JPH07276777A - 感温変色成形品の製造方法 - Google Patents

感温変色成形品の製造方法

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JPH07276777A
JPH07276777A JP10224894A JP10224894A JPH07276777A JP H07276777 A JPH07276777 A JP H07276777A JP 10224894 A JP10224894 A JP 10224894A JP 10224894 A JP10224894 A JP 10224894A JP H07276777 A JPH07276777 A JP H07276777A
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Fujio Mori
富士男 森
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常行 山中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐溶媒性・耐擦傷性・耐光性に優れた感温変
色成形品の製造方法を得る。 【構成】 離型性を有する基体シート1の上に、少なく
とも感温変色図柄層4と光安定剤および/または酸化防
止剤を含有する透明な接着層5とを有する転写材7を使
用し、転写法または成形同時転写法により、接着層5を
介して透明な成形品の内側に感温変色図柄層4を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐溶媒性・耐擦傷性
・耐光性に優れた感温変色成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、感温変色図柄が形成されている製
品として、被印刷物の表面に、通常の印刷インキで任意
のパターンを形成し、さらにその上に感温変色インキを
印刷して感温変色図柄層を形成したものがある(図5参
照)。感温変色図柄層の変色温度以上では、感温変色図
柄層の色が消えて、下地である通常の印刷インキからな
る図柄が見える。感温変色図柄層の変色温度未満では、
感温変色図柄層は有色であり、感温変色図柄層自身の図
柄が見える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、感温変色図柄
層が製品の最表面に露出しているため、次のような欠点
があった。
【0004】アルコール系の溶媒に対して耐溶剤性がな
い。つまり、感温変色図柄層は、可逆性の感温変色材料
をマイクロカプセル化し、インキバインダー中に分散し
た感温変色インキを通常の印刷法によって形成したもの
であるが、マイクロカプセルの皮膜は、通常、薄膜のメ
ラミン系樹脂などからなるので、アルコール系の溶媒に
よって容易に溶解してしまうからである。
【0005】また、耐擦傷性が弱い。つまり、マイクロ
カプセルの皮膜に物が当たると、簡単にマイクロカプセ
ルが破壊されてしまうからである。
【0006】また、耐光性が弱い。つまり、感温変色材
料は、電子供与性化合物である顕色剤と電子受容性化合
物である発色剤との間で電子のやり取りをし、染料構造
をとって発色し、ロイコ構造をとって消色することによ
り可逆感温変色性を発揮するものであり、このような特
性を有する感温変色材料は、耐光性が弱い染料系の色素
に限られているからである。
【0007】このように、感温変色図柄を形成した場
合、一般の印刷インキを用いて形成した図柄よりも、耐
溶媒性・耐擦傷性・耐光性が劣るものであった。このよ
うな欠点を補うために、オーバーコート剤を塗布した
り、オーバーコートフィルムを貼着して保護することも
できる。オーバーコート剤は、シアノアクリレート樹
脂、シアノメタクリレート樹脂などの紫外線硬化型樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹
脂、シリコーン樹脂などの熱硬化型樹脂がある。オーバ
ーコートフィルムは、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などからなるものがある。し
かし、オーバーコート剤やオーバーコートフィルムを用
いることは手間がかかり、コストアップの要因になる。
【0008】したがって、この発明は、上記のような問
題を解決することにあり、耐溶媒性・耐擦傷性・耐光性
に優れた感温変色成形品の製造方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、以上の目的
を達成するために、感温変色成形品の製造方法を、離型
性を有する基体シートの上に、少なくとも感温変色図柄
層と光安定剤および/または酸化防止剤を含有する透明
な接着層とを有する転写材を使用し、転写法または成形
同時転写法により、接着層を介して透明な成形品の内側
に感温変色図柄層を形成するように構成した。
【0010】また、上記の感温変色成形品の製造方法に
おいて、転写材が感温変色図柄層上に紫外線変色層を有
するように構成してもよい。
【0011】また、上記の感温変色成形品の製造方法に
おいて、成形品が光安定剤および/または酸化防止剤を
含有するように構成してもよい。
【0012】図面を参照しながらこの発明をさらに詳し
く説明する。
【0013】図1は、この発明の感温変色成形品の製造
方法に使用する転写材の一実施例を示す断面図である。
図2は、この発明の感温変色成形品の製造方法の一実施
例を示す断面図である。図3は、この発明の感温変色成
形品の製造方法の他の実施例を示す断面図である。図4
は、この発明により得られた感温変色成形品の一実施例
を示す断面図である。
【0014】1は基体シート、2は剥離層、3は非変色
図柄層、4は感温変色図柄層、5は接着層、6は転写
層、7は転写材、8は成形品、9は耐熱ゴム状弾性体、
11は固定型、12は可動型、13はゲートをそれぞれ
示す。
【0015】この発明は、離型性を有する基体シート1
の上に、少なくとも感温変色図柄層4と光安定剤および
/または酸化防止剤を含有する透明な接着層5とを有す
る転写材7を使用し、転写法または成形同時転写法によ
り、接着層5を介して透明な成形品8の内側に感温変色
図柄層4を形成するものである(図2および図3参
照)。
【0016】転写材7としては、離型性を有する基体シ
ート1の上に、少なくとも感温変色図柄層4を有するも
のを用いる。具体的には、剥離性を有する基体シート1
上に、剥離層2、非変色図柄層3、感温変色図柄層4、
接着層5などを順次積層した転写材7を用いるとよい
(図1参照)。
【0017】基体シート1の材質としては、ポリプロピ
レン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂などの樹脂シート、アルミニウム箔、銅箔な
どの金属箔、グラシン紙、コート紙、セロハンなどのセ
ルロース系シート、あるいは上記の各シートを積層した
ものなど、通常の転写材の基体シート1として用いるも
のを使用するとよい。
【0018】また、基体シート1に剥離性を付与するた
めに、離型層を基体シート1上に全面的に形成してもよ
い。離型層は、基体シート1を剥離した際に、基体シー
ト1とともに転写層6から離型して除かれるか、あるい
は、層間離型を起こして離型層の一部が転写層6の最外
面に残存する。離型層の材質としては、メラミン樹脂系
離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型
剤、セルロース誘導体系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポ
リオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤、ある
いはこれらの複合型離型剤などを用いるとよい。離型層
の形成方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷
法などの印刷方法や、グラビアコート法、ロールコート
法、スプレーコート法などのコート法がある。
【0019】剥離層2は、基体シート1上に全面的また
は部分的に形成する。また、離型層があるときは、離型
層上に剥離層2を形成する。剥離層2は、転写後または
後述する成形同時転写後に、基体シート1から剥離する
層である。剥離層2の材質としては、ポリアクリル系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セル
ロース系樹脂、ゴム系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
酢酸ビニル系樹脂などのほか、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂
などのコポリマーを用いるとよい。剥離層2に硬度が要
求される場合には、紫外線硬化性樹脂などの光硬化性樹
脂、電子線硬化性樹脂などの放射線硬化性樹脂、熱硬化
性樹脂などを選定して用いるとよい。剥離層2は、着色
したものでも、未着色のものでもよい。剥離層2の形成
方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法など
の印刷方法や、グラビアコート法、ロールコート法、ス
プレーコート法などのコート法がある。
【0020】必要に応じて、非変色図柄層3を形成す
る。非変色図柄層3は、通常、着色層または金属薄膜層
のいずれか一方、あるいは両方からなる。着色層と金属
薄膜層を形成する箇所は限定されず、全面的であっても
部分的であってもよい。
【0021】着色層は、剥離層2の上に形成する。着色
層の材質としては、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹
脂、熱可塑ウレタン系樹脂、メタアクリル系樹脂、アク
リル酸エステル系樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩化ポリエチ
レン系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、ポリビニル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセ
タール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロー
スエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダ
ーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有
する着色インキを用いるとよい。なお、残留溶剤が、感
温変色図柄層4の機能を低下させることがあるので、で
きるだけ無溶剤または無極性溶剤のものを使用したほう
が好ましい。着色層の形成方法としては、オフセット印
刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷方
法や、グラビアコート法、ロールコート法、スプレーコ
ート法などのコート法がある。特に、多色刷りや階調表
現を行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が適
している。
【0022】金属薄膜層は、剥離層2上に形成する。着
色層があるときは、着色層上に形成する。金属薄膜層
は、金属光沢を有するヘアライン模様などを表現するた
めに設ける。金属薄膜層は、真空蒸着法、スパッターリ
ング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成す
る。金属薄膜層には、表現したい金属光沢色に応じて、
アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、
スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金
属、これらの合金または化合物を使用する。金属薄膜層
は、全面的あるいは部分的に形成することができる。金
属薄膜層を部分的に形成する方法としては、金属薄膜層
を必要としない部分に溶剤可溶性樹脂層を形成した後、
その上に全面的に金属薄膜を形成し、溶剤で洗浄して溶
剤可溶性樹脂層とともに不要な金属薄膜を除去する方法
がある。溶剤としてよく用いられるのは、水または水溶
液である。また、金属薄膜層を部分的に形成する別の方
法としては、全面的に金属薄膜を形成し、次に金属薄膜
を残したい部分にレジスト層を形成し、酸またはアルカ
リでエッチングを行い、レジスト層を除去する方法があ
る。
【0023】また、剥離層2または着色層と、金属薄膜
層との密着性を向上させるために、前アンカー層を形成
してもよい。また、金属薄膜層と接着層5との密着性を
向上させるために、後アンカー層を形成してもよい。前
アンカー層および後アンカー層の材質としては、2液性
硬化ウレタン樹脂、熱硬化ウレタン樹脂、メラミン系樹
脂、セルロースエステル系樹脂、塩素含有ゴム系樹脂、
塩素含有ビニル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、エポキシ
系樹脂、ビニル系共重合体樹脂などを用いるとよい。前
アンカー層および後アンカー層の形成方法としては、グ
ラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷方法や、グ
ラビアコート法、ロールコート法、スプレーコート法な
どのコート法がある。
【0024】ところで、感温変色図柄層4は、インキバ
インダー中に可逆性の感温変色物質を含有させ、その比
率と印刷膜厚によって色濃度を設定し形成したものであ
る。
【0025】感温変色図柄層4のインキバインダーの材
質としては、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリ
アミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可塑ウレタン系
樹脂、メタアクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹
脂、アクリル酸エステル系樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩化
ポリエチレン系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂など
の熱可塑性樹脂がある。
【0026】可逆感温変色性材料の例としては、フルオ
ラン、ラクトンなどの呈色有機化合物である電子供与性
化合物と没食子酸エステルなどである電子受容性化合物
の成分から構成され、変色温度未満では染料構造を取っ
て有色になり、変色温度以上ではロイコ構造を取って消
色する機構のものをマイクロカプセル化したもの、また
は、コレステリック液晶またはネマチック液晶をマイク
ロカプセル化したもの、あるいは、ヨウ化水銀、コバル
ト、ニッケル錯体などの無機系金属錯塩などがある。
【0027】また、紫外線変色層を感温変色図柄層4の
上に形成してもよい。紫外線変色層は、紫外線の強度に
応じて発色することによって感温変色図柄層4を紫外線
から保護することができる。また、紫外線変色層が発色
することにより、紫外線の照射を受けていることについ
て使用者の注意を喚起することができる。紫外線変色層
としては、スピロオキサジン類、スピロピラン類、フル
ギド類、アゾベンゼン類、アントラセン誘導体類などの
フォトクロミック化合物を、適当なバインダーと組み合
わせることによってインキ化したものを用いるとよい。
紫外線変色層の形成方法としては、グラビア印刷法、ス
クリーン印刷法などの印刷方法や、グラビアコート法、
ロールコート法、スプレーコート法などのコート法があ
る。
【0028】接着層5は、成形品8の表面に上記の各層
を接着するもので、透明であることが必要である。接着
層5は、金属薄膜層あるいは後アンカー層の上に全面的
に形成する。接着層5としては、成形品8と強固に接着
するものが必要である。接着層5としては、成形品8の
素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用す
る。たとえば、成形品8の材質がポリメチルメタクリレ
ート系樹脂の場合は、ポリメチルメタクリレート系樹脂
を用いるとよい。また、成形品8の材質がポリフェニレ
ンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレン
ド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるポリアク
リル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂な
どを用いるとよい。また、成形品8の材質がポリプロピ
レン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロ
ンインデン樹脂などを用いるとよい。接着層5の形成方
法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの
印刷方法や、グラビアコート法、ロールコート法、スプ
レーコート法などのコート法がある。
【0029】また、耐光性を向上させるために、接着層
5に光安定剤および/または酸化防止剤を加えることが
必要である。光安定剤は、光による劣化、変質、褪色を
防止するために加えるものである。光安定剤としては、
ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾー
ル系、アクリルニトリル系などの紫外線吸収剤、フェノ
レートアミンニッケル化合物などのクエンチャー、テト
ラメチルピペリジン系、テトラカルボキシレート系、ピ
ペリジノール系、スピログリコール系、ピペリジルメタ
クリレート系などのヒンダートアミン系光安定剤などを
用いることができる。酸化防止剤は、酸化を防ぎ、品質
を安定させるために加えるものである。酸化防止剤とし
ては、ハイドロキノン系、イソシアヌレート系、フェニ
ルアクリレート系、メチルフェノール系、ブチルフェノ
ール系、エチルフェノール系、フェニルプロピオネート
系、ヒンダードフェノール系などのフェノール系酸化防
止剤、ホスファウンデカン系、フェニルホスファイト
系、ジホスファイト系、アルキルホスファイト系、ホス
ファオキサイド系、ペンタエリスリトールホスファイト
系などのリン系酸化防止剤、チオプロピオネート系、チ
オサルファイド系、チオウンデカン系、チオビスフェノ
ール系、チオジブチレート系、チオトリアジン系、メル
カプトイミダゾール系などのイオウ系酸化防止剤、フェ
ニレンジアミン系、アミノフェノール系、ナフチルアミ
ン系などのアミン系酸化防止剤、その他、ブチルヒドロ
キシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸
エステル、クエン酸エステル、キノリン類、ビタミン
E、プロトカテキュ酸エチル、グアヤク脂、エリソルビ
ン酸、植物ポリフェノール類なども酸化防止剤として用
いることができる。なお、残留溶剤が感温変色図柄層4
の機能を低下させることがあるので、光安定剤および/
または酸化防止剤としては、無溶剤または無極性溶剤の
ものを使用したほうが好ましい。接着剤層に光安定剤お
よび/または酸化防止剤を加えることによって、感温変
色図柄層4まで到達する紫外線の一部を、接着剤層によ
って遮断することができる。したがって、感温変色図柄
層4に到達する紫外線量を外部環境の一部のみとするこ
とができ、紫外線によって感温変色図柄層4が劣化する
のを防ぐことができる。
【0030】このような構成の転写材7を使用し、転写
法または成形同時転写法により、接着層5を介して透明
な成形品8の内側に感温変色図柄層4を形成して感温変
色成形品8を形成することができる。
【0031】成形品8としては、樹脂製品のほか、ガラ
ス製品などを用いることができる。成形品8は、透明で
あることが必要である。また、成形品8は、着色したも
のでも、未着色のものでもよい。樹脂としては、ポリメ
チルメタクリレート系樹脂、アクリロニトリルスチレン
共重合体系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン
共重合体系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、ポリオレフィン系樹脂などの汎用樹脂を用いること
ができる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリスチレ
ン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリカーボネート
変性ポリフェニレンエーテル樹脂、超高分子量ポリエチ
レン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂を用いること
ができる。また、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオ
キシド系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミ
ド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリ
アリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂
を用いることができる。また、ガラス繊維や無機フィラ
ーなどの補強材を添加した複合樹脂を用いることができ
る。
【0032】また、耐光性を向上させるために、成形品
8に光安定剤および/または酸化防止剤を加えてもよ
い。光安定剤および/または酸化防止剤の種類として
は、接着層5に加えるものと同様の光安定剤および/ま
たは酸化防止剤を用いるとよい。成形品8に光安定剤お
よび/または酸化防止剤を加えることによって、感温変
色図柄層4まで到達する紫外線の一部を、成形品8によ
って遮断することができる。したがって、感温変色図柄
層4に到達する紫外線量を外部環境の一部のみとするこ
とができ、紫外線によって感温変色図柄層4が劣化する
のを防ぐことができる。
【0033】次に、転写材7を用いた感温変色成形品8
の製造方法について説明する(図2参照)。
【0034】成形品8の表面に、転写材7の接着層5側
を密着させる。次に、シリコンラバーなどの耐熱ゴム状
弾性体9を備えたロール転写機、アップダウン転写機な
どの転写機を用い、温度80〜260℃程度、圧力50〜200kg
/m2程度の条件に設定した耐熱ゴム状弾性体9を介して
転写材7の基体シート1側から熱と圧力とを加える。加
熱・加圧により、接着層5が成形品8の表面に接着す
る。冷却後に基体シート1を剥がすと、基体シート1と
剥離層2との境界面で剥離が起こり、転写が完了して感
温変色成形品8を得ることができる。また、基体シート
1上に離型層を設けた場合は、基体シート1を剥がす
と、離型層と剥離層2との境界面で剥離が起こり、転写
が完了して感温変色成形品8を得ることができる。な
お、基体シート1を剥がす際に、剥離層2が層間剥離を
起こしたり、離型層が層間離型を起こしたりすることが
ある。
【0035】また、転写材7を成形品8に転写する方法
として、成形品8の成形と同時に成形品8の表面に装飾
を行う成形同時転写法を用いてもよい。成形同時転写法
は、インモールド法とも呼ばれている。成形同時転写法
は、射出成形、押し出し成形などの金型内に、あらかじ
め転写材7を挟み込み、成形品8の成形と同時に成形に
よる熱と圧力により転写を行う方法である。
【0036】次に、転写材7を用いた射出成形法を利用
する成形同時転写法について説明する(図3参照)。
【0037】成形用の金型は、可動型12と固定型11
とからなり、両金型を閉じることによってキャビティを
形成する。
【0038】まず、転写材7を、金型内に固定する。こ
の際、枚葉の転写材7を1枚づつ送り込んでもよいし、
長尺の転写材7を間欠的に送り込んでもよい。また、転
写材7の位置をセンサーで検出する位置決め機構を備え
たフィルム送り装置を使用して、転写材7の図柄と金型
との見当が一致するようにするとよい。
【0039】次いで、金型を閉じて固定型11に設けた
ゲート13から溶融樹脂をキャビティ内に射出し、成形
品8を形成するのと同時に成形品8の表面に転写材7の
接着層5を接着する。
【0040】成形品8を冷却した後、金型を開いて成形
品8を取り出し、転写材7の基体シート1を剥離するこ
とにより転写が完了して感温変色成形品8を得ることが
できる。
【0041】このようにして、耐溶媒性・耐擦傷性・耐
光性に優れた感温変色成形品8を得ることができる。
【0042】また、この発明によれば、たとえば「凍結
注意」の文字が表された道路標識などのように、従来で
は適用できなかった分野にまで用途を広げることが可能
になった。つまり、冬期において注意を喚起するために
使用する道路標識があるが、このような用途の道路標識
としては、温度などの気象条件を測定して電光によって
表示するものが主である。この発明によれば、屋外で使
用するような物品であっても、耐溶媒性・耐擦傷性・耐
光性に優れているので、温度変化によって表示を変化さ
せる道路標識などの感温変色成形品8を容易に得ること
ができる。
【0043】
【作用】この発明は、離型性を有する基体シートの上
に、少なくとも感温変色図柄層と光安定剤および/また
は酸化防止剤を含有する透明な接着層とを有する転写材
を使用し、接着層を介して転写法または成形同時転写法
により、透明な成形品の内側に感温変色図柄層を形成す
るので、次の作用を有する。
【0044】感温変色図柄層を転写材に組み込んだ後、
その転写層を感温変色成形品の内側に転写するので、感
温変色成形品の表面が外部にさらされ、感温変色図柄層
は、直接外部にさらされない。
【0045】
【実施例】まず、離型性を有する基体シート上に、下記
に示す組成の剥離層用インキ、非変色図柄層用インキ、
感温変色図柄層用インキ、接着層用インキの順にスクリ
ーン印刷し、乾燥して転写材を得た。
【0046】 1.剥離層用インキ バインダー(三菱レイヨン株式会社製BR−50) 25重量% 希釈溶剤(ダイシン化学株式会社製ソルベッソ150) 75重量%
【0047】2.非変色図柄層用インキ 黄インキ(帝国インキ株式会社製セリコールEG)
【0048】3.感温変色図柄層用インキ ローズレッドインキ(大日精化工業株式会社製ダイサー
モ) (15℃未満で発色し、15℃以上で消色する)
【0049】 4.接着層用インキ バインダー(東洋紡株式会社製バイロンRV−200) 23重量% 希釈溶剤(ダイシン化学株式会社製ソルベッソ150) 75重量% 紫外線吸収剤(吉富製薬株式会社製トミソーブ100) 2重量%
【0050】上記のようにして得た転写材を、成形同時
転写用金型の中に固定し型締めした後、成形樹脂として
アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体樹脂(電
気化学工業株式会社製CL−301)を射出し、金型を
開いて、飲料容器の載せ台であるコースターを得た(図
4参照)。
【0051】また、比較例としてコースターの表側に転
写を行ったものを作成し、それぞれのコースターの表側
の物性を測定したところ、実施例について次に示すよう
な優れた物性を得た。
【0052】 実施例 比較例 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 耐溶媒性(メタノール100回ふき取り) 異常なし 白く変色 耐擦傷性(RCA磨耗) 100回剥離なし 10回で剥がれ発生 耐光性(フェードメーター) 50時間変色機能維持 5時間で変色機能低下
【0053】コースターに飲料容器を載せたところ、飲
料容器中の液体が15℃未満であるうちは感温変色図柄層
が発色し、15℃以上となったときに消色し、飲料容器中
の液体の温度変化を随時確認することができた。
【0054】
【発明の効果】この発明は、以上のとおりの構成、作用
を有するので、次のような優れた効果を有する。
【0055】この発明の感温変色成形品の製造方法によ
れば、外部環境にさらされるのは感温変色成形品の表面
であり、感温変色図柄層は感温変色成形品によって保護
されているので、アルコールなどの溶剤に侵されること
や外部要因によって傷付くことから保護され、耐溶媒性
・耐擦傷性・耐光性に優れた感温変色成形品を容易に得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の転写材の一実施例を示す断面図であ
る。
【図2】この発明の感温変色成形品の製造方法の一実施
例を示す断面図である。
【図3】この発明の感温変色成形品の製造方法の他の実
施例を示す断面図である。
【図4】この発明により得られた感温変色成形品の一実
施例を示す断面図である。
【図5】従来の感温変色成形品の一実施例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 基体シート 2 剥離層 3 非変色図柄層 4 感温変色図柄層 5 接着層 6 転写層 7 転写材 8 成形品 9 耐熱ゴム状弾性体 11 固定型 12 可動型 13 ゲート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型性を有する基体シートの上に、少な
    くとも感温変色図柄層と光安定剤および/または酸化防
    止剤を含有する透明な接着層とを有する転写材を使用
    し、転写法または成形同時転写法により、接着層を介し
    て透明な成形品の内側に感温変色図柄層を形成すること
    を特徴とする感温変色成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 転写材が、感温変色図柄層上に紫外線変
    色層を有するものである請求項1記載の感温変色成形品
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 成形品が、光安定剤および/または酸化
    防止剤を含有するものである請求項1記載の感温変色成
    形品の製造方法。
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