JPH07276040A - 中空材のろう付方法 - Google Patents

中空材のろう付方法

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JPH07276040A
JPH07276040A JP6717594A JP6717594A JPH07276040A JP H07276040 A JPH07276040 A JP H07276040A JP 6717594 A JP6717594 A JP 6717594A JP 6717594 A JP6717594 A JP 6717594A JP H07276040 A JPH07276040 A JP H07276040A
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JP
Japan
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brazing
induction heating
hollow material
hollow
heat
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JP6717594A
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English (en)
Inventor
Masahiro Yoshida
正宏 吉田
Shigeru Oyama
茂 大山
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Showa Aluminum Can Corp
Original Assignee
Showa Aluminum Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】少なくとも一方が中空材である金属製の被接合
部材を、短時間で効率良く接合することのできる中空材
のろう付方法を提供する。 【構成】少なくとも一方が中空材2である金属製の被接
合部材1、2を、接合界面にろう材3、10、13、を介し
て重ね合わせ状態に配置したのち、両被接合部材を加圧
状態で加熱し、ろう材を溶融して両被接合部材を接合す
る。中空材に近接して誘導加熱コイル7を設け、ろう付
時に、該誘導加熱コイル7による誘導加熱作用によって
中空材を直接発熱させる。好ましくは、一方を中空材、
他方を板材とし、板材側に加熱加圧棒4、8、11を、中
空材側の近接位置に誘導加熱コイル7を設け、加熱加圧
棒を板材に押し付けて板材を伝熱加熱し、誘導加熱コイ
ルによる誘導加熱作用によって中空材を直接発熱させ
て、ろう材を溶融するのが良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アルミニウム(その
合金を含む)等の金属製被接合部材の接合に用いられる
ろう付方法に関し、特に被接合部材の少なくとも一方が
中空材である場合の中空材のろう付方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び解決しようとする課題】例えば、アル
ミニウム材どおしを部分接合する接合法として、接合予
定箇所において重ね合わせ状態に配置した被接合部材
に、銅製その他の電極を接触状態に配置し、加圧下で被
接合部材の接合予定箇所に電流を流し、その電流による
抵抗発熱で接合部の温度を上昇させて溶接する抵抗スポ
ット溶接が行われている。また、トーチろう付等の大気
中におけるろう付も行われている。
【0003】しかしながら、上記の抵抗スポット溶接法
においては、アルミニウム材の固有抵抗が小さいため、
溶接に必要な発熱量を得るには大電流を必要とすると
か、電極先端部に銅とアルミニウムの合金を形成しやす
いため電極のドレッシング間隔が短くなるというような
欠点があった。一方、トーチろう付法においては、加熱
と加圧を同時に行うことは物理的に困難なため、大型部
材の一部を接合するのが容易でないとか、熱効率が悪い
ため接合時間が長くなるというような欠点があった。
【0004】また、上記に代わる接合法として、図8に
示すように、接合界面にろう材(101 )を介在させると
ともに、加熱加圧棒(102 )(103 )を被接合部材(10
4 )(105 )の外側から加圧状態に接触せしめ、加熱加
圧棒(102 )(103 )からの熱伝導によりろう材(101
)を溶融し、もって両被接合部材(104 )(105 )を
接合する伝熱ろう付法も開発されている。この方法によ
れば、大気中において広範な部分を容易に接合すること
ができ、またエネルギコストも小さいという利点があ
る。なお、図8では加熱加圧棒(102 )(103 )を高周
波誘導加熱により発熱させる場合を示しており、同図に
おいて(106 )(107 )は誘導加熱コイルである。
【0005】しかしながら、図9に示すように、被接合
部材の少なくとも一方が中空部を有する中空材(108 )
であり、この中空材(108 )の外壁面に他の金属材(10
4 )を伝熱ろう付で接合する場合は、次のような欠点が
あった。即ち、中空材(108)の熱容量が大きいため、
中空材(108 )側からろう材(101 )を効率良く伝熱加
熱することができず、専ら板材(104 )側のみからの加
熱となるため、ろう材(101 )に熱が伝わりろう材が溶
融するまでに非常に時間がかかるという欠点があった。
また、短時間でろう付するために、加熱加圧棒(102 )
の温度を高くすると、ろう材(101 )が溶融する前に加
熱加圧棒と接している被接合部材(104)が先に溶融し
てしまうものであった。また、中空材(108 )が幅広の
場合には、図10に示すように外側の壁面に孔(109 )
をあけ、この孔(109 )に加熱加圧棒(103 )を差し通
し、内側の壁面に接触させることも考えられるが、孔開
け加工が必要であるという問題があった。また、孔開け
が不可能な中空材のろう付の場合には、この方法の適用
自体不可能であった。
【0006】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてな
されたものであって、少なくとも一方が中空材である金
属製の被接合部材を、短時間で効率良く接合することの
できる中空材のろう付方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、図面の符号を参照して示すと、少なく
とも一方が中空材(2)である金属製の被接合部材
(1)(2)を、接合界面にろう材(3)(10)(13)
を介して重ね合わせ状態に配置したのち、両被接合部材
を加圧状態で加熱し、前記ろう材を溶融して両被接合部
材を接合する中空材のろう付方法であって、前記中空材
(2)に近接して誘導加熱コイル(7)を設け、ろう付
時に、該誘導加熱コイル(7)による誘導加熱作用によ
って前記中空材(2)を直接発熱させることを特徴とす
る中空材のろう付方法を要旨とする。被接合部材(1)
(2)の組み合わせとしては、中空材と板材に限られる
ことはなく、中空材どおしの組み合わせであっても良
い。
【0008】被接合部材(1)(2)の接合界面に配置
されるろう材(3)(10)(13)は、接合すべき金属材
の種類に応じて選択されるべきものであり、具体的な種
類や組成が限定されるものではない。例えば、被接合部
材がアルミニウムからなる場合、被接合部材よりも融点
の低いAl−Si系ろう材が一般的に用いられる。
【0009】接合部には、必要に応じてフラックスを供
給する。フラックスはろう材(3)(10)(13)の表面
に塗布しても良いが、好ましい態様として、フラックス
塗布の不要なフラックス含有ろう材を用いるのが良い。
このフラックス含有ろう材の一例としては、Si、Zn
等の元素を含有するAl合金の粉末、またはこれら成分
元素の単体粉末に、弗化物系フラックスまたは塩化物系
フラックスを添加し混合して、この混合粉末を熱圧成形
したのち押出成形等により所要形状に成形したものを挙
げ得る。さらに、このような固形のろう材の代表的な組
成として、Al、Si、弗化物系フラックスを含み、弗
化物系フラックスを除く金属成分の合計含有量に対して
Si含有量が3〜15wt%、弗化物系フラックスを除く
元素の合計と弗化物系フラックスとを重量比で99.
9:0.1〜70:30の割合で含有し、かつ密度が理
論値の90%以上であるものを挙げ得る。また、ろう材
として、上記の合金粉末あるいは合金組成の単体粉末及
びフラックス粉末に液状バインダーを混合攪拌したもの
を用いても良い。
【0010】被接合部材(1)(2)の加熱の方法は、
中空材(2)をその近接位置に設けた誘導加熱コイル
(7)による誘導加熱作用によって直接発熱させる点を
除き、特に限定されることはない。しかし、他方の被接
合部材が板材(1)である場合には、図1〜6に示すよ
うに、板材(1)に加熱加圧棒(4)(8)(11)を加
圧状態に接触させて、加熱加圧棒からの熱伝導により板
材(1)を加熱するのが、大気中において被接合部材で
ある板材(1)の広範な部分を加熱することができると
いう熱伝導ろう付の利点を享受しうる点で好ましい。こ
の場合、加熱加圧棒(4)(8)(11)自身の熱源とし
ては、ヒーターでも良いが、高周波誘導加熱により加熱
加圧棒を発熱させるのが好ましい。これは、中空材
(2)も加熱加圧棒(4)(8)(11)もともに高周波
誘導加熱方式により発熱させるものとすることにより、
エネルギ供給源としての電源を共通にでき、従って加熱
装置の構成を簡略化できるためである。この場合、図1
に示すように、加熱加圧棒(4)のみを発熱させる誘導
加熱コイル(5)のみならず、板材(1)からなる被接
合部材に近接して、板材(1)及び加熱加圧棒(4)の
両方を加熱する誘導加熱コイル(6)を配置するのが、
加熱加圧棒からの伝導熱に加えて該被接合部材の直接の
発熱による熱をも利用でき、熱効率を一層向上し得る点
で好ましい。
【0011】一方、被接合部材のいずれもが中空材であ
る場合には、両方の被接合部材に対して、その近接位置
にそれぞれ誘導加熱コイルが配置される。
【0012】中空材(2)の断面形状は限定されること
はなく、図1に示されるように、断面方形でも良いし、
図4や図5に示すように、中空材本体(2a)の外壁の幅
方向片側あるいは両側に連続して幅方向突出状に形成さ
れたフランジ(2b)(2c)を有するものでも良いし、そ
の他任意の形状のものを用い得る。また、板材(1)か
らなる被接合部材を用いる場合、板材(1)は必ずしも
平板でなくても良く、図4、図5に示されるように、長
さ方向あるいは幅方向の一端部あるいは中間部を段付形
状やハット形に曲成し、段付部(1a)やハット形部(1
b)を、中空材本体(2a)に重ね合わせて配置し接合す
るものとしても良い。あるいは円弧状に曲成した板材の
円弧部と断面円弧状の中空材を重ね合わせて接合するも
のとしても良いし、その他種々の形状の選択が可能であ
る。
【0013】誘導加熱コイルは、従来からアルミニウム
材等の高周波誘導加熱に用いられているものを用いれば
良く、一般的には断面円形あるいは角形の銅製パイプを
1ターンあるいは複数ターン曲成したものが用いられ
る。コイルの曲げ形状も特に限定されることはなく、加
熱加圧棒(4)(8)(11)の加熱用コイル(5)
(6)(9)(12)は、加熱加圧棒の外周にそって曲成
すれば良い。また、中空材加熱用のコイル(7)は、中
空材(2)の大きさに応じて円形、長方形、楕円形、長
円形等に曲成すれば良い。この中空材加熱用の誘導加熱
コイル(7)は、中空材(2)を効率良く誘導加熱する
ために、一般的には中空材(2)を挾んで接合界面と反
対側において、中空材(2)の壁面と平行になるように
配置される。また、中空材加熱用の誘導加熱コイル
(7)は、十分な発熱量を確保するとともに発生した熱
を逃がさないようにするため、ろう材を取り囲む態様
で、ろう付面積よりも大きなループに形成するのが望ま
しい。
【0014】中空材(2)や加熱加圧棒(4)(8)
(11)の加熱温度は、誘導加熱コイルへの入力電力、入
力周波数、コイル形状、コイル配置位置等を調節して設
定すれば良い。なお、誘導加熱コイルの内部中空部に
は、通電時にコイルの過熱防止のため冷却水を流通させ
るものとしても良い。また、被接合部材(1)(2)を
複数箇所において接合する場合には、中空材加熱用の誘
導加熱コイル(7)や、板材(1)を伝熱加熱するため
の加熱加圧棒(4)(8)(11)を複数個設けるものと
しても良い。誘導加熱コイルを複数個用いる場合、加熱
加圧棒の加熱用であるか中空材加熱用であるかを問わ
ず、全てのコイルを電源に対して直列に接続するのが、
1台の誘導加熱装置で複数のろう付箇所の温度を制御で
きることから望ましい。この場合、全てのコイルを1本
の部材で曲成し一体品とするするのが、コイルをセッテ
ィングその他において一体的、一括的に取り扱うことが
でき、極めて便利である点で推奨される。
【0015】
【作用】ろう付時に中空材(2)に近接して設けた誘導
加熱コイル(7)による誘導加熱作用によって、中空材
(2)は直接発熱するから、熱容量の大きな中空材
(2)を十分に加熱することができる。そして、中空材
に生じた熱がろう材に伝導され、ろう材は短時間で溶融
する。
【0016】また、被接合部材の他方が板材(1)であ
り、この板材(1)を伝熱加熱するとともに、誘導加熱
コイル(7)による誘導加熱作用によって中空材(2)
を直接発熱させる場合には、板材へ伝導された熱と中空
材で発生した熱がろう材に伝導される。従って、伝熱ろ
う付の利点を享受しつつ、中空材からの熱を利用できる
から、ろう材に対して効果的な熱供給が行われる。
【0017】
【実施例】
(実施例1)図1に示すように、被接合部材として、A
3003アルミニウム材からなる幅30mm×長さ10
0mm×肉厚1mmの板材(1)と、A6063アルミ
ニウム材からなる幅27mm×高さ15mm×長さ10
00mm×肉厚1mmの断面長方形の中空材(2)を用
意した。
【0018】そして、板材(1)と中空材(2)とを直
交状に配置するとともに、板材(1)の一端部下面と中
空材(2)の中空部上面とを、ろう材(3)をサンドイ
ッチ状に介在させた状態で重ね合わせた。ろう材(3)
としては、次のような方法により製作したフラックス含
有ろう材を用いた。
【0019】即ち、ろう材成分として純度99.5%の
Al粉末(平均粒径44μm)及びSi粉末(平均粒径
5μm)を、フラックス成分として45.8%KF−5
4.2%AlF3 共晶粉末(平均粒径30μm)をそれ
ぞれ用意した。そして、これら粉末を、Al粉末81wt
%、Si粉末9wt%、共晶粉末10wt%の割合で室温で
均一に混合し、混合粉末を調整した。次に、この混合粉
末を、直径3インチ×長さ200mmのAl缶に大気中
にて充填したのち、Al缶を500℃の炉中に配置し、
該Al缶内を1mmHg以下に真空脱ガスした。その
後、上記Al缶を480℃に加熱したのち、熱間プレス
を用いて最大圧力400トンにて熱圧成形したところ、
成形体の長さは110mmとなった。さらに、成形体の
外側に付着しているAl缶体を切削で除去したのち、熱
間押出機により500℃の温度で厚さ0.7mm×幅1
5mmの平板に押出して長さ10mmに切断し、これを
本実施例におけるフラックス含有ろう材とした。
【0020】一方、接合界面の真上の位置において、板
材(1)の上方には直径20mm×長さ500mmの軟
鋼製加熱加圧棒(4)を上下移動自在に配置した。か
つ、この加熱加圧棒(4)の外周を上下に取り巻いて、
内径D1 、D2 (図2に示す)がいずれも25mmの2
個の円形の誘導加熱コイル(5)(6)を配置した。上
側の誘導加熱コイル(5)は加熱加圧棒(4)の発熱用
であり、板材(1)の表面からコイル下端までの距離X
1 =10mmの位置に配置した。下側の誘導加熱コイル
(6)は加熱加圧棒(4)の発熱用と板材(1)の発熱
用を兼ねるものであり、板材表面からコイル下端までの
距離X2 =5mmの位置に配置した。
【0021】また、中空材(2)の下方にはろう材
(3)を取り囲む態様で、中空材発熱用の誘導加熱コイ
ル(7)を配置した。この中空材発熱用誘導加熱コイル
(7)は、長さL(図2に示す)が内のりで140m
m、幅Wが内のりで25mmの平面視長方形状に曲成さ
れたものであり、中空材(2)の下面からコイル上端ま
での距離X3 =3mmの位置に、コイル(7)の幅方
向、長さ方向を中空材(2)の幅方向、長さ方向にそれ
ぞれ合致させて、中空材(2)下面とほぼ平行に配置し
たものである。この配置状態では、図1(b)に示すよ
うに、誘導加熱コイル(7)の幅方向の対向辺は中空材
(2)の幅方向の端縁のほぼ直下に位置している。
【0022】上記3個の誘導加熱コイル(5)(6)
(7)は、外径6mm×肉厚1mmの1本の銅パイプを
各コイルにつき1ターンずつ曲成した一体品であり、従
って図示しない高周波電源に対して直列に接続されてい
る。
【0023】上記のような構成において、加熱加圧棒
(4)を下降させて板材(1)に接触させ、接合面どう
しを押付ける方向に4kgfの押圧力で加圧した。
【0024】次に、高周波電源から各誘導加熱コイル
(5)(6)(7)に、入力14kW、周波数200k
Hzの高周波電流を通じた。加熱加圧棒(4)は上下の
誘導加熱コイル(5)(6)による誘導加熱作用によっ
て発熱し、その熱が板材(1)との接触面を通して板材
(1)に伝導される。同時に下側の誘導加熱コイル
(6)により、板材(1)は直接に誘導加熱されて発熱
し、この熱と加熱加圧棒(4)からの伝導熱とが共にろ
う材(3)に伝導され、ろう材(3)は加熱された。
【0025】一方、中空材発熱用誘導加熱コイル(7)
による誘導加熱作用によって、中空材(2)はコイル近
傍部位において直接発熱し、この熱がろう材(3)へと
伝導される。従って、ろう材(3)は板材(1)と中空
材(2)との両方から熱供給を受けて短時間で溶融し、
板材(1)と中空材(2)は接合された。ろう付に要し
た時間は約30秒であり、ろう付部位も良好であった。
【0026】(実施例2)図1に示した実施例1の3個
の誘導加熱コイル(5)(6)(7)の材料として、図
3に示すように、断面4mm角、肉厚1mmの角形パイ
プを用いた以外は、実施例1と同一の条件にてろう付を
行ったところ、実施例1と同じく約30秒で良好なろう
付を行うことができた。なお、図3において、図1と同
一名称部分については同一の符号を付す。
【0027】(実施例3)図4に示すように、被接合部
材として、A3003アルミニウム材からなる幅30m
m×長さ115mm×肉厚1mmの板材(1)を用意す
るとともに、幅27mm×高さ15mmの角形中空材本
体(2a)の下壁の幅方向一端側に連続して幅方向に突出
したフランジ(突出長さ30mm)(2b)が形成された
長さ1000mm、肉厚1mmのA6063アルミニウ
ム材からなる中空材(2)を用意した。そして板材
(1)の一端部を、中空材(2)の中空材本体(2a)と
フランジ(2b)に重ね合わせることができるように、段
付き状態に曲成した。
【0028】次に、板材(1)と中空材(2)とを直交
状に配置するとともに、中空材(2)の中空材本体(2
a)上面とフランジ(2b)上面の2箇所にろう材(3)
(10)をサンドイッチ状に介在させた状態で、板材
(1)をその段部(1a)が中空材本体(2a)の上側部に
適合するように重ね合わせた。なお、ろう材(3)(1
0)は、実施例1と同一のものを用いた。
【0029】一方、各ろう材(3)(10)の真上の位置
において、板材(1)の上方には、直径20mm×長さ
500mmの各軟鋼製加熱加圧棒(4)(8)を上下移
動自在に配置した。かつ、中空材本体(2a)の上方に位
置する加熱加圧棒(4)の外周を上下に取り巻いて、内
径25mmの2個の円形の加熱誘導コイル(5)(6)
を配置した。上側の誘導加熱コイル(5)は加熱加圧棒
(4)の発熱用であり、板材表面からコイル下端までの
距離X1 =10mmの位置に配置した。下側の誘導加熱
コイル(6)は加熱加圧棒(4)の発熱用と板材(1)
の発熱用を兼ねるものであり、板材表面からコイル下端
までの距離X2 =5mmの位置に配置した。一方、フラ
ンジ(2b)上方の加熱加圧棒(8)の外周を取り巻い
て、内径25mmの円形の加熱誘導コイル(9)を配置
した。この加熱誘導コイル(9)は加熱加圧棒(8)の
発熱用と板材(1)の発熱用を兼ねるものであり、板材
表面からコイル下端までの距離X4 =3mmの位置に配
置した。
【0030】また、中空材(2)の下方には2個のろう
材(3)(10)を取り囲む態様で、中空材の発熱用の誘
導加熱コイル(7)を配置した。この中空材発熱用誘導
加熱コイル(7)は、長さLが内のりで140mm、幅
Wが内のりで46mmの平面視長方形状に曲成されたも
のであり、中空材(2)の下面からコイル上端までの距
離X3 =3mmの位置に、コイル(7)の幅方向、長さ
方向を中空材(2)の幅方向、長さ方向にそれぞれ合致
させて、中空材下面とほぼ平行に配置したものである。
この配置状態では、誘導加熱コイル(7)の幅方向の対
向辺は中空材(2)の幅方向の端縁のほぼ直下に位置し
ている。
【0031】上記4個の誘導加熱コイル(5)(6)
(7)(9)は、外径6mm×肉厚1mmの1本の銅パ
イプを曲成した一体品であり、従って図示しない高周波
電源に対して直列に接続されている。
【0032】上記のような構成において、2本の加熱加
圧棒(4)(8)を下降させて板材(1)に接触させ、
接合面どうしを押付ける方向にそれぞれ4kgfの押圧
力で加圧した。
【0033】次に、高周波電源から各誘導加熱コイル
(5)(6)(7)(9)に、入力14kW、周波数2
00kHzの高周波電流を通じた。中空材本体(2a)上
方の加熱加圧棒(4)は、上下の誘導加熱コイル(5)
(6)による誘導加熱作用によって発熱し、その熱が板
材(1)との接触面を通して板材(1)に伝導される。
同時に下側の誘導加熱コイル(6)により、板材(1)
は直接に誘導加熱されて発熱し、この熱と加熱加圧棒
(4)からの伝導熱とが共にろう材(3)に伝導され、
ろう材(3)は加熱される。一方、フランジ(2b)上方
の加熱加圧棒(8)は、誘導加熱コイル(9)によって
加熱され、その熱が板材(1)に伝導される。同時に、
この誘導加熱コイル(9)により、板材(1)は直接に
誘導加熱されて発熱し、この熱と加熱加圧棒(8)から
の伝導熱とが共にろう材(10)に伝導される。
【0034】一方、中空材発熱用誘導加熱コイル(7)
による誘導加熱作用によって、中空材(2)はコイル近
傍部位において直接発熱し、この熱が両方のろう材
(3)(10)へと伝導される。従って、各ろう材(3)
(10)は板材(1)と中空材(2)との両方から熱供給
を受けて短時間で溶融し、板材(1)と中空材(2)は
接合された。ろう付に要した時間は約30秒であり、ろ
う付部位は2箇所とも良好であった。
【0035】(実施例4)図5に示すように、被接合部
材として、A3003アルミニウム材からなる幅30m
m×長さ115mm×肉厚1mmの板材を用意するとと
もに、幅27mm×高さ15mmの角形中空材本体(2
a)の下壁の幅方向両端側に連続して幅方向に突出した
フランジ(突出長さそれぞれ30mm)(2b)(2c)が
形成された長さ1000mm、肉厚1mmのA6063
アルミニウム材からなる中空材(2)を用意した。そし
て板材(1)の中間部を、中空材(2)の中空材本体
(2a)とフランジ(2b)(2c)に重ね合わせることがで
きるように、ハット形に曲成した。
【0036】そして、板材(1)と中空材(2)とを直
交状に配置するとともに、中空材(2)の中空材本体
(2a)上面と各フランジ(2b)(2c)上面の3箇所にろ
う材(3)(10)(13)をサンドイッチ状に介在させた
状態で、板材(1)をそのハット形部(1b)が中空材本
体(2a)に嵌合した状態に重ね合わせた。なお、ろう材
(3)(10)(13)は、実施例1と同一のものを用い
た。
【0037】一方、3個のろう材の真上の位置におい
て、板材(1)の上方には、直径20mm×長さ500
mmの3個の軟鋼製加熱加圧棒(4)(8)(11)を上
下移動自在に配置した。かつ、中空材本体(2a)上方の
加熱加圧棒(4)の外周を上下に取り巻いて、内径25
mmの2個の円形の誘導加熱コイル(5)(6)を配置
した。上側の誘導加熱コイル(5)は加熱加圧棒(4)
の発熱用であり、板材表面からコイル下端までの距離X
1 =10mmの位置に配置した。下側の誘導加熱コイル
(6)は加熱加圧棒(4)の発熱用と板材(1)の発熱
用を兼ねるものであり、板材表面からコイル下端までの
距離X2 =5mmの位置に配置した。一方、左右フラン
ジ(2b)(2c)の上方の加熱加圧棒(8)(11)の外周
を取り巻いて、内径25mmの円形の誘導加熱コイル
(9)(12)を配置した。この誘導加熱コイル(9)
(12)は各加熱加圧棒(8)(11)の発熱用と板材
(1)の発熱用を兼ねるものであり、板材表面からコイ
ル下端までの距離X4 、X5 =3mmの位置に配置し
た。
【0038】また、中空材(2)の下方には、3個のろ
う材(3)(10)(13)を取り囲む態様で、中空材発熱
用の誘導加熱コイル(7)を配置した。この中空材発熱
用誘導加熱コイル(7)は、長さが内のりで140m
m、幅が内のりで67mmの平面視長方形状に曲成され
たものであり、中空材(2)の下面からコイル上端まで
の距離X3 =3mmの位置に、コイルの幅方向、長さ方
向を中空材の幅方向、長さ方向にそれぞれ合致させて、
中空材下面とほぼ平行に配置したものである。この配置
状態では、コイル(7)の幅方向の対向辺は中空材
(2)の幅方向の端縁のほぼ直下に位置している。
【0039】上記5個の誘導加熱コイル(5)(6)
(7)(9)(12)は、外径6mm×肉厚1mmの1本
の丸形銅パイプを曲成した一体品あり、従って図示しな
い高周波電源に対して直列に接続されている。
【0040】上記のような構成において、3本の加熱加
圧棒(4)(8)(11)を下降させて板材(1)に接触
させ、接合面どうしを押付ける方向にそれぞれ4kgf
の押圧力で加圧した。
【0041】次に、高周波電源から各誘導加熱コイル
に、入力14kW、周波数200kHzの高周波電流を
通じた。中空材本体(2a)上方の加熱加圧棒(4)は、
上下の誘導加熱コイル(5)(6)による誘導加熱作用
によって発熱し、その熱が板材(1)との接触面を通し
て板材(1)に伝導される。同時に下側の誘導加熱コイ
ル(6)により、板材(1)は直接に誘導加熱されて発
熱し、この熱と加熱加圧棒(4)からの伝導熱とが共に
ろう材(3)に伝導され、ろう材(3)は加熱される。
一方、左右フランジ(2b)(2c)の上方の加熱加圧棒
(8)(11)は、誘導加熱コイル(9)(12)によって
加熱され、その熱が板材(1)に伝導される。同時に、
誘導加熱コイル(9)(12)により、板材(1)は直接
に誘導加熱されて発熱し、この熱と加熱加圧棒(8)
(11)からの伝導熱とが共に各ろう材(10)(13)に伝
導される。
【0042】一方、中空材発熱用誘導加熱コイル(7)
による誘導加熱作用によって、中空材(2)はコイル近
傍部位において発熱し、この熱が各ろう材(3)(10)
(13)へと伝導される。従って、各ろう材は板材(1)
と中空材(2)との両方から熱供給を受けて短時間で溶
融し、板材と中空材は接合された。ろう付に要した時間
は約30秒であり、ろう付部位は3箇所とも良好であっ
た。
【0043】(実施例5)図6に示すように、図1に示
した実施例1における加熱加圧棒(4)の上側の誘導加
熱コイル(5)を省略した以外は、実施例1と同一条件
でろう付を行ったところ、約50秒で良好なろう付を行
うことができた。なお、図6において図1と同一構成部
分については同一符号を付す。
【0044】(比較例1)図7に示すように、図1に示
した実施例1における加熱加圧棒(4)の上側の誘導加
熱コイル(5)と、中空材発熱用の誘導加熱コイル
(7)を省略した以外は、実施例1と同一の条件でろう
付を行った。なお、図7において図1と同一構成部分に
ついては同一符号を付す。そして、ろう材(3)を溶融
させるべくコイル(6)に電流を流したところ、ろう材
が溶融する前に板材(1)が溶融し、ろう付が不可能で
あった。
【0045】
【発明の効果】この発明は上述の次第で、ろう付時に、
中空材に近接して設けた誘導加熱コイルによる誘導加熱
作用によって、中空材を直接発熱させるから、熱容量の
大きな中空材を十分に加熱することができる。従って、
この熱をろう材の溶融に利用することができるから、ろ
う材を短時間で溶融でき、ひいてはろう付時間を短縮す
ることができる。もとより、加熱加圧棒をろう材の裏側
において中空材壁面に接触させるための孔開け加工は不
要であり、中空材に何等加工を要することなくろう付を
行うことができる。
【0046】また、被接合部材の一方が中空材、他方が
板材であり、板材を伝熱加熱するとともに、誘導加熱コ
イルによる誘導加熱作用によって中空材を直接発熱させ
る場合には、広範な部分を容易に接合することができエ
ネルギコストも小さいという伝熱ろう付の利点を享受し
つつ、中空材からの熱を利用できるから、ろう材に対し
て効果的な熱供給を行うことができ、益々短時間でろう
付を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明の第1実施例を示す断面斜視
図、(b)は(a)のI−I線断面図である。
【図2】図1に示す実施例に用いた高周波誘導加熱コイ
ルの平面図である。
【図3】この発明の第2実施例を示すもので、図1
(b)と同一位置での断面図である。
【図4】この発明の第3実施例を示すもので、図1
(b)と同一位置での断面図である。
【図5】この発明の第4実施例を示すもので、図1
(b)と同一位置での断面図である。
【図6】この発明の第5実施例を示すもので、図1
(b)と同一位置での断面図である。
【図7】比較例を示すもので、図1(b)と同一位置で
の断面図である
【図8】(a)は板材どうしの熱伝導ろう付法の一態様
を示す断面斜視図、(b)は(a)のVIII−VIII線断面
図である。
【図9】板材と中空材との熱伝導ろう付法の一態様を示
す断面斜視図である。
【図10】同じく板材と中空材との熱伝導ろう付法の他
の態様を示す断面斜視図である。
【符号の説明】
1…板材(被接合部材) 2…中空材(被接合部材) 3、10、13…ろう材 4、8、11……加熱加圧棒 5、6…加熱加圧棒の加熱用誘導加熱コイル 7…中空材加熱用誘導加熱コイル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が中空材(2)である金
    属製の被接合部材(1)(2)を、接合界面にろう材
    (3)(10)(13)を介して重ね合わせ状態に配置した
    のち、両被接合部材を加圧状態で加熱し、前記ろう材を
    溶融して両被接合部材を接合する中空材のろう付方法で
    あって、前記中空材(2)に近接して誘導加熱コイル
    (7)を設け、ろう付時に、該誘導加熱コイル(7)に
    よる誘導加熱作用によって前記中空材(2)を直接発熱
    させることを特徴とする中空材のろう付方法。
  2. 【請求項2】 一方が中空材(2)、他方が板材(1)
    である金属製の被接合部材(1)(2)を、接合界面に
    ろう材(3)(10)(13)を介して重ね合わせ状態に配
    置するとともに、板材(1)に対して接合界面と反対側
    に加熱加圧棒(4)(8)(11)を、中空材(2)に対
    して接合界面と反対側の近接位置に誘導加熱コイル
    (7)をそれぞれ設け、前記加熱加圧棒(4)(8)
    (11)を板材(1)に押し付けて板材を加圧状態で伝熱
    加熱するとともに、前記誘導加熱コイル(7)による誘
    導加熱作用によって中空材(2)を直接発熱させ、板材
    (1)及び中空材(2)からの熱により前記ろう材
    (3)(10)(13)を溶融して両被接合部材を接合する
    中空材のろう付方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012143805A (ja) * 2011-01-14 2012-08-02 Eco & Engineering Co Ltd 加熱ヘッド、及びこれを用いた太陽電池素子の接続装置、太陽電池ストリングの接続装置
JP2017079178A (ja) * 2015-10-21 2017-04-27 トヨタ車体株式会社 クランプおよび接合方法
KR20210101544A (ko) * 2020-02-10 2021-08-19 서영진 표면 산화 방지를 위한 브레이징 방법 및 장치

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