JPH0727506U - 吸着電極 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸着電極の製作を容易とし、収納時のスペー
スを小さくする。 【構成】 導電ゴムで半球状に形成された吸着部材１１
と球状のポンプ部材４とを管状の連結部材１２で連結
し、連結部材１２にピン１５が着脱可能に挿通される孔
部１３を形成し、ピン１５にリード線１６を接続した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、生体の胸部などの皮膚表面に吸着され、心電図信号などの生体信号 を検出する吸着電極に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図４及び図５に従来の吸着電極の一例の構成を示す。図４において、金属で半 球状に形成された吸着部材１の周壁の中心には、連結部材２の一端が挿通される 取付孔１ａが貫通して形成されている。連結部材２は金属で管状に形成されてお り、取付孔１ａに挿通される側の一端には、リード線保持部材３が挿通されてい る。リード線保持部材３は金属板で構成されており、図５に示すように一端には 連結部材２が挿通される孔部３ａが形成されている。また、リード線保持部材３ の他端には円筒状に巻回されたピン保持部３ｂが設けられており、図示しないリ ード線が接続されたピン部材が挿通保持されるようになっている。そして吸着部 材１の開放端面を生体の胸部表面に装着し、ポンプ部材４を圧縮解放することに より、吸着部材１を固定するようになっている。このときリード線保持部材３に 保持されたリード線を介して、生体信号を取り出すことができる。

【０００３】 一方、ポンプ部材４はゴムなどの弾性体で球状に形成されてなっており、外壁 の一部に円筒状の取付部４ａが外側に突出して一体に設けられている。そして取 付部４ａの内周に連結部材２が弾性的に嵌合装着され、ポンプ部材４と吸着部材 １との内部が、連結部材２を介して連通している。また連結部材２の吸着部材１ 内に突出する一端は、リード線保持部材３を挿通した後カシメ加工により吸着部 材１に固定される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら上記のように構成された従来の吸着電極によると、生体信号を取 り出すためのリード線保持部材３を別部品として設けなければならず、部品点数 が増えコスト高となるという問題があった。また吸着電極の保管時にリード線保 持部材３を取り付けたまま保管するため、収納スペースが大きくなる欠点もあっ た。

【０００５】 本考案はこのような点に鑑みてなされたもので、構造が簡単で製作が容易な保 管時に小さいスペースですむ吸着電極を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の吸着電極は、生体の胸部に吸着して装着 されて、心電図の胸部誘導を導出するための胸部吸着電極において、開放端面が 生体の表面に装着される導電ゴムで半球状に形成された吸着部材と、弾性材で球 状に形成されたポンプ部材と、前記吸着部材と前記ポンプ部材とを相互に空気が 流通可能に連結する貫通孔と前記吸着部材により導出した心電図信号を心電計に 導くための誘導コードの先端のピン部材を着脱可能に挿通される孔部とを設けた 連結部材とを備えることを特徴とする。

【０００７】

【作用】

上記の構成によると、従来必要であったリード線保持部材が不要となり、リー ド線が接続されたピン部材を連結部材に形成された孔部に挿通するだけでよいの で、部品点数が削減されコストを低減することができる。また吸着電極を収納保 管するときに、ピン部材を連結部材から取り外して保管することにより、余分な 突起がなく収納スペースを小さくすることができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の吸着電極の一実施例を図面を参照して説明する。

【０００９】 図１乃至図３に本考案の一実施例の構成を示す。これらの図において、図４に 示す従来例の部分に対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜 省略する。図１及び図２において、導電ゴムで半球状に形成された吸着部材１１ の外周の中心には、外側に突出して管状の連結部１１ａが一体に形成されている 。ポンプ部材４の構成は従来例と同様である。吸着部材１１とポンプ部材４とは 金属または合成樹脂で管状に形成された連結部材１２を介して連結されている。

【００１０】 連結部材１２の一端及び中間部には図３に示すように、それぞれ鍔部１２ａ， １２ｂが同心上に一体に形成されており、鍔部１２ａに対して反対側の一端の外 周にはポンプ部材４の取付部４ａの内周が嵌合装着される段差部１２ｃが形成さ れている。また連結部材１２の鍔部１２ａ，１２ｂの間には軸方向に対して直角 の方向に、連結部材１２を貫通して断面が円形の孔部１３が形成されている。孔 部１３は連結部材１２の中心線に対して偏心して形成されており、連結部材１２ には孔部１３を避けて軸方向に貫通孔１４が形成されている。そして鍔部１２ａ ，１２ｂの間に吸着部材１１の連結部１１ａが弾性的に気密に嵌合装着される。

【００１１】 連結部材１２に形成された孔部１３には、図１に示すように一端にリード線１ ６が接続されたピン１５が着脱可能に挿通される。ここで孔部１３の内径はピン １５の外径より大きくなっており、ピン１５は孔部１３に対してゆるめに嵌合さ れる。また吸着部材１１の連結部１１ａの端面には、連結部材１２の孔部１３に 整合する位置に半円形の孔部１１ｂが形成されており、孔部１１ｂの内径はピン １５の外径より小さくなっている。そしてピン１５を孔部１１ｂ，１３に挿入し たとき、吸着部材１１の弾力によりピン１５の外周が孔部１３の内周に押し付け られ、摩擦力で保持されるようになっている。従って、ピン１５と吸着部材１１ とは電気的に接続されるので、連結部材１２は導電性である必要はない。吸着部 材１１を生体である被検者の胸部に吸着装着したとき、導電性を有する吸着部材 １１及びピン１５を介して、生体の電気信号をリード線１６により取り出すこと ができる。また吸着部材１１を胸部に装着しポンプ部材３を圧縮開放することに より、吸着部材１１内の空気を貫通孔１４を介してポンプ部材３内に送り込み、 吸着部材内の空気を大気圧に対して負圧とし、吸着部材１１を胸部に吸着させる ことができる。

【００１２】 本実施例によれば、ポンプ部材４と吸着部材１１とを接続する連結部材１２に 、リード線１６が接続されたピン１５を着脱可能に挿入するようにしたので、従 来の別部品として構成されたリード線保持部材３を吸着部材１に固定された連結 部材２に取り付ける場合に比べ、部品点数が減少し製造が容易となり、コストを 低減することができる。しかも保持時に余分な突起がないため、収納スペースが 小さくてすむ。また吸引部材１１を成形加工により製作するときに、孔部１１ｂ が連結部１１ａの端面に半円形に形成されるため、上下型のみで製作が可能とな り、円形の横孔を成形する場合に必要なスライド型が不要となる。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の吸着電極によれば、ポンプ部材と導電ゴムで構 成された吸着部材とを連結部材で連結し、該連結部材にリード線が接続されたピ ン部材を着脱可能に挿通するようにしたので、各部材の製作が容易となり、保管 時のスペースを小さくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の吸着電極の一実施例の構成を示す一部
断面側面図。

【図２】図１のＡ矢視図。

【図３】図１の連結部材の構成を示す一部断面正面図。

【図４】従来の吸着電極の一例の構成を示す縦断面図。

【図５】図４のリード線保持部材の構成を示す斜視図。

【符号の説明】

４ ポンプ部材 １１ 吸着部
材 １２ 連結部材 １３ 孔部 １５ ピン（ピン部材） １６ リード
線

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 生体の胸部に吸着して装着されて、心電
   図の胸部誘導を導出するための胸部吸着電極において、
   開放端面が生体の表面に装着される導電ゴムで半球状に
   形成された吸着部材と、弾性材で球状に形成されたポン
   プ部材と、前記吸着部材と前記ポンプ部材とを相互に空
   気が流通可能に連結する貫通孔と前記吸着部材により導
   出した心電図信号を心電計に導くための誘導コードの先
   端のピン部材を着脱可能に挿通される孔部とを設けた連
   結部材とを備えることを特徴とする吸着電極。