JPH07272930A - 着磁装置及びその着磁方法 - Google Patents
着磁装置及びその着磁方法Info
- Publication number
- JPH07272930A JPH07272930A JP8534894A JP8534894A JPH07272930A JP H07272930 A JPH07272930 A JP H07272930A JP 8534894 A JP8534894 A JP 8534894A JP 8534894 A JP8534894 A JP 8534894A JP H07272930 A JPH07272930 A JP H07272930A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coil body
- coil
- container
- magnetic field
- liquid refrigerant
- Prior art date
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- Pending
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- Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 コンパクトな磁界発生装置であるにも係わら
ず大きな空気間隙に強磁界を発生させることのできる磁
界発生装置とする。 【構成】冷媒容器1内に液体窒素からなる液体冷媒Lを
満たして冷却する。継鉄7の内側に筒状のコイル体4が
設けられ、また、この中央空間内に収容容器5を配設す
る。このため、コイル体4は電気抵抗が常温より著しく
小さいために、コイル線を多数を捲き回したコイル体で
あっても、大きな電流を流すことができる。これによ
り、コイル体がコンパクトであるにも係わらず空気間隙
の大きな強磁界を発生できる。また、コイル体4のコイ
ル線4a間を液体冷媒Lが流通できるので、ジュール熱
によりコイル体に発生する熱量は、液体冷媒の気化潜熱
によって急速に奪わる。
ず大きな空気間隙に強磁界を発生させることのできる磁
界発生装置とする。 【構成】冷媒容器1内に液体窒素からなる液体冷媒Lを
満たして冷却する。継鉄7の内側に筒状のコイル体4が
設けられ、また、この中央空間内に収容容器5を配設す
る。このため、コイル体4は電気抵抗が常温より著しく
小さいために、コイル線を多数を捲き回したコイル体で
あっても、大きな電流を流すことができる。これによ
り、コイル体がコンパクトであるにも係わらず空気間隙
の大きな強磁界を発生できる。また、コイル体4のコイ
ル線4a間を液体冷媒Lが流通できるので、ジュール熱
によりコイル体に発生する熱量は、液体冷媒の気化潜熱
によって急速に奪わる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は着磁装置及びその着磁
方法に関するものである。
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、強磁界を発生するための着磁
装置が、例えば磁石を製造するために用いられている。
合金系の磁石では、成形した磁石素材を強磁界の下に曝
して着磁させる方法が採用されており、この磁石素材は
厚さ10mm以下の大きさのものが多いために、空気間
隙を10mm程度となる着磁装置で十分とされている。
また、一方、空気間隙を大きくした着磁装置としてはビ
ッター型電磁石などが知られている。
装置が、例えば磁石を製造するために用いられている。
合金系の磁石では、成形した磁石素材を強磁界の下に曝
して着磁させる方法が採用されており、この磁石素材は
厚さ10mm以下の大きさのものが多いために、空気間
隙を10mm程度となる着磁装置で十分とされている。
また、一方、空気間隙を大きくした着磁装置としてはビ
ッター型電磁石などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、大きな空気間
隙に強磁界を発生させるには、起磁力を大きくするため
に、捲き数の多いコイルに大きな電流を流す必要があ
る。しかし、これでは、コイル抵抗による大きなジュー
ル熱が発生して、コイルの過熱による破損を免れること
ができないために、空気間隙の小さな着磁装置とされた
り、通電時間が数ミリ秒単位の極めて短時間とするもの
に限られるなどの制約があった。また、空気間隙を50
mm、磁束密度が3.2Tを実現できる前述のビッター
型電磁石では、総重量が13トンにもなり、コンパクト
な着磁装置とすることができないため、例えば磁石素材
を着磁するための装置として適用することが困難であっ
た。なお、上述したビッター型電磁石において、空気間
隙を10mmとすると磁束密度が4.8Tに達すること
が知られている。
隙に強磁界を発生させるには、起磁力を大きくするため
に、捲き数の多いコイルに大きな電流を流す必要があ
る。しかし、これでは、コイル抵抗による大きなジュー
ル熱が発生して、コイルの過熱による破損を免れること
ができないために、空気間隙の小さな着磁装置とされた
り、通電時間が数ミリ秒単位の極めて短時間とするもの
に限られるなどの制約があった。また、空気間隙を50
mm、磁束密度が3.2Tを実現できる前述のビッター
型電磁石では、総重量が13トンにもなり、コンパクト
な着磁装置とすることができないため、例えば磁石素材
を着磁するための装置として適用することが困難であっ
た。なお、上述したビッター型電磁石において、空気間
隙を10mmとすると磁束密度が4.8Tに達すること
が知られている。
【0004】従って、磁石素材を着磁する際には、空気
間隙の小さな着磁装置が使用されているために、着磁さ
れる磁石は小型又は薄いものに限られているのが実情で
ある。
間隙の小さな着磁装置が使用されているために、着磁さ
れる磁石は小型又は薄いものに限られているのが実情で
ある。
【0005】そこで、この発明では、コンパクトな着磁
装置であるにも係わらず大きな空気間隙に強磁界を発生
させることのできる着磁装置を提供することを目的とし
ている。また、併せて磁石素材を着磁する着磁方法を提
供することを目的としている。
装置であるにも係わらず大きな空気間隙に強磁界を発生
させることのできる着磁装置を提供することを目的とし
ている。また、併せて磁石素材を着磁する着磁方法を提
供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、継
鉄と、この継鉄の内側に配設されるコイル線が捲回され
た筒状のコイル体と、少なくとも該コイル体を包む冷媒
容器とのコイル体の中央空間内に収容配置された収容容
器とを備え前記コイル体に捲回されたコイル線間には、
液体冷媒が流通可能に設けられて、このコイル線に流れ
る電流により前記収容容器内に縦磁界を発生する構成と
されている。請求項2の発明では、縦ループ状に配設し
た継鉄の内側にコイル線を捲回した筒状のコイル体を配
設した冷媒容器内に液体冷媒を満たして、前記コイル体
に捲回されたコイル線間に液体冷媒を流通可能とし、さ
らに、このコイル体の中央空間内に収容容器を配置した
後、該収容容器内に磁石素材を内装して液体冷媒による
冷却の下で、このコイル線に電流を流して前記収容容器
内に縦磁界を発生して磁石素材を着磁する着磁方法とさ
れている。
鉄と、この継鉄の内側に配設されるコイル線が捲回され
た筒状のコイル体と、少なくとも該コイル体を包む冷媒
容器とのコイル体の中央空間内に収容配置された収容容
器とを備え前記コイル体に捲回されたコイル線間には、
液体冷媒が流通可能に設けられて、このコイル線に流れ
る電流により前記収容容器内に縦磁界を発生する構成と
されている。請求項2の発明では、縦ループ状に配設し
た継鉄の内側にコイル線を捲回した筒状のコイル体を配
設した冷媒容器内に液体冷媒を満たして、前記コイル体
に捲回されたコイル線間に液体冷媒を流通可能とし、さ
らに、このコイル体の中央空間内に収容容器を配置した
後、該収容容器内に磁石素材を内装して液体冷媒による
冷却の下で、このコイル線に電流を流して前記収容容器
内に縦磁界を発生して磁石素材を着磁する着磁方法とさ
れている。
【0007】
【作用】コイル線に直流電流が流されると、このコイル
体の中央部(容器内)に継続した磁界が発生する。この
際、コイル体は液体冷媒内に浸漬されて冷却されてお
り、その電気抵抗が常温より著しく小さいために、コイ
ル線を多数を捲き回したコイル体であっても、大きな電
流を流すことが可能となる。これにより、コイル体がコ
ンパクトであるにも係わらず空気間隙の大きな強磁界を
発生することができる。また、ジュール熱によりコイル
体に発生する熱量は、コイル線の間を流通する液体冷媒
の気化潜熱によって急速に奪わる。この際に液体冷媒は
気泡を発生するが、液体冷媒内を速やかに上昇して系外
に逃散し、コイル体は液体冷媒の沸点近傍の温度に保持
される。さらに、コイル体は継鉄によってループ状に囲
まれており、外部磁気抵抗を小さくしている。これによ
り、小さなコイル体によって、長時間にわたって大電流
を継続して流すことができ、発生する安定した強磁界に
よって磁石素材を着磁することができる。
体の中央部(容器内)に継続した磁界が発生する。この
際、コイル体は液体冷媒内に浸漬されて冷却されてお
り、その電気抵抗が常温より著しく小さいために、コイ
ル線を多数を捲き回したコイル体であっても、大きな電
流を流すことが可能となる。これにより、コイル体がコ
ンパクトであるにも係わらず空気間隙の大きな強磁界を
発生することができる。また、ジュール熱によりコイル
体に発生する熱量は、コイル線の間を流通する液体冷媒
の気化潜熱によって急速に奪わる。この際に液体冷媒は
気泡を発生するが、液体冷媒内を速やかに上昇して系外
に逃散し、コイル体は液体冷媒の沸点近傍の温度に保持
される。さらに、コイル体は継鉄によってループ状に囲
まれており、外部磁気抵抗を小さくしている。これによ
り、小さなコイル体によって、長時間にわたって大電流
を継続して流すことができ、発生する安定した強磁界に
よって磁石素材を着磁することができる。
【0008】
【発明の効果】継鉄と、この継鉄の内側に配設されるコ
イル線が捲回された筒状のコイル体と、少なくとも該コ
イル体を包む冷媒容器とのコイル体の中央空間内に収容
配置された収容容器とを備えコイル体に捲回されたコイ
ル線間には、液体冷媒が流通可能に設けられているの
で、小さなコイル体に大電流を流すことができて強力な
縦磁界のもとで着磁する着磁装置とすることができる。
請求項2の発明では、縦ループ状に配設した継鉄の内側
にコイル線を捲回した筒状のコイル体を配設した冷媒容
器内に液体冷媒を満たして、前記コイル体に捲回された
コイル線間に液体冷媒を流通可能とし、さらに、このコ
イル体の中央空間内に収容容器を配置した後、該収容容
器内に磁石素材を内装して液体冷媒による冷却の下で、
このコイル線に電流を流して前記収容容器内に縦磁界を
発生して磁石素材を着磁するために、小さなコイル体に
よって発生する安定した強磁界によって磁石素材の着磁
を容易かつ安価に行うことができる。
イル線が捲回された筒状のコイル体と、少なくとも該コ
イル体を包む冷媒容器とのコイル体の中央空間内に収容
配置された収容容器とを備えコイル体に捲回されたコイ
ル線間には、液体冷媒が流通可能に設けられているの
で、小さなコイル体に大電流を流すことができて強力な
縦磁界のもとで着磁する着磁装置とすることができる。
請求項2の発明では、縦ループ状に配設した継鉄の内側
にコイル線を捲回した筒状のコイル体を配設した冷媒容
器内に液体冷媒を満たして、前記コイル体に捲回された
コイル線間に液体冷媒を流通可能とし、さらに、このコ
イル体の中央空間内に収容容器を配置した後、該収容容
器内に磁石素材を内装して液体冷媒による冷却の下で、
このコイル線に電流を流して前記収容容器内に縦磁界を
発生して磁石素材を着磁するために、小さなコイル体に
よって発生する安定した強磁界によって磁石素材の着磁
を容易かつ安価に行うことができる。
【0009】
【実施例】以下、この発明を電路の開閉を行なう真空遮
断器の重要な構成部材である真空バルブに内蔵された磁
石素材38aを着磁する着磁装置に適用した一実施例を
図1から図4に基づいて説明する。
断器の重要な構成部材である真空バルブに内蔵された磁
石素材38aを着磁する着磁装置に適用した一実施例を
図1から図4に基づいて説明する。
【0010】まず、この実施例の真空バルブ30につい
て説明すると、真空バルブ30は図4に示すように、磁
器などのセラミックスからなる円筒状の絶縁容器31の
両側開口にろう付けにより金属蓋32,33がそれぞれ
密閉溶着されて真空容器とされている。この金属蓋3
2,33を貫通して一対の電極体34,35が突合わせ
状に対向して取付けられており、一方の電極体35が進
退可能とされて、電極体34に接触・離間することによ
って電路の開閉が行なわれる。なお、両電極体34,3
5の突合わせ面となる先端面には電極板36,37がそ
れぞれ設けられており、電極体35を後退して接触状態
から切り離す際に、両電極板36,37の間に発生する
アークが消弧して電路が遮断される構成とされている。
ここで、両電極板36,37間に強い縦磁界の下で切り
離すと、発生するアークが両電極板36,37の間に閉
じこめられ、安定したアークとなるために、電極板3
6,37の溶損が減少し、また、遮断性能が向上するこ
とが知られている。このため、この実施例の真空バルブ
30では、電極板36,37の内側に永久磁石38をそ
れぞれ配設して、両電極板36,37間に縦磁界を付与
する構成としている。
て説明すると、真空バルブ30は図4に示すように、磁
器などのセラミックスからなる円筒状の絶縁容器31の
両側開口にろう付けにより金属蓋32,33がそれぞれ
密閉溶着されて真空容器とされている。この金属蓋3
2,33を貫通して一対の電極体34,35が突合わせ
状に対向して取付けられており、一方の電極体35が進
退可能とされて、電極体34に接触・離間することによ
って電路の開閉が行なわれる。なお、両電極体34,3
5の突合わせ面となる先端面には電極板36,37がそ
れぞれ設けられており、電極体35を後退して接触状態
から切り離す際に、両電極板36,37の間に発生する
アークが消弧して電路が遮断される構成とされている。
ここで、両電極板36,37間に強い縦磁界の下で切り
離すと、発生するアークが両電極板36,37の間に閉
じこめられ、安定したアークとなるために、電極板3
6,37の溶損が減少し、また、遮断性能が向上するこ
とが知られている。このため、この実施例の真空バルブ
30では、電極板36,37の内側に永久磁石38をそ
れぞれ配設して、両電極板36,37間に縦磁界を付与
する構成としている。
【0011】この構成の真空バルブ30の製造工程にお
いては、組み付けの最後の工程で、真空加熱炉内で、金
属蓋32,33をろう付けにより溶着して真空容器とし
ている。このため、永久磁石38,38を予め配設して
おいても、このろう付けの際の高温に曝されて消磁して
しまうために、従来は、この両電極板36,37内に永
久磁石を配設することができなかったり、複雑な構成を
採用する必要があった。この実施例では、この真空バル
ブ30内に磁石素材38aを配設しておき、ろう付け工
程の後に磁石素材38aに着磁処理を施すことにより永
久磁石38とする手段を採用することとしている。な
お、磁石素材38aとしては、高磁界が得られるサマリ
ウムーコバルト系、ネオジウムー鉄ーボロン系の異方性
磁石素材などが使用されている。
いては、組み付けの最後の工程で、真空加熱炉内で、金
属蓋32,33をろう付けにより溶着して真空容器とし
ている。このため、永久磁石38,38を予め配設して
おいても、このろう付けの際の高温に曝されて消磁して
しまうために、従来は、この両電極板36,37内に永
久磁石を配設することができなかったり、複雑な構成を
採用する必要があった。この実施例では、この真空バル
ブ30内に磁石素材38aを配設しておき、ろう付け工
程の後に磁石素材38aに着磁処理を施すことにより永
久磁石38とする手段を採用することとしている。な
お、磁石素材38aとしては、高磁界が得られるサマリ
ウムーコバルト系、ネオジウムー鉄ーボロン系の異方性
磁石素材などが使用されている。
【0012】図1は、この真空バルブ30内に配設され
た磁石素材38aを着磁するための着磁装置の概略断面
図であって、上部が開放された有底円筒形状のスチール
製の冷媒容器1に、開放可能に取着された断熱蓋2によ
り全体が略密閉されている。この冷媒容器1内には、縦
ループ状に配設した継鉄3が配設され、この継鉄3内に
コイル線4aにより筒状に捲回されたコイル体4が載置
されている。そして、この筒状のコイル体4の中央空間
内に被着磁体としての真空バルブ30を収容するスチー
ル製の収容容器5が載置されている。このように構成さ
れている冷媒容器1内には液体冷媒Lがコイル体4の全
体が浸漬されるように、冷媒容器1の上部まで満たされ
ている。この液体冷媒Lとしては、沸点がマイナス19
6℃の液体窒素、マイナス183℃の液体酸素、マイナ
ス162℃のLNG、マイナス253℃の液体水素、マ
イナス269℃の液体ヘリウムなどの液体冷媒を使用す
ることができる。なお、コイル体4の電気抵抗は低温に
なるほど低下するため、沸点が低い程望ましいが、この
実施例では、取扱いが容易であること、及びコスト的な
面から液体窒素が採用されている。
た磁石素材38aを着磁するための着磁装置の概略断面
図であって、上部が開放された有底円筒形状のスチール
製の冷媒容器1に、開放可能に取着された断熱蓋2によ
り全体が略密閉されている。この冷媒容器1内には、縦
ループ状に配設した継鉄3が配設され、この継鉄3内に
コイル線4aにより筒状に捲回されたコイル体4が載置
されている。そして、この筒状のコイル体4の中央空間
内に被着磁体としての真空バルブ30を収容するスチー
ル製の収容容器5が載置されている。このように構成さ
れている冷媒容器1内には液体冷媒Lがコイル体4の全
体が浸漬されるように、冷媒容器1の上部まで満たされ
ている。この液体冷媒Lとしては、沸点がマイナス19
6℃の液体窒素、マイナス183℃の液体酸素、マイナ
ス162℃のLNG、マイナス253℃の液体水素、マ
イナス269℃の液体ヘリウムなどの液体冷媒を使用す
ることができる。なお、コイル体4の電気抵抗は低温に
なるほど低下するため、沸点が低い程望ましいが、この
実施例では、取扱いが容易であること、及びコスト的な
面から液体窒素が採用されている。
【0013】冷媒容器1は、その外面が発泡スチールに
よる断熱板1aによって囲まれ、また、断熱蓋2は断熱
性の板材により形成されて、全体が断熱容器とされてい
る。また、この冷媒容器1内には、絶縁性のリング形状
のスペーサ6上に四枚の肉厚の軟鉄からなるブロック7
a,7b,7b,7cをロの字に縦にループ状になるよ
うに組み立てて、継鉄7を構成し、外部磁気抵抗の軽減
を図っている。また、この上ブロック7cの中央には蓋
孔7dが形成され、ブロック蓋7eにより覆着されてい
る。
よる断熱板1aによって囲まれ、また、断熱蓋2は断熱
性の板材により形成されて、全体が断熱容器とされてい
る。また、この冷媒容器1内には、絶縁性のリング形状
のスペーサ6上に四枚の肉厚の軟鉄からなるブロック7
a,7b,7b,7cをロの字に縦にループ状になるよ
うに組み立てて、継鉄7を構成し、外部磁気抵抗の軽減
を図っている。また、この上ブロック7cの中央には蓋
孔7dが形成され、ブロック蓋7eにより覆着されてい
る。
【0014】この底部となる下部ブロック7a上にはス
ペーサ8を介してコイル体4が載置されている。このコ
イル体4は、直径2.6mmの銅線からなるコイル線4
aが一層60巻きとして30層が巻き付けられている。
なお、図3には、図を簡略するためにスペーサ9を2段
に介装して示しているが、各層間にはスペーサ9がそれ
ぞれ介装されており、液体冷媒Lが流通するコイル間隙
Sが形成されている。そして、このコイル体4の内径は
112mm、外径が243mm、高さ156mmとされ
ている。このように構成されたコイル体4の電気抵抗を
測定した結果、室温の20℃で3.41オームを示した
のに対して、液体窒素により冷却されたマイナス196
℃では0.5オームを示し、室温よりも約1/7の極め
て小さな電気抵抗を示していた。また、コイル体4の外
側は絹テープ10により巻かれており、コイル体の保形
性を確保するとともに、コイル体4内に液体冷媒Lが浸
入可能とされている。このように構成されたコイル体4
は図示しない直流電源に接続されている。この直流電源
から200Aの電流を供給し、コイル体の筒中央の磁石
材配置部に2万5千エルステッド(磁束密度25000
ガウス)の軸方向磁界を与えることができた。そして、
この際にコイル体4に生じるジュール熱は4.8kca
l/secであった。
ペーサ8を介してコイル体4が載置されている。このコ
イル体4は、直径2.6mmの銅線からなるコイル線4
aが一層60巻きとして30層が巻き付けられている。
なお、図3には、図を簡略するためにスペーサ9を2段
に介装して示しているが、各層間にはスペーサ9がそれ
ぞれ介装されており、液体冷媒Lが流通するコイル間隙
Sが形成されている。そして、このコイル体4の内径は
112mm、外径が243mm、高さ156mmとされ
ている。このように構成されたコイル体4の電気抵抗を
測定した結果、室温の20℃で3.41オームを示した
のに対して、液体窒素により冷却されたマイナス196
℃では0.5オームを示し、室温よりも約1/7の極め
て小さな電気抵抗を示していた。また、コイル体4の外
側は絹テープ10により巻かれており、コイル体の保形
性を確保するとともに、コイル体4内に液体冷媒Lが浸
入可能とされている。このように構成されたコイル体4
は図示しない直流電源に接続されている。この直流電源
から200Aの電流を供給し、コイル体の筒中央の磁石
材配置部に2万5千エルステッド(磁束密度25000
ガウス)の軸方向磁界を与えることができた。そして、
この際にコイル体4に生じるジュール熱は4.8kca
l/secであった。
【0015】また、コイル体4の筒部中央には、真空バ
ルブ30を収容する有底筒状のステンレスからなる収容
容器5が配設されている。この収容容器5の上部では、
上ブロック7cに形成された蓋孔7dに係合して吊下げ
た状態で配設されている。この収容容器5の内側底面及
び内側周面には段ボール紙製からなる板厚が厚く断熱性
に優れた断熱材11が張り巡らされて、収容容器5内が
極低温となることが防止する断熱容器とされている。な
お、段ボール紙を使用するのは、液体窒素で冷却された
際にも、その柔軟性を失うこと無く断熱性を発揮する材
料であるためである。また、蓋孔7dを覆着する軟鉄製
のブロック蓋7eには、その中心部に操作孔7fが設け
られるとともに、上面にはこのブロック蓋7eを開閉操
作するための把持部7gが設けられている。
ルブ30を収容する有底筒状のステンレスからなる収容
容器5が配設されている。この収容容器5の上部では、
上ブロック7cに形成された蓋孔7dに係合して吊下げ
た状態で配設されている。この収容容器5の内側底面及
び内側周面には段ボール紙製からなる板厚が厚く断熱性
に優れた断熱材11が張り巡らされて、収容容器5内が
極低温となることが防止する断熱容器とされている。な
お、段ボール紙を使用するのは、液体窒素で冷却された
際にも、その柔軟性を失うこと無く断熱性を発揮する材
料であるためである。また、蓋孔7dを覆着する軟鉄製
のブロック蓋7eには、その中心部に操作孔7fが設け
られるとともに、上面にはこのブロック蓋7eを開閉操
作するための把持部7gが設けられている。
【0016】次にこの実施例の着磁装置によって、真空
バルブ30内に配設された磁石素材38a,38aを着
磁する工程について説明する。まず、冷媒容器1内に
は、液体窒素Lがコイル体4の全体を浸漬する液面まで
満たされていて、コイル体4がマイナス196℃まで冷
却されている。この安定した状態において、断熱蓋2及
びブロック蓋7eを取り外して、真空バルブ30が収容
容器5内に納められる。この際、図1に示すように、真
空バルブ30の電極体35の端部には、これに螺着連結
される操作治具15が取着されており、この操作治具1
5を把持して収容容器5内の中央に載置される。そして
びブロック蓋7eの操作孔7fにこの操作治具15の上
部を挿通して、ブロック蓋7eを閉めるとともに断熱蓋
2を閉じてセットを完了する。なお、電極体35は、図
2に示すように前進させて、電極板36に電極板37が
接触している状態として、収容されている両磁石素材3
8a,38aの間隙が短い状態とされている。そしてこ
の実施例では、両磁石素材38a,38aの存在する約
18cmの間隙に強磁界が付与されることを必要とされ
る。
バルブ30内に配設された磁石素材38a,38aを着
磁する工程について説明する。まず、冷媒容器1内に
は、液体窒素Lがコイル体4の全体を浸漬する液面まで
満たされていて、コイル体4がマイナス196℃まで冷
却されている。この安定した状態において、断熱蓋2及
びブロック蓋7eを取り外して、真空バルブ30が収容
容器5内に納められる。この際、図1に示すように、真
空バルブ30の電極体35の端部には、これに螺着連結
される操作治具15が取着されており、この操作治具1
5を把持して収容容器5内の中央に載置される。そして
びブロック蓋7eの操作孔7fにこの操作治具15の上
部を挿通して、ブロック蓋7eを閉めるとともに断熱蓋
2を閉じてセットを完了する。なお、電極体35は、図
2に示すように前進させて、電極板36に電極板37が
接触している状態として、収容されている両磁石素材3
8a,38aの間隙が短い状態とされている。そしてこ
の実施例では、両磁石素材38a,38aの存在する約
18cmの間隙に強磁界が付与されることを必要とされ
る。
【0017】そして、図示しないスイッチを入作動して
コイル線4aに直流電源から電流を流す。これにより、
収容容器5内には2万5千〜3万エルステッド(磁束密
度25000ガウス)の磁界強度が作用して、磁石素材
38aが充分に着磁される。なお、磁石素材38aは図
2に示すように、銅製の電極体34又は電極体35内に
配設されているので、安定した継続磁界に曝す必要があ
り、一方、外部磁気抵抗を軽減するための継鉄3により
磁界の自己インダクタンスが大きくなっている。このた
め、通電時間が4〜5秒とする長い通電時間が必要とさ
れる。このように、長い通電時間であっても、コイル線
4aの電気抵抗が低いこと、及び発生するジュール熱が
コイル体4の巻線の間に流通する液体冷媒の気化潜熱に
よって急速に奪われて冷却されていること、によってコ
イル体4の温度上昇は極めて小さいのでコイル体4の抵
抗増加が小さく、したがって継続して通電することがで
きる。この着磁処理により、電極体34,35内に配置
された二個の磁石素材38a,38aは、一方向の強磁
界に曝されて、その方向に大きな磁力を有する永久磁石
38,38に着磁される。従って、図4に示すように、
この両永久磁石38,38が対向配設された両電極板3
6,37の間に縦磁界を付与する真空バルブ30が完成
する。
コイル線4aに直流電源から電流を流す。これにより、
収容容器5内には2万5千〜3万エルステッド(磁束密
度25000ガウス)の磁界強度が作用して、磁石素材
38aが充分に着磁される。なお、磁石素材38aは図
2に示すように、銅製の電極体34又は電極体35内に
配設されているので、安定した継続磁界に曝す必要があ
り、一方、外部磁気抵抗を軽減するための継鉄3により
磁界の自己インダクタンスが大きくなっている。このた
め、通電時間が4〜5秒とする長い通電時間が必要とさ
れる。このように、長い通電時間であっても、コイル線
4aの電気抵抗が低いこと、及び発生するジュール熱が
コイル体4の巻線の間に流通する液体冷媒の気化潜熱に
よって急速に奪われて冷却されていること、によってコ
イル体4の温度上昇は極めて小さいのでコイル体4の抵
抗増加が小さく、したがって継続して通電することがで
きる。この着磁処理により、電極体34,35内に配置
された二個の磁石素材38a,38aは、一方向の強磁
界に曝されて、その方向に大きな磁力を有する永久磁石
38,38に着磁される。従って、図4に示すように、
この両永久磁石38,38が対向配設された両電極板3
6,37の間に縦磁界を付与する真空バルブ30が完成
する。
【0018】なお、出願人は磁石素材38aとしてサマ
リウムーコバルト系又はネオジウムー鉄ーボロン系の異
方性磁石素材38aを収容した真空バルブ30につい
て、860℃に加熱した後に着磁処理を施したところ、
良好な着磁性を示した。
リウムーコバルト系又はネオジウムー鉄ーボロン系の異
方性磁石素材38aを収容した真空バルブ30につい
て、860℃に加熱した後に着磁処理を施したところ、
良好な着磁性を示した。
【0019】上述したように、この実施例では下記の構
成としているために、次のような作用を奏する。 (1) 液体冷媒に、液体窒素を使用しているので、コ
イル線4aはマイナス196℃まで冷却され、常温の約
1/7にその電気抵抗を小さくすることができる。 (2) 収容容器5内が断熱材11により断熱されてい
るので、収容容器5内に挿入された真空バルブ30の磁
器製の絶縁容器31に熱ショックを与えることが少な
く、これによる絶縁容器31の破損を防止できる。 (3) この着磁装置においては、継鉄の上ブロック7
cに蓋孔7dを設けて、これに収容容器5の上縁を臨ま
せ、さらにブロック蓋7eを覆着する簡素な構造とされ
ている。
成としているために、次のような作用を奏する。 (1) 液体冷媒に、液体窒素を使用しているので、コ
イル線4aはマイナス196℃まで冷却され、常温の約
1/7にその電気抵抗を小さくすることができる。 (2) 収容容器5内が断熱材11により断熱されてい
るので、収容容器5内に挿入された真空バルブ30の磁
器製の絶縁容器31に熱ショックを与えることが少な
く、これによる絶縁容器31の破損を防止できる。 (3) この着磁装置においては、継鉄の上ブロック7
cに蓋孔7dを設けて、これに収容容器5の上縁を臨ま
せ、さらにブロック蓋7eを覆着する簡素な構造とされ
ている。
【0020】なお、この実施例では、真空バルブ30内
に配設された磁石素材38aを着磁する着磁装置につい
て説明したが、広く一般の着磁装置として使用すること
ができる。
に配設された磁石素材38aを着磁する着磁装置につい
て説明したが、広く一般の着磁装置として使用すること
ができる。
【0021】また、実施例では直流電源を使用した例に
ついて説明したが、継鉄部を積層硅素鋼板にするか、あ
るいは継鉄部を設けない構成にすることによって、交流
電流に用いてもコイル体は、Qが高い大量リアクトルと
することができる。さらにこの実施例では、冷媒容器1
内に継鉄3を配設し、継鉄3を液体冷媒Lにより冷却し
ている構成としたが、必ずしも継鉄3を冷却する必要は
ない。
ついて説明したが、継鉄部を積層硅素鋼板にするか、あ
るいは継鉄部を設けない構成にすることによって、交流
電流に用いてもコイル体は、Qが高い大量リアクトルと
することができる。さらにこの実施例では、冷媒容器1
内に継鉄3を配設し、継鉄3を液体冷媒Lにより冷却し
ている構成としたが、必ずしも継鉄3を冷却する必要は
ない。
【図1】断面図
【図2】一部の拡大断面図
【図3】コイル体の平断面を模式的に表す平断面図
【図4】真空バルブの一部切欠断面図
L…液体冷媒 1…冷媒容器 3…継鉄 4…コイル体
4a…コイル線 5…収容容器 6…スペーサ 7…
継鉄 38a…磁石素材
4a…コイル線 5…収容容器 6…スペーサ 7…
継鉄 38a…磁石素材
Claims (2)
- 【請求項1】 継鉄と、この継鉄の内側に配設されるコ
イル線が捲回された筒状のコイル体と、少なくとも該コ
イル体を包む冷媒容器とこのコイル体の中央空間内に収
容配置された収容容器とを備え前記コイル体に捲回され
たコイル線間には、液体冷媒が流通可能に設けられて、
このコイル線に流れる電流により前記収容容器内に縦磁
界を発生する着磁装置。 - 【請求項2】 縦ループ状に配設した継鉄の内側にコイ
ル線を捲回した筒状のコイル体を配設した冷媒容器内に
液体冷媒を満たして、前記コイル体に捲回されたコイル
線間に液体冷媒を流通可能とし、さらに、このコイル体
の中央空間内に収容容器を配置した後、該収容容器内に
磁石素材を内装して液体冷媒による冷却の下で、このコ
イル線に電流を流して前記収容容器内に縦磁界を発生し
て磁石素材を着磁することを特徴とする着磁方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8534894A JPH07272930A (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 着磁装置及びその着磁方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8534894A JPH07272930A (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 着磁装置及びその着磁方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07272930A true JPH07272930A (ja) | 1995-10-20 |
Family
ID=13856177
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8534894A Pending JPH07272930A (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 着磁装置及びその着磁方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07272930A (ja) |
-
1994
- 1994-03-30 JP JP8534894A patent/JPH07272930A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20001121 |