメントが切れないまでも、イオンソースハウジ
ング自身が汚れることにより高電界放電が多く発生して
実質上使用できなくなること。
の原因については、フィラメントの寿命が今後伸びた
としても、これは時間がたてば必ず起きる現象であると
言える。
そこで、この発明は、このような2つの原因を受け入れ
た上で、実質的なイオン注入作業の時間を伸ばすことに
着目したものである。すなわち、2個のイオンソースを
搭載してこれらを切り替えて使用することにより、一方
が使用不能のときに、他方を稼働させてイオン注入作業
の中断時間を短くするというものであって、かつこの切
り替え使用時に同時に使用不能となった他のイオンソー
スについてイオンソースチャンバを自然冷却する時間に
あてるとか、イオンソースハウジングの取り外し作業に
当てるものである。
このように使用不能のイオンソースについての稼働準備
作業を現在稼働中のイオンソースによるイオン注入作業
と同時進行させて、この間に、使用不能なイオンソース
側を待機状態までもって行き、次に稼働中の一方が使用
不能になったときには即座にイオン注入作業をバックア
ップできるようにする。
この即座のイオン注入作業のバックアップと、前述の問
題点を解決するために、この発明は、第1及び第2のイ
オンソースからのイオンビームを対称な位置で受入れ、
質量分析のための磁場を発生する電流の極性が切替えら
れることによって対称な位置で受け入れたイオンビーム
を質量分析して同一の出口から加速管へと送出する質量
分析器と、加速管の手前に設けられたスリットと、前記
同一の出口を形成する質量分析器の上下の磁極板の位置
にそれぞれ設けられ角度が上下運動して変化し第1のイ
オンソースからのイオンビームをスリットに収束させる
第1の設定位置から第2のイオンソースからのイオンビ
ームをスリットに収束させる第2の設定位置へおよびそ
の逆に角度が切替えられる一対の磁極部材を有する可変
角度シムとを備えていて、第1及び第2のイオンソース
が質量分析器に対して対称な位置に配置され、かつ、第
1及び第2のイオンソースのいずれか一方から他方への
稼働の選択とともに質量分析器の電流極性が切替えられ
一対の磁極部材が第1及び第2の設定位置のいずれか一
方から他方へ切替えられるものである。
[作用] 質量分析器と第1及び第2のイオンソースを対称位置で
配置することにより、基本的な調整事項が単に質量分析
器の電流極性の切替えと可変角度シムの磁極部材の角度
切替えで済み、基本的な調整がほとんど不要になる。し
たがって、バックアップ側が真空引きされ、物理的に稼
働状態に維持されていれば、即座のバックアップが可能
である。
また、このように構成すれば、一方のイオンソースのフ
ィラメントが切れた場合にも、他方のイオンソースから
イオンを発生させてイオン注入作業を続行でき、一方の
イオンソースのイオンソースチャンバ自身を真空に保持
したままゆっくりと自然冷却させる時間を確保すること
ができるので、十分な自然冷却ができる。したがって、
チャンバ自身の寿命を長くできるとともに、この間、イ
オン注入を中断させなくても済む。
また、使用不能な一方のイオンソースがフィラメントの
交換後に真空引きに入り、イオンソースチャンバ及びイ
オンソース自体の空焼きによるガス出し作業に入ってい
ても、この間他方のイオンソースからイオン注入を行う
ことができるのでイオン注入作業の効率を向上させるこ
とができる。
さらに、イオンソースハウジング自身の汚れにより高電
圧放電が起こった場合などでは、ハウジング自身を本体
から取り外して分解して清掃作業をし、分解清掃後、イ
オンソースハウジングの再組み立てを行い、イオン注入
装置に取り付けて真空引きを行うことになるが、一方の
イオンソースの分解清掃作業中であっても他方のイオン
ソースからイオン注入作業を続行させることもできる。
しかも、質量分析器が1つとなるので、装置全体を大型
化せず、イオンソース1つの場合に近い形態のイオン注
入装置を実現できる。
したがって、このようなフィラメントの交換からイオン
注入動作までの装置が稼働しない時間,そして清掃作業
からイオン注入動作までの装置が稼働しない時間は、こ
れら作業の移行に関係するほとんどわずかな時間となり
イオン注入装置の稼働率が大きく向上し、小型のイオン
注入装置を提供できる。
[実施例] 以下、この発明の一実施例について図面を参照して詳細
に説明する。
第1図は、この発明を適用したイオン注入装置のイオン
ソース部分を中心とした概要図であり、第2図は、その
電源供給回路の説明図、第3図は、その遮断部の説明
図、第4図は、その質量分析器の詳細図である。なお、
第5図(a),(b)におけるものと同一なものは、同
一の符号で示す。
第1図において、30は、イオン注入装置であって、第1,
第2のイオンソース31,32を備えていて、これら第1,第
2のイオンソース31,32は、それぞれ質量分析器39に対
して対称となる位置にレイアウトされている。そしてこ
れら各イオンソース31,32は、第2図に見る電源回路40
により選択的にその1つが稼働状態とされ、他の一方は
稼働準備状態とされる制御がなされる。
第1図において、33がこの電源回路40が内蔵された電源
部であり、イオンソース用電源41及び空焼き用の電源42
とその切り替え回路部43とからなる。また、第1図にお
ける34は、ガスボックスであって、内部に第1のイオン
ソース31及び第2のイオンソース32に対応するそれぞれ
の弁を有していて、第1のイオンソース31又は第2のイ
オンソース32のいずれか一方又は双方に内蔵ボンベから
ガスを供給する。
また、35aは、第1のイオンソース31に対応して設けら
れている第1のイオンソース拡散ポンプであり、32b
は、第2のイオンソース32に対応して設けられている第
2のイオンソース拡散ポンプである。
第1のイオンソース拡散ポンプ35aは、第1のイオンビ
ーム導入管36aに設けられた開閉可能な第1の遮断部37a
の後ろの質量分析器39側に連通している。一方、第2の
イオンソース拡散ポンプ35bは、第2のイオンビーム導
入管36bに設けられた開閉可能な第2の遮断部37bの後ろ
の質量分析器39側に連通している。ここに遮断部37a,37
bは、それぞれ稼働中の一方のイオンソースと稼働準備
中の他方のイオンソースとが相互に影響を与えないよう
にこれらを分離するために設けられているものである。
さて、第1のイオンソース31は、イオンビーム38aを発
生し、第2のイオンソース32は、第2のイオンビーム38
bを発生し、これらは、同一の質量分析器39を通過して
可変スリット4の方向へと収束されて加速管5へと至
る。
ここで、質量分析器39は、第4図に見るように、両方向
からのイオンビームを受け入れる関係からその湾曲構造
を対称形に展開した双頭形のものであり、第1のイオン
ソース31使用時と第2のイオンソース32使用時とでは、
その電流極性が切り替えられるものである。このことに
より1個の質量分析器39を使用することができ、装置全
体は小型化できることになる。
この質量分析器39のイオンビーム出口には、出射イオン
ビームを収束させるために、マグネットフォーカス用の
角度調整可能な調整部として磁極ポール39a(又は可変
角度シム)が設けられている。磁極ポール39aは、第4
図に示すように、質量分析器39の上下に配置された磁極
板のイオンビームの出口に一対、上下に設けられてい
て、出口の磁極板の半円形の切欠き部分に嵌合する円弧
状をしている。この磁極ポール39aを第1,第2の位置に
それぞれ設定することにより、第1のイオンソース31か
らのイオンビームも、第2のイオンソース32からのイオ
ンビームもそれぞれ可変スリット4の開口位置に収束さ
せるものである。
そして、磁極ポール39aは、これら第1の設定位置と第
2の設定位置との間において調節可能なように上下に配
置された連動するステッピングモータ60,60の駆動によ
り特定範囲で角度調整が可能であり、その制御により磁
極ポール39aを特定の設定位置、すなわち、前記の第1,
第2の設定位置にその角度を固定することができる。な
お、特定の設定位置は、前記の第1,第2の設定位置とし
て一度求めておけば装置の条件が調整に影響を与えない
ほど変化しない限りはそのまま使用できる。たとえ、設
定後に調整するとしても少しの微調整で済む。
このような構造の質量分析器39を設けることにより、1
つの質量分析器により可変スリット4側に対するイオン
ビームの収束の調整が簡単にできる。
さて、第2図における切り替え回路43は、連動して動作
する2つの切り替えスイッチ43a,43bから構成されてい
て、切り替えスイッチ43aは、イオンソース用電源41を
第1,第2のイオンソース31,32のいずれか一方のイオン
ソースに切り替え接続するスイッチである。また、切り
替えスイッチ43bは、空焼き用電源42を第1,第2のイオ
ンソース31,32のうちイオンソース用電源41が接続され
ていないいずれか他方のイオンソースに切り替え接続す
るスイッチであり、切り替えスイッチ43aと連動して動
作する。
なお、44はイオンソース用電源41の電力供給スイッチで
あり、45は空焼き用の電源42の電力供給スイッチであっ
て、この空焼き用の電源42は、精度の悪い電源を用意す
れば足りるものである。
ここで、第1,第2の遮断部37a,37bは、同一の構成を有
するものであって、第3図に見るように、それぞれシャ
ッタ50と空気バルブ51とを有している。
シャッタ50は、イオンビーム38a,38bを遮断するための
ものであって、イオンビーム導入管36a,36bの質量分析
器39側にそれぞれ配置されている。そしてその表面に
は、グラファイトのコーティング層50aが保護層として
設けられている。
一方、空気バルブ51は、それぞれイオンビーム導入管36
a,36bのイオンソース31,32側にそれぞれ配置されてい
る。そしてそれぞれイオンビーム導入管36a,36bにおい
て、イオンソース側と質量分析器39側とを仕切り、圧力
的にも独立な部屋とするためのものである。このように
することによりイオンソースチャンバの交換作業を独立
に行うことができる。
さて、シャッタ50は、エアーシリンダ52により開閉駆動
されるものであって、エアーシリンダ52の軸がシャフト
52aに結合され、シャフト52aの先端側にシャッタ50が固
定されている。そしてエアーシリンダ52を引込み作動し
てこれを引き込んだときに、シャッタ50は、収納室51b
に収納されることによりイオンビーム導入管36a,36bか
ら退避して、これを遮断状態から解放状態にする。
また、エアーシリンダ52を伸張作動させたときには、シ
ャッタ50が収納室51bからイオンビーム導入管36a,36bの
通路へと突出し、通路に蓋をする。このことによりイオ
ンソース31及びイオンソース32からのイオンビームをそ
れぞれ遮断する。
なお、イオンビームを完全に遮断するためにイオンビー
ム導入管36a,36b側には、フランジ50b,50bが設けられて
いて、シャフト52aの収納室50a側貫通部には、密閉状態
を確保するために、シール部50cが設けられ、シャッタ5
0とシャフト52aとは内部が中空であって、冷却のために
冷媒(フォレオンガス等)がその中に通される。
空気バルブ51は、エアーシリンダ53により開閉駆動され
るものであって、この空気バルブ51とシャッタ50とは連
動して動作する。そして空気バルブ51は、エアーシリン
ダ53の軸がシャフト53aに結合され、シャフト53aに平行
リンク機構54,54を介して取り付けられている。そこで
エアーシリンダ53を引き込み作動して引き込んだとき
に、空気バルブ51は、収納部50dに収納されることによ
りイオンビーム導入管36a,36bから退避して、これを遮
断状態から解放状態にする。
また、エアーシリンダ53を伸張作動させたときには、空
気バルブ51が収納部50dからイオンビーム導入管36a,36b
の通路へと突出し、この前進運動により平行リンク機構
54,54が空気バルブ51をイオンソース31,32側へと押し出
して、イオンソース31,32側の通路を完全に密閉状態に
蓋をする。このことによりイオンソース31,32側が圧力
的にみて独立な部屋とすることができる。
その結果、イオン注入作業を中断することなしに、イオ
ンソースチャンバの交換作業を行うことができる。
なお、第3図において、55は、第1,第2のイオンソース
拡散ポンプ35a,35bに連通する開口部分であり、56は、
隔壁である。また、シャフト35aの収納部50d側貫通部に
は、密閉状態を確保するために、シール部50eが設けら
れている。
ところで、この第1,第2の遮断部37a,37bは、シャッタ
か空気バルブのいずれか一方だけであってもよく、特
に、単にイオンビームを遮断するときには、シャッタだ
けの構成とすることもできる。このような場合には、一
旦イオン注入作業を停止してからイオンソースチャンバ
等の交換作業を行うことになるが、冷却作業とイオン注
入作業とは同時に進行させることができる。
また、空気バルブ51だけのときには、空気バルブ51の相
手方のイオンソース側に保護層を設けるとよい。
次に、その取り扱い操作を説明すると、まず、一方のイ
オンソース,例えば第1のイオンソース31のフィラメン
トが切断した場合には、そのイオンソースチャンバの冷
却を行うことになる。このときには、第1の遮断部37a
のエアーシリンダ52,53を伸張作動させて、シャッタ50
及び空気バルブ51を閉めて、第1のイオンビーム導入管
36aを閉じるとともに、第2の遮断部37bのエアーシリン
ダ52,53を引き込み作動させて、シャッタ50及び空気バ
ルブ51を開けて、第2のイオンビーム導入管36bを解放
状態にする。
次に、第2図に見る電源部33の切り替え回路43を第2の
イオンソース32選択接続側に切り替えて、イオンソース
用電源41から第2のイオンソース32に電力を供給して、
第2のイオンソース32側を動作させてこれにてイオン注
入作業を継続する。なお、この切り替えは、イオンソー
ス用電源供給スイッチ44を投入した状態であっもよく、
一旦これを切断してから切り替えてもよい。
ところで、この場合、この第2のイオンソース32からの
イオン注入におけるイオンビーム38bが第1のイオンソ
ース31に入射してきても、第1の遮断部37a(そのシャ
ッタ50)が閉じられているので、第1のイオンソース31
は、影響を受けることはない。そして第1のイオンソー
ス31は、独立に自然冷却に状態に入ることができる。第
1のイオンソース31のイオンソースチャンバが十分冷却
した時点で、第1のイオンソース31を切りはなし、大気
圧した後、イオンソースチャンバ22の交換をする。
このようにすることにより、イオンソースチャンバ22、
イオンソースハウジング20の酸化を防止して、これらの
寿命を向上させることができる。
さて、第1のイオンソース31のイオンソースチャンバの
交換が終了すると、交換したイオンソースチャンバの空
焼き作業を開始する。これは、第2図の空焼き開始スイ
ッチ45を投入することにより行われる。
この空焼き中においても、第2のイオンソース32のイオ
ン注入作業は継続される。そして空焼きが終了した時点
でそのまま又は真空引きがされた後に、第1のイオンソ
ース32は、待機状態となりその稼働準備処理を終了す
る。
なお、イオンソースチャンバの交換作業の時間は、数分
で済むので、全体的な稼働時間に対しては、無視できる
程度である。また、遮断部が単なるイオンビームを遮断
するシャッタだけの構成のときには、一旦イオン注入作
業を中止することになるが、このような場合は、第2の
イオンソース32によるイオン注入作業は、一旦真空引き
した後に行うことになる。
このようにして、第2のイオンソース32によりイオン注
入作業が続行されて、やがて、第2のイオンソース32の
フィラメントが切れたときには、今度は、第2のイオン
ソース32のイオンソースチャンバの冷却を行うことにな
る。
このときには、第2の遮断部37bのエアーシリンダ52,53
を伸張作動させて、シャッタ50及び空気バルブ51を閉め
て、第2のイオンビーム導入管36bを閉じるとともに、
第1の遮断部37bのエアーシリンダ52,53を引き込み作動
させて、シャッタ50及び空気バルブ51を開けて、第1の
イオンビーム導入管36bを解放状態にする。次に、第2
図に見る電源部33の切り替え回路43を第1のイオンソー
ス31選択接続側に切り替えて、イオンソース用電源41か
ら第1のイオンソース32に電力を供給して、第1のイオ
ンソース31側を動作させてこれにてイオン注入作業を継
続する。
そして前記と同様に第1のイオンソース31は稼働状態と
して、第2のイオンソース32に対して稼働準備処理を行
う。
ところで、イオンソースハウジング自身が汚れたときに
は、イオンソース自身を本体から取り出して、イオンソ
ースハウジングを取り外し、分解クリーニングすること
になる。この場合も前記のイオンソースチャンバの交換
の場合に準ずることになるが、第1,第2の遮断部37a,37
bに設けられた空気バルブ51により、イオンソース側と
質量分析器39側とを仕切り、圧力的にみてこれらを独立
な部屋とすることにより、その分解作業は、他方の稼働
中のイオンソースによるイオン注入作業とは独立にでき
る。
また、遮断部37a,37bが、単に、シャッタからなるもの
であれば、イオンソース自体を取り外すときのみ他方の
稼働中のイオンソースからのイオン注入作業を中断す
る。そして分解クリーニング後の組み立て終了後に、再
び同様に、イオン注入作業を中断して、取り付ける。こ
のことによりイオン注入作業の稼働率を従来より向上さ
せることが可能である。
このように、第1及び第2のイオンソースのうちの稼働
可能な状態にある一方を稼働し、この一方のイオンソー
スの稼働中に他方のイオンソースに対して稼働準備処理
を行う。すなわち、一方のイオンソースのメンテナンス
作業中に他方のイオンソースを使用してイオン注入作業
を続けることができ、特に、イオンソースチャンバ等の
交換作業は、十分に冷却してから行えるものである。
ところで、空焼き用の電源は、精度の高くない電源を使
用できるので経済的なものとなり、他方のイオンソース
を稼働しているときに、一方のイオンソースをすぐに使
用できる状態まで立ち上げることができる。したがっ
て、実質的にほぼ100%に近い稼働率を確保することが
できる。
以上説明してきたが、実施例にあっては、2つのイオン
ソース系を設けて、これらに独立に真空排気系を設け、
かつ独立の空焼き専用電源を設け、電源系統とか、ガス
ボックスを共通に利用しているが、その他共用できるも
には、ベーポライザー系,イオンソース電磁石電源系を
はじめ各種のものがある。しかし、ガスボックスをはじ
めとして各種の電源系等はそれぞれ独自に設けられても
よいことはもちろんである。
また、実施例では、イオンビーム導入管側にイオンソー
スからのイオンビームを遮断するために遮断部を設けて
いるが、イオンビームを遮断できれば、その位置は問わ
ない。また、実施例では、シャッタと空気バルブとを連
動させているが、これらは必ずしも連動させる必要はな
い。
[発明の効果] 以上の説明から理解できるように、この発明のイオン注
入装置にあっては、第1及び第2のイオンソースと、こ
れら第1及び第2のイオンソースの1つを選択的に稼働
する手段と、稼働中のイオンソースと稼働していないイ
オンソースとが相互に影響しないように分離するための
遮閉部と、第1及び第2のイオンソースからのそれぞれ
のイオンビームを通過させて質量分離する質量分析器と
を備えていて、質量分析器はイオンビームの出口側に第
1及び第2のイオンソースからのそれぞれのイオンビー
ムを所定の方向に収束させるための調整部を有してい
て、一方のイオンソースの稼働中に他方のイオンソース
に対して稼働準備処理を行うものであるので、一方のイ
オンソースのフィラメントが切れた場合にも、他方のイ
オンソースからイオンを発生させてイオン注入作業を続
行でき、一方のイオンソースのイオンソースチャンバ自
身を真空に保持したままゆっくりと自然冷却させる時間
を確保することができる。
その結果、十分な自然冷却ができ、チャンバ自身の寿命
を長くできるとともに、この間イオン注入を中断させな
くても済む。
また、使用不能な一方のイオンソースがフィラメントの
交換後に真空引きに入り、イオンソースチャンバ及びイ
オンソース自体の空焼きによるガス出し作業に入ってい
ても、この間他方のイオンソースからイオン注入を行う
ことができるのでイオン注入作業の効率を向上させるこ
とができる。
さらに、イオンソースハウジング自身の汚れにより高電
圧放電が起こった場合などでは、チャンバ自身を本体か
ら取り外して分解して清掃作業をし、分解清掃後、イオ
ンソースハウジングの再組み立てを行い、イオン注入装
置に取り付けて真空引きを行うことになるが、一方が分
解清掃作業中であっても他方のイオンソースからイオン
注入作業を続行させることもできる。
しかも、質量分析器が1つとなるので、装置全体を大型
化せず、イオンソース1つの場合に近い形態のイオン注
入装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明のイオン注入装置を適用したイオン
注入装置のイオンソース部分を中心とした概要図、第2
図は、その電源供給回路の説明図、第3図は、その遮断
部の説明図、第4図は、その質量分析器の詳細図、第5
図(a)は、従来のフリーマン形のイオン注入装置の一
例を示す説明図、第5図(b)は、そのイオンソースの
説明図である。 30……イオン注入装置、31……第1のイオンソース、32
……第2のイオンソース、33……電源部、34……ガスボ
ックス、35a……第1のイオンソース拡散ポンプ、35b…
…第2のイオンソース拡散ポンプ、36a……第1のイオ
ンビーム導入管、36b……第2のイオンビーム導入管、3
7a……第1の遮断部、37a……第1の遮断部、39……質
量分析器、39a……磁極ボール、40……電源回路、41…
…イオンソース用電源、42……空焼き用の電源、43……
切り替え回路部、50……シャッタ、51……空気バルブ、
60……ステッピングモータ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1及び第2のイオンソースを有し、いず
    れかの前記イオンソースから引き出された粒子のイオン
    ビームを質量分析した後に加速管で加速し、加速したイ
    オンを被加工物に打ち込むイオン注入装置において、第
    1及び第2のイオンソースからのイオンビームを対称な
    位置で受入れ、質量分析のための磁場を発生する電流の
    極性が切替えられることによって前記対称な位置で受け
    入れたイオンビームを質量分析して同一の出口から前記
    加速管へと送出する質量分析器と、前記加速管の手前に
    設けられたスリットと、前記同一の出口を形成する前記
    質量分析器の一対の磁極板のそれぞれに各磁極部材が設
    けられ角度が対で連動して変化し第1のイオンソースか
    らのイオンビームを前記スリットに収束させる第1の設
    定位置から第2のイオンソースからのイオンビームを前
    記スリットに収束させる第2の設定位置へおよびその逆
    に角度が切替えられる一対の前記磁極部材を有する可変
    角度シムとを備え、第1及び第2のイオンソースが前記
    質量分析器に対して対称な位置に配置され、かつ、第1
    及び第2のイオンソースのいずれか一方が選択的に稼働
    され、選択された一方のイオンソースが稼働中に、他方
    が稼働準備処理に供されるものであって、第1及び第2
    のイオンソースのいずれか一方から他方への稼働の選択
    とともに前記質量分析器の電流極性が切替えられ前記一
    対の磁極部材が第1及び第2の設定位置のいずれか一方
    から他方へ切替えられることを特徴とするイオン注入装
    置。
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