JPH07272677A - メタルハライドランプおよびこれを用いた照明装置 - Google Patents

メタルハライドランプおよびこれを用いた照明装置

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JPH07272677A
JPH07272677A JP6116094A JP6116094A JPH07272677A JP H07272677 A JPH07272677 A JP H07272677A JP 6116094 A JP6116094 A JP 6116094A JP 6116094 A JP6116094 A JP 6116094A JP H07272677 A JPH07272677 A JP H07272677A
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earth metal
halide
metal halide
metal
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JP6116094A
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Hideki Ito
秀樹 伊藤
Toshihiko Ishigami
敏彦 石神
Atsushi Saida
淳 斉田
Toshio Hiruta
寿男 蛭田
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ランプ電圧の上昇や立ち消えおよび始動不良を
解消し、発光効率の低下を防止したメタルハライドラン
プおよびこれを用いた照明装置を提供する。 【構成】電極5a、5bを封装した発光管内に、希土類
金属のハロゲン化物と、元素の周期律表で IIIb族に属
する物質のハロゲン化物と、水銀および希ガスを封入し
たメタルハライドランプにおいて、上記希土類金属をハ
ロゲンに対して化学等量的に過剰に封入するとともに、
この希土類金属の過剰分と上記 IIIb族の物質のハロゲ
ン化物をモル比で、[過剰希土類金属/ IIIb族の物質
のハロゲン化物]≦2となるように封入したことを特徴
とする。 【作用】希土類金属を過剰に封入したから遊離ハロゲン
の発生を防止し、ランプ電圧の上昇や立ち消えおよび始
動不良を解消し、しかも希土類金属の過剰量が過大にな
らないように規制したから、発光効率の低下を防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、希土類金属のハロゲン
化物を封入してなるメタルハライドランプおよびこのラ
ンプを光源とした照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】メタルハライドランプは、高圧金属蒸気
放電灯のなかでも発光効率および演色性に優れたランプ
として知られており、特に発光管内に希土類金属のハロ
ゲン化物、例えばジスプロシウムDy、セルウムCe、
ネオジウムNdなどのヨウ化物または臭化物を封入した
メタルハライドランプは、これら希土類金属が可視光全
般に亘り連続したスペクトルの発光を呈することから、
演色性がきわめて良好である。
【0003】そして、この種のメタルハライドランプ
は、その発光管内に、上記希土類金属のハロゲン化物に
加えて、効率を高めるために元素の周期律表で IIIb族
に分類される物質のハロゲン化物、例えばインジウムI
n、タリウムTlなどのヨウ化物または臭化物を封入し
てあり、さらにはアークを安定にするためアルカリ金属
のハロゲン化物、例えばセシウムCs、ナトリウムN
a、カリウムK、リチウムLiなどのヨウ化物または臭
化物を封入してあり、さらに緩衝金属として水銀および
アルゴンを主体とした始動用の希ガスを封入してある。
【0004】しかしながら、演色性を高めるために封入
してある上記希土類金属は、発光管を構成する石英や、
電極を構成するタングステンWなどと反応しやすい性質
があり、点灯時間の経過にともないこれら石英やタング
ステンと反応して次第に消失する傾向がある。希土類金
属が減少すると、演色性が低下するばかりでなく、残っ
たハロゲンが遊離ハロゲンとなって発光管内に存在する
ようになり、この遊離ハロゲンがランプ電圧の上昇や立
ち消え、および始動性の低下を招く原因となる。
【0005】これを防止するため従来、希土類金属をハ
ロゲンと化学等量的に必要な量よりも過剰に封入し、希
土類金属が石英やタングステンと反応して減少した場合
に、過剰に封入した希土類金属が減少分を補い、つまり
過剰に封入した希土類金属が遊離ハロゲンと結び付いて
再び希土類金属のハロゲン化物を生成し、これにより遊
離ハロゲンの発生を防止し、上記のようなランプ特性の
劣化を解消するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな希土類金属を過剰に封入したメタルハライドランプ
において、過剰に封入した希土類金属が期待通りに遊離
ハロゲンと結び付いてくれると問題はないが、しばしば
過剰に封入した希土類金属が、効率を高めるために封入
した元素の周期律表で IIIb族に分類された物質、例え
ばインジウムやタリウムと入れ替わることがある。すな
わち、インジウムやタリウムと結び付いていたハロゲン
が分解した場合、このインジウムやタリウムから放れた
ハロゲンが過剰の希土類金属と結び付き、このため逆に
インジウムInやタリウムTlが遊離してしまうことが
ある。すなわち、
【0007】
【化1】 の関係が発生する。
【0008】インジウムやタリウムは、発光効率を良好
に維持するために封入されている薬物であり、例えばタ
リウムTlは波長535nmに高い発光スペクトルを有し
ており、これが効率を高めるのにきわめて有用に作用し
ている。しかし、これらインジウムやタリウムが遊離す
ると、535nmの高い発光スペクトルが大幅に低下し、
したがって発光効率が著しく低下するという問題があ
る。
【0009】本発明はこのような事情にもとづきなされ
たもので、その目的とするところは、遊離ハロゲンの発
生を防止してランプ電圧の上昇や立ち消えおよび始動不
良を解消し、なおかつ IIIb族の物質の遊離を抑制して
発光効率の低下を防止したメタルハライドランプおよび
これを用いた照明装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、発光
管の両端部に電極を封装するとともに、この発光管内
に、希土類金属のハロゲン化物と、元素の周期律表で I
IIb族に属するインジウム、タリウム、ガリウムの中か
ら選ばれた少なくとも1種の物質のハロゲン化物と、水
銀および希ガスを封入したメタルハライドランプにおい
て、上記希土類金属をハロゲンに対して化学等量的に過
剰に封入するとともに、この希土類金属の過剰分と上記
IIIb族の物質のハロゲン化物をモル比で、 [過剰希土類金属/ IIIb族の物質のハロゲン化物]≦
2 の関係となるように封入したことを特徴とする。
【0011】ここで希土類金属のハロゲン化物は、ジス
プロシウムDy、セリウムCe、ネオジウムNd、ホル
ミウムHo、ツリウムTmなどのヨウ化物または臭化物
を含む。
【0012】請求項2の発明は、希土類金属は少なくと
もジスプロシウムを含み、 IIIb族の物質は少なくとも
タリウムを含むことを特徴とする。請求項3の発明は、
希ガスの封入圧を1300〜2000Paの範囲にした
ことを特徴とする。
【0013】請求項4の発明は、上記発光管内に、上記
希土類金属のハロゲン化物、上記 IIIb族に属する物質
に加えて、アルカリ金属のハロゲン化物を封入してある
ことを特徴とする。
【0014】ここで、アルカリ金属のハロゲン化物は、
セシウムCs、ナトリウムNa、カリウムK、リチウム
Liなどのヨウ化物または臭化物を含む。請求項5の発
明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1に記載のメ
タルハライドランプと、このランプを収容した器具本体
とを備えることを特徴とする照明装置である。
【0015】
【作用】本発明者等の研究によれば、ランプ電圧の上昇
や立ち消えおよび始動不良を解消するためには希土類金
属を過剰に封入する必要があるが、この過剰分が必要以
上に多くなり過ぎると、この過増量分の希土類金属が I
IIb族の物質と入れ替わって IIIb族の物質が遊離する
ものと推察される。よって、本発明は、希土類金属の過
剰分が必要以上に過剰にならない範囲に規制したもので
ある。必要以上に過剰であるか否かは、入れ替わる相手
となる IIIb族のハロゲン化物の量により影響される。
【0016】したがって、請求項1の発明は、希土類金
属の過剰分と IIIb族の物質のハロゲン化物をモル比
で、[過剰希土類金属/ IIIb族の物質のハロゲン化
物]≦2の範囲に規制したものであり、これにより過剰
の希土類金属が本来の目的であるところの遊離ハロゲン
を取り込んでランプ電圧の上昇や立ち消えおよび始動不
良を防止し、かつ希土類金属が上記遊離ハロゲンを取り
込むのに必要な量を越えて過増な量を封入しないことか
ら、 IIIb族の物質を遊離させなくなり、発光効率の低
下を抑制することができる。
【0017】請求項2の発明によれば、希土類金属は少
なくともジスプロシウムを含むので、希土類金属のなか
でも演色性が良好な金属であり、一方 IIIb族の物質は
少なくともタリウムを含むから、このタリウムは効率を
高くするのに有効な金属であることから、ランプ効率の
高いランプを提供できる。
【0018】請求項3の発明によれば、希ガスの封入圧
を1300〜2000Paの範囲にしたから、始動性が
良好に保たれる。すなわち、請求項1の発明の場合、遊
離ハロゲンを取り込むのに必要な過剰の希土類金属を封
入するが、それ以上の過剰な希土類金属の封入を規制し
ているため、点灯時間の経過に伴い始動性が低下するこ
とが、たまに発生する。これに対し、希ガスの封入圧を
1300〜2000Paの範囲に規制すれば、点灯時間
の経過に伴い始動性が低下するのを防止することができ
る。
【0019】請求項4の発明によれば、希土類金属のハ
ロゲン化物、上記 IIIb族に属する物質に加えて、アル
カリ金属のハロゲン化物を封入してあるから、アークが
安定する。請求項5の発明は、請求項1ないし請求項3
のいずれか1に記載のメタルハライドランプを器具本体
に収容した照明装置であるから、演色性および効率に優
れた照明装置を提供できる。
【0020】
【実施例】以下本発明について、図面に示す一実施例に
もとづき説明する。図1はメタルハライドランプの構成
図、図2はその回路図、図3は発光管の断面図、図4は
主電極の断面図、図5はメタルハライドランプを光源と
した照明装置の断面図を示す。
【0021】図1において1は硬質ガラスからなる外管
であり、この外管1内は窒素ガス雰囲気に保たれてお
り、この外管1内には発光管2が収容されている。発光
管2は、図3に示す通り、石英ガラスからなるバルブ3
の両端部に圧潰封止部4,4を形成し、これら封止部
4,4にそれぞれ主電極5a,5bを封装し、かつ一方
の主電極5aの近傍に始動用の補助電極6を封装して構
成されている。
【0022】主電極5a,5bは、図4に示す通り、そ
れぞれタングステンWまたはトリウムThを含有したタ
ングステンからなる電極軸51に、タングステンからな
る電極コイル52を巻装して構成されており、電極コイ
ル52には酸化ジスプロシウムDy23 、酸化スカン
ジムSc23 などからなる電子放射物質(エミッタ)
53が塗布されている。補助電極6はタングステンワイ
ヤにより形成されている。
【0023】これら主電極5a,5bおよび補助電極6
は、封止部4,4に封着されたモリブデンMoなどの金
属箔導体7…を介して外部リード線8…に接続されてい
る。このようなバルブ3内には、所定量の水銀と、希土
類金属のハロゲン化物および元素の周期律表で IIIb族
に分類された物質のハロゲン化物、ならびにア−クの安
定化を目的としてアルカリ金属のハロゲン化物、さらに
は始動用の希ガスが封入されている。これらの封入物に
ついては後で説明する。
【0024】このような構成の発光管2は、上記外管1
内に収容され、この発光管2の両端封止部4,4は、ホ
ルダ−10a,10bを介してサポート11a,11b
に支持されている。一方のサポート11aは、ステム1
2に封止した一方の導電線13aに溶接されているとと
もに、他方のサポート11bは、外管1の頂部に係着さ
れている。
【0025】発光管2の一方の主電極5aは、上記一方
のサポート11aに電気的に接続されている。発光管2
の他方の主電極5bはリード線14を介して接続線15
に接続されており、この接続線15はステム12に封止
した他方の導電線13bに接続されている。
【0026】上記一方の導電線13aは、外管1の端部
に被着した口金16に接続されているとともに、他方の
導電線13bは、上記口金16の外部端子17に接続さ
れている。
【0027】そして、発光管2の補助電極6は、始動用
抵抗18および常閉形バイメタルスイッチ19を介して
前記接続線15に接続されている。上記一方のサポート
11aには、グロー点灯管20が点灯管ホルダー21を
介して取り付けられている。このグロー点灯管20から
導かれた一対のリード線22a,22bのうちの一方の
リード線22aはサポート11aに接続されており、他
方のリード線22bは限流抵抗23の一端に接続されて
いる。この限流抵抗23の他端は上記始動用抵抗18と
常閉形バイメタルスイッチ19との接続部分に接続され
ている。
【0028】したがって、点灯管20と、限流抵抗23
およびバイメタルスイッチ19は図2に示すように、直
列回路を構成しており、この直列回路は発光管2に対し
て電気的に並列に接続されている。
【0029】このような構成のメタルハライドランプ
は、図2に示すように、安定器24を介して商用電源2
5に接続されて使用される。そして、始動時には常閉形
バイメタルスイッチ19が閉じているので、このバイメ
タルスイッチ19、限流抵抗23およびグロー点灯管2
0に電流が流れる。グロー点灯管20は、グロー電流に
より点灯管20内のバイメタル片が加熱されて点灯管の
接点が開閉し、限流抵抗23を介して安定器24を断続
する。この時の閉塞電流の変動により安定器24がパル
ス電圧を発生する。このパルス電圧は補助電極6とこれ
に近接する一方の主電極5aとの間、および主電極5
a,5bの間に印加される。このため、当初は補助電極
6とこれに近接する一方の主電極5aとの間に補助放電
が始まり、この補助放電は主電極5a,5b間の主放電
に移行し、よって発光管2が点灯する。
【0030】発光管2が始動すると、発光管2から放出
される熱によりバイメタルスイッチ19が加熱され、よ
ってこのバイメタルスイッチ19が開かれる。このため
直流回路を開放し、点灯管20および限流抵抗23に電
流が流れるのを防止し、かつ補助電極6をこれに近接す
る一方の主電極5aと同電位に保つ。
【0031】したがって、上記構成のメタルハライドラ
ンプは、始動器内蔵形であり、安定器24を用いて商用
電源により容易に始動させることができる。このような
構成のメタルハライドランプにおいて、定格電力が2k
Wの場合、上記発光管2は、内径が27mm、電極間距離
Lが110mmとなるように形成されている。このバルブ
3内には、所定量の水銀Hgと、希土類金属のハロゲン
化物および元素の周期律表で IIIb族に分類された物質
のハロゲン化物、ならびにアルカリ金属のハロゲン化
物、さらには始動用の希ガスが封入されている。
【0032】水銀は緩衝ガスとして作用するものであ
り、上記定格電力2kWのメタルハライドランプの場
合、水銀は例えば180mg封入されている。希土類金属
のハロゲン化物は、例えばヨウ化ジスプロシウムDyI
3 が用いられている。DyI3 を封入するのは、Dyの
発光スペクトルが可視光の全域に亘り連続したスペクト
ル分布をもっているため、演色性がきわめて優れること
による。この場合、DyI3 は0.64mg/cm3 の割合
で封入されている。
【0033】元素の周期律表で IIIb族に属するインジ
ウム、タリウム、ガリウムの中から選ばれた少なくとも
1種の物質のハロゲン化物としては、例えばヨウ化タリ
ウムTlIが封入されている。Tlは発光スペクトルが
535nmの領域に強い発光スペクトルを有しており、こ
れは人間の視感度を強く刺激して高い輝度を印象つける
スペクトルであり、よって効率を高めるのに寄与する。
この場合、TlIは、0.16mg/cm3 の割合で封入さ
れている。
【0034】アルカリ金属のハロゲン化物としては、ヨ
ウ化セシウムCsIが用いられており、CsIはアーク
を安定化する作用がある。この場合、ヨウ化セシウムC
sIは0.16mg/cm3 の割合で封入されている。
【0035】さらには始動用希ガスとしてアルゴンAr
が1300〜2000Paの封入圧で封入されている。
ところで、上記ヨウ化ジスプロシウムDyI3 のジスプ
ロシウムは、発光管材料の石英や電極材料のタングステ
ンなどと反応して点灯時間に伴い次第に減少するため、
演色性が低下するばかりでなく、残ったハロゲンが遊離
ハロゲンとなって発光管2内に存在するようになり、こ
の遊離ハロゲンがランプ電圧の上昇や立ち消え、および
始動性の低下を招く原因となる。これを防止するため、
消失したジスプロシウムを補うべく、化学等量的に平衡
する量のジスプロシウムよりも過剰のジスプロシウムを
封入してある。
【0036】しかしながら、本発明者等の研究による
と、過剰に封入したジスプロシウムが、効率を高めるた
めに封入したヨウ化タリウムTlIのタリウムと入れ替
わることがあり、すなわち、タリウムと結び付いていた
ハロゲンが分解したときに、上記過剰のジスプロシウム
と結び付き、このためタリウムが遊離してしまうことが
判明した。すなわち、
【0037】
【化2】 の関係が発生する。
【0038】このように、タリウムが遊離すると、タリ
ウムの発光が大幅に減少し、発光効率が著しく低下す
る。そこで、過剰に封入するジスプロシウムDyは、遊
離ハロゲンを発生させない程度の最低限度に規制し、し
かしながら必要以上に過剰に封入しない範囲を検討し
た。
【0039】ジスプロシウムの過剰分は、入れ替わる相
手となるヨウ化タリウムTlIの量により影響される。
この点を実験により調べた結果、ジスプロシウムの過剰
分とヨウ化タリウムTlIをモル比で、 [ジスプロシウムの過剰分/ヨウ化タリウムTlI]≦
2 の範囲に規制すればよいことが判った。
【0040】すなわち、図6は、過剰のジスプロシウム
Dyとヨウ化タリウムTlIとのモル比(過剰Dy/T
lI)を、それぞれ0、0.2、0.6、1.2、2.
0、2.8とした場合のランプについて、そのランプ効
率を測定した結果を示す。
【0041】(過剰Dy/TlI)のモル比が増大する
に応じてランプ効率は低下する傾向が見られる。そし
て、(過剰Dy/TlI)のモル比が2を越えると、ラ
ンプ効率は80%以下に低下し、好ましくないことが確
認された。このことから、過剰Dy/TlIはモル比で
2以下であることが必要である。
【0042】図7は、同じく(過剰Dy/TlI)のモ
ル比と、平均演色評価数Raとの関係を測定した結果を
示す。(過剰Dy/TlI)のモル比が0.6までは平
均演色評価数Raが緩やかに上昇し、それ以上は飽和状
態になる。
【0043】このことから、遊離タリウムの発生を防止
して高いランプ効率を維持するには(過剰Dy/Tl
I)のモル比を2以下に規制すればよいことが判る。そ
して、平均演色評価数Raを高いレベルに維持するに
は、(過剰Dy/TlI)のモル比を0.6以上にする
ことが望ましいことも判った。
【0044】この結果、上記実施例に示す2kWの構成
のメタルハライドランプは、ジスプロシウムDyを、ハ
ロゲンと化学等量的に平衡する量のジスプロシウムより
も過剰に封入してあるから、ヨウ化ジスプロシウムDy
3 のジスプロシウムが発光管を構成する石英や、電極
を構成するタングステンなどと反応して次第に消失して
も、過剰のジスプロシウムDyが遊離ハロゲンと結びつ
く。したがってヨウ化ジスプロシウムDyI3 の減少が
防止され、演色性を高い水準に保つことができる。
【0045】また、発光管内に遊離ハロゲンを発生させ
なくし、このため、遊離ハロゲンによるランプ電圧の上
昇や立ち消え、および始動性の低下を防止する。しか
も、上記ジスプロシウムの過剰分は、このジスプロシウ
ムの過剰分とヨウ化タリウムTlIをモル比で、[ジス
プロシウムの過剰分/ヨウ化タリウムTlI]≦2の範
囲に規制してあるから、ジスプロシウムの過剰量が過大
にならない。よって、ジスプロシウムがタリウムと入れ
替わってハロゲンと結び付くのが抑制される。このた
め、タリウムが遊離することが防止され、ヨウ化タリウ
ムの量が所定量に保たれるからランプ効率を高くするこ
とができる。
【0046】上記実施例に示す2kWのメタルハライド
ランプは、ランプ効率を80lm/W以上にすることがで
き、平均88lm/Wを測定した。なお、希土類金属のハ
ロゲン化物としては、ヨウ化ジスプロシウムの外に、セ
リウムCe、ネオジウムNd、ホルミウムHo、ツリウ
ムTmなどのヨウ化物または臭化物であってもよいが、
ジスプロシウムは希土類金属のなかでも演色性が良好な
金属であり、よってジスプロシウムを用いるのがよい。
【0047】また、 IIIb族の物質は、インジウム、タ
リウム、ガリウムの中から選ばれた少なくとも1種であ
ってもよいが、タリウムは効率を高くするのに有効な金
属であることから、タリウムを用いるとランプ効率の特
に高いランプが得られる。
【0048】さらに、アルゴンArの封入圧を1300
〜2000Paにしたから、始動性が良好に保たれる。
すなわち、過剰のジスプロシウムはヨウ化タリウムTl
Iとのモル比で2以下に規制されているから、点灯時間
の経過に伴い始動性が低下する場合が、たまに見られ
る。これに対し、希ガスの封入圧を1300〜2000
Paの範囲に規制すれば、始動性の低下を防止すること
ができる。
【0049】図8はアルゴンの封入圧と始動電圧との関
係を測定した特性図であり、点灯時間0時間と、500
0時間の場合を示す。この図から、点灯時間の経過によ
り始動電圧が上昇する傾向が見られるが、アルゴンAr
の封入圧が1300〜2000Paの範囲であれば、低
い電圧で始動可能であることが判る。
【0050】上記実施例のメタルハライドランプは、ヨ
ウ化セシウムCsIのようなアルカリ金属のハロゲン化
物を封入してあるから、アークが安定する。アルカリ金
属のハロゲン化物としてはヨウ化セシウムCsIの外
に、ナトリウムNa、カリウムK、リチウムLiなどの
ヨウ化物または臭化物の少なくとも1種であってもよ
い。
【0051】図1ないし図4に示されたメタルハライド
ランプは、図5に示すように、照明装置の光源として用
いることができる。図5において、30は照明器具本体
を示し、内面に反射面31を有するとともに、下面また
は一側面が開口されたハウジング構造をなしている。こ
の照明器具本体30の開口部には前面カバー32が取り
付けられている。また、この照明器具本体30の側壁に
はソケット33が取り付けられており、図1に示したメ
タルハライドランプはその口金16がソケット33にね
じ込まれて上記器具本体30に取り付けられている。こ
の場合、メタルハライドランプはランプ軸がほぼ水平線
を向くように、水平姿勢で点灯される。なお、器具本体
30には図5で図示しないが、図2に示す安定器24が
収容されている。
【0052】このような構成の照明装置においては、メ
タルハライドランプから放出された光が器具本体30の
内面に形成した反射面31で反射され、開口部の前面カ
バー32を通じて外に照射される。
【0053】上記光源として用いられたメタルハライド
ランプは、前述したように、遊離ハロゲンの発生を防止
してランプ電圧の上昇や立ち消えおよび始動不良を解消
し、かつ発光効率の低下が防止されるので、これを光源
とする照明装置は、演色性および効率に優れた照明装置
となる。
【0054】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、希土
類金属を過剰に封入したから、希土類金属ハロゲン化物
の希土類金属が消失しても過剰の希土類金属が消失分を
補い、遊離ハロゲンの発生を防止し、よって演色性を低
下させることがなく、ランプ電圧の上昇や立ち消えおよ
び始動不良を解消する。しかも希土類金属の過剰量が過
大にならないように規制したから、過剰の希土類金属と
元素の周期律表で IIIb族に属する物質とが入れ替わる
ことを抑制し、 IIIb族の物質が遊離するのを防止し、
よって発光効率の低下を防止することができるなどの効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、メタルハライドラン
プの構造を示す図。
【図2】同実施例の回路構成図。
【図3】同実施例の発光管の図。
【図4】同実施例の主電極の断面図。
【図5】照明装置の断面図。
【図6】過剰ジスプロシウムとヨウ化タリウムにモル比
と、ランプ効率の関係を示す特性図。
【図7】過剰ジスプロシウムとヨウ化タリウムにモル比
と、平均演色評価数の関係を示す特性図。
【図8】アルゴン封入圧と始動電圧の関係を示す特性
図。
【符号の説明】
1…メタルハライドランプの外管 2…発光管 3…バルブ 4…封止部 5a、5b…主電極 6…補助電極 19…バイメタルスイッチ 20…点灯管 30…照明器具本体 31…反射面 32…前面カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蛭田 寿男 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝 ライテック株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光管の両端部に電極を封装するととも
    に、この発光管内に、希土類金属のハロゲン化物と、元
    素の周期律表で IIIb族に属するインジウム、タリウ
    ム、ガリウムの中から選ばれた少なくとも1種からなる
    物質のハロゲン化物と、水銀および希ガスを封入したメ
    タルハライドランプにおいて、 上記希土類金属をハロゲンに対して化学等量的に過剰に
    封入するとともに、 この希土類金属の過剰分と上記 IIIb族の物質のハロゲ
    ン化物を、モル比で、 [過剰希土類金属/ IIIb族の物質のハロゲン化物]≦
    2 の関係となるように封入したことを特徴とするメタルハ
    ライドランプ。
  2. 【請求項2】 希土類金属は少なくともジスプロシウム
    を含み、 IIIb族の物質は少なくともタリウムを含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載のメタルハライドラン
    プ。
  3. 【請求項3】 希ガスの封入圧を1300〜2000P
    aの範囲にしたことを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載のメタルハライドランプ。
  4. 【請求項4】 上記発光管内に、上記希土類金属のハロ
    ゲン化物、上記 IIIb族に属する物質に加えて、アルカ
    リ金属のハロゲン化物を封入したことを特徴とする請求
    項1ないし請求項3のいずれか1に記載のメタルハライ
    ドランプ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1に
    記載のメタルハライドランプと、 このランプを収容した器具本体と、を備えることを特徴
    とする照明装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009272119A (ja) * 2008-05-07 2009-11-19 Car Mate Mfg Co Ltd 自動車前照灯用メタルハライドランプ

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