JPH07275728A - 竪型粉砕機 - Google Patents

竪型粉砕機

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JPH07275728A
JPH07275728A JP6070813A JP7081394A JPH07275728A JP H07275728 A JPH07275728 A JP H07275728A JP 6070813 A JP6070813 A JP 6070813A JP 7081394 A JP7081394 A JP 7081394A JP H07275728 A JPH07275728 A JP H07275728A
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crushing
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rotary table
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Tatsuro Ishikawa
辰郎 石川
Katsuhide Fujita
活秀 藤田
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 偏摩耗が少なく摩耗の進行による能力低下を
防止した粉砕ローラを備えた竪型粉砕機を提供しようと
するものである。 【構成】 粉砕ローラ4は截頭円錐台形状で、小径側の
隅角部の曲率半径R1 を大径側の隅角部の曲率半径R2
の2〜5倍に大きくするとともに、粉砕ローラ4の周面
のうち大径側の周面に耐摩耗性の硬化肉盛を形成したも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転テーブルと粉砕ロ
ーラとの協働により、セメント原料、スラグ、クリンカ
やセラミック、化学品などの原料を粉砕する竪型粉砕機
に係り、特に粉砕ローラの偏摩耗を防止し、粉砕ローラ
の寿命を改善するとともに偏摩耗による処理能力の低下
の防止を図った竪型粉砕機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石灰石やスラグ、セメント原料などの原
料を細かく粉砕し粉体とする粉砕機の一種として、図4
に示すように、回転テーブルと粉砕ローラとを備えた竪
型粉砕機1が広く用いられている。この種の粉砕機は、
円筒状ケーシング15の下部においてモータ2Aにより
減速機2で駆動されて低速回転する円盤状の回転テーブ
ル3Aと、その上面外周部を円周方向へ等分する箇所に
油圧などで圧接されて従動回転する複数個の粉砕ローラ
4とを備えている。
【0003】粉砕ローラ4はケーシング15に軸6によ
って揺動自在に軸支されたアーム5とアーム7を介して
油圧シリンダ9のピストンロッド10に連結されてお
り、油圧シリンダ9を作動させることにより、粉砕ロー
ラ4を回転テーブル3A上に押圧して原料への粉砕圧力
を与えている。3Bは回転テーブル3Aの外周縁に設け
られ原料層厚を調整するダムリング、14は回転テーブ
ル3A周囲のガス吹上用環状空間通路、14Aはガス供
給路、13は羽根13Aにより粉砕された原料を分級す
る回転式セパレータ、16はガスとともに製品を取り出
す排出口、17は原料投入シュートである。
【0004】このような竪型粉砕機において、回転テー
ブルの中央部へ原料投入シュート17で供給された原料
は、回転テーブル3Aの回転によりテーブル半径方向の
遠心力を受けて回転テーブル3A上を滑る時に回転テー
ブル3Aにより回転方向の力を受け、回転テーブル3A
との間で滑って回転テーブル3Aの回転数よりいくらか
遅い回転を行う。以上2つの力、即ち、半径方向と回転
方向の力とが合成され、原料は回転テーブル3A上を渦
巻状の軌跡を描いて回転テーブル3Aの外周部へ移動す
る。この外周部には、ローラが圧接されて回転している
ので、渦巻線を描いた原料は粉砕ローラ4と回転テーブ
ル3Aとの間へローラ軸方向とある角度をなす方向から
進入して噛込まれて粉砕される。
【0005】一方、ケーシング15の基部には熱風ダク
ト20によって空気、あるいは熱風などのガスが導かれ
ており、このガスが回転テーブル3Aの外周面とケーシ
ングの内周面との間の環状空間通路14から吹き上がる
ことにより、粉砕された微粉体はガスに同伴されてケー
シング15内を上昇し、上部に位置するセパレータ13
の羽根13Aにより分級作用を受け、所定粒度の製品は
ガスとともに排出口16から排出され次の工程へ送られ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の竪型
粉砕機1において使用される粉砕ローラ4は、図3に示
すような截頭円錐台形状のものを使用することが多い。
このタイプの粉砕ローラ4は、図3に示すように、粉砕
ローラ4の回転軸4aの延長部分が回転テーブル3Aの
中心よりも遠方で回転テーブル3Aと交差するよう配設
されており、回転テーブル3Aに従動される粉砕ローラ
4の周面のうち回転テーブル3Aと接触している半径方
向のライン上では、1点を除いて回転テーブル3Aの周
速と異なる周速で回転することになる。竪型粉砕機1に
おいては、これらの作用はただ単に圧縮力による粉砕だ
けでなく周速のズレによる剪断力による摩砕作用をも加
え、より効率的な粉砕が行われる所以である。しかしな
がら、この剪断作用を含む効率のよい粉砕では、マイナ
スの要素として粉砕ローラ周面や回転テーブルライナ面
には必然的に摩耗が生じる。殊に、粉砕ローラ4におい
ては、図3に示す摩耗カーブA、B、Cの順に経時的に
摩耗が進行し、しかも、粉砕ローラ4の小径側よりも大
径側に大きく摩耗が進行する、いわゆる、偏摩耗が起
り、これが粉砕ローラ4の寿命を縮めると同時に、粉砕
効率を著しく低下させる原因となっていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決して、
偏摩耗の少ない粉砕ローラを備えて粉砕効率の低下を防
止するため、本発明においては、回転テーブルの外周部
上面に複数個の回転自在な粉砕ローラを配置し、回転テ
ーブル上に供給した原料を粉砕ローラに所定の粉砕圧力
を与えて回転テーブル上面と粉砕ローラ周面との間で粉
砕する竪型粉砕機において、該粉砕ローラは截頭円錐台
形状をしており、かつ、小径側の隅角部の曲率半径を大
径側の隅角部の曲率半径に比べて大きく、好ましくは2
〜5倍にするとともに、該粉砕ローラの周面のうち大径
側の周面に耐摩耗性の硬化肉盛を形成した。また、さら
に、硬化肉盛は、硬化肉盛用溶接棒を使用して被覆アー
ク溶接、ガス溶接、サブマージアーク溶接、ティグ溶
接、セルフシールドアーク溶接のいずれかにより形成し
た。
【0008】
【作用】本発明における粉砕ローラは、小径側の隅角部
の曲率半径が大径側に比べて2〜5倍と大きくしてある
ので、粉砕ローラの使用開始には粉砕仕事は大径側で行
われ大径側はほぼ一様な摩耗が進行する。一方、大径側
には耐摩耗性の硬化肉盛が施工されており、摩耗の進行
が従来のものよりも遅く、かつ、その進行程度も一様
で、周面の半径方向における粉砕仕事の平準化が行わ
れ、偏摩耗による粉砕効率の低下が防止される。
【0009】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例の詳細に
ついて説明する。図1〜図2は本発明の実施例に係り、
図1は粉砕ローラの要部縦断図面、図2は粉砕ローラの
摩耗進行状況を説明する要部縦断面図である。図1に示
すように、粉砕ローラ4は截頭円錐台形状をしており、
かつ、その断面形状は小径側の隅角部の曲率半径R
1 は、大径側の隅角部の曲率半径R2 の2〜5倍に形成
される。また、原料被粉砕物を介在して回転テーブル3
Aの上面に当接する粉砕ローラ4の周面のうち、大径側
寄りの周面には深さ5〜10mm程度の硬化肉盛4Sが
施工される。上記の粉砕ローラ4以外の構造について
は、従来技術で説明した竪型粉砕機1の構造と全く同一
である。粉砕ローラ4の周面などに耐摩耗性を与えるた
め耐摩耗性合金を肉盛りし、硬化させることを硬化肉盛
溶接といい、肉盛溶接には被覆アーク溶接、ガス溶接、
サブマージアーク溶接、ティグ溶接、セルフシールドア
ーク溶接などが行われ、溶接材料としては種々のものが
市販されており利用できる。その中でも被覆アーク溶接
が最も一般的に実施され、硬化肉盛用被覆アーク溶接棒
は、JIS Z3251に規定されるパーライト系鋼、
マルテンサイト系鋼、クロム系鋼、マンガンオーステナ
イト系鋼、16Mn−16Crオーステナイト系鋼、高
クロム鉄系、タングステン炭化物系、コバルト合金系な
どが利用できる。これに対して、ガス溶接による方法で
は、溶加棒に硬化材を使用し、ステライト系(Co−C
r−W)合金に酸素アセチレン溶接が利用される。ま
た、ティグ溶接では、溶接部が酸化しないという優れた
点があるが、溶接技術がまずいと母材への溶け込みが大
きくなって硬化材が希釈され硬さ(耐摩耗性)が減じる
ので注意が必要である。一方、サブマージアーク溶接や
炭酸ガスアーク溶接などは施工が極めて能率的に行わ
れ、本発明の対象である粉砕ローラのような大型部品や
大量生産に適しているが、装置が高価である。
【0010】次に、このように形成された粉砕ローラ4
を備えた竪型粉砕機1の作動について説明する。図2の
断面形状を有する粉砕ローラ4を備えたテスト機(2ロ
ーラ、回転テーブル径360mm、粉砕原料:セメント
原料)によるテスト状況およびテスト結果より、以下の
知見を得た。テスト期間とローラ周面の摩耗状況より考
慮すると、 運転初期(スタート〜500時間) 周面のうち小径側はほとんど摩耗がなく、粉砕は大部分
は大径側周面に実施され、大径側の摩耗はほぼ一様であ
る。 運転中期(500時間〜1000時間) 大径側周面の摩耗の進行が大きくなるが、半径方向での
落差も小さくほぼ一様な摩耗状態である。小径側摩耗も
徐々に進行するがその程度は小さい。 運転後期(1000時間以上〜) 小径側周面には硬化肉盛を施工していないので比較的早
い。一方、大径側では粉砕仕事の大半が集中するが硬化
肉盛のため摩耗進行は遅く、全体として従来パターンの
摩耗(大径側で大きく小径側で小さい偏摩耗状態)が修
正改善され、多少のうねりは認められるがほぼ一様な摩
耗状態となる。というような状況であり、偏摩耗が抑止
されるから粉砕仕事の平準化が行われ、従来の偏摩耗に
よる粉砕能力低下が防止される。図3は摩耗の進行状況
を示し、摩耗カーブはカーブA、カーブB、カーブCの
ように変化する。本発明の竪型粉砕機1では、以上のよ
うな挙動を示し、粉砕ローラのライフや粉砕能力につい
ても好結果が得られるが、粉砕ローラ4の小径側隅角部
の曲率半径R1 を曲率半径R2 の2〜5倍に数値限定し
た理由を述べると、過去のテスト機による種々の粉砕ロ
ーラの摩耗試験および実機運転による実績を解析した結
果、2倍未満の曲率半径R1 のものでは、従来構造と同
一の摩耗状況で能力低下があり、その効果は2倍のもの
から徐々に発揮され、5倍程度ないしそれ以上の曲率半
径のものは、偏摩耗は起らないが粉砕能力が格段に低下
する現象が起ると推測される(この理由は、曲率半径が
大きすぎると実質的にローラ幅が小さいので粉砕仕事す
る領域が小さく能力低下につながるものと思われる)。
【0011】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の竪型粉砕機
においては、偏摩耗が防止され、粉砕ローラの長寿命化
を図るとともに、偏摩耗に起因する能力低下が防止され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る粉砕ローラの要部縦断面
図である。
【図2】本発明の実施例に係る粉砕ローラの摩耗進行状
況を示す要部縦断面図である。
【図3】従来の竪型粉砕機の粉砕ローラの要部縦断面図
である。
【図4】従来の竪型粉砕機の全体縦断面図である。
【符号の説明】
1 竪型粉砕機 3A 回転テーブル 4 粉砕ローラ 4a 回転軸 4S 硬化肉盛 5 アーム 6 軸 7 アーム 9 油圧シリンダ 14 環状空間通路 15 ケーシング 16 排出口 17 原料投入シュート A 摩耗カーブ B 摩耗カーブ C 摩耗カーブ R1 曲率半径(小径側) R2 曲率半径(大径側)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転テーブルの外周部上面に複数個の回
    転自在な粉砕ローラを配置し、回転テーブル上に供給し
    た原料を粉砕ローラに所定の粉砕圧力を与えて回転テー
    ブル上面と粉砕ローラ周面との間で粉砕する竪型粉砕機
    において、該粉砕ローラは截頭円錐台形状をしており、
    かつ、小径側の隅角部の曲率半径を大径側の隅角部の曲
    率半径に比べて大きく、好ましくは2〜5倍にするとと
    もに、該粉砕ローラの周面のうち大径側の周面に耐摩耗
    性の硬化肉盛を形成したことを特徴とする竪型粉砕機。
  2. 【請求項2】 硬化肉盛は、硬化肉盛用溶接棒を使用し
    て被覆アーク溶接、ガス溶接、サブマージアーク溶接、
    ティグ溶接、セルフシールドアーク溶接のいずれかによ
    り形成された請求項1記載の粉砕ローラを備えた竪型粉
    砕機。
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