JPH07275922A - 伸線装置及び潤滑層の形成方法 - Google Patents

伸線装置及び潤滑層の形成方法

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JPH07275922A
JPH07275922A JP6683794A JP6683794A JPH07275922A JP H07275922 A JPH07275922 A JP H07275922A JP 6683794 A JP6683794 A JP 6683794A JP 6683794 A JP6683794 A JP 6683794A JP H07275922 A JPH07275922 A JP H07275922A
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screw
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powder
lubricant
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Nobuyuki Yokouchi
伸行 横内
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Hosokawa Micron Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 充分な均一度を有する潤滑材潤滑層を、作業
環境温度、排気処理等の点から環境の劣化を生じること
なく形成することができる装置系を備えた伸線装置を得
る。 【構成】 伸線加工対象の線材60の表面に潤滑層とし
ての潤滑材潤滑層505を形成して、ダイス104内を
挿通させて線材60を伸線する伸線装置に、軸芯Z回り
の回転により粉末潤滑材を軸方向に導くスクリュー5と
スクリュー5のスクリュー羽5aを軸芯方向に振動させ
る振動機構150とを備えた振動回転型スクリューコン
ベアからなる搬送機構106と、粉末潤滑材を貯留する
潤滑材貯留部105とを備え、潤滑材貯留部105から
搬送機構106によって搬送される粉末潤滑材を静電吸
着により線材60の表面に付着させて潤滑材潤滑層50
5を形成する粉体塗装部102を備えて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、伸線装置及びこのよう
な伸線装置に採用される潤滑層の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の伸線装置は、図5に示す
ように、酸洗浄装置500、粉末潤滑材としての消石灰
の縣濁液を線材表面501に滴下して湿式方式で塗布す
る湿式塗布装置502、前記湿式塗布装置502により
形成される消石灰の湿潤塗布層503を乾燥焼成する加
熱装置504、この消石灰潤滑層505の外部側に金属
石鹸もしくは石灰の層506を形成する表面層形成装置
507を備えるとともに、このように加工された線材と
しての鋼線600を挿通して伸線する抽伸機(ダイス)
508を備えて構成されていた。従って、ダイス508
における鋼線600の表面状態は、図4に示されるよう
な構成となっており、伸線される鋼線600の表面に、
消石灰潤滑層505が、さらにこの消石灰潤滑層505
の外層側に金属石鹸(もしくは石灰)層506が形成さ
れて、加工がおこなわれる。ここで、上述の消石灰潤滑
層505を形成する目的は、鋼線をダイスから引抜く際
の潤滑材とする、さらに、伸線材を次工程として、例え
ばボルトに加工する場合における、その加工機に対する
潤滑材(焼付け防止)とする、表面をスムーズにする等
にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記伸
線装置においては、消石灰潤滑層の形成を、縣濁液の滴
下操作でおこなうため、層を均等に形成しにくく、さら
に充分な被覆状態を確保しようとすると層厚を比較的大
きく取る必要がある等の問題がある。さらに、この層の
加熱、焼成に、雰囲気温度が800℃程度にもなる加熱
装置を使用するため、さらには加熱装置から発生する排
気、排煙のため作業環境が悪化するという問題があっ
た。そしてさらに、加熱操作に伴って伸線に伴うエネル
ギーコストが増大するという問題があった。
【0004】また、もう一つの従来技術としては、図6
に示すように、巻き取り状態にあるコイル700をその
まま、酸洗浄槽701、石灰槽702に浸漬し、表面に
粉体潤滑材を付着させた上、熱風乾燥室703におき、
これを伸線する方法もおこなわれているが、このような
方法においては、以下のような問題があった。 1 酸洗、石灰槽処理、乾燥、伸線引きの各工程がそれ
ぞれ独立している。 2 酸洗槽701、石灰槽702からスラッジが発生す
る。これらが産業廃棄物指定となっているため、処理に
手間が掛かる。 3 酸洗槽701、石灰槽702から絶えず蒸気がでて
おり、これらが現場作業者の健康に良くない。 4 酸洗槽701、石灰槽702、乾燥室703の設置
スペースが必要となる。 5 酸洗槽701、石灰槽702に少なくとも1.5
名、乾燥室703に少なくとも0.5名の作業者が必要
となる。 6 酸洗工程、石灰処理工程、乾燥工程に少なくとも各
1日を要するため、伸線材料を約3日前には在庫として
準備する必要がある。
【0005】さらに、この消石灰潤滑層を形成するため
には、粉粒状の消石灰を搬送する必要があるが、これ
が、凝集性の大きい粉体であるため、従来気体搬送には
なじまず、前述のように縣濁液の状態で鋼線上に供給す
る構成が取られていた。しかしながら、この構成では、
液状物質を取扱う必要があるため、排水の処理、さらに
は装置の腐食等の問題が発生した。
【0006】従って、本発明の目的は、充分な均一度を
有する潤滑材潤滑層を、作業環境温度、排気処理等の点
から環境の劣化を生じることなく形成することができる
伸線装置を得ることにある。さらに、このような潤滑目
的の被覆層を得る場合に、環境状態を損なうことなく潤
滑層を得ることができる潤滑層の形成方法を得ることに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明による伸線装置の特徴構成は、軸芯回りの回転
により粉末潤滑材を軸方向に導くスクリューとスクリュ
ーのスクリュー羽を軸芯方向に振動させる振動機構とを
備えた振動回転型スクリューコンベアからなる搬送機構
と、粉末潤滑材を貯留する潤滑材貯留部とを備え、潤滑
材貯留部から搬送機構によって搬送される粉末潤滑材を
静電吸着により線材の表面に付着させて潤滑材潤滑層を
形成する粉体塗装部を備えたことにある。さらに上記の
伸線装置において、前記潤滑材の粒度が5〜50ミクロ
ンであることが好ましい。一方、ダイス内を挿通させて
線材を伸線する伸線装置において、伸線加工対象の線材
の表面に潤滑層を形成する潤滑層の形成方法の特徴手段
は、消石灰、リン酸塩、ホウ砂、石鹸から選択される一
種以上の粉粒体を、線材の表面に静電吸着により付着さ
せて、粉粒体により形成される層を粉体潤滑層として形
成することにある。そして、それらの作用・効果は次の
通りである。
【0008】
【作用】つまり、本願の伸線装置においては、潤滑材貯
留部より振動回転型スクリュウーコンベアからなる搬送
機構により搬送される粉末潤滑材を、粉体塗装部におい
て静電吸着により線材に付着させて、潤滑材潤滑層が形
成される。ここで、潤滑材の搬送に関しては、その凝縮
性の故に均等搬送が従来難しかったが、スクリュウー羽
をその軸芯方向に振動させて、粉末潤滑材をスクリュー
に対する付着、さらには粉粒体自体の凝集を回避するこ
とができる振動回転型スクリューコンベアを採用するこ
とにより、誤差の小さい搬送が可能となっている。さら
に、このように均等に搬送されてくる粉末潤滑材を線材
に静電的に付着させることにより、均等且つ均質な被覆
層を形成して、良好な潤滑状態を得て、伸線をおこなう
ことができる。一方、伸線装置において、その潤滑層の
形成を、消石灰、リン酸塩、ホウ砂、石鹸等の粉体潤滑
層を静電吸着方式でおこなう場合は、比較的均等で均質
な潤滑層を得にくいこのような材料において、良好な潤
滑層を得ることができる。
【0009】
【発明の効果】従って、本願の伸線装置においては、従
来、必要であった湿式塗布装置、加熱装置がなくなるた
め、作業環境が雰囲気温度の点、排気、排煙の点等から
悪化することもない。さらに、加熱装置が必要とされな
いため、エネルギーコストも、大きく抑制することがで
きる。さらに、排水処理、腐食等の問題が発生すること
もない。結果、充分な均一度を有する潤滑材潤滑層を、
作業環境温度、排気処理等の点から環境の劣化を生じる
ことなく形成することができる装置系を備えた伸線装置
を得ることができ、さらに、このような潤滑目的の被覆
層を得る場合に、環境状態を損なうことなく潤滑層を得
ることができる潤滑層の形成方法を得ることができた。
【0010】さらに図6に示した従来例と比較して、工
程は図1に示すようになるため、一工程で潤滑材塗付、
伸線引きと連続で処理ができるようになり、一工程化が
可能となる。さらに、酸洗浄を例えばディスケーラマシ
ンに、石灰槽は潤滑材静電塗付装置にと夫々変えること
ができるため、このシステムにおいては一切スラッジは
発生しない。また、このシステムにおいては、酸洗槽、
石灰槽が不必要となるので、上記の様な問題は発生しな
い。さらに、装置の規模が問題となるが、石灰槽に代わ
る潤滑材塗付装置は500mm角あれば充分設置可能で
あり、非常に省スペースとなる。又、作業は現在伸線引
きを担当している人数で可能で、作業準備の点も当日に
処理する材料を前日に用意しておけば良い。
【0011】
【実施例】本願の伸線装置100の構成を図面に基づい
て説明する。図1には本願の伸線装置100の構成が示
されている。伸線装置100は、従来の酸洗浄装置に代
わりワイヤホイール、サンドブラスト等の表面洗浄装置
101と、表面洗浄後の線材としての鋼線60に粉末潤
滑材としての消石灰を粉体塗装する粉体塗装部102と
を備え、この粉体塗装部102の下手側に、従来構成と
同様に表面層形成装置103及びその下手側に抽伸機
(ダイス)104を備えて構成されている。そして、こ
の粉体塗装部102に対して、この部位に粉粒状の消石
灰を搬送供給するための消石灰貯留部105及び搬送機
構106が備えられている。ここで、消石灰貯留部10
5は実質上搬送機構106と一体に構成されるため、こ
れらを一括して説明する。
【0012】図2には、潤滑材貯留部としての消石灰貯
留部105とこれと一体構成される搬送機構106の構
成が示されており、図3には、消石灰貯留部105の断
面構成が示されている。搬送機構105には本願独特の
構成である振動回転型スクリューコンベア107が採用
されており、この振動回転型スクリューコンベア107
は、軸芯Z回りの回転により前記粉粒状の消石灰を軸方
向に導くスクリュー5と、スクリュー5のスクリュー羽
5aを軸芯方向に振動させる振動機構150とを備えた
ことに特徴がある。以下さらに詳細に説明する。先ず、
消石灰貯留部105と搬送機構106に備えられる駆動
系について、図2、図3に基づいて説明すると、図示す
るように、略水平に配置される機台1上にフレーム10
を設け、該フレーム10上にはスクリュー駆動用モータ
13および攪拌部材駆動用モータ14を取付けるほか、
ブラケット11を設けてケーシング2とスクリュー5の
軸受7および攪拌部材6用の軸受8を取付け保持させて
構成されている。そして、これらは防振台10上に取付
けられるカバー20内に収容されている。
【0013】また、機台1とフレーム10との間には高
さ調節用のスペーサ9を設けるほか、ケーシング2に対
してもジャッキ式のサポータ22を下部の機台1との間
に設けてブラケット11とは別にケーシング2の重量の
支えと高さ調節を行えるようにしている。
【0014】次に、搬送機構106に備えられるスクリ
ュー搬送系について説明すると、スクリュー5はリボン
状のスクリュー羽根5aを有するもので、スクリュー軸
5bを軸受7で支持させると共に、先端部にはプーリー
16を取付けて図示省略のベルトを介してスクリュー駆
動用モータ13に接続させて構成される。また、スクリ
ュー軸5bの端部には連結具19を設け、該連結具19
を介してスクリュー軸5bの先端方向側に配置させた振
動発生機15と連結させている。
【0015】振動機構150の主構成体である該振動発
生機15は、ピストン式のバイブレータで、1mm前後
の振幅を毎分1800回程度繰り返して振動を起こすも
ので、該振動によってスクリュー羽根5aをケーシング
2内で回転させつつ微振動させるように構成している。
なお、該振動発生機15はフレーム10上に設けたブラ
ケット12に取付け保持させている。
【0016】スクリュー軸5bとケーシング2の側面と
の隙間cについては、スクリュー軸5bの軸径に合わせ
た開口を有するゴム等のシール21をケーシング2側に
取付けてスクリュー軸5bの回転および摺動時の粉粒体
の洩れを防止するようにしている。
【0017】次に、主に、消石灰貯留部105の構成に
ついて説明すると、ケーシング2には粉粒体の消石灰貯
留槽3とスクリュー5を内包し粉粒体を繰り出すための
移送管4が設けられている。移送管4は消石灰貯留槽3
の下部に該管径の二分の一程度下げた状態で結合された
もので、消石灰貯留槽3においてスクリュー5の下部半
分が消石灰貯留槽3の底部より更に下方に埋もれる形に
なり、スクリュー5の上半分だけが消石灰貯留槽3の底
部よりも上に出ることになる。
【0018】また、消石灰貯留槽部3にはスクリュー5
の上方部に攪拌羽根6aとアーム6b、及び回転軸6c
とで構成された攪拌部材6が軸受8とにより支持されて
いる。機転軸6cの先端にはレバー17を取付け、該レ
バー17にロッド18の一端を連結させ、他端を駆動用
モータ14側の図示省略の駆動伝導機構で連結させ、ロ
ッド18を介して駆動力を回転軸6cに伝達するように
構成している。つまり、プーリの回転をロッド18およ
びレバー17によって回転軸6cを所定の角度内で往復
回転させ、貯留部8内における攪拌部材6を回転駆動さ
せるようにしている。これによって、攪拌羽根6aがケ
ーシング2の内面2aに沿って底部のスクリュー5に対
し粉粒体を押し込むように略水平位置からスクリュー5
に衝突しない範囲の角度内で左右交互に往復旋回運動を
行うようになっている。これに伴い消石灰貯留部3にお
けるケーシング2の内面2aは攪拌羽根6aの旋回軌道
に沿った形状になっている。
【0019】以上が、消石灰貯留部105と搬送機構1
06との構成であるが、図1、図2に示すように、粉体
塗装部102は、以下のように構成されている。この粉
体塗装部102は、搬送されてきた消石灰を帯電させ
て、鋼線60側へ送り出すチャージングチューブ108
とこのチャージングチューブ108の先端側に設けら
れ、粉体塗装対象の鋼線60が配設される被塗装材配置
部109を備えている。このチャージングチューブ10
8の基端側は、前述の搬送機構106に接続されてお
り、チューブ内における消石灰粉の搬送は別途設けられ
ているエアー搬送機構110によっておこなわれる。そ
して、チャージングチューブ108の先端に設けられる
帯電機構111により消石灰粉の帯電がおこなわれる。
この構成により、他方の極側に帯電されている鋼線60
に消石灰粉が静電吸着され、消石灰潤滑層505が形成
される。従って、本願においては、消石灰潤滑層505
の形成が粉体塗装で行われるため、比較的均一な層を形
成することができる。
【0020】次に、鋼線60の処理状況について説明す
ると、母材としての鋼線60は、表面洗浄装置101に
より、母材表面からの錆落とし、汚れ、油分の洗浄を受
けるとともに、表面が粗面化される。従って、この処理
により、消石灰潤滑層505の付着性の向上、さらには
ダイス通過時の密着性の向上が図られる。この表面洗浄
に引き続いて、洗浄済の鋼線表面に、粉体塗装部102
により消石灰の被覆層505が形成される。本願におい
ては、上述のように独特の構成の搬送機構106を採用
するため、均整度が高く、均一な層を得ることができ
る。そして、この処理の後、消石灰潤滑層505の表層
側に表面層形成装置103により金属石鹸(石灰)層5
06が形成され、ダイス104にて、伸線操作がおこな
われる。次に、装置の運転条件の一例を箇条書きする。 鋼線供給速度 20m/min 消石灰潤滑層 層厚 5〜30μ 消石灰粒度 平均粒径5μm 振動回転型スクリューコンベア条件 スクリュー径 19mm 振動数 30Hz 振幅 1.5mm 回転数 20〜120rpm 攪拌羽根揺動角56度 毎分3〜20回往復運動 排出量 4〜24リットル/Hr 排出精度 約0.7%の誤差 金属石鹸層 金属石鹸各種 層厚 10〜70μ
【0021】粉体静電塗装条件 被塗装物との距離 約120mm 電極電荷 マイナス 60〜90キロボルト 荷電方式 外部荷電 ガンスプレー 円形パターン
【0022】〔別実施例〕本願の別実施例を以下に箇条
書きする。 (イ) 上記の実施例においては、固体潤滑材としての
機能を有する粉粒状の消石灰を粉体塗装方式により塗装
し、良好な潤滑塗装層を得ることができたが、このよう
に粉体塗装方式を取り得る材料(粉末潤滑材)として
は、固体潤滑材としての、層上構造物(二硫化モリブデ
ン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、
フタロシアニンなど)、軟質金属化合物(酸化鉛、硫化
鉛など)、軟式金属(インジウム、鉛、銀など)、金属
石鹸(カリウム、ベリウム、マグネシウム、アルミニウ
ムの各石鹸など)、合成樹脂(四フッ化エチレン樹脂な
ど)がある。さらに、これらを組合わせた複合系(四フ
ッ化エチレン樹脂、軟質金属あるいは金属石鹸、二硫化
モリブデン、グラファイト)等もその塗装対象とするこ
とができる。ここで、このような材料に対して静電吸着
による粉体塗装をおこなう場合は、均一で均質な塗装が
可能となり、さらには省スペースとなる等の利点があ
る。リン酸塩、ホウ砂、石鹸に対しては特にこの手法を
とることが好ましい。
【0023】(ロ) 上記の実施例においては、鋼線6
0を伸線する場合の例について説明したが、伸線対象と
なる線材としては、ステンレス鋼、銅、軽金属等もその
対象とできる。 (ハ) 上記の実施例においては、消石灰として、平均
粒径5μm程度のものを使用したが、この粒径範囲とし
ては5から50μm程度が好ましく、この範囲以下だと
凝縮性が強く供給操作は困難であり、この範囲以上では
被塗物への付着がしにくく、オーバスプレとなり易く不
都合である。 (ニ) 上記の搬送機構の構成において、攪拌部材6
は、前記のように一定の角度範囲では往復動作するもの
でなく、連続的に回転するものであってもよい。また、
攪拌羽根6aの数と形状も含め攪拌部材6の構造や形状
および支持方法などは設計変更可能である。さらに、ス
クリュー5は複数であってもよく、ケーシング2の形状
についてもスクリュー5の設置数に合わせて変更される
ほか、貯留部3の低面と移送管4の低面とが同じになる
ようにしてもよい。さらに、振動発生機15は電気式ま
たは空気式バイブレータのほか、カムやリンクを利用し
たものであってもよい。また、それに合わせてスクリュ
ー軸5bの端部に連結具19に代わる部材を設けるほ
か、振動発生機15自体をスクリュー5の軸受7内部に
配設してもよい。なお、振動発生機15の振動数は少な
くとも5Hz以上、望ましくは20〜40Hz程度が好
ましい。これは振動数が少ないと、原料によっては付着
が起き易くなるためである。また、付着防止に有効な振
幅は原料粉粒体の種類や性状によっても異なるため、そ
の都度0.1〜数mmの振幅の範囲内で振動数とも合わ
せて決定されるものである。また、機台1とフレーム1
0との間のスペーサ9を防振ゴムなどの防振用パッドに
代える他、スペーサ9自体を除去してフレーム10を直
接機台1に取付けてもよい。なお、スクリュー5の構造
や形状などは不問である。
【0024】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】伸線装置の全体構成を示す図
【図2】伸線装置に備えれる搬送機構、粉体塗装機構の
構成を示す図
【図3】消石灰貯留部の構成を示す図
【図4】鋼線の表面状態を示す図
【図5】従来の伸線装置の全体構成を示す図
【図6】従来の別構成の伸線工程を示す図
【符号の説明】
5 スクリュー 5a スクリュー羽 60 線材 100 伸線装置 102 粉体塗装部 105 消石灰貯留部 106 搬送機構 150 振動機構 505 消石灰潤滑層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C10N 10:04 20:06 Z 40:24 Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伸線加工対象の線材(60)の表面に潤
    滑層としての潤滑材層(505)を形成して、ダイス
    (104)内を挿通させて前記線材(60)を伸線する
    伸線装置であって、 軸芯(Z)回りの回転により粉末潤滑材を軸方向に導く
    スクリュー(5)と前記スクリュー(5)のスクリュー
    羽(5a)を前記軸芯方向に振動させる振動機構(15
    0)とを備えた振動回転型スクリューコンベアからなる
    搬送機構(106)と、前記粉末潤滑材を貯留する潤滑
    材貯留部(105)とを備え、前記潤滑材貯留部(10
    5)から前記搬送機構(106)によって搬送される前
    記粉末潤滑材を静電吸着により前記線材(60)の表面
    に付着させて前記潤滑材層(505)を形成する粉体塗
    装部(102)を備えた伸線装置。
  2. 【請求項2】 ダイス(104)内を挿通させて線材
    (60)を伸線する伸線装置において、伸線加工対象の
    前記線材(60)の表面に潤滑層を形成する潤滑層の形
    成方法であって、消石灰、リン酸塩、ホウ砂、石鹸から
    選択される一種以上の粉粒体を、線材の表面に静電吸着
    により付着させて、前記粉粒体により形成される層を粉
    体潤滑層として形成する潤滑層の形成方法。
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