JPH07272681A - メタルハライドランプおよびこれを用いた照明装置 - Google Patents

メタルハライドランプおよびこれを用いた照明装置

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JPH07272681A
JPH07272681A JP6068594A JP6068594A JPH07272681A JP H07272681 A JPH07272681 A JP H07272681A JP 6068594 A JP6068594 A JP 6068594A JP 6068594 A JP6068594 A JP 6068594A JP H07272681 A JPH07272681 A JP H07272681A
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lamp
arc tube
metal halide
tube
arc
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JP6068594A
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Hideki Ito
秀樹 伊藤
Toshihiko Ishigami
敏彦 石神
Atsushi Saida
淳 斉田
Toshio Hiruta
寿男 蛭田
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】演色性を低下させることなく、アークが安定
し、立ち消えや光束低下を防止したメタルハライドラン
プおよびこれを用いた照明装置を提供する。 【構成】電極5a、5bを備えた発光管2内に、希土類
金属のハロゲン化物と、水銀および希ガスを封入したメ
タルハライドランプにおいて、ランプ電力をWL
(W)、ランプ電流をIL (A)、発光管内の電流に垂
直な断面積をScm2 とした場合、0.035≦IL /
{S・(WL )1/2 }≦0.045としたことを特徴と
する。 【作用】演色性を低下させることなく、アークが安定す
るようになり、寿命末期において立ち消えや過剰入力に
よる光束低下を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、希土類金属のハロゲン
化物を封入してなるメタルハライドランプおよびこのラ
ンプを光源とした照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】メタルハライドランプは、高圧金属蒸気
放電灯のなかでも発光効率および演色性に優れたランプ
として知られており、特に発光管内に希土類金属のハロ
ゲン化物、例えばジスプロシウムDy、セルウムCe、
ネオジウムNd、 ホリミウムHo、ツリウムTmなど
のヨウ化物または臭化物を封入したメタルハライドラン
プは、これら希土類金属が可視光全般に亘り連続したス
ペクトルの発光を呈することから、演色性がきわめて良
好である。
【0003】しかしながら、希土類金属のハロゲン化物
を封入した場合、アークが細くなり、不安定になる傾向
がある。特に、発光管を水平姿勢で点灯させた場合、ア
ークは対流により上に弧を描くように湾曲したり、揺れ
を生じるなどの不具合がある。これを防止するため、ア
ルカリ金属のハロゲン化物、例えばセシウムCs、ナト
リウムNa、カリウムK、リチウムLiなどのヨウ化物
または臭化物を封入する手段が知られている。特にセシ
ウムのヨウ化物または臭化物を封入すると、アークが太
くなり、発光管の内面に添うようになるからアークの安
定化に有効である。
【0004】しかしながら、アルカリ金属のハロゲン化
物は、これ自体で発光に寄与せず、むしろ希土類金属の
発光を阻害する場合がある。このため多量に入れ過ぎる
と演色性を悪化させる欠点がある。このことから、アル
カリ金属のハロゲン化物はその使用量が制約される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにアルカリ
金属のハロゲン化物の封入量を規制すると、アークが充
分に安定しなく、点灯中に揺れを生じ、立ち消えするこ
とがある。アークの安定を図るための1つの手段とし
て、発光管の太さ、つまり放電空間の断面積を小さくす
ることが考えられる。すなわち、発光管の径が大きい
と、アークの曲りや揺れが大きくなる。これに対し、発
光管の径を細くすると、アークが発光管の壁に規制され
るからそれ以上の曲りが生じなくなり、安定化する。
【0006】しかしながら、発光管の径を細くし過ぎる
と、発光管の管壁温度が高くなり、発光管を形成してい
る石英と、希土類金属が反応して白濁化を生じ、光束が
低下する。
【0007】本発明はこのような事情にもとづきなされ
たもので、その目的とするところは、演色性を低下させ
ることなく、立ち消えや光束低下を防止したメタルハラ
イドランプおよびこれを用いた照明装置を提供しようと
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、発光
管の両端部に電極を封装するとともに、この発光管内
に、希土類金属のハロゲン化物と、水銀および希ガスを
封入したメタルハライドランプにおいて、ランプ電力を
WL (W)、ランプ電流をIL (A)、発光管内の電流
に垂直な断面積をScm2 とした場合、 0.035≦IL /{S・(WL )1/2 }≦0.045 としたことを特徴とする。
【0009】請求項2の発明は、希土類金属は少なくと
もジスプロシウムを含むことを特徴とする。請求項3の
発明は、請求項1または請求項2に記載のメタルハライ
ドランプと、このランプを収容した器具本体と、を備え
ることを特徴とする照明装置である。請求項4の発明
は、上記メタルハライドランプは水平点灯されることを
特徴とする。
【0010】
【作用】本発明者等は、アークの安定化を図るために発
光管の太さに注目した。発光管の大きさは発光管の電流
密度、すなわちランプ電流IL (A)を発光管の断面積
S(cm2 )で除した値IL /S(A/cm2 )であらわす
ことができる。また、定格電力の異なるランプであって
も適用可能な範囲を、ランプ電力WL (W)の関数とし
てあらわすことができる。
【0011】したがって、請求項1の発明は、ランプ電
力をWL (W)、ランプ電流をIL(A)、発光管内の
電流に垂直な断面積をScm2 とした場合、 0.035≦IL /{S・(WL )1/2 }≦0.045 としたから、発光管の大きさが、立ち消えや光束低下を
招くことのない最適な範囲に規制されるようになる。
【0012】請求項2の発明によれば、希土類金属は少
なくともジスプロシウムを含むので、希土類金属のなか
でも演色性が良好な金属であり、よって演色性が良好に
保たれる。
【0013】請求項3の発明によれば、請求項1または
請求項2に記載のメタルハライドランプを器具本体に収
容した照明装置であるから、ランプ特性に優れた照明装
置を提供できる。
【0014】請求項4の発明によれば、メタルハライド
ランプを水平点灯した場合に特にア−クの曲りや偏心が
発生し易いが、請求項1または請求項2のメタルハライ
ドランプを使用すると、水平点灯であってもアークが安
定する。
【0015】
【実施例】以下本発明について、図面に示す一実施例に
もとづき説明する。図1はメタルハライドランプの構成
図、図2はその回路図、図3は発光管の断面図、図4は
主電極の断面図、図5はメタルハライドランプを光源と
した照明装置の断面図を示す。
【0016】図1において1は硬質ガラスからなる外管
であり、この外管1内は窒素ガス雰囲気に保たれてお
り、この外管1内には発光管2が収容されている。発光
管2は、図3に示す通り、石英ガラスからなるバルブ3
の両端部に圧潰封止部4,4を形成し、これら封止部
4,4にそれぞれ主電極5a,5bを封装し、かつ一方
の主電極5aの近傍に始動用の補助電極6を封装して構
成されている。
【0017】主電極5a,5bは、図4に示す通り、先
端の径dを後述するように所定の大きさにしたそれぞれ
タングステンWまたはトリウムThを含有したタングス
テンからなる電極軸51に、タングステンからなる電極
コイル52を巻装して構成されており、電極コイル52
には酸化ジスプロシウムDy23 、酸化スカンジムS
23 の少なくとも1種からなる電子放射物質(エミ
ッタ)53が塗布されている。補助電極6はタングステ
ンワイヤにより形成されている。
【0018】これら主電極5a,5bおよび補助電極6
は、封止部4,4に封着されたモリブデンMoなどの金
属箔導体7…を介して外部リード線8…に接続されてい
る。このようなバルブ3内には、所定量の水銀と、希土
類金属のハロゲン化物、インジウム、タリウム、ガリウ
ムの中から選ばれた少なくとも1種の物質のハロゲン化
物、ア−クの安定化を目的としてアルカリ金属のハロゲ
ン化物、さらには始動用の希ガスが封入されている。こ
れらの封入物については後で説明する。
【0019】このような構成の発光管2は、上記外管1
内に収容され、この発光管2の両端封止部4,4は、ホ
ルダ−10a,10bを介してサポート11a,11b
に支持されている。一方のサポート11aは、ステム1
2に封止した一方の導電線13aに溶接されているとと
もに、他方のサポート11bは、外管1の頂部に係着さ
れている。
【0020】発光管2の一方の主電極5aは、上記一方
のサポート11aに電気的に接続されている。発光管2
の他方の主電極5bはリード線14を介して接続線15
に接続されており、この接続線15はステム12に封止
した他方の導電線13bに接続されている。
【0021】上記一方の導電線13aは、外管1の端部
に被着した口金16に接続されているとともに、他方の
導電線13bは、上記口金16の外部端子17に接続さ
れている。
【0022】そして、発光管2の補助電極6は、始動用
抵抗18および常閉形バイメタルスイッチ19を介して
前記接続線15に接続されている。上記一方のサポート
11aには、グロー点灯管20が点灯管ホルダー21を
介して取り付けられている。このグロー点灯管20から
導かれた一対のリード線22a,22bのうちの一方の
リード線22aはサポート11aに接続されており、他
方のリード線22bは限流抵抗23の一端に接続されて
いる。この限流抵抗23の他端は上記始動用抵抗18と
常閉形バイメタルスイッチ19との接続部分に接続され
ている。
【0023】したがって、点灯管20と、限流抵抗23
およびバイメタルスイッチ19は図2に示すように、直
列回路を構成しており、この直列回路は発光管2に対し
て電気的に並列に接続されている。
【0024】このような構成のメタルハライドランプ
は、図2に示すように、安定器24を介して商用電源2
5に接続されて使用される。そして、始動時には常閉形
バイメタルスイッチ19が閉じているので、このバイメ
タルスイッチ19、限流抵抗23およびグロー点灯管2
0に電流が流れる。グロー点灯管20は、グロー電流に
より点灯管20内のバイメタル片が加熱されて点灯管の
接点が開閉し、限流抵抗23を介して安定器24を断続
する。この時の閉塞電流の変動により安定器24がパル
ス電圧を発生する。このパルス電圧は補助電極6とこれ
に近接する一方の主電極5aとの間、および主電極5
a,5bの間に印加される。このため、当初は補助電極
6とこれに近接する一方の主電極5aとの間に補助放電
が始まり、この補助放電は主電極5a,5b間の主放電
に移行し、よって発光管2が点灯する。
【0025】発光管2が始動すると、発光管2から放出
される熱によりバイメタルスイッチ19が加熱され、よ
ってこのバイメタルスイッチ19が開かれる。このため
直流回路を開放し、点灯管20および限流抵抗23に電
流が流れるのを防止し、かつ補助電極6をこれに近接す
る一方の主電極5aと同電位に保つ。
【0026】したがって、上記構成のメタルハライドラ
ンプは、始動器内蔵形であり、安定器24を用いて商用
電源により容易に始動させることができる。このような
構成のメタルハライドランプにおいて、定格電力が2k
Wの場合、上記発光管2は、内径Dが27mmとなるよう
に形成されている。この場合、ランプ電流IL は9〜1
0Aとなっている。
【0027】そして、バルブ3内には、所定量の水銀H
gと、希土類金属のハロゲン化物、インジウム、タリウ
ム、ガリウムの中から選ばれた少なくとも1種の物質の
ハロゲン化物、ならびにアルカリ金属のハロゲン化物、
さらには始動用の希ガスが封入されている。
【0028】水銀は緩衝ガスとして作用するものであ
り、上記定格電力2kWのメタルハライドランプの場
合、水銀は例えば180mg封入されている。希土類金属
のハロゲン化物は、例えばヨウ化ジスプロシウムDyI
3 が用いられている。DyI3 を封入するのは、Dyの
発光スペクトルが可視光の全域に亘り連続したスペクト
ル分布をもっているため、演色性がきわめて優れること
による。
【0029】インジウム、タリウム、ガリウムの中から
選ばれた少なくとも1種の物質のハロゲン化物として
は、例えばヨウ化タリウムTlIが封入されている。T
lは発光スペクトルが535nmの領域に強い発光スペク
トルを有しており、これは人間の視感度を強く刺激して
高い輝度を印象つけるスペクトルであり、よって効率を
高めるのに寄与する。
【0030】アルカリ金属のハロゲン化物としては、ヨ
ウ化セシウムCsIが用いられており、CsIはアーク
を安定化する作用がある。さらには始動用希ガスとして
アルゴンArが所定圧で封入されている。
【0031】上記アルカリ金属のハロゲン化物、例えば
ヨウ化セシウムCsIはアークを安定化するために封入
されているが、これ自体では発光に寄与しないからむし
ろ希土類金属の発光を阻害する傾向がある。このため多
量に入れ過ぎると演色性を悪化させる欠点がある。
【0032】よって、アルカリ金属のハロゲン化物を多
量に封入できないことにより、ア−クが安定化しない場
合があり、特に図3に示すように、発光管2を水平点灯
した場合、アークは上向きの弧を描いて湾曲し、曲りが
顕著に発生することがある。
【0033】これを防止するため、本発明者等は、発光
管2の大きさについて研究した。発光管2の径を大きく
すると、アークの曲りや揺れが大きくなり、特に図3に
示すように発光管2を水平姿勢で点灯すると曲りが顕著
になる。これに対し、発光管2の径を細くすると、アー
クが発光管の壁に規制されるためそれ以上の曲りが生じ
なく安定する。しかしながら、発光管2の径を細くし過
ぎると、発光管の管壁温度が高くなり、発光管を形成し
ている石英と、希土類金属が反応して白濁化を生じ、早
期に光束が低下する。
【0034】発光管2の大きさ(太さ)は、発光管の電
流密度、すなわちランプ電流IL (A)を発光管の断面
積S(cm2 )で除した値IL /S(A/cm2 )であらわ
すことができる。すなわち、発光管2の太さを、発光管
の電流密度IL /S(A/cm2 )であらわす理由は以下
の通りである。
【0035】発光管2を構成する石英と、封入した希土
類金属との反応を検討すると、ランプ電流IL が大きけ
れば大きい程、発光物質の動きが大きいと考えられるの
で、発光管2との反応性が大きいと推察することができ
る。また、発光管2の管径が小さければ小さい程、石英
壁がアーク中心に近くなり、その温度が高くなるから反
応性が大きくなるものと考えられる。よって、発光管2
と封入物との反応性を考える場合は、発光管の電流密度
IL /S(A/cm2 )であらわせるものと考えることが
できる。
【0036】図6は、点灯2000時間後の発光管の電
流密度IL /S(A/cm2 )と、ランプ電圧VL (V)
との関係を調べた特性図である。同図において特性a
は、定格ランプ電力1kWのメタルハライドランプであ
り、定格ランプ電圧VL は250V、ランプ電流IL は
4.5Aである。また、同図において特性bは、定格ラ
ンプ電力1.5kWのメタルハライドランプであり、定
格ランプ電圧VL は250V、ランプ電流IL は6.3
Aである。また、同図において特性cは、定格ランプ電
力2kWのメタルハライドランプであり、定格ランプ電
圧VL は250V、ランプ電流IL は9.8Aである。
【0037】定格ランプ電力1kWのメタルハライドラ
ンプ(特性a)の場合、発光管の電流密度IL /Sが
1.1〜1.4(A/cm2 )の範囲では、ランプ電圧の
上昇値を60V以下にとどめることができたが、発光管
の電流密度IL /Sが1.2未満、および1.4を越え
るとそれぞれランプ電圧の上昇値が60Vを越えること
が判った。電流密度IL /Sが1.1というのは、発光
管2の内径Dがほぼ2.3cmに相当し、また電流密度I
L /Sが1.4というのは発光管2の内径Dがほぼ2.
0cmに相当する。
【0038】発光管の電流密度IL /Sが1.1未満、
および1.4を越えるとそれぞれランプ電圧の上昇値が
60Vを越える理由は以下の通りである。管径Dが小さ
過ぎると、石英と希土類金属との反応性が高くなり、発
光管2の白濁を生じ、このとき反応した希土類と結合す
べきハロゲンが遊離して管内に残り、ランプ電圧が上昇
する原因になる。
【0039】また、管径Dが大きくなり過ぎると、メタ
ルハライドランプは封入ハロゲン化物のハロゲンサイク
ルによって発光管壁に付着した電極飛散物質のタングス
テンを電極に戻すことで良好な光束維持率を保ってい
る。しかし、管径Dを大きくすると、管壁温度が低下
し、付着したタングステンを電極に戻す作用が低下し、
このため黒化が進行し、かつランプ電圧が上昇する原因
となる。
【0040】同様に、定格ランプ電力1.5kWのメタ
ルハライドランプ(特性b)の場合(ランプ電流IL は
6.3A)、発光管の電流密度IL /Sが1.3〜1.
75(A/cm2 )の範囲では、ランプ電圧の上昇値を6
0V以下にとどめることができたが、発光管の電流密度
IL /Sが1.3未満、および1.75を越えるとそれ
ぞれランプ電圧の上昇値が60Vを越えることが判っ
た。この場合、電流密度IL /Sが1.3というのは、
発光管2の内径Dがほぼ2.4cmに相当し、また電流密
度IL /Sが1.75というのは発光管2の内径Dがほ
ぼ2.0cmに相当する。
【0041】さらに、定格ランプ電力2kWのメタルハ
ライドランプ(特性c)の場合、発光管の電流密度IL
/Sが1.5〜2.0(A/cm2 )の範囲では、ランプ
電圧の上昇値を60V以下にとどめることができたが、
発光管の電流密度IL /Sが1.50未満、および2.
00を越えるとそれぞれランプ電圧の上昇値が60Vを
越えることが判った。この場合、電流密度IL /Sが
1.5というのは、発光管2の内径Dがほぼ2.8cmに
相当し、また電流密度IL /Sが2.0というのは発光
管2の内径Dがほぼ2.5cmに相当する。
【0042】すなわち、定格ランプ電力1kWのランプ
は、発光管の電流密度IL /Sを1.2〜1.4の範囲
にするのがよく、これは発光管2の内径Dをほぼ2.3
〜2.0cmの範囲にするのがよいことを意味し、定格ラ
ンプ電力1.5kWのランプは、発光管の電流密度IL
/Sを1.3〜1.75の範囲にするのがよく、これは
発光管2の内径Dをほぼ2.4〜2.0cmの範囲にする
のがよいことを意味し、さらに定格ランプ電力2kWの
ランプは、発光管の電流密度IL /Sを1.5〜2.0
の範囲にするのがよく、これは発光管2の内径Dをほぼ
2.8〜2.5cmの範囲にするのがよいことを意味す
る。
【0043】上記発光管の電流密度IL /Sをランプの
定格電力(WL )の平方根で除した値を横軸にとり、ラ
ンプ電圧の上昇値を縦軸にとった特性図を図7に示す。
発光管の電流密度IL /Sをランプの定格電力(WL )
の平方根で除した値をファクタに取り入れる理由は、図
6の特性をランプの定格電力であらわしたいためであ
る。
【0044】上記図6に示す3本の特性(a)(b)お
よび(c)を共通化すると、図7に示す特性が得られ
た。すなわち、図7から、定格電力(WL )1kW、
1.5kWおよび2kWの各ランプにおいて、2000
時間の点灯後でもランプ電圧の上昇値が60V以下にと
どまる共通範囲を調べると、 0.035≦IL /{S・(WL )1/2 }≦0.045 の範囲に規制すればよいことが判った。
【0045】また、他の定格電力のランプについて調べ
た場合も、上記の式の範囲であれば同様の効果を得るこ
とができた。このような範囲に定めることにより、演色
性を高く維持するためにアルカリ金属のハロゲン化物の
使用量が規制されたとしても、アークが安定するように
なり、ランプ電圧の上昇が少なく、ランプ寿命末期にお
いて、立ち消えや過剰入力による白濁化が防止されるよ
うになる。
【0046】なお、希土類金属のハロゲン化物として
は、ヨウ化ジスプロシウムの外に、セリウムCe、ネオ
ジウムNd、ホルミウムHo、ツリウムTmなどのヨウ
化物または臭化物であってもよいが、ジスプロシウムは
希土類金属のなかでも演色性が良好な金属であり、よっ
てジスプロシウムを用いるのがよい。
【0047】また、アルカリ金属のハロゲン化物として
は、ヨウ化セシウムCsIの外に、ナトリウムNa、カ
リウムK、リチウムLiなどのヨウ化物または臭化物の
少なくとも1種であってもよいが、ヨウ化セシウムCs
Iがアークの安定化には一番有効である。
【0048】図1ないし図4に示されたメタルハライド
ランプは、図5に示すように、照明装置の光源として用
いることができる。図5において、30は照明器具本体
を示し、内面に反射面31を有するとともに、下面また
は一側面が開口されたハウジング構造をなしている。こ
の照明器具本体30の開口部には前面カバー32が取り
付けられている。また、この照明器具本体30の側壁に
はソケット33が取り付けられており、図1に示したメ
タルハライドランプはその口金16がソケット33にね
じ込まれて上記器具本体30に取り付けられている。こ
の場合、メタルハライドランプはランプ軸がほぼ水平線
を向くように、水平姿勢で点灯される。なお、器具本体
30には図5で図示しないが、図2に示す安定器24が
収容されている。
【0049】このような構成の照明装置においては、メ
タルハライドランプから放出された光が器具本体30の
内面に形成した反射面31で反射され、開口部の前面カ
バー32を通じて外に照射される。
【0050】上記光源として用いられたメタルハライド
ランプは、前述したように、アークが安定化し、ランプ
電圧の上昇が少なく、ランプ寿命末期において、立ち消
えや過剰入力による白濁化が防止されるので、これを光
源とする上記照明装置は、これらランプ特性を有効に利
用した照明装置となる。特に、ランプを水平点灯する照
明装置の場合、アークの曲りや偏心を防止できる。
【0051】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、ラン
プ電力と、ランプ電流と、発光管の断面積Scm2 との関
係を請求の範囲のように規制したから、演色性を低下さ
せることなく、アークが安定するようになり、ランプの
寿命末期において、立ち消えや過剰入力による光束低下
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、メタルハライドラン
プの構造を示す図。
【図2】同実施例の回路構成図。
【図3】同実施例の発光管の図。
【図4】同実施例の主電極の断面図。
【図5】照明装置の断面図。
【図6】発光管の電流密度とランプ電圧の上昇値との関
係を示す特性図。
【図7】ランプ電力と発光管の電流密度とランプ電圧の
上昇値との関係を示す特性図。
【符号の説明】
1…メタルハライドランプの外管 2…発光管 3…バルブ 4…封止部 5a、5b…主電極 6…補助電極 19…バイメタルスイッチ 20…点灯管 30…照明器具本体 31…反射面 32…前面カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蛭田 寿男 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝 ライテック株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光管の両端部に電極を封装するととも
    に、この発光管内に、希土類金属のハロゲン化物と、水
    銀および希ガスを封入したメタルハライドランプにおい
    て、 ランプ電力をWL (W)、ランプ電流をIL (A)、発
    光管内の電流に垂直な断面積をScm2 とした場合、 0.035≦IL /{S・(WL )1/2 }≦0.045 としたことを特徴とするメタルハライドランプ。
  2. 【請求項2】 希土類金属は少なくともジスプロシウム
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のメタルハライ
    ドランプ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のメタル
    ハライドランプと、 このランプを収容した器具本体と、を備えることを特徴
    とする照明装置。
  4. 【請求項4】 上記メタルハライドランプは水平点灯さ
    れることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
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